声劇台本置き場

土屋（ナレーション）：僕の彼女は、三度の飯よりチョコレートが好きだ 田沢：ん～！　ピーナツチョコ、おいしい！ 土屋：田沢さんお疲れ様。定時すぎてるけど大丈夫？ 田沢：ン～。どうにかする 土屋：……手伝おうか？ 田沢：え！　いいの？　でも大丈夫？ 土屋：マア、僕もこのあとまだ暇だし 田沢：タハハ。暇なんだ？ 土屋：うん。今日ご飯食べてくれる人が、まだ来ないみたいだから 田沢：……それは、まだ暇だねぇ 土屋：そうなんだよねぇ 0：　 田沢：そういえば彼女いるんだっけ。 土屋：は？ 田沢：付き合って何年目？ 土屋：そんな話させるの？ 田沢：えー。聞きたいなあ。あの土屋さんの恋愛事情 土屋：……ごほん。えっとね 田沢：緊張してる？ 土屋：虐めないでくださいよ 田沢：まだ他の人居るよ 土屋：……ほら、手を動かして 田沢：はいはい 土屋：そういう田沢さんこそ、彼氏いるんでしょ 田沢：そう。いるの。 土屋：…… 田沢：すごくかっこよくて、でも可愛くて、つまみはオジサンみたいなのを食べる人 土屋：本当に好き？ 田沢：……どうだろ？ 土屋：はぐらかさないで。田沢さんただでさえ美人なんだから、こういうことははっきり言ってくれないと変な人が勘違いする 田沢：ウフフ。どうだろ。私は彼氏と違って仕事が遅いからなあ 土屋：……ほら、手を動かして 田沢：はいはい 0：　 田沢：ねえ、今夜お酒飲む？ 土屋：どうしようかな。今日彼女は仕事が遅いみたいだから 田沢：あら、彼女に合わせるなんて紳士 土屋：お酒は一緒に飲みたいものじゃない？ 田沢：そうだね。おいしいものも一緒に食べてね 土屋：今夜は寒いから、コンビニでおでん買おうよ 田沢：それ昨日も言ってなかった？　 土屋：だっておいしいじゃん。一緒に大根たべたでしょ。しみしみの 田沢：……ねえここ会社だよ 土屋：じゃあ早く終わらせてよ 田沢：ごめんって 土屋：田沢さん、昨日も残業してた 田沢：手が遅くてね 土屋：自分に合う作業量はちゃんとわかってよ。もう三年目でしょ 田沢：三年なんてあっと言う間だよ。やっと仕事が分かった感じじゃないの？ 土屋：おそ 田沢：うるさい 土屋：要領悪い 田沢：ねえちくちく言葉 土屋：……僕は早く帰って、かわいい彼女と一緒に晩酌がしたいんだよ 田沢：……の、惚気？ 土屋：バカ 田沢：我慢してよ。ここまだ会社 土屋：ねえ、ホントに早く手を動かして 田沢：はいはい 田沢：……もしかして、ちょっとイライラしてる？ 土屋：してるかも。だってお腹空いてるし。仕事終わってくれないし 田沢：……ねえ。私のチョコ、食べる？ 土屋：……僕、甘いの好きじゃないって、知ってるでしょ 田沢：ね、食べて。一緒に帰ろ 土屋：…… 土屋（ナレーション）：僕は、僕の彼女がまわりに隠すようにして差し出したチョコレートのひとかけを食べた。