台本概要

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タイトル たとえ世界を敵に回しても・・・
作者名 煮成 焼也(ニルナリヤクナリ)  (@nalinirunali)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(男1、女1、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 ☆約束☆

・配信でご使用する際は許可を取る必要はありません。ご自由にご使用ください。

・番組名や説明欄に紹介していただけたら嬉しいです。

・演じられた後、コメントなどに演じた場所?(URLなど)教えて頂けたら嬉しいです。(覗きに行きたいので…)

・今回の台本はメタ発言などもありますので、お気をつけください。

・みんなで楽しく声劇をしましょう!!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
康介 63 弘美の夫になった。
弘美 60 康介の嫁になった。
その他大勢 不問 - ナレーション、おばちゃん、お隣のおじさん、チャコ(犬)、Dr.ペパーミント、看護師、看護師その2、患者、掃除のおばちゃん、定期検診に来たおじいちゃん、幽霊(性別不問):クセが強く大変ですが、頑張ってください。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ナレーション:この物語は純度100パーセントの恋愛物語である。途中、ツッコミどころがあるかもしれないが、そこはお聞きの皆様、演者の皆様の心の内で行って頂きたい。では、純度100パーセント恋愛物語「例え世界を敵に回しても」まで、3、2、1、(クセ強めで)アクション!! 康介:はぁ・・・はぁ・・・ 弘美:大丈夫、康介? 康介:あぁ、なんとかな。弘美も無事か? 弘美:ええ。私は大丈夫。 康介:弘美。 弘美:なに? 康介:俺、なんであんな事言っちゃったんだろう。 ナレーション:遡(さかのぼ)ること、3年前!!その日、康介と弘美の人生が狂い始めた!! 康介:弘美、俺と結婚してくれ!! ナレーション:夜景が見えるレストランでプロポーズをした康介!! 弘美:(照れ笑いながら)えっと、その、はい・・・。 ナレーション:プロポーズを喜んで受ける弘美!! 康介:弘美、何があってもお前を愛し抜くからな!! 弘美:康介・・・。 ナレーション:プロポーズの成功にテンション上がる康介!!喜ぶ弘美!!しかぁし!!ここで康介は思わず言っちまったのである!! 康介:たとえ世界を敵に回したとしても!! ナレーション:そして、現在に至る!! 康介:まさか、本当に世界を敵に回しちまうなんて。 弘美:ごめん、康介。私が指パッチンすれば世界経済を簡単にイジれちゃうフィクサーの一人娘ってこと黙ってて。そのせいで、あなたの命が狙われる事になるなんて。 康介:いや、俺こそ、「結婚したら愛した人諸共嫌われる病」の事を黙っててすまない。 弘美:そんなこと気にしないで。闇を抱えながら生きてる康介、正直ぶっ刺さったわ。 康介:俺こそミステリアスな素性を持つ弘美、どストライクだったよ。 弘美:康介・・・。 康介:弘美・・・。 おばちゃん:見つけたよぉ!!お二人さん!! 康介:くっ!!大衆食堂「食いだおれ」のおばちゃんか!! おばちゃん:すまないけど、お二人さんには死んでもらうよぉ!! 弘美:おばちゃん!!お願い!!私達を見逃してくれませんか!! おばちゃん:2人ともよくウチに来てくれたけど、結婚したとなったら話は別だねぇ!!2人仲良く料理してあげるよぉ!! 康介:くっ・・・!!おばちゃん、ごめん!! おばちゃん:くぅっ!!み、峰打ちなんて・・・まだまだ、甘い・・・ね・・・。(倒れる) 弘美:おばちゃん・・・。おばちゃんの作るシュクルメリ、美味しかったよ。 康介:弘美、行くぞ。 弘美:うん。 康介:今度はあなたですか、お隣のおじさん・・・。 弘美:おじさん!!お願い!!そこを通して!! お隣のおじさん:そういう訳にもいかないのさ。ワシも、どいてやりたいが、何故かお前さん達を見ているとムカっ腹が立って仕方なくてな。 康介:おじさん・・・!!同棲(どうせい)してた頃は、あんなに優しかったのに・・・!! お隣のおじさん:恨むなら、結婚して毎日イチャイチャしてる自分達を恨むんだな!!行け!チャコ!! チャコ(犬):わんわんわーん!! 康介:弘美、危ない!!(チャコに噛まれる) 弘美:康介!!・・・ポメラニアンのチャコ、あんなに可愛いかったのに・・・。でも、愛する人に手を出されて、黙ってられないの!!ごめんね!!(ボールを遙か彼方に投げる) チャコ(犬):わんわんわーん!! お隣のおじさん:チャコ!!こら!!ボールを追うな!!ステイ!!ハウス!! 康介:くっ、すまない。弘美。 弘美:いまのうちよ。行きましょう。 康介:これで全部か? 弘美:ええ。しばらくは生活必需品に困らなくて済むわ。 康介:本当に無人レジさまさまだな。買い物の時だけが安息の時だぜ。 弘美:ええ、本当に。 Dr.ペパーミント:お疲れのようだな、お二人さん。 康介:くそ!!新手か!! Dr.ペパーミント:待て、そう身構えるな。私は味方だ。 弘美:どうかしら。どうせ、あなたも父の放った刺客なんでしょ? Dr.ペパーミント:生憎(あいにく)、私は権力というものが嫌いな闇医者さ。心配するな。 弘美:なら、大丈夫か。 康介:でも、俺の病が・・・。 Dr.ペパーミント:私はありとあらゆる病に抗体を持っているからな。心配するな。 康介:なら、大丈夫か。 Dr.ペパーミント:私はこの3年間、お前達が運命に抗い、戦ってきた姿を見てきた。 康介:見てきたって・・・いったい、どうやって・・・。 Dr.ペパーミント:心の目だ。 康介:心の目っ・・・!! Dr.ペパーミント:私は闇医者、なんでもできる。 康介:なるほど。 Dr.ペパーミント:そして、お前達を救う唯一の方法を教えに来たというわけだ。 弘美:私達ですら、探すのに手間取ったというのに、いったい、どうやって・・・。 Dr.ペパーミント:闇医者イヤーだ。 弘美:闇医者イヤーっ・・・!! Dr.ペパーミント:闇医者イヤーは地獄耳だからな。どんな情報でも瞬時に入ってくる。 弘美:そんな人間離れした能力が・・・。 Dr.ペパーミント:闇医者だからな。なんでもできる。 弘美:なら、できても当たり前か。 Dr.ペパーミント:とりあえず、2人ともついてこい。私の診療所で詳しく話そう。 康介:ここが・・・。 Dr.ペパーミント:ようこそ、私の診療所「堕天使の宵闇(ダークネス・オブ・ヘル)」へ。 弘美:家の近所にこんな所があったなんて。 Dr.ペパーミント:さぁ、早く入れ。他の奴らに見つかるぞ。それとも、あえて見つかり、奴らと死のダンスでも踊るか? 康介・弘美:お邪魔します。 康介:それで、俺達を助けてくれる唯一の方法ってのは、なんなんだ? Dr.ペパーミント:激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリング。 弘美:え? Dr.ペパーミント:激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングを2人で取り行くんだ。 康介:そのリングは一体どこに? Dr.ペパーミント:あの山を越えた先にあるエターナルラブチャーチという教会がある。そこのマリア像に着いていると言う。ちなみに、それを着ければ、無病息災、周りの人間も思わず2人の愛を認めてしまう能力を持つ。 弘美:そんな物があるなんて。それなら、2人の問題が一石二鳥で片付くわ! Dr.ペパーミント:それじゃあ、早速準備を・・・ 看護師:先生、そろそろ診察が・・・ 康介:あ。 弘美:あ。 看護師:先生!!その2人は!! 康介:くそ!!ごめんなさい!! 看護師:うっ!!み、峰打ち・・・。でも、ただでは倒れないわ・・・。(ボタンを押す) 弘美:なに!?病院中に鳴り響く、この不安をあおってくるようなサイレンは!? Drペパーミント:くっ、ナースコールを押したか。もうすぐ、こいつらの増援が来るぞ。 弘美:先生!!この教会に行けばなんとかなるのね!? Dr.ペパーミント:ああ。ここは私に任せて、お前達は行け!! 0:(ここからは色々ごちゃごちゃになるので役名も含めてお読み下さい。) 看護師その2:邪魔しないでください!!先生!! 患者:ワシのこの点滴棒のサビにしてくれる!! 掃除のおばちゃん:あんたらの血痕もぜーんぶあたしが掃除してやるよぉ!! 定期検診に来たおじいちゃん:先生!!どいてくださらんか!! Dr.ペパーミント:そういう訳にはいかん!! 0:(はい、OKです。) 弘美:ドクター!! 康介:すごい!まるで、全員の行動が分かるかのように攻撃を受け流している!! Dr.ペパーミント:闇医者だからな!!なんでもできる!!2人とも、早く行け!! 弘美:康介!! 康介:ああ!!先生!!恩に着るぜ!! Dr.ペパーミント:行ったか。ふっ、私もヤキが回ってしまったようだ。だが、2人の未来を守る為に散る、それもまた一興じゃないか。さぁ、天使(エンジェル)達、私が闇の抱擁(ほうよう)で地獄(ナラカ)まで誘ってやろう。 0:(すみません。また、ここから 色々ごちゃごちゃになるので役名も含めてお読み下さい。) 看護師その2:先生、私達を裏切るというのですね。 患者:覚悟してくだされ!! 掃除のおばちゃん:まさか、先生を掃除することになるなんてね。 幽霊:この恨み、はらさでおくべきかーーーーー!!!! Dr.ペパーミント:グッドラック。 0:(もう役名は読まなくて大丈夫です。お疲れ様でした。) 康介:着いた・・・。この山を越えれば激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングが。 弘美:ええ。ここに激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングがあるのよ。 康介:行こう、弘美。 弘美:遂に、この長い戦いに終止符が打たれるのね。 康介:よし、行こう。弘美。 弘美:ええ!! ナレーション:そして、2人はありとあらゆる試練を乗り越えた!!時に針山を飛び越え、硫酸(りゅうさん)の海を渡り、槍の雨を走り抜けたのであった。 康介:あれが激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリング。 弘美:なんてラブラブしいオーラなの。あれを使えば私達は助かるのね。 康介:ああ、行こう、弘美。 弘美:ええ、そうね。 マリア像:待て、迷える子羊よ。 康介:ま、マリア像が喋った!? マリア像:我は愛に生き、愛を裁く愛の化身、マリア像である。貴様達のこれまでの行い、全て見せてもらった。 弘美:そんな・・・一体どうやって!? マリア像:I am GOD.(アイ アム ゴッド) 弘美:じゃあ、しょうがないか。 マリア像:もちろん、貴様達の目的が激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングなのも既に知っている。そこで、貴様達には今から愛の審判を行う。 康介:愛の・・・。 弘美:審判・・・。 マリア像:では、男に聞くぞ?その女にプロポーズしたのはいつだ? 康介:そんなの簡単だ。3年前だ。 マリア像:ふむ、正解だ。では、女、そのプロポーズにどう答えた?その時の感情表現も含めて言ってみろ。 弘美:(照れ笑いながら)えっと、その、はい・・・。 マリア像:ふむ、正解だ。では、女、続けて聞くぞ?貴様達がよくデート場所で使っていた大衆食堂の名前は? 弘美:「食いだおれ」よ。 マリア像:そこでよく頼んでいたものは? 弘美:おばちゃんが作ってくれたシュクルメリよ。 マリア像:ふむ、正解だ。では、男に聞くぞ?最後の質問、その女の本名はなんだぁ? 康介:そんなの知っているさ。弘美だ。 マリア像:違う。 康介:なんだと!? マリア像:その女の苗字もだ。 康介:そんなの・・・あれ・・・? 弘美:どうしたの、康介? 康介:なんでだ?思い出せない・・・お前!!俺にいったい何をした!? マリア像:我は何もしとらんよ。 康介:嘘だ!!俺は弘美の苗字も知っているはずだ!!こんな簡単なことに答えられないはずが無い!! マリア像:いいや、お前は一生答えられない。なぜなら・・・ 弘美:なぜなら・・・? マリア像:役表には「弘美」しか書いていないからな。 康介:や、役表? マリア像:おかしいと思わないか?ここまでツッコミどころ満載だったのに、誰もつっこまない。なんなんだ、指パッチンすれば世界経済を簡単にイジれちゃうフィクサーの一人娘?なんだ、そいつ!?「結婚したら愛した人諸共(もろとも)嫌われる病」?なんだ、その病!?限定的過ぎて恐いわ!!闇医者はなんでもできる!?ブラックジャックの読みすぎだ、馬鹿者。他にもツッコミどころはたくさんあったが全員、納得して終わる。ふふふ、地獄だぞ、これは。 弘美:たしかに、何個かおかしいところもあった気がするような、しないような。 康介:じゃあ、俺が弘美の苗字を答えられないのも・・・。 マリア像:そのとおり。単に設定で考えられていないだけだ。 康介:そんな・・・。 マリア像:もう分かっただろう。この物語は本来、なし崩しのハッピーエンドで終わるはずだったが、そうはいかない。我が直々にバッドエンドで終わらせ、この物語を考えたあの馬鹿に鉄槌を下してくれる!! 康介:ここで終わるのか・・・?俺は所詮(しょせん)、弘美のことを何も知らない登場人物の1人だったってのか? 弘美:そんな事ない!! 康介:弘美? 弘美:たしかに私達はこの物語の登場人物の1人なのかもしれない。でも、私はあなたと育んできたこの愛は物語上のものだとしても、私にとっては、この愛が本物なの!! 康介:・・・そうだよな。俺達の愛がこんなよく分からん奴相手に負けるわけがないよな。 マリア像:神は絶対なり!!貴様らなどに負けるわけがない!! 康介:神がなんぼのもんだ。 弘美:あなたなんかに負けられないのよ。私達はあなたを倒して皆からの祝福を手に入れるのよ。 マリア像:ならば、見せてみろ!!貴様達の力を!! 康介:俺は誓ったんだ!!たとえ世界を敵に回しても、弘美を愛すると!! 弘美:そして、私もたとえ世界を敵に回しても康介を愛し抜くと!! マリア像:な、なんだ、このオーラは!?こ、これが愛の力だというのか・・・。 康介:ラぁブラぁブぅ・・・ 弘美:POWERRRRRRRR(パワーーーーーーーー)!!!!!!!!(謎のビームが出る) マリア像:な、なぜビームが出てくるんだ!?まさか、作者!!お前、こういうご都合主義でまた・・・いや、そういう事か。・・・なるほど、くくく、認めよう。このふざけた結末も、貴様達の愛も・・・。受け取るがいい。激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングを。(完全に塵(ちり)と化すマリア像) 康介:これが、激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリング。 弘美:康介・・・。 康介:ああ。病める時も 弘美:健(すこ)やかなる時も 康介:俺は 弘美:私は 康介・弘美:あなたを永遠に愛する事を誓います。 ナレーション:こうして、2人は永遠の愛を誓い、激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングを手に入れたのであった!! 弘美:・・・ねぇ。 康介:・・・いや、言いたい事はわかる。 弘美:指のサイズが違うよね、これ。 康介:・・・うん。 弘美:指輪、サイズ直してもらう事とかできないかな? 康介:でも、マリア像壊しちゃったし・・・。 弘美:ふ、ふふふふふふ。 康介:あははははははは。・・・弘美。 弘美:うん。 康介:俺達の戦いは 弘美:まだまだこれからだ!! ナレーション:皆さんもエンゲージリング、ウェディングリングを作る時はパートナーの指のサイズを把握した上で計画をしっかり立てて作りましょうね。では、(クセ強めで)see you again.(シーユーアゲイン) Fin

ナレーション:この物語は純度100パーセントの恋愛物語である。途中、ツッコミどころがあるかもしれないが、そこはお聞きの皆様、演者の皆様の心の内で行って頂きたい。では、純度100パーセント恋愛物語「例え世界を敵に回しても」まで、3、2、1、(クセ強めで)アクション!! 康介:はぁ・・・はぁ・・・ 弘美:大丈夫、康介? 康介:あぁ、なんとかな。弘美も無事か? 弘美:ええ。私は大丈夫。 康介:弘美。 弘美:なに? 康介:俺、なんであんな事言っちゃったんだろう。 ナレーション:遡(さかのぼ)ること、3年前!!その日、康介と弘美の人生が狂い始めた!! 康介:弘美、俺と結婚してくれ!! ナレーション:夜景が見えるレストランでプロポーズをした康介!! 弘美:(照れ笑いながら)えっと、その、はい・・・。 ナレーション:プロポーズを喜んで受ける弘美!! 康介:弘美、何があってもお前を愛し抜くからな!! 弘美:康介・・・。 ナレーション:プロポーズの成功にテンション上がる康介!!喜ぶ弘美!!しかぁし!!ここで康介は思わず言っちまったのである!! 康介:たとえ世界を敵に回したとしても!! ナレーション:そして、現在に至る!! 康介:まさか、本当に世界を敵に回しちまうなんて。 弘美:ごめん、康介。私が指パッチンすれば世界経済を簡単にイジれちゃうフィクサーの一人娘ってこと黙ってて。そのせいで、あなたの命が狙われる事になるなんて。 康介:いや、俺こそ、「結婚したら愛した人諸共嫌われる病」の事を黙っててすまない。 弘美:そんなこと気にしないで。闇を抱えながら生きてる康介、正直ぶっ刺さったわ。 康介:俺こそミステリアスな素性を持つ弘美、どストライクだったよ。 弘美:康介・・・。 康介:弘美・・・。 おばちゃん:見つけたよぉ!!お二人さん!! 康介:くっ!!大衆食堂「食いだおれ」のおばちゃんか!! おばちゃん:すまないけど、お二人さんには死んでもらうよぉ!! 弘美:おばちゃん!!お願い!!私達を見逃してくれませんか!! おばちゃん:2人ともよくウチに来てくれたけど、結婚したとなったら話は別だねぇ!!2人仲良く料理してあげるよぉ!! 康介:くっ・・・!!おばちゃん、ごめん!! おばちゃん:くぅっ!!み、峰打ちなんて・・・まだまだ、甘い・・・ね・・・。(倒れる) 弘美:おばちゃん・・・。おばちゃんの作るシュクルメリ、美味しかったよ。 康介:弘美、行くぞ。 弘美:うん。 康介:今度はあなたですか、お隣のおじさん・・・。 弘美:おじさん!!お願い!!そこを通して!! お隣のおじさん:そういう訳にもいかないのさ。ワシも、どいてやりたいが、何故かお前さん達を見ているとムカっ腹が立って仕方なくてな。 康介:おじさん・・・!!同棲(どうせい)してた頃は、あんなに優しかったのに・・・!! お隣のおじさん:恨むなら、結婚して毎日イチャイチャしてる自分達を恨むんだな!!行け!チャコ!! チャコ(犬):わんわんわーん!! 康介:弘美、危ない!!(チャコに噛まれる) 弘美:康介!!・・・ポメラニアンのチャコ、あんなに可愛いかったのに・・・。でも、愛する人に手を出されて、黙ってられないの!!ごめんね!!(ボールを遙か彼方に投げる) チャコ(犬):わんわんわーん!! お隣のおじさん:チャコ!!こら!!ボールを追うな!!ステイ!!ハウス!! 康介:くっ、すまない。弘美。 弘美:いまのうちよ。行きましょう。 康介:これで全部か? 弘美:ええ。しばらくは生活必需品に困らなくて済むわ。 康介:本当に無人レジさまさまだな。買い物の時だけが安息の時だぜ。 弘美:ええ、本当に。 Dr.ペパーミント:お疲れのようだな、お二人さん。 康介:くそ!!新手か!! Dr.ペパーミント:待て、そう身構えるな。私は味方だ。 弘美:どうかしら。どうせ、あなたも父の放った刺客なんでしょ? Dr.ペパーミント:生憎(あいにく)、私は権力というものが嫌いな闇医者さ。心配するな。 弘美:なら、大丈夫か。 康介:でも、俺の病が・・・。 Dr.ペパーミント:私はありとあらゆる病に抗体を持っているからな。心配するな。 康介:なら、大丈夫か。 Dr.ペパーミント:私はこの3年間、お前達が運命に抗い、戦ってきた姿を見てきた。 康介:見てきたって・・・いったい、どうやって・・・。 Dr.ペパーミント:心の目だ。 康介:心の目っ・・・!! Dr.ペパーミント:私は闇医者、なんでもできる。 康介:なるほど。 Dr.ペパーミント:そして、お前達を救う唯一の方法を教えに来たというわけだ。 弘美:私達ですら、探すのに手間取ったというのに、いったい、どうやって・・・。 Dr.ペパーミント:闇医者イヤーだ。 弘美:闇医者イヤーっ・・・!! Dr.ペパーミント:闇医者イヤーは地獄耳だからな。どんな情報でも瞬時に入ってくる。 弘美:そんな人間離れした能力が・・・。 Dr.ペパーミント:闇医者だからな。なんでもできる。 弘美:なら、できても当たり前か。 Dr.ペパーミント:とりあえず、2人ともついてこい。私の診療所で詳しく話そう。 康介:ここが・・・。 Dr.ペパーミント:ようこそ、私の診療所「堕天使の宵闇(ダークネス・オブ・ヘル)」へ。 弘美:家の近所にこんな所があったなんて。 Dr.ペパーミント:さぁ、早く入れ。他の奴らに見つかるぞ。それとも、あえて見つかり、奴らと死のダンスでも踊るか? 康介・弘美:お邪魔します。 康介:それで、俺達を助けてくれる唯一の方法ってのは、なんなんだ? Dr.ペパーミント:激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリング。 弘美:え? Dr.ペパーミント:激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングを2人で取り行くんだ。 康介:そのリングは一体どこに? Dr.ペパーミント:あの山を越えた先にあるエターナルラブチャーチという教会がある。そこのマリア像に着いていると言う。ちなみに、それを着ければ、無病息災、周りの人間も思わず2人の愛を認めてしまう能力を持つ。 弘美:そんな物があるなんて。それなら、2人の問題が一石二鳥で片付くわ! Dr.ペパーミント:それじゃあ、早速準備を・・・ 看護師:先生、そろそろ診察が・・・ 康介:あ。 弘美:あ。 看護師:先生!!その2人は!! 康介:くそ!!ごめんなさい!! 看護師:うっ!!み、峰打ち・・・。でも、ただでは倒れないわ・・・。(ボタンを押す) 弘美:なに!?病院中に鳴り響く、この不安をあおってくるようなサイレンは!? Drペパーミント:くっ、ナースコールを押したか。もうすぐ、こいつらの増援が来るぞ。 弘美:先生!!この教会に行けばなんとかなるのね!? Dr.ペパーミント:ああ。ここは私に任せて、お前達は行け!! 0:(ここからは色々ごちゃごちゃになるので役名も含めてお読み下さい。) 看護師その2:邪魔しないでください!!先生!! 患者:ワシのこの点滴棒のサビにしてくれる!! 掃除のおばちゃん:あんたらの血痕もぜーんぶあたしが掃除してやるよぉ!! 定期検診に来たおじいちゃん:先生!!どいてくださらんか!! Dr.ペパーミント:そういう訳にはいかん!! 0:(はい、OKです。) 弘美:ドクター!! 康介:すごい!まるで、全員の行動が分かるかのように攻撃を受け流している!! Dr.ペパーミント:闇医者だからな!!なんでもできる!!2人とも、早く行け!! 弘美:康介!! 康介:ああ!!先生!!恩に着るぜ!! Dr.ペパーミント:行ったか。ふっ、私もヤキが回ってしまったようだ。だが、2人の未来を守る為に散る、それもまた一興じゃないか。さぁ、天使(エンジェル)達、私が闇の抱擁(ほうよう)で地獄(ナラカ)まで誘ってやろう。 0:(すみません。また、ここから 色々ごちゃごちゃになるので役名も含めてお読み下さい。) 看護師その2:先生、私達を裏切るというのですね。 患者:覚悟してくだされ!! 掃除のおばちゃん:まさか、先生を掃除することになるなんてね。 幽霊:この恨み、はらさでおくべきかーーーーー!!!! Dr.ペパーミント:グッドラック。 0:(もう役名は読まなくて大丈夫です。お疲れ様でした。) 康介:着いた・・・。この山を越えれば激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングが。 弘美:ええ。ここに激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングがあるのよ。 康介:行こう、弘美。 弘美:遂に、この長い戦いに終止符が打たれるのね。 康介:よし、行こう。弘美。 弘美:ええ!! ナレーション:そして、2人はありとあらゆる試練を乗り越えた!!時に針山を飛び越え、硫酸(りゅうさん)の海を渡り、槍の雨を走り抜けたのであった。 康介:あれが激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリング。 弘美:なんてラブラブしいオーラなの。あれを使えば私達は助かるのね。 康介:ああ、行こう、弘美。 弘美:ええ、そうね。 マリア像:待て、迷える子羊よ。 康介:ま、マリア像が喋った!? マリア像:我は愛に生き、愛を裁く愛の化身、マリア像である。貴様達のこれまでの行い、全て見せてもらった。 弘美:そんな・・・一体どうやって!? マリア像:I am GOD.(アイ アム ゴッド) 弘美:じゃあ、しょうがないか。 マリア像:もちろん、貴様達の目的が激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングなのも既に知っている。そこで、貴様達には今から愛の審判を行う。 康介:愛の・・・。 弘美:審判・・・。 マリア像:では、男に聞くぞ?その女にプロポーズしたのはいつだ? 康介:そんなの簡単だ。3年前だ。 マリア像:ふむ、正解だ。では、女、そのプロポーズにどう答えた?その時の感情表現も含めて言ってみろ。 弘美:(照れ笑いながら)えっと、その、はい・・・。 マリア像:ふむ、正解だ。では、女、続けて聞くぞ?貴様達がよくデート場所で使っていた大衆食堂の名前は? 弘美:「食いだおれ」よ。 マリア像:そこでよく頼んでいたものは? 弘美:おばちゃんが作ってくれたシュクルメリよ。 マリア像:ふむ、正解だ。では、男に聞くぞ?最後の質問、その女の本名はなんだぁ? 康介:そんなの知っているさ。弘美だ。 マリア像:違う。 康介:なんだと!? マリア像:その女の苗字もだ。 康介:そんなの・・・あれ・・・? 弘美:どうしたの、康介? 康介:なんでだ?思い出せない・・・お前!!俺にいったい何をした!? マリア像:我は何もしとらんよ。 康介:嘘だ!!俺は弘美の苗字も知っているはずだ!!こんな簡単なことに答えられないはずが無い!! マリア像:いいや、お前は一生答えられない。なぜなら・・・ 弘美:なぜなら・・・? マリア像:役表には「弘美」しか書いていないからな。 康介:や、役表? マリア像:おかしいと思わないか?ここまでツッコミどころ満載だったのに、誰もつっこまない。なんなんだ、指パッチンすれば世界経済を簡単にイジれちゃうフィクサーの一人娘?なんだ、そいつ!?「結婚したら愛した人諸共(もろとも)嫌われる病」?なんだ、その病!?限定的過ぎて恐いわ!!闇医者はなんでもできる!?ブラックジャックの読みすぎだ、馬鹿者。他にもツッコミどころはたくさんあったが全員、納得して終わる。ふふふ、地獄だぞ、これは。 弘美:たしかに、何個かおかしいところもあった気がするような、しないような。 康介:じゃあ、俺が弘美の苗字を答えられないのも・・・。 マリア像:そのとおり。単に設定で考えられていないだけだ。 康介:そんな・・・。 マリア像:もう分かっただろう。この物語は本来、なし崩しのハッピーエンドで終わるはずだったが、そうはいかない。我が直々にバッドエンドで終わらせ、この物語を考えたあの馬鹿に鉄槌を下してくれる!! 康介:ここで終わるのか・・・?俺は所詮(しょせん)、弘美のことを何も知らない登場人物の1人だったってのか? 弘美:そんな事ない!! 康介:弘美? 弘美:たしかに私達はこの物語の登場人物の1人なのかもしれない。でも、私はあなたと育んできたこの愛は物語上のものだとしても、私にとっては、この愛が本物なの!! 康介:・・・そうだよな。俺達の愛がこんなよく分からん奴相手に負けるわけがないよな。 マリア像:神は絶対なり!!貴様らなどに負けるわけがない!! 康介:神がなんぼのもんだ。 弘美:あなたなんかに負けられないのよ。私達はあなたを倒して皆からの祝福を手に入れるのよ。 マリア像:ならば、見せてみろ!!貴様達の力を!! 康介:俺は誓ったんだ!!たとえ世界を敵に回しても、弘美を愛すると!! 弘美:そして、私もたとえ世界を敵に回しても康介を愛し抜くと!! マリア像:な、なんだ、このオーラは!?こ、これが愛の力だというのか・・・。 康介:ラぁブラぁブぅ・・・ 弘美:POWERRRRRRRR(パワーーーーーーーー)!!!!!!!!(謎のビームが出る) マリア像:な、なぜビームが出てくるんだ!?まさか、作者!!お前、こういうご都合主義でまた・・・いや、そういう事か。・・・なるほど、くくく、認めよう。このふざけた結末も、貴様達の愛も・・・。受け取るがいい。激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングを。(完全に塵(ちり)と化すマリア像) 康介:これが、激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリング。 弘美:康介・・・。 康介:ああ。病める時も 弘美:健(すこ)やかなる時も 康介:俺は 弘美:私は 康介・弘美:あなたを永遠に愛する事を誓います。 ナレーション:こうして、2人は永遠の愛を誓い、激ラブマックスハートちゅきちゅき大ちゅきエンゲージリングを手に入れたのであった!! 弘美:・・・ねぇ。 康介:・・・いや、言いたい事はわかる。 弘美:指のサイズが違うよね、これ。 康介:・・・うん。 弘美:指輪、サイズ直してもらう事とかできないかな? 康介:でも、マリア像壊しちゃったし・・・。 弘美:ふ、ふふふふふふ。 康介:あははははははは。・・・弘美。 弘美:うん。 康介:俺達の戦いは 弘美:まだまだこれからだ!! ナレーション:皆さんもエンゲージリング、ウェディングリングを作る時はパートナーの指のサイズを把握した上で計画をしっかり立てて作りましょうね。では、(クセ強めで)see you again.(シーユーアゲイン) Fin