台本概要

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タイトル keep sending
作者名 皐月健太  (@satukiburibura)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ※注意事項

寿瀬さん(@xnjebcx8p)との合作台本になります。

●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡ください。
●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や語尾等の軽微な変更は可能とします。
●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。

その他について不明点などは下記URLのサイト利用規約を確認し、順守をお願いします。
https://buribura.amebaownd.com/

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
男性 48 毎日女性にメールを送る人。
女性 51 毎日男性にメールを送る人。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
男性:夜風が少し寒くなり始め、部屋の窓をパタンと閉めて寝ようか考える 男性:ブーブー 男性:タイミングを見計らっていたかのように、今日もいつもの人からメッセージがくる 男性:「こんにちは」 女性:風通しのいい田舎には、すでに肌寒い季節になり、カーディガンを羽織ってスマートフォンを見る 女性:今日も彼からきた数時間前、あるいは昨日のメッセージを見て、日付も変わろうかという頃に、まずこう送る 女性:「こんにちは」 男性:いつから始まったのかは分からない 男性:しかしいつどの時間に送ろうとも、メッセージの始まりは必ず 男性:「こんにちは」 男性:続いて送られてくる彼女の本文を見て、まず私は一言こう送るのだ 男性:「ごきげんよう」 女性:今日見た雑誌に載っていたスープ料理を見よう見まねで作って見たの 女性:雑誌の写真のように綺麗に撮れたのよ 女性:「スープ料理作ったの、今度送るね。味はまぁ、・・・ね」 女性:寒くなったから、暖かいものを食べたくなるよね 男性:どんなスープかも分からないのに、写真を見る前から飲んでみたいなと思う一言 男性:「俺もこの間肉じゃが作ったから送るね」 男性:何故対抗しようとしたのか分からない 男性:多分彼女から自分と同じように思ってほしくて 男性:こう返してきてほしかったのだ 男性:「食べてみたい」 女性:「肉じゃが!」 女性:と、笑みがこぼれる 女性:大好きな料理の1つだったから 女性:肉じゃがを作っている彼の姿を思い浮かべ、また笑みを浮かべる 女性:「楽しみだわ」 男性:彼女の姿を見たことはない 男性:けれど楽しみと言った彼女が 男性:この写真を見たらきっと笑ってくれるのだろう 男性:私はそれがたまらなく嬉しいのだ 男性:「ところで今日は何してた?」 女性:「今日は公園で本読んでたよ」 女性:休みの日は、家とは別の場所で本を読むのが好き 女性:ホットの缶コーヒーさえも美味しく感じるこの季節も好き 女性:あなたは何が好きなんだろう? 女性:フッと抱いた素朴な疑問に 女性:私もすぐ質問を 女性:「あなたは今日何をしてた?」 男性:彼女の過ごし方があまりにまぶしくて 男性:コーヒーが好きなのをいいことに 男性:ただ家でゴロゴロしてたのを、それっぽく綺麗に伝えた 男性:「コーヒーが好きでね、自分で挽いたコーヒーを飲んで、家でゆっくりしてたよ」 女性:挽いたコーヒーの匂いがした 女性:視覚しか機能していない感覚が 女性:あなたとの「文」の言葉で、それ以外も感じる気がする 女性:「今日は特に冷えたね。暖かい場所が1番よね」 男性:暖かい場所、温かい場所 男性:少なくとも私にとって彼女の毎日のやり取りは 男性:間違いなくあたたかい場所となっている 男性:そんな恥ずかしいことは文章に載せることはないが 男性:それでも私にはこの必要な場所を、あたたかい文章で今日も 男性:「お互い風邪を引かないようにしないとね。何もしてあげられないから」 女性:何もしてあげられないから… 女性:このやり取りが心地いいの。 女性:と、思いつつ……、なんだかその文にうら寂しさを感じる 女性:「今年は寒暖差激しいね。お互い気をつけましょう。何もしてあげられないから」 女性:思いがけず私も寂しい文章を送ってしまった 男性:何もしてあげられない 男性:だけどこのあたたかい場所は 男性:何もしてあげられないからこそ温もりがあり 男性:だから何もしてあげられなくても 男性:何かはしてあげたいと思えるのだ 男性:「うん、もし風邪を引いてもメッセージは送り続けるから。心配だけはさせてもらうよ」 女性:文面から、あなたの優しさを、ふわっと感じ 女性:ほんのりあたたかい気持ちになり、そっと眼を閉じた 女性:少し風が出てきたのか、窓がカタカタと心地よいリズムを刻んだ 女性:あなたの文章一つ一つにいちいち一喜一憂してしまう私に 女性:思わずクスっと笑ってしまった 女性:「風、出てきたわ。そろそろ寝るね。おやすみなさい」 男性:いつから始まったのかは分からない 男性:しかしその日のやり取りを終わる時は必ず 男性:「おやすみなさい」 男性:まだまだ話足りないような 男性:十分今日は満たされたような 男性:言葉にできない感情を 男性:私は別の日のいつかに 男性:きっと彼女に伝えるのだろう 女性:本当はまだあまり眠たくない 女性:彼の次の日の仕事を考えて 女性:私はいつも早めにやり取りを切り上げる 女性:そんな表向きな思いとは裏腹に 女性:本当は彼から先に 女性:「おやすみなさい」 女性:を言われてしまうと、肌寒さが少し増すような気がするから 女性:そんな少しめんどくさいと思われるようなことも 女性:私は別の日のいつかに 女性:きっと彼に伝えるのだろう 男性:いつも必ず先に 男性:「おやすみなさい」 男性:を言う彼女に、私は今日いつもとは少し違う返し方をして 男性:今日を微笑んで終わる 男性:「おやすみなさい」 男性:「また、明日」 女性:うつらうつらと眠気がきた私は 女性:ブーブー 女性:と鳴ったスマートフォンに目をやり 女性:思わず微笑んで、眠りについた 女性:返信しなくても 女性:きっと私がうっすらと呟いた言葉は彼に届いて 女性:眠りについてくれるのだろう 女性:「また、明日」 終わり

男性:夜風が少し寒くなり始め、部屋の窓をパタンと閉めて寝ようか考える 男性:ブーブー 男性:タイミングを見計らっていたかのように、今日もいつもの人からメッセージがくる 男性:「こんにちは」 女性:風通しのいい田舎には、すでに肌寒い季節になり、カーディガンを羽織ってスマートフォンを見る 女性:今日も彼からきた数時間前、あるいは昨日のメッセージを見て、日付も変わろうかという頃に、まずこう送る 女性:「こんにちは」 男性:いつから始まったのかは分からない 男性:しかしいつどの時間に送ろうとも、メッセージの始まりは必ず 男性:「こんにちは」 男性:続いて送られてくる彼女の本文を見て、まず私は一言こう送るのだ 男性:「ごきげんよう」 女性:今日見た雑誌に載っていたスープ料理を見よう見まねで作って見たの 女性:雑誌の写真のように綺麗に撮れたのよ 女性:「スープ料理作ったの、今度送るね。味はまぁ、・・・ね」 女性:寒くなったから、暖かいものを食べたくなるよね 男性:どんなスープかも分からないのに、写真を見る前から飲んでみたいなと思う一言 男性:「俺もこの間肉じゃが作ったから送るね」 男性:何故対抗しようとしたのか分からない 男性:多分彼女から自分と同じように思ってほしくて 男性:こう返してきてほしかったのだ 男性:「食べてみたい」 女性:「肉じゃが!」 女性:と、笑みがこぼれる 女性:大好きな料理の1つだったから 女性:肉じゃがを作っている彼の姿を思い浮かべ、また笑みを浮かべる 女性:「楽しみだわ」 男性:彼女の姿を見たことはない 男性:けれど楽しみと言った彼女が 男性:この写真を見たらきっと笑ってくれるのだろう 男性:私はそれがたまらなく嬉しいのだ 男性:「ところで今日は何してた?」 女性:「今日は公園で本読んでたよ」 女性:休みの日は、家とは別の場所で本を読むのが好き 女性:ホットの缶コーヒーさえも美味しく感じるこの季節も好き 女性:あなたは何が好きなんだろう? 女性:フッと抱いた素朴な疑問に 女性:私もすぐ質問を 女性:「あなたは今日何をしてた?」 男性:彼女の過ごし方があまりにまぶしくて 男性:コーヒーが好きなのをいいことに 男性:ただ家でゴロゴロしてたのを、それっぽく綺麗に伝えた 男性:「コーヒーが好きでね、自分で挽いたコーヒーを飲んで、家でゆっくりしてたよ」 女性:挽いたコーヒーの匂いがした 女性:視覚しか機能していない感覚が 女性:あなたとの「文」の言葉で、それ以外も感じる気がする 女性:「今日は特に冷えたね。暖かい場所が1番よね」 男性:暖かい場所、温かい場所 男性:少なくとも私にとって彼女の毎日のやり取りは 男性:間違いなくあたたかい場所となっている 男性:そんな恥ずかしいことは文章に載せることはないが 男性:それでも私にはこの必要な場所を、あたたかい文章で今日も 男性:「お互い風邪を引かないようにしないとね。何もしてあげられないから」 女性:何もしてあげられないから… 女性:このやり取りが心地いいの。 女性:と、思いつつ……、なんだかその文にうら寂しさを感じる 女性:「今年は寒暖差激しいね。お互い気をつけましょう。何もしてあげられないから」 女性:思いがけず私も寂しい文章を送ってしまった 男性:何もしてあげられない 男性:だけどこのあたたかい場所は 男性:何もしてあげられないからこそ温もりがあり 男性:だから何もしてあげられなくても 男性:何かはしてあげたいと思えるのだ 男性:「うん、もし風邪を引いてもメッセージは送り続けるから。心配だけはさせてもらうよ」 女性:文面から、あなたの優しさを、ふわっと感じ 女性:ほんのりあたたかい気持ちになり、そっと眼を閉じた 女性:少し風が出てきたのか、窓がカタカタと心地よいリズムを刻んだ 女性:あなたの文章一つ一つにいちいち一喜一憂してしまう私に 女性:思わずクスっと笑ってしまった 女性:「風、出てきたわ。そろそろ寝るね。おやすみなさい」 男性:いつから始まったのかは分からない 男性:しかしその日のやり取りを終わる時は必ず 男性:「おやすみなさい」 男性:まだまだ話足りないような 男性:十分今日は満たされたような 男性:言葉にできない感情を 男性:私は別の日のいつかに 男性:きっと彼女に伝えるのだろう 女性:本当はまだあまり眠たくない 女性:彼の次の日の仕事を考えて 女性:私はいつも早めにやり取りを切り上げる 女性:そんな表向きな思いとは裏腹に 女性:本当は彼から先に 女性:「おやすみなさい」 女性:を言われてしまうと、肌寒さが少し増すような気がするから 女性:そんな少しめんどくさいと思われるようなことも 女性:私は別の日のいつかに 女性:きっと彼に伝えるのだろう 男性:いつも必ず先に 男性:「おやすみなさい」 男性:を言う彼女に、私は今日いつもとは少し違う返し方をして 男性:今日を微笑んで終わる 男性:「おやすみなさい」 男性:「また、明日」 女性:うつらうつらと眠気がきた私は 女性:ブーブー 女性:と鳴ったスマートフォンに目をやり 女性:思わず微笑んで、眠りについた 女性:返信しなくても 女性:きっと私がうっすらと呟いた言葉は彼に届いて 女性:眠りについてくれるのだろう 女性:「また、明日」 終わり