台本概要
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タイトル | エデンの魔女 【1:1:1】 -法外宙域ローヴァーゲイル #2 |
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作者名 | ろくしょうるり (@ruri6syo) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 3人用台本(男1、女1、不問1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
11/6 21:00 どでかぬれさんの「レトリーバー ローヴァーゲイル外伝」との連結上演用 Special Edition レトリーバーからの連続上演用となります。 数日後には通常版へと戻ります。 人類の惑星間移民が始まって200。 母星地球を中心に惑星間物流も活発に行われるようになり、多くの『宙運船』が行き交う宇宙。 そんな宙運航路と積み荷の安全を守る、宙運私警団、人呼んで『アブサード』 このシナリオはシリーズシナリオですが、どのシナリオからも読むことができます。 462 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
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ロジー | 男 | 66 | ロジー・ガーウィン(26) 宙運私警団 調査班所属 滅ぼされた宇宙キャラバン「ローヴァーゲイル・キャラバン・ファミリー」の生き残り |
リリーシア | 女 | 61 | 原初の魔女と呼ばれる女性。若く見える。 大人のリリとして演じてください。 (兼役)リリ役もお願いします ヤマモト・リリ (10) ロジー班に配属されてきたトラのぬいぐるみを抱いた少女。 |
バトラー | 不問 | 48 | リリーシアの身の回りの世話をしている。人間のフウガとして演じてください。 (兼役)フウガ役もお願いします フウガ ロジー班所属の高性能AI。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0: 法外宙域ローヴァーゲイル #2
0: 『 エデンの魔女 』 30分
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リリーシア:♪~
バトラー:今日もいい天気ですね。お嬢様
リリーシア:♪~
バトラー:惑星エデンはいかがですか 太古の地球に似ているそうです
リリーシア:♪~
バトラー:お水とお薬、ここに置きますので忘れずにお飲みください
リリーシア:バトラー、わたし、お薬はいらないわ うふふ
バトラー:確かにエデンに過ごされてからはお体の調子が良さそうですが
リリーシア:ええ、ここはすてき。大気に力が満ちているのね うふふ わたし、ここではお薬はいらないわ
バトラー:それはようございました。しかしながら、お薬はお飲みくださいませ。私めのために
リリーシア:…そうね。では、あなたのために飲むわ。バトラー。うふふっ、私に何かあれば、あなたは叱られてしまいますものね
バトラー:お願い致します、お嬢様
リリーシア:んふ、ああ、おいしくない いつもありがとう、バトラー
バトラー:お嬢様、今日は特にご機嫌ですね
リリーシア:あら。あなたにもわかるかしら。聞こえる? この声
バトラー:いいえ。その『声』は お嬢様だけのものです。私には
リリーシア:うふふ。『あの人』が来る じきに。 嬉しいわ
バトラー:『あの人』、ですか では、私はおもてなしの準備を
リリーシア:ええ、お願い。 ♪~
バトラー:お嬢様
リリーシア:なに、バトラー
バトラー:それは 私にも見ることができるお客様ですか?
リリーシア:そうよ。うふふ バトラー、おかしな人
バトラー:失礼致しました
リリーシア:そうね、コーヒーがいいわ。シナモンはあるかしら?
バトラー:ございます
リリーシア:ジェズベを出しておいて?
バトラー:お嬢様が手ずからお淹れになるのですか? これは珍しい
リリーシア:ええ、もちろんよ。だって『あの人』だもの。とても楽しみ
バトラー:それはそれは
リリーシア:♪~
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リリーシア:ああ、来た。バトラー、来たわ。あの人よ。降りてきた
バトラー:では、お迎えに行って参りましょうか。宇宙港まで行けばよろしいですか?…ですが、一体どちら様なのでしょう、そのお方とは
リリーシア:ふふっ、行けばあなたにもすぐにわかるわ。わたしはお出迎えの準備をしておかなくては。バトラー、お願いね
バトラー:はあ。かしこまりました。では、行って参ります。お嬢様もくれぐれもご無理をなさらぬよう。お体に障っては大変です
リリーシア:ええ、気をつけるわ。行ってらっしゃい、バトラーも気をつけて行ってきてね
バトラー:ご心配、痛み入ります
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ロジー:惑星エデン。200年前、地球から2.9光年の位置に発見された、人類初のファースト・フロンティア
ロジー:かつての地球の姿に似ているらしい。デボン紀ごろと言われるが、おれには全くピンとこない
ロジー:今は地球から藻類や植物が持ち込まれ酸素濃度が安定している。惑星体積は地球よりもやや小さく0.92Gである。公転は一週23.6時間。やや気圧は低いものの、人体対応範囲である
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フウガ:法外宙域ローヴァーゲイル
リリ:『エデンの魔女』
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ロジー:- 惑星エデン衛星圏宙域 -
ロジー:- 宙運私警団 ファースト・フロンティア本部基地 -
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フウガ:では。昨日のスクランブル出動についての報告書。まずはリリからお願いします
リリ:はい! えーっと、きのうメイヤードに出したほうこくしょ、よめばいいの?
フウガ:そうですよ
リリ:わかった! よむね!
フウガ:お願いします
リリ:(作文を読み始める)きのうのスクランブルしゅつどうの、ほうこくしょ ヤマモト・リリ
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リリ:きょうは、はじめてチームにはいりました
リリ:しょうかいのとちゅう、すぐにスクランブルがはいりました
リリ:わたしは、トラちゃんといっしょにぼかんにとんで、なかのひとをちいさいへやにあつめてひなんさせました
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ロジー:昨日、おれたちのチームに配属されてきた少女。リリ
ロジー:虎のぬいぐるみ『トラちゃん』を抱いた…不思議な少女。 いや、少女っつうか…幼女?
ロジー:いきなり消えて瞬間移動するわ、大型貨物母船を吹き飛ばすわ、とにかく昨日から俺の理解を超えている
ロジー:しかし根は素直な、いわゆる普通の女の子だ
ロジー:急に配属してきたメイヤード総括の思惑…リリ自身…今のところ謎だらけだがそれは保留にしておく
ロジー:そういえば海賊に襲われた宇宙キャラバンで一人、生き残っちまったおれを拾ってくれたあの人も… 不思議な人だったな
ロジー:俺がまだ『ローヴァーゲイル・キャラバン・ファミリー』の生き残りだったあの時の
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惑星エデン・ガブリエラ宇宙港前に一人立つ、暗い表情のロジーの前に車が止まる
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バトラー:おや。あなたでしたか
ロジー:あなたは、確かリリーシアさんの
バトラー:ええ。リリーシアお嬢様から仰せつかって参りました。バトラーと申します。お嬢様はあなたが来るのを心待ちにしておいででしたよ
ロジー:俺を?なんでまた
バトラー:さあ。それは私にもわかりかねますが、『あの人』が降りてくるので、宇宙港へ迎えに行くようにとだけ
ロジー:『あの人』。 『あの人』、ですか…
ロジー:あれ。ちょっと待ってください。俺が来るの、わかってたって事ですか?
バトラー:どうでしょうか。お嬢様は『声』を聞いているのだと、そうおっしゃっておりますが…私にはわかりかねます
ロジー:そう、ですか…
バトラー:どうぞ、お乗りください
ロジー:あっ、… あの。それなら俺はここで。俺はただ届け物をしに来ただけで。 …これを…これをリリーシアさんに渡してくれれば俺の用事はそれでおしまいなんで
バトラー:そちらは?
ロジー:アーノルドさんからの、手紙と… 贈り物、です。
バトラー:なるほど
ロジー:はい。じゃ、俺は
バトラー:いいえ、そういうわけには参りません。どうかお乗りください。お嬢様がお待ちですから
ロジー:わかり、ました
バトラー:こちらへ
ロジー:・・・・・・・
バトラー:ドアを閉めます。お気をつけて
ロジー:あ、はい
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発車する。しばらく沈黙が続く。
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バトラー:・・・地球時間で半年ほど前、でしょうか
ロジー:!
バトラー:お嬢様が突然塞ぎ込んでしまわれたんです
ロジー:・・・・・
バトラー:それはもう、深く。ガーウィン家の旦那様はお嬢様の塞ぎようを案じ、こちらの環境の良いエデンで落ち着かれるようにと療養されに来られたのですが
ロジー:・・・・・
バトラー:おかげさまで随分とご気分も明るくなられたようで、今日はあなたが来ることを大変喜んでおられたのですよ
ロジー:… そう、ですか
ロジー:(しばしの沈黙)・・・・あの。リリーシアさんは『あの人』って言ったんですよね
バトラー:そうですね。確かに『あの人』とおっしゃっておられました
ロジー:(呟く)半年くらい、前…
ロジー:(深呼吸)もしかしたら、これ、かも…しれないです。リリーシアさんが待っているのは
バトラー:・・・・そうですね。私も 薄々…そんな気がしております。あの方は、私たちには見えないものを見、聞こえないことを聞ける不思議なお方ですから
バトラー:でも、きっと信じていたいのだと思います。 勿論今もそれは私の杞憂であって欲しいと願っているのですがね
ロジー:杞憂・・・・ …(拳を強く握りしめる)
ロジー:あの、俺は… それがずっと先までも信じていられる(ことだとしたら)
バトラー:(かぶせて)ロジー・ローランドさん
ロジー:…!
バトラー:もし私の思うそれが真実であるならば、それはどうかあなたの手で。そしてあなたの口から
ロジー:!… … そう、すべきですよね。すみません
バトラー:ええ。どうかよろしくお願い致します。あなたも、お辛いでしょうが
ロジー:・・・・・
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リリーシア:~♪ うふふ… 来る。来るのね
リリーシア:あの人が近づいてくるのがわかる… もうすぐ。ああ…
リリーシア:来た! アーノルド!
リリーシア:…あ…っ
ロジー:… すみません。俺です。あ、あの、セカンドフロンティアで一度
リリーシア:あなたは、ロジー、ね?
ロジー:っ、はい。ロジー・ローランドです。 あ、えっと…あの、 俺…今日も…手紙を…
リリーシア:あ・・・ああ・・・(泣きそうな沈黙)
バトラー:お嬢様、玄関先で立ち話では難でございます。お客人をどうぞ中へ
リリーシア:あっ、ごめんなさい、私ったら。(気を持ち直して) …ロジーさん、こんなに遠い所までおいでくださりありがとうございます
ロジー:いえ… あの、俺は
リリーシア:(微笑む)どうか中へ。一緒にアーノルドの話をしたいわ。せめてコーヒーを飲む間だけでも
ロジー:あ…
バトラー:さ、どうぞこちらへ
ロジー:・・・・・
リリーシア:見て、ほら。あなたがセカンドフロンティアで届けてくれたフォトグラフ。ここに置いているの。アーノルドと、ラドル
リリーシア:そこにかけて。楽にしていてね。私、コーヒーを淹れるわ
ロジー:・・・・・
リリーシア:ラドルはこんなに大きくなったのね。わたしの腕の中で眠っていた時は、まだ赤ちゃんだったのに。ふわふわで、あたたかくて
ロジー:・・・・・
バトラー:ジェズベとシナモンをお持ちしました。こちらは、エデン産のコーヒー豆です
ロジー:シナモン…
リリーシア:ありがとう、バトラー。この小鍋はジェズベというの。ここに碾(ひ)いた豆とシナモン
リリーシア:水を差して…こうして火にかけるの。風味が強いから、お砂糖は多めの方がおいしいわ
ロジー:…アーノルドさん、好きでしたよね。そのコーヒー
リリーシア:ふふ、そう?
ロジー:よく、淹れていました。以前はご自分で。あの頃には…ラドルが
リリーシア:まあ、ラドルが?うふふ、嬉しい
ロジー:母さんの… コーヒーだ、って …よく…
リリーシア:煮立ってきたわ。いい香りでしょう?
リリーシア:私、この香りがとても好きなの
ロジー:…俺も… 好きです。 アーノルドさんとラドルのことを…思い出します
リリーシア:ふふっ さあ、どうぞ
ロジー:これ… あの、アーノルドさんからの… 最後の手紙です。それとこれは…
リリーシア:形見、ね?
ロジー:・・・・はい… すみません。宙運私警の方が回収してくれて…それだけしか俺には
リリーシア:いいのよ。…(それを両手で包み込み胸に抱く) ありがとう
リリーシア:(涙を拭う)ごめんなさい。辛いのはあなたね
ロジー:…いえ
リリーシア:コーヒー、飲んで
ロジー:・・・・・
リリーシア:落ち着くわ
ロジー:・・・・はい
ロジー:(深呼吸)
リリーシア:・・・・・・
ロジー:あの…すみません、俺、アーノルドさんとラドルの最後…
リリーシア:あのね
ロジー:はい
リリーシア:あなたがフォトグラフを届けてくれたあのあと、そうね、ひと月経つか経たないかしてから
ロジー:・・・・
リリーシア:あの人の体が…消えていくのがわかったの。バラバラになって…深い闇に溶けていったわ
ロジー:リリーシアさん
リリーシア:あの人の最後のことは、きっと私の方がよく知っているの。だから…あなたのことを。…みんなことを聞かせて?
ロジー:(堪えきれず嗚咽を漏らす)・・・・・っ… ううっ…
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リリーシア:…そう、そうなのね… みんな… いなくなったのね…
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ロジーはうめくように泣いている
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ロジー:あの時の俺は、ただ涙を流すばかりで何一つ言葉にはならなかった
ロジー:それなのに、あの人は全てを汲み取っていた。3つ航路のキャラバン・ファミリー全ての船が襲われたことも。その中で生き延びたのが俺だけだということも
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リリーシア:ごめんなさいね、ロジー。本当はあなたを抱きしめてあげたい。でも、私にはそれができない
リリーシア:バトラー!
バトラー:はい
リリーシア:紙とペンを持ってきてちょうだい
バトラー:かしこまりました。ただいまお持ち致します
ロジー:す、みません… 俺… みっともないですね
リリーシア:気にしないで。
リリーシア:ロジー、ここにあなたの名前を書きなさい
ロジー:…名前、ですか
リリーシア:ええ。この白い紙に。あなたのサインを
ロジー:…はあ
リリーシア:バトラー、その下に。今から私が言うことを書き取って
バトラー:かしこまりました
リリーシア:「『原初の魔女』の名において」
リリーシア:「この者に正しきガーウィンの姓を与える」
バトラー:! お嬢様、何をなさるおつもりですか!この男が… ガーウィン家の?!
リリーシア:書き取って
バトラー:・・・・・はい…
リリーシア:「このエデン邸宅をかの者の住処とし」
リリーシア:「その全ての権利を所有する」
リリーシア:「この者の新しき名は ロジー・ガーウィン」
リリーシア:バトラー、紙を
バトラー:は… はい…
リリーシア:あとは私がここに署名をするわ
ロジー:ま、って …ください
リリーシア:(ペンを止める)
ロジー:俺が…ガーウィン? あの、ビオバイアスと並ぶ大資産家の? それはだめです、リリーシアさん!
リリーシア:心配いらないわ。本家とは違う。わたしの…『原初の魔女』で『アーノルド・ローヴァーゲイルの妻』、リリーシア・ガーウィン・ローヴァーゲイルから派生する、新しいガーウィンの名
リリーシア:あなたにはもう『海賊に仲間を売った生き残り』なんていわれなき謗(そし)りを受けさせはしないわ。この名があれば、またどの船にだって乗れる
ロジー:リリーシア、さん… でも
ロジー:…でも、こんなすごいお屋敷までは
リリーシア:使わなくていいの。住まなくていいの。あなたは地上の人じゃない。宙(そら)の上の人だもの。ここはただ、帰れるだけの場所。何かがあったとき、困ったとき…ここに来なさい
ロジー:・・・・・・
リリーシア:ロジー、あなたには、『ホーム』が必要よ
ロジー:『ホーム』…
リリーシア:『リ・レイ・アチャ・ノウラ 私はここに署名する。リリーシア・ガーウィン・ローヴァーゲイル』
リリーシア:さあ。これで。後は精霊たちに委ねましょう
ロジー:精、…霊?
リリーシア:ロジー、あなたの手でこの火の中に書状を
ロジー:燃やす、んですか?
リリーシア:ええ。この星々の随(まにま)に満ちるものへ
バトラー:そ、その儀は…!ああ お嬢様… なんという… 私は旦那様になんと…!
リリーシア:いい?バトラー。これは『原初の魔女』の意思において行われました。ガーウィン家の当主には何も言わせはしないわ。何も
バトラー:…かしこまり… ました
ロジー:(燃え尽きる紙を見つめている)
リリーシア:ごめんなさいね、ロジー。私にできるのはこんなことくらいよ。ただのお祈りのようなもの
ロジー:っ!そんな、そんなことないです! あ、ありがとうございます!
リリーシア:ふふっ、コーヒー、冷めてしまったわね。淹れなおすわ
ロジー:大丈夫です。リリーシアさん。俺はもう、大丈夫
リリーシア:(微笑む)そう、それはよかったわ
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ロジー:家族のような…
ロジー:いや、確かに家族の絆を持った『ローヴァーゲイル・キャラバン・ファミリー』を目の前で奪われ、これからのことも、生きることすら考えられなかった俺を
ロジー:あの人にこれを届けたら、そのままどこかで野垂れ死ぬだろうと予感していた俺を
ロジー:リリーシアさんは
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ロジー:その後すぐ、俺はこの宙運私警団・エデン衛生宙域本部に足を向けた
ロジー:遠い宇宙で散ったアーノルドさんの形見を回収し、俺を探して届けてくれた宙運私警団に一言お礼を言いたくて
ロジー:そしてそのまま…俺は
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0: 過去の回想から現在に戻る
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フウガ:ロジー
フウガ:ロジー、どうなさったんですか?
リリ:ロジー、よみ、おわったよ?
ロジー:ん、ああ!
フウガ:ちゃんと聞いてました?記念すべきリリの初めての報告書
リリ:ロジー、ぼーっとしてた
ロジー:ん?んん? 聞いてたよ、ちゃんと聞いてた! 初めてにしちゃ上出来だ。ちと、作文みたいだったが
リリ:ふふっ、よかった!
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ロジー:昨日、おれたちのチームに配属されてきた少女。リリ
ロジー:虎のぬいぐるみ『トラちゃん』を抱いた…不思議な少女。 いや、少女っつうか…幼女?
ロジー:いきなり消えて瞬間移動するわ、大型貨物母船を吹き飛ばすわ、とにかく昨日から俺の理解を超えている
ロジー:しかし根は素直な、いわゆる普通の女の子。だけど
ロジー:『原初の魔女』と言われたあのひとと…同じ感じがする。そう、似た何かを感じる
ロジー:おれがリリの不思議な能力を恐れないでいられるのは、そのせいかもしれない
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ロジー:さて!作戦会議を始めるぞー
フウガ:何を言ってるんですか。ロジー。さっきから始まっていますよ
リリ:ほんとうに、聞いてた?ロジぃー
ロジー:あーっ、 あれ? あー ま、細かいことは気にするな!
フウガ:あなたという人は。全くやれやれです。今からはしゃんとしてくださいよ
リリ:うふふ。やれやれだね、フウガ!
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ロジー:『ホーム』
ロジー:俺のホーム、ちゃんとできてるよ。リリーシアさん
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0: 法外宙域ローヴァーゲイル『エデンの魔女』
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0: ~ END ~
0: 法外宙域ローヴァーゲイル #2
0: 『 エデンの魔女 』 30分
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リリーシア:♪~
バトラー:今日もいい天気ですね。お嬢様
リリーシア:♪~
バトラー:惑星エデンはいかがですか 太古の地球に似ているそうです
リリーシア:♪~
バトラー:お水とお薬、ここに置きますので忘れずにお飲みください
リリーシア:バトラー、わたし、お薬はいらないわ うふふ
バトラー:確かにエデンに過ごされてからはお体の調子が良さそうですが
リリーシア:ええ、ここはすてき。大気に力が満ちているのね うふふ わたし、ここではお薬はいらないわ
バトラー:それはようございました。しかしながら、お薬はお飲みくださいませ。私めのために
リリーシア:…そうね。では、あなたのために飲むわ。バトラー。うふふっ、私に何かあれば、あなたは叱られてしまいますものね
バトラー:お願い致します、お嬢様
リリーシア:んふ、ああ、おいしくない いつもありがとう、バトラー
バトラー:お嬢様、今日は特にご機嫌ですね
リリーシア:あら。あなたにもわかるかしら。聞こえる? この声
バトラー:いいえ。その『声』は お嬢様だけのものです。私には
リリーシア:うふふ。『あの人』が来る じきに。 嬉しいわ
バトラー:『あの人』、ですか では、私はおもてなしの準備を
リリーシア:ええ、お願い。 ♪~
バトラー:お嬢様
リリーシア:なに、バトラー
バトラー:それは 私にも見ることができるお客様ですか?
リリーシア:そうよ。うふふ バトラー、おかしな人
バトラー:失礼致しました
リリーシア:そうね、コーヒーがいいわ。シナモンはあるかしら?
バトラー:ございます
リリーシア:ジェズベを出しておいて?
バトラー:お嬢様が手ずからお淹れになるのですか? これは珍しい
リリーシア:ええ、もちろんよ。だって『あの人』だもの。とても楽しみ
バトラー:それはそれは
リリーシア:♪~
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リリーシア:ああ、来た。バトラー、来たわ。あの人よ。降りてきた
バトラー:では、お迎えに行って参りましょうか。宇宙港まで行けばよろしいですか?…ですが、一体どちら様なのでしょう、そのお方とは
リリーシア:ふふっ、行けばあなたにもすぐにわかるわ。わたしはお出迎えの準備をしておかなくては。バトラー、お願いね
バトラー:はあ。かしこまりました。では、行って参ります。お嬢様もくれぐれもご無理をなさらぬよう。お体に障っては大変です
リリーシア:ええ、気をつけるわ。行ってらっしゃい、バトラーも気をつけて行ってきてね
バトラー:ご心配、痛み入ります
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ロジー:惑星エデン。200年前、地球から2.9光年の位置に発見された、人類初のファースト・フロンティア
ロジー:かつての地球の姿に似ているらしい。デボン紀ごろと言われるが、おれには全くピンとこない
ロジー:今は地球から藻類や植物が持ち込まれ酸素濃度が安定している。惑星体積は地球よりもやや小さく0.92Gである。公転は一週23.6時間。やや気圧は低いものの、人体対応範囲である
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フウガ:法外宙域ローヴァーゲイル
リリ:『エデンの魔女』
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ロジー:- 惑星エデン衛星圏宙域 -
ロジー:- 宙運私警団 ファースト・フロンティア本部基地 -
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フウガ:では。昨日のスクランブル出動についての報告書。まずはリリからお願いします
リリ:はい! えーっと、きのうメイヤードに出したほうこくしょ、よめばいいの?
フウガ:そうですよ
リリ:わかった! よむね!
フウガ:お願いします
リリ:(作文を読み始める)きのうのスクランブルしゅつどうの、ほうこくしょ ヤマモト・リリ
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リリ:きょうは、はじめてチームにはいりました
リリ:しょうかいのとちゅう、すぐにスクランブルがはいりました
リリ:わたしは、トラちゃんといっしょにぼかんにとんで、なかのひとをちいさいへやにあつめてひなんさせました
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ロジー:昨日、おれたちのチームに配属されてきた少女。リリ
ロジー:虎のぬいぐるみ『トラちゃん』を抱いた…不思議な少女。 いや、少女っつうか…幼女?
ロジー:いきなり消えて瞬間移動するわ、大型貨物母船を吹き飛ばすわ、とにかく昨日から俺の理解を超えている
ロジー:しかし根は素直な、いわゆる普通の女の子だ
ロジー:急に配属してきたメイヤード総括の思惑…リリ自身…今のところ謎だらけだがそれは保留にしておく
ロジー:そういえば海賊に襲われた宇宙キャラバンで一人、生き残っちまったおれを拾ってくれたあの人も… 不思議な人だったな
ロジー:俺がまだ『ローヴァーゲイル・キャラバン・ファミリー』の生き残りだったあの時の
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惑星エデン・ガブリエラ宇宙港前に一人立つ、暗い表情のロジーの前に車が止まる
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バトラー:おや。あなたでしたか
ロジー:あなたは、確かリリーシアさんの
バトラー:ええ。リリーシアお嬢様から仰せつかって参りました。バトラーと申します。お嬢様はあなたが来るのを心待ちにしておいででしたよ
ロジー:俺を?なんでまた
バトラー:さあ。それは私にもわかりかねますが、『あの人』が降りてくるので、宇宙港へ迎えに行くようにとだけ
ロジー:『あの人』。 『あの人』、ですか…
ロジー:あれ。ちょっと待ってください。俺が来るの、わかってたって事ですか?
バトラー:どうでしょうか。お嬢様は『声』を聞いているのだと、そうおっしゃっておりますが…私にはわかりかねます
ロジー:そう、ですか…
バトラー:どうぞ、お乗りください
ロジー:あっ、… あの。それなら俺はここで。俺はただ届け物をしに来ただけで。 …これを…これをリリーシアさんに渡してくれれば俺の用事はそれでおしまいなんで
バトラー:そちらは?
ロジー:アーノルドさんからの、手紙と… 贈り物、です。
バトラー:なるほど
ロジー:はい。じゃ、俺は
バトラー:いいえ、そういうわけには参りません。どうかお乗りください。お嬢様がお待ちですから
ロジー:わかり、ました
バトラー:こちらへ
ロジー:・・・・・・・
バトラー:ドアを閉めます。お気をつけて
ロジー:あ、はい
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発車する。しばらく沈黙が続く。
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バトラー:・・・地球時間で半年ほど前、でしょうか
ロジー:!
バトラー:お嬢様が突然塞ぎ込んでしまわれたんです
ロジー:・・・・・
バトラー:それはもう、深く。ガーウィン家の旦那様はお嬢様の塞ぎようを案じ、こちらの環境の良いエデンで落ち着かれるようにと療養されに来られたのですが
ロジー:・・・・・
バトラー:おかげさまで随分とご気分も明るくなられたようで、今日はあなたが来ることを大変喜んでおられたのですよ
ロジー:… そう、ですか
ロジー:(しばしの沈黙)・・・・あの。リリーシアさんは『あの人』って言ったんですよね
バトラー:そうですね。確かに『あの人』とおっしゃっておられました
ロジー:(呟く)半年くらい、前…
ロジー:(深呼吸)もしかしたら、これ、かも…しれないです。リリーシアさんが待っているのは
バトラー:・・・・そうですね。私も 薄々…そんな気がしております。あの方は、私たちには見えないものを見、聞こえないことを聞ける不思議なお方ですから
バトラー:でも、きっと信じていたいのだと思います。 勿論今もそれは私の杞憂であって欲しいと願っているのですがね
ロジー:杞憂・・・・ …(拳を強く握りしめる)
ロジー:あの、俺は… それがずっと先までも信じていられる(ことだとしたら)
バトラー:(かぶせて)ロジー・ローランドさん
ロジー:…!
バトラー:もし私の思うそれが真実であるならば、それはどうかあなたの手で。そしてあなたの口から
ロジー:!… … そう、すべきですよね。すみません
バトラー:ええ。どうかよろしくお願い致します。あなたも、お辛いでしょうが
ロジー:・・・・・
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リリーシア:~♪ うふふ… 来る。来るのね
リリーシア:あの人が近づいてくるのがわかる… もうすぐ。ああ…
リリーシア:来た! アーノルド!
リリーシア:…あ…っ
ロジー:… すみません。俺です。あ、あの、セカンドフロンティアで一度
リリーシア:あなたは、ロジー、ね?
ロジー:っ、はい。ロジー・ローランドです。 あ、えっと…あの、 俺…今日も…手紙を…
リリーシア:あ・・・ああ・・・(泣きそうな沈黙)
バトラー:お嬢様、玄関先で立ち話では難でございます。お客人をどうぞ中へ
リリーシア:あっ、ごめんなさい、私ったら。(気を持ち直して) …ロジーさん、こんなに遠い所までおいでくださりありがとうございます
ロジー:いえ… あの、俺は
リリーシア:(微笑む)どうか中へ。一緒にアーノルドの話をしたいわ。せめてコーヒーを飲む間だけでも
ロジー:あ…
バトラー:さ、どうぞこちらへ
ロジー:・・・・・
リリーシア:見て、ほら。あなたがセカンドフロンティアで届けてくれたフォトグラフ。ここに置いているの。アーノルドと、ラドル
リリーシア:そこにかけて。楽にしていてね。私、コーヒーを淹れるわ
ロジー:・・・・・
リリーシア:ラドルはこんなに大きくなったのね。わたしの腕の中で眠っていた時は、まだ赤ちゃんだったのに。ふわふわで、あたたかくて
ロジー:・・・・・
バトラー:ジェズベとシナモンをお持ちしました。こちらは、エデン産のコーヒー豆です
ロジー:シナモン…
リリーシア:ありがとう、バトラー。この小鍋はジェズベというの。ここに碾(ひ)いた豆とシナモン
リリーシア:水を差して…こうして火にかけるの。風味が強いから、お砂糖は多めの方がおいしいわ
ロジー:…アーノルドさん、好きでしたよね。そのコーヒー
リリーシア:ふふ、そう?
ロジー:よく、淹れていました。以前はご自分で。あの頃には…ラドルが
リリーシア:まあ、ラドルが?うふふ、嬉しい
ロジー:母さんの… コーヒーだ、って …よく…
リリーシア:煮立ってきたわ。いい香りでしょう?
リリーシア:私、この香りがとても好きなの
ロジー:…俺も… 好きです。 アーノルドさんとラドルのことを…思い出します
リリーシア:ふふっ さあ、どうぞ
ロジー:これ… あの、アーノルドさんからの… 最後の手紙です。それとこれは…
リリーシア:形見、ね?
ロジー:・・・・はい… すみません。宙運私警の方が回収してくれて…それだけしか俺には
リリーシア:いいのよ。…(それを両手で包み込み胸に抱く) ありがとう
リリーシア:(涙を拭う)ごめんなさい。辛いのはあなたね
ロジー:…いえ
リリーシア:コーヒー、飲んで
ロジー:・・・・・
リリーシア:落ち着くわ
ロジー:・・・・はい
ロジー:(深呼吸)
リリーシア:・・・・・・
ロジー:あの…すみません、俺、アーノルドさんとラドルの最後…
リリーシア:あのね
ロジー:はい
リリーシア:あなたがフォトグラフを届けてくれたあのあと、そうね、ひと月経つか経たないかしてから
ロジー:・・・・
リリーシア:あの人の体が…消えていくのがわかったの。バラバラになって…深い闇に溶けていったわ
ロジー:リリーシアさん
リリーシア:あの人の最後のことは、きっと私の方がよく知っているの。だから…あなたのことを。…みんなことを聞かせて?
ロジー:(堪えきれず嗚咽を漏らす)・・・・・っ… ううっ…
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リリーシア:…そう、そうなのね… みんな… いなくなったのね…
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ロジーはうめくように泣いている
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ロジー:あの時の俺は、ただ涙を流すばかりで何一つ言葉にはならなかった
ロジー:それなのに、あの人は全てを汲み取っていた。3つ航路のキャラバン・ファミリー全ての船が襲われたことも。その中で生き延びたのが俺だけだということも
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リリーシア:ごめんなさいね、ロジー。本当はあなたを抱きしめてあげたい。でも、私にはそれができない
リリーシア:バトラー!
バトラー:はい
リリーシア:紙とペンを持ってきてちょうだい
バトラー:かしこまりました。ただいまお持ち致します
ロジー:す、みません… 俺… みっともないですね
リリーシア:気にしないで。
リリーシア:ロジー、ここにあなたの名前を書きなさい
ロジー:…名前、ですか
リリーシア:ええ。この白い紙に。あなたのサインを
ロジー:…はあ
リリーシア:バトラー、その下に。今から私が言うことを書き取って
バトラー:かしこまりました
リリーシア:「『原初の魔女』の名において」
リリーシア:「この者に正しきガーウィンの姓を与える」
バトラー:! お嬢様、何をなさるおつもりですか!この男が… ガーウィン家の?!
リリーシア:書き取って
バトラー:・・・・・はい…
リリーシア:「このエデン邸宅をかの者の住処とし」
リリーシア:「その全ての権利を所有する」
リリーシア:「この者の新しき名は ロジー・ガーウィン」
リリーシア:バトラー、紙を
バトラー:は… はい…
リリーシア:あとは私がここに署名をするわ
ロジー:ま、って …ください
リリーシア:(ペンを止める)
ロジー:俺が…ガーウィン? あの、ビオバイアスと並ぶ大資産家の? それはだめです、リリーシアさん!
リリーシア:心配いらないわ。本家とは違う。わたしの…『原初の魔女』で『アーノルド・ローヴァーゲイルの妻』、リリーシア・ガーウィン・ローヴァーゲイルから派生する、新しいガーウィンの名
リリーシア:あなたにはもう『海賊に仲間を売った生き残り』なんていわれなき謗(そし)りを受けさせはしないわ。この名があれば、またどの船にだって乗れる
ロジー:リリーシア、さん… でも
ロジー:…でも、こんなすごいお屋敷までは
リリーシア:使わなくていいの。住まなくていいの。あなたは地上の人じゃない。宙(そら)の上の人だもの。ここはただ、帰れるだけの場所。何かがあったとき、困ったとき…ここに来なさい
ロジー:・・・・・・
リリーシア:ロジー、あなたには、『ホーム』が必要よ
ロジー:『ホーム』…
リリーシア:『リ・レイ・アチャ・ノウラ 私はここに署名する。リリーシア・ガーウィン・ローヴァーゲイル』
リリーシア:さあ。これで。後は精霊たちに委ねましょう
ロジー:精、…霊?
リリーシア:ロジー、あなたの手でこの火の中に書状を
ロジー:燃やす、んですか?
リリーシア:ええ。この星々の随(まにま)に満ちるものへ
バトラー:そ、その儀は…!ああ お嬢様… なんという… 私は旦那様になんと…!
リリーシア:いい?バトラー。これは『原初の魔女』の意思において行われました。ガーウィン家の当主には何も言わせはしないわ。何も
バトラー:…かしこまり… ました
ロジー:(燃え尽きる紙を見つめている)
リリーシア:ごめんなさいね、ロジー。私にできるのはこんなことくらいよ。ただのお祈りのようなもの
ロジー:っ!そんな、そんなことないです! あ、ありがとうございます!
リリーシア:ふふっ、コーヒー、冷めてしまったわね。淹れなおすわ
ロジー:大丈夫です。リリーシアさん。俺はもう、大丈夫
リリーシア:(微笑む)そう、それはよかったわ
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ロジー:家族のような…
ロジー:いや、確かに家族の絆を持った『ローヴァーゲイル・キャラバン・ファミリー』を目の前で奪われ、これからのことも、生きることすら考えられなかった俺を
ロジー:あの人にこれを届けたら、そのままどこかで野垂れ死ぬだろうと予感していた俺を
ロジー:リリーシアさんは
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ロジー:その後すぐ、俺はこの宙運私警団・エデン衛生宙域本部に足を向けた
ロジー:遠い宇宙で散ったアーノルドさんの形見を回収し、俺を探して届けてくれた宙運私警団に一言お礼を言いたくて
ロジー:そしてそのまま…俺は
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0: 過去の回想から現在に戻る
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フウガ:ロジー
フウガ:ロジー、どうなさったんですか?
リリ:ロジー、よみ、おわったよ?
ロジー:ん、ああ!
フウガ:ちゃんと聞いてました?記念すべきリリの初めての報告書
リリ:ロジー、ぼーっとしてた
ロジー:ん?んん? 聞いてたよ、ちゃんと聞いてた! 初めてにしちゃ上出来だ。ちと、作文みたいだったが
リリ:ふふっ、よかった!
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ロジー:昨日、おれたちのチームに配属されてきた少女。リリ
ロジー:虎のぬいぐるみ『トラちゃん』を抱いた…不思議な少女。 いや、少女っつうか…幼女?
ロジー:いきなり消えて瞬間移動するわ、大型貨物母船を吹き飛ばすわ、とにかく昨日から俺の理解を超えている
ロジー:しかし根は素直な、いわゆる普通の女の子。だけど
ロジー:『原初の魔女』と言われたあのひとと…同じ感じがする。そう、似た何かを感じる
ロジー:おれがリリの不思議な能力を恐れないでいられるのは、そのせいかもしれない
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ロジー:さて!作戦会議を始めるぞー
フウガ:何を言ってるんですか。ロジー。さっきから始まっていますよ
リリ:ほんとうに、聞いてた?ロジぃー
ロジー:あーっ、 あれ? あー ま、細かいことは気にするな!
フウガ:あなたという人は。全くやれやれです。今からはしゃんとしてくださいよ
リリ:うふふ。やれやれだね、フウガ!
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ロジー:『ホーム』
ロジー:俺のホーム、ちゃんとできてるよ。リリーシアさん
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0: 法外宙域ローヴァーゲイル『エデンの魔女』
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0: ~ END ~