台本概要
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タイトル | アンインストール |
---|---|
作者名 | 椿 麗華 (@Tsubaki_Reika) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
あの日私は「あなた」というアプリを自分の躰にインストールした。 ひとり読み・朗読用 所要時間 5~6分程度 性別不問です *配信アプリ、動画サイト、ディスコード、ツイキャス等でのご使用にあたって、個別の連絡は不要ですが、必ず「作者名」「作品名」の表記をお願い致します。 179 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私(語り) | 不問 | - | 語り手。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:あの日私は
0:あなたとずっと一緒に居たくて
0:「あなた」というアプリを
0:私の躰にインストールした
0:
0:それは私の脳に命令を送り
0:それは私の全身を支配し
0:欲求という名の怪物と化し
0:全てをコントロールする
0:
0:
0:自分では制御不能の
0:恐ろしいアプリ
0:
0:
0:「もっと僕を好きになるんだよ」
0:
0:バージョンアップする度に
0:私を苦しめるのだ
0:
0:
0:こうして私は
0:あなたをもっと好きになる
0:
0:
0:触れたい
0:
0:手を握りたい
0:
0:抱きしめたい
0:
0:キスをしたい
0:
0:重なりたい
0:
0:もっともっと
0:深く繋がりたい
0:
0:
0:イカれた感情が
0:フル回転してゆく
0:
0:強烈な独占欲が
0:「慎み深さ」というベールを剥ぎ取り
0:やがて「欲情」という獣(けもの)を解き放つ
0:
0:
0:私は「私」を脱ぎ捨て
0:「あなた」を食らう
0:
0:アプリに組み込まれた感情のままに
0:熱に浮かされたように
0:「あなた」を抱いて
0:その背中に爪を立てる
0:
0:散々絡み合った互いの躰が
0:溶けていった瞬間
0:「あなた」が「男」となり
0:私は「元の私」に戻った
0:
0:「やられたな」
0:「僕の大切な部分を、君が押してしまったから」
0:
0:あなたが私を抱きしめる
0:
0:
0:「ねぇ。もう、このアプリは要らないわよね」
0:私の心が呟く
0:
0:「本当にいいのか?」
0:あなたが問いかける
0:
0:
0:アンインストール
0:
0:
0:私の指が「あなた」を消した
0:
0:
0:傍に居たのは
0:私にキスをする、ひとりの男
0:
0:そこに居たのは
0:純粋にあなたを想う、ひとりの女
0:
0:
0:「好きになり過ぎていたわ」
0:
0:「ごめん。君を狂わせてしまったな」
0:
0:
0:「あなた」というアプリの悪戯から解放され
0:自由になった私は
0:もっとあなたを知りたくなった
0:
0:愛とか恋とか
0:男とか女とか
0:そんなものではなくて
0:人間としてのあなたの奥深くを
0:もっと見たくなってしまった
0:
0:
0:ディジタルに邪魔されない
0:高鳴る鼓動を感じながら
0:目の前に居る、温もりを抱いたあなたに
0:素直に包まれてみる
0:
0:
0:生身の人間同士がぶつかり合い
0:感情の格闘が始まる
0:
0:
0:「これが恋なんだ」
0:
0:
0:月に見守られ
0:重なり合って
0:夜に消えた
0:
0:
0:(終わり)
0:
0:あの日私は
0:あなたとずっと一緒に居たくて
0:「あなた」というアプリを
0:私の躰にインストールした
0:
0:それは私の脳に命令を送り
0:それは私の全身を支配し
0:欲求という名の怪物と化し
0:全てをコントロールする
0:
0:
0:自分では制御不能の
0:恐ろしいアプリ
0:
0:
0:「もっと僕を好きになるんだよ」
0:
0:バージョンアップする度に
0:私を苦しめるのだ
0:
0:
0:こうして私は
0:あなたをもっと好きになる
0:
0:
0:触れたい
0:
0:手を握りたい
0:
0:抱きしめたい
0:
0:キスをしたい
0:
0:重なりたい
0:
0:もっともっと
0:深く繋がりたい
0:
0:
0:イカれた感情が
0:フル回転してゆく
0:
0:強烈な独占欲が
0:「慎み深さ」というベールを剥ぎ取り
0:やがて「欲情」という獣(けもの)を解き放つ
0:
0:
0:私は「私」を脱ぎ捨て
0:「あなた」を食らう
0:
0:アプリに組み込まれた感情のままに
0:熱に浮かされたように
0:「あなた」を抱いて
0:その背中に爪を立てる
0:
0:散々絡み合った互いの躰が
0:溶けていった瞬間
0:「あなた」が「男」となり
0:私は「元の私」に戻った
0:
0:「やられたな」
0:「僕の大切な部分を、君が押してしまったから」
0:
0:あなたが私を抱きしめる
0:
0:
0:「ねぇ。もう、このアプリは要らないわよね」
0:私の心が呟く
0:
0:「本当にいいのか?」
0:あなたが問いかける
0:
0:
0:アンインストール
0:
0:
0:私の指が「あなた」を消した
0:
0:
0:傍に居たのは
0:私にキスをする、ひとりの男
0:
0:そこに居たのは
0:純粋にあなたを想う、ひとりの女
0:
0:
0:「好きになり過ぎていたわ」
0:
0:「ごめん。君を狂わせてしまったな」
0:
0:
0:「あなた」というアプリの悪戯から解放され
0:自由になった私は
0:もっとあなたを知りたくなった
0:
0:愛とか恋とか
0:男とか女とか
0:そんなものではなくて
0:人間としてのあなたの奥深くを
0:もっと見たくなってしまった
0:
0:
0:ディジタルに邪魔されない
0:高鳴る鼓動を感じながら
0:目の前に居る、温もりを抱いたあなたに
0:素直に包まれてみる
0:
0:
0:生身の人間同士がぶつかり合い
0:感情の格闘が始まる
0:
0:
0:「これが恋なんだ」
0:
0:
0:月に見守られ
0:重なり合って
0:夜に消えた
0:
0:
0:(終わり)