台本概要

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タイトル アンインストール
作者名 椿 麗華  (@Tsubaki_Reika)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 あの日私は「あなた」というアプリを自分の躰にインストールした。

ひとり読み・朗読用
所要時間 5~6分程度
性別不問です

*配信アプリ、動画サイト、ディスコード、ツイキャス等でのご使用にあたって、個別の連絡は不要ですが、必ず「作者名」「作品名」の表記をお願い致します。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
私(語り) 不問 - 語り手。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:  0:あの日私は 0:あなたとずっと一緒に居たくて 0:「あなた」というアプリを 0:私の躰にインストールした 0:  0:それは私の脳に命令を送り 0:それは私の全身を支配し 0:欲求という名の怪物と化し 0:全てをコントロールする 0:  0:  0:自分では制御不能の 0:恐ろしいアプリ 0:  0:  0:「もっと僕を好きになるんだよ」 0:  0:バージョンアップする度に 0:私を苦しめるのだ 0:  0:  0:こうして私は 0:あなたをもっと好きになる 0:  0:  0:触れたい 0:  0:手を握りたい 0:  0:抱きしめたい 0:  0:キスをしたい 0:  0:重なりたい 0:  0:もっともっと 0:深く繋がりたい 0:  0:  0:イカれた感情が 0:フル回転してゆく 0:  0:強烈な独占欲が 0:「慎み深さ」というベールを剥ぎ取り 0:やがて「欲情」という獣(けもの)を解き放つ 0:  0:  0:私は「私」を脱ぎ捨て 0:「あなた」を食らう 0:  0:アプリに組み込まれた感情のままに 0:熱に浮かされたように 0:「あなた」を抱いて 0:その背中に爪を立てる 0:  0:散々絡み合った互いの躰が 0:溶けていった瞬間 0:「あなた」が「男」となり 0:私は「元の私」に戻った 0:  0:「やられたな」 0:「僕の大切な部分を、君が押してしまったから」 0:  0:あなたが私を抱きしめる 0:  0:  0:「ねぇ。もう、このアプリは要らないわよね」 0:私の心が呟く 0:  0:「本当にいいのか?」 0:あなたが問いかける 0:  0:  0:アンインストール 0:  0:  0:私の指が「あなた」を消した 0:  0:  0:傍に居たのは 0:私にキスをする、ひとりの男 0:  0:そこに居たのは 0:純粋にあなたを想う、ひとりの女 0:  0:  0:「好きになり過ぎていたわ」 0:  0:「ごめん。君を狂わせてしまったな」 0:  0:  0:「あなた」というアプリの悪戯から解放され 0:自由になった私は 0:もっとあなたを知りたくなった 0:  0:愛とか恋とか 0:男とか女とか 0:そんなものではなくて 0:人間としてのあなたの奥深くを 0:もっと見たくなってしまった 0:  0:  0:ディジタルに邪魔されない  0:高鳴る鼓動を感じながら 0:目の前に居る、温もりを抱いたあなたに 0:素直に包まれてみる 0:  0:  0:生身の人間同士がぶつかり合い 0:感情の格闘が始まる 0:  0:  0:「これが恋なんだ」 0:  0:  0:月に見守られ 0:重なり合って 0:夜に消えた 0:  0:  0:(終わり)

0:  0:あの日私は 0:あなたとずっと一緒に居たくて 0:「あなた」というアプリを 0:私の躰にインストールした 0:  0:それは私の脳に命令を送り 0:それは私の全身を支配し 0:欲求という名の怪物と化し 0:全てをコントロールする 0:  0:  0:自分では制御不能の 0:恐ろしいアプリ 0:  0:  0:「もっと僕を好きになるんだよ」 0:  0:バージョンアップする度に 0:私を苦しめるのだ 0:  0:  0:こうして私は 0:あなたをもっと好きになる 0:  0:  0:触れたい 0:  0:手を握りたい 0:  0:抱きしめたい 0:  0:キスをしたい 0:  0:重なりたい 0:  0:もっともっと 0:深く繋がりたい 0:  0:  0:イカれた感情が 0:フル回転してゆく 0:  0:強烈な独占欲が 0:「慎み深さ」というベールを剥ぎ取り 0:やがて「欲情」という獣(けもの)を解き放つ 0:  0:  0:私は「私」を脱ぎ捨て 0:「あなた」を食らう 0:  0:アプリに組み込まれた感情のままに 0:熱に浮かされたように 0:「あなた」を抱いて 0:その背中に爪を立てる 0:  0:散々絡み合った互いの躰が 0:溶けていった瞬間 0:「あなた」が「男」となり 0:私は「元の私」に戻った 0:  0:「やられたな」 0:「僕の大切な部分を、君が押してしまったから」 0:  0:あなたが私を抱きしめる 0:  0:  0:「ねぇ。もう、このアプリは要らないわよね」 0:私の心が呟く 0:  0:「本当にいいのか?」 0:あなたが問いかける 0:  0:  0:アンインストール 0:  0:  0:私の指が「あなた」を消した 0:  0:  0:傍に居たのは 0:私にキスをする、ひとりの男 0:  0:そこに居たのは 0:純粋にあなたを想う、ひとりの女 0:  0:  0:「好きになり過ぎていたわ」 0:  0:「ごめん。君を狂わせてしまったな」 0:  0:  0:「あなた」というアプリの悪戯から解放され 0:自由になった私は 0:もっとあなたを知りたくなった 0:  0:愛とか恋とか 0:男とか女とか 0:そんなものではなくて 0:人間としてのあなたの奥深くを 0:もっと見たくなってしまった 0:  0:  0:ディジタルに邪魔されない  0:高鳴る鼓動を感じながら 0:目の前に居る、温もりを抱いたあなたに 0:素直に包まれてみる 0:  0:  0:生身の人間同士がぶつかり合い 0:感情の格闘が始まる 0:  0:  0:「これが恋なんだ」 0:  0:  0:月に見守られ 0:重なり合って 0:夜に消えた 0:  0:  0:(終わり)