台本概要

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タイトル 家族会議第3号議案-お年玉はいつまで-
作者名 星海結月  (@sea_moon_hy)
ジャンル コメディ
演者人数 4人用台本(男1、女3)
時間 20 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明  新年を迎えるために必要なことは、大掃除、年賀状の手配、そして家族会議。あやのがバイト先から帰宅すると、リビングはものものしい雰囲気に包まれていた。
 成人年齢が18歳に引き下がったことにより、20歳の長女・あやのと18歳の次女・しのは奇しくも同時に成人を迎えることとなった。果たして、お年玉は何歳まであげるべきなのか。家族会議の結論はいかに――。


☆本作は、男性キャストが女性役を、女性キャストが男性役を演じても構いません。その場合は、必ずキャラクターの設定に準じた性別での上演をお願いします。なお、キャラクターの性別を変更したい場合は、事前に作者までご相談ください。

★本作品は、作品の世界観を損ねない程度の口調の変更、一人称などの変更、アドリブを許諾しています。台本の一部を修正した場合はその旨を概要欄へ記載、または口頭でのアナウンスをお願いします。台本を大きく改変すること、軽微な変更後の自作発言は固く禁じます。ご不明な場合は、TwitterのDM等にご相談をお寄せください

☆非商用利用時の際は使用許可等の連絡は不要ですが、いかなる媒体においても上演・配信等の際は、概要欄等に必ずシナリオの「作者名」と「作品名」の明記をお願いします。明記が難しい場合は口頭での紹介も可です。

★商用利用時は星海結月TwitterのDMまでご連絡ください。

☆その他については声劇台本置き場の利用規約に準じます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
あやの 27 20歳 長女  年を越した1月に成人式を控えている大学2年生。飲食店のアルバイトをしてお小遣いを稼いでいる。目の前で来年度分のお年玉有無の会議が始まり、戸惑っている。
12 博 50歳 父  まだまだ娘がかわいい。しかし、女子勢にはかなわない。  ~だと思う、が口癖。
17 祐子 48歳 母  朗らか。何かを演じてみたい願望があった。 父の煮え切らない態度に時々イラっとする。
しの 13 18歳 次女  大学へは進学せず、来春から就職が決まっている。父に対するあたりが強め。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:あやの バイト先から帰宅 あやの:ただいま~。あー寒かったぁ!!…ん?ただいま~ あやの:誰もいないの? 0:あやの リビングのドアを開ける あやの:……えっ 0:姿勢よくダイニングテーブルに着席する父、母、スマホを見る妹 母:……第2号議案は、賛成多数により承認されました。 母:つづきまして…… あやの:ちょっ、ちょっと!!続けないでっ!! 父:(同時に)お、おかえりなさい 母:(同時に)あら、おかえりなさい しの:(同時に)おかえり~…… あやの:あぁ……ただいま……じゃなくて!! え、何してるの? しの:何って、お正月に向けて家族会議。 あやの:家族会議って…なんでこんなに物々しい雰囲気なのよ。 母:毎年同じだとつまらないし、お父さん「いいよ」しか言わないし。 母:だから今年は議会スタイルよっ♪ 父 :お母さんが楽しければそれでいいんだ……。まぁ、とりあえず手を洗ってきなさい あやの:……  :  : 0:あやの 手洗い後、着席 あやの:……で、お正月の何を決めていたわけ 母:第1号議案「大みそかの特番は何を見るか」、第2号議案「お正月休みはどこにお出掛けするか」 あやの:待って、何でそんな重要なこと私抜きで決めてたの しの:出席者は少ないほど自分の意見が通りやすい(小声) あやの:あの、聞こえてますけど。……それは何が承認されたのさ。 母:大みそかはお笑い番組、旅行は京都よ あやの:えー!!紅白みたいっ!!北海道行きたいっ!! しの:もう決まったから。録画すればいいじゃん あやの:こんな理不尽な家族会議があってたまるものか…… 父:まぁ、どっちもお母さんと しの の意見しか反映されてないんだけどな…… 0:しの 父を無言で睨む しの:……それに、普段雪降らないところに住んでる人間が真冬に北海道なんて行ったら、多分雪に殺されるよ あやの:それも、一理ある…… 父:北海道は来年の夏休みにでも行こうな。お父さん、お仕事頑張るから あやの:友だちと計画しよ。 父:そうか……。じゃあ、次の議題を…… 母:そうね、ごほん(咳払い)…これより、第3号議案「何歳までお年玉をあげるか」について審議します。あやのさんは今年で20歳[はたち]になりました。つまり、成人です。そこで、いつまでお年玉を渡すべきか、ここで審議したいと思います。よろしいでしょうか。 父:(同時に)……はい しの:(同時に 淡々と)はーい あやの:(一呼吸おいて)……はい? 母:これについて、まずあやのさんから あやの:ストップ!!なぜこれを私がいる場で!?第1号議案とこれ絶対順番逆!! お年玉こそ私がいない時に決めてよ!! 母:だって、もらえると思って当日を迎えたら、もらえなかった。の方が寂しくない? あやの:……確かに、それはそうだけど!!もう20歳にもなると、素直にお小遣いとかお年玉とか言えない年頃なんだよなぁ……。自分からほしいといえば子ども扱いされるし、とはいえ、もら えるものならもらいたいし…あぁ、もう!この場合の最適解が分からないわ!!    無いなら無いでそれでいいのよ。もらえたらもらえたで、そりゃ嬉しいけど… 母:なるほど、では、お父さんはどうお考えですか。 父:学生のうちなら、まだあげてもいいんじゃないかなぁと思うんだけど…… 母:……だけど? 父:……思います、以上です。 母:しのさんは、どう思われますか。 しの:成人したら、お年玉は無くていいんじゃないかな。ていうか、パパのその理論だ ったら私もう来年からもらえないんだけど。お姉ちゃんは22歳までもらえるってこと? 父:あぁ、それも、そうだな……。 あやの:しの、2022年から18歳で成人だから、あなたは20歳を待たずして成人だよ。 しの:あ……、だったら20歳で終わりの方が公平じゃない? あやの:20歳で終わりって、……ん?つまりは……どっちなの? あやの:私は対象? ……対象外? しの:もらえるのは19歳まで あやの:おぬし……まだお年玉安全圏だからって しの:いいじゃん、アルバイトしてるんだから あやの:しのだってしてるじゃない! 母:静粛に。 ……あはー、これ一回言ってみたかったのよねぇ~! あやの:……これ、そんなに重要な話題かね 父:まぁ重要っちゃ、重要だと思うけど… 母:大事よぉ…あなたは両家初孫だから、みっくんも、ゆきちゃんも、しゅういちくんも、あきちゃんも、ようちゃんも、けんちゃんも、たくちゃんもみーんな、あなたが基準になるんだから あやの:うぐ、初孫プレッシャー再来…というかいつの間にそんなにいとこ増えてたの  しの:この前、お母さんの一番下の妹夫婦に双子が生まれたんだって、 しの:……聞いてないの? あやの:きいて、ない 母:あら、言ってなかったかしら。とにかくね、これは大事なのよ。  母:確かに、しの のいう通り、19歳までもらえるっていう風にした方が公平は公平ね。20歳は大人の仲間入りってことで。という訳で…ごほん、えー審議の結果、「お年玉は19歳までもらえる、20歳からは…ようこそこちら側へ!」 母:承認いただける方は拍手をお願いします。 しの:(拍手) 父:(しぶしぶ拍手) あやの:(戸惑いながら拍手) 母:はい、というわけで、第3号議案は賛成多数により承認されました! 母:あ、あやの。あげる立場になるのは就職してからでいいわよ。 こんだけ年下の親戚が大勢いたら大変だもの。……そうね、25歳になったらシステムにしましょ。  あやの:そこはさらっと決まったな…… 父:結局、俺の意見まだどの議案にも反映されていないと思うんだけど…… しの:ん、なんか言った? 父:ああ、いいやいいんだ。続けよう。 あやの:え、待ってまだあるの? 母:えぇ、あるわよ。…では次に第4号議案「おせちは誰が用意するのか」について 審議します。正直、かなり人数が増えてきているから、親戚全員分のおせちつくるの疲れるのよねぇ~~! 母:では、あやのさんからご意見をどうぞ。 あやの:……はい!? 終わり

0:あやの バイト先から帰宅 あやの:ただいま~。あー寒かったぁ!!…ん?ただいま~ あやの:誰もいないの? 0:あやの リビングのドアを開ける あやの:……えっ 0:姿勢よくダイニングテーブルに着席する父、母、スマホを見る妹 母:……第2号議案は、賛成多数により承認されました。 母:つづきまして…… あやの:ちょっ、ちょっと!!続けないでっ!! 父:(同時に)お、おかえりなさい 母:(同時に)あら、おかえりなさい しの:(同時に)おかえり~…… あやの:あぁ……ただいま……じゃなくて!! え、何してるの? しの:何って、お正月に向けて家族会議。 あやの:家族会議って…なんでこんなに物々しい雰囲気なのよ。 母:毎年同じだとつまらないし、お父さん「いいよ」しか言わないし。 母:だから今年は議会スタイルよっ♪ 父 :お母さんが楽しければそれでいいんだ……。まぁ、とりあえず手を洗ってきなさい あやの:……  :  : 0:あやの 手洗い後、着席 あやの:……で、お正月の何を決めていたわけ 母:第1号議案「大みそかの特番は何を見るか」、第2号議案「お正月休みはどこにお出掛けするか」 あやの:待って、何でそんな重要なこと私抜きで決めてたの しの:出席者は少ないほど自分の意見が通りやすい(小声) あやの:あの、聞こえてますけど。……それは何が承認されたのさ。 母:大みそかはお笑い番組、旅行は京都よ あやの:えー!!紅白みたいっ!!北海道行きたいっ!! しの:もう決まったから。録画すればいいじゃん あやの:こんな理不尽な家族会議があってたまるものか…… 父:まぁ、どっちもお母さんと しの の意見しか反映されてないんだけどな…… 0:しの 父を無言で睨む しの:……それに、普段雪降らないところに住んでる人間が真冬に北海道なんて行ったら、多分雪に殺されるよ あやの:それも、一理ある…… 父:北海道は来年の夏休みにでも行こうな。お父さん、お仕事頑張るから あやの:友だちと計画しよ。 父:そうか……。じゃあ、次の議題を…… 母:そうね、ごほん(咳払い)…これより、第3号議案「何歳までお年玉をあげるか」について審議します。あやのさんは今年で20歳[はたち]になりました。つまり、成人です。そこで、いつまでお年玉を渡すべきか、ここで審議したいと思います。よろしいでしょうか。 父:(同時に)……はい しの:(同時に 淡々と)はーい あやの:(一呼吸おいて)……はい? 母:これについて、まずあやのさんから あやの:ストップ!!なぜこれを私がいる場で!?第1号議案とこれ絶対順番逆!! お年玉こそ私がいない時に決めてよ!! 母:だって、もらえると思って当日を迎えたら、もらえなかった。の方が寂しくない? あやの:……確かに、それはそうだけど!!もう20歳にもなると、素直にお小遣いとかお年玉とか言えない年頃なんだよなぁ……。自分からほしいといえば子ども扱いされるし、とはいえ、もら えるものならもらいたいし…あぁ、もう!この場合の最適解が分からないわ!!    無いなら無いでそれでいいのよ。もらえたらもらえたで、そりゃ嬉しいけど… 母:なるほど、では、お父さんはどうお考えですか。 父:学生のうちなら、まだあげてもいいんじゃないかなぁと思うんだけど…… 母:……だけど? 父:……思います、以上です。 母:しのさんは、どう思われますか。 しの:成人したら、お年玉は無くていいんじゃないかな。ていうか、パパのその理論だ ったら私もう来年からもらえないんだけど。お姉ちゃんは22歳までもらえるってこと? 父:あぁ、それも、そうだな……。 あやの:しの、2022年から18歳で成人だから、あなたは20歳を待たずして成人だよ。 しの:あ……、だったら20歳で終わりの方が公平じゃない? あやの:20歳で終わりって、……ん?つまりは……どっちなの? あやの:私は対象? ……対象外? しの:もらえるのは19歳まで あやの:おぬし……まだお年玉安全圏だからって しの:いいじゃん、アルバイトしてるんだから あやの:しのだってしてるじゃない! 母:静粛に。 ……あはー、これ一回言ってみたかったのよねぇ~! あやの:……これ、そんなに重要な話題かね 父:まぁ重要っちゃ、重要だと思うけど… 母:大事よぉ…あなたは両家初孫だから、みっくんも、ゆきちゃんも、しゅういちくんも、あきちゃんも、ようちゃんも、けんちゃんも、たくちゃんもみーんな、あなたが基準になるんだから あやの:うぐ、初孫プレッシャー再来…というかいつの間にそんなにいとこ増えてたの  しの:この前、お母さんの一番下の妹夫婦に双子が生まれたんだって、 しの:……聞いてないの? あやの:きいて、ない 母:あら、言ってなかったかしら。とにかくね、これは大事なのよ。  母:確かに、しの のいう通り、19歳までもらえるっていう風にした方が公平は公平ね。20歳は大人の仲間入りってことで。という訳で…ごほん、えー審議の結果、「お年玉は19歳までもらえる、20歳からは…ようこそこちら側へ!」 母:承認いただける方は拍手をお願いします。 しの:(拍手) 父:(しぶしぶ拍手) あやの:(戸惑いながら拍手) 母:はい、というわけで、第3号議案は賛成多数により承認されました! 母:あ、あやの。あげる立場になるのは就職してからでいいわよ。 こんだけ年下の親戚が大勢いたら大変だもの。……そうね、25歳になったらシステムにしましょ。  あやの:そこはさらっと決まったな…… 父:結局、俺の意見まだどの議案にも反映されていないと思うんだけど…… しの:ん、なんか言った? 父:ああ、いいやいいんだ。続けよう。 あやの:え、待ってまだあるの? 母:えぇ、あるわよ。…では次に第4号議案「おせちは誰が用意するのか」について 審議します。正直、かなり人数が増えてきているから、親戚全員分のおせちつくるの疲れるのよねぇ~~! 母:では、あやのさんからご意見をどうぞ。 あやの:……はい!? 終わり