台本概要
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タイトル | 話せばわかる |
---|---|
作者名 | 星海結月 (@sea_moon_hy) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(男2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
__この期に及んで命乞いか? コメディ…と言っていいのか分からないブラックユーモアな類です。 内容より雰囲気を楽しんでいただけたら幸いです。 【利用規約】 ☆本作は、女性キャストが男性役を演じても構いません。その場合は、必ずキャラクターの設定に準じた性別での上演をお願いします。なお、キャラクターの性別を変更して上演したい場合は、事前に作者までご相談ください。 ★本作品は、作品の世界観を損ねない程度の口調の変更、一人称などの変更、アドリブを許諾しています。台本の一部を修正した場合はその旨を概要欄へ記載、または口頭でのアナウンスをお願いします。台本を大きく改変すること、軽微な変更後の自作発言は固く禁じます。ご不明な場合は、TwitterのDMまでご相談をお寄せください。 ☆非商用利用時の際は使用許可等の連絡は不要ですが、いかなる媒体においても上演・配信等の際は、概要欄等に必ずシナリオの「作者名」と「作品名」、「URL」の明記をお願いします。明記が難しい場合は口頭での紹介も可です。(口頭のみの場合はURLは不要ですが、引用元のサイト様の紹介をお願いします。) 記載例:星海結月 「作品名」 作品URL ★商用利用時は星海結月TwitterのDMまで必ずご連絡ください。 ☆その他については当サイト・声劇台本置き場の利用規約に準じます。 212 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
A | 男 | 30 | 銃を向けている人 |
B | 男 | 32 | よくわからないけど銃を向けられている人 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
B:待て……どういうつもりだ。な、何の冗談だよ……なぁ?
A:(M)大げさな震え声が聞こえる。芝居がかったその台詞に、思わず吹き出しそうになった
A:(M)人通りのない、さびれた路地裏。俺は目の前にいる奴に拳銃を向けている
B:おい……ぼ、僕が何をしたってんだよ。なぁ、聞こえてんのかって!
A:黙れ
0:A 拳銃を構え直す
B:ひっ……!
A:一瞬だから大人しくしとけ。……俺は急いでいるんだ
B:急ぎの片手間に銃を向けるなよ!
A:撃つぞ
B:ま、待てって!
A:待ったところでお前が死ぬのには変わりない
B:待ってくれ、話せばわかる!
A:この期に及んで命乞いか。「話せばわかる」と言うやつの話なんぞ、聞いたところで大抵はどうでもいいことなんだよ。ただの時間稼ぎに過ぎない
B:そ、そうとも限らないじゃないか! な、物事には例外ってものあるんだよ。だからさ、な! 聞いてくれって!
A:急いでいるといったはずだ
B:急いでいるならすぐ撃てばいいじゃないかっ!
A:……
0:A 拳銃を降ろす
B:おっ……?
B:で、でも、あんたは僕を撃たない、何か理由があるはずだ。そ、そうだろ
A:別に、特段話すものでもない
B:ぼ、僕を殺すために雇われたとか、そういうあれか?
A:まぁ、そんなところだな。俺は金のためにお前を殺す。お前の命はあろうがなかろうがどうでもいい
B:……なるほどな
A:何?
B:い、いやっ、何でもないさ……ということは、つまりあれだな?
B:あんた、何で僕に銃を向けているのか、理由は分らないわけだな?
A:分からないも何も、そんなことはどうでもいい
B:ど、どうでもいいって……そんな言い方はあんまりだなぁ
A:ただ、よく分からないがお前をすぐに撃つなとのことだ
B:ぼ、僕を恨んでるやつがあんたを雇って、僕のことを極限まで追い詰めたい、とかか……? ははっ……
A:お前、やっぱり何か自覚あるのか
B:な、ないないないない! ないから死にたくないんだってば!
A:あったとしてもふつうは死にたくねぇだろうよ
B:え、それあんたが言っちゃうの?
A:(拳銃を構える)
B:あ、ごめんなさいごめんなさい!
A:(拳銃をおろす)
B:(少し間をおいて勝ち誇ったように)……ほ、ほらな、話せばわかっただろ?
A:何もわかってねぇよ!……なんだ、お前の話ってのはそれだけか
B:じゃあ、僕を日常生活に戻してください!(B 再び慌てだす)
B:あ、そうだ! 僕を死んだってことにすればいいじゃない、それで、あんたは金を受け取れるし、僕は助かる
B:……ねっ! 悪くない話だ! うん……!
A:最期に遺す言葉はそれでいいんだな
B:えっ!! ……じゃあ、じゃあ僕があんたに金を出して雇えばいいんだ!
B:あんた金が目当てなんだろ? 金さえあればいいんだろ? な! いくらだ。あんたはいくらで雇われたんだ
B:僕がその金の二倍、いや三倍であんたを雇う! ……それで、依頼主をこ、殺してくれ!
A:お前がそんな金持ちには見えないけどな
0:A 再び拳銃を構える
B:おいおいちょっと待てって!
B:じゃ、じゃあこの話はどうだ……!?
A:まだ何かあるのか
B:は、ははっ……こ、こんな状況でしゃべるなんて、人生に一度あるかないか、だよなぁ
A:まぁ、無い方が良いだろうな
B:銃を向けられて命乞いをするとか、映画やドラマの中の話だと思っていたよ……
A:現に、お前の身に降りかかってるけどな
B:そういうのを見るたびにいつも思うんだ
B:こうやって喋ってる間に、とっとと撃っちゃえばいいのにって
A:……こっち側に立つと、撃てない事情があることもわかるぞ
B:ある時分かったんだ。こういうシーンが出てくるときは大抵、ご都合主義なのさ
B:だってそうじゃないか。殺されて当然だ! って思う極悪人の話なんか、聞く必要ない。聞きたくもない
A:お前、この状況でよくそんなこと言えるな。その言葉、反撃しようとして全部お前に返ってきてないか
B:主役が長々喋っても撃たれないのは、まるで黒幕が敵の助けを待ってるみたいだし
B:まぁ、この場合、僕とあんた、どっちが主人公でどっちが黒幕なのか分からないけど。……でも、僕は助けを待っているわけじゃない
A:さっきから何を言ってるんだよ
B:じゃあ、本題 (B 声の震えがなくなる)
0:A 様子が変わったBを見て怯む
B:かつての総理大臣が暗殺される前、彼は何故、自分に銃を向ける軍将校に向かって「話せばわかる」と言ったのか、あんたは知ってるか
A:……知らん、考えたこともない
B:ふ、ふふっ……だろうな
A:何がおかしい
B:……面と向かって話し合えば互いに分かり合えるだろう
B:言葉通りの希望をもって、彼は言ったのさ
A:……お前、何が言いたい
B:つまり
0:銃を構える
A:なっ……?
B:これは、命乞いの言葉じゃねえんだよ
0:銃声
B:待て……どういうつもりだ。な、何の冗談だよ……なぁ?
A:(M)大げさな震え声が聞こえる。芝居がかったその台詞に、思わず吹き出しそうになった
A:(M)人通りのない、さびれた路地裏。俺は目の前にいる奴に拳銃を向けている
B:おい……ぼ、僕が何をしたってんだよ。なぁ、聞こえてんのかって!
A:黙れ
0:A 拳銃を構え直す
B:ひっ……!
A:一瞬だから大人しくしとけ。……俺は急いでいるんだ
B:急ぎの片手間に銃を向けるなよ!
A:撃つぞ
B:ま、待てって!
A:待ったところでお前が死ぬのには変わりない
B:待ってくれ、話せばわかる!
A:この期に及んで命乞いか。「話せばわかる」と言うやつの話なんぞ、聞いたところで大抵はどうでもいいことなんだよ。ただの時間稼ぎに過ぎない
B:そ、そうとも限らないじゃないか! な、物事には例外ってものあるんだよ。だからさ、な! 聞いてくれって!
A:急いでいるといったはずだ
B:急いでいるならすぐ撃てばいいじゃないかっ!
A:……
0:A 拳銃を降ろす
B:おっ……?
B:で、でも、あんたは僕を撃たない、何か理由があるはずだ。そ、そうだろ
A:別に、特段話すものでもない
B:ぼ、僕を殺すために雇われたとか、そういうあれか?
A:まぁ、そんなところだな。俺は金のためにお前を殺す。お前の命はあろうがなかろうがどうでもいい
B:……なるほどな
A:何?
B:い、いやっ、何でもないさ……ということは、つまりあれだな?
B:あんた、何で僕に銃を向けているのか、理由は分らないわけだな?
A:分からないも何も、そんなことはどうでもいい
B:ど、どうでもいいって……そんな言い方はあんまりだなぁ
A:ただ、よく分からないがお前をすぐに撃つなとのことだ
B:ぼ、僕を恨んでるやつがあんたを雇って、僕のことを極限まで追い詰めたい、とかか……? ははっ……
A:お前、やっぱり何か自覚あるのか
B:な、ないないないない! ないから死にたくないんだってば!
A:あったとしてもふつうは死にたくねぇだろうよ
B:え、それあんたが言っちゃうの?
A:(拳銃を構える)
B:あ、ごめんなさいごめんなさい!
A:(拳銃をおろす)
B:(少し間をおいて勝ち誇ったように)……ほ、ほらな、話せばわかっただろ?
A:何もわかってねぇよ!……なんだ、お前の話ってのはそれだけか
B:じゃあ、僕を日常生活に戻してください!(B 再び慌てだす)
B:あ、そうだ! 僕を死んだってことにすればいいじゃない、それで、あんたは金を受け取れるし、僕は助かる
B:……ねっ! 悪くない話だ! うん……!
A:最期に遺す言葉はそれでいいんだな
B:えっ!! ……じゃあ、じゃあ僕があんたに金を出して雇えばいいんだ!
B:あんた金が目当てなんだろ? 金さえあればいいんだろ? な! いくらだ。あんたはいくらで雇われたんだ
B:僕がその金の二倍、いや三倍であんたを雇う! ……それで、依頼主をこ、殺してくれ!
A:お前がそんな金持ちには見えないけどな
0:A 再び拳銃を構える
B:おいおいちょっと待てって!
B:じゃ、じゃあこの話はどうだ……!?
A:まだ何かあるのか
B:は、ははっ……こ、こんな状況でしゃべるなんて、人生に一度あるかないか、だよなぁ
A:まぁ、無い方が良いだろうな
B:銃を向けられて命乞いをするとか、映画やドラマの中の話だと思っていたよ……
A:現に、お前の身に降りかかってるけどな
B:そういうのを見るたびにいつも思うんだ
B:こうやって喋ってる間に、とっとと撃っちゃえばいいのにって
A:……こっち側に立つと、撃てない事情があることもわかるぞ
B:ある時分かったんだ。こういうシーンが出てくるときは大抵、ご都合主義なのさ
B:だってそうじゃないか。殺されて当然だ! って思う極悪人の話なんか、聞く必要ない。聞きたくもない
A:お前、この状況でよくそんなこと言えるな。その言葉、反撃しようとして全部お前に返ってきてないか
B:主役が長々喋っても撃たれないのは、まるで黒幕が敵の助けを待ってるみたいだし
B:まぁ、この場合、僕とあんた、どっちが主人公でどっちが黒幕なのか分からないけど。……でも、僕は助けを待っているわけじゃない
A:さっきから何を言ってるんだよ
B:じゃあ、本題 (B 声の震えがなくなる)
0:A 様子が変わったBを見て怯む
B:かつての総理大臣が暗殺される前、彼は何故、自分に銃を向ける軍将校に向かって「話せばわかる」と言ったのか、あんたは知ってるか
A:……知らん、考えたこともない
B:ふ、ふふっ……だろうな
A:何がおかしい
B:……面と向かって話し合えば互いに分かり合えるだろう
B:言葉通りの希望をもって、彼は言ったのさ
A:……お前、何が言いたい
B:つまり
0:銃を構える
A:なっ……?
B:これは、命乞いの言葉じゃねえんだよ
0:銃声