台本概要

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タイトル むかしむかしEvolution
作者名 煮成 焼也(ニルナリヤクナリ)  (@nalinirunali)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(男1、女1、不問1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 ◎コメディー台本

◎10~15分程度

☆約束☆

・配信でご使用する際は許可を取る必要はありません。ご自由にご使用ください。

・番組名や説明欄に紹介していただけたら嬉しいです。

・演じられた後、コメントなどに演じた場所?(URLなど)教えて頂けたら嬉しいです。(覗きに行きたいので…)

・アドリブとかも入れていただいて構いませんが、他の演者様が困るような事や結末を変えるなどはお控えください。

・みんなで楽しく声劇をしましょう!!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
おじいさん 38 ボケ
おばあさん 37 ボケ(兼ね役あります)
ナレーター 不問 59 ツッコミ
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ナレーター:むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯をしに行きました。 おじいさん:・・・。 おばあさん:・・・。 ナレーター:・・・あの〜、行ってもらってもいいですか? おじいさん:なぁ、ナレーターさんや。 ナレーター:なんでしょう? おじいさん:わしらは、いつまで山や川まで行かにゃ、ならんのかの? ナレーター:と言いますと? おばあさん:私たちもだいぶ歳をとりました。若い頃はそんなことも苦ではありませんでしたよ?でもね、もうおじいさんは80を数えて5つ、私は80を数えて3つになりました。 ナレーター:(困惑しながら)はぁ・・・。 おじいさん:お願いじゃ、ナレーターさん。そろそろわしらを解放してくれんか? ナレーター:え!?それは困りますよ!!あなた達がいないと物語は進まなくなってしまうんですよ!? おばあさん:ええ、わかっていますとも。そんな事くらい。私たちもそのくらいの覚悟を持って、こうして直談判(じかだんぱん)しているのです。 ナレーター:なら、なぜ!? おじいさん:ナレーターさん、あんたぁ、山でしばかりした事あるかい? ナレーター:え・・・?いや、ありません・・・。 おじいさん:山のしばかり、いや、山のシヴァ狩りってのは、神さんを鎮(しず)めることなのよ。 ナレーター:そんな事してたの!? おじいさん:当然、生傷(なまきず)は絶えん。わしもおじいさんとしてやることやってきた。でもな、もうキツいのよ。 ナレーター:でしょうね!? おじいさん:また、シヴァを鎮めにシヴァ狩りに行かにゃならんとなると、毎回荒ぶる神にさせられる神さんの気持ちも考えてくれんか? ナレーター:いや、私もまさか、神を鎮めに行ってるとは思ってなかったので・・・。そこは確かに考慮したいと思います。 おばあさん:ナレーターさん、私もお願いしたいのです。 ナレーター:川への洗濯ですか?でも、川は近いし、洗濯物も、お二人の分しか無いから、軽いと思うのですが・・・。 おばあさん:あなた、川での洗濯の苦労を知ってますか? ナレーター:え?ま、まぁ、たしかに中腰(ちゅうごし)になって洗濯するっていうのは、大変だと思いますけど・・・。 おばあさん:その川に洗濯物を入れるとね、いつも出てくるのよ、女神が。 ナレーター:急展開きた。 おばあさん:服を川で洗うとね、必ず中に落として、女神が金の服と銀の服を提示してくるのよ。 ナレーター:その人、本来、泉にいるはずなんですけど・・・。 おばあさん:最初は「あなたが落としたのはこの金の服ですか?それとも、この銀の服ですか?」ってね。だから、正直に答えたんです。私が落としたのはボロい服ですよってね? ナレーター:それで、どちらの服も貰えたと。 おばあさん:ええ。確かに貰いましたよ?でも、あなた考えてみて?全身金ピカの服なんて、あなた着れる? ナレーター:いやぁ・・・ おばあさん:銀でテッカテカの服は? ナレーター:無理ですねぇ。 おばあさん:そうでしょう?それを渡されて、いったいどうしろというのですか? ナレーター:質屋で売る・・・とか? おばあさん:あなたねぇ、仮にも女神様、神様から貰った物を質に出すとは罰当たりにも程がありますよ!! ナレーター:え、あ、すみません・・・。 おばあさん:またあそこに行って選択を迫られるのかと思うと億劫(おっくう)で・・・。 ナレーター:川で「せんたく」はそういう意味では・・・。 おばあさん:どうかお願いします。私達を解放してもらえませんか? ナレーター:そう言われましても・・・あ!!そうです!!今回、しばかりも川で洗濯もないのがありますよ!! おじいさん:そうなんかい? ナレーター:ええ!!かぐや姫にしましょう!! おばあさん:かぐや姫・・・ですって? ナレーター:ええ!!お二人の苦労も今回はそこまで無いと思うんです!!どうですか? おじいさん:この外道畜生(げどうちくしょう)が!! ナレーター:へ!? おばあさん:あなたには血も涙もないのですか!! ナレーター:そこまで言われますか!? おじいさん:ナレーターさん、あんたぁ、自分の最愛の娘がどこぞの月の使者共に連れていかれそうになる苦しみがわかんないのかい? ナレーター:あ・・・それは・・・その・・・ おばあさん:精神的苦痛は、とても辛いんですよ。 ナレーター:それは・・・すみません。 おじいさん:対空兵器の設備費も馬鹿にならんし。 おばあさん:そうですよ。アレ取り付けるだけでも大変なんですよ? ナレーター:ちょっと待って。 おじいさん:なんじゃ? ナレーター:対空兵器ってなんですか? おじいさん:対空兵器って、そりゃ空から来るんじゃ。迎え撃たなきゃいかんじゃろ? ナレーター:弓とかですか? おばあさん:そんなチャチなもんで迎え撃てるはずないでしょ?まず、対空レーダ装置 JTPSーP14(たいくうレーダそうち ジェイティーピーエスピーじゅうよん)を置いて、敵を補足しなきゃいけないですし・・・ おじいさん:03式中距離地対空誘導弾(まるさんしきちゅうきょりちたいくうゆうどうだん)一発でまあまあお値段するし・・・ ナレーター:いやいやいや!!昔話でなんちゅうもんを用意してるんですか!?相手、月の光照らしながら、丸腰で来るんですよ!? おじいさん:月の光なんてよく分からんもんを相手にしないといけんなら、このくらいしなきゃ守れんじゃろ!! ナレーター:未知の力に現代兵器で対抗しないで!? おばあさん:でも、月の使者も手強いんですよ?どれだけやっても連れていかれてしまって・・・ ナレーター:あ、そこは、やっぱり、話通りに進んだんだ・・・。月の使者すご・・・。 おじいさん:ここ最近だと、10戦3勝7敗くらいかの・・・ ナレーター:いや、勝っちゃってる話ある!?3回かぐや姫留まっちゃってる!? おじいさん:毎回かぐや姫が狙われるという事に親としては辛いものもあるが、奴らの攻撃パターンもだいぶ分かってきたからの。次からは連戦連勝でかぐや姫を守るからの。 かぐや姫(おばあさん):(泣きながら)月に帰りたい・・・。 ナレーター:犠牲になったかぐや姫いる!?ちょっと!!ちょっと待ってください!!これ以上、童話クラッシャーされる訳にはいきません!!なので、えっと・・・そうです!!海外の話とかどうですか!?大きなカブとか!! おばあさん:大きなカブですか・・・。 ナレーター:最初はお2人に肉体的疲労を与えてしまいますが、徐々に仲間も増えますし、しばかりや川の洗濯より、楽ですよ!!どうです!?大きなカブでいきましょう!? おじいさん:まぁ悪くは無いが・・・ おばあさん:この歳で莫大(ばくだい)な資産を築くのも・・・ ナレーター:株取引じゃありませんよ?農作物の方ですよ?わかってますね? おじいさん:(ボソッと)ちっ・・・勘のいいナレーターじゃ。 ナレーター:聞こえてますよ。 おばあさん:仕方ありませんね。じゃあ、大きなカブで手を打ちましょう。 ナレーター:ありがとうございます。では、準備しますね。(咳払いして)おじいさんが、かぶのたねをまきました。 おじいさん:あまいあまいカブになれ。大きな大きなカブになれ。 ナレーター:よしよし、いい感じですよ。 おじいさん:大きな大きなカブになれ。 おばあさん:(かすれ声でボソボソ唱えるように)エム イシュア ネウ アンフ セフ チェ ヘヌア ウンヌ・・・ おじいさん:大きなカブ、召喚!! ナレーター:待て待て待て待て!!!! おじいさん:なんじゃ、いきなり? おばあさん:大きなカブも出来たし、話の邪魔したらダメでしょ? ナレーター:いや、途中まで良かったんですよ?原作通り、素晴らしかった!! おじいさん:なら、よかろう? ナレーター:途中!!おばあさん、あなた何を唱え始めてるんですか!? おばあさん:なにって・・・大きくなるおまじないですけど? ナレーター:いや、どう考えても、おまじないなんて可愛らしいもんじゃなかったですよ!?むしろ、なんちゃらの翼神竜でも召喚すんのかと思いましたけど!? おばあさん:でも、できたからいいじゃありませんか?(カブをひとかじりして)うん、美味しい。 ナレーター:いや、ここで食べないで!?おじいさんも分かってて召喚!!とか言ったでしょ!? おじいさん:はて?そんなこと言ったかの?最近、物忘れが酷くて・・・。 ナレーター:都合が悪い時だけ、ボケたフリしないでください!!もう・・・いい加減にしてくださいよ。そんなに物語を始めたくないというんですか? おじいさん:(息をつき)ナレーターさんや、こうやって、嘘ついてキツイと言ったり、ふざけ倒したりしたのにもな、理由があるのよ。わしらはな、もう誰かが不幸になるのを見たくないのよ。 ナレーター:そんな事言ったって不幸になる昔話なんか少ないじゃないですか。 おばあさん:本当にそう思いますか? ナレーター:え? おばあさん:桃太郎では鬼、金太郎では人間に使役されてしまうことになったクマ、誰かの幸せには、必ず誰かの不幸がついてきます。 おじいさん:だから、こうしていれば、話は進まず、誰も不幸になるこたぁ無いじゃろうて。 ナレーター:それでも・・・私は、いや、私達は物語を進めなければいけないんです。たしかに、昔話はそういった描かれていない部分で不幸だと思うかもしれません。でも、もしかしたら、鬼達だって、争いの果てに共存の道を辿ったかもしれない、金太郎さんのクマだって、互いに競った結果、認め合って彼について行った、そう捉えることだってできます。あなた達が言う不幸な目というのも、もしかしたら当たってるのかもしれない。でも、考え方によっては、そう捉えることだって出来るはずなんです。それに・・・ おじいさん:それに? ナレーター:いまも、この話の展開がどうなるのか、楽しみにしていてくださる方達がいるんです。 おじいさん:わしらの話を? ナレーター:ええ。いまも、このむかしむかしのスタートで心をときめかせている子ども達がいるんです。あなた方が、紡(つむ)ぐ物語が、その子達の好奇心や夢に繋がる事もあるんです。 おばあさん:子ども達の夢・・・。 ナレーター:だから、お願いします。あなた方の「おじいさん」と「おばあさん」のスタートを切らせてください。お願いします。 おじいさん:・・・。 おばあさん:おじいさん、やりましょう。 おじいさん:おばあさん。 おばあさん:私達もただ、山へシヴァ狩りに、川で選択をしていましたけれど・・・ ナレーター:あ、そこは本当だったんだ。 おばあさん:私達も決められた役割をただ全(まっと)うしていたわけではなかった。その事実だけで、老体に鞭打つことも出来るというものでしょ?おじいさん。 おじいさん:・・・そうじゃな。ナレーターさんや、すまんかった。老人のワガママでいま、話を聞いている子どもを待たせるのも良くなかろう。さぁ、今回の物語を、新しい物語を語ってくれんか? ナレーター:・・・はい!!では・・・(一息ついて)むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。ある日、おじいさんは古(いにしえ)の獣を狩りに・・・ん? おじいさん:わしの役目は、こやつらの血を絶やすこと。それだけじゃ。 ナレーター:おばあさんは、魔術機構に魔力をそそぎ、武器の調整をしておりました・・・ん? おばあさん:(かすれた声な感じで)レルゴ、カムナ、ディ、ビエルゲア・・・魔を鎮(しず)め、魔を蹂躙(じゅうりん)せよ、我がおばあさんの名のもとに・・・。 ナレーター:これは破滅の物語、彼らは魔を祓いし者、彼らの名は・・・いや、何の話これ!? おじいさん:なんじゃ、おぬし、この話は初めてかい? ナレーター:な、なんなんですか、この話は!? おばあさん:これは魔を祓い、魔を討つ物語。 おじいさん:(洋風映画の予告っぽく)Dark Of Falls Ojiisan and Obaasan(ダークオブフォールズ オジイサン オバアサン) 異界の目覚めと太古の巨人。 おばあさん:(洋風映画の予告っぽく)全シーズン48話、シーズン2まで公開中。この子、ずいぶんマニアックな話が好きなのね。 おじいさん:山の神さん鎮めるよりも骨が折れるかもしれんが、まぁ、この子の夢を見せる為に、チョイとばかし、働こうかねぇ!! おばあさん:行きますよ、おじいさん。闇の心、その身に宿して・・・・ おじいさん:我らが信念の名のもとに・・・。 ナレーター:なにこれ!?

ナレーター:むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯をしに行きました。 おじいさん:・・・。 おばあさん:・・・。 ナレーター:・・・あの〜、行ってもらってもいいですか? おじいさん:なぁ、ナレーターさんや。 ナレーター:なんでしょう? おじいさん:わしらは、いつまで山や川まで行かにゃ、ならんのかの? ナレーター:と言いますと? おばあさん:私たちもだいぶ歳をとりました。若い頃はそんなことも苦ではありませんでしたよ?でもね、もうおじいさんは80を数えて5つ、私は80を数えて3つになりました。 ナレーター:(困惑しながら)はぁ・・・。 おじいさん:お願いじゃ、ナレーターさん。そろそろわしらを解放してくれんか? ナレーター:え!?それは困りますよ!!あなた達がいないと物語は進まなくなってしまうんですよ!? おばあさん:ええ、わかっていますとも。そんな事くらい。私たちもそのくらいの覚悟を持って、こうして直談判(じかだんぱん)しているのです。 ナレーター:なら、なぜ!? おじいさん:ナレーターさん、あんたぁ、山でしばかりした事あるかい? ナレーター:え・・・?いや、ありません・・・。 おじいさん:山のしばかり、いや、山のシヴァ狩りってのは、神さんを鎮(しず)めることなのよ。 ナレーター:そんな事してたの!? おじいさん:当然、生傷(なまきず)は絶えん。わしもおじいさんとしてやることやってきた。でもな、もうキツいのよ。 ナレーター:でしょうね!? おじいさん:また、シヴァを鎮めにシヴァ狩りに行かにゃならんとなると、毎回荒ぶる神にさせられる神さんの気持ちも考えてくれんか? ナレーター:いや、私もまさか、神を鎮めに行ってるとは思ってなかったので・・・。そこは確かに考慮したいと思います。 おばあさん:ナレーターさん、私もお願いしたいのです。 ナレーター:川への洗濯ですか?でも、川は近いし、洗濯物も、お二人の分しか無いから、軽いと思うのですが・・・。 おばあさん:あなた、川での洗濯の苦労を知ってますか? ナレーター:え?ま、まぁ、たしかに中腰(ちゅうごし)になって洗濯するっていうのは、大変だと思いますけど・・・。 おばあさん:その川に洗濯物を入れるとね、いつも出てくるのよ、女神が。 ナレーター:急展開きた。 おばあさん:服を川で洗うとね、必ず中に落として、女神が金の服と銀の服を提示してくるのよ。 ナレーター:その人、本来、泉にいるはずなんですけど・・・。 おばあさん:最初は「あなたが落としたのはこの金の服ですか?それとも、この銀の服ですか?」ってね。だから、正直に答えたんです。私が落としたのはボロい服ですよってね? ナレーター:それで、どちらの服も貰えたと。 おばあさん:ええ。確かに貰いましたよ?でも、あなた考えてみて?全身金ピカの服なんて、あなた着れる? ナレーター:いやぁ・・・ おばあさん:銀でテッカテカの服は? ナレーター:無理ですねぇ。 おばあさん:そうでしょう?それを渡されて、いったいどうしろというのですか? ナレーター:質屋で売る・・・とか? おばあさん:あなたねぇ、仮にも女神様、神様から貰った物を質に出すとは罰当たりにも程がありますよ!! ナレーター:え、あ、すみません・・・。 おばあさん:またあそこに行って選択を迫られるのかと思うと億劫(おっくう)で・・・。 ナレーター:川で「せんたく」はそういう意味では・・・。 おばあさん:どうかお願いします。私達を解放してもらえませんか? ナレーター:そう言われましても・・・あ!!そうです!!今回、しばかりも川で洗濯もないのがありますよ!! おじいさん:そうなんかい? ナレーター:ええ!!かぐや姫にしましょう!! おばあさん:かぐや姫・・・ですって? ナレーター:ええ!!お二人の苦労も今回はそこまで無いと思うんです!!どうですか? おじいさん:この外道畜生(げどうちくしょう)が!! ナレーター:へ!? おばあさん:あなたには血も涙もないのですか!! ナレーター:そこまで言われますか!? おじいさん:ナレーターさん、あんたぁ、自分の最愛の娘がどこぞの月の使者共に連れていかれそうになる苦しみがわかんないのかい? ナレーター:あ・・・それは・・・その・・・ おばあさん:精神的苦痛は、とても辛いんですよ。 ナレーター:それは・・・すみません。 おじいさん:対空兵器の設備費も馬鹿にならんし。 おばあさん:そうですよ。アレ取り付けるだけでも大変なんですよ? ナレーター:ちょっと待って。 おじいさん:なんじゃ? ナレーター:対空兵器ってなんですか? おじいさん:対空兵器って、そりゃ空から来るんじゃ。迎え撃たなきゃいかんじゃろ? ナレーター:弓とかですか? おばあさん:そんなチャチなもんで迎え撃てるはずないでしょ?まず、対空レーダ装置 JTPSーP14(たいくうレーダそうち ジェイティーピーエスピーじゅうよん)を置いて、敵を補足しなきゃいけないですし・・・ おじいさん:03式中距離地対空誘導弾(まるさんしきちゅうきょりちたいくうゆうどうだん)一発でまあまあお値段するし・・・ ナレーター:いやいやいや!!昔話でなんちゅうもんを用意してるんですか!?相手、月の光照らしながら、丸腰で来るんですよ!? おじいさん:月の光なんてよく分からんもんを相手にしないといけんなら、このくらいしなきゃ守れんじゃろ!! ナレーター:未知の力に現代兵器で対抗しないで!? おばあさん:でも、月の使者も手強いんですよ?どれだけやっても連れていかれてしまって・・・ ナレーター:あ、そこは、やっぱり、話通りに進んだんだ・・・。月の使者すご・・・。 おじいさん:ここ最近だと、10戦3勝7敗くらいかの・・・ ナレーター:いや、勝っちゃってる話ある!?3回かぐや姫留まっちゃってる!? おじいさん:毎回かぐや姫が狙われるという事に親としては辛いものもあるが、奴らの攻撃パターンもだいぶ分かってきたからの。次からは連戦連勝でかぐや姫を守るからの。 かぐや姫(おばあさん):(泣きながら)月に帰りたい・・・。 ナレーター:犠牲になったかぐや姫いる!?ちょっと!!ちょっと待ってください!!これ以上、童話クラッシャーされる訳にはいきません!!なので、えっと・・・そうです!!海外の話とかどうですか!?大きなカブとか!! おばあさん:大きなカブですか・・・。 ナレーター:最初はお2人に肉体的疲労を与えてしまいますが、徐々に仲間も増えますし、しばかりや川の洗濯より、楽ですよ!!どうです!?大きなカブでいきましょう!? おじいさん:まぁ悪くは無いが・・・ おばあさん:この歳で莫大(ばくだい)な資産を築くのも・・・ ナレーター:株取引じゃありませんよ?農作物の方ですよ?わかってますね? おじいさん:(ボソッと)ちっ・・・勘のいいナレーターじゃ。 ナレーター:聞こえてますよ。 おばあさん:仕方ありませんね。じゃあ、大きなカブで手を打ちましょう。 ナレーター:ありがとうございます。では、準備しますね。(咳払いして)おじいさんが、かぶのたねをまきました。 おじいさん:あまいあまいカブになれ。大きな大きなカブになれ。 ナレーター:よしよし、いい感じですよ。 おじいさん:大きな大きなカブになれ。 おばあさん:(かすれ声でボソボソ唱えるように)エム イシュア ネウ アンフ セフ チェ ヘヌア ウンヌ・・・ おじいさん:大きなカブ、召喚!! ナレーター:待て待て待て待て!!!! おじいさん:なんじゃ、いきなり? おばあさん:大きなカブも出来たし、話の邪魔したらダメでしょ? ナレーター:いや、途中まで良かったんですよ?原作通り、素晴らしかった!! おじいさん:なら、よかろう? ナレーター:途中!!おばあさん、あなた何を唱え始めてるんですか!? おばあさん:なにって・・・大きくなるおまじないですけど? ナレーター:いや、どう考えても、おまじないなんて可愛らしいもんじゃなかったですよ!?むしろ、なんちゃらの翼神竜でも召喚すんのかと思いましたけど!? おばあさん:でも、できたからいいじゃありませんか?(カブをひとかじりして)うん、美味しい。 ナレーター:いや、ここで食べないで!?おじいさんも分かってて召喚!!とか言ったでしょ!? おじいさん:はて?そんなこと言ったかの?最近、物忘れが酷くて・・・。 ナレーター:都合が悪い時だけ、ボケたフリしないでください!!もう・・・いい加減にしてくださいよ。そんなに物語を始めたくないというんですか? おじいさん:(息をつき)ナレーターさんや、こうやって、嘘ついてキツイと言ったり、ふざけ倒したりしたのにもな、理由があるのよ。わしらはな、もう誰かが不幸になるのを見たくないのよ。 ナレーター:そんな事言ったって不幸になる昔話なんか少ないじゃないですか。 おばあさん:本当にそう思いますか? ナレーター:え? おばあさん:桃太郎では鬼、金太郎では人間に使役されてしまうことになったクマ、誰かの幸せには、必ず誰かの不幸がついてきます。 おじいさん:だから、こうしていれば、話は進まず、誰も不幸になるこたぁ無いじゃろうて。 ナレーター:それでも・・・私は、いや、私達は物語を進めなければいけないんです。たしかに、昔話はそういった描かれていない部分で不幸だと思うかもしれません。でも、もしかしたら、鬼達だって、争いの果てに共存の道を辿ったかもしれない、金太郎さんのクマだって、互いに競った結果、認め合って彼について行った、そう捉えることだってできます。あなた達が言う不幸な目というのも、もしかしたら当たってるのかもしれない。でも、考え方によっては、そう捉えることだって出来るはずなんです。それに・・・ おじいさん:それに? ナレーター:いまも、この話の展開がどうなるのか、楽しみにしていてくださる方達がいるんです。 おじいさん:わしらの話を? ナレーター:ええ。いまも、このむかしむかしのスタートで心をときめかせている子ども達がいるんです。あなた方が、紡(つむ)ぐ物語が、その子達の好奇心や夢に繋がる事もあるんです。 おばあさん:子ども達の夢・・・。 ナレーター:だから、お願いします。あなた方の「おじいさん」と「おばあさん」のスタートを切らせてください。お願いします。 おじいさん:・・・。 おばあさん:おじいさん、やりましょう。 おじいさん:おばあさん。 おばあさん:私達もただ、山へシヴァ狩りに、川で選択をしていましたけれど・・・ ナレーター:あ、そこは本当だったんだ。 おばあさん:私達も決められた役割をただ全(まっと)うしていたわけではなかった。その事実だけで、老体に鞭打つことも出来るというものでしょ?おじいさん。 おじいさん:・・・そうじゃな。ナレーターさんや、すまんかった。老人のワガママでいま、話を聞いている子どもを待たせるのも良くなかろう。さぁ、今回の物語を、新しい物語を語ってくれんか? ナレーター:・・・はい!!では・・・(一息ついて)むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。ある日、おじいさんは古(いにしえ)の獣を狩りに・・・ん? おじいさん:わしの役目は、こやつらの血を絶やすこと。それだけじゃ。 ナレーター:おばあさんは、魔術機構に魔力をそそぎ、武器の調整をしておりました・・・ん? おばあさん:(かすれた声な感じで)レルゴ、カムナ、ディ、ビエルゲア・・・魔を鎮(しず)め、魔を蹂躙(じゅうりん)せよ、我がおばあさんの名のもとに・・・。 ナレーター:これは破滅の物語、彼らは魔を祓いし者、彼らの名は・・・いや、何の話これ!? おじいさん:なんじゃ、おぬし、この話は初めてかい? ナレーター:な、なんなんですか、この話は!? おばあさん:これは魔を祓い、魔を討つ物語。 おじいさん:(洋風映画の予告っぽく)Dark Of Falls Ojiisan and Obaasan(ダークオブフォールズ オジイサン オバアサン) 異界の目覚めと太古の巨人。 おばあさん:(洋風映画の予告っぽく)全シーズン48話、シーズン2まで公開中。この子、ずいぶんマニアックな話が好きなのね。 おじいさん:山の神さん鎮めるよりも骨が折れるかもしれんが、まぁ、この子の夢を見せる為に、チョイとばかし、働こうかねぇ!! おばあさん:行きますよ、おじいさん。闇の心、その身に宿して・・・・ おじいさん:我らが信念の名のもとに・・・。 ナレーター:なにこれ!?