台本概要

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タイトル どくそ
作者名 やまさん  (@minimam1239)
ジャンル コメディ
演者人数 6人用台本(男4、女1、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 とある婚活パーティー、一人の女性を取り巻く男性陣。
男性陣はその女性にどんどんと惹かれていく。
100人の男性が居る中、40人に「良いな」と思われる女性ではなく、
100人の男性が居る中、4人に「惚れた」と思われる女性。
ただの毒、それとその素となる者たち。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
澤田 218 澤田凌(サワダリョウ)♂ 28歳。トヨタ。弱者。
三谷 191 三谷浩二(ミタニコウジ)♂ 35歳。不動産。自惚れ。
鈴谷 133 鈴谷陽介(スズヤヨウスケ)♂ 30歳。インストラクター。非常識。
金児 109 金児篤(カネコアツシ)♂ 32歳。教習指導員。堅物。
神城 227 神城優(カミシロユウ)♀
MC 不問 18 婚活パーティーのMC。ト書読み。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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三谷:「・・・どうも」 澤田:「はい・・・ああ!えっと・・・」 三谷:「あの、前の。世田谷の」 澤田:「あ、街コンの」 三谷:「そうっすそうっす」 澤田:「・・・え、今日はなんで」 三谷:「いや、澤田さんと同じですよ」 澤田:「ああ、そうですよね」 三谷:「・・・前の街コン、良い人いました?」 澤田:「いやあ、居なかったので、ここ来てるんです」 三谷:「ああまあ、そうっすよね」 澤田:「えっと・・・」 三谷:「三谷です」 澤田:「あ、三谷さん。確か、営業でしたよね?」 三谷:「はい、不動産です」 澤田:「最近はどうですか?去年コロナ流行ったじゃないですか」 三谷:「そうですね、なかなか以前のようにうまくはいかないですね」 澤田:「やっぱどこもそうですよね」 三谷:「澤田さんは・・・確かトヨタでしたよね」 澤田:「ああはい」 三谷:「トヨタくらいになるとコロナとか関係なかったなんじゃないですか?」 澤田:「いや・・・めちゃくちゃ落ちました」 三谷:「ああやっぱ、流石に」 澤田:「まあでも、収束してからは結構持ち直してて」 三谷:「ほお」 澤田:「なんか中国とアメリカでうちの製品の需要がやばいみたいで」 三谷:「へえ」 澤田:「それで、コロナが流行する前より生産が上がってたり」 三谷:「そっか、やっぱ車って凄いんだな」 澤田:「まあでも、景気回復って意味で考えるとどの職種でも上手く回るんじゃないですかね」 三谷:「ああ・・・」 澤田:「実質、コロナ不況ってその時期は最悪でしたけど、まあ徐々に回復するのは見えてた感じしましたしね」 三谷:「ああそう、なの?」 澤田:「はい。バブル崩壊とかリーマンショックとかって、その瞬間にお金が無くて需要そのものが落ちたって感じじゃないですか」 三谷:「うん」 澤田:「今回のは単純に、『買えるけど、外に出られないから買えない』っていう表面上の理由で、需要そのものが無くなっていった訳じゃないんですよ。自粛が解けた時点でやっぱ回復は速かったですし」 三谷:「おお、まあそうか」 澤田:「例えばロシアとか、コロナで一旦車の生産ストップしたんですけど、ルーブルの為替レートが下落していったんで、資産運用の手段として車がたくさん売れたんですよ」 三谷:「・・・うん・・・ああ、そっか」 澤田:「はい」 三谷:「・・・うん・・・え、る、るーぶる?」 澤田:「はい」 三谷:「ルーブルって・・・あれ、あの・・・美術館」 澤田:「あ、いや・・・あの、日本で言う円です」 三谷:「あ・・・ああ、ルーブルね・・・うん」 澤田:「・・・」 三谷:「・・・」 澤田:「やっぱ、営業ってなると難しいものなんですかね?」 三谷:「うーん、そうだね」 澤田:「ああ・・・」 三谷:「・・・」 澤田:「・・・」 三谷:「いや・・・え、知ってるよ?」 澤田:「はい?」 三谷:「ルーブル」 澤田:「ああ・・・はい」 三谷:「うん・・・ロシアのね」 澤田:「まあ正確には、ロシア・ルーブルですけど」 三谷:「ああ・・・」 澤田:「はい」 三谷:「・・・え、なんで今、正確に言ったの?」 澤田:「え」 三谷:「いやなんで澤田さん、正確に言い直したのかなって」 澤田:「ああ・・・A型、だからですかね?」 三谷:「あ、澤田さんが?」 澤田:「はい」 三谷:「おお・・・A型なんだ」 澤田:「はい」 三谷:「・・・B型」 澤田:「あ、三谷さんが」 三谷:「うん・・・」 澤田:「ああ、そう、なんですね・・・」 三谷:「うん」 澤田:「・・・」 三谷:「・・・」 澤田:「あれ、え僕なんか変なこと言いました?」 三谷:「いやいやいや・・・何ていうんだろう。うん・・・言った、のかな?」 澤田:「ああなんかすみませんそういうつもりじゃなかったんですけど」 三谷:「ああでもそういうつもりじゃなくても・・・ね?そういう風に伝わることは、あるから」 澤田:「ああ・・・なんか、勉強になります」 三谷:「・・・勉強」 澤田:「・・・はい」 三谷:「ああ・・・」 MC:「ええ皆様、お待たせ致しました。本日は晴天にも恵まれ、我々株式会社バルバジャパン主催の婚活パーティー『ふれあいの場』にお越しくださり誠にありがとうございます。幸福になる一つの方法として、人を愛すること、そのような言葉を胸に我々は定期的にこのような会を設けております。1人でも多くの方が幸せになれるよう、心から祈っております。それでは、只今から自己紹介タイムを始めたいと思います。ええ皆様、自分の番号札に書いてある数字と同じ席にお座りください。女性の方は奥側の席、男性の方は手前の席にお座りください。」 澤田:「じゃあ・・・」 三谷:「ああ、また」 MC:「はい、大丈夫そうですかね。では今から、1対1、3分間の自己紹介タイムを設けさせていただきます。ええ3分間の間、記入したプロフィールカードをお渡しして自己紹介をお願いします。3分間経ちましたらわたくしが合図を出しますので、男性の方はそれを合図に隣の席へ移動お願いします。それでは、バルバジャパン主催婚活パーティ『ふれあいの場』、始めさせていただきまーす。では、スタートでーす」 澤田:「こんにちは、お願いします」 神城:「お願いします」 澤田:「じゃあ・・・プロフィールカード」 神城:「はい」 澤田:「カミシロ、ユウさん」 神城:「はい。えっと、サワダリョウさん」 澤田:「はい、そうです」 神城:「自動車メーカーで勤務されてるんですね」 澤田:「はい、車両の監査をメインに」 神城:「なんか、凄いイメージ湧きます。車、お詳しそうで」 澤田:「あはは、まあ結構好きなんで」 神城:「監査っていうと、車の修理とかですか?」 澤田:「ああ、というより車両の開発段階での不具合とか、品質のチェックですね」 神城:「へえ、なんかかっこいいですね」 澤田:「いえいえ、何とかついていってる感じです」 神城:「え、ちなみになんですけど、どこのメーカーさんなんですか?」 澤田:「一応、トヨタです」 神城:「え、すごい」 澤田:「いや僕は、その中でも下ですね」 神城:「それでも凄いですよトヨタって」 澤田:「ああまあなんか、そう言われてたり、しますね」 神城:「良いなあ・・・そういう方が旦那さんだったら安心できますね」 澤田:「え」 神城:「ああごめんなさい。なんか玉の輿狙ってるみたいで」 澤田:「いえいえいえ、でも・・・お金には、ちょっとだけ自信あったり・・・しますね」 神城:「うふふ。確かに、プロフィールカードの年収欄、他の男性の方が見たら嫉妬しますね」 澤田:「あはは、そこだけ自信あります」 神城:「・・・澤田さんなんか、ちょうど良いですね」 澤田:「ちょうど良い?」 神城:「ああなんていうんでしょう、お金持ってる男性って、結構傲慢だったりとかそういうイメージあるじゃないですか」 澤田:「ああ、確かにありますね」 神城:「こういうとあれですけど、澤田さんあんまりこういう場所慣れてなさそうな感じがして」 澤田:「あ、え・・・わかります?」 神城:「はい」 澤田:「そっか・・・」 神城:「いやでもそれが結構私的には、安心というか」 澤田:「安心」 神城:「はい、私も慣れてなくて・・・こういうの」 澤田:「あ・・・そうなんですか」 神城:「澤田さん、結構・・・良い人だから、嬉しいです」 澤田:「・・・ああ、ありがとうございます」 神城:「いえ、こちらこそ」 澤田:「あ、そうだ。神城さんの自己紹介も・・・」 神城:「ええ!?」 澤田:「はい?」 神城:「澤田さん、『君に届け』好きなんですか?」 澤田:「え、あ、はい」 神城:「私大好きなんですよ。あれ本当良いですよね」 澤田:「あ、神城さんも好きなんですか?」 神城:「はい。一番好きかもしれないです」 澤田:「高校生の頃アニメで見て面白くて、それから漫画をブックオフでまとめ買いしたくらいで」 神城:「へえ、澤田さんなんか乙女」 澤田:「いやあ、その頃は純粋でしたから」 神城:「・・・今は?」 澤田:「え」 神城:「今は純粋じゃないんですか?」 澤田:「・・・いや、まだ・・・純粋かもしれないです」 神城:「・・・なんか、初めて出会ったかもしれないです」 澤田:「え」 神城:「ああいえ、なんでもないです。気にしないでください」 澤田:「・・・はい」 MC:「はい、では男性の方はお隣の席へ移動お願いします。一番端の席の方はお手数ですがこちらの手前の席まで移動の方お願い致します。女性の方はそのままお席にお座りくださーい」 神城:「時間ですね」 澤田:「ですね」 神城:「じゃあまた、フリータイムで」 澤田:「え、あ・・・はい!」 神城:「あ、プロフィールカード」 澤田:「ああ、そうだ忘れてた。楽しくて、うっかり」 神城:「私も」 澤田:「・・・じゃあまた」 神城:「また」 MC:「自己紹介タイム終了。会場にて」 澤田:「あ、三谷さん」 三谷:「ああ澤田さん」 澤田:「どうでした?」 三谷:「うーん、まあ今回もダメかな」 澤田:「あ、そうでした?結構良い感じの女性いましたけどね」 三谷:「うん・・・いやここだけの話ね、俺結構婚活パーティー行ってるからさ、何だろう。理想が高くなるっていうか、参加するたびに思うんだよね、自分に合った女性居ないなーって」 澤田:「ああ、そういうもんですかね」 三谷:「まあ俺はね、澤田さんはどうだったの?」 澤田:「ああ・・・なんでしょう、いや僕も見つからなかったですね」 三谷:「・・・そっか」 澤田:「まあでも3分間だけですしね、この後のフリータイムが肝心ですもんね」 三谷:「うん・・・あれまた気使った?」 澤田:「え?」 三谷:「いやだって、結構良い女性いたんでしょ?」 澤田:「いや・・・まあ」 三谷:「いや良いよ本当に、そういうの俺全然気にしないから。澤田さんの方でいい人居たなら居たで、それはすごく喜ばしい事じゃん」 澤田:「・・・はい」 三谷:「まあでも確かに、3分間だけじゃ分かんないからね」 澤田:「そうですよね」 三谷:「そもそもさ、回転ずし方式が嫌いなんだよね」 澤田:「え、何ですかそれ」 三谷:「え知らないの?」 澤田:「はい」 三谷:「まあだから、男性がネタで女性がそのネタを吟味する、いわゆる回転ずし」 澤田:「あ、このやり方が」 三谷:「そうそうそう」 澤田:「ああそうなんですね、そんな呼び方するんだ」 三谷:「いや俺自分で言うのもなんだけどさ、結構話すの得意な方だからこういうのいらないんだよね。初っ端からフリータイムの方が上手くいくっていうか」 澤田:「ああでも、僕的にはこっちの形の方がやりやすいですね」 三谷:「あそう?」 澤田:「はい、前の街コン、ただグループになって喋るだけだったじゃないですか」 三谷:「ああ、そうだったね」 澤田:「ああいうフリーな空間僕苦手なんですよね」 三谷:「ああ・・・確かに、ちょっと苦手そう」 澤田:「え、やっぱ見えます?」 三谷:「ああいやいやごめんごめん、別に奥手そうとかは見えないけど」 澤田:「やっぱ変ですかね、彼女できた事ないのって」 三谷:「あそうなの?」 澤田:「はい」 三谷:「そっか、そうなんだ・・・まあ別に変じゃないけど。珍しいね」 澤田:「雰囲気的に分かりますかね」 三谷:「まあなんだろ、ちょっとそういう、あんま言葉よくないけど・・・童貞感?否めないかな」 澤田:「ああ・・・」 三谷:「因みにさ、どの子狙ってんの?」 澤田:「ああえっと・・・5番の女性ですね。あそこに座ってる」 三谷:「ああー、あの人ね」 澤田:「分かります?」 三谷:「うん。印象には残ったかな」 澤田:「僕には高嶺の花ですかね」 三谷:「はは、そんな事ないと思うよ?」 澤田:「いやあ・・・」 三谷:「じゃあ、手伝おうか?」 澤田:「え」 三谷:「俺多分今日も無理だからさ、フリータイム手伝うよ」 澤田:「いいんですか?」 三谷:「うん、全然」 澤田:「ありがとうございます」 三谷:「名前なんだったけ?」 澤田:「ああ、神城優さんです」 三谷:「ああそうだそうだ。神城優・・・神城優ね」 鈴谷:「狙ってんすか?」 三谷:「え?」 鈴谷:「あの人、5番の」 三谷:「あ、いや。僕じゃなくて・・・澤田さんが」 鈴谷:「あ、澤田さん?」 澤田:「はい」 鈴谷:「え、狙ってんすか」 澤田:「狙ってるっていうか・・・まあ」 鈴谷:「いや良いっすよね」 澤田:「ああ・・・そうですね」 三谷:「えっと、鈴谷さん、で良いですか?」 鈴谷:「ああすみませんなんか急に、そうっす」 三谷:「鈴谷さんも、あの5番の・・・」 鈴谷:「神城さんっすよね、もう名前あの子しか覚えてないっすよ」 三谷:「まあ確かに、印象的な女性でしたよね」 鈴谷:「いやていうか、顔面ダントツじゃないですか?」 三谷:「ああ・・・まあ確かに」 澤田:「間違い無いです」 鈴谷:「雰囲気も良いし。分かりません?学生の頃の初恋思い出すみたいな」 三谷:「ああ」 澤田:「いやそれです。本当そうだと思います」 鈴谷:「でしょ・・・?あ、じゃあ、ライバル?」 澤田:「はい?」 鈴谷:「いや澤田さん。俺の、ライバル」 澤田:「あ、あはは・・・ああ、そうなりますね」 鈴谷:「ああ・・・ライバル」 澤田:「はい?」 鈴谷:「いや・・・ライバルか・・・」 澤田:「え、なんですか?」 鈴谷:「ああまあ・・・いやあ・・・これ勝ったなって」 澤田:「え?」 三谷:「鈴谷さん、そういうのは良くないと思いますよ」 鈴谷:「いやいやいや冷静に考えて。俺と、澤田さん。良い感じなのどっち?」 三谷:「良い感じ?」 鈴谷:「だから、イケメン的な」 澤田:「いやまあそういうのは、ねえ。婚活ですから」 三谷:「まあそうだね、顔だけじゃ無いからね」 鈴谷:「いやだからだから、そういうの抜きにして」 三谷:「はい?」 鈴谷:「抜きにして」 三谷:「・・・抜きにして?」 鈴谷:「抜きにして」 三谷:「・・・鈴谷さん」 鈴谷:「よっしゃ!」 澤田:「ええ・・・」 三谷:「いやいや違うよ?結婚とかそういうの抜きにして冷静に顔だけで判断したらって話」 澤田:「いやそれ余計に傷つくんですけど」 鈴谷:「まあまあまあサワっちゃん。男は顔だけじゃ無いからさ」 澤田:「サワっちゃん・・・」 鈴谷:「因みにサワっちゃん年収は?」 澤田:「はい?」 鈴谷:「良いじゃん良いじゃん。プロフィールカード見せてよ」 三谷:「鈴谷さん」 鈴谷:「いや気になるからやっぱライバルは」 澤田:「・・・まあ良いですけど」 鈴谷:「・・・」 澤田:「・・・」 鈴谷:「・・・まあね、男は最終的には顔だから」 澤田:「さっきと言ってること真逆じゃないですか」 MC:「皆様ー大変お待たせいたしました。これよりフリータイムのお時間をとらせていただきます。先ほど行いました自己紹介タイムで気になった方と、じっくりお話を楽しんでください。今スタッフがドリンクを配って回っておりますので、皆様全員受け取られましたらフリータイムの方を始めさせていただきたいと思います。前のドリンクコーナーに、ソフトドリンク、各種ドリンクがありますのでご自由にお取りください。お料理は皆様から向かって左手に各種ご用意させてもらっています。また本社はですね、ドイツのデュッセルドルフという街に支店を置いております。日本食もございますが、ドイツ料理も並んでおりますので、ご堪能ください」 鈴谷:「おっし、フリータイムじゃ」 澤田:「じゃあ三谷さん、お願いしてもいいですかね」 三谷:「ああ、うん」 MC:「皆様ドリンクはお受け取りいただけましたでしょうか・・・?大丈夫そうですかね?それでは皆様、フリータイム存分にお楽しみください。本日の新しい出会いに、カンパーイ!」 三谷:「うわ、鈴谷さんもう行ってる」 澤田:「あ、本当だ。はや」 神城:「やっぱり、相性の不一致って大きいですよね」 金児:「そうですね・・・付き合ってみてからっていうのも怖いですし」 神城:「私的には付き合う前が一番重要だと思ってます」 金児:「やっぱり、そこは相性を確める為に?」 神城:「はい」 鈴谷:「あれ、先約いた?」 神城:「あ・・・」 鈴谷:「よ」 金児:「神城さんはどう思います?大人の恋愛って」 神城:「え、ああ。それはやっぱり憧れ抱きます。でも・・・」 鈴谷:「おーいちょちょちょちょ、無視しないで3人で話しましょうよ」 金児:「はい?」 澤田:「あ、ちょっと・・・僕も」 鈴谷:「でたライバル・・・あれあんたも?」 三谷:「あんたもって・・・あいや僕は、澤田さんの付き添いで」 金児:「付き添い?」 三谷:「まあ付き添いっていうか、とりあえず」 金児:「あの、遊び感覚で来てるんでしたらやめた方がいいですよ。皆さん本気なんで」 三谷:「ああ(苦笑い)」 鈴谷:「いや堅い堅い堅い」 金児:「はい?」 鈴谷:「えっと・・・カネジさん?」 金児:「カネコです」 鈴谷:「ああまあなんでも良いけど、そういうのじゃないもんね?神城さんは」 神城:「ええ、賑やかなのは楽しいです」 鈴谷:「でしょ?」 金児:「はあ・・・まあ良いですけど」 神城:「ちょっと男女の比率偏ってますけど、せっかくですから皆さんと沢山お話ししたいです」 鈴谷:「よし!じゃあ改めて乾杯しましょう」 澤田:「え、さっきしましたけど」 鈴谷:「おおサワっちゃんストップ、まずいよその発言。冷めるよ?」 澤田:「え」 金児:「もう良いから、乾杯するならするで早くしましょう」 鈴谷:「カネジさんも、冷めるって」 金児:「カネコ」 神城:「うふふ」 鈴谷:「お、笑った!よっしゃ俺1ポイント〜」 澤田:「え、ポイント制なんですか?」 鈴谷:「そうだよ〜」 三谷:「そんなのないよ」 神城:「うふふ、面白いですね皆さん」 鈴谷:「まあていうか、俺ね?」 神城:「・・・乾杯しましょう。なんか、すごく楽しめそうなので」 金児:「そう、ですね」 澤田:「はい」 鈴谷:「よっし、じゃあ・・・」 神城:「あ、私いいですか?」 鈴谷:「え、ああ」 金児:「まあ、神城さんの乾杯なら」 澤田:「そうですね」 神城:「やっぱりこういうのって、時には窓を開ける人も必要ですから・・・」 三谷:「ん?」 鈴谷:「何それ、格言?」 神城:「・・・乾杯」 澤田・三谷・鈴谷・金児:「・・・乾杯」 MC:「澤田凌、自動車メーカー勤務、28歳、男・・・三谷浩二、不動産営業、35歳、男・・・鈴谷陽介、インストラクター、30歳、男・・・金児篤、教習指導員、32歳、男・・・神城優、女・・・婚活式男女恋愛活劇。『どくそ』」                  鈴谷:「え、神城さんドイツ生まれなん?」 神城:「いえ、日本生まれです。子供の頃少しだけドイツに居たってだけで」 三谷:「へえ、親御さんの仕事とかで?」 神城:「はい」 金児:「このパーティーを主催してる会社もドイツに支店があるんですよね?」 三谷:「そうみたいですね」 神城:「どこでしたっけ」 澤田:「デュッセルドルフ ・・・だったよな」 金児:「ああ、日本人が多いところですね」 神城:「そうなんですか?」 金児:「はい、日本企業の進出が盛んな街なんですよ」 三谷:「へえ」 神城:「そうなんですか、よくご存知ですね」 金児:「まあそれなりに、教養はあるんで」 鈴谷:「なんそれ」 三谷:「やっぱドイツとかでも車売れるの?」 澤田:「・・・」 三谷:「澤田さん?」 澤田:「・・・はい?」 三谷:「ああ・・・車、ドイツとかでも売れるのかなって、澤田さんそういうの詳しいでしょ?」 神城:「トヨタ勤務、ですもんね」 鈴谷:「え、マジ?」 金児:「そうなんですか?」 澤田:「ああ・・・はい」 鈴谷:「へえ」 澤田:「そうですね、ヨーロッパだとそこまで売れないですね。そこだと1.5倍くらいの値段になるので」 三谷:「そうなんだ」 鈴谷:「ふーん」 神城:「そういえば、金児さんもご職業・・・」 澤田:「あ、そうなんですか?」 金児:「ああいや、僕は教習所で、指導を」 三谷:「へえ、じゃあ教官ですか」 金児:「はい、まあ」 神城:「車つながりですね」 金児:「そう、なりますね」 鈴谷:「ああじゃあ何?サワっちゃんってやっぱ凄いんだ」 澤田:「はい?」 鈴谷:「だってさ、サワっちゃん車作ってんでしょ?で、カネジさんは・・・」 金児:「金児です」 鈴谷:「その車に乗って運転教えてるんでしょ?じゃあサワっちゃんの方が凄いじゃん」 金児:「・・・」 鈴谷:「・・・」 金児:「・・・はは、え今なんて?」 鈴谷:「いやだから、車作ってるサワっちゃんが、その車乗ってるカネジさんより凄い仕事してるって・・・」 金児:「は?」 三谷:「あはは・・・ああちょっ、ちょっと待ってね鈴谷さん」 鈴谷:「何?」 三谷:「何って・・・いやあのね、仕事に優劣とかないから」 澤田:「そうですよ」 鈴谷:「ああいや違うよ?カネジさんの仕事が劣ってるとかそういうんじゃないよ?単純に、カネジさんよりサワっちゃんの方が凄い仕事してるんだなって。普通に感心しちゃってさ」 三谷:「・・・ん?」 金児:「あのさ・・・」 神城:「あ、皆さんドリンク切れてますね。どうされます?」 三谷:「ああそうだね、持ってこよう。ほら、鈴谷さん、澤田さんと行ってきて」 鈴谷:「え、なんで俺?」 澤田:「僕もですか?」 三谷:「良いから、早く・・・ああ後、食べ物も」 鈴谷:「注文多くね?」 三谷:「良いから」 鈴谷:「はーい」 三谷:「・・・」 金児:「・・・」 三谷:「はあ・・・」 金児:「あれ、なんなんですか?」 三谷:「いやあ、なんか変わってますよね」 金児:「友達ですか?」 三谷:「いやいやいや友達とかじゃないですよ。フリータイム始まる前に僕にも近寄ってきて、正直困ってます・・・あれ多分、高卒ですね」 金児:「僕も、高卒ですけど」 三谷:「え、あ・・・ああそれは・・・すみません」 金児:「ちょっと、お手洗い行ってきます」 三谷:「はい・・・」 神城:「・・・」 三谷:「・・・」 神城:「なんか、大変ですね」 三谷:「ああ・・・困ったもんですね」 神城:「・・・私には、タメ口使われないんですか?」 三谷:「え・・・」 神城:「澤田さんと鈴谷さんにはタメ口だったので」 三谷:「ああ・・・そう・・・だね。え、タメ口の方が良かったりしま・・・ああ、する?」 神城:「・・・はい」 三谷:「そっか・・・じゃあ、そうしよっかな」 神城:「やっぱり、そっちの方が良い感じです」 三谷:「本当、じゃあ・・・タメ口で」 神城:「はい」 MC:「三谷浩二と神城優の自己紹介タイムの場合」 神城:「三谷さん、不動産業なんですね」 三谷:「はい、まあ営業で外走ってばっかですけど」 神城:「不動産って、結構ブラックだって聞きますけど、そうなんですか?」 三谷:「ああ、まあ確かに。でもうちは歩合制なんで自分の能力次第ですね、そこの判断は」 神城:「じゃあ、三谷さんは良いほうなんですね」 三谷:「あはは、まあそうですね・・・神城さんは、職業欄空白ですけど、今は・・・」 神城:「会社ではどんな感じなんですか?」 三谷:「え?」 神城:「三谷さん、会社ではどんな人なのかなって、気になりまして」 三谷:「ああ、普通ですけど・・・最近は部下も多いので、今は営業指導が中心ですね」 神城:「やっぱり、後輩さんとか育てるの大変ですか?」 三谷:「うーんまあ接客なんで、新卒の子たちとかには結構厳しくしたりしますね」 神城:「へえ・・・なんか、三谷さんスペック高いですね」 三谷:「え、そうですかね?」 神城:「はい、とても。清潔感もあって、背も高いし、仕事面もしっかりしてて、優しそうで」 三谷:「ああ・・・あと、顔も良い」 神城:「あ、忘れてました」 三谷:「あはは」 神城:「うふふ」 三谷:「神城さんは、どういった男性がタイプなんですか?」 神城:「そうですね・・・」 三谷:「いいですよ。僕のことは全然気にしないで、正直に」 神城:「じゃあ、いいですか?」 三谷:「はい」 神城:「三谷さんみたいな人、ですかね?」 三谷:「え・・・」 神城:「うふふ・・・ごめんなさい、ちょっと言いすぎました」 三谷:「あ、あはは。そっか、ビックリした」 神城:「でも、案外嘘じゃないかもしれないですよ?」 三谷:「ははは・・・え・・・えどっち、ですか?」 神城:「んん・・・半分冗談で、半分本当です」 三谷:「半分。僕の感じで半分ってことですよね?」 神城:「はい。私、二面性がある人が好きなんです」 三谷:「二面性、というと?」 神城:「ギャップ、みたいな」 三谷:「ギャップ・・・」 神城:「三谷さんは、話した感じこういったプライベートでは優しくて、良い人そうだなって分かるんですけど、仕事している時の三谷さんも、実際に見れたらなって思いまして」 三谷:「じゃあもし、それが見れたら・・・神城さんのタイプに、少なからず当てはまるってことですか?」 神城:「はい・・・というより、もっと、三谷さんのこと考えちゃうかもしれません」 三谷:「え・・・あ、本当・・・」 神城:「はい」 三谷:「あ、ああ・・・ああ、そっか」 神城:「うふふ」 三谷:「あはははは・・・そっか・・・そっか、そっか・・・はは」 MC:「フリータイム」 神城:「うふふふ」 三谷:「あはははは」 神城:「ええ本当ですか?」 三谷:「うん、らしい」 神城:「でも確かに、分かります」 三谷:「でしょ?」 鈴谷:「飲み物と飯持ってきたよー」 三谷:「ありがとう」 神城:「ありがとうございます」 澤田:「あれ、金児さんは?」 三谷:「ああ、トイレ行ってる」 神城:「澤田さん澤田さん」 澤田:「はい?」 神城:「三谷さんから聞いたんですけど、澤田さんって、経験ないんですか?」 澤田:「え?」 神城:「うふふ、すごい、可愛いですね」 澤田:「・・・」 鈴谷:「あちょっとちょっと神城さん、これ食ってみ?超うまい」 神城:「あ、美味しそう。じゃあいただきまーす」 三谷:「・・・鈴谷さん。ちょっと良い?」 鈴谷:「ん、なんすか?」 三谷:「さっきの発言なんだけど」 鈴谷:「え、なんの?」 三谷:「あれ・・・金児さんに対しての」 鈴谷:「あああれね・・・いやなんかあの人面倒くさそうじゃん。ちょっとジャブ入れておこうかなって」 三谷:「え?」 鈴谷:「俺だって分かってるよ?ああいうこと言ったらいけない事くらい」 三谷:「じゃあなんで言ったの?」 鈴谷:「だから、俺は神城さんと話がしたいの。それなのになんか仕事の話で3人とも盛り上がっちゃってさ」 三谷:「だからって、もっと他に言いようあったでしょ」 鈴谷:「まあね?よくない事言ったのは分かってるけど・・・あの人さ、プライド高そうじゃん・・・ああ、なんだっけ?ドイツの、日本人が多い所」 澤田:「デュッセルドルフですか?」 鈴谷:「そうそうそうそう、そん時もさ、『ま、それなりに教養あるんで』とか言って。やばくね?ちょっとイラッとしたわ」 三谷:「まあ確かに、金児さんちょっとプライド高そうだけど・・・でもこれは婚活パーティーだからさ、普段の素の自分をアピールして、相手に見てもらう事が目的なの」 鈴谷:「いやだからそうじゃん。俺も、普段の自分出しただけだから」 三谷:「まあ鈴谷さんからしたらそうだろうけど・・・」 鈴谷:「じゃあ別に俺間違ってなくない?だってこれが普段の俺だもん」 三谷:「いやでも、だからって相手を傷つけて良いわけじゃないからさ」 神城:「あの・・・私思うんですけど・・・皆さんの素、見てみたいです」 鈴谷:「ほら」 澤田:「え」 神城:「こういう場所ですから、やっぱり、皆さんの事もっと知りたいです」 三谷:「・・・まあね」 神城:「最初金児さんも仰ってましたけど、ここに来る方、男女問わず皆さん本気なので」 澤田:「本当、そうだと思います。三谷さんの言う通り、鈴谷さんのやり方はいいとは思わないですけど・・・取り繕ってもいつかボロは出るし・・・僕も素で、行こうと思います」 鈴谷:「作文かよ」 神城:「鈴谷さんも、ある程度のルールは守りながら、普段の自分で居てくださいね」 鈴谷:「・・・まあ、神城さんが言うなら。さすがに嫌われたくないし」 三谷:「もう嫌われてるよ」 鈴谷:「はあ!?んなわけないわ・・・ねえ神城さん、俺最初にポイント稼いだもんね?」 三谷:「だからポイントなんて無いって」 神城:「ふふふ、そうですね。でも、私の中ではありますよ?」 鈴谷:「ほら!」 澤田:「え、本当ですか?」 神城:「はい」 鈴谷:「え、俺今何ポイント?」 神城:「それは言えません」 鈴谷:「ええなんで〜、素でいくって言ったじゃん」 神城:「それとこれとは別です」 鈴谷:「まじかよ〜知りてえ」 三谷:「ポイントって、俺たちも入ってるの?」 神城:「はい、もちろん。勝手につけたりしてすみません」 三谷:「ああいやまあ、婚活だし・・・うん、ポイントあって当たり前か」 澤田:「・・・」 鈴谷:「はい三谷さん矛盾〜」 三谷:「うるさいな」 神城:「ちょっとお手洗い行ってきますね」 三谷:「ああ、いってらっしゃい・・・そう言えば金児さん遅いな」 鈴谷:「もう諦めたんじゃね?神城さんの前で恥かいたから。それかうんこ」 澤田:「・・・三谷さん、やっぱ気になります?」 三谷:「え?」 澤田:「神城さんのポイント」 三谷:「ポイント?俺が?」 澤田:「はい。さっき聞いてたので、気になってるのかなって」 三谷:「ああいやいや、気になるって言うか・・・」 澤田:「敬語も、どうされたんですか?」 三谷:「え?」 澤田:「神城さんに対して、タメ口だったんで」 三谷:「ああ・・・それは・・・」 鈴谷:「いやあまじで惚れたわ〜。サワっちゃんも惚れてるっしょ、正直」 澤田:「はい?」 鈴谷:「神城さん、惚れたっしょ?」 澤田:「いや惚れたとかそういうのは」 鈴谷:「いやいやいや格好つけんなさんなって。素でいくんだろ?」 澤田:「まあ・・・良い人だなぁ、とは思ってますけど」 鈴谷:「ほら」 澤田:「いやでもまだ、彼女自身のことは全然知れてないですし」 鈴谷:「なんそれ真面目かよ」 澤田:「いやでも婚活って、結婚を視野に入れてるわけじゃないですか・・・ノリでできるものじゃないですから」 鈴谷:「・・・うわ、これまじで勝ったわ」 澤田:「だから、それはわからないじゃないですか」 鈴谷:「いや多分あれ・・・俺の事好きだよ」 澤田:「はい?」 三谷:「何言ってんの」 鈴谷:「いや2人とも聞いて・・・?ああまあでもここで言うのはよくないか」 三谷:「なんだよ」 澤田:「いや良いですよ。言ってください」 鈴谷:「・・・正直、自己紹介タイムの時に手応えしか感じなかった」 三谷:「え?」 MC:「鈴谷陽介と神城優の自己紹介タイムの場合」 神城:「へえ鈴谷さん、インストラクターやられてるんですね」 鈴谷:「まあ・・・」 神城:「体格良いですもんね。なんか、ずっとスポーツやってたって感じ」 鈴谷:「ああまあ、そうだね」 神城:「どんなスポーツやられてたんですか?」 鈴谷:「ああ・・・水泳サッカー野球テニスバスケ柔道・・・ああ、あと空手」 神城:「へえ凄い。じゃあもう小さい頃からずっと?」 鈴谷:「まあね・・・でも全部長続きしなかったから」 神城:「好きじゃなかったんですか?」 鈴谷:「うーんっていうか、団体行動?そういうのが無理だから俺」 神城:「へえ、ちょっと意外です。鈴谷さん、ご友人とか多そうなイメージなので」 鈴谷:「ああ友達は多いよ?そうじゃなくて、部活の仲間?あれ、かたっくるしいじゃん」 神城:「確かに」 鈴谷:「こういうこと言うと、ここでは嫌われると思うけどさ・・・正直好きじゃないんだよね、こういう場所。スーツ着せられて、マジめんどくせえ」 神城:「え、鈴谷さんご友人の付き添いとかで来られたんですか?」 鈴谷:「いや付き添いっていうか・・・まあ、罰ゲームで」 神城:「罰ゲーム?」 鈴谷:「うん、職場の奴らとさ、ダンベルフライって言って大胸筋鍛えるやつがあるんだけど・・・それで負けて」 神城:「じゃあ、元々行きたくなかったんですか」 鈴谷:「そうだよー早く帰りてえ」 神城:「じゃあ・・・帰ればいいんじゃないですか?」 鈴谷:「・・・」 神城:「途中退席はNGですけど、鈴谷さんならそんなこと気にしなさそうですもんね」 鈴谷:「・・・言うじゃん」 神城:「まあ・・・それなりに」 鈴谷:「え何、もしかして神城さん強い?」 神城:「はい?」 鈴谷:「男慣れしてる?」 神城:「どうしてそう思うんですか?」 鈴谷:「初めてだから。帰ればって言った人・・・俺さっきまで他の人にもこういう話しててさ、大体皆俺の言うことに眉ひそめるだけだったから」 神城:「その見た目ですから、怖かったんじゃないですか?」 鈴谷:「うわひっど、さっきから言うね」 神城:「鈴谷さんも、女性を目の前にして帰りたいだなんて、酷いこと言ってますよ?」 鈴谷:「ああ・・・それは・・・ごめん」 神城:「・・・はい、許します」 鈴谷:「神城、さんね・・・」 神城:「はあ〜やっぱダメ〜」 鈴谷:「え?」 神城:「怖かったー、鈴谷さんなんでそんな威圧的なんですかー」 鈴谷:「え、あ、ごめん」 神城:「ごめんじゃないですよ〜本当に怖かったんですから」 鈴谷:「え、じゃあなんで言ったの?」 神城:「それは・・・えっと・・・帰って欲しくなかったから」 鈴谷:「え・・・」 神城:「・・・鈴谷さん、ちょっと怖いですけど、本音で生きてる人なんだって・・・羨ましくて、もっとお話ししたいなって思ってたので。なのに帰りたいって言うから、つい・・・」 鈴谷:「・・・俺と、話したいの?」 神城:「はい」 鈴谷:「マジで?」 神城:「・・・はい、話したいです」 鈴谷:「・・・ノリだけだよ?俺なんて」 神城:「良いじゃないですか、ノリだけって・・・私には無いものなので」 鈴谷:「・・・まじか」 MC:「フリータイム」 三谷:「それ本当?」 鈴谷:「マジっすよマジ、もう両思いでしょあの発言」 澤田:「・・・嘘ですよ」 鈴谷:「嘘じゃねえよ。ほらサワっちゃん、ちゃんと現実を受け止めて〜」 澤田:「いやだって神城さん僕に言ってましたし」 鈴谷:「なんて?」 澤田:「・・・」 鈴谷:「サワっちゃんにはなんて言ったの?」 澤田:「いや・・・安心、できるって」 鈴谷:「はいテンプレ〜、そんなん皆に言うって」 澤田:「他にも言われました・・・初めて出会ったって」 鈴谷:「そりゃそうでしょ、初めてなんだから」 澤田:「・・・」 鈴谷:「はあ燃えたわ〜、帰れって言われたときはマジで痺れたね」 三谷:「どこで痺れてるんだよ」 澤田:「ちょっと、トイレ行ってきます」 三谷:「ああ」 鈴谷:「いってらー」 三谷:「そうだ、良かったら金児さんも探してきてもらえる?」 澤田:「・・・はい」 鈴谷:「ええ良いっすよあんな奴、面倒臭いだけじゃないっすか」 三谷:「お前が言うな」 鈴谷:「うわお前呼ばわり」 三谷:「ああ後サワっちゃん」 澤田:「え、ああはい」 三谷:「神城さんのドリンク無くなってるから、それも帰りに持って来て。彼女多分、化粧直しもしてるから帰ってくるの時間かかりそうだし」 澤田:「ああ・・・わかりました」 MC:「喫煙所にて」 金児:「・・・終わったなぁ」 神城:「金児さん」 金児:「あ、え、神城さん。どうしたんですか」 神城:「煙草、1本くれません?」 金児:「ああ、はい・・・神城さん、吸われるんですか?」 神城:「ありがとうございます・・・普段はそんなにですけど、たまに」 金児:「そうですか・・・まあでも、吸いそうですね」 神城:「そうですか?」 金児:「はい。裏表がはっきりとしている方なので」 神城:「うふふ、金児さんに対しては裏で接してますよ?」 金児:「え、それはどういう・・・」 神城:「分からないですか?」 金児:「あいえ・・・なんとなくは、分かります・・・ありがとうございます」 神城:「・・・うふふ、本当に真面目ですね」 金児:「ああ・・・真面目、過ぎますかね?」 神城:「良いと思いますよ?魅力的です」 金児:「それは、どうも・・・」 神城:「・・・怒ってます?鈴谷さんの発言」 金児:「いえ、別に」 神城:「じゃあなんで席に戻らないんですか?」 金児:「いや・・・もう良いかなって」 神城:「もう良いって・・・婚活、諦めたんですか?」 金児:「諦めたって言うか・・・」 神城:「じゃあ私もここに居よ」 金児:「え?」 神城:「金児さん会場に戻らないんですよね?じゃあ私も」 金児:「そうですけど・・・大丈夫なんですか?」 神城:「何が?」 金児:「だって、他の男性が居るし」 神城:「聞いてました?」 金児:「はい?」 神城:「金児さんだけに、本音で接してるんですよ?」 金児:「あ・・・え」 神城:「・・・なんて、ごめんなさい。邪魔でしたね。」 金児:「え」 神城:「なんか気使わせちゃったみたいですみません。戻りますね」 金児:「あ、ちょっと待って、ください・・・」 MC:「金児篤と神城優の自己紹介タイムの場合」 神城:「金児さん、教習所の先生なんですね」 金児:「はい。毎日、車の乗り方教えてます。神城さんは?」 神城:「はい、持ってます」 金児:「ああいや、職業のことを・・・」 神城:「高校卒業してすぐに取りに行ったんですけど、マニュアル取らなきゃよかったって後悔しました」 金児:「マニュアル・・・え、それはどうして?」 神城:「だって、複雑じゃないですか。ギアとか、クラッチとか」 金児:「ああ、まあ最初は誰でも苦手ですよ」 神城:「せっかく取ったのに車ほとんどオートマだし」 金児:「確かに、今の時代だったらオートマで済みますからね」 神城:「うーん・・・」 金児:「ああごめんなさい。自己紹介ですよね、神城さんのことも聞きたいです」 神城:「私のこと・・・」 金児:「はい」 神城:「じゃあ・・・どう思います?体が先の関係って」 金児:「え?」 神城:「恋愛観の話です」 金児:「ああ・・・」 神城:「男の人って、女性に対して求める心理的アクセスが少ない気がするんですよね」 金児:「心理的アクセス、と言うと」 神城:「心と心で繋がれてるかっていう事です」 金児:「ああ」 神城:「比較的女性の方がそういった繋がり方を求める事が強いと思うんですけど」 金児:「はい」 神城:「だからと言って、体の関係が少ないって、やっぱり寂しいし」 金児:「まあそれは、確かにそうですね」 神城:「はい。だから、私もまずは体の関係を築いてから、お互いの距離を近づける様にしてるんです。付き合うまでの判断材料が多くて悪いことはないですから」 金児:「それは・・・間違ってはないと思います」 神城:「本当ですか?」 金児:「はい」 神城:「良かった」 金児:「でも、それが癖になってしまったら」 神城:「それはないです。満足するためだけにしている事ではないので」 金児:「そうですよね、すみません」 神城:「いえ、こういう考え方って、言葉にすると非難されやすいので」 金児:「・・・でも、変な言い方ですけど、こういう婚活だと、お互い対話のみで判断しなきゃいけないじゃないですか?そういう時は、どうされるんですか?」 神城:「あ、それ聞きます?」 金児:「え」 神城:「さっき私が言った事って、この場所では矛盾するじゃないですか?」 金児:「まあ、そうですね。だから、気になって」 神城:「じゃあ、今金児さんが考えている事が、その答えです」 金児:「ああ・・・あはは・・・え」 神城:「嫌いですか?そういう女性?」 金児:「ああいや、嫌いとかではないですけど。え、ちょっと待ってください。この話、他の人にも?」 神城:「いえ、金児さんだけです」 金児:「あ・・・僕だけ・・・」 神城:「はい」 金児:「僕、だけ・・・」 神城:「・・・はい」 MC:「喫煙所にて」 神城:「はい?」 金児:「・・・真面目、ではないんです、僕。プライドだけ一丁前っていうか」 神城:「・・・」 金児:「鈴谷さんに澤田さんとの差をつつかれて、腹が立ったのは本当です。でも、それよりもそこで軽く笑う事すら出来なかったことの方に腹が立ってるというか」 神城:「ふふふ・・・金児さん、本当に真面目ですね」 金児:「真面目、ですかね・・・」 神城:「はい。それで、言いたいことはそれですか?」 金児:「あ、いや・・・仰っていたから、恋愛観の話で」 神城:「付き合う前のことについてですか?」 金児:「はい。女性の口から聞いたのは初めてでしたけど、その考え方、とてもわかるので」 神城:「・・・嬉しいです」 金児:「はい、だから・・・僕は、神城さんと凄く相性が合うだろうなって」 神城:「それって・・・そういう風に受け取っても良いんですか?」 金児:「はい・・・そう受け取ってもらえると」 神城:「うふふ、嬉しいです」 金児:「あはは」 神城:「これ・・・」 金児:「え」 神城:「触っていいですか?」 金児:「え!?」 神城:「金児さん、おっきそうだなって思ってたんです」 金児:「え・・・いや・・・」 神城:「今私、最低なこと言ってますけど・・・それでもそう思ってくださるんですか?」 金児:「あ、ああ・・・全然・・・嬉しい、です」 神城:「うふふ・・・じゃあ金児さん、今日は生徒になってください」 金児:「あ、え?・・・あ、はい・・・ああ」 神城:「ローギアから、セカンドに入れて・・・」 金児:「ああ・・・あ・・・」 神城:「このまま高速に出たいですけど」 金児:「あ・・・4速以上にしないと、危ないかも」 神城:「うふふ、そうですね。でも、それだと外すら走れなくなりますよ?」 金児:「ああ・・・確かに」 神城:「金児さん」 金児:「あ・・・はい・・・」 神城:「戦ってください」 金児:「え?」 神城:「鈴谷さんと」 金児:「どういう事ですか?」 神城:「私、強い男性が好きなんです」 金児:「強い、男性?」 神城:「鈴谷さんが乱入してきてから、つまらないんです。やっつけちゃってください」 金児:「え・・・やっつけるって」 神城:「金児さんの、強いところ・・・見たいな」 金児:「・・・」 神城:「ダメですか・・・?」 金児:「・・・わかりました」 澤田:「あ、居た」 金児:「あ・・・」 澤田:「金児さん神城さん、会場戻らないんですか?」 神城:「ええ、戻ります」 金児:「よし、やるぞ」 澤田:「え?」 金児:「先会場戻ってます」 澤田:「あ、はい」 神城:「私吸い終わったら戻りますね」 澤田:「金児さん、どうされたんですか?」 神城:「なんか、闘争心でたみたいです」 澤田:「え・・・」 神城:「澤田さんは、どうされたんですか?」 澤田:「あいや、三谷さんが2人探してきてって・・・というか、神城さん、煙草吸われるんですか?」 神城:「ああこれは、金児さんがいらっしゃたので・・・」 澤田:「そうですか・・・」 神城:「皆さん待ってるんですよね?じゃあ行きます」 澤田:「あ・・・あの」 神城:「はい」 澤田:「この歳で、経験がないって・・・変ですかね?」 神城:「あ、さっきのこと・・・気になさってたり?」 澤田:「あ、いや」 神城:「すみません。そんなつもりは無かったんですけど」 澤田:「ああ、まあ大丈夫ですけど」 神城:「もしかして、傷ついてました・・・?」 澤田:「ああ全然。言われ慣れてるんで、大丈夫です」 神城:「でも、私は好きですよ?」 澤田:「え」 神城:「そういう男性って、付き合ったら自分色に染められるっていうか」 澤田:「ああ・・・」 神城:「澤田さんの魅力でもあると思います」 澤田:「ありがとう、ございます」 神城:「そのままでいいんですか?」 澤田:「はい?」 神城:「三谷さんにいい様に使われて」 澤田:「え」 神城:「今も、三谷さんに言われてきたんですよね?」 澤田:「ああ、はい」 神城:「私、ちょっとあの人苦手で」 澤田:「そうなんですか?」 神城:「だって、人のこと顎で使う感じで・・・私に急にタメ口で話してきましたし」 澤田:「そう。そうですよね・・・最初、僕にも敬語だったんですけど、なんか知らない間にサワっちゃんとか鈴谷さんみたいな事言い出してきて」 神城:「でも・・・」 澤田:「はい」 神城:「三谷さんも、鈴谷さんも、ちょっと苦手なタイプなんですけど・・・でも正直、男性的な魅力だけで言うと」 澤田:「え、あ、やっぱり僕より・・・ありますか?」 神城:「うーん・・・正直」 澤田:「ああ・・・そう、ですよね」 神城:「うふふ、ごめんなさい。でも魅力的ですよ?澤田さんも」 澤田:「ええ・・・それは、どっち、ですか?」 神城:「私も分からないです。ただ今の率直な感想を言うと、皆さん、良いところと悪いところが色んな大きさで見え隠れするなって」 澤田:「そう、ですか・・・」 神城:「はい」 澤田:「・・・ポイントは?」 神城:「え?」 澤田:「神城さんの、僕のポイントは?」 神城:「うふふ、どうされたんですか?燃えてきました?」 澤田:「はい。悔しいので・・・三谷さんに、勝ちます」 神城:「本当ですか?」 澤田:「はい」 神城:「じゃあ・・・勝ってください」 澤田:「はい」 神城:「見てますから、澤田さんのこと」 澤田:「・・・頑張ります」 神城:「まあ・・・ここまで育てたんで」 澤田:「はい?」 MC:「フリータイム」 金児:「いや、だからね!?そのルールに従わない姿勢が問題だって言ってるんですよ!」 鈴谷:「知らねえよなんだよルールって」 金児:「常識ですよ!婚活パーティー関係なく初対面の反応じゃないでしょう!」 鈴谷:「いやだから、ノリって言葉知らない?硬い空気壊してやったんじゃん」 金児:「だからって相手を傷つけていいことにはならないですから!」 鈴谷:「かてぇ!かてえよ〜まじ教習所のやつだわ」 金児:「はあ!?」 三谷:「鈴谷さん言い過ぎですよ」 鈴谷:「いやいやいやいや」 金児:「言い過ぎってレベルじゃありません、トチ狂ってますよこの人」 鈴谷:「は?」 三谷:「おい」 澤田:「三谷さん」 三谷:「あ、サワッちゃんいいとこ来た。この2人止めてヤバいって」 澤田:「サワッちゃんってなんですか」 三谷:「え?」 澤田:「童貞ネタで気引いたんですか?」 三谷:「え、何?」 澤田:「僕のフォローするとか言って、結局神城さんにゾッコンじゃないですか」 三谷:「何言ってんの?」 澤田:「いじめる人って大人になっても変わりませんよね?」 三谷:「は?何お前」 澤田:「だから!格好つけて僕利用しないでくださいよ!まじでダサイっすからそれ!」 三谷:「いやしてないって何それ」 MC:「はいはーい!喧嘩はやめてくださーい」 金児:「だから!本気で婚活してる人の邪魔なんで!あんたみたいな人!」 鈴谷:「プライドたけぇ〜ダセェ〜!人それぞれだわぁ〜ウゼェ〜!」 金児:「その言葉はTPOわきまえてる人間が言うもんだ!」 鈴谷:「黙れマニュアル人間」 三谷:「言わせてもらうけど、サワッちゃん会話できてないからね?無意識に人見下してるから」 澤田:「そんなことしてませんよ!」 三谷:「してるしてる、どんなやつでもイラッとはするから」 澤田:「神城さんは言ってくれましたよ!僕のこと安心する人だって!」 三谷:「は?」 澤田:「ねえ神城さん!?」 金児:「あれ・・・」 鈴谷:「神城さんは?」 三谷:「え・・・」 澤田:「いない・・・」 MC:「喧嘩はやめましょうねー。婚活パーティーですよー」 澤田:「どこ行ったんだろ・・・」 MC:「会場の外にて」 神城:「ああ〜今日も育てたぁ〜・・・やっぱ気もちぃぃぃぃ!」

三谷:「・・・どうも」 澤田:「はい・・・ああ!えっと・・・」 三谷:「あの、前の。世田谷の」 澤田:「あ、街コンの」 三谷:「そうっすそうっす」 澤田:「・・・え、今日はなんで」 三谷:「いや、澤田さんと同じですよ」 澤田:「ああ、そうですよね」 三谷:「・・・前の街コン、良い人いました?」 澤田:「いやあ、居なかったので、ここ来てるんです」 三谷:「ああまあ、そうっすよね」 澤田:「えっと・・・」 三谷:「三谷です」 澤田:「あ、三谷さん。確か、営業でしたよね?」 三谷:「はい、不動産です」 澤田:「最近はどうですか?去年コロナ流行ったじゃないですか」 三谷:「そうですね、なかなか以前のようにうまくはいかないですね」 澤田:「やっぱどこもそうですよね」 三谷:「澤田さんは・・・確かトヨタでしたよね」 澤田:「ああはい」 三谷:「トヨタくらいになるとコロナとか関係なかったなんじゃないですか?」 澤田:「いや・・・めちゃくちゃ落ちました」 三谷:「ああやっぱ、流石に」 澤田:「まあでも、収束してからは結構持ち直してて」 三谷:「ほお」 澤田:「なんか中国とアメリカでうちの製品の需要がやばいみたいで」 三谷:「へえ」 澤田:「それで、コロナが流行する前より生産が上がってたり」 三谷:「そっか、やっぱ車って凄いんだな」 澤田:「まあでも、景気回復って意味で考えるとどの職種でも上手く回るんじゃないですかね」 三谷:「ああ・・・」 澤田:「実質、コロナ不況ってその時期は最悪でしたけど、まあ徐々に回復するのは見えてた感じしましたしね」 三谷:「ああそう、なの?」 澤田:「はい。バブル崩壊とかリーマンショックとかって、その瞬間にお金が無くて需要そのものが落ちたって感じじゃないですか」 三谷:「うん」 澤田:「今回のは単純に、『買えるけど、外に出られないから買えない』っていう表面上の理由で、需要そのものが無くなっていった訳じゃないんですよ。自粛が解けた時点でやっぱ回復は速かったですし」 三谷:「おお、まあそうか」 澤田:「例えばロシアとか、コロナで一旦車の生産ストップしたんですけど、ルーブルの為替レートが下落していったんで、資産運用の手段として車がたくさん売れたんですよ」 三谷:「・・・うん・・・ああ、そっか」 澤田:「はい」 三谷:「・・・うん・・・え、る、るーぶる?」 澤田:「はい」 三谷:「ルーブルって・・・あれ、あの・・・美術館」 澤田:「あ、いや・・・あの、日本で言う円です」 三谷:「あ・・・ああ、ルーブルね・・・うん」 澤田:「・・・」 三谷:「・・・」 澤田:「やっぱ、営業ってなると難しいものなんですかね?」 三谷:「うーん、そうだね」 澤田:「ああ・・・」 三谷:「・・・」 澤田:「・・・」 三谷:「いや・・・え、知ってるよ?」 澤田:「はい?」 三谷:「ルーブル」 澤田:「ああ・・・はい」 三谷:「うん・・・ロシアのね」 澤田:「まあ正確には、ロシア・ルーブルですけど」 三谷:「ああ・・・」 澤田:「はい」 三谷:「・・・え、なんで今、正確に言ったの?」 澤田:「え」 三谷:「いやなんで澤田さん、正確に言い直したのかなって」 澤田:「ああ・・・A型、だからですかね?」 三谷:「あ、澤田さんが?」 澤田:「はい」 三谷:「おお・・・A型なんだ」 澤田:「はい」 三谷:「・・・B型」 澤田:「あ、三谷さんが」 三谷:「うん・・・」 澤田:「ああ、そう、なんですね・・・」 三谷:「うん」 澤田:「・・・」 三谷:「・・・」 澤田:「あれ、え僕なんか変なこと言いました?」 三谷:「いやいやいや・・・何ていうんだろう。うん・・・言った、のかな?」 澤田:「ああなんかすみませんそういうつもりじゃなかったんですけど」 三谷:「ああでもそういうつもりじゃなくても・・・ね?そういう風に伝わることは、あるから」 澤田:「ああ・・・なんか、勉強になります」 三谷:「・・・勉強」 澤田:「・・・はい」 三谷:「ああ・・・」 MC:「ええ皆様、お待たせ致しました。本日は晴天にも恵まれ、我々株式会社バルバジャパン主催の婚活パーティー『ふれあいの場』にお越しくださり誠にありがとうございます。幸福になる一つの方法として、人を愛すること、そのような言葉を胸に我々は定期的にこのような会を設けております。1人でも多くの方が幸せになれるよう、心から祈っております。それでは、只今から自己紹介タイムを始めたいと思います。ええ皆様、自分の番号札に書いてある数字と同じ席にお座りください。女性の方は奥側の席、男性の方は手前の席にお座りください。」 澤田:「じゃあ・・・」 三谷:「ああ、また」 MC:「はい、大丈夫そうですかね。では今から、1対1、3分間の自己紹介タイムを設けさせていただきます。ええ3分間の間、記入したプロフィールカードをお渡しして自己紹介をお願いします。3分間経ちましたらわたくしが合図を出しますので、男性の方はそれを合図に隣の席へ移動お願いします。それでは、バルバジャパン主催婚活パーティ『ふれあいの場』、始めさせていただきまーす。では、スタートでーす」 澤田:「こんにちは、お願いします」 神城:「お願いします」 澤田:「じゃあ・・・プロフィールカード」 神城:「はい」 澤田:「カミシロ、ユウさん」 神城:「はい。えっと、サワダリョウさん」 澤田:「はい、そうです」 神城:「自動車メーカーで勤務されてるんですね」 澤田:「はい、車両の監査をメインに」 神城:「なんか、凄いイメージ湧きます。車、お詳しそうで」 澤田:「あはは、まあ結構好きなんで」 神城:「監査っていうと、車の修理とかですか?」 澤田:「ああ、というより車両の開発段階での不具合とか、品質のチェックですね」 神城:「へえ、なんかかっこいいですね」 澤田:「いえいえ、何とかついていってる感じです」 神城:「え、ちなみになんですけど、どこのメーカーさんなんですか?」 澤田:「一応、トヨタです」 神城:「え、すごい」 澤田:「いや僕は、その中でも下ですね」 神城:「それでも凄いですよトヨタって」 澤田:「ああまあなんか、そう言われてたり、しますね」 神城:「良いなあ・・・そういう方が旦那さんだったら安心できますね」 澤田:「え」 神城:「ああごめんなさい。なんか玉の輿狙ってるみたいで」 澤田:「いえいえいえ、でも・・・お金には、ちょっとだけ自信あったり・・・しますね」 神城:「うふふ。確かに、プロフィールカードの年収欄、他の男性の方が見たら嫉妬しますね」 澤田:「あはは、そこだけ自信あります」 神城:「・・・澤田さんなんか、ちょうど良いですね」 澤田:「ちょうど良い?」 神城:「ああなんていうんでしょう、お金持ってる男性って、結構傲慢だったりとかそういうイメージあるじゃないですか」 澤田:「ああ、確かにありますね」 神城:「こういうとあれですけど、澤田さんあんまりこういう場所慣れてなさそうな感じがして」 澤田:「あ、え・・・わかります?」 神城:「はい」 澤田:「そっか・・・」 神城:「いやでもそれが結構私的には、安心というか」 澤田:「安心」 神城:「はい、私も慣れてなくて・・・こういうの」 澤田:「あ・・・そうなんですか」 神城:「澤田さん、結構・・・良い人だから、嬉しいです」 澤田:「・・・ああ、ありがとうございます」 神城:「いえ、こちらこそ」 澤田:「あ、そうだ。神城さんの自己紹介も・・・」 神城:「ええ!?」 澤田:「はい?」 神城:「澤田さん、『君に届け』好きなんですか?」 澤田:「え、あ、はい」 神城:「私大好きなんですよ。あれ本当良いですよね」 澤田:「あ、神城さんも好きなんですか?」 神城:「はい。一番好きかもしれないです」 澤田:「高校生の頃アニメで見て面白くて、それから漫画をブックオフでまとめ買いしたくらいで」 神城:「へえ、澤田さんなんか乙女」 澤田:「いやあ、その頃は純粋でしたから」 神城:「・・・今は?」 澤田:「え」 神城:「今は純粋じゃないんですか?」 澤田:「・・・いや、まだ・・・純粋かもしれないです」 神城:「・・・なんか、初めて出会ったかもしれないです」 澤田:「え」 神城:「ああいえ、なんでもないです。気にしないでください」 澤田:「・・・はい」 MC:「はい、では男性の方はお隣の席へ移動お願いします。一番端の席の方はお手数ですがこちらの手前の席まで移動の方お願い致します。女性の方はそのままお席にお座りくださーい」 神城:「時間ですね」 澤田:「ですね」 神城:「じゃあまた、フリータイムで」 澤田:「え、あ・・・はい!」 神城:「あ、プロフィールカード」 澤田:「ああ、そうだ忘れてた。楽しくて、うっかり」 神城:「私も」 澤田:「・・・じゃあまた」 神城:「また」 MC:「自己紹介タイム終了。会場にて」 澤田:「あ、三谷さん」 三谷:「ああ澤田さん」 澤田:「どうでした?」 三谷:「うーん、まあ今回もダメかな」 澤田:「あ、そうでした?結構良い感じの女性いましたけどね」 三谷:「うん・・・いやここだけの話ね、俺結構婚活パーティー行ってるからさ、何だろう。理想が高くなるっていうか、参加するたびに思うんだよね、自分に合った女性居ないなーって」 澤田:「ああ、そういうもんですかね」 三谷:「まあ俺はね、澤田さんはどうだったの?」 澤田:「ああ・・・なんでしょう、いや僕も見つからなかったですね」 三谷:「・・・そっか」 澤田:「まあでも3分間だけですしね、この後のフリータイムが肝心ですもんね」 三谷:「うん・・・あれまた気使った?」 澤田:「え?」 三谷:「いやだって、結構良い女性いたんでしょ?」 澤田:「いや・・・まあ」 三谷:「いや良いよ本当に、そういうの俺全然気にしないから。澤田さんの方でいい人居たなら居たで、それはすごく喜ばしい事じゃん」 澤田:「・・・はい」 三谷:「まあでも確かに、3分間だけじゃ分かんないからね」 澤田:「そうですよね」 三谷:「そもそもさ、回転ずし方式が嫌いなんだよね」 澤田:「え、何ですかそれ」 三谷:「え知らないの?」 澤田:「はい」 三谷:「まあだから、男性がネタで女性がそのネタを吟味する、いわゆる回転ずし」 澤田:「あ、このやり方が」 三谷:「そうそうそう」 澤田:「ああそうなんですね、そんな呼び方するんだ」 三谷:「いや俺自分で言うのもなんだけどさ、結構話すの得意な方だからこういうのいらないんだよね。初っ端からフリータイムの方が上手くいくっていうか」 澤田:「ああでも、僕的にはこっちの形の方がやりやすいですね」 三谷:「あそう?」 澤田:「はい、前の街コン、ただグループになって喋るだけだったじゃないですか」 三谷:「ああ、そうだったね」 澤田:「ああいうフリーな空間僕苦手なんですよね」 三谷:「ああ・・・確かに、ちょっと苦手そう」 澤田:「え、やっぱ見えます?」 三谷:「ああいやいやごめんごめん、別に奥手そうとかは見えないけど」 澤田:「やっぱ変ですかね、彼女できた事ないのって」 三谷:「あそうなの?」 澤田:「はい」 三谷:「そっか、そうなんだ・・・まあ別に変じゃないけど。珍しいね」 澤田:「雰囲気的に分かりますかね」 三谷:「まあなんだろ、ちょっとそういう、あんま言葉よくないけど・・・童貞感?否めないかな」 澤田:「ああ・・・」 三谷:「因みにさ、どの子狙ってんの?」 澤田:「ああえっと・・・5番の女性ですね。あそこに座ってる」 三谷:「ああー、あの人ね」 澤田:「分かります?」 三谷:「うん。印象には残ったかな」 澤田:「僕には高嶺の花ですかね」 三谷:「はは、そんな事ないと思うよ?」 澤田:「いやあ・・・」 三谷:「じゃあ、手伝おうか?」 澤田:「え」 三谷:「俺多分今日も無理だからさ、フリータイム手伝うよ」 澤田:「いいんですか?」 三谷:「うん、全然」 澤田:「ありがとうございます」 三谷:「名前なんだったけ?」 澤田:「ああ、神城優さんです」 三谷:「ああそうだそうだ。神城優・・・神城優ね」 鈴谷:「狙ってんすか?」 三谷:「え?」 鈴谷:「あの人、5番の」 三谷:「あ、いや。僕じゃなくて・・・澤田さんが」 鈴谷:「あ、澤田さん?」 澤田:「はい」 鈴谷:「え、狙ってんすか」 澤田:「狙ってるっていうか・・・まあ」 鈴谷:「いや良いっすよね」 澤田:「ああ・・・そうですね」 三谷:「えっと、鈴谷さん、で良いですか?」 鈴谷:「ああすみませんなんか急に、そうっす」 三谷:「鈴谷さんも、あの5番の・・・」 鈴谷:「神城さんっすよね、もう名前あの子しか覚えてないっすよ」 三谷:「まあ確かに、印象的な女性でしたよね」 鈴谷:「いやていうか、顔面ダントツじゃないですか?」 三谷:「ああ・・・まあ確かに」 澤田:「間違い無いです」 鈴谷:「雰囲気も良いし。分かりません?学生の頃の初恋思い出すみたいな」 三谷:「ああ」 澤田:「いやそれです。本当そうだと思います」 鈴谷:「でしょ・・・?あ、じゃあ、ライバル?」 澤田:「はい?」 鈴谷:「いや澤田さん。俺の、ライバル」 澤田:「あ、あはは・・・ああ、そうなりますね」 鈴谷:「ああ・・・ライバル」 澤田:「はい?」 鈴谷:「いや・・・ライバルか・・・」 澤田:「え、なんですか?」 鈴谷:「ああまあ・・・いやあ・・・これ勝ったなって」 澤田:「え?」 三谷:「鈴谷さん、そういうのは良くないと思いますよ」 鈴谷:「いやいやいや冷静に考えて。俺と、澤田さん。良い感じなのどっち?」 三谷:「良い感じ?」 鈴谷:「だから、イケメン的な」 澤田:「いやまあそういうのは、ねえ。婚活ですから」 三谷:「まあそうだね、顔だけじゃ無いからね」 鈴谷:「いやだからだから、そういうの抜きにして」 三谷:「はい?」 鈴谷:「抜きにして」 三谷:「・・・抜きにして?」 鈴谷:「抜きにして」 三谷:「・・・鈴谷さん」 鈴谷:「よっしゃ!」 澤田:「ええ・・・」 三谷:「いやいや違うよ?結婚とかそういうの抜きにして冷静に顔だけで判断したらって話」 澤田:「いやそれ余計に傷つくんですけど」 鈴谷:「まあまあまあサワっちゃん。男は顔だけじゃ無いからさ」 澤田:「サワっちゃん・・・」 鈴谷:「因みにサワっちゃん年収は?」 澤田:「はい?」 鈴谷:「良いじゃん良いじゃん。プロフィールカード見せてよ」 三谷:「鈴谷さん」 鈴谷:「いや気になるからやっぱライバルは」 澤田:「・・・まあ良いですけど」 鈴谷:「・・・」 澤田:「・・・」 鈴谷:「・・・まあね、男は最終的には顔だから」 澤田:「さっきと言ってること真逆じゃないですか」 MC:「皆様ー大変お待たせいたしました。これよりフリータイムのお時間をとらせていただきます。先ほど行いました自己紹介タイムで気になった方と、じっくりお話を楽しんでください。今スタッフがドリンクを配って回っておりますので、皆様全員受け取られましたらフリータイムの方を始めさせていただきたいと思います。前のドリンクコーナーに、ソフトドリンク、各種ドリンクがありますのでご自由にお取りください。お料理は皆様から向かって左手に各種ご用意させてもらっています。また本社はですね、ドイツのデュッセルドルフという街に支店を置いております。日本食もございますが、ドイツ料理も並んでおりますので、ご堪能ください」 鈴谷:「おっし、フリータイムじゃ」 澤田:「じゃあ三谷さん、お願いしてもいいですかね」 三谷:「ああ、うん」 MC:「皆様ドリンクはお受け取りいただけましたでしょうか・・・?大丈夫そうですかね?それでは皆様、フリータイム存分にお楽しみください。本日の新しい出会いに、カンパーイ!」 三谷:「うわ、鈴谷さんもう行ってる」 澤田:「あ、本当だ。はや」 神城:「やっぱり、相性の不一致って大きいですよね」 金児:「そうですね・・・付き合ってみてからっていうのも怖いですし」 神城:「私的には付き合う前が一番重要だと思ってます」 金児:「やっぱり、そこは相性を確める為に?」 神城:「はい」 鈴谷:「あれ、先約いた?」 神城:「あ・・・」 鈴谷:「よ」 金児:「神城さんはどう思います?大人の恋愛って」 神城:「え、ああ。それはやっぱり憧れ抱きます。でも・・・」 鈴谷:「おーいちょちょちょちょ、無視しないで3人で話しましょうよ」 金児:「はい?」 澤田:「あ、ちょっと・・・僕も」 鈴谷:「でたライバル・・・あれあんたも?」 三谷:「あんたもって・・・あいや僕は、澤田さんの付き添いで」 金児:「付き添い?」 三谷:「まあ付き添いっていうか、とりあえず」 金児:「あの、遊び感覚で来てるんでしたらやめた方がいいですよ。皆さん本気なんで」 三谷:「ああ(苦笑い)」 鈴谷:「いや堅い堅い堅い」 金児:「はい?」 鈴谷:「えっと・・・カネジさん?」 金児:「カネコです」 鈴谷:「ああまあなんでも良いけど、そういうのじゃないもんね?神城さんは」 神城:「ええ、賑やかなのは楽しいです」 鈴谷:「でしょ?」 金児:「はあ・・・まあ良いですけど」 神城:「ちょっと男女の比率偏ってますけど、せっかくですから皆さんと沢山お話ししたいです」 鈴谷:「よし!じゃあ改めて乾杯しましょう」 澤田:「え、さっきしましたけど」 鈴谷:「おおサワっちゃんストップ、まずいよその発言。冷めるよ?」 澤田:「え」 金児:「もう良いから、乾杯するならするで早くしましょう」 鈴谷:「カネジさんも、冷めるって」 金児:「カネコ」 神城:「うふふ」 鈴谷:「お、笑った!よっしゃ俺1ポイント〜」 澤田:「え、ポイント制なんですか?」 鈴谷:「そうだよ〜」 三谷:「そんなのないよ」 神城:「うふふ、面白いですね皆さん」 鈴谷:「まあていうか、俺ね?」 神城:「・・・乾杯しましょう。なんか、すごく楽しめそうなので」 金児:「そう、ですね」 澤田:「はい」 鈴谷:「よっし、じゃあ・・・」 神城:「あ、私いいですか?」 鈴谷:「え、ああ」 金児:「まあ、神城さんの乾杯なら」 澤田:「そうですね」 神城:「やっぱりこういうのって、時には窓を開ける人も必要ですから・・・」 三谷:「ん?」 鈴谷:「何それ、格言?」 神城:「・・・乾杯」 澤田・三谷・鈴谷・金児:「・・・乾杯」 MC:「澤田凌、自動車メーカー勤務、28歳、男・・・三谷浩二、不動産営業、35歳、男・・・鈴谷陽介、インストラクター、30歳、男・・・金児篤、教習指導員、32歳、男・・・神城優、女・・・婚活式男女恋愛活劇。『どくそ』」                  鈴谷:「え、神城さんドイツ生まれなん?」 神城:「いえ、日本生まれです。子供の頃少しだけドイツに居たってだけで」 三谷:「へえ、親御さんの仕事とかで?」 神城:「はい」 金児:「このパーティーを主催してる会社もドイツに支店があるんですよね?」 三谷:「そうみたいですね」 神城:「どこでしたっけ」 澤田:「デュッセルドルフ ・・・だったよな」 金児:「ああ、日本人が多いところですね」 神城:「そうなんですか?」 金児:「はい、日本企業の進出が盛んな街なんですよ」 三谷:「へえ」 神城:「そうなんですか、よくご存知ですね」 金児:「まあそれなりに、教養はあるんで」 鈴谷:「なんそれ」 三谷:「やっぱドイツとかでも車売れるの?」 澤田:「・・・」 三谷:「澤田さん?」 澤田:「・・・はい?」 三谷:「ああ・・・車、ドイツとかでも売れるのかなって、澤田さんそういうの詳しいでしょ?」 神城:「トヨタ勤務、ですもんね」 鈴谷:「え、マジ?」 金児:「そうなんですか?」 澤田:「ああ・・・はい」 鈴谷:「へえ」 澤田:「そうですね、ヨーロッパだとそこまで売れないですね。そこだと1.5倍くらいの値段になるので」 三谷:「そうなんだ」 鈴谷:「ふーん」 神城:「そういえば、金児さんもご職業・・・」 澤田:「あ、そうなんですか?」 金児:「ああいや、僕は教習所で、指導を」 三谷:「へえ、じゃあ教官ですか」 金児:「はい、まあ」 神城:「車つながりですね」 金児:「そう、なりますね」 鈴谷:「ああじゃあ何?サワっちゃんってやっぱ凄いんだ」 澤田:「はい?」 鈴谷:「だってさ、サワっちゃん車作ってんでしょ?で、カネジさんは・・・」 金児:「金児です」 鈴谷:「その車に乗って運転教えてるんでしょ?じゃあサワっちゃんの方が凄いじゃん」 金児:「・・・」 鈴谷:「・・・」 金児:「・・・はは、え今なんて?」 鈴谷:「いやだから、車作ってるサワっちゃんが、その車乗ってるカネジさんより凄い仕事してるって・・・」 金児:「は?」 三谷:「あはは・・・ああちょっ、ちょっと待ってね鈴谷さん」 鈴谷:「何?」 三谷:「何って・・・いやあのね、仕事に優劣とかないから」 澤田:「そうですよ」 鈴谷:「ああいや違うよ?カネジさんの仕事が劣ってるとかそういうんじゃないよ?単純に、カネジさんよりサワっちゃんの方が凄い仕事してるんだなって。普通に感心しちゃってさ」 三谷:「・・・ん?」 金児:「あのさ・・・」 神城:「あ、皆さんドリンク切れてますね。どうされます?」 三谷:「ああそうだね、持ってこよう。ほら、鈴谷さん、澤田さんと行ってきて」 鈴谷:「え、なんで俺?」 澤田:「僕もですか?」 三谷:「良いから、早く・・・ああ後、食べ物も」 鈴谷:「注文多くね?」 三谷:「良いから」 鈴谷:「はーい」 三谷:「・・・」 金児:「・・・」 三谷:「はあ・・・」 金児:「あれ、なんなんですか?」 三谷:「いやあ、なんか変わってますよね」 金児:「友達ですか?」 三谷:「いやいやいや友達とかじゃないですよ。フリータイム始まる前に僕にも近寄ってきて、正直困ってます・・・あれ多分、高卒ですね」 金児:「僕も、高卒ですけど」 三谷:「え、あ・・・ああそれは・・・すみません」 金児:「ちょっと、お手洗い行ってきます」 三谷:「はい・・・」 神城:「・・・」 三谷:「・・・」 神城:「なんか、大変ですね」 三谷:「ああ・・・困ったもんですね」 神城:「・・・私には、タメ口使われないんですか?」 三谷:「え・・・」 神城:「澤田さんと鈴谷さんにはタメ口だったので」 三谷:「ああ・・・そう・・・だね。え、タメ口の方が良かったりしま・・・ああ、する?」 神城:「・・・はい」 三谷:「そっか・・・じゃあ、そうしよっかな」 神城:「やっぱり、そっちの方が良い感じです」 三谷:「本当、じゃあ・・・タメ口で」 神城:「はい」 MC:「三谷浩二と神城優の自己紹介タイムの場合」 神城:「三谷さん、不動産業なんですね」 三谷:「はい、まあ営業で外走ってばっかですけど」 神城:「不動産って、結構ブラックだって聞きますけど、そうなんですか?」 三谷:「ああ、まあ確かに。でもうちは歩合制なんで自分の能力次第ですね、そこの判断は」 神城:「じゃあ、三谷さんは良いほうなんですね」 三谷:「あはは、まあそうですね・・・神城さんは、職業欄空白ですけど、今は・・・」 神城:「会社ではどんな感じなんですか?」 三谷:「え?」 神城:「三谷さん、会社ではどんな人なのかなって、気になりまして」 三谷:「ああ、普通ですけど・・・最近は部下も多いので、今は営業指導が中心ですね」 神城:「やっぱり、後輩さんとか育てるの大変ですか?」 三谷:「うーんまあ接客なんで、新卒の子たちとかには結構厳しくしたりしますね」 神城:「へえ・・・なんか、三谷さんスペック高いですね」 三谷:「え、そうですかね?」 神城:「はい、とても。清潔感もあって、背も高いし、仕事面もしっかりしてて、優しそうで」 三谷:「ああ・・・あと、顔も良い」 神城:「あ、忘れてました」 三谷:「あはは」 神城:「うふふ」 三谷:「神城さんは、どういった男性がタイプなんですか?」 神城:「そうですね・・・」 三谷:「いいですよ。僕のことは全然気にしないで、正直に」 神城:「じゃあ、いいですか?」 三谷:「はい」 神城:「三谷さんみたいな人、ですかね?」 三谷:「え・・・」 神城:「うふふ・・・ごめんなさい、ちょっと言いすぎました」 三谷:「あ、あはは。そっか、ビックリした」 神城:「でも、案外嘘じゃないかもしれないですよ?」 三谷:「ははは・・・え・・・えどっち、ですか?」 神城:「んん・・・半分冗談で、半分本当です」 三谷:「半分。僕の感じで半分ってことですよね?」 神城:「はい。私、二面性がある人が好きなんです」 三谷:「二面性、というと?」 神城:「ギャップ、みたいな」 三谷:「ギャップ・・・」 神城:「三谷さんは、話した感じこういったプライベートでは優しくて、良い人そうだなって分かるんですけど、仕事している時の三谷さんも、実際に見れたらなって思いまして」 三谷:「じゃあもし、それが見れたら・・・神城さんのタイプに、少なからず当てはまるってことですか?」 神城:「はい・・・というより、もっと、三谷さんのこと考えちゃうかもしれません」 三谷:「え・・・あ、本当・・・」 神城:「はい」 三谷:「あ、ああ・・・ああ、そっか」 神城:「うふふ」 三谷:「あはははは・・・そっか・・・そっか、そっか・・・はは」 MC:「フリータイム」 神城:「うふふふ」 三谷:「あはははは」 神城:「ええ本当ですか?」 三谷:「うん、らしい」 神城:「でも確かに、分かります」 三谷:「でしょ?」 鈴谷:「飲み物と飯持ってきたよー」 三谷:「ありがとう」 神城:「ありがとうございます」 澤田:「あれ、金児さんは?」 三谷:「ああ、トイレ行ってる」 神城:「澤田さん澤田さん」 澤田:「はい?」 神城:「三谷さんから聞いたんですけど、澤田さんって、経験ないんですか?」 澤田:「え?」 神城:「うふふ、すごい、可愛いですね」 澤田:「・・・」 鈴谷:「あちょっとちょっと神城さん、これ食ってみ?超うまい」 神城:「あ、美味しそう。じゃあいただきまーす」 三谷:「・・・鈴谷さん。ちょっと良い?」 鈴谷:「ん、なんすか?」 三谷:「さっきの発言なんだけど」 鈴谷:「え、なんの?」 三谷:「あれ・・・金児さんに対しての」 鈴谷:「あああれね・・・いやなんかあの人面倒くさそうじゃん。ちょっとジャブ入れておこうかなって」 三谷:「え?」 鈴谷:「俺だって分かってるよ?ああいうこと言ったらいけない事くらい」 三谷:「じゃあなんで言ったの?」 鈴谷:「だから、俺は神城さんと話がしたいの。それなのになんか仕事の話で3人とも盛り上がっちゃってさ」 三谷:「だからって、もっと他に言いようあったでしょ」 鈴谷:「まあね?よくない事言ったのは分かってるけど・・・あの人さ、プライド高そうじゃん・・・ああ、なんだっけ?ドイツの、日本人が多い所」 澤田:「デュッセルドルフですか?」 鈴谷:「そうそうそうそう、そん時もさ、『ま、それなりに教養あるんで』とか言って。やばくね?ちょっとイラッとしたわ」 三谷:「まあ確かに、金児さんちょっとプライド高そうだけど・・・でもこれは婚活パーティーだからさ、普段の素の自分をアピールして、相手に見てもらう事が目的なの」 鈴谷:「いやだからそうじゃん。俺も、普段の自分出しただけだから」 三谷:「まあ鈴谷さんからしたらそうだろうけど・・・」 鈴谷:「じゃあ別に俺間違ってなくない?だってこれが普段の俺だもん」 三谷:「いやでも、だからって相手を傷つけて良いわけじゃないからさ」 神城:「あの・・・私思うんですけど・・・皆さんの素、見てみたいです」 鈴谷:「ほら」 澤田:「え」 神城:「こういう場所ですから、やっぱり、皆さんの事もっと知りたいです」 三谷:「・・・まあね」 神城:「最初金児さんも仰ってましたけど、ここに来る方、男女問わず皆さん本気なので」 澤田:「本当、そうだと思います。三谷さんの言う通り、鈴谷さんのやり方はいいとは思わないですけど・・・取り繕ってもいつかボロは出るし・・・僕も素で、行こうと思います」 鈴谷:「作文かよ」 神城:「鈴谷さんも、ある程度のルールは守りながら、普段の自分で居てくださいね」 鈴谷:「・・・まあ、神城さんが言うなら。さすがに嫌われたくないし」 三谷:「もう嫌われてるよ」 鈴谷:「はあ!?んなわけないわ・・・ねえ神城さん、俺最初にポイント稼いだもんね?」 三谷:「だからポイントなんて無いって」 神城:「ふふふ、そうですね。でも、私の中ではありますよ?」 鈴谷:「ほら!」 澤田:「え、本当ですか?」 神城:「はい」 鈴谷:「え、俺今何ポイント?」 神城:「それは言えません」 鈴谷:「ええなんで〜、素でいくって言ったじゃん」 神城:「それとこれとは別です」 鈴谷:「まじかよ〜知りてえ」 三谷:「ポイントって、俺たちも入ってるの?」 神城:「はい、もちろん。勝手につけたりしてすみません」 三谷:「ああいやまあ、婚活だし・・・うん、ポイントあって当たり前か」 澤田:「・・・」 鈴谷:「はい三谷さん矛盾〜」 三谷:「うるさいな」 神城:「ちょっとお手洗い行ってきますね」 三谷:「ああ、いってらっしゃい・・・そう言えば金児さん遅いな」 鈴谷:「もう諦めたんじゃね?神城さんの前で恥かいたから。それかうんこ」 澤田:「・・・三谷さん、やっぱ気になります?」 三谷:「え?」 澤田:「神城さんのポイント」 三谷:「ポイント?俺が?」 澤田:「はい。さっき聞いてたので、気になってるのかなって」 三谷:「ああいやいや、気になるって言うか・・・」 澤田:「敬語も、どうされたんですか?」 三谷:「え?」 澤田:「神城さんに対して、タメ口だったんで」 三谷:「ああ・・・それは・・・」 鈴谷:「いやあまじで惚れたわ〜。サワっちゃんも惚れてるっしょ、正直」 澤田:「はい?」 鈴谷:「神城さん、惚れたっしょ?」 澤田:「いや惚れたとかそういうのは」 鈴谷:「いやいやいや格好つけんなさんなって。素でいくんだろ?」 澤田:「まあ・・・良い人だなぁ、とは思ってますけど」 鈴谷:「ほら」 澤田:「いやでもまだ、彼女自身のことは全然知れてないですし」 鈴谷:「なんそれ真面目かよ」 澤田:「いやでも婚活って、結婚を視野に入れてるわけじゃないですか・・・ノリでできるものじゃないですから」 鈴谷:「・・・うわ、これまじで勝ったわ」 澤田:「だから、それはわからないじゃないですか」 鈴谷:「いや多分あれ・・・俺の事好きだよ」 澤田:「はい?」 三谷:「何言ってんの」 鈴谷:「いや2人とも聞いて・・・?ああまあでもここで言うのはよくないか」 三谷:「なんだよ」 澤田:「いや良いですよ。言ってください」 鈴谷:「・・・正直、自己紹介タイムの時に手応えしか感じなかった」 三谷:「え?」 MC:「鈴谷陽介と神城優の自己紹介タイムの場合」 神城:「へえ鈴谷さん、インストラクターやられてるんですね」 鈴谷:「まあ・・・」 神城:「体格良いですもんね。なんか、ずっとスポーツやってたって感じ」 鈴谷:「ああまあ、そうだね」 神城:「どんなスポーツやられてたんですか?」 鈴谷:「ああ・・・水泳サッカー野球テニスバスケ柔道・・・ああ、あと空手」 神城:「へえ凄い。じゃあもう小さい頃からずっと?」 鈴谷:「まあね・・・でも全部長続きしなかったから」 神城:「好きじゃなかったんですか?」 鈴谷:「うーんっていうか、団体行動?そういうのが無理だから俺」 神城:「へえ、ちょっと意外です。鈴谷さん、ご友人とか多そうなイメージなので」 鈴谷:「ああ友達は多いよ?そうじゃなくて、部活の仲間?あれ、かたっくるしいじゃん」 神城:「確かに」 鈴谷:「こういうこと言うと、ここでは嫌われると思うけどさ・・・正直好きじゃないんだよね、こういう場所。スーツ着せられて、マジめんどくせえ」 神城:「え、鈴谷さんご友人の付き添いとかで来られたんですか?」 鈴谷:「いや付き添いっていうか・・・まあ、罰ゲームで」 神城:「罰ゲーム?」 鈴谷:「うん、職場の奴らとさ、ダンベルフライって言って大胸筋鍛えるやつがあるんだけど・・・それで負けて」 神城:「じゃあ、元々行きたくなかったんですか」 鈴谷:「そうだよー早く帰りてえ」 神城:「じゃあ・・・帰ればいいんじゃないですか?」 鈴谷:「・・・」 神城:「途中退席はNGですけど、鈴谷さんならそんなこと気にしなさそうですもんね」 鈴谷:「・・・言うじゃん」 神城:「まあ・・・それなりに」 鈴谷:「え何、もしかして神城さん強い?」 神城:「はい?」 鈴谷:「男慣れしてる?」 神城:「どうしてそう思うんですか?」 鈴谷:「初めてだから。帰ればって言った人・・・俺さっきまで他の人にもこういう話しててさ、大体皆俺の言うことに眉ひそめるだけだったから」 神城:「その見た目ですから、怖かったんじゃないですか?」 鈴谷:「うわひっど、さっきから言うね」 神城:「鈴谷さんも、女性を目の前にして帰りたいだなんて、酷いこと言ってますよ?」 鈴谷:「ああ・・・それは・・・ごめん」 神城:「・・・はい、許します」 鈴谷:「神城、さんね・・・」 神城:「はあ〜やっぱダメ〜」 鈴谷:「え?」 神城:「怖かったー、鈴谷さんなんでそんな威圧的なんですかー」 鈴谷:「え、あ、ごめん」 神城:「ごめんじゃないですよ〜本当に怖かったんですから」 鈴谷:「え、じゃあなんで言ったの?」 神城:「それは・・・えっと・・・帰って欲しくなかったから」 鈴谷:「え・・・」 神城:「・・・鈴谷さん、ちょっと怖いですけど、本音で生きてる人なんだって・・・羨ましくて、もっとお話ししたいなって思ってたので。なのに帰りたいって言うから、つい・・・」 鈴谷:「・・・俺と、話したいの?」 神城:「はい」 鈴谷:「マジで?」 神城:「・・・はい、話したいです」 鈴谷:「・・・ノリだけだよ?俺なんて」 神城:「良いじゃないですか、ノリだけって・・・私には無いものなので」 鈴谷:「・・・まじか」 MC:「フリータイム」 三谷:「それ本当?」 鈴谷:「マジっすよマジ、もう両思いでしょあの発言」 澤田:「・・・嘘ですよ」 鈴谷:「嘘じゃねえよ。ほらサワっちゃん、ちゃんと現実を受け止めて〜」 澤田:「いやだって神城さん僕に言ってましたし」 鈴谷:「なんて?」 澤田:「・・・」 鈴谷:「サワっちゃんにはなんて言ったの?」 澤田:「いや・・・安心、できるって」 鈴谷:「はいテンプレ〜、そんなん皆に言うって」 澤田:「他にも言われました・・・初めて出会ったって」 鈴谷:「そりゃそうでしょ、初めてなんだから」 澤田:「・・・」 鈴谷:「はあ燃えたわ〜、帰れって言われたときはマジで痺れたね」 三谷:「どこで痺れてるんだよ」 澤田:「ちょっと、トイレ行ってきます」 三谷:「ああ」 鈴谷:「いってらー」 三谷:「そうだ、良かったら金児さんも探してきてもらえる?」 澤田:「・・・はい」 鈴谷:「ええ良いっすよあんな奴、面倒臭いだけじゃないっすか」 三谷:「お前が言うな」 鈴谷:「うわお前呼ばわり」 三谷:「ああ後サワっちゃん」 澤田:「え、ああはい」 三谷:「神城さんのドリンク無くなってるから、それも帰りに持って来て。彼女多分、化粧直しもしてるから帰ってくるの時間かかりそうだし」 澤田:「ああ・・・わかりました」 MC:「喫煙所にて」 金児:「・・・終わったなぁ」 神城:「金児さん」 金児:「あ、え、神城さん。どうしたんですか」 神城:「煙草、1本くれません?」 金児:「ああ、はい・・・神城さん、吸われるんですか?」 神城:「ありがとうございます・・・普段はそんなにですけど、たまに」 金児:「そうですか・・・まあでも、吸いそうですね」 神城:「そうですか?」 金児:「はい。裏表がはっきりとしている方なので」 神城:「うふふ、金児さんに対しては裏で接してますよ?」 金児:「え、それはどういう・・・」 神城:「分からないですか?」 金児:「あいえ・・・なんとなくは、分かります・・・ありがとうございます」 神城:「・・・うふふ、本当に真面目ですね」 金児:「ああ・・・真面目、過ぎますかね?」 神城:「良いと思いますよ?魅力的です」 金児:「それは、どうも・・・」 神城:「・・・怒ってます?鈴谷さんの発言」 金児:「いえ、別に」 神城:「じゃあなんで席に戻らないんですか?」 金児:「いや・・・もう良いかなって」 神城:「もう良いって・・・婚活、諦めたんですか?」 金児:「諦めたって言うか・・・」 神城:「じゃあ私もここに居よ」 金児:「え?」 神城:「金児さん会場に戻らないんですよね?じゃあ私も」 金児:「そうですけど・・・大丈夫なんですか?」 神城:「何が?」 金児:「だって、他の男性が居るし」 神城:「聞いてました?」 金児:「はい?」 神城:「金児さんだけに、本音で接してるんですよ?」 金児:「あ・・・え」 神城:「・・・なんて、ごめんなさい。邪魔でしたね。」 金児:「え」 神城:「なんか気使わせちゃったみたいですみません。戻りますね」 金児:「あ、ちょっと待って、ください・・・」 MC:「金児篤と神城優の自己紹介タイムの場合」 神城:「金児さん、教習所の先生なんですね」 金児:「はい。毎日、車の乗り方教えてます。神城さんは?」 神城:「はい、持ってます」 金児:「ああいや、職業のことを・・・」 神城:「高校卒業してすぐに取りに行ったんですけど、マニュアル取らなきゃよかったって後悔しました」 金児:「マニュアル・・・え、それはどうして?」 神城:「だって、複雑じゃないですか。ギアとか、クラッチとか」 金児:「ああ、まあ最初は誰でも苦手ですよ」 神城:「せっかく取ったのに車ほとんどオートマだし」 金児:「確かに、今の時代だったらオートマで済みますからね」 神城:「うーん・・・」 金児:「ああごめんなさい。自己紹介ですよね、神城さんのことも聞きたいです」 神城:「私のこと・・・」 金児:「はい」 神城:「じゃあ・・・どう思います?体が先の関係って」 金児:「え?」 神城:「恋愛観の話です」 金児:「ああ・・・」 神城:「男の人って、女性に対して求める心理的アクセスが少ない気がするんですよね」 金児:「心理的アクセス、と言うと」 神城:「心と心で繋がれてるかっていう事です」 金児:「ああ」 神城:「比較的女性の方がそういった繋がり方を求める事が強いと思うんですけど」 金児:「はい」 神城:「だからと言って、体の関係が少ないって、やっぱり寂しいし」 金児:「まあそれは、確かにそうですね」 神城:「はい。だから、私もまずは体の関係を築いてから、お互いの距離を近づける様にしてるんです。付き合うまでの判断材料が多くて悪いことはないですから」 金児:「それは・・・間違ってはないと思います」 神城:「本当ですか?」 金児:「はい」 神城:「良かった」 金児:「でも、それが癖になってしまったら」 神城:「それはないです。満足するためだけにしている事ではないので」 金児:「そうですよね、すみません」 神城:「いえ、こういう考え方って、言葉にすると非難されやすいので」 金児:「・・・でも、変な言い方ですけど、こういう婚活だと、お互い対話のみで判断しなきゃいけないじゃないですか?そういう時は、どうされるんですか?」 神城:「あ、それ聞きます?」 金児:「え」 神城:「さっき私が言った事って、この場所では矛盾するじゃないですか?」 金児:「まあ、そうですね。だから、気になって」 神城:「じゃあ、今金児さんが考えている事が、その答えです」 金児:「ああ・・・あはは・・・え」 神城:「嫌いですか?そういう女性?」 金児:「ああいや、嫌いとかではないですけど。え、ちょっと待ってください。この話、他の人にも?」 神城:「いえ、金児さんだけです」 金児:「あ・・・僕だけ・・・」 神城:「はい」 金児:「僕、だけ・・・」 神城:「・・・はい」 MC:「喫煙所にて」 神城:「はい?」 金児:「・・・真面目、ではないんです、僕。プライドだけ一丁前っていうか」 神城:「・・・」 金児:「鈴谷さんに澤田さんとの差をつつかれて、腹が立ったのは本当です。でも、それよりもそこで軽く笑う事すら出来なかったことの方に腹が立ってるというか」 神城:「ふふふ・・・金児さん、本当に真面目ですね」 金児:「真面目、ですかね・・・」 神城:「はい。それで、言いたいことはそれですか?」 金児:「あ、いや・・・仰っていたから、恋愛観の話で」 神城:「付き合う前のことについてですか?」 金児:「はい。女性の口から聞いたのは初めてでしたけど、その考え方、とてもわかるので」 神城:「・・・嬉しいです」 金児:「はい、だから・・・僕は、神城さんと凄く相性が合うだろうなって」 神城:「それって・・・そういう風に受け取っても良いんですか?」 金児:「はい・・・そう受け取ってもらえると」 神城:「うふふ、嬉しいです」 金児:「あはは」 神城:「これ・・・」 金児:「え」 神城:「触っていいですか?」 金児:「え!?」 神城:「金児さん、おっきそうだなって思ってたんです」 金児:「え・・・いや・・・」 神城:「今私、最低なこと言ってますけど・・・それでもそう思ってくださるんですか?」 金児:「あ、ああ・・・全然・・・嬉しい、です」 神城:「うふふ・・・じゃあ金児さん、今日は生徒になってください」 金児:「あ、え?・・・あ、はい・・・ああ」 神城:「ローギアから、セカンドに入れて・・・」 金児:「ああ・・・あ・・・」 神城:「このまま高速に出たいですけど」 金児:「あ・・・4速以上にしないと、危ないかも」 神城:「うふふ、そうですね。でも、それだと外すら走れなくなりますよ?」 金児:「ああ・・・確かに」 神城:「金児さん」 金児:「あ・・・はい・・・」 神城:「戦ってください」 金児:「え?」 神城:「鈴谷さんと」 金児:「どういう事ですか?」 神城:「私、強い男性が好きなんです」 金児:「強い、男性?」 神城:「鈴谷さんが乱入してきてから、つまらないんです。やっつけちゃってください」 金児:「え・・・やっつけるって」 神城:「金児さんの、強いところ・・・見たいな」 金児:「・・・」 神城:「ダメですか・・・?」 金児:「・・・わかりました」 澤田:「あ、居た」 金児:「あ・・・」 澤田:「金児さん神城さん、会場戻らないんですか?」 神城:「ええ、戻ります」 金児:「よし、やるぞ」 澤田:「え?」 金児:「先会場戻ってます」 澤田:「あ、はい」 神城:「私吸い終わったら戻りますね」 澤田:「金児さん、どうされたんですか?」 神城:「なんか、闘争心でたみたいです」 澤田:「え・・・」 神城:「澤田さんは、どうされたんですか?」 澤田:「あいや、三谷さんが2人探してきてって・・・というか、神城さん、煙草吸われるんですか?」 神城:「ああこれは、金児さんがいらっしゃたので・・・」 澤田:「そうですか・・・」 神城:「皆さん待ってるんですよね?じゃあ行きます」 澤田:「あ・・・あの」 神城:「はい」 澤田:「この歳で、経験がないって・・・変ですかね?」 神城:「あ、さっきのこと・・・気になさってたり?」 澤田:「あ、いや」 神城:「すみません。そんなつもりは無かったんですけど」 澤田:「ああ、まあ大丈夫ですけど」 神城:「もしかして、傷ついてました・・・?」 澤田:「ああ全然。言われ慣れてるんで、大丈夫です」 神城:「でも、私は好きですよ?」 澤田:「え」 神城:「そういう男性って、付き合ったら自分色に染められるっていうか」 澤田:「ああ・・・」 神城:「澤田さんの魅力でもあると思います」 澤田:「ありがとう、ございます」 神城:「そのままでいいんですか?」 澤田:「はい?」 神城:「三谷さんにいい様に使われて」 澤田:「え」 神城:「今も、三谷さんに言われてきたんですよね?」 澤田:「ああ、はい」 神城:「私、ちょっとあの人苦手で」 澤田:「そうなんですか?」 神城:「だって、人のこと顎で使う感じで・・・私に急にタメ口で話してきましたし」 澤田:「そう。そうですよね・・・最初、僕にも敬語だったんですけど、なんか知らない間にサワっちゃんとか鈴谷さんみたいな事言い出してきて」 神城:「でも・・・」 澤田:「はい」 神城:「三谷さんも、鈴谷さんも、ちょっと苦手なタイプなんですけど・・・でも正直、男性的な魅力だけで言うと」 澤田:「え、あ、やっぱり僕より・・・ありますか?」 神城:「うーん・・・正直」 澤田:「ああ・・・そう、ですよね」 神城:「うふふ、ごめんなさい。でも魅力的ですよ?澤田さんも」 澤田:「ええ・・・それは、どっち、ですか?」 神城:「私も分からないです。ただ今の率直な感想を言うと、皆さん、良いところと悪いところが色んな大きさで見え隠れするなって」 澤田:「そう、ですか・・・」 神城:「はい」 澤田:「・・・ポイントは?」 神城:「え?」 澤田:「神城さんの、僕のポイントは?」 神城:「うふふ、どうされたんですか?燃えてきました?」 澤田:「はい。悔しいので・・・三谷さんに、勝ちます」 神城:「本当ですか?」 澤田:「はい」 神城:「じゃあ・・・勝ってください」 澤田:「はい」 神城:「見てますから、澤田さんのこと」 澤田:「・・・頑張ります」 神城:「まあ・・・ここまで育てたんで」 澤田:「はい?」 MC:「フリータイム」 金児:「いや、だからね!?そのルールに従わない姿勢が問題だって言ってるんですよ!」 鈴谷:「知らねえよなんだよルールって」 金児:「常識ですよ!婚活パーティー関係なく初対面の反応じゃないでしょう!」 鈴谷:「いやだから、ノリって言葉知らない?硬い空気壊してやったんじゃん」 金児:「だからって相手を傷つけていいことにはならないですから!」 鈴谷:「かてぇ!かてえよ〜まじ教習所のやつだわ」 金児:「はあ!?」 三谷:「鈴谷さん言い過ぎですよ」 鈴谷:「いやいやいやいや」 金児:「言い過ぎってレベルじゃありません、トチ狂ってますよこの人」 鈴谷:「は?」 三谷:「おい」 澤田:「三谷さん」 三谷:「あ、サワッちゃんいいとこ来た。この2人止めてヤバいって」 澤田:「サワッちゃんってなんですか」 三谷:「え?」 澤田:「童貞ネタで気引いたんですか?」 三谷:「え、何?」 澤田:「僕のフォローするとか言って、結局神城さんにゾッコンじゃないですか」 三谷:「何言ってんの?」 澤田:「いじめる人って大人になっても変わりませんよね?」 三谷:「は?何お前」 澤田:「だから!格好つけて僕利用しないでくださいよ!まじでダサイっすからそれ!」 三谷:「いやしてないって何それ」 MC:「はいはーい!喧嘩はやめてくださーい」 金児:「だから!本気で婚活してる人の邪魔なんで!あんたみたいな人!」 鈴谷:「プライドたけぇ〜ダセェ〜!人それぞれだわぁ〜ウゼェ〜!」 金児:「その言葉はTPOわきまえてる人間が言うもんだ!」 鈴谷:「黙れマニュアル人間」 三谷:「言わせてもらうけど、サワッちゃん会話できてないからね?無意識に人見下してるから」 澤田:「そんなことしてませんよ!」 三谷:「してるしてる、どんなやつでもイラッとはするから」 澤田:「神城さんは言ってくれましたよ!僕のこと安心する人だって!」 三谷:「は?」 澤田:「ねえ神城さん!?」 金児:「あれ・・・」 鈴谷:「神城さんは?」 三谷:「え・・・」 澤田:「いない・・・」 MC:「喧嘩はやめましょうねー。婚活パーティーですよー」 澤田:「どこ行ったんだろ・・・」 MC:「会場の外にて」 神城:「ああ〜今日も育てたぁ〜・・・やっぱ気もちぃぃぃぃ!」