台本概要
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タイトル | ウォッチと神子の世知辛いお金事情 |
---|---|
作者名 | あ~るわい (@softrustpoison) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 3人用台本(男2、女1) ※兼役あり |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
これは異形達のとあるどたばた日常である
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ウォッチ | 男 | 100 | 頭が手の形をしている生き物、日々己の生活費を計算している |
神子 | 女 | 89 | ムカデの尻尾を生やしている自称17歳の生き物、課金しまくりでお金がない |
ジャスラ | 男 | 40 | とある国の英雄 ※ドアノブ 兼ね役です |
ドアノブ | 男 | 7 | のんびりと生きているドア ※ジャスラ 兼ね役です |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
神子:でくの坊ーあほんだらーすけこましー
神子:インタラクティブ変態ーちょんまげー…んー…あー…馬鹿手!
ウォッチ:馬鹿手とはなんですか、馬鹿手とは!馬鹿面と呼びなさい
ウォッチ:そんなこと言ってたら仕事に連れて行きませんからね
神子:仕事って言ってもここ最近なーんもないし、給料も払ってくれないしー早く払えー!
ウォッチ:あーこの百足小娘は本当にうるさい
ウォッチ:今私だってね、必死にこうして古のBBSやら2000年代初期の掲示板を
ウォッチ:どうにか漁って情報収集してるんです!
神子:そうやっても仕事なんて見つけられないっしょー
神子:あーあー暇ー!暇暇ひーまー!
ウォッチ:まったく、あなたと言う人は本当に口が減りませんね…
ウォッチ:そんなに体力が有り余ってるのでしたら新作の【そーしゃるげーむ】?でもやってなさい
神子:やるかー…えーとメルアドーメールアドレスよーイデヨー
ウォッチ:さすがの私も疲れました…ここはひとつ、大好物のパンケーキでも
神子:うぉっちーーーー!!!
ウォッチ:うぉあああああ!いきなり声を出してなんなんですか!
ウォッチ:びっくりして私の頭もパーになってしまいますよ!?
神子:めんご!でもこれ見てこれ!
ウォッチ:なんですかまったく…メール…?
ウォッチ:どれどれ…今回の依頼は、消えない相手を消してほしい。
ウォッチ:拝啓私が最後に見た異人様…
0:
ウォッチ:ウォッチと
神子:神子の
ウォッチ:世知辛い
神子:お金事情
0:
神子:給料くれるなら手伝ってもあげるけど!
ウォッチ:ほらこちら、パラパラーと下から上までほら本物のお金
神子:マジもんじゃん!なんで今回は急にまた現金払いで…この前なんて気味の悪いコインだったのに
ウォッチ:あ、その微笑みのコインは良い物ですからね!
ウォッチ:願ったことを思って手の中に入れてるとどんなことでも叶う物なんですからね!
神子:まじ?!じゃあ私がすぐここに来れたのって…ガサゴソガサゴソ
ウォッチ:…使っちゃったーてへぺろーと言うんじゃないですよね?
神子:コイン折れてる…
ウォッチ:ま、まさか…
神子:使っちゃったー!てっへ!ぺっろー!
ウォッチ:やはりー!このお馬鹿さんー!
神子:だってー課金するためにお金欲しくってー
ウォッチ:はぁ…そんな願望だけで国も地位も手に入るお宝ものをあなたは…
ウォッチ:でも私も邪念に取りつかれて使うのが嫌だったので、ある意味あなたのような能天気が使うのが一番良いですね
神子:それよりもそれよりも!それでその現ナマ…まじで今くれるんですか?
ウォッチ:はい現ナマ
神子:わーお!
ウォッチ:と言う訳ではないです
神子:ちっ
ウォッチ:今回の依頼の説明もしたいので
ウォッチ:それじゃ、いつもの所に行きましょうか
神子:あいあいさー
ウォッチ:あ、私準備で忙しいのでその間に自己紹介してくださいね神子さん
神子:自己紹介?えーと私!神の子と書いてかなこ!趣味はゲームに課金すること!今月の残金2000円!
神子:光熱費と家賃未払いな普通の女の子!
ウォッチ:そんなわけございやせん、スカートめくりんこ
神子:ちょ!スカート!あと尻尾触るなし!
ウォッチ:どーこにビシャモンに追い出された社員がいますよ、ほら
神子:更に上にあげるなしぃいい!
ウォッチ:さっとお見せ給うわムカデの尻尾、詳しく知りたい子は毘沙門天とムカデ調べなさい
神子:はなしなさーい!
ウォッチ:おっと、危ない危ない。
ウォッチ:と言うことで入り口もダウンロードし終わって具現化したみたいですし入りますか
神子:ねえーもうちょっと神秘性がある扉作れし
ウォッチ:言葉を発せば愚痴やらもんじゃら、ほらほら入りますよ
0:
ジャスラ:……君はまだ居るんだね
0:
ジャスラM:喋ると俺の宇宙スーツの表面に手形が一つまた増える
ジャスラ:君と出会ってどれぐらい年月が経ったのだろうか…
ジャスラM:誰も居ない場所に声をかけるとまた手形が一つ増える
ジャスラ:君は相変わらず…今日も変わらないね
ジャスラM:数日ぶりに声を出した、だけど帰ってくる反応は知っている
ジャスラM:誰からも返答がなくても自分が着ているボロボロの宇宙スーツに突如手形だけが付着する
ジャスラM:慣れた手つきでヘルメットに付着した手形を椅子に掛けられた古いタオルで拭く
ジャスラM:少し間を開けてから、疲れたように特定の言葉を何もない空間に語りかける
ジャスラ:………惑星のジャスラ
0:
神子:いつもここに来るけどさ、真っ暗なのに自分の姿とかウォッチの姿が薄暗く光るの笑う
ウォッチ:そう言って何もない所で転ぶのも恒例ですけどね
神子:そんな何度も転ぶなんてこと うわっぷ!
ウォッチ:うわっぷうわっぷ
神子:笑いながら言うなし!ぼけなすー!
ウォッチ:お褒めの言葉感謝ですね
神子:唐変木!
ドアノブ:…お前さん方、くだらない話してないで早く準備してくれんかね
ウォッチ:どーもドアノブさん
ドアノブ:どーも、ハンドの旦那
ドアノブ:いつものネジは?
ウォッチ:はい、これが今日のネジです
ドアノブ:ほー今日は土星錆び付きか、気前がいいねぇ
ドアノブ:ご苦労さん、ほらいつもの道具だ
ウォッチ:こちらこそありがとうございます
神子:なードアー
ドアノブ:せめてドアノブ【さん】と最後まで敬いを入れて呼ぶんだな、天下り
神子:天下り言うな、いつも思うけどさその棒切れと石って役にたってんの?
ドアノブ:じゃあお前はハンドの旦那無しで目的地に行くんだな
神子:うげ…一回やったことあるから無しで
ウォッチ:あの時は心底笑いましたよ、なんたって霧の巨人の夕飯に入ってしまってそのまま大きな豆の木と一緒に…
神子:あの時は悪かったって!
ドアノブ:長話してるとまた変なところに出たりしてな
ウォッチ:はっはっはっ!それはいいですね!
神子:絶っっ対いや!
ウォッチ:そんな手元で怒鳴らなくても…と言う事なので参りましょうか、レッツゴーアメリカに
ドアノブ:ウェルカム、お二人様ご案内
0:
神子:すごー!ここって何かの基地?!
ウォッチ:そうですよー真夏のアメリカはとても暑いので座標通り出れて良かったです
神子:と言うか今回の依頼まだ聞いてないし!
ウォッチ:あーそうでした、はいこれ
神子:はいこれって…ドーナッツ?
ウォッチ:ドーナッツ、知りません?丸くてかわいくて、美味しいですよ?
神子:これ食べて良い?
ウォッチ:ええ、ええ、是非とも
ウォッチ:袋ごと全部譲るので食べながら後ろをついてきてください
神子:まじ?!役得ー!もぐもぐ
ウォッチ:噂通りもう殆どの人は居ないのですねぇ
神子:(食べながら)本当だ、あの警備員なんか寝てるし
ウォッチ:えーと…メールに確か…道順が書いてあったようなぁ……
ウォッチ:なるほど、この通路を10秒数えながら進んで止まると警備システムが発動せず…
ウォッチ:そのまま右にカニ歩きで移動して…ここで警報が鳴る…
ウォッチ:ん?鳴る?神子さん?何してます?神子さん?!
神子:なんか透明な糸出てるからシャドーボクシング
ウォッチ:…ほーそれはそれはとても見事な鍛錬ですじゃ、お先に!
神子:え?あ!ちょ!目の前からなんか人が!ウォッチ?!ねえ!ウォッチ-!どこー!
神子:ぎゃー!目の前からガスが出てきた!目に染みるー!
ウォッチ:それでこのまま3歩と…
0:
ジャスラM:何もない空間なのに殺気立つ気配を感じた
ジャスラM:俺はなんとなくだが分かった、終わりが来た…と
ジャスラM:感謝が沸き上がり頬の肉を上げてしまう
ウォッチ:こんにちは、いや…ここはハロー…?いやそれとも…
ジャスラM:噂通りだ、爺ちゃんの言う通り現れた
ジャスラM:夢の中で頭が手で出来た化け物を見たら袖を引っ張れと
ジャスラM:俺は願った、常人では変えられないこの現状を変えてくれる化け物を
0:
ジャスラ:ハローで大丈夫だ、異形の方
ウォッチ:Oh!そうでしたか!ハロー、ジャスラさん
ウォッチ:それにしてもこんな地下深くに独りで?
ウォッチ:とても人が来るような場所には見えませんね
ジャスラ:はは、あまり人が来ないから嬉しいよ
ジャスラ:離婚届と娘を一緒に連れた来た愛しい妻以来に、人と話す
ウォッチ:それはお気の毒に
ジャスラ:まったくだ…それで、お前さんはこれをどうにかしてくれるのか?
ウォッチ:どういった状況かは今から品定めさせて頂きます
ウォッチ:が…前金は受け取りましたし張り切って頑張ってみますよ
ジャスラ:ありがとう、でも気を付けてくれ
ジャスラ:こいつは気性が荒すぎてな、それ以上近づくと
神子:居たー!
ジャスラ:なんだこいつは、お前の連れか?
ウォッチ:おやおや神子さん無事に辿り着きましたか
神子:なーにが無事よ!
神子:射殺されるはガスで殺されるは挙句の派手にサイコロステーキみたいにカットされる!!
神子:アメリカこわ!!
ウォッチ:ほっほっほっ、それはバイオレンスな事を
神子:ここまで来るのにどんだけ苦労したか……んで!その人が依頼人?
ジャスラ:あー…ジャスラだ
神子:どーもどーぉも!じゃ私は出番来るまでゆっくりさせていっただきまーす
ウォッチ:まったく騒がしい権化だこと、どうぞどうぞ
ジャスラ:手の男…こいつは役に立つのか?
ウォッチ:ん?そりゃあとても凄い役立ちます、今すぐ役立ちます
ジャスラ:今すぐ…?
神子:疲れてへとへと、糖分でも取らないと乙女はやっていけないの
神子:ガサゴソガサゴソ…じゃーん!
ウォッチ:ほらね?
ジャスラ:あれは…!まさか…!
神子:それじゃいっただきまー…
ジャスラ:やめろ!早くどっかに投げろ!
神子:え?え?あ?ぎゃああああああああああ!
ウォッチ:こーちら解説のウォッチです!
ウォッチ:神子さんが今まさに懐から出したのはまさしくドーナッツ!しかもストロベリー!
ウォッチ:そのドーナッツから半径3メートルほどの空間が!空間がー!消えたー!
ウォッチ:そこに残るのは神子さんの下半身だけが残った死体!
ウォッチ:我々は惜しい人を亡くした!
ウォッチ:だがしかし!君の事は忘れない神子さん!
ウォッチ:君はまさしく英雄だー!わー!パチパチパチパチー!
神子:何が英雄じゃー!
ウォッチ:ごっふー!
ウォッチ:下半身しか残っていないと言うのに足とムカデの尻尾で見事な飛び蹴りを…!
ジャスラ:な、なんなんだこいつは…!
神子:あんた!自分の安全のためにあたしを呼んだなー?!
ウォッチ:正解!
神子:正解じゃないよ!おらっ!
ウォッチ:あうち
ジャスラ:あ、あんたは一体…
神子:ふん!あたしは神子!天下りなのは本当だけど…神使いの神子!
ウォッチ:天下りして時給生活の神子
神子:尻尾びんた!
ウォッチ:あうち!
ジャスラ:そ、そうか…そりゃあそうだよな、普通の人間がここに居れるはずがない
神子:本当身体削れるのマージで痛いんだから!んで!あんたはなんなの?
ウォッチ:上半身の再生もムカデ並み…こほん、この方がご依頼人のジャスラさん
ウォッチ:もしくはこう言った方が良いですかね…惑星のジャスラ
神子:キメ顔で言うなしっ
ジャスラ:ああ…俺の事だ、久々に人と話すんだ
ジャスラ:昔話程度に聞いてくれよお嬢ちゃん
神子:ドーナッツ食べながらで良いなら
ウォッチ:懲りませんねえ…あ、また死んだ
ジャスラ:ははっ…こんな光景普通だったら狂気だろうな…
ジャスラ:けど俺も狂気さ…惑星のジャスラ…忌々しいな
ウォッチ:20年前程の記事で読ませて頂きましたが…見事に身体に入り込んでますね
ジャスラ:…20年前にもなるのか、俺はお前の言う通り
ジャスラ:変なものに取り憑かれたようだ
ジャスラ:こうなったのも…そうだな、アレは急に現れた
ジャスラ:新惑星を調査しに現地の人口調査隊に入った時ぐらいか…
ウォッチ:あの時はさぞ嬉しかったとお読みしました
ジャスラ:本当にうれしかったよ
ジャスラ:あの時は多くの人に称えられ敬われ…有頂天だった
ジャスラ:しかも新しい惑星を調査できるという名誉もくれて俺は尚更天狗になってたさ
ジャスラ:惑星に行って地球に帰還だけすれば良い、簡単な仕事
ジャスラ:それだけで億万長者になれる素晴らしい人生だ、その時はそう思っていたさ
ウォッチ:順風満帆とはこのこと…と上手くはいきませんね
ジャスラ:ああ…!そうだとも!順風満帆だった…!
ジャスラ:良かったんだよそこまでは!でも…!
ジャスラ:俺は出会ってしまったんだ…!こいつと…!
神子:こいつ?
ウォッチ:神子さん、先ほどドーナッツを出したら…【食われました】よね?
神子:あー!やっぱり?なんかこう咀嚼される感覚がしたんだよねー
神子:ガブリみたいな!そんで何か関係あんの?
ウォッチ:惑星って重力もそれぞれ違うのですが、
ウォッチ:時には重力を使い、周りの特定の衛星を吸収する性質を持つ惑星も居るのです
神子:科学の勉強はパスで
ウォッチ:でしょうね!んもう!じゃあ神子さん、食べられたご自身の肉体
ウォッチ:どこにあるか感じ取れます?
神子:え?えーとね…目の前かなぁ…目の前?だって目の前には何もないしこの宇宙服のおっさんしか…え?
ウォッチ:まー分かりませんよねー!
ウォッチ:はい!ここは簡潔に言います!
ウォッチ:つまり惑星に憑りつかれちゃったんですよ、ジャスラさんは
神子:だから惑星のジャスラね…安直で笑う
神子:でもその惑星?ってやらはどこにも居ないように見えるけど
ジャスラ:何を言ってるんだ…!いるんだよ…!ここに!
ウォッチ:普通に見ようとすると何も居ないように感じますが
ウォッチ:ここは私のシックスセンスでちょーっと目を細めると…
ウォッチ:ほらそこから、ジャスラさんの右肩から…見えません?
神子:えーと…煙が細く出てる…?
ウォッチ:ご名答、そいつですよ
神子:存在感うっす!え?だって惑星なんだよね?
ウォッチ:そう、惑星なんですこいつは
ウォッチ:それでは改めて、何故惑星のジャスラと名前が付いたか…
ジャスラ:いや、そこからは俺が喋ろう
ジャスラ:さっきの話の通り俺は惑星に到着し問題なく調べた
ジャスラ:こんな簡単な仕事を終えて早く妻と娘に大金を持って帰ろう
ジャスラ:高揚した気分で帰りのシャトルに乗ろうと後ろを振り向いた
ジャスラ:そうだ…その時だ…!後ろに居たはずの仲間が全員消えたのは…!
神子:消えた?
ジャスラ:俺は何かの間違いだと思って急いで戻った…
ジャスラ:だがそこにあったのはおびただしい数のちぎれてしまった死体の山…
ジャスラ:そしてそこに…そこに…!今俺の腕の中に居るこいつが佇んでた…!
ジャスラ:最初は靄か何かと思っただが明らかに生物の様に動いて俺に迫って来たんだ!
ジャスラ:俺は恐怖したよ、怖くてたまらなくてすぐシャトルに戻って扉を閉めて離陸準備をした!
神子:映画あるあるじゃん
ウォッチ:はいそこ邪魔しないの!
ジャスラ:俺はエンジンに火が付いたのを見て安心した…これで帰れる俺は無事なんだ!
ジャスラ:安心したその瞬間だった、握っていたハンドルの感覚が消えて俺は訳も分からず隣の座席を見た…
ジャスラ:そこにはさっき見た謎の靄が俺の腕を食いちぎって食べてやがったんだ!
神子:映画みたいで笑う
ウォッチ:そこ!お黙り!
ジャスラ:俺は悲願した、頼む何でもする返してくれと
ジャスラ:そしたらどうだ…そいつは微笑んだんだ…顔が見えないのに微笑んだ…!
ジャスラ:俺は笑ったさ…帰れるのか…って俺は妻と娘にまだ会える…愛しい地球に帰れる…と…
神子:映画じゃん!
ウォッチ:お代わりのドーナッツでも!
神子:死ぬ!
ジャスラ:安堵した瞬間俺のヘルメットに急に手形が付いた
ジャスラ:宇宙でしかもシャトルの中だぞ?俺は手形の意図が分からなかった
ジャスラ:だが奴は俺のヘルメットに指をさしてあれは?と頭を傾げて来た
ジャスラ:俺は訳も分からずあれは地球だよ…と答えた
ウォッチ:…その後一人だけで無事生還した英雄ジャスラ
ウォッチ:惑星が地球に衝突するのを阻止した勇者ジャスラ…
ウォッチ:様々な嘘や現実が混ざり評して、惑星のジャスラ
ジャスラ:最初はその呼び名もうれしかったさ
ジャスラ:でも、帰還したら変な現象が起きまくったんだ!
ジャスラ:急に俺の周りにある丸い形状の物だけが消えるように食われたり
ジャスラ:ヘルメットを外そうとしたら…したら俺の…片目の…眼球が…!
神子:わーお
ジャスラ:国は俺を即座に隠した、実験材料にも良く、国の英雄としても使える…
ジャスラ:でも現実はこれだ、もう嫌なんだ、頼む…生きるのがもう…うんざりだ…
ウォッチ:それで私にその惑星を処理してほしいと…なーるほどなーるほど、ではさっくり行きますか!
ジャスラ:え…あ…?!か、解決出来るのか?!これを?!国が総力を出しても無理だったんだぞ…?!
ジャスラ:そんなお前が今ここで簡単に出来るとでも!話を聞いてたのか?!
ウォッチ:ええ、簡単に
ジャスラ:それはどうやって?!
ウォッチ:惑星さん…いや…ある意味その子は神様の赤ちゃんですかね、神子さん
神子:そうね、意志は明らかあるねこいつ
ウォッチ:ふふ…ならばならば簡単なこと
ウォッチ:神とは力を持ち知恵があるからこそ生まれたては危ういのです
ウォッチ:となればここは乙女心をいたぶるお時間です!
神子:趣味悪っ
ウォッチ:ふふっ…さて惑星のお嬢さん、あなたはその方のどこがお好きなのですか?
ジャスラ:一体何を…っ!
神子:うわっ急に地面揺れだした
ジャスラ:い、一体何が…!
ウォッチ:あなたの愛しい人はこの地面そのものです、あなたは今愛しい愛しい地球の上に居ます…
ウォッチ:でもそこまで尽くして大好き大好き!あなたの近くに寄ってくる不細工な奴らは私が消すから安心してと!
ウォッチ:過激なまでに尽くしていると彼氏さんは思ってるのに…実はそんな一途が嘘で二股だなんて最低ですねー!
ウォッチ:きゃー!一途と言いながら別の男に手を出して自分の価値を上げるなんてあっさましー!
ウォッチ:彼氏に言っちゃおうかなぁー!え…そのポカーンって顔…気づいてない…?
ウォッチ:あなたってまさか…!気づかず浮気しちゃうタイプですかー?!
ジャスラ:ぐっ!腕が…!消えた腕が痛い…?!
ウォッチ:ほーら!そうやって機嫌悪くなったら好きな男に八つ当たり!
ウォッチ:DVの気質もおありでー?!ってててて!ぎゃー!私のお肌に傷がー!
神子:そりゃあ怒るだろ
ジャスラ:なんて馬鹿な事を!逃げろ!ただじゃ済まないぞあんた…!
ウォッチ:ふ、ふっふっふっのふ!甘く見ないでください!
ウォッチ:この天才的な避けを!ぐぎっ!うぉおおん!腰がぁ!
神子:あぶなっ
ウォッチ:ぎゃーす!足を掴んで壁に投げないでください!
神子:本当運動神経悪いよねウォッチって
ウォッチ:ですが危うく靄に食われる所でした…
ウォッチ:感謝しますよ私の天才的な助手!神子さん!ってまた攻撃してこないでぇ~!
神子:ウォッチー!こっちこっち!地面抉って壁作るから!よっと
ウォッチ:ひー!ええい…!ぜーはー!聞き分けのぉ!ない子だ!スライディング滑り回避!
神子:ナーイス
ジャスラ:早く…!逃げろ…!このままじゃまた全部食うぞ…!こいつは…!
ウォッチ:ここで真の力を見せる時…!見るがいいこれが私のぉ!
ウォッチ:さあ!やぁっておしまい!カナァコォ!
神子:あいよー!とぉ!
ウォッチ:地面を抉って作った壁を走り昇る神子!
ウォッチ:そのまま空中に飛び!心身を翻しジャスラにそのまま!突っ込んだ―!
神子:靄を掴んでー!
ジャスラ:あががががが!俺もぶん投げないでー!!
神子:外に~!ぶん投げる!
ウォッチ:けたたましくジャスラに憑いていた靄を靄をー!力技で離したー!
ウォッチ:本来だったら様々な要因で引き抜けば良い物をこの馬鹿ちんは力技でやり遂げたー!
ウォッチ:これぞ天下りとは言え神の力!
神子:うぉおおおおおらああああ
ウォッチ:そして勢いで離された靄だけを!思いっきり!
ウォッチ:宇宙にぃ!投げたー!これこそ人類がまだ見ぬ神の技!天下りの鉄球投げー!
神子:ウォッチも掴んで!どっ!せーい!
ウォッチ:えちょまってああいやあああ!私もぉぉぉぉ?!
神子:乙女のアフターケアーよろしくー!
0:
0:
ウォッチ:いやはや…相変わらずの力技…あ、こんばんは、おじょうさ…まってまって!私が悪かったからステイ!
ウォッチ:え?私の言葉が分かるの?そりゃあ分かりますよ、あなたも気づいて居たんでしょ、自分が人間じゃないって
ウォッチ:生まれたてあるあるですね、やはり異形あるある本が一冊作れますよ
0:
ウォッチ:それはさておき…あなたにとって久々のお外ですねぇ
ウォッチ:やはり宇宙は良い、何も無いから落ち着けます
ウォッチ:それでもそんな悲しい顔をしてかわいそうに、好きだと思った人が本人ではなかった…
0:
ウォッチ:え?あんなに悪口言われて外出たら流石に分かる?
ウォッチ:いやーそれに関しては本当にごめんなさい!
ウォッチ:まあでも、あなたにとっては今までのことが数週間ぐらいの感覚だとは思います
ウォッチ:ここまで辛い思いをさせました
0:
ウォッチ:あなたはジャスラを初めて見た時に丸い物を愛しの人だと思い抱き着いた
ウォッチ:だけれど重力バランスがまだうまく取れないあなたは全てを食べてしまった
ウォッチ:そんな中自分の好きな人を他の人に取られたくない
ウォッチ:怒りからの行為ですよね
0:
ウォッチ:惑星のあなたにしてみれば親も無く放り出されて不安だったからこそ彼を愛した、ただそれだけです
ウォッチ:ああ、泣かないでください
ウォッチ:泣いてはあなたの素敵なお顔がしわくちゃになってしまいます、あ、これ人間ジョークです
0:
ウォッチ:そんな可愛くて可哀そうなあなたにサプライズヒント
ウォッチ:今、あなたの目の前に見えるあの青い青い光景こそ、あなたの愛しい地球です
ウォッチ:ほっほっほっ本当?!と言う顔していますが嘘はついてません
ウォッチ:少し離れれば…ほら!これが地球です
0:
ウォッチ:あららら、凄い笑みになりましたね
ウォッチ:勘違いとは言えど大丈夫です、あなたの恋は成就した
ウォッチ:さあ、思い切って抱き着きなさい
0:
ウォッチ:え?壊れないかって?大丈夫です、あなたの本当に愛している人はあれぐらいじゃ消えません
ウォッチ:今こそ思いっきり抱きしめてやりなさい…これであなたは晴れて地球と一つになれるのですから
ウォッチ:お幸せに、星のお嬢さん
0:
神子:おー流石ご長寿さん話がなっげ
神子:おいおっさんー起きろー無事に終わったみたいよー
ジャスラ:終わった…のか
神子:終わった終わった…って!なんか体崩れてますけども!
ジャスラ:ははっ、実は俺はもう監禁された時に自害したんだ、だが何故か生きててさ…
ジャスラ:でも…あんたらのお陰で眠れそうだ…ありがとうな…神の…お嬢さん…
神子:うん、良い夢見てね、惑星のジャスラさん
0:
ウォッチ:確かこれが前金の報酬で…
神子:あんな力仕事したんだもの…今回は大金じゃー!げへへー
ウォッチ:それでこれが分け前の報酬1万…
神子:1万?!やすくない?!これじゃあ光熱費払えないし課金できないし!
ウォッチ:何を言ってるんです!あの人はもう独り身で家も財産もない雀の涙の1万!!
ウォッチ:これほど背景が辛いお金は無いでしょう!
神子:…ウォッチはいくらもらったの
ウォッチ:あ、来ました来ました、ここのパフェがですねリニューアルしたんですよー
ウォッチ:見事なマンゴーとイチゴのハーモニー…美味ですよ?
神子:ウォッチ!
ウォッチ:んふっ、命は尊い…このパフェを食べるのにも700円代、対価って痛くて美味しいです
神子:でくの坊ーあほんだらーすけこましー
神子:インタラクティブ変態ーちょんまげー…んー…あー…馬鹿手!
ウォッチ:馬鹿手とはなんですか、馬鹿手とは!馬鹿面と呼びなさい
ウォッチ:そんなこと言ってたら仕事に連れて行きませんからね
神子:仕事って言ってもここ最近なーんもないし、給料も払ってくれないしー早く払えー!
ウォッチ:あーこの百足小娘は本当にうるさい
ウォッチ:今私だってね、必死にこうして古のBBSやら2000年代初期の掲示板を
ウォッチ:どうにか漁って情報収集してるんです!
神子:そうやっても仕事なんて見つけられないっしょー
神子:あーあー暇ー!暇暇ひーまー!
ウォッチ:まったく、あなたと言う人は本当に口が減りませんね…
ウォッチ:そんなに体力が有り余ってるのでしたら新作の【そーしゃるげーむ】?でもやってなさい
神子:やるかー…えーとメルアドーメールアドレスよーイデヨー
ウォッチ:さすがの私も疲れました…ここはひとつ、大好物のパンケーキでも
神子:うぉっちーーーー!!!
ウォッチ:うぉあああああ!いきなり声を出してなんなんですか!
ウォッチ:びっくりして私の頭もパーになってしまいますよ!?
神子:めんご!でもこれ見てこれ!
ウォッチ:なんですかまったく…メール…?
ウォッチ:どれどれ…今回の依頼は、消えない相手を消してほしい。
ウォッチ:拝啓私が最後に見た異人様…
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ウォッチ:ウォッチと
神子:神子の
ウォッチ:世知辛い
神子:お金事情
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神子:給料くれるなら手伝ってもあげるけど!
ウォッチ:ほらこちら、パラパラーと下から上までほら本物のお金
神子:マジもんじゃん!なんで今回は急にまた現金払いで…この前なんて気味の悪いコインだったのに
ウォッチ:あ、その微笑みのコインは良い物ですからね!
ウォッチ:願ったことを思って手の中に入れてるとどんなことでも叶う物なんですからね!
神子:まじ?!じゃあ私がすぐここに来れたのって…ガサゴソガサゴソ
ウォッチ:…使っちゃったーてへぺろーと言うんじゃないですよね?
神子:コイン折れてる…
ウォッチ:ま、まさか…
神子:使っちゃったー!てっへ!ぺっろー!
ウォッチ:やはりー!このお馬鹿さんー!
神子:だってー課金するためにお金欲しくってー
ウォッチ:はぁ…そんな願望だけで国も地位も手に入るお宝ものをあなたは…
ウォッチ:でも私も邪念に取りつかれて使うのが嫌だったので、ある意味あなたのような能天気が使うのが一番良いですね
神子:それよりもそれよりも!それでその現ナマ…まじで今くれるんですか?
ウォッチ:はい現ナマ
神子:わーお!
ウォッチ:と言う訳ではないです
神子:ちっ
ウォッチ:今回の依頼の説明もしたいので
ウォッチ:それじゃ、いつもの所に行きましょうか
神子:あいあいさー
ウォッチ:あ、私準備で忙しいのでその間に自己紹介してくださいね神子さん
神子:自己紹介?えーと私!神の子と書いてかなこ!趣味はゲームに課金すること!今月の残金2000円!
神子:光熱費と家賃未払いな普通の女の子!
ウォッチ:そんなわけございやせん、スカートめくりんこ
神子:ちょ!スカート!あと尻尾触るなし!
ウォッチ:どーこにビシャモンに追い出された社員がいますよ、ほら
神子:更に上にあげるなしぃいい!
ウォッチ:さっとお見せ給うわムカデの尻尾、詳しく知りたい子は毘沙門天とムカデ調べなさい
神子:はなしなさーい!
ウォッチ:おっと、危ない危ない。
ウォッチ:と言うことで入り口もダウンロードし終わって具現化したみたいですし入りますか
神子:ねえーもうちょっと神秘性がある扉作れし
ウォッチ:言葉を発せば愚痴やらもんじゃら、ほらほら入りますよ
0:
ジャスラ:……君はまだ居るんだね
0:
ジャスラM:喋ると俺の宇宙スーツの表面に手形が一つまた増える
ジャスラ:君と出会ってどれぐらい年月が経ったのだろうか…
ジャスラM:誰も居ない場所に声をかけるとまた手形が一つ増える
ジャスラ:君は相変わらず…今日も変わらないね
ジャスラM:数日ぶりに声を出した、だけど帰ってくる反応は知っている
ジャスラM:誰からも返答がなくても自分が着ているボロボロの宇宙スーツに突如手形だけが付着する
ジャスラM:慣れた手つきでヘルメットに付着した手形を椅子に掛けられた古いタオルで拭く
ジャスラM:少し間を開けてから、疲れたように特定の言葉を何もない空間に語りかける
ジャスラ:………惑星のジャスラ
0:
神子:いつもここに来るけどさ、真っ暗なのに自分の姿とかウォッチの姿が薄暗く光るの笑う
ウォッチ:そう言って何もない所で転ぶのも恒例ですけどね
神子:そんな何度も転ぶなんてこと うわっぷ!
ウォッチ:うわっぷうわっぷ
神子:笑いながら言うなし!ぼけなすー!
ウォッチ:お褒めの言葉感謝ですね
神子:唐変木!
ドアノブ:…お前さん方、くだらない話してないで早く準備してくれんかね
ウォッチ:どーもドアノブさん
ドアノブ:どーも、ハンドの旦那
ドアノブ:いつものネジは?
ウォッチ:はい、これが今日のネジです
ドアノブ:ほー今日は土星錆び付きか、気前がいいねぇ
ドアノブ:ご苦労さん、ほらいつもの道具だ
ウォッチ:こちらこそありがとうございます
神子:なードアー
ドアノブ:せめてドアノブ【さん】と最後まで敬いを入れて呼ぶんだな、天下り
神子:天下り言うな、いつも思うけどさその棒切れと石って役にたってんの?
ドアノブ:じゃあお前はハンドの旦那無しで目的地に行くんだな
神子:うげ…一回やったことあるから無しで
ウォッチ:あの時は心底笑いましたよ、なんたって霧の巨人の夕飯に入ってしまってそのまま大きな豆の木と一緒に…
神子:あの時は悪かったって!
ドアノブ:長話してるとまた変なところに出たりしてな
ウォッチ:はっはっはっ!それはいいですね!
神子:絶っっ対いや!
ウォッチ:そんな手元で怒鳴らなくても…と言う事なので参りましょうか、レッツゴーアメリカに
ドアノブ:ウェルカム、お二人様ご案内
0:
神子:すごー!ここって何かの基地?!
ウォッチ:そうですよー真夏のアメリカはとても暑いので座標通り出れて良かったです
神子:と言うか今回の依頼まだ聞いてないし!
ウォッチ:あーそうでした、はいこれ
神子:はいこれって…ドーナッツ?
ウォッチ:ドーナッツ、知りません?丸くてかわいくて、美味しいですよ?
神子:これ食べて良い?
ウォッチ:ええ、ええ、是非とも
ウォッチ:袋ごと全部譲るので食べながら後ろをついてきてください
神子:まじ?!役得ー!もぐもぐ
ウォッチ:噂通りもう殆どの人は居ないのですねぇ
神子:(食べながら)本当だ、あの警備員なんか寝てるし
ウォッチ:えーと…メールに確か…道順が書いてあったようなぁ……
ウォッチ:なるほど、この通路を10秒数えながら進んで止まると警備システムが発動せず…
ウォッチ:そのまま右にカニ歩きで移動して…ここで警報が鳴る…
ウォッチ:ん?鳴る?神子さん?何してます?神子さん?!
神子:なんか透明な糸出てるからシャドーボクシング
ウォッチ:…ほーそれはそれはとても見事な鍛錬ですじゃ、お先に!
神子:え?あ!ちょ!目の前からなんか人が!ウォッチ?!ねえ!ウォッチ-!どこー!
神子:ぎゃー!目の前からガスが出てきた!目に染みるー!
ウォッチ:それでこのまま3歩と…
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ジャスラM:何もない空間なのに殺気立つ気配を感じた
ジャスラM:俺はなんとなくだが分かった、終わりが来た…と
ジャスラM:感謝が沸き上がり頬の肉を上げてしまう
ウォッチ:こんにちは、いや…ここはハロー…?いやそれとも…
ジャスラM:噂通りだ、爺ちゃんの言う通り現れた
ジャスラM:夢の中で頭が手で出来た化け物を見たら袖を引っ張れと
ジャスラM:俺は願った、常人では変えられないこの現状を変えてくれる化け物を
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ジャスラ:ハローで大丈夫だ、異形の方
ウォッチ:Oh!そうでしたか!ハロー、ジャスラさん
ウォッチ:それにしてもこんな地下深くに独りで?
ウォッチ:とても人が来るような場所には見えませんね
ジャスラ:はは、あまり人が来ないから嬉しいよ
ジャスラ:離婚届と娘を一緒に連れた来た愛しい妻以来に、人と話す
ウォッチ:それはお気の毒に
ジャスラ:まったくだ…それで、お前さんはこれをどうにかしてくれるのか?
ウォッチ:どういった状況かは今から品定めさせて頂きます
ウォッチ:が…前金は受け取りましたし張り切って頑張ってみますよ
ジャスラ:ありがとう、でも気を付けてくれ
ジャスラ:こいつは気性が荒すぎてな、それ以上近づくと
神子:居たー!
ジャスラ:なんだこいつは、お前の連れか?
ウォッチ:おやおや神子さん無事に辿り着きましたか
神子:なーにが無事よ!
神子:射殺されるはガスで殺されるは挙句の派手にサイコロステーキみたいにカットされる!!
神子:アメリカこわ!!
ウォッチ:ほっほっほっ、それはバイオレンスな事を
神子:ここまで来るのにどんだけ苦労したか……んで!その人が依頼人?
ジャスラ:あー…ジャスラだ
神子:どーもどーぉも!じゃ私は出番来るまでゆっくりさせていっただきまーす
ウォッチ:まったく騒がしい権化だこと、どうぞどうぞ
ジャスラ:手の男…こいつは役に立つのか?
ウォッチ:ん?そりゃあとても凄い役立ちます、今すぐ役立ちます
ジャスラ:今すぐ…?
神子:疲れてへとへと、糖分でも取らないと乙女はやっていけないの
神子:ガサゴソガサゴソ…じゃーん!
ウォッチ:ほらね?
ジャスラ:あれは…!まさか…!
神子:それじゃいっただきまー…
ジャスラ:やめろ!早くどっかに投げろ!
神子:え?え?あ?ぎゃああああああああああ!
ウォッチ:こーちら解説のウォッチです!
ウォッチ:神子さんが今まさに懐から出したのはまさしくドーナッツ!しかもストロベリー!
ウォッチ:そのドーナッツから半径3メートルほどの空間が!空間がー!消えたー!
ウォッチ:そこに残るのは神子さんの下半身だけが残った死体!
ウォッチ:我々は惜しい人を亡くした!
ウォッチ:だがしかし!君の事は忘れない神子さん!
ウォッチ:君はまさしく英雄だー!わー!パチパチパチパチー!
神子:何が英雄じゃー!
ウォッチ:ごっふー!
ウォッチ:下半身しか残っていないと言うのに足とムカデの尻尾で見事な飛び蹴りを…!
ジャスラ:な、なんなんだこいつは…!
神子:あんた!自分の安全のためにあたしを呼んだなー?!
ウォッチ:正解!
神子:正解じゃないよ!おらっ!
ウォッチ:あうち
ジャスラ:あ、あんたは一体…
神子:ふん!あたしは神子!天下りなのは本当だけど…神使いの神子!
ウォッチ:天下りして時給生活の神子
神子:尻尾びんた!
ウォッチ:あうち!
ジャスラ:そ、そうか…そりゃあそうだよな、普通の人間がここに居れるはずがない
神子:本当身体削れるのマージで痛いんだから!んで!あんたはなんなの?
ウォッチ:上半身の再生もムカデ並み…こほん、この方がご依頼人のジャスラさん
ウォッチ:もしくはこう言った方が良いですかね…惑星のジャスラ
神子:キメ顔で言うなしっ
ジャスラ:ああ…俺の事だ、久々に人と話すんだ
ジャスラ:昔話程度に聞いてくれよお嬢ちゃん
神子:ドーナッツ食べながらで良いなら
ウォッチ:懲りませんねえ…あ、また死んだ
ジャスラ:ははっ…こんな光景普通だったら狂気だろうな…
ジャスラ:けど俺も狂気さ…惑星のジャスラ…忌々しいな
ウォッチ:20年前程の記事で読ませて頂きましたが…見事に身体に入り込んでますね
ジャスラ:…20年前にもなるのか、俺はお前の言う通り
ジャスラ:変なものに取り憑かれたようだ
ジャスラ:こうなったのも…そうだな、アレは急に現れた
ジャスラ:新惑星を調査しに現地の人口調査隊に入った時ぐらいか…
ウォッチ:あの時はさぞ嬉しかったとお読みしました
ジャスラ:本当にうれしかったよ
ジャスラ:あの時は多くの人に称えられ敬われ…有頂天だった
ジャスラ:しかも新しい惑星を調査できるという名誉もくれて俺は尚更天狗になってたさ
ジャスラ:惑星に行って地球に帰還だけすれば良い、簡単な仕事
ジャスラ:それだけで億万長者になれる素晴らしい人生だ、その時はそう思っていたさ
ウォッチ:順風満帆とはこのこと…と上手くはいきませんね
ジャスラ:ああ…!そうだとも!順風満帆だった…!
ジャスラ:良かったんだよそこまでは!でも…!
ジャスラ:俺は出会ってしまったんだ…!こいつと…!
神子:こいつ?
ウォッチ:神子さん、先ほどドーナッツを出したら…【食われました】よね?
神子:あー!やっぱり?なんかこう咀嚼される感覚がしたんだよねー
神子:ガブリみたいな!そんで何か関係あんの?
ウォッチ:惑星って重力もそれぞれ違うのですが、
ウォッチ:時には重力を使い、周りの特定の衛星を吸収する性質を持つ惑星も居るのです
神子:科学の勉強はパスで
ウォッチ:でしょうね!んもう!じゃあ神子さん、食べられたご自身の肉体
ウォッチ:どこにあるか感じ取れます?
神子:え?えーとね…目の前かなぁ…目の前?だって目の前には何もないしこの宇宙服のおっさんしか…え?
ウォッチ:まー分かりませんよねー!
ウォッチ:はい!ここは簡潔に言います!
ウォッチ:つまり惑星に憑りつかれちゃったんですよ、ジャスラさんは
神子:だから惑星のジャスラね…安直で笑う
神子:でもその惑星?ってやらはどこにも居ないように見えるけど
ジャスラ:何を言ってるんだ…!いるんだよ…!ここに!
ウォッチ:普通に見ようとすると何も居ないように感じますが
ウォッチ:ここは私のシックスセンスでちょーっと目を細めると…
ウォッチ:ほらそこから、ジャスラさんの右肩から…見えません?
神子:えーと…煙が細く出てる…?
ウォッチ:ご名答、そいつですよ
神子:存在感うっす!え?だって惑星なんだよね?
ウォッチ:そう、惑星なんですこいつは
ウォッチ:それでは改めて、何故惑星のジャスラと名前が付いたか…
ジャスラ:いや、そこからは俺が喋ろう
ジャスラ:さっきの話の通り俺は惑星に到着し問題なく調べた
ジャスラ:こんな簡単な仕事を終えて早く妻と娘に大金を持って帰ろう
ジャスラ:高揚した気分で帰りのシャトルに乗ろうと後ろを振り向いた
ジャスラ:そうだ…その時だ…!後ろに居たはずの仲間が全員消えたのは…!
神子:消えた?
ジャスラ:俺は何かの間違いだと思って急いで戻った…
ジャスラ:だがそこにあったのはおびただしい数のちぎれてしまった死体の山…
ジャスラ:そしてそこに…そこに…!今俺の腕の中に居るこいつが佇んでた…!
ジャスラ:最初は靄か何かと思っただが明らかに生物の様に動いて俺に迫って来たんだ!
ジャスラ:俺は恐怖したよ、怖くてたまらなくてすぐシャトルに戻って扉を閉めて離陸準備をした!
神子:映画あるあるじゃん
ウォッチ:はいそこ邪魔しないの!
ジャスラ:俺はエンジンに火が付いたのを見て安心した…これで帰れる俺は無事なんだ!
ジャスラ:安心したその瞬間だった、握っていたハンドルの感覚が消えて俺は訳も分からず隣の座席を見た…
ジャスラ:そこにはさっき見た謎の靄が俺の腕を食いちぎって食べてやがったんだ!
神子:映画みたいで笑う
ウォッチ:そこ!お黙り!
ジャスラ:俺は悲願した、頼む何でもする返してくれと
ジャスラ:そしたらどうだ…そいつは微笑んだんだ…顔が見えないのに微笑んだ…!
ジャスラ:俺は笑ったさ…帰れるのか…って俺は妻と娘にまだ会える…愛しい地球に帰れる…と…
神子:映画じゃん!
ウォッチ:お代わりのドーナッツでも!
神子:死ぬ!
ジャスラ:安堵した瞬間俺のヘルメットに急に手形が付いた
ジャスラ:宇宙でしかもシャトルの中だぞ?俺は手形の意図が分からなかった
ジャスラ:だが奴は俺のヘルメットに指をさしてあれは?と頭を傾げて来た
ジャスラ:俺は訳も分からずあれは地球だよ…と答えた
ウォッチ:…その後一人だけで無事生還した英雄ジャスラ
ウォッチ:惑星が地球に衝突するのを阻止した勇者ジャスラ…
ウォッチ:様々な嘘や現実が混ざり評して、惑星のジャスラ
ジャスラ:最初はその呼び名もうれしかったさ
ジャスラ:でも、帰還したら変な現象が起きまくったんだ!
ジャスラ:急に俺の周りにある丸い形状の物だけが消えるように食われたり
ジャスラ:ヘルメットを外そうとしたら…したら俺の…片目の…眼球が…!
神子:わーお
ジャスラ:国は俺を即座に隠した、実験材料にも良く、国の英雄としても使える…
ジャスラ:でも現実はこれだ、もう嫌なんだ、頼む…生きるのがもう…うんざりだ…
ウォッチ:それで私にその惑星を処理してほしいと…なーるほどなーるほど、ではさっくり行きますか!
ジャスラ:え…あ…?!か、解決出来るのか?!これを?!国が総力を出しても無理だったんだぞ…?!
ジャスラ:そんなお前が今ここで簡単に出来るとでも!話を聞いてたのか?!
ウォッチ:ええ、簡単に
ジャスラ:それはどうやって?!
ウォッチ:惑星さん…いや…ある意味その子は神様の赤ちゃんですかね、神子さん
神子:そうね、意志は明らかあるねこいつ
ウォッチ:ふふ…ならばならば簡単なこと
ウォッチ:神とは力を持ち知恵があるからこそ生まれたては危ういのです
ウォッチ:となればここは乙女心をいたぶるお時間です!
神子:趣味悪っ
ウォッチ:ふふっ…さて惑星のお嬢さん、あなたはその方のどこがお好きなのですか?
ジャスラ:一体何を…っ!
神子:うわっ急に地面揺れだした
ジャスラ:い、一体何が…!
ウォッチ:あなたの愛しい人はこの地面そのものです、あなたは今愛しい愛しい地球の上に居ます…
ウォッチ:でもそこまで尽くして大好き大好き!あなたの近くに寄ってくる不細工な奴らは私が消すから安心してと!
ウォッチ:過激なまでに尽くしていると彼氏さんは思ってるのに…実はそんな一途が嘘で二股だなんて最低ですねー!
ウォッチ:きゃー!一途と言いながら別の男に手を出して自分の価値を上げるなんてあっさましー!
ウォッチ:彼氏に言っちゃおうかなぁー!え…そのポカーンって顔…気づいてない…?
ウォッチ:あなたってまさか…!気づかず浮気しちゃうタイプですかー?!
ジャスラ:ぐっ!腕が…!消えた腕が痛い…?!
ウォッチ:ほーら!そうやって機嫌悪くなったら好きな男に八つ当たり!
ウォッチ:DVの気質もおありでー?!ってててて!ぎゃー!私のお肌に傷がー!
神子:そりゃあ怒るだろ
ジャスラ:なんて馬鹿な事を!逃げろ!ただじゃ済まないぞあんた…!
ウォッチ:ふ、ふっふっふっのふ!甘く見ないでください!
ウォッチ:この天才的な避けを!ぐぎっ!うぉおおん!腰がぁ!
神子:あぶなっ
ウォッチ:ぎゃーす!足を掴んで壁に投げないでください!
神子:本当運動神経悪いよねウォッチって
ウォッチ:ですが危うく靄に食われる所でした…
ウォッチ:感謝しますよ私の天才的な助手!神子さん!ってまた攻撃してこないでぇ~!
神子:ウォッチー!こっちこっち!地面抉って壁作るから!よっと
ウォッチ:ひー!ええい…!ぜーはー!聞き分けのぉ!ない子だ!スライディング滑り回避!
神子:ナーイス
ジャスラ:早く…!逃げろ…!このままじゃまた全部食うぞ…!こいつは…!
ウォッチ:ここで真の力を見せる時…!見るがいいこれが私のぉ!
ウォッチ:さあ!やぁっておしまい!カナァコォ!
神子:あいよー!とぉ!
ウォッチ:地面を抉って作った壁を走り昇る神子!
ウォッチ:そのまま空中に飛び!心身を翻しジャスラにそのまま!突っ込んだ―!
神子:靄を掴んでー!
ジャスラ:あががががが!俺もぶん投げないでー!!
神子:外に~!ぶん投げる!
ウォッチ:けたたましくジャスラに憑いていた靄を靄をー!力技で離したー!
ウォッチ:本来だったら様々な要因で引き抜けば良い物をこの馬鹿ちんは力技でやり遂げたー!
ウォッチ:これぞ天下りとは言え神の力!
神子:うぉおおおおおらああああ
ウォッチ:そして勢いで離された靄だけを!思いっきり!
ウォッチ:宇宙にぃ!投げたー!これこそ人類がまだ見ぬ神の技!天下りの鉄球投げー!
神子:ウォッチも掴んで!どっ!せーい!
ウォッチ:えちょまってああいやあああ!私もぉぉぉぉ?!
神子:乙女のアフターケアーよろしくー!
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ウォッチ:いやはや…相変わらずの力技…あ、こんばんは、おじょうさ…まってまって!私が悪かったからステイ!
ウォッチ:え?私の言葉が分かるの?そりゃあ分かりますよ、あなたも気づいて居たんでしょ、自分が人間じゃないって
ウォッチ:生まれたてあるあるですね、やはり異形あるある本が一冊作れますよ
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ウォッチ:それはさておき…あなたにとって久々のお外ですねぇ
ウォッチ:やはり宇宙は良い、何も無いから落ち着けます
ウォッチ:それでもそんな悲しい顔をしてかわいそうに、好きだと思った人が本人ではなかった…
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ウォッチ:え?あんなに悪口言われて外出たら流石に分かる?
ウォッチ:いやーそれに関しては本当にごめんなさい!
ウォッチ:まあでも、あなたにとっては今までのことが数週間ぐらいの感覚だとは思います
ウォッチ:ここまで辛い思いをさせました
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ウォッチ:あなたはジャスラを初めて見た時に丸い物を愛しの人だと思い抱き着いた
ウォッチ:だけれど重力バランスがまだうまく取れないあなたは全てを食べてしまった
ウォッチ:そんな中自分の好きな人を他の人に取られたくない
ウォッチ:怒りからの行為ですよね
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ウォッチ:惑星のあなたにしてみれば親も無く放り出されて不安だったからこそ彼を愛した、ただそれだけです
ウォッチ:ああ、泣かないでください
ウォッチ:泣いてはあなたの素敵なお顔がしわくちゃになってしまいます、あ、これ人間ジョークです
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ウォッチ:そんな可愛くて可哀そうなあなたにサプライズヒント
ウォッチ:今、あなたの目の前に見えるあの青い青い光景こそ、あなたの愛しい地球です
ウォッチ:ほっほっほっ本当?!と言う顔していますが嘘はついてません
ウォッチ:少し離れれば…ほら!これが地球です
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ウォッチ:あららら、凄い笑みになりましたね
ウォッチ:勘違いとは言えど大丈夫です、あなたの恋は成就した
ウォッチ:さあ、思い切って抱き着きなさい
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ウォッチ:え?壊れないかって?大丈夫です、あなたの本当に愛している人はあれぐらいじゃ消えません
ウォッチ:今こそ思いっきり抱きしめてやりなさい…これであなたは晴れて地球と一つになれるのですから
ウォッチ:お幸せに、星のお嬢さん
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神子:おー流石ご長寿さん話がなっげ
神子:おいおっさんー起きろー無事に終わったみたいよー
ジャスラ:終わった…のか
神子:終わった終わった…って!なんか体崩れてますけども!
ジャスラ:ははっ、実は俺はもう監禁された時に自害したんだ、だが何故か生きててさ…
ジャスラ:でも…あんたらのお陰で眠れそうだ…ありがとうな…神の…お嬢さん…
神子:うん、良い夢見てね、惑星のジャスラさん
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ウォッチ:確かこれが前金の報酬で…
神子:あんな力仕事したんだもの…今回は大金じゃー!げへへー
ウォッチ:それでこれが分け前の報酬1万…
神子:1万?!やすくない?!これじゃあ光熱費払えないし課金できないし!
ウォッチ:何を言ってるんです!あの人はもう独り身で家も財産もない雀の涙の1万!!
ウォッチ:これほど背景が辛いお金は無いでしょう!
神子:…ウォッチはいくらもらったの
ウォッチ:あ、来ました来ました、ここのパフェがですねリニューアルしたんですよー
ウォッチ:見事なマンゴーとイチゴのハーモニー…美味ですよ?
神子:ウォッチ!
ウォッチ:んふっ、命は尊い…このパフェを食べるのにも700円代、対価って痛くて美味しいです