台本概要
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タイトル | 時を遡ってでも伝えたいたったひとつの事 |
---|---|
作者名 | 熊野むっち (@mucchi_0908) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 3人用台本(男2、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
【声劇配信時の規約】 ・配信時に作者名および作品名を記載 ※上記一点のみ必ずご対応くだされば、作者への連絡は不要です。 (投げ銭の有無、有償無償に関わらず) 193 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ワタル | 男 | 26 | ファーストフード店の客 |
時於 | 男 | 14 | 50年後の未来からやって来たワタル |
店員 | 女 | 19 | ファーストフードの女性店員 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:「時を遡ってでも伝えたいたったひとつの事」作・熊野むっち
:
0:○研究室(夜)
0: 薄暗い部屋の中央には複数の動力パイプが接続された機械がある。それを見つめている時於ワタル(70)
:
:
時於:できた!ついに完成したぞ!……時空間移動装置……タイムマシンじゃ!これさえあればワシは……ワシは……!
:
:
0: 時於は意を決した表情で機械のスイッチを押す。
:
:
時於:スイッチぽち……フオンフオンフオン……フォンフォンフォンフォン………バシュウウウゥゥゥ!!
:
:
0: 電気モーターのような唸り音をあげたかと思うと、時於を乗せた機械は瞬時に消え去る。
:
:
0:〇ファーストフード店内
0: 混雑した店内。カウンター近くで時於ワタル(19)が店員と話している。
:
店員:いらっしゃいませ、ご注文お伺いします!
ワタル:えっと、このサンドイッチのチリチキンで。
店員:かしこまりました!サイズはレギュラーかフットロングのどちらがよろしいですか?
ワタル:え?フットロ……?……あーあの、レギュラーで、お願いします。
店員:かしこまりました。パンはウィート、ホワイト、セサミ、ハニーオーツがございますが。
ワタル:……へ?
店員:サンドイッチのパンを4種類の中から選んで頂きます!
ワタル:じゃあ、あの最初のやつで……
店員:ウィートですね!かしこまりました!お客様パンは焼かれますか?
ワタル:や、焼く!?焼くんだ。じゃあえっと、うん、焼きます。
店員:かしこまりました!トッピングはどうなさいますか?
ワタル:トッピング……
店員:はい!トッピングはナチュラルスライスチーズ、クリームタイプチーズ、マスカルポーネチーズ、シュレッドチーズミックス……
ワタル:うう……
店員::お客様?
ワタル:ううう……
店員:お客様、どうかなさいましたか?
ワタル:すいません、あの……やっぱり注文(止めます)
時於ちょっと待ったあ!
:
:
0: と、そこにモクモクと上がった煙と共にタイムマシンに乗った時於が現れる。
:
:
時於:シュインシュインシュイン……バシュウウゥゥ!
店員:キャア!
ワタル:うわあ!
時於:……ワタルよ!
ワタル:え、何このおじいさん。
時於:ワシの名前は時於ワタル!
時於:51年後の未来からやって来た未来のお主自身じゃ!
ワタル:え……このおじいさんが僕……
時於:……お嬢さん!
店員:は、はいっ!
ワタル:この青年のオーダーをワシが代わりにお願いしても良いですかな?
店員:はあ……
時於:チリチキンのポテトドリンクセットでドリンクはコーラ、ブレッドはフラットブレッドで焼き有り、トッピングはシュレッドチーズミックスを1スクープ、野菜はレタスましまし、トマトましまし、オニオンましましでピーマン抜き!アクセントにホットペッパー、ドレッシングはオイル&ビネガーでお願いしまっす!
店員:かっ、かしこまりました!
店員:ご注文繰り返します!チリチキンのポテトドリンクセットでドリンクはコーラ、ブレッドはフラットブレッドで焼き有り、トッピングはシュレッドチーズミックスを1スクープ、野菜はレタスましまし、トマトましまし、オニオンましましでピーマンは抜き、アクセント野菜はホットペッパー、ドレッシングはオイル&ビネガーでよろしいでしょうか?
:
:
0: 時於は満足そうに何度も頷く。
:
:
ワタル:あ、あの(有難うございます)
時於:(遮って)50年前、黒魔術の呪文のような言葉を羅列したオーダー方法に耐え切れず逃げ出してしまった事、この悔しさがずっとワシの心の底に澱のように漂っておった……。
時於:そしてワシはこの無念を晴らすため時空間移動装置……タイムマシンを開発し、過去のワシ、つまりお主に会いに来たのじゃよ。
ワタル:……注文の仕方を教えるためにですか?
時於:そうじゃ。注文の仕方を教えるためじゃ。
時於:この時のためにワシは友や恋人も作らず、生涯を研究に捧げた……。
ワタル:え。
時於:なんじゃ。
ワタル:50年間?
時於:そうじゃ。
ワタル:じゃあ、あの……結婚とかは……?
時於:結婚はおろか女子と付き合った事もない!ワシは科学の発展のためだけに身を捧げ、童貞を貫く!
ワタル:童貞を貫く……。
店員:あの~お客様、店内大変であまり大きなお声を出されますと、他のお客様のご迷惑になりますので……
ワタル:あの、店員さん!
店員:はい
ワタル:僕と付き合ってください!
店員:はい?
ワタル:一生童貞なんて絶対にやだ!身を焦がすような恋も経験できないんだったらタイムマシンなんていらない!
時於:おい!何を言い出すかと思えば……じゃったらワシのこの50年の血の滲むような努力は一体どうなる!?
ワタル:そんなもん知るかー!!そもそも僕がそんな事頼んだんじゃないだろー!大体注文できなかったくらいでタイムマシン作る必要ないだろ!なんだよそのモチベーション!
店員:あの……
ワタル:はい!なんでしょう!?
店員:ごめんなさい。お付き合いはできないです。
ワタル:えー!なんでー!?
店員:私、ここの社員さんと付き合ってるんで。それに注文の仕方がわからなかったくらいで途中で逃げちゃうような人はちょっと無理かなって。
時於:ド正論じゃの。
ワタル:うう……時を戻したい。
0:
0:
0:終わり
:「時を遡ってでも伝えたいたったひとつの事」作・熊野むっち
:
0:○研究室(夜)
0: 薄暗い部屋の中央には複数の動力パイプが接続された機械がある。それを見つめている時於ワタル(70)
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時於:できた!ついに完成したぞ!……時空間移動装置……タイムマシンじゃ!これさえあればワシは……ワシは……!
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0: 時於は意を決した表情で機械のスイッチを押す。
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時於:スイッチぽち……フオンフオンフオン……フォンフォンフォンフォン………バシュウウウゥゥゥ!!
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0: 電気モーターのような唸り音をあげたかと思うと、時於を乗せた機械は瞬時に消え去る。
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0:〇ファーストフード店内
0: 混雑した店内。カウンター近くで時於ワタル(19)が店員と話している。
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店員:いらっしゃいませ、ご注文お伺いします!
ワタル:えっと、このサンドイッチのチリチキンで。
店員:かしこまりました!サイズはレギュラーかフットロングのどちらがよろしいですか?
ワタル:え?フットロ……?……あーあの、レギュラーで、お願いします。
店員:かしこまりました。パンはウィート、ホワイト、セサミ、ハニーオーツがございますが。
ワタル:……へ?
店員:サンドイッチのパンを4種類の中から選んで頂きます!
ワタル:じゃあ、あの最初のやつで……
店員:ウィートですね!かしこまりました!お客様パンは焼かれますか?
ワタル:や、焼く!?焼くんだ。じゃあえっと、うん、焼きます。
店員:かしこまりました!トッピングはどうなさいますか?
ワタル:トッピング……
店員:はい!トッピングはナチュラルスライスチーズ、クリームタイプチーズ、マスカルポーネチーズ、シュレッドチーズミックス……
ワタル:うう……
店員::お客様?
ワタル:ううう……
店員:お客様、どうかなさいましたか?
ワタル:すいません、あの……やっぱり注文(止めます)
時於ちょっと待ったあ!
:
:
0: と、そこにモクモクと上がった煙と共にタイムマシンに乗った時於が現れる。
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時於:シュインシュインシュイン……バシュウウゥゥ!
店員:キャア!
ワタル:うわあ!
時於:……ワタルよ!
ワタル:え、何このおじいさん。
時於:ワシの名前は時於ワタル!
時於:51年後の未来からやって来た未来のお主自身じゃ!
ワタル:え……このおじいさんが僕……
時於:……お嬢さん!
店員:は、はいっ!
ワタル:この青年のオーダーをワシが代わりにお願いしても良いですかな?
店員:はあ……
時於:チリチキンのポテトドリンクセットでドリンクはコーラ、ブレッドはフラットブレッドで焼き有り、トッピングはシュレッドチーズミックスを1スクープ、野菜はレタスましまし、トマトましまし、オニオンましましでピーマン抜き!アクセントにホットペッパー、ドレッシングはオイル&ビネガーでお願いしまっす!
店員:かっ、かしこまりました!
店員:ご注文繰り返します!チリチキンのポテトドリンクセットでドリンクはコーラ、ブレッドはフラットブレッドで焼き有り、トッピングはシュレッドチーズミックスを1スクープ、野菜はレタスましまし、トマトましまし、オニオンましましでピーマンは抜き、アクセント野菜はホットペッパー、ドレッシングはオイル&ビネガーでよろしいでしょうか?
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0: 時於は満足そうに何度も頷く。
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ワタル:あ、あの(有難うございます)
時於:(遮って)50年前、黒魔術の呪文のような言葉を羅列したオーダー方法に耐え切れず逃げ出してしまった事、この悔しさがずっとワシの心の底に澱のように漂っておった……。
時於:そしてワシはこの無念を晴らすため時空間移動装置……タイムマシンを開発し、過去のワシ、つまりお主に会いに来たのじゃよ。
ワタル:……注文の仕方を教えるためにですか?
時於:そうじゃ。注文の仕方を教えるためじゃ。
時於:この時のためにワシは友や恋人も作らず、生涯を研究に捧げた……。
ワタル:え。
時於:なんじゃ。
ワタル:50年間?
時於:そうじゃ。
ワタル:じゃあ、あの……結婚とかは……?
時於:結婚はおろか女子と付き合った事もない!ワシは科学の発展のためだけに身を捧げ、童貞を貫く!
ワタル:童貞を貫く……。
店員:あの~お客様、店内大変であまり大きなお声を出されますと、他のお客様のご迷惑になりますので……
ワタル:あの、店員さん!
店員:はい
ワタル:僕と付き合ってください!
店員:はい?
ワタル:一生童貞なんて絶対にやだ!身を焦がすような恋も経験できないんだったらタイムマシンなんていらない!
時於:おい!何を言い出すかと思えば……じゃったらワシのこの50年の血の滲むような努力は一体どうなる!?
ワタル:そんなもん知るかー!!そもそも僕がそんな事頼んだんじゃないだろー!大体注文できなかったくらいでタイムマシン作る必要ないだろ!なんだよそのモチベーション!
店員:あの……
ワタル:はい!なんでしょう!?
店員:ごめんなさい。お付き合いはできないです。
ワタル:えー!なんでー!?
店員:私、ここの社員さんと付き合ってるんで。それに注文の仕方がわからなかったくらいで途中で逃げちゃうような人はちょっと無理かなって。
時於:ド正論じゃの。
ワタル:うう……時を戻したい。
0:
0:
0:終わり