台本概要

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タイトル トルマリンの本音
作者名 蒼(あおい)  (@aoi_m_o10)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(男1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 誕生石が紡ぎだす、不思議な物語―
「俺の本当の色は、何色なんだろう…。」

10月の誕生石をモチーフにした物語。

【登場人物】
◆トルマ

※誕生石シリーズの作品は、全てあいうえお作文で構成されています。
 読みづらい箇所がありますので、予めご了承下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
トルマ 10
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
トルマ:赤、青、黄色、緑…。俺は、どんな色にでもなれる。 トルマ:色んな色に変化(へんげ)できる。でも、本当の俺は何色なんだろう? トルマ:上書きされていく、色の記憶。 トルマ:影響を受けすぎない様に、耐える日もあった。 トルマ:俺が多彩に色を変えるのは、悪く言ってしまえば、個性が無いとも言えるのかもしれない…。 0: 0: 0: トルマ:考えすぎだと、言う人もいるだろう。だが、ついつい、ネガティブな思考になってしまうんだ。 トルマ:気づけば、俺は、正体がバレるのが怖くて、逃げるように色を変えていく。 トルマ:暗がりを歩いていると、森の茂みの中から、三匹の猫が現れた。 トルマ:毛色が一匹だけ違っていたが、その理由はすぐに分かった。 トルマ:……この猫は、ただの猫ではない。…猫又だ。 0: 0: 0: トルマ:寒さとは違う震えが止まらない。 トルマ:正直、会いたくないとさえ思っている相手なんだ。 トルマ:素性を知っている訳ではない。これは、俺の一方的な恐怖心だ。 トルマ:先祖代々、語られてきた話がある。”我々は、翡翠(ひすい)の名を借りて力を得た“と。…つまり、本来の俺の力は、猫又の名を借りた、偽物の力に過ぎない。 トルマ:そんな事が知られてしまったら…。俺は、その場から逃げるように 0: 0: 0: トルマ:立ち去ろうとした時だった。猫又に呼び止められた。身体中の トルマ:力が抜けていくような感覚になりながら、恐る恐る、俺は猫又の前に座った。 トルマ:つま先まで伝わって来る心音に、消えたい気持ちが何度も現れる…。 トルマ:手が伸びてきた時、俺は”死“を覚悟した。…だが、その手は優しく俺の頭を撫で、こう言ったのだ。 トルマ:『トルマ。君は何も恐れる事はない。むしろ、誇りに思うべきだ。』と…。 0: 0: 0: トルマ:何故かと問うと、『”真似る“というのは、容易ではない。 トルマ:人間が勘違いをする程の力を、君は既に身につけている。 トルマ:抜け殻をいつまでも被っていてはいけない。我々は、君達の存在を認めているのだから。 トルマ:願い続けろ。希望を持ち続けろ。稲妻 トルマ:の様に、光り輝くのだ…!』 0: 0: 0: トルマ:励まされるかの様な言葉に、思わず、涙が零れた。 トルマ:日陰で身を潜めて過ごしてきた俺の中に、その時、少しの変化が訪れた。 トルマ:不思議な感覚…。今まで身体の中にあったモヤモヤした気持ちが、どこか遠く トルマ:へ行ったような。…安らかな気持ちになった。思いを打ち明けた途端、俺の身体は白へと変化(へんか)した。 トルマ:本当の俺は、こんな色をしていたのか。…自分自身をも誤魔化しすぎて、い 0: 0: 0: トルマ:まの今まで、忘れてしまっていた。 トルマ:緑色の綺麗な瞳が、変わっていく俺を見つめ、優しく笑った。 トルマ:難しく考える必要はなかったのかもしれない。俺は、俺だ。猫又に感謝の言葉を伝え、満 トルマ:面の笑みを浮かべて、その場を後にした。 トルマ:…もう、何も怖い事などない。 0: 0: 0: トルマ:やがて、周りも明るくなり、太陽が眩しく俺を照らす。 トルマ:悠々と、その中を歩いて行く。しっかりと、前を向いて…。 トルマ:淀(よど)んだ気持ちは、涙と共に流してきた。 0: 0: 0: トルマ:落雷をこの身で受けたような衝撃を…。高ぶるこの感情を…。誰かに知ってもらいたい。難しい トルマ:理由なんて何処にもない。俺は今、とても幸せだ。く トルマ:るしかった日々が、まるで嘘かの様に、は トルマ:れ渡っている。この空のように…。何処までもひ トルマ:ろがる、あの雲のように…。俺は七色に、いや、それ以上の色に変化(へんげ)していける。 0: 0: 0: トルマ:我が物顔で、己の能力の誇らしさ トルマ:を、これから生まれてくる子達に伝えよう。……この俺が、トルマが、カメレオ トルマ:ンの素晴らしさを。自信を持って、君達に………。 0: 0: 0:

トルマ:赤、青、黄色、緑…。俺は、どんな色にでもなれる。 トルマ:色んな色に変化(へんげ)できる。でも、本当の俺は何色なんだろう? トルマ:上書きされていく、色の記憶。 トルマ:影響を受けすぎない様に、耐える日もあった。 トルマ:俺が多彩に色を変えるのは、悪く言ってしまえば、個性が無いとも言えるのかもしれない…。 0: 0: 0: トルマ:考えすぎだと、言う人もいるだろう。だが、ついつい、ネガティブな思考になってしまうんだ。 トルマ:気づけば、俺は、正体がバレるのが怖くて、逃げるように色を変えていく。 トルマ:暗がりを歩いていると、森の茂みの中から、三匹の猫が現れた。 トルマ:毛色が一匹だけ違っていたが、その理由はすぐに分かった。 トルマ:……この猫は、ただの猫ではない。…猫又だ。 0: 0: 0: トルマ:寒さとは違う震えが止まらない。 トルマ:正直、会いたくないとさえ思っている相手なんだ。 トルマ:素性を知っている訳ではない。これは、俺の一方的な恐怖心だ。 トルマ:先祖代々、語られてきた話がある。”我々は、翡翠(ひすい)の名を借りて力を得た“と。…つまり、本来の俺の力は、猫又の名を借りた、偽物の力に過ぎない。 トルマ:そんな事が知られてしまったら…。俺は、その場から逃げるように 0: 0: 0: トルマ:立ち去ろうとした時だった。猫又に呼び止められた。身体中の トルマ:力が抜けていくような感覚になりながら、恐る恐る、俺は猫又の前に座った。 トルマ:つま先まで伝わって来る心音に、消えたい気持ちが何度も現れる…。 トルマ:手が伸びてきた時、俺は”死“を覚悟した。…だが、その手は優しく俺の頭を撫で、こう言ったのだ。 トルマ:『トルマ。君は何も恐れる事はない。むしろ、誇りに思うべきだ。』と…。 0: 0: 0: トルマ:何故かと問うと、『”真似る“というのは、容易ではない。 トルマ:人間が勘違いをする程の力を、君は既に身につけている。 トルマ:抜け殻をいつまでも被っていてはいけない。我々は、君達の存在を認めているのだから。 トルマ:願い続けろ。希望を持ち続けろ。稲妻 トルマ:の様に、光り輝くのだ…!』 0: 0: 0: トルマ:励まされるかの様な言葉に、思わず、涙が零れた。 トルマ:日陰で身を潜めて過ごしてきた俺の中に、その時、少しの変化が訪れた。 トルマ:不思議な感覚…。今まで身体の中にあったモヤモヤした気持ちが、どこか遠く トルマ:へ行ったような。…安らかな気持ちになった。思いを打ち明けた途端、俺の身体は白へと変化(へんか)した。 トルマ:本当の俺は、こんな色をしていたのか。…自分自身をも誤魔化しすぎて、い 0: 0: 0: トルマ:まの今まで、忘れてしまっていた。 トルマ:緑色の綺麗な瞳が、変わっていく俺を見つめ、優しく笑った。 トルマ:難しく考える必要はなかったのかもしれない。俺は、俺だ。猫又に感謝の言葉を伝え、満 トルマ:面の笑みを浮かべて、その場を後にした。 トルマ:…もう、何も怖い事などない。 0: 0: 0: トルマ:やがて、周りも明るくなり、太陽が眩しく俺を照らす。 トルマ:悠々と、その中を歩いて行く。しっかりと、前を向いて…。 トルマ:淀(よど)んだ気持ちは、涙と共に流してきた。 0: 0: 0: トルマ:落雷をこの身で受けたような衝撃を…。高ぶるこの感情を…。誰かに知ってもらいたい。難しい トルマ:理由なんて何処にもない。俺は今、とても幸せだ。く トルマ:るしかった日々が、まるで嘘かの様に、は トルマ:れ渡っている。この空のように…。何処までもひ トルマ:ろがる、あの雲のように…。俺は七色に、いや、それ以上の色に変化(へんげ)していける。 0: 0: 0: トルマ:我が物顔で、己の能力の誇らしさ トルマ:を、これから生まれてくる子達に伝えよう。……この俺が、トルマが、カメレオ トルマ:ンの素晴らしさを。自信を持って、君達に………。 0: 0: 0: