台本概要

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タイトル エメラルド・ヒーリング
作者名 蒼(あおい)  (@aoi_m_o10)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(男1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 誕生石が紡ぎだす、不思議な物語―
「知らず知らずのうちに、俺は癒されていく…。」

5月の誕生石をモチーフにした物語。

【登場人物】
◆ラルド

※誕生石シリーズの作品は、全てあいうえお作文で構成されています。
 読みづらい箇所がありますので、予めご了承下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ラルド 10
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ラルド:あれは、いつの事だっただろうか。もう、だいぶ昔の事のように感じる。 ラルド:今となっては、もしかしたら、あれは必然だったのではとも思ってしまう。 ラルド:薄紅色の花が散りゆく頃、街灯のしたで必死に訴える、二つの命に出会った。 ラルド:絵に描いたように綺麗なその瞳は、純粋な緑色をしていた。 ラルド:俺は、その二つの命に「ジェダイト」と「ネフライト」という名を付けた。 0: 0: 0: ラルド:顔を摺り寄せ、甘える姿は、なんとも愛おしく、 ラルド:緊張していた俺の心を癒してくれた。 ラルド:クスッと思わず漏れた声に、俺自身が驚いてしまう。 ラルド:結局、どんなに憤り(いきどおり)を覚えても、赦せない出来事があっても、 ラルド:この子達はそれを知らない。知らない方がいい。俺はこの子達の幸せを今は願っている・・・。 0: 0: 0: ラルド:最近は、俺の周りを元気に駆け回るようになった。 ラルド:尻尾を絡ませながら、じゃれ合ったり、俺にすり寄ってきたり。 ラルド:好きという感情をぶつけてくれている。 ラルド:背中にジェダイトとネフライトを乗せ、 ラルド:空の色が変わるまで、新緑の中を走り続けた。 0: 0: 0: ラルド:太陽が沈み、一層静けさが感じられる頃。 ラルド:力尽きたのか、気持ちよさそうに眠る二つの寝顔。 ラルド:疲れているはずなのに、その寝顔を見ているだけで、自然と笑みがこぼれる。 ラルド:・・・天はあまりにも残酷だ。こんなにも可愛い命を、あんな形で捨ててしまうだなんて・・・。 ラルド:とても、尊い命なんだ。・・・俺が、護ってやらねば・・・。 0: 0: 0: ラルド:鳴く声がしなければ、俺は気がつかなかったかもしれない。 ラルド:人間に拾われていたら、それはそれで良かったのかもしれない。 ラルド:布をそっと掛けながら、俺自身の行動に自問自答を繰り返す・・・。 ラルド:・・・猫又だって知ったら、この子達は、どんな反応をしてしまうんだろう。 ラルド:濃霧とともに、俺の心も霞んでいってしまうようだった・・・。 0: 0: 0: ラルド:早いもので、この生活も、一年が過ぎようとしていた。 ラルド:一回りまた大きく成長した、ジェダイトとネフライト。 ラルド:ふと、何かに気づいたのか、俺の尻尾と自分の尻尾を見比べている。 ラルド:変だと感じたのだろうか。不気味だと感じたのだろうか。そう思うと、急に恐怖が襲ってくる。 ラルド:本当の俺は、臆病者だ。強そうに見えても、中身は弱く、傷つきやすい・・・。 0: 0: 0: ラルド:また、稀有な眼で見られてしまうのか。そう思っていた。 ラルド:見つめるその瞳は・・・初めて出会った時と変わらぬ、純粋な瞳だった。 ラルド:無邪気に、凄いと言わんばかりの眼で俺の尻尾にじゃれてきた。 ラルド:眼を丸くした俺は、しばらく状況が呑み込めないでいた。どうやら、この子達には、どうでもいい事のようらしい。 ラルド:もう、怯えなくてもいいんだろうか。この子達に出会えて、本当に良かった。・・・そう思う。 0: 0: 0: ラルド:優しさに包まれて、温かさを知った。 ラルド:ゆっくりと、これからも、俺達の時間は流れてゆく。 ラルド:弱い部分は、まだあるけれど、 0: 0: 0: ラルド:来年も、再来年も、いつまでも・・・ ラルド:理由なき旅を、この子達と一緒に歩んでゆこう。 ラルド:類似する種族とも、垣根を越えて、 ラルド:歴代へと、この癒しを伝えていこう・・・。 ラルド:論争など、この世界には不要だ。 0: 0: 0: ラルド:笑っていられるこの瞬間を、この幸せ ラルド:を、大切にしていきたい。・・・俺は、猫又の「ラルド」。・・・さぁ、今日も素敵なじか ラルド:んを過ごしてゆこうか・・・。 0: 0: 0:

ラルド:あれは、いつの事だっただろうか。もう、だいぶ昔の事のように感じる。 ラルド:今となっては、もしかしたら、あれは必然だったのではとも思ってしまう。 ラルド:薄紅色の花が散りゆく頃、街灯のしたで必死に訴える、二つの命に出会った。 ラルド:絵に描いたように綺麗なその瞳は、純粋な緑色をしていた。 ラルド:俺は、その二つの命に「ジェダイト」と「ネフライト」という名を付けた。 0: 0: 0: ラルド:顔を摺り寄せ、甘える姿は、なんとも愛おしく、 ラルド:緊張していた俺の心を癒してくれた。 ラルド:クスッと思わず漏れた声に、俺自身が驚いてしまう。 ラルド:結局、どんなに憤り(いきどおり)を覚えても、赦せない出来事があっても、 ラルド:この子達はそれを知らない。知らない方がいい。俺はこの子達の幸せを今は願っている・・・。 0: 0: 0: ラルド:最近は、俺の周りを元気に駆け回るようになった。 ラルド:尻尾を絡ませながら、じゃれ合ったり、俺にすり寄ってきたり。 ラルド:好きという感情をぶつけてくれている。 ラルド:背中にジェダイトとネフライトを乗せ、 ラルド:空の色が変わるまで、新緑の中を走り続けた。 0: 0: 0: ラルド:太陽が沈み、一層静けさが感じられる頃。 ラルド:力尽きたのか、気持ちよさそうに眠る二つの寝顔。 ラルド:疲れているはずなのに、その寝顔を見ているだけで、自然と笑みがこぼれる。 ラルド:・・・天はあまりにも残酷だ。こんなにも可愛い命を、あんな形で捨ててしまうだなんて・・・。 ラルド:とても、尊い命なんだ。・・・俺が、護ってやらねば・・・。 0: 0: 0: ラルド:鳴く声がしなければ、俺は気がつかなかったかもしれない。 ラルド:人間に拾われていたら、それはそれで良かったのかもしれない。 ラルド:布をそっと掛けながら、俺自身の行動に自問自答を繰り返す・・・。 ラルド:・・・猫又だって知ったら、この子達は、どんな反応をしてしまうんだろう。 ラルド:濃霧とともに、俺の心も霞んでいってしまうようだった・・・。 0: 0: 0: ラルド:早いもので、この生活も、一年が過ぎようとしていた。 ラルド:一回りまた大きく成長した、ジェダイトとネフライト。 ラルド:ふと、何かに気づいたのか、俺の尻尾と自分の尻尾を見比べている。 ラルド:変だと感じたのだろうか。不気味だと感じたのだろうか。そう思うと、急に恐怖が襲ってくる。 ラルド:本当の俺は、臆病者だ。強そうに見えても、中身は弱く、傷つきやすい・・・。 0: 0: 0: ラルド:また、稀有な眼で見られてしまうのか。そう思っていた。 ラルド:見つめるその瞳は・・・初めて出会った時と変わらぬ、純粋な瞳だった。 ラルド:無邪気に、凄いと言わんばかりの眼で俺の尻尾にじゃれてきた。 ラルド:眼を丸くした俺は、しばらく状況が呑み込めないでいた。どうやら、この子達には、どうでもいい事のようらしい。 ラルド:もう、怯えなくてもいいんだろうか。この子達に出会えて、本当に良かった。・・・そう思う。 0: 0: 0: ラルド:優しさに包まれて、温かさを知った。 ラルド:ゆっくりと、これからも、俺達の時間は流れてゆく。 ラルド:弱い部分は、まだあるけれど、 0: 0: 0: ラルド:来年も、再来年も、いつまでも・・・ ラルド:理由なき旅を、この子達と一緒に歩んでゆこう。 ラルド:類似する種族とも、垣根を越えて、 ラルド:歴代へと、この癒しを伝えていこう・・・。 ラルド:論争など、この世界には不要だ。 0: 0: 0: ラルド:笑っていられるこの瞬間を、この幸せ ラルド:を、大切にしていきたい。・・・俺は、猫又の「ラルド」。・・・さぁ、今日も素敵なじか ラルド:んを過ごしてゆこうか・・・。 0: 0: 0: