台本概要

 1498 views 

タイトル ボイス・ラブ・サイコ
作者名 あまね  (@Amane_1115a)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 コールセンターで起きたとある男女のお話。
サスペンスです。

 1498 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
橋口 103 コールセンターで勤務する女。
森田 101 橋口の後輩。謎の男兼任。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
謎の男:「君の声はなんて美しいんだ。」 謎の男:「今すぐ僕の部屋に閉じ込めて僕だけのものにしたい。」 謎の男:「知らない奴が君の声を聞いて、君の優しさに触れ、鼓膜を甘く震わせているのを想像すると気が狂いそうになる・・・。」 謎の男:「もう我慢できない、、、」 謎の男:「迎えに行くよ、すぐに・・・。」 0:            0:               0:                橋口:「お電話、ありがとうございます。こちら、ボイコネ都市管理センターでございます。 橋口:本日はどのようなご用件でしょうか? 橋口:・・・・はい、、はい。かしこまりました。お水のトラブルでございますね。 橋口:それでは、都市の水道局員をすぐに派遣させますので、ご安心ください。 橋口:またのご利用、お待ちしております。」 橋口:「お待たせいたしました、こちらボイコネ都市管理センターでございます、、はい、お客様、落ち着いてくださいませ。 橋口:隣人トラブルでお困りですね。 橋口:それでは、マンションの管理人をすぐに向かわせますので、もう少々お待ちください・・・・。」 0:                     橋口:「ふぅ、少し落ち着いたかな~。やっぱり夕方はトラブルが多いなぁ。」 森田:「あ、あの!橋口さん、」 橋口:「はい!ってびっくりしたぁ~、局長かと思った。」 森田:「す、すみません突然。」 橋口:「ううん、いいのいいの、それで、私に何か用?」 森田:「はい!今日から都市管理局、受付窓口に配属されました、森田です!よろしくお願いします!」 橋口:「あ、あぁ~、局長が言ってた期待の新人って君かぁ! 橋口:なんでも、難しい採用試験トップレベルで合格したんだって? 橋口:新人でこの管理局に配属されるなんて、すごいね!」 森田:「い、いえ、運が良かっただけで、自分なんて大したことありません、」 橋口:「うっそだぁ~、ここすっごく競争率高くて、私入るの苦労したもん。 橋口:って、ごめんね無駄話ばかり!えーっと、橋口です。 橋口:ボイコネ都市管理センターのオペレーターリーダーやってます。 橋口:わからないことあったら何でも聞いてね。」 森田:「あ、ありがとうございます!!精一杯がんばります!」 橋口:「そんな固くならないで、リラックスリラ~ックス。研修はもう終わってるんだよね?」 森田:「はい!い、一応!」 橋口:「じゃぁ、さっそく電話とってみようか!」 森田:「え!いきなりですか!?まずは橋口さんとロープレした方が、」 橋口:「ロープレなんて意味ないよ!新人のうちはとにかく電話とって、慣れていかなきゃ! 橋口:ほら、電話とってとって!」 森田:「は、はい!!、、、、お、お電話アリガトウございます、ボイコネ都市管理センターです、、、え、はい、はい、、、、、 森田:あー、えっと、ちょっと待ってください。(電話保留) 森田:は、はしぐちさん、この人、家の鍵をなくしてしまったみたいで、、どうすればいいですか?」 橋口:「ん、そしたら家の住所と都市民ナンバーを確認して、その家の管理局に電話繋ごうか。 橋口:そっちのパソコンに入力したら、必要な情報は出てくるから。」 森田:「はい!わかりました! 森田:、、、お客さま、おまたせしました、それでは家の住所と都市民ナンバーをおしえてください、」 0:              0:(電話を切る) 橋口:「・・・ふぅ、えーっと、森田君?」 森田:「はい!」 橋口:「とりあえず最初の電話お疲れ様。ちょっと怪しいところ多かったけど、最後まで案内できたからよしとしましょう。」 森田:「あ、ありがとうございます!!」 橋口:「ただ!管理センターのオペレーターとしてはまだまだ甘い!」 森田:「えぇ!?」 橋口:「まず!どもりすぎ!棒読みなところがある!まずは落ち着いて、はきはき喋る!」 森田:「は、はい、」 橋口:「あと言葉遣い!お客様にはきちんと敬語を使うこと。 橋口:ちょっと待ってください、じゃなくて、少々お待ちください。 橋口:教えてください、じゃなくて、お伺いできますか?て聞くこと! 橋口:研修で習わなかった?」 森田:「すみません、研修ではできたんですけど、いざ本番ってなると動揺しちゃって、」 橋口:「そうね、確かに最初は緊張するよね。だけど、私たち都市管理センターは、ボイコネ都市管理部でも重要な窓口。 橋口:局員も最高レベルの対応力が求められるの。 橋口:だから・・・ってごめんね、来たばかりなのに、」 森田:「いえ!自分の力不足ですみません!あの、もっとたくさん教えてください! 森田:俺も橋口さんみたいな、完璧なオペレーターになりたいです!」 橋口:「!君、いい子だね~!私、結構厳しく言いがちだから、新人さん教育向いてなくて、、、 橋口:なのにこんな素直な後輩がきてくれるなんてっ、、、」 森田:「そんな、橋口さんの教え方、とても丁寧でわかりやすいです! 森田:これからもぜひよろしくおねがいします!」 橋口:「なんていい子なの!!よ~っし、それじゃ、まずは私とロープレしよっか。 橋口:あと、この管理局は、ボイコネ都市の人たちのいろんなトラブルの窓口で、対処法も一つ一つ違うから、そこらへん詳しく教えるね。」 森田:「ありがとうございます!!」 0:            橋口:「んで、水のトラブル一つとっても、場所や状況で案内する番号は変わってきて、って・・・・森田くん?大丈夫?」 森田:「は、はぃ・・・なんとか。すごいですね、大変なところだとは聞いてたんですけど、こんなに複雑だとは、、、」 橋口:「あはは、いきなり飛ばしすぎたね。ちょっと休憩しようか。」 森田:「すみません、、、」 橋口:「いいよいいよ、私だって最初覚えるまでは何か月もかかったし。」 森田:「、そういえば、木下局長に聞きました。橋口さん、ここに来る前はボイコネ都市以外のトラブル管理課にいたって。」 橋口:「あんのお喋り局長・・・。人のこと勝手にペラペラと、、、、」 森田:「ここにきてまだ半年なのに、すごいスピード出世だって褒めてたんですよ、」 橋口:「いや~、前もコールセンターだったからね。」 森田:「どうしてこのセンターに入ったんですか?」 橋口:「、え、どうしてって・・・。」 森田:「だって、橋口さんほど美人で仕事もできる方、こんなきつい職場もったいないな、って。 森田:局員はほとんど学歴重視の男性ばかりだし、確かにお給料はいいけど、女性には大変な仕事だなーって、」 橋口:「あー、確かに同期の女の子はほとんど辞めちゃったなー。てか、そんな褒めてもなんも出ないよー。」 森田:「いやいや、本当ですよ。すごく美人で、かっこいいです!」 橋口:「もー、おばさんをからかわないの。」 森田:「おばさんって、橋口さん全然若いじゃないですか!」 橋口:「あー、どうしよ、久しぶりに褒められて涙出そう、、、、 橋口:あ、森田君、ちょっと待ってね、あっちのオペレーターさんと電話変わってくる。」 森田:「え?あ、はい・・・。」 橋口:「スズキ君、電話変わるよ、どうせ私指名でしょ?」(少し疲れたように) 0:            橋口:「お客様、大変お待たせいたしました。本日はどのようなご用件でしょうか?」 0:            森田:「スズキさん、橋口さん指名って、、、、え、イタズラ電話?」 0:            橋口:「・・・はい、申し訳ございません。お客様のご要望には応えることはできません、、、、 橋口:いえ、そういうことではなく、、はい、、恐れ入ります、少々お待ちいただけますでしょうか?」(電話保留) 橋口:「森田君、悪いけど、スズキ君とロープレしててくれる?私まだ手が離せなくて、」 森田:「あ、あの、俺代わりましょうか?」 橋口:「ううん、いいのよ、男の人が出ると怒鳴ってもっと時間かかっちゃうの。 橋口:それに、新人さんにさせる仕事じゃないわ。 橋口:私だと、セクハラで満足したら切ってくれるから。」 森田:「そんな、、、そんな電話、こっちから切ったらいいじゃないですか!」 橋口:「できないわよ。とにかく、スズキ君お願いね。・・・・・大変お待たせいたしました。」 森田:「・・・橋口さん、、、」 0:          橋口:「はい、はい、、、、、いえ、下着の色につきましてはお答えできません。 橋口:お客様、もしお困りでなければ、私(わたくし)からのご案内は以上となります 橋口:、、、え?いえ、とんでもございません、バカになど・・・・っ、あ、ちょっと!?」 森田:「お電話変わりました、森田と申します!お客様、本日はどのようなご用件でしょうか!」 橋口:「も、森田君!」 森田:「え?下着の色ですか?自分の下着は赤です! 森田:真っ赤な情熱の色、ちなみに昨日の下着の色はー、、、あ、切れました。」 橋口:「・・・・もう、勝手なことして!」 森田:「すみません、、、、余計なことしました、」 橋口:「・・・・助かった、ありがとね!」 森田:「っ!」 橋口:「あれ、照れてる?」 森田:「、反則ですよ、その笑顔、」 橋口:「あはは、かっこよかったなぁ~さっきの森田君。」 森田:「ちょ、まじ、やめてください、」 橋口:「森田君はきっといいオペレーターになれるよ。これからビシビシ鍛えるからね!」 森田:「はい!!お願いします!・・・そういえば、さっきなんでイタズラ電話だってわかったんですか?」 橋口:「あぁ、それは・・・ここのナンバーディスプレイにお客様の電話番号が表示されるでしょ? 橋口:この人はしょっちゅう電話してくるから、番号覚えちゃって、、、」 森田:「なるほど、、、大変ですね。」 橋口:「まぁ、まだ可愛い方だよ、、、、あの時に比べたら、、、」 森田:「、あの時?」 橋口:「!あ、ごめんごめん、何でもないの!さ、練習しようか!」 森田:「は、はい!」 0:          0:          0:          森田:「お電話ありがとうざいます、こちらボイコネ都市管理センターでございます。 森田:本日はどのようなご用件でしょうか。・・・はい、SNSのトラブルでお困りですね。 森田:それではインターネットに詳しい弁護士にお繋ぎいたします。 森田:はい、相談は無料ですのでご安心ください。ご利用ありがとうございました。」 0:          橋口:「森田くん・・・成長早すぎない?」 森田:「あ、橋口さん!お疲れ様です!」 橋口:「お疲れ、すごいね、もう一人立ちしてるじゃん。」 森田:「いやー、橋口さんのおかげです。」 橋口:「いやいや、私なんて最初の方に少し指導しただけで、あとはスズキ君にまかせてたし、」 森田:「そうですね、寂しかったです。」 橋口:「またぁ~、可愛いこと言っても何も出ないぞ。」 森田:「いえ、ほんとに寂しかったですよ。 森田:てっきり、橋口さんにずっと教えてもらえると思ってたので、教育係がスズキさんに代わって少しショックでした。」 橋口:「あはは、ごめんごめん。私もあの後、他の部署から移ってきた子に研修したりで忙しくてさ。」 森田:「そうだったんですね、、、そういえばどうしてここに?研修は終わったんですか?」 橋口:「、あぁ・・・それが、、、、 橋口:まだ他の人には伝達されてないんだけど、スズキ君がいきなり退職願を出したみたいで、」 森田:「え、スズキさんが!?」 橋口:「そう、局長も、突然すぎてまだ受理はしていないみたいなんだけど、 橋口:それとなく話を聞いてくれって言われて。・・・・・スズキ君は?」 森田:「今日は欠勤みたいです、」 橋口:「そう・・・・最近、何か変わったことなかった?」 森田:「いえ、俺が見た限りでは特には・・・・。」 橋口:「そっか、、ごめんね、変なこと聞いて。あ、この話は一応内密にね。」 森田:「はい、もちろんです。」 橋口:「あ、それでスズキ君が抜けてしまうから、代わりに私がこのチームにくることになったの。」 森田:「!じゃぁ、また橋口さんと働けるんですか?!」 橋口:「大げさだな、今でも一緒のフロアで働いてるじゃん。」 森田:「いえ、橋口さんが隣にいてくれるのといないのじゃ、全然違います!」 橋口:「そ、そうかな?」 森田:「はい!それで、橋口さんいつから来てくれるんですか?」 橋口:「うーん、今教えてる新人さんの研修があと一週間、あと引き継ぎに少し時間かかるから、、2週間後かな?」 森田:「2週間、、、、、長いですね、」 橋口:「え、そう?これでも結構ハイペースでやってるんだけど、」 森田:「うぅ、2週間・・・・。」 0:          橋口:「・・・・随分懐かれちゃったな・・・・まぁ、嫌じゃないんだけどさ、」(嬉しそうに) 0:          0:数日後、会社の喫煙スペースにて 森田:「お疲れ様です、橋口さん!」 橋口:「ぁ、森田君・・・。」 森田:「珍しいですね、橋口さんが喫煙スペースにいるの、」 橋口:「ん、ちょっとね・・・。」 森田:「・・・タバコ、吸うんですね。」 橋口:「んーやめてたんだけど、、、、だめだ、久しぶりに吸ったらきついね、」 森田:「なんか、疲れてます?」 橋口:「・・・・(タバコを深く吸って静かに吐く。)辞めちゃった。」 森田:「?・・・・あぁ、スズキさんですか?そういえば菓子折りだけ置いてありましたね。 森田:とうとう最後までスズキさん来なかったけど、」 橋口:「・・・スズキ君もだけど、、、」 森田:「?」 橋口:「新人の子。」 森田:「え、」 橋口:「昨日、会社帰りに駅の階段で転んで、大怪我したんだって。 橋口:仕事に復帰できるの、いつになるかわからないから、退職します、って・・・・。」 森田:「・・・そうです、か・・・。あの、こんなこと言っても気休めにしかならないんですけど、 森田:あまり落ち込まないでください、、、」 橋口:「ん・・・・。ごめんね、暗い気持ちにさせて。 橋口:まぁとにかく、明日かあさってには森田君のチームに移動するから、よろしくね。」 森田:「あ、ほんとですか!結構早かったですね、」 橋口:「あはは、もう今のチームではやることなくなったからね、、、、」 森田:「、ごめんなさい、俺、また余計な一言、、、」 橋口:「いいのいいの、気にしないで!」 森田:「あ、あの!よかったら今夜、ごはん行きませんか?俺、おごります!」 橋口:「なぁに、気ぃ使わなくていいよ、」 森田:「いえ!俺が橋口さんと行きたいんです!ぜひ!」 橋口:「あ、ありがとう、じゃぁ・・・・行こうかな。」 森田:「よっしゃ!!じゃあ、残業にならないように仕事終わらせてきます!!」 橋口:「あ、森田君、って早ー、、、、、ふふ、年下の子に気ぃ使わせちゃったな、、、、 橋口:反省、反省・・・・。」 0:         0:         橋口:「あぁ~、、、飲みすぎちゃった、、」 森田:「ちょ、橋口さん!危ないですよ!」 橋口:「んん~、もう飲めない、、」 森田:「飲みすぎですよ!ほら、もうすぐ終電きますよ! 森田:・・・やっぱりタクシー拾いましょう、家まで送ります、」 橋口:「いいよ~だいじょぶだいじょ~ぶ!」 森田:「あ、ほらっ、、、危ないなぁ、しっかりつかまってください、」 橋口:「ありがとぉ、、、」 森田:「、ふぅ、階段大丈夫ですか?転ばないでくださいよ?」 橋口:「んん、平気、、、」 森田:「も~、気を付けないと、スズキさんみたいに怪我しますよ、」 橋口:「、」 橋口: 森田:「おっと、、、橋口さん?」 橋口:「、、、いまなんて?」(ぼそぼそと小声で) 森田:「え?」 森田:           橋口:「今なんて言った?」 橋口: 森田:「え、なんて、って・・・・。何がです?」 森田:               橋口:「スズキさんみたいに怪我しますよ?」 森田:「、は、はぃ、階段、気を付けないと、、、、」 森田:            橋口:「・・・なんでスズキ君が階段で怪我したの知ってるの?」 橋口:             森田:「・・・・え?」 森田: 橋口:「私言ってないよね。新人の子が怪我したのは言ったけど、スズキ君の話はしてないよ。」 森田:「あー、それは、、木下局長に聞いて、」 橋口:「木下局長は先週から出張でいないけど。」 森田:「・・・・。」 橋口:「・・・どういうこと?確かにスズキ君も駅の階段で怪我した。 橋口:それが退職の原因かはわからないままだけど、 橋口:本人の意思を尊重して、ケガしたということは会社の中でも一部の人しか知らない。 橋口:私だって今日その事実を聞かされたんだよ。 橋口:・・・それをなんで森田君が知ってるの?」 森田:「・・・・橋口さん、どうしたんです?酔いすぎですよ、」 橋口:「誤魔化さないで、酔いは一気にさめたよ。」 森田:「はは、なんだか怖いなぁ、」 橋口:「・・・ねぇ、お願い、私の勘違いだって言って、 橋口:間違いだったら謝るから、、、、 橋口:森田君のこと疑いたくないの、、」 橋口:          森田:「・・・・はは、、、、、あは、あははははははははは。」 橋口:「森田、くん?」 森田:「はーあ、しくったな~。もう少しだったのに、」 橋口:「なに、、、何言ってるの?」 森田:「そうです、スズキさんも、橋口さんの研修を受けてた新人も、僕がやりました。」 橋口:「、え」 森田:「二人の後をつけて、駅の階段の一番上から、軽くトン、て背中を押したら 森田:ごろごろごろ~って転がり落ちて・・・・・人間ってあんなに早く回転するんですね、あははははは、」 橋口:「どうして、」 森田:「はい?」 橋口:「なんでそんなことしたの!?自分が何言ってるのかわかってんの!?」 森田:「なんで、って・・・・邪魔だったんですよ。」 橋口:「じゃま?」 森田:「橋口さんと一緒になるためにセンターに来たのに、なかなか近くにいれないから。 森田:だから、あの邪魔な二人がいなくなれば橋口さんと一緒にいれるかなーって、、、、、、 森田:作戦、大成功でした~!」 橋口:「・・・・・たったそれだけのために、、、?」 森田:「たった、って・・・心外だなぁ~。 森田:橋口さんを追いかけて追いかけて、やっと迎えにこれたっていうのに、、、、」 橋口:「、なに、こわい、、さっきから何言ってるの・・・?」 森田:「そーだ!橋口さん、電話番号交換しましょうよ!」 橋口:「、は?なんで、今それどころじゃ、」 森田:「俺の番号は~、これ!・・・・・・見覚えありませんか?」 橋口:「、見覚えって、、、、、っそ、その、番号、、、、、」(息が乱れ始める) 森田:「あ~、やっぱり橋口さんってすごいですね、、、、ちゃんと覚えてるんだ、」 橋口:「ひっ、な、なんで、、、」 森田:「嬉しいなぁ、、。」 橋口:「あなた、、、、、、一年前の、、、」 森田:「そう、一年前。」 橋口:「あの、迷惑電話の、」 森田:「迷惑電話って、ひどいなぁ、僕にとってはラブコールだったのに、」 橋口:「冗談でしょう?!あなたのイタズラ電話のせいで、仕事を辞めたのよ!?」 森田:「そう、橋口さんが辞めた時はショックだったなぁ・・・。 森田:初めてあなたの声を聞いた時、雷に打たれたような衝撃でした。 森田:運命を感じたんです、、、 森田:あなたの声を独り占めしたい、僕の事だけ考えてほしい、 森田:初めて恋をした少年みたいに、あなたに夢中でした。」 森田:                 橋口:「いや、来ないで、」 森田:「生きる希望を失って、自殺未遂までしたんですよ、 森田:だけど、運命ってあるんですね~、気まぐれでかけたボイコネ都市管理センター、、、 森田:オペレーターの声を聞いた時、すぐにわかりましたよ、橋口さんの声、、、 森田:やっぱり僕たちは結ばれる運命だったんだ、」 橋口:「森田君、」 森田:「あなたの声に恋をして、ここまできました。 森田:待たせてしまってすみません、なんせ、管理センターに入るのは案外難しくて、、、。 森田:随分時間がかかっちゃいました。」 橋口:「やめて、やだ、」 森田:「大丈夫です、僕、一途なんですよ。 森田:これからずっと、一生、死ぬまで、死んだあとも、 森田:あなたを愛し続けます・・・。」 橋口:「いや、いや、いやああああああああああ!!!!!」 0:         0:         0:         森田:「お電話、ありがとうございます。ボイコネ都市管理センターです。 森田:本日はどのようなご用件でしょうか・・・はい、はい。 森田:かしこまりました。行方不明の友人をお探しですね・・・。 森田:それでは、行方不明の方のお名前はおわかりですか? 森田:はい、ハシグチマナミ様、ですね。 森田:・・・・では、お客様のお名前と住所、都市民ナンバーをお伺いできますか? 森田: 森田:ありがとうございます、それでは管理センターの者をすぐに向かわせますのでご安心ください。 森田:・・・ご利用、ありがとうございました。」

謎の男:「君の声はなんて美しいんだ。」 謎の男:「今すぐ僕の部屋に閉じ込めて僕だけのものにしたい。」 謎の男:「知らない奴が君の声を聞いて、君の優しさに触れ、鼓膜を甘く震わせているのを想像すると気が狂いそうになる・・・。」 謎の男:「もう我慢できない、、、」 謎の男:「迎えに行くよ、すぐに・・・。」 0:            0:               0:                橋口:「お電話、ありがとうございます。こちら、ボイコネ都市管理センターでございます。 橋口:本日はどのようなご用件でしょうか? 橋口:・・・・はい、、はい。かしこまりました。お水のトラブルでございますね。 橋口:それでは、都市の水道局員をすぐに派遣させますので、ご安心ください。 橋口:またのご利用、お待ちしております。」 橋口:「お待たせいたしました、こちらボイコネ都市管理センターでございます、、はい、お客様、落ち着いてくださいませ。 橋口:隣人トラブルでお困りですね。 橋口:それでは、マンションの管理人をすぐに向かわせますので、もう少々お待ちください・・・・。」 0:                     橋口:「ふぅ、少し落ち着いたかな~。やっぱり夕方はトラブルが多いなぁ。」 森田:「あ、あの!橋口さん、」 橋口:「はい!ってびっくりしたぁ~、局長かと思った。」 森田:「す、すみません突然。」 橋口:「ううん、いいのいいの、それで、私に何か用?」 森田:「はい!今日から都市管理局、受付窓口に配属されました、森田です!よろしくお願いします!」 橋口:「あ、あぁ~、局長が言ってた期待の新人って君かぁ! 橋口:なんでも、難しい採用試験トップレベルで合格したんだって? 橋口:新人でこの管理局に配属されるなんて、すごいね!」 森田:「い、いえ、運が良かっただけで、自分なんて大したことありません、」 橋口:「うっそだぁ~、ここすっごく競争率高くて、私入るの苦労したもん。 橋口:って、ごめんね無駄話ばかり!えーっと、橋口です。 橋口:ボイコネ都市管理センターのオペレーターリーダーやってます。 橋口:わからないことあったら何でも聞いてね。」 森田:「あ、ありがとうございます!!精一杯がんばります!」 橋口:「そんな固くならないで、リラックスリラ~ックス。研修はもう終わってるんだよね?」 森田:「はい!い、一応!」 橋口:「じゃぁ、さっそく電話とってみようか!」 森田:「え!いきなりですか!?まずは橋口さんとロープレした方が、」 橋口:「ロープレなんて意味ないよ!新人のうちはとにかく電話とって、慣れていかなきゃ! 橋口:ほら、電話とってとって!」 森田:「は、はい!!、、、、お、お電話アリガトウございます、ボイコネ都市管理センターです、、、え、はい、はい、、、、、 森田:あー、えっと、ちょっと待ってください。(電話保留) 森田:は、はしぐちさん、この人、家の鍵をなくしてしまったみたいで、、どうすればいいですか?」 橋口:「ん、そしたら家の住所と都市民ナンバーを確認して、その家の管理局に電話繋ごうか。 橋口:そっちのパソコンに入力したら、必要な情報は出てくるから。」 森田:「はい!わかりました! 森田:、、、お客さま、おまたせしました、それでは家の住所と都市民ナンバーをおしえてください、」 0:              0:(電話を切る) 橋口:「・・・ふぅ、えーっと、森田君?」 森田:「はい!」 橋口:「とりあえず最初の電話お疲れ様。ちょっと怪しいところ多かったけど、最後まで案内できたからよしとしましょう。」 森田:「あ、ありがとうございます!!」 橋口:「ただ!管理センターのオペレーターとしてはまだまだ甘い!」 森田:「えぇ!?」 橋口:「まず!どもりすぎ!棒読みなところがある!まずは落ち着いて、はきはき喋る!」 森田:「は、はい、」 橋口:「あと言葉遣い!お客様にはきちんと敬語を使うこと。 橋口:ちょっと待ってください、じゃなくて、少々お待ちください。 橋口:教えてください、じゃなくて、お伺いできますか?て聞くこと! 橋口:研修で習わなかった?」 森田:「すみません、研修ではできたんですけど、いざ本番ってなると動揺しちゃって、」 橋口:「そうね、確かに最初は緊張するよね。だけど、私たち都市管理センターは、ボイコネ都市管理部でも重要な窓口。 橋口:局員も最高レベルの対応力が求められるの。 橋口:だから・・・ってごめんね、来たばかりなのに、」 森田:「いえ!自分の力不足ですみません!あの、もっとたくさん教えてください! 森田:俺も橋口さんみたいな、完璧なオペレーターになりたいです!」 橋口:「!君、いい子だね~!私、結構厳しく言いがちだから、新人さん教育向いてなくて、、、 橋口:なのにこんな素直な後輩がきてくれるなんてっ、、、」 森田:「そんな、橋口さんの教え方、とても丁寧でわかりやすいです! 森田:これからもぜひよろしくおねがいします!」 橋口:「なんていい子なの!!よ~っし、それじゃ、まずは私とロープレしよっか。 橋口:あと、この管理局は、ボイコネ都市の人たちのいろんなトラブルの窓口で、対処法も一つ一つ違うから、そこらへん詳しく教えるね。」 森田:「ありがとうございます!!」 0:            橋口:「んで、水のトラブル一つとっても、場所や状況で案内する番号は変わってきて、って・・・・森田くん?大丈夫?」 森田:「は、はぃ・・・なんとか。すごいですね、大変なところだとは聞いてたんですけど、こんなに複雑だとは、、、」 橋口:「あはは、いきなり飛ばしすぎたね。ちょっと休憩しようか。」 森田:「すみません、、、」 橋口:「いいよいいよ、私だって最初覚えるまでは何か月もかかったし。」 森田:「、そういえば、木下局長に聞きました。橋口さん、ここに来る前はボイコネ都市以外のトラブル管理課にいたって。」 橋口:「あんのお喋り局長・・・。人のこと勝手にペラペラと、、、、」 森田:「ここにきてまだ半年なのに、すごいスピード出世だって褒めてたんですよ、」 橋口:「いや~、前もコールセンターだったからね。」 森田:「どうしてこのセンターに入ったんですか?」 橋口:「、え、どうしてって・・・。」 森田:「だって、橋口さんほど美人で仕事もできる方、こんなきつい職場もったいないな、って。 森田:局員はほとんど学歴重視の男性ばかりだし、確かにお給料はいいけど、女性には大変な仕事だなーって、」 橋口:「あー、確かに同期の女の子はほとんど辞めちゃったなー。てか、そんな褒めてもなんも出ないよー。」 森田:「いやいや、本当ですよ。すごく美人で、かっこいいです!」 橋口:「もー、おばさんをからかわないの。」 森田:「おばさんって、橋口さん全然若いじゃないですか!」 橋口:「あー、どうしよ、久しぶりに褒められて涙出そう、、、、 橋口:あ、森田君、ちょっと待ってね、あっちのオペレーターさんと電話変わってくる。」 森田:「え?あ、はい・・・。」 橋口:「スズキ君、電話変わるよ、どうせ私指名でしょ?」(少し疲れたように) 0:            橋口:「お客様、大変お待たせいたしました。本日はどのようなご用件でしょうか?」 0:            森田:「スズキさん、橋口さん指名って、、、、え、イタズラ電話?」 0:            橋口:「・・・はい、申し訳ございません。お客様のご要望には応えることはできません、、、、 橋口:いえ、そういうことではなく、、はい、、恐れ入ります、少々お待ちいただけますでしょうか?」(電話保留) 橋口:「森田君、悪いけど、スズキ君とロープレしててくれる?私まだ手が離せなくて、」 森田:「あ、あの、俺代わりましょうか?」 橋口:「ううん、いいのよ、男の人が出ると怒鳴ってもっと時間かかっちゃうの。 橋口:それに、新人さんにさせる仕事じゃないわ。 橋口:私だと、セクハラで満足したら切ってくれるから。」 森田:「そんな、、、そんな電話、こっちから切ったらいいじゃないですか!」 橋口:「できないわよ。とにかく、スズキ君お願いね。・・・・・大変お待たせいたしました。」 森田:「・・・橋口さん、、、」 0:          橋口:「はい、はい、、、、、いえ、下着の色につきましてはお答えできません。 橋口:お客様、もしお困りでなければ、私(わたくし)からのご案内は以上となります 橋口:、、、え?いえ、とんでもございません、バカになど・・・・っ、あ、ちょっと!?」 森田:「お電話変わりました、森田と申します!お客様、本日はどのようなご用件でしょうか!」 橋口:「も、森田君!」 森田:「え?下着の色ですか?自分の下着は赤です! 森田:真っ赤な情熱の色、ちなみに昨日の下着の色はー、、、あ、切れました。」 橋口:「・・・・もう、勝手なことして!」 森田:「すみません、、、、余計なことしました、」 橋口:「・・・・助かった、ありがとね!」 森田:「っ!」 橋口:「あれ、照れてる?」 森田:「、反則ですよ、その笑顔、」 橋口:「あはは、かっこよかったなぁ~さっきの森田君。」 森田:「ちょ、まじ、やめてください、」 橋口:「森田君はきっといいオペレーターになれるよ。これからビシビシ鍛えるからね!」 森田:「はい!!お願いします!・・・そういえば、さっきなんでイタズラ電話だってわかったんですか?」 橋口:「あぁ、それは・・・ここのナンバーディスプレイにお客様の電話番号が表示されるでしょ? 橋口:この人はしょっちゅう電話してくるから、番号覚えちゃって、、、」 森田:「なるほど、、、大変ですね。」 橋口:「まぁ、まだ可愛い方だよ、、、、あの時に比べたら、、、」 森田:「、あの時?」 橋口:「!あ、ごめんごめん、何でもないの!さ、練習しようか!」 森田:「は、はい!」 0:          0:          0:          森田:「お電話ありがとうざいます、こちらボイコネ都市管理センターでございます。 森田:本日はどのようなご用件でしょうか。・・・はい、SNSのトラブルでお困りですね。 森田:それではインターネットに詳しい弁護士にお繋ぎいたします。 森田:はい、相談は無料ですのでご安心ください。ご利用ありがとうございました。」 0:          橋口:「森田くん・・・成長早すぎない?」 森田:「あ、橋口さん!お疲れ様です!」 橋口:「お疲れ、すごいね、もう一人立ちしてるじゃん。」 森田:「いやー、橋口さんのおかげです。」 橋口:「いやいや、私なんて最初の方に少し指導しただけで、あとはスズキ君にまかせてたし、」 森田:「そうですね、寂しかったです。」 橋口:「またぁ~、可愛いこと言っても何も出ないぞ。」 森田:「いえ、ほんとに寂しかったですよ。 森田:てっきり、橋口さんにずっと教えてもらえると思ってたので、教育係がスズキさんに代わって少しショックでした。」 橋口:「あはは、ごめんごめん。私もあの後、他の部署から移ってきた子に研修したりで忙しくてさ。」 森田:「そうだったんですね、、、そういえばどうしてここに?研修は終わったんですか?」 橋口:「、あぁ・・・それが、、、、 橋口:まだ他の人には伝達されてないんだけど、スズキ君がいきなり退職願を出したみたいで、」 森田:「え、スズキさんが!?」 橋口:「そう、局長も、突然すぎてまだ受理はしていないみたいなんだけど、 橋口:それとなく話を聞いてくれって言われて。・・・・・スズキ君は?」 森田:「今日は欠勤みたいです、」 橋口:「そう・・・・最近、何か変わったことなかった?」 森田:「いえ、俺が見た限りでは特には・・・・。」 橋口:「そっか、、ごめんね、変なこと聞いて。あ、この話は一応内密にね。」 森田:「はい、もちろんです。」 橋口:「あ、それでスズキ君が抜けてしまうから、代わりに私がこのチームにくることになったの。」 森田:「!じゃぁ、また橋口さんと働けるんですか?!」 橋口:「大げさだな、今でも一緒のフロアで働いてるじゃん。」 森田:「いえ、橋口さんが隣にいてくれるのといないのじゃ、全然違います!」 橋口:「そ、そうかな?」 森田:「はい!それで、橋口さんいつから来てくれるんですか?」 橋口:「うーん、今教えてる新人さんの研修があと一週間、あと引き継ぎに少し時間かかるから、、2週間後かな?」 森田:「2週間、、、、、長いですね、」 橋口:「え、そう?これでも結構ハイペースでやってるんだけど、」 森田:「うぅ、2週間・・・・。」 0:          橋口:「・・・・随分懐かれちゃったな・・・・まぁ、嫌じゃないんだけどさ、」(嬉しそうに) 0:          0:数日後、会社の喫煙スペースにて 森田:「お疲れ様です、橋口さん!」 橋口:「ぁ、森田君・・・。」 森田:「珍しいですね、橋口さんが喫煙スペースにいるの、」 橋口:「ん、ちょっとね・・・。」 森田:「・・・タバコ、吸うんですね。」 橋口:「んーやめてたんだけど、、、、だめだ、久しぶりに吸ったらきついね、」 森田:「なんか、疲れてます?」 橋口:「・・・・(タバコを深く吸って静かに吐く。)辞めちゃった。」 森田:「?・・・・あぁ、スズキさんですか?そういえば菓子折りだけ置いてありましたね。 森田:とうとう最後までスズキさん来なかったけど、」 橋口:「・・・スズキ君もだけど、、、」 森田:「?」 橋口:「新人の子。」 森田:「え、」 橋口:「昨日、会社帰りに駅の階段で転んで、大怪我したんだって。 橋口:仕事に復帰できるの、いつになるかわからないから、退職します、って・・・・。」 森田:「・・・そうです、か・・・。あの、こんなこと言っても気休めにしかならないんですけど、 森田:あまり落ち込まないでください、、、」 橋口:「ん・・・・。ごめんね、暗い気持ちにさせて。 橋口:まぁとにかく、明日かあさってには森田君のチームに移動するから、よろしくね。」 森田:「あ、ほんとですか!結構早かったですね、」 橋口:「あはは、もう今のチームではやることなくなったからね、、、、」 森田:「、ごめんなさい、俺、また余計な一言、、、」 橋口:「いいのいいの、気にしないで!」 森田:「あ、あの!よかったら今夜、ごはん行きませんか?俺、おごります!」 橋口:「なぁに、気ぃ使わなくていいよ、」 森田:「いえ!俺が橋口さんと行きたいんです!ぜひ!」 橋口:「あ、ありがとう、じゃぁ・・・・行こうかな。」 森田:「よっしゃ!!じゃあ、残業にならないように仕事終わらせてきます!!」 橋口:「あ、森田君、って早ー、、、、、ふふ、年下の子に気ぃ使わせちゃったな、、、、 橋口:反省、反省・・・・。」 0:         0:         橋口:「あぁ~、、、飲みすぎちゃった、、」 森田:「ちょ、橋口さん!危ないですよ!」 橋口:「んん~、もう飲めない、、」 森田:「飲みすぎですよ!ほら、もうすぐ終電きますよ! 森田:・・・やっぱりタクシー拾いましょう、家まで送ります、」 橋口:「いいよ~だいじょぶだいじょ~ぶ!」 森田:「あ、ほらっ、、、危ないなぁ、しっかりつかまってください、」 橋口:「ありがとぉ、、、」 森田:「、ふぅ、階段大丈夫ですか?転ばないでくださいよ?」 橋口:「んん、平気、、、」 森田:「も~、気を付けないと、スズキさんみたいに怪我しますよ、」 橋口:「、」 橋口: 森田:「おっと、、、橋口さん?」 橋口:「、、、いまなんて?」(ぼそぼそと小声で) 森田:「え?」 森田:           橋口:「今なんて言った?」 橋口: 森田:「え、なんて、って・・・・。何がです?」 森田:               橋口:「スズキさんみたいに怪我しますよ?」 森田:「、は、はぃ、階段、気を付けないと、、、、」 森田:            橋口:「・・・なんでスズキ君が階段で怪我したの知ってるの?」 橋口:             森田:「・・・・え?」 森田: 橋口:「私言ってないよね。新人の子が怪我したのは言ったけど、スズキ君の話はしてないよ。」 森田:「あー、それは、、木下局長に聞いて、」 橋口:「木下局長は先週から出張でいないけど。」 森田:「・・・・。」 橋口:「・・・どういうこと?確かにスズキ君も駅の階段で怪我した。 橋口:それが退職の原因かはわからないままだけど、 橋口:本人の意思を尊重して、ケガしたということは会社の中でも一部の人しか知らない。 橋口:私だって今日その事実を聞かされたんだよ。 橋口:・・・それをなんで森田君が知ってるの?」 森田:「・・・・橋口さん、どうしたんです?酔いすぎですよ、」 橋口:「誤魔化さないで、酔いは一気にさめたよ。」 森田:「はは、なんだか怖いなぁ、」 橋口:「・・・ねぇ、お願い、私の勘違いだって言って、 橋口:間違いだったら謝るから、、、、 橋口:森田君のこと疑いたくないの、、」 橋口:          森田:「・・・・はは、、、、、あは、あははははははははは。」 橋口:「森田、くん?」 森田:「はーあ、しくったな~。もう少しだったのに、」 橋口:「なに、、、何言ってるの?」 森田:「そうです、スズキさんも、橋口さんの研修を受けてた新人も、僕がやりました。」 橋口:「、え」 森田:「二人の後をつけて、駅の階段の一番上から、軽くトン、て背中を押したら 森田:ごろごろごろ~って転がり落ちて・・・・・人間ってあんなに早く回転するんですね、あははははは、」 橋口:「どうして、」 森田:「はい?」 橋口:「なんでそんなことしたの!?自分が何言ってるのかわかってんの!?」 森田:「なんで、って・・・・邪魔だったんですよ。」 橋口:「じゃま?」 森田:「橋口さんと一緒になるためにセンターに来たのに、なかなか近くにいれないから。 森田:だから、あの邪魔な二人がいなくなれば橋口さんと一緒にいれるかなーって、、、、、、 森田:作戦、大成功でした~!」 橋口:「・・・・・たったそれだけのために、、、?」 森田:「たった、って・・・心外だなぁ~。 森田:橋口さんを追いかけて追いかけて、やっと迎えにこれたっていうのに、、、、」 橋口:「、なに、こわい、、さっきから何言ってるの・・・?」 森田:「そーだ!橋口さん、電話番号交換しましょうよ!」 橋口:「、は?なんで、今それどころじゃ、」 森田:「俺の番号は~、これ!・・・・・・見覚えありませんか?」 橋口:「、見覚えって、、、、、っそ、その、番号、、、、、」(息が乱れ始める) 森田:「あ~、やっぱり橋口さんってすごいですね、、、、ちゃんと覚えてるんだ、」 橋口:「ひっ、な、なんで、、、」 森田:「嬉しいなぁ、、。」 橋口:「あなた、、、、、、一年前の、、、」 森田:「そう、一年前。」 橋口:「あの、迷惑電話の、」 森田:「迷惑電話って、ひどいなぁ、僕にとってはラブコールだったのに、」 橋口:「冗談でしょう?!あなたのイタズラ電話のせいで、仕事を辞めたのよ!?」 森田:「そう、橋口さんが辞めた時はショックだったなぁ・・・。 森田:初めてあなたの声を聞いた時、雷に打たれたような衝撃でした。 森田:運命を感じたんです、、、 森田:あなたの声を独り占めしたい、僕の事だけ考えてほしい、 森田:初めて恋をした少年みたいに、あなたに夢中でした。」 森田:                 橋口:「いや、来ないで、」 森田:「生きる希望を失って、自殺未遂までしたんですよ、 森田:だけど、運命ってあるんですね~、気まぐれでかけたボイコネ都市管理センター、、、 森田:オペレーターの声を聞いた時、すぐにわかりましたよ、橋口さんの声、、、 森田:やっぱり僕たちは結ばれる運命だったんだ、」 橋口:「森田君、」 森田:「あなたの声に恋をして、ここまできました。 森田:待たせてしまってすみません、なんせ、管理センターに入るのは案外難しくて、、、。 森田:随分時間がかかっちゃいました。」 橋口:「やめて、やだ、」 森田:「大丈夫です、僕、一途なんですよ。 森田:これからずっと、一生、死ぬまで、死んだあとも、 森田:あなたを愛し続けます・・・。」 橋口:「いや、いや、いやああああああああああ!!!!!」 0:         0:         0:         森田:「お電話、ありがとうございます。ボイコネ都市管理センターです。 森田:本日はどのようなご用件でしょうか・・・はい、はい。 森田:かしこまりました。行方不明の友人をお探しですね・・・。 森田:それでは、行方不明の方のお名前はおわかりですか? 森田:はい、ハシグチマナミ様、ですね。 森田:・・・・では、お客様のお名前と住所、都市民ナンバーをお伺いできますか? 森田: 森田:ありがとうございます、それでは管理センターの者をすぐに向かわせますのでご安心ください。 森田:・・・ご利用、ありがとうございました。」