台本概要

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タイトル 紅き月
作者名 めぶき  (@mebuki_motobe)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(男1、女1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 それは、次第に暑くなる初夏のこと。ある山に棲まう神・宝玉が、隣の山を統べる神・月華の元に訪れた。

出演
⇒月華(げっか):山の神
⇒宝玉(ほうぎょく):山の神、Nの兼役あり

※宝玉とNと兼役

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
月華 15 初夏の山の神。もう何千年も山を守り続けている。
宝玉 14 夏の山の神。月華に比べ、山の神になったのは最近 ※N兼役
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
N:それは、次第に暑くなる初夏のこと。ある山に棲まう神・宝玉(ほうぎょく)が、隣の山を統べる神・月華(げっか)の元に訪れた 月華:貴様、何の用だ。私の山に災いをもたらす為か… 宝玉:違うなぁ。これから暑くなる今、お前に伝えておきたいことがあって来た 月華:何の話だ。つまらないことならば、斬って捨てるぞ 宝玉:そう急かすな。お互いに、護るべき山がある。それを壊しに来たのでは無い。護るために来た 月華:ならば、早く言え。私が統べる山をどうしたいのだ 宝玉:もうすぐ「紅き月」の日が訪れる 月華:その「紅き月」がどうしたと言うのだ 宝玉:「紅き月」の日は、獣が現れる。そして、山に訪れる人間を、取って殺す。食い散らかすのだ 月華:それは私も知っている。例年も、犠牲になった人間がいた。それは、宝玉、お前が来る前のことだ。何千年も、獣に対して、何もしてこなかったなぁ 宝玉:犠牲になる人間を襲う獣を、扱いたいと思っているんだよ 月華:山に入ってくる人間は、後を絶たない。そして、山を汚し(よごし)、去っていく。そんな人間になんて、何をしてやる必要などない 宝玉:そうだ、月華。山は、空気を鎮め(しずめ)、水は命を育くむ(はぐくむ)。その命を喰らうのは獣に任せ、最後に我々がいただくのだ。人間は、森の中を歩き回って、生態系を壊す。そして、お前の言うとおり、山を汚す(よごす) 月華:懺悔(ざんげ)の代わりに、命を奪うのか? それならば、協力しないこともない。次の「紅き月」はいつだ? 宝玉:今夜だ… 月華:ならば、お前の言うことに従おう。何をすればいい 宝玉:まずは、生きとし生ける動物たちを護る。獣は自由だ。放っておく。人間たちは、初夏から夏に向けて山に訪れる。キャンプだ。さんざん遊んで、山を荒らす 月華:「紅き月」は、人間の持つ「遊び心」に火をつける。今日も、現れるだろう。…ほら、来た。第1号だ 宝玉:俺の山にも、訪れた。では、獣を、放とう(はなとう)。山は、道は複雑。少し横道に入れば、迷子になる。そこに…ほら、現れた。獣だ 月華:滑稽(こっけい)だな。愉快だ。そら、どうする宝玉(ほうぎょく)。もう、獣に喰わすのか? 火のあるところには、獣は現れない 宝玉:荒らしてやろう。獣を誘導させるのだ。動物たちは、もう安全な所に移動した 月華:あはははは。愉快だ!実に愉快だ!戸惑う人間。恐れる情けなさ。喰われてしまえ!「紅き月」は、獣をますます攻撃的にさせてくれる! 宝玉:おっと。人間の命が、またひとつ、こぼれ落ちたな。さあ、喰らえ!今日は、満月だ!より一層、熱き血が暴れてくれる!理性などない獣に、命乞いなんて効きやしない!あっはっはっはっ! 月華:こんなに愉快なのは久しぶりだ!ゆけ!我が山を護る私のために!すべての人間を喰らえ!残した肉は、ほかの肉食動物が喰らってくれる! 宝玉:ふむ。もう、終わりか。まあ、いいだろう。人間の残した物は、空へ飛ばして、消してやろう 月華:「紅き月」の力は絶大だ。獣たちも満足したようだ。今夜は、これで終わりだな。さあ、動物たちを離してやろう。夜行性の動物たちの楽園だ 宝玉:ではな、月華。次の「紅き月」の日も、盛大に祝ってやろう。祭りだ 月華:あぁ。今夜は愉快だった。感謝するぞ、宝玉(ほうぎょく)。しかし、山に訪れる人間たちは後を絶たない。山を護る神として、盛大に祝福してやろう。我が名は、鬼神(きしん)・月華だ! 宝玉:そして俺は、鬼神・宝玉様だ!助けて欲しいと祈りたい者は、我が道を通れ!その先には、我らが待ち受け、貴様らの命をいただこう!はっはっはっはっ! 月華:さぁ、獣たちよ!我が山を護るのだ!鬼神・月華の名にかけて!

N:それは、次第に暑くなる初夏のこと。ある山に棲まう神・宝玉(ほうぎょく)が、隣の山を統べる神・月華(げっか)の元に訪れた 月華:貴様、何の用だ。私の山に災いをもたらす為か… 宝玉:違うなぁ。これから暑くなる今、お前に伝えておきたいことがあって来た 月華:何の話だ。つまらないことならば、斬って捨てるぞ 宝玉:そう急かすな。お互いに、護るべき山がある。それを壊しに来たのでは無い。護るために来た 月華:ならば、早く言え。私が統べる山をどうしたいのだ 宝玉:もうすぐ「紅き月」の日が訪れる 月華:その「紅き月」がどうしたと言うのだ 宝玉:「紅き月」の日は、獣が現れる。そして、山に訪れる人間を、取って殺す。食い散らかすのだ 月華:それは私も知っている。例年も、犠牲になった人間がいた。それは、宝玉、お前が来る前のことだ。何千年も、獣に対して、何もしてこなかったなぁ 宝玉:犠牲になる人間を襲う獣を、扱いたいと思っているんだよ 月華:山に入ってくる人間は、後を絶たない。そして、山を汚し(よごし)、去っていく。そんな人間になんて、何をしてやる必要などない 宝玉:そうだ、月華。山は、空気を鎮め(しずめ)、水は命を育くむ(はぐくむ)。その命を喰らうのは獣に任せ、最後に我々がいただくのだ。人間は、森の中を歩き回って、生態系を壊す。そして、お前の言うとおり、山を汚す(よごす) 月華:懺悔(ざんげ)の代わりに、命を奪うのか? それならば、協力しないこともない。次の「紅き月」はいつだ? 宝玉:今夜だ… 月華:ならば、お前の言うことに従おう。何をすればいい 宝玉:まずは、生きとし生ける動物たちを護る。獣は自由だ。放っておく。人間たちは、初夏から夏に向けて山に訪れる。キャンプだ。さんざん遊んで、山を荒らす 月華:「紅き月」は、人間の持つ「遊び心」に火をつける。今日も、現れるだろう。…ほら、来た。第1号だ 宝玉:俺の山にも、訪れた。では、獣を、放とう(はなとう)。山は、道は複雑。少し横道に入れば、迷子になる。そこに…ほら、現れた。獣だ 月華:滑稽(こっけい)だな。愉快だ。そら、どうする宝玉(ほうぎょく)。もう、獣に喰わすのか? 火のあるところには、獣は現れない 宝玉:荒らしてやろう。獣を誘導させるのだ。動物たちは、もう安全な所に移動した 月華:あはははは。愉快だ!実に愉快だ!戸惑う人間。恐れる情けなさ。喰われてしまえ!「紅き月」は、獣をますます攻撃的にさせてくれる! 宝玉:おっと。人間の命が、またひとつ、こぼれ落ちたな。さあ、喰らえ!今日は、満月だ!より一層、熱き血が暴れてくれる!理性などない獣に、命乞いなんて効きやしない!あっはっはっはっ! 月華:こんなに愉快なのは久しぶりだ!ゆけ!我が山を護る私のために!すべての人間を喰らえ!残した肉は、ほかの肉食動物が喰らってくれる! 宝玉:ふむ。もう、終わりか。まあ、いいだろう。人間の残した物は、空へ飛ばして、消してやろう 月華:「紅き月」の力は絶大だ。獣たちも満足したようだ。今夜は、これで終わりだな。さあ、動物たちを離してやろう。夜行性の動物たちの楽園だ 宝玉:ではな、月華。次の「紅き月」の日も、盛大に祝ってやろう。祭りだ 月華:あぁ。今夜は愉快だった。感謝するぞ、宝玉(ほうぎょく)。しかし、山に訪れる人間たちは後を絶たない。山を護る神として、盛大に祝福してやろう。我が名は、鬼神(きしん)・月華だ! 宝玉:そして俺は、鬼神・宝玉様だ!助けて欲しいと祈りたい者は、我が道を通れ!その先には、我らが待ち受け、貴様らの命をいただこう!はっはっはっはっ! 月華:さぁ、獣たちよ!我が山を護るのだ!鬼神・月華の名にかけて!