台本概要

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タイトル トロッコ問題
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 とある友人同士の車の自動運転についてお話。皆さんは「トロッコ問題」という言葉は聞いたことがあるだろうか?これはこれから来るであろう未来の車の自動運転普及に関わる問題がテーマである。
男女不問。アドリブOK。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
35 車の自動運転について詳しい友人。頭が切れる。
34 車の自動運転について詳しく無い友人。遅刻ぐせがある。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
B:はあ、はあ、悪い、待たせたな A:おっそいよ、一時間も遅刻するなんて、何やってたんだよ? B:いや、それがな⋯ A:それが? B:⋯ご飯食べながらにしない? A:はいはい、じゃあ入るよ :間 B:は~美味しかったし、大満足だね~ A:そりゃあんだけいっぱい食べたら大満足だろうよ B:また次来たら別のやつも食べてみたいね A:で、そろそろ話してくれるんだろ? B:ん、何が? A:何がじゃないよ、遅れた訳!勿体つけた言い方だったじゃん B:あー、その事か。ご飯食べたらすっかり忘れてたよ A:まったく⋯で? B:俺が車で来たのは知ってるよな? A:そりゃここのファミレスが車でしか来れない場所だからな B:まず家を出てすぐの道で、車同士の事故が合ったんだよ A:ええ!それ大丈夫だったのか? B:目の前だったけど、幸い自分は巻き込まれずに済んだんだけど、道の真ん中だったから車が立ち往生する事になってさ A:それはそうとう大きな事故だったんだな A:なるほど、事故処理やら車の移動を待ってて遅れたってわけか B:いや、それが遅れた理由じゃないんだ A:え?違うの?それが理由じゃないなら、なんで遅れたんだよ B:車が動き出した時にはまだ時間に余裕があったんだけど、早く行こうと思って近道したら、迷って遅れちゃったんだ A:完全にお前のミスじゃないか!? B:そうとも言うな A:いやそれ以外の何物でもないよ。まったく、まあ理由は分かったよ B:でもまあ、こんな事もあと何年かしたら解消されるんだろうけどな A:ん?どういう事だよ B:いやほら、車もそのうち自動運転で走るようになるんだろ?そうなったら、さっきみたいな事故や道に迷う心配無くなるじゃん A:あー、そういう事か。たしかに自動運転の車が普及したら便利にはなるよな B:だよな?早くそんな便利で素晴らしい未来が来て欲しいよ A:うーん。でも、便利になるのは良い事ばかりじゃないかも知れないぞ B:え?どうしてだ、運転とかしなくていいんだぞ? A:「トロッコ問題」って知ってるか? B:トロッコ問題⋯?え、何それ? A:簡単に言うと、線路を走ってたトロッコの制御が不能になった。このままでは5人の人間がトロッコにひき殺されてしまう B:え、絶体絶命じゃん A:その近くに線路の切り替えレバーがあってレバーを操作する事で5人を助けれるんだが、そうすると切り替えた先には一人の人間が居て、今度はそいつが死んでしまう B:えー!なんだよその究極の選択!選べる訳ないじゃん A:という、思考実験だ B:な、なんだよ、ただの実験かよ。焦らせやがって A:まあこれはただの思考実験の中の話だったけど⋯これが現実の世界の身近な問題になって来てるんだ。命の価値を決めないといけない、選択が B:え?そんな選択、日常で起こる事なんてないだろ? A:ここでさっきの自動運転の話だ B:え?自動運転⋯って話が見えないぞ? A:自動運転は何で動かすんだ? B:何って⋯そりゃ機械だろ? A:そうだ。正確にはAI(人工知能)が動かす事になる。そうなってくると問題なのが、アクシデントだ B:アクシデント⋯あ!さっきの事故とか? A:そう、車同士の事故は減るだろうが、歩いてる歩行者やバイクの運転手などに対するアクシデントもプログラムされてないといけないんだ B:例えばどんな状況が考えられるんだ? A:例えば後ろから追突事故で車が前に押し出された時、バイクが目の前を2台走っていて、咄嗟に右か左にハンドルを切らないといけなくなった時 A:片方はノーヘルのバイクの操縦者、片方はヘルメットを被っているバイクの操縦者、どちらに切るほうがいいと思う? B:えーと、それはノーヘルだとダメージがデカイからヘルメットを被ってる方かな? A:なるほど、しかしそれだとルールを破って運転していた方は助かり、ルールをしっかり守って運転していた方が命の危険にさらされる事にならないか? B:あ⋯ほんとだ、これじゃ矛盾しちゃうのか⋯ A:まだあるぞ、例えば橋の上を走っていて目の前に急に人が飛び出して来てしまう。そのまま行くとその人は死ぬ。しかし、かわせば橋から落ちて運転手が死ぬ B:ちょ、それは⋯ A:選べないよな? B:でも人を引くわけにはいかないから避けるんじゃないか? A:じゃあ仮に人を助ける為に自ら橋から落ちるプログラムの車だとしよう。では果たしてそんな車をお前は買いたいと思うか? B:そんな車絶対乗りたくないし、買わないな A:だろ?だから今まさにこれから自動運転が普及していこうとしてる中で議論になってるみたいなんだ B:なるほどなー、人間でも難しい判断を機械にどう判断させるかなんて、答えが出るものか謎だけどな A:その辺も含めて法整備やら色々な取り決めをしていくとは思うね B:なるほど⋯でも、とりあえず一つ分かった事があるわ A:ん、なんだ? B:歩いてる側も、運転してる側も、過信は禁物、だな。 :終

B:はあ、はあ、悪い、待たせたな A:おっそいよ、一時間も遅刻するなんて、何やってたんだよ? B:いや、それがな⋯ A:それが? B:⋯ご飯食べながらにしない? A:はいはい、じゃあ入るよ :間 B:は~美味しかったし、大満足だね~ A:そりゃあんだけいっぱい食べたら大満足だろうよ B:また次来たら別のやつも食べてみたいね A:で、そろそろ話してくれるんだろ? B:ん、何が? A:何がじゃないよ、遅れた訳!勿体つけた言い方だったじゃん B:あー、その事か。ご飯食べたらすっかり忘れてたよ A:まったく⋯で? B:俺が車で来たのは知ってるよな? A:そりゃここのファミレスが車でしか来れない場所だからな B:まず家を出てすぐの道で、車同士の事故が合ったんだよ A:ええ!それ大丈夫だったのか? B:目の前だったけど、幸い自分は巻き込まれずに済んだんだけど、道の真ん中だったから車が立ち往生する事になってさ A:それはそうとう大きな事故だったんだな A:なるほど、事故処理やら車の移動を待ってて遅れたってわけか B:いや、それが遅れた理由じゃないんだ A:え?違うの?それが理由じゃないなら、なんで遅れたんだよ B:車が動き出した時にはまだ時間に余裕があったんだけど、早く行こうと思って近道したら、迷って遅れちゃったんだ A:完全にお前のミスじゃないか!? B:そうとも言うな A:いやそれ以外の何物でもないよ。まったく、まあ理由は分かったよ B:でもまあ、こんな事もあと何年かしたら解消されるんだろうけどな A:ん?どういう事だよ B:いやほら、車もそのうち自動運転で走るようになるんだろ?そうなったら、さっきみたいな事故や道に迷う心配無くなるじゃん A:あー、そういう事か。たしかに自動運転の車が普及したら便利にはなるよな B:だよな?早くそんな便利で素晴らしい未来が来て欲しいよ A:うーん。でも、便利になるのは良い事ばかりじゃないかも知れないぞ B:え?どうしてだ、運転とかしなくていいんだぞ? A:「トロッコ問題」って知ってるか? B:トロッコ問題⋯?え、何それ? A:簡単に言うと、線路を走ってたトロッコの制御が不能になった。このままでは5人の人間がトロッコにひき殺されてしまう B:え、絶体絶命じゃん A:その近くに線路の切り替えレバーがあってレバーを操作する事で5人を助けれるんだが、そうすると切り替えた先には一人の人間が居て、今度はそいつが死んでしまう B:えー!なんだよその究極の選択!選べる訳ないじゃん A:という、思考実験だ B:な、なんだよ、ただの実験かよ。焦らせやがって A:まあこれはただの思考実験の中の話だったけど⋯これが現実の世界の身近な問題になって来てるんだ。命の価値を決めないといけない、選択が B:え?そんな選択、日常で起こる事なんてないだろ? A:ここでさっきの自動運転の話だ B:え?自動運転⋯って話が見えないぞ? A:自動運転は何で動かすんだ? B:何って⋯そりゃ機械だろ? A:そうだ。正確にはAI(人工知能)が動かす事になる。そうなってくると問題なのが、アクシデントだ B:アクシデント⋯あ!さっきの事故とか? A:そう、車同士の事故は減るだろうが、歩いてる歩行者やバイクの運転手などに対するアクシデントもプログラムされてないといけないんだ B:例えばどんな状況が考えられるんだ? A:例えば後ろから追突事故で車が前に押し出された時、バイクが目の前を2台走っていて、咄嗟に右か左にハンドルを切らないといけなくなった時 A:片方はノーヘルのバイクの操縦者、片方はヘルメットを被っているバイクの操縦者、どちらに切るほうがいいと思う? B:えーと、それはノーヘルだとダメージがデカイからヘルメットを被ってる方かな? A:なるほど、しかしそれだとルールを破って運転していた方は助かり、ルールをしっかり守って運転していた方が命の危険にさらされる事にならないか? B:あ⋯ほんとだ、これじゃ矛盾しちゃうのか⋯ A:まだあるぞ、例えば橋の上を走っていて目の前に急に人が飛び出して来てしまう。そのまま行くとその人は死ぬ。しかし、かわせば橋から落ちて運転手が死ぬ B:ちょ、それは⋯ A:選べないよな? B:でも人を引くわけにはいかないから避けるんじゃないか? A:じゃあ仮に人を助ける為に自ら橋から落ちるプログラムの車だとしよう。では果たしてそんな車をお前は買いたいと思うか? B:そんな車絶対乗りたくないし、買わないな A:だろ?だから今まさにこれから自動運転が普及していこうとしてる中で議論になってるみたいなんだ B:なるほどなー、人間でも難しい判断を機械にどう判断させるかなんて、答えが出るものか謎だけどな A:その辺も含めて法整備やら色々な取り決めをしていくとは思うね B:なるほど⋯でも、とりあえず一つ分かった事があるわ A:ん、なんだ? B:歩いてる側も、運転してる側も、過信は禁物、だな。 :終