声劇台本置き場

0： みな：あ、ココアとってこよ りょう：あ、みなー、 みな：なに？ りょう：ポテト頼んだら食べる？ みな：うん、食べるかも。ケチャップ欲しい。 りょう：ん。あおいは食うよな？ あおい：うん。アプリのクーポンあるよ りょう：ん。 みな：りょう、なんかいる？ りょう：烏龍茶ってあったけ？ みな：ん。あおいは？ あおい：えっとねぇ みな：メロンソーダ？ あおい：うん、じゃあそれー りょう：はー、ゼミの課題だるいなー あおい：あ、そうそう、あのさー、私さー、 りょう：どうしたの？ あおい：人生で、一度でいいから…… りょう：何？ あおい：「この泥棒猫！」って言われたいのよ りょう：は？ あおい：だから、「こ・の・泥・棒・猫！」って言われたいの りょう：（棒読みで）この泥棒猫ー。 あおい：あー、全然だめ。そんなんじゃないし、 りょう：(イケメン風に)この泥棒猫⭐︎ あおい：ちがう りょう：(吐息多め配信者風に)この泥棒猫★ あおい：ない。無理。 りょう：(必殺技のように)こぉーのぉー泥っ棒っ猫！！ あおい：あーー、惜しいね りょう：惜しいってなんだよ あおい：このへんかすめてった、春のそよ風みたいなのが りょう：く、くそぉ、俺の必殺技がき・か・な・い、だと みな：くらえ！翔撃！メロンソーーーだ！ あおい：あん★ りょう：っつーか誰でもいいんじゃないの？ あおい：りょうに言われても、こう、なんか、ちがうじゃん りょう：へー みな：はい、烏龍茶なかったから、アイスティーにしたよ りょう：えーー みな：えーーって言うなら、水飲みな、水。 りょう：えーー みな：ありがとうございますは？ りょう：ありがと。ござます。 みな：はい、ストロー。 あおい：ありがと。 みな：なんの話してたの？ りょう：あおいがさ、泥棒猫になりたいんだって みな：どゆこと？ あおい：ちがうじゃん みな：なに？ あおい：ちがくて、「この泥棒猫！」って言われたいの。 みな：（優しく）この泥棒猫っ あおい：にゃーーーん りょう：え？鳴いた あおい：ちがうけどー みな：よしよし、いい子ねー。 みな：でもね、うちじゃ飼えないってパパが言うの。 みな：ごめんね。 あおい：にゃーーーん りょう：それ、ただの捨て猫じゃん あおい：にゃーーnあ、そうじゃなくて！ みな：えー可愛い。飼う。 りょう：そういう話？ あおい：えーついてくー りょう：それでいいの？ あおい：じゃなくてー、 みな：あ、わかった。 みな：（手で自動ドア）ウィーン、すいませーん、 みな：（小声で）あおい、店員店員。 あおい：いらっしゃいませー みな：えっと、いくらですか？この泥棒猫 あおい：こちらの泥棒猫、本日特価で、２９８０円なんですよぉ りょう：あーー、そういうね！ あおい：ちがくて。 りょう：あ、はい！先生！ みな：はい、りょうちゃん りょう：あー、そうなんですねー、じゃあ、この紛失届に、 りょう：住所と名前と、電話番号書いてください あおい：は、はい。 りょう：最近多いんですよ。落とし物とか忘れ物。 りょう：保護者の方もね、ちゃんとしてもらわないと みな：はい、すいません、この子が、おっちょこちょいなんですわよぉ りょう：えーっと、そしたら、ここの欄に、特徴を二、三個書いてください。 みな：大丈夫？あおちゃん？かける？ あおい：(不機嫌に)待って、書いてる みな：そんなカリカリしないの、鉛筆で書いてるからってカリカリしないの りょう：え？ あおい：え？ みな：いやですわー、そんな、 あおい：お母さん？変なこと言わないでよ。 りょう：かけましたかね、えっと、あなたの落としたのは、 みな：この泥棒猫ですわ！ りょう：えーーー、俺じゃん、 あおい：あー、警察だったの？無理。 みな：はい！せんせー あおい：はい、みなちゃん。 みな：（手で自動ドア）ウィーン、いらっしゃいませー、お預かりしますね〜。 みな：会員カードお持ちですかぁ？ みな：ワイシャツが２点と、 みな：あと、おハガキとか割引券とかお持ちですか？ みな：ワンピースが１点、フレアスカートが１点と、冬物のコートですね みな：あ、クーポンありがとうございます。 みな：こちらのクーポン適用で、いま、５点以上で半額になりますね〜 みな：ポケット失礼しますね〜、あれ？あ、お客様、 みな：コートの内ポケットに、この泥棒猫が。 あおい：あ、すいません、なんか。 りょう：姉ちゃんなにやってんの、はやくしてよ。 あおい：待ってって、 りょう：電車いっちゃうよ？クリーニング出すだけじゃん。 あおい：だから、待ってって。 りょう：店員さん、いくら？ みな：半額クーポン適用で、3407円です。 りょう：バーコード系の支払い対応してますか？ みな：はい、大丈夫ですよ〜 りょう：あ、ちなみに、鉄道系のタッチ決済は？ みな：大丈夫ですよ〜 りょう：ふっ(笑)、そうですね、じゃあ、 あおい：(食い気味に奪って)この泥棒猫で！！！ みな：それではですね、えっと、この端末に、 あおい：こうですか？ みな：あ、すいません、ちょっと待って頂いてよろしいですか？ あおい：あ、ごめんなさい りょう：ねえちゃんのバーカ、ダメだろ、店員さんが操作してから、ピッってやんないと。 あおい：あ、そっかそっか。そうだよね。すいません。 みな：それでは、この端末のカメラにかざしてください、ここの部分に、映るように、 みな：(怒ったように)この泥棒猫が！！！ りょう：えーーーそれありーーー？？？ あおい：……え、やば りょう：あおい？ みな：あおい？ あおい：急にくるから、びっくりして……さ みな：ごめんごめん りょう：俺もビビった みな：ごめんごめん あおい：ちがうの。なんか、胸が、ドキドキして、トゥンクってなった。 りょう：え？ みな：え？ りょう：マジで？ あおい：うん。なんか、ときめいた音した。 みな：え？ あおい：なんか、キュッって動脈締まりかけた。 みな：大丈夫？ あおい：みな……アタシ、みなのことが好き。 みな：うれしーーー、アタシもあおいが好きーーー あおい：わーーーーーーい みな：わーーーーーーーい りょう：なんだよ。ちぇっ。 あおい：どうしたの？ りょう：みなは、俺のあおいまで奪っちまうのかよ。 みな：この泥棒猫が！！！ あおい：ずるいーーーーー！ りょう：ずるいーーーーー！ あおい：なんでりょうが言われてんのぉ！ りょう：いやいや、今の、俺が言うとこじゃんかーー！！！ あおい：言われたいのアタシなのにぃ！！ みな：この泥棒猫！ りょう：いやいや！全部取るじゃんか！！！ あおい：もぉ！私が言われたいのに！ りょう：さっきからさーーー、みなが全部もってくじゃんかーー！ みな：へへへー りょう：なんだよー、泥棒かよ。 あおい：(無言) みな：(無言) りょう：なんだよ、その目は あおい：えーーー みな：えーーーー りょう：なに？ みな：今の、言うとこじゃん！ りょう：うわーーやっちまったーーーー。 みな：だっさーーーー(笑) あおい：この泥棒猫！！！ 0：おわり