台本概要

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タイトル 君に演じて欲しくて
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ライブ配信アプリで声劇をするのが趣味の修二(しゅうじ)と桜(さくら)。修二は台本を書くシナリオライター、桜は演じるキャストとして同じ声劇仲間からもベストコンビと言われていた。しかし桜にはある秘密があり、修二に言えずにいた。そんな時修二から次の劇のリクエストを聞かれある劇のリクエストをする事にした⋯。
男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
修二 42 修二(しゅうじ)。元々キャストオンリーだったが桜の演技を聞き、ライターに目覚める。少しぶっきらぼうだが自分が書いた台本を演じてもらうのが楽しみ。
36 桜(さくら)。元演劇部。声劇を知り声劇にのめり込むぐらいハマっている。とくに修二の書く台本が気に入っていて、演じるのを楽しみにしている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
桜:もしもし、こんばんはー、起きてる修二? 修二:通話に出てる時点で起きてるだろ。どうしたんだ? 桜:私ね、ふと思ったの。私達って「最強タッグ」じゃないかって 修二:・・どういう事なのか寝起きの俺にも分かる様に言ってくれ 桜:だから、修二は素晴らしいシナリオを書くライターで、私はそれで素晴らしい演技が出来るキャストじゃない?もう最強よ、最強 修二:夜中の一時に通話してきて言う事がそれか。もう寝ていいか? 桜:あー!ちょっと待って待って、今の無し!ほんとに言いたかった事は他にあるんだから! 修二:はぁ、もう分かったから。どうしたんだ? 桜:・・修二、いつも素敵なシナリオ書いてくれてありがと。私、いつも感謝してるの。 修二:あ、ああ⋯。急にどうしたんだよ? 桜:いやー、言える時にちゃんと感謝を伝えたいなって、そう思ったの。 修二:そっか⋯。まぁ、ありがと。 桜:よし!じゃあおやすみ~ 修二:⋯なんだったんだ? :間 修二:(N)俺達の出会いは、とある配信アプリだった。 修二:(N)このアプリは雑談やカラオケ、声劇などをして楽しむアプリだ。その中でも俺たちは声劇を楽しんでいた。 修二:(N)今俺はシナリオライターとして毎日執筆作業に明け暮れているが、元々演じる側だった。そう、桜の演技を聞くまでは。 修二:(N)あいつの演技を聞いた時の俺は雷に打たれたような衝撃が走った。こいつの演技をもっと聞いてみたい、その為にはもっと多くのシナリオが必要だ。そう思うようになっていたんだ :間 桜:修二~!朝だよー!早く起きないと学校に遅刻ちゃうぞ〜! 修二:う、ううん。あと五時間・・むにゃむにゃ 桜:寝すぎだよー!普通そこは、後、五分・・ってやつじゃーん!冗談言ってないで、ほら、学校行くよー 修二:お前は俺の彼女かっての 桜:私は、それでも・・いいよ 修二:桜・・。はい、お疲れ様ー 桜:はーいお疲れ様~。今回のシナリオめちゃくちゃ甘々だったねー 修二:お前がたまには恋愛物書いてくれって言うからだろ?苦手なんだよ 桜:えー?私は好きだよこの話、また書いてね 修二:うっせ :間 桜:お前が世界の平和を乱す悪の魔王だな!私はお前の悪事を食い止めるべくこの城までやって来た勇者だ! 修二:ふ、お前があの勇者とやらか。一人でこの我が城まで乗り込んで来た勇気はほめてやろう。しかしその貧弱な装備で我と戦うつもりか? 桜:ふん、見た目で実力を判断しない方がいいわよ、私には取っておきの必殺技があるんだからね! 修二:ほー、そんな取っておきがあると言うなら見せてもらおうか。せいぜい楽しませてくれよ 桜:くらえ、赤き衣をまといし大賢者よ、我にその英智(えいち)の力を・・「還暦祝い!」 修二:ぐ、ぐあああぁぁ~~!!ガクッ 桜:ふ、勝利はいつも虚しいものね・・ 修二:はい、お疲れ様ー 桜:はーい、お疲れ様~。今回のファンタジーシナリオ楽しかったねー 修二:あー、とくに絶妙な笑いを入れたところが良かっただろ? 桜:あ、あははー、あのギャグはちょっと微妙だったかなー 修二:そ、そうか。えーと、じゃあ今度はどんなシナリオやりたいんだ?リクエストあるなら聞いてやるぞ 桜:そうだなー。コメディいろいろやったから・・。あ、今度はシリアスなシナリオやってみたいかも! 修二:・・お、おう?桜にしては珍しいジャンルだな? 桜:いいじゃん、やってみたくなったの。 修二:まあ、いいけど。 桜:あ!ちょっとセリフの希望入れてもらっていい? 修二:はあ?それこそ、そんな事言うのは珍しいじゃん。 桜:いいからいいから、ね、お願い! 修二:わ、分かったよ⋯じゃあ考えとくから。 桜:ありがと。いや~楽しみだなー :間 桜:・・修二、そこに、いるの・・? 修二:ああ・・お前のすぐ横にいるぞ 桜:・・良かった 修二:・・ 桜:あのさ・・修二は嫌がるかもしれないけど・・わがまま、言っていいかな・・? 修二:なんだよ。言ってみろよ 桜:・・私の手・・握ってくれないかな? 修二:なんだ、そんな事かよ。・・ほらよ、いくらでも握っといてやる 桜:ありがとう・・あぁ・・修二の手、とっても、暖かいね・・ 修二:・・そうだな 桜:修二・・私・・もうすぐお迎えが来ちゃうんでしょ? 修二:・・なんでそう思うんだ? 桜:・・なんとなくだけど、もう・・駄目な気がする 修二:駄目なんかじゃない!・・桜は・・どこにもいかないさ・・ 桜:修二・・ 修二:ほら、見ろよ。この魔法の秘薬を飲んだら、見る見るうちに良くなってすぐ退院出来るんだ 桜:ほんと?それならすぐ飲まなくちゃね。私・・よく見えないから、修二、飲ませてくれるかな? 修二:任せろ。ほら・・口開けろ、ゆっくり飲むんだぞ? 桜:ん、ん、ぷは。あー、すごく元気になってきたみたい。すごい効き目だね 修二:んな早く効果が出るかよ。でも、明日には元気になってるはずだから安心しろ。 桜:ん⋯わかった。ふぁ~安心したら眠くなってきちゃった。 修二:おう、ゆっくり休め。 桜:⋯修二、ありがとね⋯大好きだよ⋯それじゃ⋯おやすみ⋯。 修二:ああ⋯おやすみ。 桜:⋯。 修二:はい、お疲れ様ー。桜⋯?お、おい、桜!? :間 修二:(N)それから数日後、俺は桜がこの世から旅立った事を知った。劇をしながら眠るように息を引き取ったそうだ。 修二:(N)桜はどうやら俺と出会う前から助からない病気だったようだ。そんな桜は最後まで、俺に病気の事を悟られないように、演じ切ったんだ。 修二:(N)残りの時間を俺との時間に使ってくれた桜に、幸せな時間を与える事が出来たのかはわからない。ただ俺の願いは⋯これから先もずっと、君に演じ続けて欲しい、それだけだったんだ⋯。 :おわり

桜:もしもし、こんばんはー、起きてる修二? 修二:通話に出てる時点で起きてるだろ。どうしたんだ? 桜:私ね、ふと思ったの。私達って「最強タッグ」じゃないかって 修二:・・どういう事なのか寝起きの俺にも分かる様に言ってくれ 桜:だから、修二は素晴らしいシナリオを書くライターで、私はそれで素晴らしい演技が出来るキャストじゃない?もう最強よ、最強 修二:夜中の一時に通話してきて言う事がそれか。もう寝ていいか? 桜:あー!ちょっと待って待って、今の無し!ほんとに言いたかった事は他にあるんだから! 修二:はぁ、もう分かったから。どうしたんだ? 桜:・・修二、いつも素敵なシナリオ書いてくれてありがと。私、いつも感謝してるの。 修二:あ、ああ⋯。急にどうしたんだよ? 桜:いやー、言える時にちゃんと感謝を伝えたいなって、そう思ったの。 修二:そっか⋯。まぁ、ありがと。 桜:よし!じゃあおやすみ~ 修二:⋯なんだったんだ? :間 修二:(N)俺達の出会いは、とある配信アプリだった。 修二:(N)このアプリは雑談やカラオケ、声劇などをして楽しむアプリだ。その中でも俺たちは声劇を楽しんでいた。 修二:(N)今俺はシナリオライターとして毎日執筆作業に明け暮れているが、元々演じる側だった。そう、桜の演技を聞くまでは。 修二:(N)あいつの演技を聞いた時の俺は雷に打たれたような衝撃が走った。こいつの演技をもっと聞いてみたい、その為にはもっと多くのシナリオが必要だ。そう思うようになっていたんだ :間 桜:修二~!朝だよー!早く起きないと学校に遅刻ちゃうぞ〜! 修二:う、ううん。あと五時間・・むにゃむにゃ 桜:寝すぎだよー!普通そこは、後、五分・・ってやつじゃーん!冗談言ってないで、ほら、学校行くよー 修二:お前は俺の彼女かっての 桜:私は、それでも・・いいよ 修二:桜・・。はい、お疲れ様ー 桜:はーいお疲れ様~。今回のシナリオめちゃくちゃ甘々だったねー 修二:お前がたまには恋愛物書いてくれって言うからだろ?苦手なんだよ 桜:えー?私は好きだよこの話、また書いてね 修二:うっせ :間 桜:お前が世界の平和を乱す悪の魔王だな!私はお前の悪事を食い止めるべくこの城までやって来た勇者だ! 修二:ふ、お前があの勇者とやらか。一人でこの我が城まで乗り込んで来た勇気はほめてやろう。しかしその貧弱な装備で我と戦うつもりか? 桜:ふん、見た目で実力を判断しない方がいいわよ、私には取っておきの必殺技があるんだからね! 修二:ほー、そんな取っておきがあると言うなら見せてもらおうか。せいぜい楽しませてくれよ 桜:くらえ、赤き衣をまといし大賢者よ、我にその英智(えいち)の力を・・「還暦祝い!」 修二:ぐ、ぐあああぁぁ~~!!ガクッ 桜:ふ、勝利はいつも虚しいものね・・ 修二:はい、お疲れ様ー 桜:はーい、お疲れ様~。今回のファンタジーシナリオ楽しかったねー 修二:あー、とくに絶妙な笑いを入れたところが良かっただろ? 桜:あ、あははー、あのギャグはちょっと微妙だったかなー 修二:そ、そうか。えーと、じゃあ今度はどんなシナリオやりたいんだ?リクエストあるなら聞いてやるぞ 桜:そうだなー。コメディいろいろやったから・・。あ、今度はシリアスなシナリオやってみたいかも! 修二:・・お、おう?桜にしては珍しいジャンルだな? 桜:いいじゃん、やってみたくなったの。 修二:まあ、いいけど。 桜:あ!ちょっとセリフの希望入れてもらっていい? 修二:はあ?それこそ、そんな事言うのは珍しいじゃん。 桜:いいからいいから、ね、お願い! 修二:わ、分かったよ⋯じゃあ考えとくから。 桜:ありがと。いや~楽しみだなー :間 桜:・・修二、そこに、いるの・・? 修二:ああ・・お前のすぐ横にいるぞ 桜:・・良かった 修二:・・ 桜:あのさ・・修二は嫌がるかもしれないけど・・わがまま、言っていいかな・・? 修二:なんだよ。言ってみろよ 桜:・・私の手・・握ってくれないかな? 修二:なんだ、そんな事かよ。・・ほらよ、いくらでも握っといてやる 桜:ありがとう・・あぁ・・修二の手、とっても、暖かいね・・ 修二:・・そうだな 桜:修二・・私・・もうすぐお迎えが来ちゃうんでしょ? 修二:・・なんでそう思うんだ? 桜:・・なんとなくだけど、もう・・駄目な気がする 修二:駄目なんかじゃない!・・桜は・・どこにもいかないさ・・ 桜:修二・・ 修二:ほら、見ろよ。この魔法の秘薬を飲んだら、見る見るうちに良くなってすぐ退院出来るんだ 桜:ほんと?それならすぐ飲まなくちゃね。私・・よく見えないから、修二、飲ませてくれるかな? 修二:任せろ。ほら・・口開けろ、ゆっくり飲むんだぞ? 桜:ん、ん、ぷは。あー、すごく元気になってきたみたい。すごい効き目だね 修二:んな早く効果が出るかよ。でも、明日には元気になってるはずだから安心しろ。 桜:ん⋯わかった。ふぁ~安心したら眠くなってきちゃった。 修二:おう、ゆっくり休め。 桜:⋯修二、ありがとね⋯大好きだよ⋯それじゃ⋯おやすみ⋯。 修二:ああ⋯おやすみ。 桜:⋯。 修二:はい、お疲れ様ー。桜⋯?お、おい、桜!? :間 修二:(N)それから数日後、俺は桜がこの世から旅立った事を知った。劇をしながら眠るように息を引き取ったそうだ。 修二:(N)桜はどうやら俺と出会う前から助からない病気だったようだ。そんな桜は最後まで、俺に病気の事を悟られないように、演じ切ったんだ。 修二:(N)残りの時間を俺との時間に使ってくれた桜に、幸せな時間を与える事が出来たのかはわからない。ただ俺の願いは⋯これから先もずっと、君に演じ続けて欲しい、それだけだったんだ⋯。 :おわり