台本概要

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タイトル 呼笑亡き明日。
作者名 すばら  (@kou0204hei)
ジャンル ファンタジー
演者人数 5人用台本(男3、女1、不問1) ※兼役あり
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 独特な世界観です。賛否両論別れるかも。好きに使って下さい☆

⚠︎和子と言う女性が度々出てきますが、椏未果と兼ねてください。⚠︎

また、セリフバランスが悪い為、レイディラとアルマフを兼ねる、若しくはサーファスを兼ねる事で微調整が出来きるのでご活用下さいませ。

『呼笑亡き明日』は長編を予定としています。


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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
真宏 58 不運な事故に遭い、別世界に飛ばされた。言葉遣いが悪く、ガサツな青年(23歳) ヒューマ(人間)
椏未果 67 異世界イシュルに住む、不思議な女性。真宏と同じく、ヒューマ(21歳)
レイディラ 不問 26 過去、万国で稼働していた汎用型アンドロイド。通称、魔機(まき)と呼ばれた種族。普段はツンケンしているが、啞未果にだけは心を開いている。
サーファス 27 レイディラ同様の魔機(まき)治癒型アンドロイドと呼ばれていて、その名の通り、癒しの力が備わっている。戦闘向けじゃない為、ヒューマからは忌み機、または欠陥品と揶揄される。物腰柔らかな執事気質。
アルマフ 15 特殊魔機 (まき)製造番号、用途は未だに明かされていない。椏未果曰く、寝床としての需要があるらしい。飄々としたいで立ち。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:息をするのに理由なんて要らない。ただ、我武者羅に明日を生き抜くvisionだけを想い描く。 真宏《M》:歪んでしまった…。 真宏《M》:あの頃みたいに、澄み切った美しい青空を見上げる事はもう…出来ない。 真宏《N》:呼笑(こえ)亡き明日。『Act1 落日。』 椏未果:「…!空から人が降って来た…!?ねぇ、大丈夫?」 真宏:「んん…いてててぇ…」 椏未果:「その可笑しな恰好(かっこう)は何?」 真宏:「なんだぁ!?心配してきたかと思えば、畳み掛けるように一方的に話かけてきやがって!邪険にするようで悪いが、俺も状況が今ひとつ呑み込めず、混乱してんだ。……(そもそも、俺はどうなったんだ…?)」 真宏:「…(あ、そうか。肝試しの最中に妙な廃墟に足を踏み入れたら、突然黑いモヤに包まれて…)」 椏未果:「ねぇ、聞いてる??」 真宏:「ぁえ?!ああ。まぁ、答えたところで理解は出来ないと思うが。」 椏未果:「そう。私はアミカ。貴方の名前は?」 真宏:「マヒロだ。じゃ、俺は急いでるから、またな。」 椏未果:「待って!」 真宏:「ん?」 椏未果:「マヒロ、貴方の服装からして、この星の人間じゃないと思うけど…土地勘はあるの?」 真宏:「あ…えっと、それはな…」 椏未果:「ふふ、その様子だと困っているみたいだね。」 真宏:「わ、笑うなよ!それで、旅のガイドにでもなってくれるのか?」 椏未果:「うん。逸(はぐ)れないよう、私に着いて来て!」 真宏:「お、おう。」 真宏《M》:未だに整理が出来てない中、何の疑いもなく声を掛けてきた、椏未果と言う不思議な女。状況が掴めないまま右往左往してた俺を気遣い、着いて来いと道を示してくれた。俺は導かれるままに、彼女の後に続く。 椏未果:「随分と足取りが重そうだけど、大丈夫?それでね、この先を南西の方角に進むと、私のお家が見えてくるよ。」 真宏:「はぁ…はぁはぁ…!ん…アミカの家か。邪魔していいのか?」 椏未果:「うん。自分のお家だと思って寛(くつろ)いでね!」 真宏:「それじゃ、お言葉に甘えるぜ。」 椏未果:「あ!あそこーー!マヒロ、水色の建物見える?」 真宏:「あん?あーアレか…って!?あんなボロ屋敷がお前の家なのか…」 椏未果:「んぅ?ボロじゃないよ!失礼だな。」 真宏:「いや、どこからどう見ても…ボロ…」 椏未果:「あぁー!また言ったね?」 真宏:「まぁー、ちゃんと眠れる場所を提供してくれるなら、それ以上の贅沢は望まないけどな。」 椏未果:「…」 真宏:「おい。急に推し黙るなよ!不安になってくるだろうが。」 椏未果:「うん、寝る事は出来るんだけど…うーん……その、何て言ったらいいんだろう…」 真宏:「な、何だよ?取り敢えず、中に入るぞ!お邪魔しまー……はぁああ?!」 椏未果:「えへへ。」 真宏:「いやいや!部屋の8割がガラクタの山で埋まってるって、どういう事だよ!ボロ屋敷を改め、ゴミ屋敷に改名しとくか?あ?!」 椏未果:「まぁまぁ、落ち着いてよ!」 真宏:「はぁ…」 椏未果:「ごめんなさい。滅多に来客(らいきゃく)なんて無いから…って!この子達はガラクタじゃないよ!」 真宏:「は、この子達??見たところ、何の変哲もない機械のパーツみたいだが?」 椏未果:「レイディラ!」 真宏:「え?」 レイディラ:「はいはぁい!呼んだ?アミカ。」 真宏:「うぉあ!?ガラクタが喋った?!」 椏未果:「サーファス!」 サーファス:「御命令でしょうか?お嬢様。」 真宏:「ガラクタが次から次へと、喋りやがる!なんだこりゃああ!?」 椏未果:「ふふ、驚いた?この子達はね、魔機(マキ)って言うんだよ。」 真宏:「まき?」 椏未果:「うん、どういう仕組みかは私も未だに分からないんだけど、生命(いのち)が宿った機械の呼称だよ。」 真宏:「生命ねぇ。」 レイディラ:「アミカ、この如何にもなスケベ顔の男は新しい彼氏?」 サーファス:「お嬢様、お怪我は?御命令とあれば、この輩を排除致しましょうか?」 真宏:「おい、誰がスケベ顔だ!排除もすんな!」 椏未果:「レイディラ、サーファス。大丈夫、安心して!異国のお友達だよ。」 レイディラ:「へぇ、お友達?そうなのね!それなら、特製お持て成しクッキーを用意しなくちゃ!」 サーファス:「わたくしもお紅茶のご準備を。」 真宏:「ん、大丈夫だぞ?お構いなく。」 椏未果:「うんうん、今日は宴(うたげ)だね!」 0:レイディラとサーファスから美味しいお菓子とお茶を貰い、陽が落ちるまで皆で宴を満喫した。 椏未果:「マヒロ、寝床(ねどこ)を用意したよ!」 真宏:「お?気が利くじゃないか。てか!いつの間にガラクタの山を片付けたんだよ?!あー、それで…肝心の布団が見当たらないんだが?」 椏未果:「フトン??」 真宏:「まさか、布団を知らないとか言わないよな?」 椏未果:「んーん、分からない。初めて聞くかな。」 真宏:「ふむ。それじゃあ、寝床って言うのはどういった…意味…あん!?」 椏未果:「アルマフ!」 真宏:「また、ガラクタフレンズか!今度はどんな手品を見せてくれるんだ?」 アルマフ:「へー、お呼びかな?」 椏未果:「マヒロに寝る場所を与えてあげて!」 アルマフ:「かしこまり〜。」 真宏:「き、機械がカプセルベッドに変わっただと?!」 椏未果:「よぉし、完璧!」 アルマフ:「そちらの御仁、遠慮は要らぬぞよ?さぁ、速やかに横になりたまえ。」 真宏:「はぁ…」 椏未果:「マヒロ、明日は隣街まで行こう!」 真宏:「へ?!と、隣街?!また突拍子ないな…」 椏未果:「ふふ、おやすみなさい。」 真宏:「ああ、おやすみ。……不思議な世界だな此処(ここ)は。」 0:その晩、真宏が眠りにつくと… 真宏:「ここは…どこだ?…」 和子:「マヒロ!マヒロ!」 真宏:「その声は……和子(わこ)か?」 和子:「マヒロ!返事をして!」 真宏:「ぬ…?俺の声が届いてないのか…?」 0:その刹那、暗闇から光が差し込み、見慣れた風景へと変わる。 真宏:「ん?ここは!あの時の廃墟か!?…あいつらは、創(はじめ)と優(すぐる)?…!あいつらの後ろで煙草吹かしてるのは俺…?」 和子:「マヒロー!肝試しって趣味悪いわよ?」 真宏:「和子がもう一人の俺に話し掛けて…待てよ、この情景は…記憶の一部を映し出してるとでも言うのか?」 和子:「いい?あたしは零時廻ったら帰るからね?そのつもりで。」 真宏:「この会話は忘れもしない!深く脳裏(のうり)にこびり付いてる。くそ…俺もあの時、大人しく帰っていれば…」 和子:「はぁ?!あんた、あの廃墟の中に入る訳?!しょ、正気?!ねぇ、創も優も止めてあげてよ!」 真宏:「あんなに必死に制(せい)してくれたのにな。和子…すまない…」 和子:「はい、そうですか!人がせっかく親切で言ってるのに……どうなっても知らないからね!!」 真宏:「和子達の忠告をシャットアウトし、この後、俺は歪(ゆが)みの果てへと堕ちた……」 真宏:「うわぁあああ!!」 椏未果《N》:『Act2 再生の夜。』 レイディラ:「アミカー!この変態、凄く魘(うな)されているみたいよ?」 椏未果:「どうしたの?レイディラ。え、マヒロ?…!オデコが熱い…サーファス!!」 サーファス:「はい、お呼びでしょうか?アミカお嬢様。」 椏未果:「貴方、薬学の心得(こころえ)があったよね?」 サーファス:「ええ、この程度の発熱であれば完治は容易でしょう。」 レイディラ:「さすが、治癒型(ちゆがた)アンドロイドは頼りになるねぇ!過去、数多くのヒューマ(人間)達はあんたを必要していたものね。」 サーファス:「レイディラ、それは過ぎ去った日々、大昔の話です。それにわたくしは忌(い)み機。所謂(いわゆる)、欠陥品(けっかんひん)ですから。」 椏未果:「欠陥品って!サーファス、貴方は私にとっては貴重な存在だよ。お願いだから、卑下(ひげ)しないで!」 レイディラ:「ほっんとに、アミカは甘いなぁ!」 サーファス:「アミカお嬢様、わたくしはレイディラ同様、ただの無機質に過ぎません。心などは持ち合わせておりません。」 真宏:「ぅ!…ぐぁっ!!」 椏未果:「マヒロ!このままじゃ、マヒロが…サーファス!お願い!!」 サーファス:「承知致しました!アミカお嬢様。」 レイディラ:「ふん。ヒューマなんてアミカ以外、興味ない。そのまま生き絶えればいいのよ。」 椏未果:「レイディラ…」 サーファス:「不本意ですが、アミカお嬢様の困った顔は見たくないので…仕方ありませんね。聖なる癒しの息吹よ彼(か)の者を包め。治癒光!」 0:サーファスの右手が優しい光を放つ。 真宏:「ん…ん…お、俺は?!ぐっ!…頭痛え。」 椏未果:「ま、マヒロ?目覚めたみたいだね!良かった。」 レイディラ:「あーあ、回復しちゃった!つまんないの。」 サーファス:「マヒロ、わたくしもレイディラ同様、貴方を受け入れる準備が出来てる訳では無いのですが、先程の曇った表情を見るに、アミカお嬢様にとって、マヒロは需要(じゅよう)のある人物だとお見受けしたので。」 真宏:「はぁ?何の話だ?!順を追って説明してくれ。」 椏未果:「マヒロ、貴方は夢魔(むま)によって身体(からだ)の制御を奪われていたの。」 真宏:「夢魔だ?!じゃあ…あの悪夢はそいつが創り出した夢の世界だと言うのか?」 サーファス:「なるほど。魘(うな)されてた原因は夢魔の仕業でしたか。」 レイディラ:「スケベヒューマ、夢魔は弱きヒューマに棲(す)み着く、怪異の事よ。」 真宏:「よ、弱いだと?!くっ!確かに…今の俺は心に余裕など無いが。」 サーファス:「心身共に衰弱(すいじゃく)していたところに付け入ったのでしょう。」 真宏:「ふむ、夢魔とやらは把握した。次は俺の話だな。薄々気付いているとは思うが、俺は異なる世界軸(じく)から来たんだ。」 椏未果:「異なる世界軸?時を超えたとでも言うのかな?…具体的に何処から来たの?」 真宏:「空が清く澄んでいる蒼い星。日本だ。」 サーファス:「ニホン、聞いた事のない星ですね。」 レイディラ:「ニホン…?」 椏未果:「にほん?マヒロはその星からどうやって来たの?」 真宏:「仲間達と巷(ちまた)で有名な心霊スポットの廃墟に入ろうとしたんだ。そうしたら、黑いモヤに包まれて…」 椏未果:「しんれいすぽっと?黑いモヤ?」 レイディラ:「アミカ、心霊スポットはヒューマ達の間で好まれている、悪趣味な遊びみたいなものよ。」 サーファス:「レイディラは万国の汎用型(はんようがた)アンドロイドですから、流石の博識(はくしき)ですね。」 椏未果:「へぇ、物知りだね!レイディラ。」 真宏:「そのまま気を失って、意識を取り戻した先がこの見知らぬ星だった訳だ。」 椏未果:「なるほど。えっとね、昨日は色々とバタバタしてたから、伝えそびれちゃったんだけど。ここはね、魔機と共存する星、イシュルだよ。」 真宏:「イシュル…その魔機って言うのはサーファスやレイディラの事か。」 椏未果:「そうだよ、少し退屈かも知れないけど聞いてね。この子達が、私に希望の光を与えてくれた奇跡の物語を。」 真宏:「何だと?!」 椏未果:「マヒロ、私は数十年前、全身が赤紫に変色するトケイソウ病という不治の病に冒(おか)されていたの…」 0:数十年前。 椏未果:「はぁ、はぁ…毎日、鏡を見るのがとても苦痛。」 椏未果:「けほっ…けほっ!…呼吸をするのもこんなに辛いなんて…」 椏未果:「はぁはぁ…もう、全部…諦めちゃおうかな…」 椏未果:「何もかも無に還(かえ)して、楽になっても罰は当たらない…よね。」 椏未果:「さよなら、私自身。」 椏未果:「さよなら…街のみんな。」 椏未果:「ありが…」 0:椏美果が全てを終わりにしようとした時… レイディラ:「あんた、情けないヒューマね。」 サーファス:「命とは輝いてるからこそ、美しいのです。」 アルマフ:「オタクが死ぬのは勝手だけど、残された者達にどう顔向けするんだ?あの世で懺悔するのかい?」 椏未果:「…え?あなた達は…?呼笑はどこから聞こえてくるの……?」 0:その瞬間、椏未果が大事にしてた機械の部品が一人でに動く。 椏未果:「…!異様な光景……私の集めた機械達が会話している?」 0:霞む視界に微かに映る、機械達の会話劇。 レイディラ:「サーファス、このヒューマを救える?」 サーファス:「レイディラ?貴女はヒューマ嫌いでは?」 レイディラ:「サーファス、この子は過去に厭と言うほど見てきた、残酷で非道なヒューマでは無い。その証拠に、今日この日まで、レイ達をこんなにも大切にしてくれたわ。」 サーファス:「しかし…。アルマフ、貴方の考えは如何でしょうか?」 アルマフ:「んー、某(それがし)は二人に同調しよう。君達の方が彼女と永く過ごしてきてる故ね。」 レイディラ:「サーファス、時間が惜しい。あんたの治癒の右手を翳(かざ)しなさい!」 サーファス:「…畏(かしこ)まりました。」 0:刹那、椏未果に木漏れ日のような優しい光が注ぎ込む。 アルマフ:「うぬ、これにて一件落着という事だねえ。」 レイディラ:「あんたは死なせないわ。レイ達の希望だからね。」 サーファス:「ふぅ…。レイディラ、変わりましたね。以前の貴女はヒューマを見境なく忌み嫌っておりましたが。」 レイディラ:「ふん、サーファス。勘違いしないで!ただの気紛れよ。」 サーファス:「ふふ、そういう事にしておきましょう。」 アルマフ:「ヒューマを心底嫌うレイディラ嬢と、ヒューマに裏切れたサーファスの旦那。その傍(かたわら)にひっそりと咲く、ヒューマの娘っ子さん。」 アルマフ:「運命とは時に恐ろしきかな。」 レイディラ:「さぁ、二人とも。そろそろあたし達の姫様が目醒めるわよ。」 サーファス:「ええ、歓迎しましょう。」 アルマフ:「うぬ、若き君に祝杯をあげよう。」 0:椏実果は小さく呻いた後、静かに身体を起こす。 椏未果:「んん…あれ?私は…生きて…??」 椏未果:「霞んでいく意識の中で微(かす)かに聞こえた呼笑達を頼りにしたら、無事戻ってこれた…?」 椏未果:「ボヤけた視界の中で、私の部品達も動いてて…さすがにあれは夢だよね?」 0:目を擦りながら辺りをキョロキョロと見回す。 レイディラ:「あんた、あたし達の存在を夢で終わらせる気?随分と薄情ね。」 椏未果:「え……?」 サーファス:「レイディラ、彼女は目醒めたばかりで状況が呑み込めず気が動転してるだけです。挑発は程々に。」 アルマフ:「レイディラ嬢、サーファスの旦那の謂う事は最もである!興奮する気持ちも分かるけどねえ。」 椏未果:「き、機械達がお喋りしてる?!」 レイディラ:「今更、何を驚いてるのよ!あんたが永年、大事にしてきたんでしょ。」 サーファス:「わたくし達は貴女を尊い存在と認識しています。」 アルマフ:「お嬢さん。取り敢えず、落ち着いて。茶でも呑むかい?」 椏未果《M》:私はその場で硬直してしまい、暫(しばら)く、現実を受け止められずにいた。 椏未果:「ほ、本当に夢じゃないの??」 レイディラ:「いつまで疑ってるのよ!そんな事より。あんた、名前は?あたしはレイディラよ。」 サーファス:「わたくしはサーファスです。以後、お見知り置きを。」 アルマフ:「某はアルマフさ!ゆるりと行こうか!」 椏未果:「ごめんなさい…未だに信じられなくて。私の名前はアミカだよ!」 レイディラ:「アミカ、宜しくね。後、あんたの不治の病は完治してる筈(はず)よ。」 椏未果:「え?鏡、鏡……ぁあーあ!…い、色が肌色に戻って…ぐすん!!」 サーファス:「ふふ、その様子から察するに成功したようですね。安心しました。」 アルマフ:「命あっての物種だよー!次からは決して己を蔑(ないがし)ろにしちゃいけないよ〜?」 レイディラ:「ふん。今は気が済むまで、存分に感傷に浸りなさい。」 椏未果:「みんな……ありがと…!(涙声)」 椏未果《M》:こうして、私の事を永年蝕み続けたトケイソウ病は消えて無くなった。 レイディラ:『Act3 背負う重さ。』 椏未果:「これで、私の話は終わりだよ。」 真宏:「…っ。そんな事があったのか。」 真宏:「俺の話もぶっ飛んでると思うけど、それ以上に衝撃的だった。」 椏未果:「さぁ、マヒロ。お互いの事を知り得た訳だし、出掛けよっか♪」 レイディラ:「エロ大魔神、特別に道中はレイの話をしてやろう。」 サーファス:「わたくしの過去についても話しておきましょう。マヒロ、貴方は本日より、大事な仲間ですので。」 アルマフ:「某の事も知っておいて損はないかもよ〜?どうする?今なら無料で!」 真宏:「サーファスとアルマフは兎も角、、レイディラ、もうちょっとマシな渾名(あだな)は思い付かなかったのかよ?!」 レイディラ:「ふぉっふぉっ!」 サーファス:「マヒロ、これはレイディラなりの愛情表現です。どうか、お気を悪くしないで下さい。」 椏未果:「あはは、平和だね!」 アルマフ:「若いの、何事もプラスに変換が出来る脳を持ち合わせよう!」 真宏:「くぅ…納得いかねぇ!!」 真宏《M》:訳も分からないまま、別世界に飛ばされ、そこで妙な種族と出会い葛藤の末、絆を結んだ俺は、異世界の仲間達と次の目的地へ歩みを進めた。 和子:「マヒロ、マヒロ!!…やっぱり、返事がない。でも、確かにあの時……呼笑が…」 0:to..be..continued...

0:息をするのに理由なんて要らない。ただ、我武者羅に明日を生き抜くvisionだけを想い描く。 真宏《M》:歪んでしまった…。 真宏《M》:あの頃みたいに、澄み切った美しい青空を見上げる事はもう…出来ない。 真宏《N》:呼笑(こえ)亡き明日。『Act1 落日。』 椏未果:「…!空から人が降って来た…!?ねぇ、大丈夫?」 真宏:「んん…いてててぇ…」 椏未果:「その可笑しな恰好(かっこう)は何?」 真宏:「なんだぁ!?心配してきたかと思えば、畳み掛けるように一方的に話かけてきやがって!邪険にするようで悪いが、俺も状況が今ひとつ呑み込めず、混乱してんだ。……(そもそも、俺はどうなったんだ…?)」 真宏:「…(あ、そうか。肝試しの最中に妙な廃墟に足を踏み入れたら、突然黑いモヤに包まれて…)」 椏未果:「ねぇ、聞いてる??」 真宏:「ぁえ?!ああ。まぁ、答えたところで理解は出来ないと思うが。」 椏未果:「そう。私はアミカ。貴方の名前は?」 真宏:「マヒロだ。じゃ、俺は急いでるから、またな。」 椏未果:「待って!」 真宏:「ん?」 椏未果:「マヒロ、貴方の服装からして、この星の人間じゃないと思うけど…土地勘はあるの?」 真宏:「あ…えっと、それはな…」 椏未果:「ふふ、その様子だと困っているみたいだね。」 真宏:「わ、笑うなよ!それで、旅のガイドにでもなってくれるのか?」 椏未果:「うん。逸(はぐ)れないよう、私に着いて来て!」 真宏:「お、おう。」 真宏《M》:未だに整理が出来てない中、何の疑いもなく声を掛けてきた、椏未果と言う不思議な女。状況が掴めないまま右往左往してた俺を気遣い、着いて来いと道を示してくれた。俺は導かれるままに、彼女の後に続く。 椏未果:「随分と足取りが重そうだけど、大丈夫?それでね、この先を南西の方角に進むと、私のお家が見えてくるよ。」 真宏:「はぁ…はぁはぁ…!ん…アミカの家か。邪魔していいのか?」 椏未果:「うん。自分のお家だと思って寛(くつろ)いでね!」 真宏:「それじゃ、お言葉に甘えるぜ。」 椏未果:「あ!あそこーー!マヒロ、水色の建物見える?」 真宏:「あん?あーアレか…って!?あんなボロ屋敷がお前の家なのか…」 椏未果:「んぅ?ボロじゃないよ!失礼だな。」 真宏:「いや、どこからどう見ても…ボロ…」 椏未果:「あぁー!また言ったね?」 真宏:「まぁー、ちゃんと眠れる場所を提供してくれるなら、それ以上の贅沢は望まないけどな。」 椏未果:「…」 真宏:「おい。急に推し黙るなよ!不安になってくるだろうが。」 椏未果:「うん、寝る事は出来るんだけど…うーん……その、何て言ったらいいんだろう…」 真宏:「な、何だよ?取り敢えず、中に入るぞ!お邪魔しまー……はぁああ?!」 椏未果:「えへへ。」 真宏:「いやいや!部屋の8割がガラクタの山で埋まってるって、どういう事だよ!ボロ屋敷を改め、ゴミ屋敷に改名しとくか?あ?!」 椏未果:「まぁまぁ、落ち着いてよ!」 真宏:「はぁ…」 椏未果:「ごめんなさい。滅多に来客(らいきゃく)なんて無いから…って!この子達はガラクタじゃないよ!」 真宏:「は、この子達??見たところ、何の変哲もない機械のパーツみたいだが?」 椏未果:「レイディラ!」 真宏:「え?」 レイディラ:「はいはぁい!呼んだ?アミカ。」 真宏:「うぉあ!?ガラクタが喋った?!」 椏未果:「サーファス!」 サーファス:「御命令でしょうか?お嬢様。」 真宏:「ガラクタが次から次へと、喋りやがる!なんだこりゃああ!?」 椏未果:「ふふ、驚いた?この子達はね、魔機(マキ)って言うんだよ。」 真宏:「まき?」 椏未果:「うん、どういう仕組みかは私も未だに分からないんだけど、生命(いのち)が宿った機械の呼称だよ。」 真宏:「生命ねぇ。」 レイディラ:「アミカ、この如何にもなスケベ顔の男は新しい彼氏?」 サーファス:「お嬢様、お怪我は?御命令とあれば、この輩を排除致しましょうか?」 真宏:「おい、誰がスケベ顔だ!排除もすんな!」 椏未果:「レイディラ、サーファス。大丈夫、安心して!異国のお友達だよ。」 レイディラ:「へぇ、お友達?そうなのね!それなら、特製お持て成しクッキーを用意しなくちゃ!」 サーファス:「わたくしもお紅茶のご準備を。」 真宏:「ん、大丈夫だぞ?お構いなく。」 椏未果:「うんうん、今日は宴(うたげ)だね!」 0:レイディラとサーファスから美味しいお菓子とお茶を貰い、陽が落ちるまで皆で宴を満喫した。 椏未果:「マヒロ、寝床(ねどこ)を用意したよ!」 真宏:「お?気が利くじゃないか。てか!いつの間にガラクタの山を片付けたんだよ?!あー、それで…肝心の布団が見当たらないんだが?」 椏未果:「フトン??」 真宏:「まさか、布団を知らないとか言わないよな?」 椏未果:「んーん、分からない。初めて聞くかな。」 真宏:「ふむ。それじゃあ、寝床って言うのはどういった…意味…あん!?」 椏未果:「アルマフ!」 真宏:「また、ガラクタフレンズか!今度はどんな手品を見せてくれるんだ?」 アルマフ:「へー、お呼びかな?」 椏未果:「マヒロに寝る場所を与えてあげて!」 アルマフ:「かしこまり〜。」 真宏:「き、機械がカプセルベッドに変わっただと?!」 椏未果:「よぉし、完璧!」 アルマフ:「そちらの御仁、遠慮は要らぬぞよ?さぁ、速やかに横になりたまえ。」 真宏:「はぁ…」 椏未果:「マヒロ、明日は隣街まで行こう!」 真宏:「へ?!と、隣街?!また突拍子ないな…」 椏未果:「ふふ、おやすみなさい。」 真宏:「ああ、おやすみ。……不思議な世界だな此処(ここ)は。」 0:その晩、真宏が眠りにつくと… 真宏:「ここは…どこだ?…」 和子:「マヒロ!マヒロ!」 真宏:「その声は……和子(わこ)か?」 和子:「マヒロ!返事をして!」 真宏:「ぬ…?俺の声が届いてないのか…?」 0:その刹那、暗闇から光が差し込み、見慣れた風景へと変わる。 真宏:「ん?ここは!あの時の廃墟か!?…あいつらは、創(はじめ)と優(すぐる)?…!あいつらの後ろで煙草吹かしてるのは俺…?」 和子:「マヒロー!肝試しって趣味悪いわよ?」 真宏:「和子がもう一人の俺に話し掛けて…待てよ、この情景は…記憶の一部を映し出してるとでも言うのか?」 和子:「いい?あたしは零時廻ったら帰るからね?そのつもりで。」 真宏:「この会話は忘れもしない!深く脳裏(のうり)にこびり付いてる。くそ…俺もあの時、大人しく帰っていれば…」 和子:「はぁ?!あんた、あの廃墟の中に入る訳?!しょ、正気?!ねぇ、創も優も止めてあげてよ!」 真宏:「あんなに必死に制(せい)してくれたのにな。和子…すまない…」 和子:「はい、そうですか!人がせっかく親切で言ってるのに……どうなっても知らないからね!!」 真宏:「和子達の忠告をシャットアウトし、この後、俺は歪(ゆが)みの果てへと堕ちた……」 真宏:「うわぁあああ!!」 椏未果《N》:『Act2 再生の夜。』 レイディラ:「アミカー!この変態、凄く魘(うな)されているみたいよ?」 椏未果:「どうしたの?レイディラ。え、マヒロ?…!オデコが熱い…サーファス!!」 サーファス:「はい、お呼びでしょうか?アミカお嬢様。」 椏未果:「貴方、薬学の心得(こころえ)があったよね?」 サーファス:「ええ、この程度の発熱であれば完治は容易でしょう。」 レイディラ:「さすが、治癒型(ちゆがた)アンドロイドは頼りになるねぇ!過去、数多くのヒューマ(人間)達はあんたを必要していたものね。」 サーファス:「レイディラ、それは過ぎ去った日々、大昔の話です。それにわたくしは忌(い)み機。所謂(いわゆる)、欠陥品(けっかんひん)ですから。」 椏未果:「欠陥品って!サーファス、貴方は私にとっては貴重な存在だよ。お願いだから、卑下(ひげ)しないで!」 レイディラ:「ほっんとに、アミカは甘いなぁ!」 サーファス:「アミカお嬢様、わたくしはレイディラ同様、ただの無機質に過ぎません。心などは持ち合わせておりません。」 真宏:「ぅ!…ぐぁっ!!」 椏未果:「マヒロ!このままじゃ、マヒロが…サーファス!お願い!!」 サーファス:「承知致しました!アミカお嬢様。」 レイディラ:「ふん。ヒューマなんてアミカ以外、興味ない。そのまま生き絶えればいいのよ。」 椏未果:「レイディラ…」 サーファス:「不本意ですが、アミカお嬢様の困った顔は見たくないので…仕方ありませんね。聖なる癒しの息吹よ彼(か)の者を包め。治癒光!」 0:サーファスの右手が優しい光を放つ。 真宏:「ん…ん…お、俺は?!ぐっ!…頭痛え。」 椏未果:「ま、マヒロ?目覚めたみたいだね!良かった。」 レイディラ:「あーあ、回復しちゃった!つまんないの。」 サーファス:「マヒロ、わたくしもレイディラ同様、貴方を受け入れる準備が出来てる訳では無いのですが、先程の曇った表情を見るに、アミカお嬢様にとって、マヒロは需要(じゅよう)のある人物だとお見受けしたので。」 真宏:「はぁ?何の話だ?!順を追って説明してくれ。」 椏未果:「マヒロ、貴方は夢魔(むま)によって身体(からだ)の制御を奪われていたの。」 真宏:「夢魔だ?!じゃあ…あの悪夢はそいつが創り出した夢の世界だと言うのか?」 サーファス:「なるほど。魘(うな)されてた原因は夢魔の仕業でしたか。」 レイディラ:「スケベヒューマ、夢魔は弱きヒューマに棲(す)み着く、怪異の事よ。」 真宏:「よ、弱いだと?!くっ!確かに…今の俺は心に余裕など無いが。」 サーファス:「心身共に衰弱(すいじゃく)していたところに付け入ったのでしょう。」 真宏:「ふむ、夢魔とやらは把握した。次は俺の話だな。薄々気付いているとは思うが、俺は異なる世界軸(じく)から来たんだ。」 椏未果:「異なる世界軸?時を超えたとでも言うのかな?…具体的に何処から来たの?」 真宏:「空が清く澄んでいる蒼い星。日本だ。」 サーファス:「ニホン、聞いた事のない星ですね。」 レイディラ:「ニホン…?」 椏未果:「にほん?マヒロはその星からどうやって来たの?」 真宏:「仲間達と巷(ちまた)で有名な心霊スポットの廃墟に入ろうとしたんだ。そうしたら、黑いモヤに包まれて…」 椏未果:「しんれいすぽっと?黑いモヤ?」 レイディラ:「アミカ、心霊スポットはヒューマ達の間で好まれている、悪趣味な遊びみたいなものよ。」 サーファス:「レイディラは万国の汎用型(はんようがた)アンドロイドですから、流石の博識(はくしき)ですね。」 椏未果:「へぇ、物知りだね!レイディラ。」 真宏:「そのまま気を失って、意識を取り戻した先がこの見知らぬ星だった訳だ。」 椏未果:「なるほど。えっとね、昨日は色々とバタバタしてたから、伝えそびれちゃったんだけど。ここはね、魔機と共存する星、イシュルだよ。」 真宏:「イシュル…その魔機って言うのはサーファスやレイディラの事か。」 椏未果:「そうだよ、少し退屈かも知れないけど聞いてね。この子達が、私に希望の光を与えてくれた奇跡の物語を。」 真宏:「何だと?!」 椏未果:「マヒロ、私は数十年前、全身が赤紫に変色するトケイソウ病という不治の病に冒(おか)されていたの…」 0:数十年前。 椏未果:「はぁ、はぁ…毎日、鏡を見るのがとても苦痛。」 椏未果:「けほっ…けほっ!…呼吸をするのもこんなに辛いなんて…」 椏未果:「はぁはぁ…もう、全部…諦めちゃおうかな…」 椏未果:「何もかも無に還(かえ)して、楽になっても罰は当たらない…よね。」 椏未果:「さよなら、私自身。」 椏未果:「さよなら…街のみんな。」 椏未果:「ありが…」 0:椏美果が全てを終わりにしようとした時… レイディラ:「あんた、情けないヒューマね。」 サーファス:「命とは輝いてるからこそ、美しいのです。」 アルマフ:「オタクが死ぬのは勝手だけど、残された者達にどう顔向けするんだ?あの世で懺悔するのかい?」 椏未果:「…え?あなた達は…?呼笑はどこから聞こえてくるの……?」 0:その瞬間、椏未果が大事にしてた機械の部品が一人でに動く。 椏未果:「…!異様な光景……私の集めた機械達が会話している?」 0:霞む視界に微かに映る、機械達の会話劇。 レイディラ:「サーファス、このヒューマを救える?」 サーファス:「レイディラ?貴女はヒューマ嫌いでは?」 レイディラ:「サーファス、この子は過去に厭と言うほど見てきた、残酷で非道なヒューマでは無い。その証拠に、今日この日まで、レイ達をこんなにも大切にしてくれたわ。」 サーファス:「しかし…。アルマフ、貴方の考えは如何でしょうか?」 アルマフ:「んー、某(それがし)は二人に同調しよう。君達の方が彼女と永く過ごしてきてる故ね。」 レイディラ:「サーファス、時間が惜しい。あんたの治癒の右手を翳(かざ)しなさい!」 サーファス:「…畏(かしこ)まりました。」 0:刹那、椏未果に木漏れ日のような優しい光が注ぎ込む。 アルマフ:「うぬ、これにて一件落着という事だねえ。」 レイディラ:「あんたは死なせないわ。レイ達の希望だからね。」 サーファス:「ふぅ…。レイディラ、変わりましたね。以前の貴女はヒューマを見境なく忌み嫌っておりましたが。」 レイディラ:「ふん、サーファス。勘違いしないで!ただの気紛れよ。」 サーファス:「ふふ、そういう事にしておきましょう。」 アルマフ:「ヒューマを心底嫌うレイディラ嬢と、ヒューマに裏切れたサーファスの旦那。その傍(かたわら)にひっそりと咲く、ヒューマの娘っ子さん。」 アルマフ:「運命とは時に恐ろしきかな。」 レイディラ:「さぁ、二人とも。そろそろあたし達の姫様が目醒めるわよ。」 サーファス:「ええ、歓迎しましょう。」 アルマフ:「うぬ、若き君に祝杯をあげよう。」 0:椏実果は小さく呻いた後、静かに身体を起こす。 椏未果:「んん…あれ?私は…生きて…??」 椏未果:「霞んでいく意識の中で微(かす)かに聞こえた呼笑達を頼りにしたら、無事戻ってこれた…?」 椏未果:「ボヤけた視界の中で、私の部品達も動いてて…さすがにあれは夢だよね?」 0:目を擦りながら辺りをキョロキョロと見回す。 レイディラ:「あんた、あたし達の存在を夢で終わらせる気?随分と薄情ね。」 椏未果:「え……?」 サーファス:「レイディラ、彼女は目醒めたばかりで状況が呑み込めず気が動転してるだけです。挑発は程々に。」 アルマフ:「レイディラ嬢、サーファスの旦那の謂う事は最もである!興奮する気持ちも分かるけどねえ。」 椏未果:「き、機械達がお喋りしてる?!」 レイディラ:「今更、何を驚いてるのよ!あんたが永年、大事にしてきたんでしょ。」 サーファス:「わたくし達は貴女を尊い存在と認識しています。」 アルマフ:「お嬢さん。取り敢えず、落ち着いて。茶でも呑むかい?」 椏未果《M》:私はその場で硬直してしまい、暫(しばら)く、現実を受け止められずにいた。 椏未果:「ほ、本当に夢じゃないの??」 レイディラ:「いつまで疑ってるのよ!そんな事より。あんた、名前は?あたしはレイディラよ。」 サーファス:「わたくしはサーファスです。以後、お見知り置きを。」 アルマフ:「某はアルマフさ!ゆるりと行こうか!」 椏未果:「ごめんなさい…未だに信じられなくて。私の名前はアミカだよ!」 レイディラ:「アミカ、宜しくね。後、あんたの不治の病は完治してる筈(はず)よ。」 椏未果:「え?鏡、鏡……ぁあーあ!…い、色が肌色に戻って…ぐすん!!」 サーファス:「ふふ、その様子から察するに成功したようですね。安心しました。」 アルマフ:「命あっての物種だよー!次からは決して己を蔑(ないがし)ろにしちゃいけないよ〜?」 レイディラ:「ふん。今は気が済むまで、存分に感傷に浸りなさい。」 椏未果:「みんな……ありがと…!(涙声)」 椏未果《M》:こうして、私の事を永年蝕み続けたトケイソウ病は消えて無くなった。 レイディラ:『Act3 背負う重さ。』 椏未果:「これで、私の話は終わりだよ。」 真宏:「…っ。そんな事があったのか。」 真宏:「俺の話もぶっ飛んでると思うけど、それ以上に衝撃的だった。」 椏未果:「さぁ、マヒロ。お互いの事を知り得た訳だし、出掛けよっか♪」 レイディラ:「エロ大魔神、特別に道中はレイの話をしてやろう。」 サーファス:「わたくしの過去についても話しておきましょう。マヒロ、貴方は本日より、大事な仲間ですので。」 アルマフ:「某の事も知っておいて損はないかもよ〜?どうする?今なら無料で!」 真宏:「サーファスとアルマフは兎も角、、レイディラ、もうちょっとマシな渾名(あだな)は思い付かなかったのかよ?!」 レイディラ:「ふぉっふぉっ!」 サーファス:「マヒロ、これはレイディラなりの愛情表現です。どうか、お気を悪くしないで下さい。」 椏未果:「あはは、平和だね!」 アルマフ:「若いの、何事もプラスに変換が出来る脳を持ち合わせよう!」 真宏:「くぅ…納得いかねぇ!!」 真宏《M》:訳も分からないまま、別世界に飛ばされ、そこで妙な種族と出会い葛藤の末、絆を結んだ俺は、異世界の仲間達と次の目的地へ歩みを進めた。 和子:「マヒロ、マヒロ!!…やっぱり、返事がない。でも、確かにあの時……呼笑が…」 0:to..be..continued...