声劇台本置き場

隊員A：こちら隊員A、所定の位置につきました。オーバー。 隊員B：こちら隊員B、全ての罠、取り付け完了。そのまま、ポイントＯFT(おーえふてぃー)で待機する。オーバー。 隊員A：あとは待つだけだね。オーバー。 隊員B：ポイント到着。そのとおり。あとは待つだけ。オーバー。 隊員A：奴は来るかな？オーバー。 隊員B：大丈夫。奴の出現パターンも組織のスーパーコンピューターで算出済みだしね。オーバー。 隊員A：それもそっか！・・・来ない間、暇だから、しりとりでもやる？オーバー？ 隊員B：リトマス試験紙。 隊員A：し？「し」か〜、あ、塩。 隊長：(部屋の扉を開けて)おーい、お前たち、なんか部屋から変な音してるけど何して・・・(くくり罠に引っかかる)ギャフン！！ 隊員B：あ、隊長、負けですね。 隊長：なにが！？ってか、なんで、くくり罠なんて仕掛けてんだ！！ロープ外せ！！ 隊員A：あ、ちょっとまっててくださいねー。ポチッとな。はい、いま、罠全部解除しました。 隊長：これは、いったいなんなんだ！？ 隊員B：なにって・・・罠ですけど？ 隊長：そんなのわかっとるわ！！なんで、部屋中罠だらけなのか聞いてんだよ、こっちは！！ 隊員A：え？隊長、ご存知ないのですか？奴が来るんですよ。 隊長：奴？ 隊員B：ありとあらゆるセキュリティを突破し、どんな手段を使っても難なく侵入してくる、恐ろしい手練(てだれ)ですよ。 隊長：まさか、我々組織の機密情報を狙って、そいつが来てるのか！？そいつは一体何者だ！？ 隊員A、隊員B：(怪しく笑いながら)サンタさんですよ。 隊長：はい！！解散！！さっさと寝ろ！！貴様ら！！ 隊員A：なんでですか！？そんな事するとサンタさんの思うつぼじゃないですか！！ 隊員B：そうですよ。それじゃあ、プレゼントもらって終わっちゃうじゃないですか。 隊長：それでいいじゃん！？ってか、なんで貰える前提で話してんだ、お前ら！ 隊員A：え？貰えないんですか？ 隊員B：この日のために、12月は良い子でいたのに・・・。 隊長：うるせぇよ！だいたい、お前ら、サンタ、サンタっていい歳して何言ってんだ。 隊員A：まぁ、たしかにもう、子どもではないですけど・・・。 隊長：いや、そうじゃなくて・・・。 隊員B：そうじゃなくてなんですか？ 隊長：(何かを察した風に)・・・まぁ、それはいいとして、そもそも、サンタの話と、この罠の数がどう繋がるんだよ？ 隊員A：え？そりゃ、捕まえるためですけど？ 隊員B：いま、隊長でも捕まえられたので、あわよくば上手くいきそうです。 隊長：怖いわ！！お前ら性格ピュアなのか、ひん曲がってんのか、どっちだよ！？ 隊員B：とりあえず、隊長。危ないので、隊長も一緒にサンタさん待ちましょうよ。 隊員A：ほら、はやくはやく！！ポイントＯFTに行きますよ！！ 隊長：いや、ＯFTって、布団じゃねぇか。(布団に潜り、小声で)だいたい、そんな簡単に捕まるわけないと思うぞ？ 隊員A：(小声で)なんでですか？ 隊長：そりゃ・・・いいか？サンタってのは、あらゆる軍事訓練を受けてんだ。だから、お前らの一朝一夕(いっちょういっせき)で用意した罠なんかじゃ捕まるわけねぇだろ。 隊員B：なるほど・・・。 隊長：わかったら、さっさと罠を外して・・・ 隊員B：じゃあ、赤外線レーザーと対人地雷もいるか。 隊長：そうじゃねぇよ！！ってか、地雷っていよいよ倒しにいってんじゃねえか！！ 隊員A：設置完了！ 隊長：仕事早いな、おい！！ 隊員B：再度、警戒態勢。サンタ、取りに行こう。 隊長：身柄だよな！？タマじゃないよな！？ 隊員A：も〜、隊長、あんまり騒がしいと、サンタにバレますよ？ 隊長：うるせぇよ！ツッコまざるをえないんだよ、こちとら！！ 隊員B：あ、かかった。 隊員A：え？ 隊長：なにが？ 隊員B：なにって、サンタですよ？ 隊長：うそーーーー！？！？！？ 隊員A：やったー！！サンタ捕まえた！！ 隊員B：よし、じゃあ、早速、あの白い袋をもぎ取りに行こう。 隊長：待て待て待て。本当にサンタか？俺と同じような奴がかかっただけじゃないか？ 隊員B：そんなに言うなら、見てくださいよ。ほら、モニター。 隊長：どれどれ・・・赤い服に白い大きな袋、そして、初老の髭のおじさん・・・、そして、足元にトラバサミ・・・トラバサミ！？ 隊員A：説明しよう！トラバサミとは地面に置いて、踏んだらバチーンってなるギザギザの歯がついたトラップなのだ！！ 隊員B：確実に捕まえないといけないので。 隊長：殺意高すぎだろ！？ 隊員A：隊長、アレだったら大変でしたね(笑) 隊長：ホントだわ！！あと、笑ってんじゃねえ！！ 隊員A：でも、これでやっとプランBに移行できるね！！ 隊員B：そうだね。 隊長：プランB？ 隊員A：サンタさんのプレゼントを奪取します。 隊員B：それを片っ端から転売します。 隊長：お前ら1番最悪な悪い子代表だわ！！ 隊員A：よし、そうと決まれば、早速、捕まえに・・・あれ？ 隊員B：どうしたの？ 隊員A：サンタさん、いなくなってる。 隊員B：いやいや、がっつりトラバサミにかかってたし、足ちぎらない限り無理なはず・・・ホントだ、いない。 隊長：いったい、どこに・・・おい、なんか、変な音しないか？ 隊員B：今度はポイントBに反応が・・・。 隊員A：ポイントBって確か対人地雷だっけ？ 隊長：早速、対人地雷の餌食(えじき)になってる！？ 隊員B：あ、倒れてる。 隊長：サンタさーーーん！！！！ 隊員B：対象、沈黙を確認。 隊長：お前ら、血も涙もないんか！？ 隊員A：今度こそ・・・え！？そんな！！対象、消失！！一瞬にしていなくなるなんて！！ 隊長：え？ 隊員B：まさか、やられる度に死に戻っているのか、奴は・・・！！ 隊長：待て待て待て、話が追いつかん。どういう事？ 隊員B：隊長、サンタさんがなぜ、ありとあらゆる罠をかいくぐって、プレゼントを届けれているか、わかりますか？ 隊長：え、いや、それは、だから・・・ 隊員B：サンタさんは死に戻りの使い手なんですよ。 隊員A：そうか！何回も死んではやり直して、罠を全て外していってたのか！！ 隊長：え？死に戻りってそんなんだったっけ？ 隊員A：隊長、サンタさんの服が赤い理由を知ってますか？ 隊長：いや、知らんが？ 隊員B：サンタさんの自分の血なんです・・・。 隊長：やかましいわ！！ 隊員A：今度は、ポイントZ！？ 隊員B：たしか、タライが落ちてくる・・・ 隊長：殺意の振り幅おかしいんだよ、お前らのトラップは！！ 隊員A：あれ？でも、ポイントZってもうすぐそこじゃ・・・ 隊員B：映像確認。対象見当たらず。ん？これは・・・文字？ 隊長：文字だと？なんて書いてあるんだ？ 隊員B：えっと・・・En kestä huonoja lapsia(エンケスタ フォノ ヤラプシア)？ 隊長：なんて？ 隊員A：フィンランド語ですね。サンタさん尋問する為に勉強しました！ 隊長：いや、努力の方向性！！で、なんて書いてあるんだよ？ 隊員B：えっと・・・ 隊員A：「悪い子は許さない」ですね。 隊長：めちゃくちゃ怒ってんじゃねえか！！早く謝れ、お前ら！！ 隊員A：やだなぁ、そんな簡単に来れるわけないじゃないですか〜。ね？ 隊員B：・・・。 隊員A：あれ？どうしたの？ 隊員B：にげて・・・(倒れる) 隊長：え、ちょ！？おい、どうした！？ 隊員A：あ・・・ 隊長：おい、どうした！？ 隊員A：隊長・・・メリークリスマス・・・(倒れる) 隊長：は！？な、なんなんだ！？いったい何が！？・・・あ、えっと・・・メ、メリークリスマス？ぎゃああああああ！？！？！？ 0：Merry Christmasふぉふぉふぉ