台本概要
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タイトル | ラストダンスをあなたと |
---|---|
作者名 | 幸重 (@yukie80508241) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
戦う為に育てられたこども達の卒業試験。 それは最後のペアになるまで殺しあうこと。 これは最後に残ったペア、ディーとヘキサの物語。 モノローグ多め。 演者様の性別不問。 昔書いた小説を声劇台本に直したものになります。 上手く台詞に落とし込めなかった部分が多く、モノローグ多めとなっております。 154 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ディー | 女 | 38 | 最後に残ったペアのうちの1人。女性。 |
ヘキサ | 男 | 32 | 最後に残ったペアのうちの1人。男性。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ヘキサ:ディー、立て。
:
ディー:無理だよ…。
:
ヘキサ:立て。立って武器を構えろ。
:
ディー:嫌だ。嫌だよ…。
:
ヘキサ:立つんだ、ディー。そうでなければ俺は―
:
:
:
:
:
0:ここからモノローグが続きます。【モノローグ終】と出るまでモノローグとして演じてください。
:
:
ディー:一緒にいるのが当たり前だった。
ディー:傍にいるのが当たり前だった。
ディー:だから、わからなかった。
ディー:ううん、わかりたくなかったのかもしれない。
ディー:この感情の名前を―
:
:
:
:
:
ヘキサ:物心がつくころにはもう、【ソコ】にいた。
ヘキサ:ただ戦うための知識を、技術を、俺達は疑うこともなく学んでいった。
ヘキサ:授業で怪我をして泣いたり、それを見て怪我をしてないみんなまで泣いてしまったり。
ヘキサ:みんなで寄り添って眠ったり。
ヘキサ:時にはごはんを取り合い、時には分け合って。
ヘキサ:そんな風に、俺達は10人で暮らしてきた。
ヘキサ:知識や技術を教えてくれる先生は毎朝【外】から来て、夕方には【外】へと帰っていった。
ヘキサ:そうやって俺達は成長していった。
ヘキサ:いつか俺たちも【外】へ行くのかな。とか。
ヘキサ:そんな話をしながらみんなで寄り添って眠っていた。
ヘキサ:―ほんの数日前までは。
:
:
:
ディー:【卒業試験】として与えられた課題は信じがたいものだった。
ディー:くじで二人一組のペアを作り、最後の一組になるまで戦うこと…正確には、殺しあうこと。
ディー:課題が終了するまでは、一切の食料は送られてこない。
ディー:正直、何かの冗談だと思った。
ディー:みんなも、そう信じていた。
ディー:…けれど。
ディー:翌日になっても、その翌日になっても。
ディー:毎朝届けられていた食料が、届かなかった。
:
ヘキサ:三日目の朝に、みんなで泣きながら認めた。
ヘキサ:冗談などでは、ないんだ。と。
ヘキサ:みんなでひとしきり泣いた後、話し合いをした。
ヘキサ:大切な家族だから、殺したくない。
ヘキサ:みんなの気持ち同じだった。
:
ディー:でも。
ディー:私達は【殺しあう】ことに決めた。
ディー:ただ、【知る】ために。
ディー:私達が生きてきた意味を、そして殺しあわなくてはならない理由を、【知る】ために。
:
ヘキサ:それに、【二人一組(ペア)】だから。
ヘキサ:二人、だから。
ヘキサ:一人では無理でも、二人ならきっとがんばれる。
ヘキサ:そう信じて。
ヘキサ:俺達は【殺し合い(かだい)】を始めた。
:
:
:
:
:
0:モノローグ終。
:
:
:
ディー:ノナ…モノ…。おやすみなさい…。
:
ヘキサ:終わった、な…。
:
ディー:うん…(泣きながら)二人だけに、なっちゃったね…。
ディー:みんな、死んじゃった…ううん、私達が、殺したんだ…。
ディー:こんな、ただ、眠ってるだけみたいに見えるのに…もう、目を覚ますことはないんだね…。
ディー:みんなで笑いあえる日は、もう来ないんだね…。
:
ヘキサ:泣くな、ディー。
ヘキサ:確かにみんな死んだ。俺達が殺した。
ヘキサ:…けど、みんなで決めたことだろう?
ヘキサ:みんなでは行けないけれども、俺たちは『二人』で【外】に行くんだ。『二人』ならきっと―
:
:
:
ディー:あれ?バングルに文字が…
:
ヘキサ:俺のもだ。
ヘキサ:ええと…?
ヘキサ:―『ディー、ヘキサ』ペアのみの生存を確認。次の【課題】を通達します―
ヘキサ:―次の【課題】はお互いに殺しあうこと。片方が死亡し、生存者が一人となった時点で【卒業試験】は終了します―
ヘキサ:ふざけんな!
:
ディー:そん、な…。
:
ヘキサ:ディー…。
:
ディー:無理、だよ…。
ディー:だって、二人だから。二人なら、がんばれる、って!
ディー:なのに…こんなのってないよ!
:
ヘキサ:ディー、立て。
:
ディー:無理だよ…。
:
ヘキサ:立て。立って武器を構えろ。
:
ディー:嫌だ。嫌だよ…。
:
ヘキサ:立つんだ、ディー。そうでなければ俺は―
:
ディー:ヘキサ!何を!?
:
ヘキサ:ディーが戦わないというなら、俺は俺の首を掻き切る。
ヘキサ:それが嫌なら―
:
ディー:そう、だよね…。
ディー:一人で残されるのが嫌なのは、お互い様、だよね…。
ディー:ごめん、ヘキサ。私、ちゃんとやる。
:
ヘキサ:(笑う)それでこそ、ディーだ。
:
ディー:どっちが勝っても恨みっこなしだから、ね!
:
ヘキサ:おっと。良い切り込みだ。まっ、俺には当たらないけど、なっ。
:
ディー:っっ。私だって、そう簡単にはやられないんだからっっ。
:
ヘキサ:そうだな。お互い手の内は十分すぎるほどに知ってるからな。
:
ディー:そうよ。だからこそ、お互い全力で…!
:
ヘキサ:(笑う)不思議だな。
:
ディー:何よ、余裕ね。
:
ヘキサ:俺たち、殺し合いをしてるはずなのに…まるでダンスでも踊ってるみたいだ。
:
ディー:(笑う)そう、ね…!
ディー:殺し合い、でも…決着が着くまでは二人でいられるものっっ。
:
ヘキサ:…叶うならば…このまま時が止まってくれればいいのにな。
:
ディー:そう、ね。
ディー:そう、このまま、ずっと…!
:
:
:
ディー:(モノローグ)けれども、終わりは訪れる。(モノローグ終)
:
:
:
ヘキサ:勝負あった、な。
:
ディー:うん、ヘキサの勝ち、だね。
ディー:ふふ、苦しくないようにお願い、ね?
:
ヘキサ:ディー…最期に、抱きしめても、いいか?
:
ディー:いいよ。ヘキサに抱きしめられながら逝けるなら、幸せだなぁ…。
:
ヘキサ:ディー…。目を、閉じてくれるか…?
:
ディー:うん。(目を閉じる)
ディー:私達を、【外】に連れていってね。
ディー:ずっと、一緒だよ。
:
ヘキサ:…ごめん。
:
ディー:…?ヘキサ?…血の、におい…?
ディー:(目を開ける)嘘…何で、何でよ!?
ディー:まさか、自分で自分を傷つけた、の…?
:
ヘキサ:うん…。ごめん、ディー。
:
ディー:どう、して…。
:
ヘキサ:…やっぱり、俺にはディーは殺せない、よ。
:
ディー:そんなのずるい。ずるい、よ…っっ。
:
ヘキサ:(だんだん声が弱くなる)ごめん、な。でも、やっぱり、ディー、だけ、は…無理なんだよ……。
:
ディー:嫌だよ。
ディー:ねぇ、一人は嫌だよ!
:
ヘキサ:好き、だよ、ディー。…誰よりも、君を、愛、し、て……
:
ディー:(食い気味に)勝手なこと言わないでよ!!好きならっ、好きならずっと一緒にいてよっっっ。
:
ヘキサ:…魂、でも。幽霊、でも、悪魔、でも、精霊、でも…君と、一緒にいる、から。見えなくても、ずっと、一緒、だか、ら……。
:
ディー:嫌だ。嫌だよ。ヘキサ!嫌だ!死なないで!!
:
ヘキサ:愛、して、る…ディー……ずっと…君の、そば、に………。
:
ディー:ヘキサ?ねぇ、ヘキサ!!返事をして!!
:
ディー:ひとりじゃ、むりだよ…。
ディー:ねぇ、二人だと思ったから、がんばれたのに…。
ディー:みんなだって、二人ならと思って、がんばってたはずでしょ…?
ディー:ヘキサだって、自分一人では残れなかったじゃない…。
ディー:なのに、なのに…!
ディー:私一人で生きろって言うの…?
ディー:そんなの、無理だよ。
ディー:ひとりじゃ、むりだよ…。
:
ディー:ああ、そうだ。
ディー:このまま、あなたと一緒に眠ってしまおう。
ディー:みんなと過ごしたこの家で。
ディー:未来(あした)なんていらない。
ディー:私ひとりで生きる未来(あした)なんて欲しくない。
ディー:おやすみ、ヘキサ。…私も、すぐに逝くから…。
:
:
:
0:ここからモノローグ
:
ディー:ふと、視線をあげてみると、空が見えた。
ディー:青い青い空に、鳥が一羽、飛んでいた。
ディー:あの鳥はどこに行くんだろうか。
ディー:仲間の元へ帰るのだろうか。
ディー:それとも仲間から離れ、ひとりで旅をしているのだろうか。
:
0:モノローグ終
:
ヘキサ:―殺し合いなんてしたくない。でも、このまま何事もなかったように死んでいくのも、嫌だ―
:
ディー:そう、だ。そうだった…。
ディー:何も、見つからないかもしれない。
ディー:理由なんて、ないのかもしれない。
ディー:でも。
ディー:それでも。
ディー:決めたんだ。
ディー:想いを託すことを。
ディー:想いを受け継ぐことを。
:
ディー:モノ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘプタ、オクタ、ノナ、デカ…それから、ヘキサ……一緒に、行こう…【外】へ。
:
ヘキサ:―…魂、でも。幽霊、でも、悪魔、でも、精霊、でも…君と、一緒にいる、から。見えなくても、ずっと、一緒、だか、ら……―
:
ディー:また、騙したら…許さないんだから、ね………。
:
0:ここからモノローグ
:
ディー:私は立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。
ディー:【外】へと―
:
:
:
:
0:終。
ヘキサ:ディー、立て。
:
ディー:無理だよ…。
:
ヘキサ:立て。立って武器を構えろ。
:
ディー:嫌だ。嫌だよ…。
:
ヘキサ:立つんだ、ディー。そうでなければ俺は―
:
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0:ここからモノローグが続きます。【モノローグ終】と出るまでモノローグとして演じてください。
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ディー:一緒にいるのが当たり前だった。
ディー:傍にいるのが当たり前だった。
ディー:だから、わからなかった。
ディー:ううん、わかりたくなかったのかもしれない。
ディー:この感情の名前を―
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ヘキサ:物心がつくころにはもう、【ソコ】にいた。
ヘキサ:ただ戦うための知識を、技術を、俺達は疑うこともなく学んでいった。
ヘキサ:授業で怪我をして泣いたり、それを見て怪我をしてないみんなまで泣いてしまったり。
ヘキサ:みんなで寄り添って眠ったり。
ヘキサ:時にはごはんを取り合い、時には分け合って。
ヘキサ:そんな風に、俺達は10人で暮らしてきた。
ヘキサ:知識や技術を教えてくれる先生は毎朝【外】から来て、夕方には【外】へと帰っていった。
ヘキサ:そうやって俺達は成長していった。
ヘキサ:いつか俺たちも【外】へ行くのかな。とか。
ヘキサ:そんな話をしながらみんなで寄り添って眠っていた。
ヘキサ:―ほんの数日前までは。
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ディー:【卒業試験】として与えられた課題は信じがたいものだった。
ディー:くじで二人一組のペアを作り、最後の一組になるまで戦うこと…正確には、殺しあうこと。
ディー:課題が終了するまでは、一切の食料は送られてこない。
ディー:正直、何かの冗談だと思った。
ディー:みんなも、そう信じていた。
ディー:…けれど。
ディー:翌日になっても、その翌日になっても。
ディー:毎朝届けられていた食料が、届かなかった。
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ヘキサ:三日目の朝に、みんなで泣きながら認めた。
ヘキサ:冗談などでは、ないんだ。と。
ヘキサ:みんなでひとしきり泣いた後、話し合いをした。
ヘキサ:大切な家族だから、殺したくない。
ヘキサ:みんなの気持ち同じだった。
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ディー:でも。
ディー:私達は【殺しあう】ことに決めた。
ディー:ただ、【知る】ために。
ディー:私達が生きてきた意味を、そして殺しあわなくてはならない理由を、【知る】ために。
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ヘキサ:それに、【二人一組(ペア)】だから。
ヘキサ:二人、だから。
ヘキサ:一人では無理でも、二人ならきっとがんばれる。
ヘキサ:そう信じて。
ヘキサ:俺達は【殺し合い(かだい)】を始めた。
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0:モノローグ終。
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ディー:ノナ…モノ…。おやすみなさい…。
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ヘキサ:終わった、な…。
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ディー:うん…(泣きながら)二人だけに、なっちゃったね…。
ディー:みんな、死んじゃった…ううん、私達が、殺したんだ…。
ディー:こんな、ただ、眠ってるだけみたいに見えるのに…もう、目を覚ますことはないんだね…。
ディー:みんなで笑いあえる日は、もう来ないんだね…。
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ヘキサ:泣くな、ディー。
ヘキサ:確かにみんな死んだ。俺達が殺した。
ヘキサ:…けど、みんなで決めたことだろう?
ヘキサ:みんなでは行けないけれども、俺たちは『二人』で【外】に行くんだ。『二人』ならきっと―
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ディー:あれ?バングルに文字が…
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ヘキサ:俺のもだ。
ヘキサ:ええと…?
ヘキサ:―『ディー、ヘキサ』ペアのみの生存を確認。次の【課題】を通達します―
ヘキサ:―次の【課題】はお互いに殺しあうこと。片方が死亡し、生存者が一人となった時点で【卒業試験】は終了します―
ヘキサ:ふざけんな!
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ディー:そん、な…。
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ヘキサ:ディー…。
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ディー:無理、だよ…。
ディー:だって、二人だから。二人なら、がんばれる、って!
ディー:なのに…こんなのってないよ!
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ヘキサ:ディー、立て。
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ディー:無理だよ…。
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ヘキサ:立て。立って武器を構えろ。
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ディー:嫌だ。嫌だよ…。
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ヘキサ:立つんだ、ディー。そうでなければ俺は―
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ディー:ヘキサ!何を!?
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ヘキサ:ディーが戦わないというなら、俺は俺の首を掻き切る。
ヘキサ:それが嫌なら―
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ディー:そう、だよね…。
ディー:一人で残されるのが嫌なのは、お互い様、だよね…。
ディー:ごめん、ヘキサ。私、ちゃんとやる。
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ヘキサ:(笑う)それでこそ、ディーだ。
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ディー:どっちが勝っても恨みっこなしだから、ね!
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ヘキサ:おっと。良い切り込みだ。まっ、俺には当たらないけど、なっ。
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ディー:っっ。私だって、そう簡単にはやられないんだからっっ。
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ヘキサ:そうだな。お互い手の内は十分すぎるほどに知ってるからな。
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ディー:そうよ。だからこそ、お互い全力で…!
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ヘキサ:(笑う)不思議だな。
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ディー:何よ、余裕ね。
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ヘキサ:俺たち、殺し合いをしてるはずなのに…まるでダンスでも踊ってるみたいだ。
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ディー:(笑う)そう、ね…!
ディー:殺し合い、でも…決着が着くまでは二人でいられるものっっ。
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ヘキサ:…叶うならば…このまま時が止まってくれればいいのにな。
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ディー:そう、ね。
ディー:そう、このまま、ずっと…!
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ディー:(モノローグ)けれども、終わりは訪れる。(モノローグ終)
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ヘキサ:勝負あった、な。
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ディー:うん、ヘキサの勝ち、だね。
ディー:ふふ、苦しくないようにお願い、ね?
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ヘキサ:ディー…最期に、抱きしめても、いいか?
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ディー:いいよ。ヘキサに抱きしめられながら逝けるなら、幸せだなぁ…。
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ヘキサ:ディー…。目を、閉じてくれるか…?
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ディー:うん。(目を閉じる)
ディー:私達を、【外】に連れていってね。
ディー:ずっと、一緒だよ。
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ヘキサ:…ごめん。
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ディー:…?ヘキサ?…血の、におい…?
ディー:(目を開ける)嘘…何で、何でよ!?
ディー:まさか、自分で自分を傷つけた、の…?
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ヘキサ:うん…。ごめん、ディー。
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ディー:どう、して…。
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ヘキサ:…やっぱり、俺にはディーは殺せない、よ。
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ディー:そんなのずるい。ずるい、よ…っっ。
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ヘキサ:(だんだん声が弱くなる)ごめん、な。でも、やっぱり、ディー、だけ、は…無理なんだよ……。
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ディー:嫌だよ。
ディー:ねぇ、一人は嫌だよ!
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ヘキサ:好き、だよ、ディー。…誰よりも、君を、愛、し、て……
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ディー:(食い気味に)勝手なこと言わないでよ!!好きならっ、好きならずっと一緒にいてよっっっ。
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ヘキサ:…魂、でも。幽霊、でも、悪魔、でも、精霊、でも…君と、一緒にいる、から。見えなくても、ずっと、一緒、だか、ら……。
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ディー:嫌だ。嫌だよ。ヘキサ!嫌だ!死なないで!!
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ヘキサ:愛、して、る…ディー……ずっと…君の、そば、に………。
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ディー:ヘキサ?ねぇ、ヘキサ!!返事をして!!
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ディー:ひとりじゃ、むりだよ…。
ディー:ねぇ、二人だと思ったから、がんばれたのに…。
ディー:みんなだって、二人ならと思って、がんばってたはずでしょ…?
ディー:ヘキサだって、自分一人では残れなかったじゃない…。
ディー:なのに、なのに…!
ディー:私一人で生きろって言うの…?
ディー:そんなの、無理だよ。
ディー:ひとりじゃ、むりだよ…。
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ディー:ああ、そうだ。
ディー:このまま、あなたと一緒に眠ってしまおう。
ディー:みんなと過ごしたこの家で。
ディー:未来(あした)なんていらない。
ディー:私ひとりで生きる未来(あした)なんて欲しくない。
ディー:おやすみ、ヘキサ。…私も、すぐに逝くから…。
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0:ここからモノローグ
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ディー:ふと、視線をあげてみると、空が見えた。
ディー:青い青い空に、鳥が一羽、飛んでいた。
ディー:あの鳥はどこに行くんだろうか。
ディー:仲間の元へ帰るのだろうか。
ディー:それとも仲間から離れ、ひとりで旅をしているのだろうか。
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0:モノローグ終
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ヘキサ:―殺し合いなんてしたくない。でも、このまま何事もなかったように死んでいくのも、嫌だ―
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ディー:そう、だ。そうだった…。
ディー:何も、見つからないかもしれない。
ディー:理由なんて、ないのかもしれない。
ディー:でも。
ディー:それでも。
ディー:決めたんだ。
ディー:想いを託すことを。
ディー:想いを受け継ぐことを。
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ディー:モノ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘプタ、オクタ、ノナ、デカ…それから、ヘキサ……一緒に、行こう…【外】へ。
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ヘキサ:―…魂、でも。幽霊、でも、悪魔、でも、精霊、でも…君と、一緒にいる、から。見えなくても、ずっと、一緒、だか、ら……―
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ディー:また、騙したら…許さないんだから、ね………。
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0:ここからモノローグ
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ディー:私は立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。
ディー:【外】へと―
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