台本概要

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タイトル ダーティー【燻んでしまった俺の日常】前篇。
作者名 すばら  (@kou0204hei)
ジャンル その他
演者人数 7人用台本(男4、女3)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 お蔵入り台本。蔵前 剛次の兼ね役、黒牙 勝。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
新道寺 実 76
荒田 澄和 63
柁原 瑠璃香 52
殺嶋 瞳子 33
蔵前 剛次 39
道々 廻 50
蔵前 庵 32
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ダーティー 燻んでしまった俺の日常。 新道寺 実:俺の名前は新道寺 実(まこと)特別、何かが秀でてる訳ではない。極々、普通の高校生だ。 新道寺 実:毎日、変わらぬ日常。普通に学校へ行き、授業を受ける。何の変哲も無い日々だ。 新道寺 実:アイツが転校して来るまでは平和だった。 荒田 澄和:まことちゃあん!また、頼んでいい? 新道寺 実:こいつは…荒田(あらだ)澄和(すみかず)…見ての通り、素行の悪い男だ。こいつが現れたせいで、俺の平和な学生ライフは音を立てて、崩れ去った。 荒田 澄和:まことちゃあん?だいじょぶ? 新道寺 実:え?ああー…今度は俺をどこに狩り出す気だよ? 荒田 澄和:次はさぁ…熊剛、生意気な三年坊を懲らしめたいんだよねぇ。 新道寺 実:…(こいつ、よりによって校内一の番長と恐れられている男を懲らしめるとか言い出してきやがった…) 荒田 澄和:ねぇ、まことちゃあん?聞いてる? 新道寺 実:は?お前、馬鹿なのか?!こないだの一年の荒川(あらかわ)孟(つとむ)は、ただの気狂い(きちが)野郎だったから、上手くいっただけだ。 荒田 澄和:え?何、まことちゃあん、ビビってんの? 新道寺 実:…(くそが…ただでさえ、こいつには舐められぱなしだっつーのに…えぇい!ヤケだ!) 新道寺 実:そ、そんな訳ねぇだろ?どんな凶暴な奴でもかかって来いってんだ! 荒田 澄和:おおー!気合い入ってるう!さすが、まことちゃあんだね!早速、作戦会議をしようよ! 新道寺 実:はぁ…(勢いで余計な事を口走ってしまった…!…俺の平和な学生ライフを返してくれぇい…!) 荒田 澄和:オレが調べた情報によると、名前は蔵前(くらまえ)剛次(けんじ)ガタイが熊の様に太くて、今まで何十人も病院送りにしてるんだって。 新道寺 実:…ぽりぽりっ。(お菓子を食う図 ) 荒田 澄和:まことちゃあん、聞いてる?! 新道寺 実:あ、ああ!聞いてる、聞いてる!…ぽりぽりっ。 荒田 澄和:うーん…今回の依頼者は、剛次の彼女からなんだけど… 新道寺 実:ぽりぽりっ…な、なんだって!?…女だと?!ど、どんな子なんだ? 荒田 澄和:え?!さっき、めちゃくちゃ興味無さそうにしてたのに、女の話になった途端、露骨に態度が変わったね?! 新道寺 実:ば、馬鹿野郎!今もその蜘蛛のような男に、怯えてる日々を送っているんだろ?一大事だろ!!すぐに、カタを付けるぞ!すみかず。 荒田 澄和:いや、クモじゃなくて…”クマ”だよ!まぁ、最後まで話を聞いてよ。 新道寺 実:あーあ!すまぬ!つい、興奮してしまった。…ごほんっ!…それでどんな女なんだ? 荒田 澄和:鼻血出てるって……。それが、その女どうにも不思議な子らしくてさ。 新道寺 実:不思議な女?どう不思議なんだ? 荒田 澄和:うん、実は2年の道々 廻(めぐる)とも付き合ってみたいなんだよ。 新道寺 実:は?他に男いんのか!?二股かよ…しょうもねぇ女だな。やめだ、やめ! 荒田 澄和:へっ?まことちゃあん、さっきのやる気はどこいったの?! 新道寺 実:お前さ、考えても見ろよ?どう考えてもその女が原因だろ! 荒田 澄和:ごもっとも…いや、でもそれと蔵前剛次を倒す理由とは関係なく無い? 新道寺 実:はぁ?関係あるわ!大有りだっての!…せっかく、俺の青春に一輪の華が挿さるかと思ったのに…くそっ!! 荒田 澄和:いやいや!まことちゃあんが彼女欲しいだけじゃん! 新道寺 実:あ?欲しいよ、悪いかよ!毎日、むさ苦しい男達に囲まれて過ごしてるから、余計に…欲しくたまら……うおぁ!? 柁原 瑠璃香:痛っ……!あ……ご、御免なさい!…だ、大丈夫ですか? 荒田 澄和:まさかのラッキースケベ!? 新道寺 実:は、はい!もう全然、大丈夫です!!ピンピンしています!…それより、貴女こそ、お怪我はありませんか? 荒田 澄和:まことちゃあんのキャラが違うんですけど!? 柁原 瑠璃香:はい、大丈夫なのは大丈夫なのですが…… 荒田 澄和:ま、まことちゃあん…手!手! 新道寺 実:え?!あ……俺の手に柔らかい感触が…! 柁原 瑠璃香:はなし……いい加減にしやがれっ!!このスケコマシがっ!!パシッ!(ビンタ) 新道寺 実:ぐぉえぇーー!?へ、ヘヴンーー!!! 荒田 澄和:はぁ…やれやれ。 柁原 瑠璃香:最低っ!!ふんっ。 荒田 澄和:まことちゃあん、大丈夫かい? 新道寺 実:…むにゅむにゅ…ましゅまろぉ…ピクッピクッ… 荒田 澄和:はぁ…完全に伸びてるよ。。 新道寺 実:……(数分経過) 荒田 澄和:おーい、生きてる? 新道寺 実:あ、ああ!あの麗しい天使は誰なんだ?すみかず。 荒田 澄和:あの子の名前は柁原(かじはら) 瑠璃香(るりか)暴走族、隠牙桜峯(いんがおうほう)の頭(ヘッド)だよ。 新道寺 実:え?!えーー!?ま、まじかよ!?あんな可愛い顔して、族のあたまぁ?! 荒田 澄和:うん。彼女は生まれ付き、男性恐怖症でね。恐らく、過去に父親から虐待を受けていたのが原因なんだろうけど。 新道寺 実:な、何だと!可哀想な、るりかちゃん…。 荒田 澄和:まことちゃあん、事故とは言えおっぱいを揉んだら、そりゃ殴られるよ。。 新道寺 実:すみかず、俺!決めたぜ! 荒田 澄和:はい? 新道寺 実:あの子と何が何でも付き合う!…あの柔らかな感触が忘…あ、いや!あの子が放っておけないんだ! 荒田 澄和:うん、そう言うと思ったよ!因みに柁原 瑠璃香と蔵前 剛次の彼女、殺嶋(さつしま)瞳子(とうこ)は隠牙桜峯のメンバーだよ。 新道寺 実:ほう?ぽりぽりっ。 荒田 澄和:また、濡れ煎食ってるよ…瑠璃香はNo.1、要するに頭だね。瞳子はNo.2だよ。 新道寺 実:ふぅん、ぽりぽりっ。 荒田 澄和:2人は幼馴染で。元々は折り合いが悪かったみたいだね。 新道寺 実:すみかず〜お前、何でそんな詳しいんだ?ただの転校生なのに。 荒田 澄和:地元じゃないオレがこの町に詳しい理由は単にオレの頭のネットワークが優れているからだよ! 新道寺 実:あ〜そ。ぽりぽりっ。 荒田 澄和:ねぇ、まことちゃあん! 新道寺 実:ん? 荒田 澄和:まことちゃあんは瑠璃香に接触して。あーーさっきみたいな事はしちゃ駄目だよ? 新道寺 実:もみゅもみゅ…わ、分かってらぁ!…それで、お前はどうすんだ? 荒田 澄和:うん、オレは2年の道々(どうどう)廻(めぐる)に会ってくるよ。 新道寺 実:一人で大丈夫か?って…要らん心配だったな。 荒田 澄和:問題ないよ。それに廻くうんはオレに借りがあるからね。 新道寺 実:借りねぇ。 荒田 澄和:また何か進展したら電話するよ! 新道寺 実:おう、俺も瑠璃香ちゃんとまぐわ…打ち解けたら報告するわ! 荒田 澄和:うん、くれぐれも変な事はしちゃ駄目だよ? 新道寺 実:分かってるっての!…う、うっせぇな! 荒田 澄和:ははは、それじゃあね。 新道寺 実:またな! 柁原 瑠璃香:もう、朝から最低…!何なのよ、あの変態野郎!!…一度絞めてやろうか!! 殺嶋 瞳子:るりか?だいじーぶ? 柁原 瑠璃香:トーコ!おはよう。昨夜は眠れた? 殺嶋 瞳子:うーん、さすがに寝不足だよ。冥凶死遂(めいきょうしすい)の頭を刺しちゃったんだからさあ。。 柁原 瑠璃香:仕方無いだろ!アイツ…蔵前(くらまえ)庵(あん)はあたし等のチーム、隠牙桜峯を”内部分裂”させようと企んでたんだからよ!…それにあれは事故だ。 殺嶋 瞳子:それでも、るりか…事実、彼女は死んだんだよ。。 柁原 瑠璃香:隠牙桜峯のNo.2も落魄れたもんだね!…勢いのあった殺嶋 瞳子はどこいったんだい!! 殺嶋 瞳子:これまで、色々なチームを潰してきたけど…半殺し止まりだったし… 柁原 瑠璃香:この腑抜け!!次の集会、トーコ!あんたの席はないからね! 殺嶋 瞳子:るりか…私は! 柁原 瑠璃香:うるさい!話掛けてくるなっ!! 殺嶋 瞳子:… 蔵前 剛次:姉ちゃん…柁原 瑠璃香!……ただで済むと思うなっ!! 蔵前 剛次:(数時間後) 殺嶋 瞳子:けんじ、難しい顔してどうしたの? 蔵前 剛次:瞳子、正直に答えてくれ。 殺嶋 瞳子:…え? 蔵前 剛次:お前のクラスの…いや、隠牙桜峯のNo.1、頭の柁原 瑠璃香と同じチームなのか? 殺嶋 瞳子:けんじ、何でそれを!? 蔵前 剛次:答えろっ!! 殺嶋 瞳子:そうよ……ごめんなさい、けんじ。 蔵前 剛次:やっぱりか!!何でだ…何で、姉ちゃんを殺した?! 殺嶋 瞳子:あれは………事故なのよ。 蔵前 剛次:くぅぅう!!ああああ!! 殺嶋 瞳子:(数日前) 蔵前 庵:ほう、隠牙桜峯の殺嶋 瞳子と柁原 瑠璃香の不仲説か。 蔵前 庵:まずは、瞳子を叩けば良いんだな? 道々 廻:そうです。トウコを叩けば奴等のチームは壊滅します。 蔵前 庵:めぐる!てめぇ、確か…瞳子と出来て無かったか? 道々 廻:それは、まぁ… 蔵前 庵:てめぇ、アタシを嵌めようってんなら容赦しねぇからな? 道々 廻:そ、そんな事する訳ないじゃないですか! 蔵前 庵:ふんっ。まぁ、いい。手筈通り、瞳子を呼び出せ!! 道々 廻:任せて下さい! 道々 廻:(数週間前) 殺嶋 瞳子:めぐるー!起きてる? 道々 廻:ふわぁあ…なに?朝っぱらから、どうしたの?瞳子。 殺嶋 瞳子:チーム、隠牙桜峯No.2への就任式があるんだけど、一緒に来る? 道々 廻:え、いや、僕は行かないよ。 殺嶋 瞳子:そう、分かったわ。またね! 道々 廻:トウコ! 殺嶋 瞳子:なに? 道々 廻:もう、暴走族なんて辞めなよ!…危ないし、僕、、トウコの事が凄く心配だよ……。 殺嶋 瞳子:めぐる……大丈夫よ。私は簡単にやられたりしないからっ!…じゃあね! 道々 廻:トウコ…… 道々 廻:トウコだって普通の女子高生なんだ。…僕が何とかしない……ん?あれは…! 蔵前 剛次:姉ちゃん!遅刻するよー! 蔵前 庵:けんじ、ご飯は?食べたの? 蔵前 剛次:要らないよ。そんな時間無いし。 道々 廻:あれは……熊の剛次!相変わらずのシスコンぷりだ。……ん、確か…姉の庵はトウコの敵対チームに入ってたはず……なんだっけ… 蔵前 庵:けんじ!姉ちゃん、今日は冥凶死遂の集会があって夜遅くなるかも知れないから。 蔵前 剛次:え?晩飯は? 道々 廻:そうだ、冥凶死遂だ。これだっ!これで…トウコを救えるぞ! 蔵前 庵:10000円渡すから、好きなもの食べて! 蔵前 庵:(数日後) 道々 廻:いたいた、蔵前 庵さんですよね? 蔵前 庵:んぁ?てめぇ、どこのボンクラだ?あ? 道々 廻:はは…そんな凄まないで下さいよ。僕の名前は道々 廻です。 蔵前 庵:アタシが冥凶死遂の総長、蔵前 庵だと分かって、話掛けてるのか?あ? 道々 廻:はい、噂は聞き及んでいます!そんな庵さんに耳寄りな情報が有りまして。 蔵前 庵:耳寄りな情報だぁ?…適当な事吹かしやがったら、埋めるからな? 道々 廻:ははは…覚悟の上です。 道々 廻:次の抗争、隠牙桜峯とですよね? 蔵前 庵:あん?めぐるー!てめぇ、さてはグルか?! 道々 廻:ち、違いますって!殺嶋 瞳子、柁原 瑠璃香の関係なんですが、昔から不仲なんですよ。 蔵前 庵:はん、それが何だって言うんだ?あ? 道々 廻:内部分裂を狙えるんじゃないかなと思いまして。 蔵前 庵:内部分裂だぁ?具体的に言ってみろ。 蔵前 庵:(数日後) 蔵前 庵:お前が殺嶋 瞳子か? 殺嶋 瞳子:ん?めぐるに会いたいからって呼び出されて来てみたけど、まさか…アタシ騙された? 蔵前 庵:ふんっ!馬鹿な女だな!あのめぐるつー男はてめぇを売ったんだよ。 殺嶋 瞳子:はあ??めぐるがそんな事する訳ないじゃない! 蔵前 庵:ぎゃははは!おめでたいヤツだな! 殺嶋 瞳子:くっ…!アンタ、よく見れば冥凶死遂の蔵前 庵? 蔵前 庵:ほう、全くの無能って訳では無いみたいだな! 殺嶋 瞳子:冥凶死遂のNo.1がアタシに何の用? 蔵前 庵:お前の所属するチーム、隠牙桜峯の柁原 瑠璃香とは仲が悪いらしいな? 殺嶋 瞳子:だったら、どうだって言うのよ? 蔵前 庵:殺嶋 瞳子、ウチのチームに来いっ!! 殺嶋 瞳子:はぁ? 道々 廻:(数時間前) 道々 廻:柁原 瑠璃香は中3の夏、殺嶋 瞳子から男を寝盗ってたらしいんですけど。 蔵前 庵:ほう、とんだ下衆女だな!…それで、その話は瞳子本人は知らないのか? 道々 廻:勿論、知らないです。 蔵前 庵:なるほどな。 蔵前 庵:(現在) 蔵前 庵:柁原 瑠璃香に寝盗られた件は許したのか? 殺嶋 瞳子:は?何を言ってるの? 蔵前 庵:中3の夏、自分の男を誰かに奪われなかったか? 殺嶋 瞳子:え……… 柁原 瑠璃香:…それ以上は止めておきな! 蔵前 庵:柁原 瑠璃香!! 殺嶋 瞳子:るりか、何で?! 柁原 瑠璃香:あんた、今日が大切の日だって事を忘れてんの? 殺嶋 瞳子:え…あー、結成記念日! 蔵前 庵:てめぇ、後もう少しだってのに…邪魔しやがって…(バタフライナイフを構える) 柁原 瑠璃香:お前だせーな。チームの頭張ってんなら素手(すてごろ)でかかって来いや!おらぁー!(右ストレート) 蔵前 庵:ぐぅあ!!… 殺嶋 瞳子:るりか、中3の夏って… 柁原 瑠璃香:は?何言ってんだ、トーコ? 蔵前 庵:……死ねぇい!柁原 瑠璃香ぁ!! 殺嶋 瞳子:るりか、後ろっ!! 柁原 瑠璃香:!!…しつけー女だな!うりゃ!! 蔵前 庵:…かはっ!!…グサッ…!……うっ……(息絶える) 殺嶋 瞳子:え!?…るりか、ヤバいって!死んでるよ。 柁原 瑠璃香:んぁ?自業自得だろ。 殺嶋 瞳子:そんな言い方… 柁原 瑠璃香:ほら、帰るよ!トーコ。 殺嶋 瞳子:…っ! 蔵前 剛次:(数十分後) 蔵前 剛次:ね、姉ちゃん!?う、嘘だろ…おい、目を覚ませよ!!姉ちやぁあああん!!! 蔵前 剛次:…ハンカチ…?…隅に柁原 瑠璃香って書いてある………殺すっ!!(ハンカチを握り潰す) 柁原 瑠璃香:トーコ、あたしのハンカチ知らない? 殺嶋 瞳子:え?あの紫色の派手なハンカチ?見てないよ? 柁原 瑠璃香:うーん、どこかで落としたかも…大事なハンカチだったんだけどなあ。 荒田 澄和:(数週間前) 荒田 澄和:めぐるくうん、みっけ! 道々 廻:すみかずさん!?お久しぶりです。 荒田 澄和:毎度言ってるけど、オレの方が学年は下なんだから、タメ語でいいよ。 道々 廻:確かに僕の方が一つ上ですが、すみかずさんにはお世話になってるので。 荒田 澄和:ははは、めぐるくうんは律儀な男だよ、本当に。 道々 廻:その節は助かりました!あの時、すみかずさんが通りかからなかったら僕は…今頃。。 荒田 澄和:くすぐったいなぁ!そんな事よりさ、めぐるくうんに頼みがあるんだけど。 道々 廻:頼みとは? 荒田 澄和:(一ヶ月前) 道々 廻:はぁ…はぁ…はぁ………いてっー!? 黒牙 勝:おい、お前!人にぶつかっておいて、謝りもしねぇとは何様だコラ!! 道々 廻:え、、え!?不可抗力ですって!!すみません、急いでるので…失礼しま…… 黒牙 勝:待てや、コラ!痛い目を見ねぇとわかんねーみたいだな?あん? 道々 廻:いや、その…勘弁して下さいっ! 荒田 澄和:にいちゃん!悪気は無いみたいやし、許したれや! 黒牙 勝:あん?誰だ、てめぇ!舐めやがって!!……オラァー!! 道々 廻:え! 荒田 澄和:血の気が多いのう…カルシウム足りてまっか?…そらぁ!! 黒牙 勝:ぐばあ!?…は、歯がァアー!! 道々 廻:あの… 荒田 澄和:大丈夫かい?にいちゃん。 道々 廻:はい、お陰様で命拾いしました!…自分は道々 廻です!…このご恩はいつか必ず!急いでるので……失礼します! 荒田 澄和:はっははっ!元気なやっちゃな! 道々 廻:(三週間後) 道々 廻:あ、あの人は!……すみませーん!! 荒田 澄和:ん?…おお、こないだの元気なにいちゃん!元気してた?確か、、すぐるだっけ? 道々 廻:めぐるです! 荒田 澄和:おお、すまんすまん!…めぐるくうんか。…あー、そう言えばオレの名前を教えて無かったね?オレは荒田 澄和だよ!宜しくね。 道々 廻:すみかずさん!宜しくお願いします! 荒田 澄和:ははは、硬いねぇ!…オレのが下なんだし、ラフにいこよ! 道々 廻:いや、命の恩人ですし。…あ、すみかずさん!これはほんの気持ちです! 荒田 澄和:ん? 道々 廻:こちら、Gx(じっくす)…原チャですけど、良かったら受け取って下さい! 荒田 澄和:え、ぇえ!?良いの? 道々 廻:勿論です!すみかずさんに乗って欲しくて、ご用意させて頂きました! 荒田 澄和:はは、ありがとねん!めぐるくうん。 道々 廻:いえ、こちらこそありがとうございます! 荒田 澄和:また困ってたら、助けちゃう! 道々 廻:あはは、その時は素直に甘えちゃいますね! 荒田 澄和:どーんと来いっ!はははは! 道々 廻:あははは! 荒田 澄和:(現在) 荒田 澄和:懐かしいな。あ、めぐるくうん、君から貰ったバイク、改造しちゃった!マフラー変えて、二段シート付けちゃったよ。ごめんちゃい! 道々 廻:いやいや、好きに使って下さい! 荒田 澄和:ははは、ありがとねん。 道々 廻:えっと、そう言えば…僕に頼み事って何です? 荒田 澄和:あー、その件ね。めぐるくうん、殺嶋 瞳子と別れて欲しいんだよねえ! 道々 廻:え?!どうして? 新道寺 実:(蔵前庵の死後) 新道寺 実:すみかずの奴ーー上手くやってるのかな?……あ、魅惑の天使すぁん!! 柁原 瑠璃香:え?…きゃああ!! 新道寺 実:…もみもみ…ぁあ〜本当に素晴らしい感触だ…… 柁原 瑠璃香:……ま、またお前かぁ!!…おりゃああー!! 新道寺 実:へ、ヘブンーー!!! 柁原 瑠璃香:このクソ変態野郎が!!マスかいて寝てやがれっ!! 新道寺 実:…ま、待ってくれ! 柁原 瑠璃香:あん?何だよ、あたしゃ忙しいんだよ!あんたに構ってる暇なんてねぇんだよっ!! 新道寺 実:さっきから、床ばっかり見てるけど何か探し物でもしてんの? 柁原 瑠璃香:は?あんた、人の話聞いて…へぇ、ただの馬鹿って訳じゃ無さそうね。 新道寺 実:俺も手伝うよ。 柁原 瑠璃香:そうね、乙女の柔肌を何度も触れた訳だしね…手伝いなさい! 新道寺 実:ああ、いいよ。どこら辺に落としたか見当は付かないのか? 柁原 瑠璃香:うーん 新道寺 実:そうか。取り敢えず、まずは自己紹介からだな!…俺の名前は新道寺 実だ!宜しくな。 柁原 瑠璃香:あたしは柁原 瑠璃香よ。これでも… 新道寺 実:知ってるよ。レディースの総長だろ。チーム名は隠牙桜峯。 柁原 瑠璃香:あ、アンタ!何でそこまで知ってんのさ?! 新道寺 実:まぁ、ちょっとな!…そんな事より… 蔵前 剛次:お前が、柁原 瑠璃香だな? 新道寺 実:熊の剛次っ!! 柁原 瑠璃香:は?誰よ、あんた!気安く話掛けて来ないでくれる? 蔵前 剛次:人の姉を殺しておいて、よくデカい口が叩けるな! 柁原 瑠璃香:なっ!? 新道寺 実:るりか、一先ず、逃げるぞっ! 柁原 瑠璃香:え?あ、ちょっとーー! 蔵前 剛次:あ…!逃すかぁっ!! 道々 廻:(同時刻) 道々 廻:す、すみかずさん…冗談ですよね? 荒田 澄和:この顔が冗談を言う顔に見える? 道々 廻:…っ。 荒田 澄和:めぐるくうんの気持ちはよーく、分かる。けど、別れた方がいい。…身の為だよ。 道々 廻:身の為? 荒田 澄和:実はね… 蔵前 剛次:(同時刻) 蔵前 剛次:くそっ!!どこいきやがった!! 柁原 瑠璃香:はぁ…はぁ…はぁ… 新道寺 実:(大丈夫か?だいぶ息切れてるみたいだが。) 柁原 瑠璃香:(あ、当たり前でしょ!…はぁ、何でこんなトラブル続きなのよ!) 新道寺 実:(剛次の姉を殺したって本当か?) 柁原 瑠璃香:(あれは…事故よ…) 蔵前 剛次:ぶっ殺してやる!!オラァ!!(ガラスをぶち破る) 柁原 瑠璃香:痛っ…! 新道寺 実:(ば、馬鹿!声を出すな!) 蔵前 剛次:あ?…そこだな! 新道寺 実:(幸い、逃げ込んだ場所は音楽室……るりか、オルガンの下に隠れるぞ。) 柁原 瑠璃香:(分かったわ。) 蔵前 剛次:この部屋から声が聞こえてきたが… 柁原 瑠璃香:… 新道寺 実:…(固唾を呑む) 蔵前 剛次:そこに居んのは分かってんだ、観念して面見せろや!! 柁原 瑠璃香:…(てか、何で逃げてんのよ!ヤッた方が早いでしょ!) 新道寺 実:…(馬鹿、あいつの怖さは異常なんだよ。ましてや、自分の肉親を殺されてんだぞ?) 蔵前 剛次:うおらあ!!(椅子を蹴り飛ばす) 柁原 瑠璃香:…(あんた、ガタイいいのに随分とビビりね。) 新道寺 実:…(うるせ!俺は平和主義者なんだよ。) 柁原 瑠璃香:…(もう!面倒くさいわ!出るわっ!!) 新道寺 実:…(ば、馬鹿!やめ…) 蔵前 剛次:あん?お前は…… 柁原 瑠璃香:熊の剛次!あたしに何か様か? 蔵前 剛次:てめぇ、姉ちゃんを殺しておいて、しゃあしゃあと! 新道寺 実:…(あー、馬鹿過ぎる…そしてそれに付き合う羽目になる俺は不幸過ぎる…はあ) 蔵前 剛次:あん?てめぇ、誰だ?!この女の男か? 柁原 瑠璃香:実!やっと出て来たわね! 新道寺 実:馬鹿かっ!出て来てやったんだよ!…い、一応男だし、俺だけ逃げ隠れてても、格好付かね 蔵前 剛次:何をごちゃごちゃ吐かしてやがる!てめぇら、覚悟は出来てんだろうな?あ? 柁原 瑠璃香:執念深い男はモテないわよ? 新道寺 実:はぁ… 蔵前 剛次:柁原 瑠璃香!死ねやぁあ!! 新道寺 実:うおお!!凄まじいパンチ力だな。机が粉々だぞ… 柁原 瑠璃香:破壊力はあるみたいね。…でも、動きは鈍いわね!…ほはぁあー! 蔵前 剛次:ぐぁ! 新道寺 実:う、嘘だろ!?化け物か、この女!顔は可愛いのに。 蔵前 剛次:ぺっ!…食いやがれぇ!! 柁原 瑠璃香:かはっ! 新道寺 実:おいおい、マジで一切の容赦ない殺し合いかよ! 蔵前 剛次:姉ちゃんの仇ぃ!おらぁあ!! 柁原 瑠璃香:ぐっ…!姉ちゃん、姉ちゃん、気持ち悪いのよ!このシスコン野郎が!はぁーあ!! 蔵前 剛次:ぐはっ!! 新道寺 実:二人ともこのまま続けてたら、出血多量で病院送りになるぞ… 柁原 瑠璃香:実、あんたも加勢しなさい…よ!! 蔵前 剛次:ぐっ…!……ぺっ!…どりゃああ!! 新道寺 実:いや、無理無理!… 蔵前 剛次:羽虫みたいにちょこまかと動き回りやがって!!…おらぉらあぁ!! 新道寺 実:るりか! 柁原 瑠璃香:え?!……きゃああ!! 蔵前 剛次:手こずらせやがって、終わりだッ!!…な、てめぇ…! 新道寺 実:…ふぅー、間一髪だな!るりか、油断するなよ。 柁原 瑠璃香:あんた…やるじゃない。 新道寺 実:ふ、彼氏になってやってもいいぞ? 柁原 瑠璃香:ちょ、調子に乗んな! 蔵前 剛次:クソがッ!舐めた真似しやがって!! 新道寺 実:俺は殴る方も殴られる方も嫌いだ。…けどな、自分の惚れた女すら守れない、情けねぇ男に成り下がるのはもっと嫌いなんだ…よっ!! 蔵前 剛次:ぐあっ!!て…てめぇ、ただの優男じゃねえな! 柁原 瑠璃香:実、あんた… 新道寺 実:剛次、お前の気持ちは痛いほど分かる。 蔵前 剛次:あ?てめぇに俺の気持ちが理解出来てたまるかよッ!…おらぁ!! 柁原 瑠璃香:な?!実のやつ、風を得た鳥の如く、躱(かわ)した!? 新道寺 実:…俺の母親もな、見知らぬ奴に殺さたんだ。 蔵前 剛次:は?何語ってやが… 0:中編に続く。

ダーティー 燻んでしまった俺の日常。 新道寺 実:俺の名前は新道寺 実(まこと)特別、何かが秀でてる訳ではない。極々、普通の高校生だ。 新道寺 実:毎日、変わらぬ日常。普通に学校へ行き、授業を受ける。何の変哲も無い日々だ。 新道寺 実:アイツが転校して来るまでは平和だった。 荒田 澄和:まことちゃあん!また、頼んでいい? 新道寺 実:こいつは…荒田(あらだ)澄和(すみかず)…見ての通り、素行の悪い男だ。こいつが現れたせいで、俺の平和な学生ライフは音を立てて、崩れ去った。 荒田 澄和:まことちゃあん?だいじょぶ? 新道寺 実:え?ああー…今度は俺をどこに狩り出す気だよ? 荒田 澄和:次はさぁ…熊剛、生意気な三年坊を懲らしめたいんだよねぇ。 新道寺 実:…(こいつ、よりによって校内一の番長と恐れられている男を懲らしめるとか言い出してきやがった…) 荒田 澄和:ねぇ、まことちゃあん?聞いてる? 新道寺 実:は?お前、馬鹿なのか?!こないだの一年の荒川(あらかわ)孟(つとむ)は、ただの気狂い(きちが)野郎だったから、上手くいっただけだ。 荒田 澄和:え?何、まことちゃあん、ビビってんの? 新道寺 実:…(くそが…ただでさえ、こいつには舐められぱなしだっつーのに…えぇい!ヤケだ!) 新道寺 実:そ、そんな訳ねぇだろ?どんな凶暴な奴でもかかって来いってんだ! 荒田 澄和:おおー!気合い入ってるう!さすが、まことちゃあんだね!早速、作戦会議をしようよ! 新道寺 実:はぁ…(勢いで余計な事を口走ってしまった…!…俺の平和な学生ライフを返してくれぇい…!) 荒田 澄和:オレが調べた情報によると、名前は蔵前(くらまえ)剛次(けんじ)ガタイが熊の様に太くて、今まで何十人も病院送りにしてるんだって。 新道寺 実:…ぽりぽりっ。(お菓子を食う図 ) 荒田 澄和:まことちゃあん、聞いてる?! 新道寺 実:あ、ああ!聞いてる、聞いてる!…ぽりぽりっ。 荒田 澄和:うーん…今回の依頼者は、剛次の彼女からなんだけど… 新道寺 実:ぽりぽりっ…な、なんだって!?…女だと?!ど、どんな子なんだ? 荒田 澄和:え?!さっき、めちゃくちゃ興味無さそうにしてたのに、女の話になった途端、露骨に態度が変わったね?! 新道寺 実:ば、馬鹿野郎!今もその蜘蛛のような男に、怯えてる日々を送っているんだろ?一大事だろ!!すぐに、カタを付けるぞ!すみかず。 荒田 澄和:いや、クモじゃなくて…”クマ”だよ!まぁ、最後まで話を聞いてよ。 新道寺 実:あーあ!すまぬ!つい、興奮してしまった。…ごほんっ!…それでどんな女なんだ? 荒田 澄和:鼻血出てるって……。それが、その女どうにも不思議な子らしくてさ。 新道寺 実:不思議な女?どう不思議なんだ? 荒田 澄和:うん、実は2年の道々 廻(めぐる)とも付き合ってみたいなんだよ。 新道寺 実:は?他に男いんのか!?二股かよ…しょうもねぇ女だな。やめだ、やめ! 荒田 澄和:へっ?まことちゃあん、さっきのやる気はどこいったの?! 新道寺 実:お前さ、考えても見ろよ?どう考えてもその女が原因だろ! 荒田 澄和:ごもっとも…いや、でもそれと蔵前剛次を倒す理由とは関係なく無い? 新道寺 実:はぁ?関係あるわ!大有りだっての!…せっかく、俺の青春に一輪の華が挿さるかと思ったのに…くそっ!! 荒田 澄和:いやいや!まことちゃあんが彼女欲しいだけじゃん! 新道寺 実:あ?欲しいよ、悪いかよ!毎日、むさ苦しい男達に囲まれて過ごしてるから、余計に…欲しくたまら……うおぁ!? 柁原 瑠璃香:痛っ……!あ……ご、御免なさい!…だ、大丈夫ですか? 荒田 澄和:まさかのラッキースケベ!? 新道寺 実:は、はい!もう全然、大丈夫です!!ピンピンしています!…それより、貴女こそ、お怪我はありませんか? 荒田 澄和:まことちゃあんのキャラが違うんですけど!? 柁原 瑠璃香:はい、大丈夫なのは大丈夫なのですが…… 荒田 澄和:ま、まことちゃあん…手!手! 新道寺 実:え?!あ……俺の手に柔らかい感触が…! 柁原 瑠璃香:はなし……いい加減にしやがれっ!!このスケコマシがっ!!パシッ!(ビンタ) 新道寺 実:ぐぉえぇーー!?へ、ヘヴンーー!!! 荒田 澄和:はぁ…やれやれ。 柁原 瑠璃香:最低っ!!ふんっ。 荒田 澄和:まことちゃあん、大丈夫かい? 新道寺 実:…むにゅむにゅ…ましゅまろぉ…ピクッピクッ… 荒田 澄和:はぁ…完全に伸びてるよ。。 新道寺 実:……(数分経過) 荒田 澄和:おーい、生きてる? 新道寺 実:あ、ああ!あの麗しい天使は誰なんだ?すみかず。 荒田 澄和:あの子の名前は柁原(かじはら) 瑠璃香(るりか)暴走族、隠牙桜峯(いんがおうほう)の頭(ヘッド)だよ。 新道寺 実:え?!えーー!?ま、まじかよ!?あんな可愛い顔して、族のあたまぁ?! 荒田 澄和:うん。彼女は生まれ付き、男性恐怖症でね。恐らく、過去に父親から虐待を受けていたのが原因なんだろうけど。 新道寺 実:な、何だと!可哀想な、るりかちゃん…。 荒田 澄和:まことちゃあん、事故とは言えおっぱいを揉んだら、そりゃ殴られるよ。。 新道寺 実:すみかず、俺!決めたぜ! 荒田 澄和:はい? 新道寺 実:あの子と何が何でも付き合う!…あの柔らかな感触が忘…あ、いや!あの子が放っておけないんだ! 荒田 澄和:うん、そう言うと思ったよ!因みに柁原 瑠璃香と蔵前 剛次の彼女、殺嶋(さつしま)瞳子(とうこ)は隠牙桜峯のメンバーだよ。 新道寺 実:ほう?ぽりぽりっ。 荒田 澄和:また、濡れ煎食ってるよ…瑠璃香はNo.1、要するに頭だね。瞳子はNo.2だよ。 新道寺 実:ふぅん、ぽりぽりっ。 荒田 澄和:2人は幼馴染で。元々は折り合いが悪かったみたいだね。 新道寺 実:すみかず〜お前、何でそんな詳しいんだ?ただの転校生なのに。 荒田 澄和:地元じゃないオレがこの町に詳しい理由は単にオレの頭のネットワークが優れているからだよ! 新道寺 実:あ〜そ。ぽりぽりっ。 荒田 澄和:ねぇ、まことちゃあん! 新道寺 実:ん? 荒田 澄和:まことちゃあんは瑠璃香に接触して。あーーさっきみたいな事はしちゃ駄目だよ? 新道寺 実:もみゅもみゅ…わ、分かってらぁ!…それで、お前はどうすんだ? 荒田 澄和:うん、オレは2年の道々(どうどう)廻(めぐる)に会ってくるよ。 新道寺 実:一人で大丈夫か?って…要らん心配だったな。 荒田 澄和:問題ないよ。それに廻くうんはオレに借りがあるからね。 新道寺 実:借りねぇ。 荒田 澄和:また何か進展したら電話するよ! 新道寺 実:おう、俺も瑠璃香ちゃんとまぐわ…打ち解けたら報告するわ! 荒田 澄和:うん、くれぐれも変な事はしちゃ駄目だよ? 新道寺 実:分かってるっての!…う、うっせぇな! 荒田 澄和:ははは、それじゃあね。 新道寺 実:またな! 柁原 瑠璃香:もう、朝から最低…!何なのよ、あの変態野郎!!…一度絞めてやろうか!! 殺嶋 瞳子:るりか?だいじーぶ? 柁原 瑠璃香:トーコ!おはよう。昨夜は眠れた? 殺嶋 瞳子:うーん、さすがに寝不足だよ。冥凶死遂(めいきょうしすい)の頭を刺しちゃったんだからさあ。。 柁原 瑠璃香:仕方無いだろ!アイツ…蔵前(くらまえ)庵(あん)はあたし等のチーム、隠牙桜峯を”内部分裂”させようと企んでたんだからよ!…それにあれは事故だ。 殺嶋 瞳子:それでも、るりか…事実、彼女は死んだんだよ。。 柁原 瑠璃香:隠牙桜峯のNo.2も落魄れたもんだね!…勢いのあった殺嶋 瞳子はどこいったんだい!! 殺嶋 瞳子:これまで、色々なチームを潰してきたけど…半殺し止まりだったし… 柁原 瑠璃香:この腑抜け!!次の集会、トーコ!あんたの席はないからね! 殺嶋 瞳子:るりか…私は! 柁原 瑠璃香:うるさい!話掛けてくるなっ!! 殺嶋 瞳子:… 蔵前 剛次:姉ちゃん…柁原 瑠璃香!……ただで済むと思うなっ!! 蔵前 剛次:(数時間後) 殺嶋 瞳子:けんじ、難しい顔してどうしたの? 蔵前 剛次:瞳子、正直に答えてくれ。 殺嶋 瞳子:…え? 蔵前 剛次:お前のクラスの…いや、隠牙桜峯のNo.1、頭の柁原 瑠璃香と同じチームなのか? 殺嶋 瞳子:けんじ、何でそれを!? 蔵前 剛次:答えろっ!! 殺嶋 瞳子:そうよ……ごめんなさい、けんじ。 蔵前 剛次:やっぱりか!!何でだ…何で、姉ちゃんを殺した?! 殺嶋 瞳子:あれは………事故なのよ。 蔵前 剛次:くぅぅう!!ああああ!! 殺嶋 瞳子:(数日前) 蔵前 庵:ほう、隠牙桜峯の殺嶋 瞳子と柁原 瑠璃香の不仲説か。 蔵前 庵:まずは、瞳子を叩けば良いんだな? 道々 廻:そうです。トウコを叩けば奴等のチームは壊滅します。 蔵前 庵:めぐる!てめぇ、確か…瞳子と出来て無かったか? 道々 廻:それは、まぁ… 蔵前 庵:てめぇ、アタシを嵌めようってんなら容赦しねぇからな? 道々 廻:そ、そんな事する訳ないじゃないですか! 蔵前 庵:ふんっ。まぁ、いい。手筈通り、瞳子を呼び出せ!! 道々 廻:任せて下さい! 道々 廻:(数週間前) 殺嶋 瞳子:めぐるー!起きてる? 道々 廻:ふわぁあ…なに?朝っぱらから、どうしたの?瞳子。 殺嶋 瞳子:チーム、隠牙桜峯No.2への就任式があるんだけど、一緒に来る? 道々 廻:え、いや、僕は行かないよ。 殺嶋 瞳子:そう、分かったわ。またね! 道々 廻:トウコ! 殺嶋 瞳子:なに? 道々 廻:もう、暴走族なんて辞めなよ!…危ないし、僕、、トウコの事が凄く心配だよ……。 殺嶋 瞳子:めぐる……大丈夫よ。私は簡単にやられたりしないからっ!…じゃあね! 道々 廻:トウコ…… 道々 廻:トウコだって普通の女子高生なんだ。…僕が何とかしない……ん?あれは…! 蔵前 剛次:姉ちゃん!遅刻するよー! 蔵前 庵:けんじ、ご飯は?食べたの? 蔵前 剛次:要らないよ。そんな時間無いし。 道々 廻:あれは……熊の剛次!相変わらずのシスコンぷりだ。……ん、確か…姉の庵はトウコの敵対チームに入ってたはず……なんだっけ… 蔵前 庵:けんじ!姉ちゃん、今日は冥凶死遂の集会があって夜遅くなるかも知れないから。 蔵前 剛次:え?晩飯は? 道々 廻:そうだ、冥凶死遂だ。これだっ!これで…トウコを救えるぞ! 蔵前 庵:10000円渡すから、好きなもの食べて! 蔵前 庵:(数日後) 道々 廻:いたいた、蔵前 庵さんですよね? 蔵前 庵:んぁ?てめぇ、どこのボンクラだ?あ? 道々 廻:はは…そんな凄まないで下さいよ。僕の名前は道々 廻です。 蔵前 庵:アタシが冥凶死遂の総長、蔵前 庵だと分かって、話掛けてるのか?あ? 道々 廻:はい、噂は聞き及んでいます!そんな庵さんに耳寄りな情報が有りまして。 蔵前 庵:耳寄りな情報だぁ?…適当な事吹かしやがったら、埋めるからな? 道々 廻:ははは…覚悟の上です。 道々 廻:次の抗争、隠牙桜峯とですよね? 蔵前 庵:あん?めぐるー!てめぇ、さてはグルか?! 道々 廻:ち、違いますって!殺嶋 瞳子、柁原 瑠璃香の関係なんですが、昔から不仲なんですよ。 蔵前 庵:はん、それが何だって言うんだ?あ? 道々 廻:内部分裂を狙えるんじゃないかなと思いまして。 蔵前 庵:内部分裂だぁ?具体的に言ってみろ。 蔵前 庵:(数日後) 蔵前 庵:お前が殺嶋 瞳子か? 殺嶋 瞳子:ん?めぐるに会いたいからって呼び出されて来てみたけど、まさか…アタシ騙された? 蔵前 庵:ふんっ!馬鹿な女だな!あのめぐるつー男はてめぇを売ったんだよ。 殺嶋 瞳子:はあ??めぐるがそんな事する訳ないじゃない! 蔵前 庵:ぎゃははは!おめでたいヤツだな! 殺嶋 瞳子:くっ…!アンタ、よく見れば冥凶死遂の蔵前 庵? 蔵前 庵:ほう、全くの無能って訳では無いみたいだな! 殺嶋 瞳子:冥凶死遂のNo.1がアタシに何の用? 蔵前 庵:お前の所属するチーム、隠牙桜峯の柁原 瑠璃香とは仲が悪いらしいな? 殺嶋 瞳子:だったら、どうだって言うのよ? 蔵前 庵:殺嶋 瞳子、ウチのチームに来いっ!! 殺嶋 瞳子:はぁ? 道々 廻:(数時間前) 道々 廻:柁原 瑠璃香は中3の夏、殺嶋 瞳子から男を寝盗ってたらしいんですけど。 蔵前 庵:ほう、とんだ下衆女だな!…それで、その話は瞳子本人は知らないのか? 道々 廻:勿論、知らないです。 蔵前 庵:なるほどな。 蔵前 庵:(現在) 蔵前 庵:柁原 瑠璃香に寝盗られた件は許したのか? 殺嶋 瞳子:は?何を言ってるの? 蔵前 庵:中3の夏、自分の男を誰かに奪われなかったか? 殺嶋 瞳子:え……… 柁原 瑠璃香:…それ以上は止めておきな! 蔵前 庵:柁原 瑠璃香!! 殺嶋 瞳子:るりか、何で?! 柁原 瑠璃香:あんた、今日が大切の日だって事を忘れてんの? 殺嶋 瞳子:え…あー、結成記念日! 蔵前 庵:てめぇ、後もう少しだってのに…邪魔しやがって…(バタフライナイフを構える) 柁原 瑠璃香:お前だせーな。チームの頭張ってんなら素手(すてごろ)でかかって来いや!おらぁー!(右ストレート) 蔵前 庵:ぐぅあ!!… 殺嶋 瞳子:るりか、中3の夏って… 柁原 瑠璃香:は?何言ってんだ、トーコ? 蔵前 庵:……死ねぇい!柁原 瑠璃香ぁ!! 殺嶋 瞳子:るりか、後ろっ!! 柁原 瑠璃香:!!…しつけー女だな!うりゃ!! 蔵前 庵:…かはっ!!…グサッ…!……うっ……(息絶える) 殺嶋 瞳子:え!?…るりか、ヤバいって!死んでるよ。 柁原 瑠璃香:んぁ?自業自得だろ。 殺嶋 瞳子:そんな言い方… 柁原 瑠璃香:ほら、帰るよ!トーコ。 殺嶋 瞳子:…っ! 蔵前 剛次:(数十分後) 蔵前 剛次:ね、姉ちゃん!?う、嘘だろ…おい、目を覚ませよ!!姉ちやぁあああん!!! 蔵前 剛次:…ハンカチ…?…隅に柁原 瑠璃香って書いてある………殺すっ!!(ハンカチを握り潰す) 柁原 瑠璃香:トーコ、あたしのハンカチ知らない? 殺嶋 瞳子:え?あの紫色の派手なハンカチ?見てないよ? 柁原 瑠璃香:うーん、どこかで落としたかも…大事なハンカチだったんだけどなあ。 荒田 澄和:(数週間前) 荒田 澄和:めぐるくうん、みっけ! 道々 廻:すみかずさん!?お久しぶりです。 荒田 澄和:毎度言ってるけど、オレの方が学年は下なんだから、タメ語でいいよ。 道々 廻:確かに僕の方が一つ上ですが、すみかずさんにはお世話になってるので。 荒田 澄和:ははは、めぐるくうんは律儀な男だよ、本当に。 道々 廻:その節は助かりました!あの時、すみかずさんが通りかからなかったら僕は…今頃。。 荒田 澄和:くすぐったいなぁ!そんな事よりさ、めぐるくうんに頼みがあるんだけど。 道々 廻:頼みとは? 荒田 澄和:(一ヶ月前) 道々 廻:はぁ…はぁ…はぁ………いてっー!? 黒牙 勝:おい、お前!人にぶつかっておいて、謝りもしねぇとは何様だコラ!! 道々 廻:え、、え!?不可抗力ですって!!すみません、急いでるので…失礼しま…… 黒牙 勝:待てや、コラ!痛い目を見ねぇとわかんねーみたいだな?あん? 道々 廻:いや、その…勘弁して下さいっ! 荒田 澄和:にいちゃん!悪気は無いみたいやし、許したれや! 黒牙 勝:あん?誰だ、てめぇ!舐めやがって!!……オラァー!! 道々 廻:え! 荒田 澄和:血の気が多いのう…カルシウム足りてまっか?…そらぁ!! 黒牙 勝:ぐばあ!?…は、歯がァアー!! 道々 廻:あの… 荒田 澄和:大丈夫かい?にいちゃん。 道々 廻:はい、お陰様で命拾いしました!…自分は道々 廻です!…このご恩はいつか必ず!急いでるので……失礼します! 荒田 澄和:はっははっ!元気なやっちゃな! 道々 廻:(三週間後) 道々 廻:あ、あの人は!……すみませーん!! 荒田 澄和:ん?…おお、こないだの元気なにいちゃん!元気してた?確か、、すぐるだっけ? 道々 廻:めぐるです! 荒田 澄和:おお、すまんすまん!…めぐるくうんか。…あー、そう言えばオレの名前を教えて無かったね?オレは荒田 澄和だよ!宜しくね。 道々 廻:すみかずさん!宜しくお願いします! 荒田 澄和:ははは、硬いねぇ!…オレのが下なんだし、ラフにいこよ! 道々 廻:いや、命の恩人ですし。…あ、すみかずさん!これはほんの気持ちです! 荒田 澄和:ん? 道々 廻:こちら、Gx(じっくす)…原チャですけど、良かったら受け取って下さい! 荒田 澄和:え、ぇえ!?良いの? 道々 廻:勿論です!すみかずさんに乗って欲しくて、ご用意させて頂きました! 荒田 澄和:はは、ありがとねん!めぐるくうん。 道々 廻:いえ、こちらこそありがとうございます! 荒田 澄和:また困ってたら、助けちゃう! 道々 廻:あはは、その時は素直に甘えちゃいますね! 荒田 澄和:どーんと来いっ!はははは! 道々 廻:あははは! 荒田 澄和:(現在) 荒田 澄和:懐かしいな。あ、めぐるくうん、君から貰ったバイク、改造しちゃった!マフラー変えて、二段シート付けちゃったよ。ごめんちゃい! 道々 廻:いやいや、好きに使って下さい! 荒田 澄和:ははは、ありがとねん。 道々 廻:えっと、そう言えば…僕に頼み事って何です? 荒田 澄和:あー、その件ね。めぐるくうん、殺嶋 瞳子と別れて欲しいんだよねえ! 道々 廻:え?!どうして? 新道寺 実:(蔵前庵の死後) 新道寺 実:すみかずの奴ーー上手くやってるのかな?……あ、魅惑の天使すぁん!! 柁原 瑠璃香:え?…きゃああ!! 新道寺 実:…もみもみ…ぁあ〜本当に素晴らしい感触だ…… 柁原 瑠璃香:……ま、またお前かぁ!!…おりゃああー!! 新道寺 実:へ、ヘブンーー!!! 柁原 瑠璃香:このクソ変態野郎が!!マスかいて寝てやがれっ!! 新道寺 実:…ま、待ってくれ! 柁原 瑠璃香:あん?何だよ、あたしゃ忙しいんだよ!あんたに構ってる暇なんてねぇんだよっ!! 新道寺 実:さっきから、床ばっかり見てるけど何か探し物でもしてんの? 柁原 瑠璃香:は?あんた、人の話聞いて…へぇ、ただの馬鹿って訳じゃ無さそうね。 新道寺 実:俺も手伝うよ。 柁原 瑠璃香:そうね、乙女の柔肌を何度も触れた訳だしね…手伝いなさい! 新道寺 実:ああ、いいよ。どこら辺に落としたか見当は付かないのか? 柁原 瑠璃香:うーん 新道寺 実:そうか。取り敢えず、まずは自己紹介からだな!…俺の名前は新道寺 実だ!宜しくな。 柁原 瑠璃香:あたしは柁原 瑠璃香よ。これでも… 新道寺 実:知ってるよ。レディースの総長だろ。チーム名は隠牙桜峯。 柁原 瑠璃香:あ、アンタ!何でそこまで知ってんのさ?! 新道寺 実:まぁ、ちょっとな!…そんな事より… 蔵前 剛次:お前が、柁原 瑠璃香だな? 新道寺 実:熊の剛次っ!! 柁原 瑠璃香:は?誰よ、あんた!気安く話掛けて来ないでくれる? 蔵前 剛次:人の姉を殺しておいて、よくデカい口が叩けるな! 柁原 瑠璃香:なっ!? 新道寺 実:るりか、一先ず、逃げるぞっ! 柁原 瑠璃香:え?あ、ちょっとーー! 蔵前 剛次:あ…!逃すかぁっ!! 道々 廻:(同時刻) 道々 廻:す、すみかずさん…冗談ですよね? 荒田 澄和:この顔が冗談を言う顔に見える? 道々 廻:…っ。 荒田 澄和:めぐるくうんの気持ちはよーく、分かる。けど、別れた方がいい。…身の為だよ。 道々 廻:身の為? 荒田 澄和:実はね… 蔵前 剛次:(同時刻) 蔵前 剛次:くそっ!!どこいきやがった!! 柁原 瑠璃香:はぁ…はぁ…はぁ… 新道寺 実:(大丈夫か?だいぶ息切れてるみたいだが。) 柁原 瑠璃香:(あ、当たり前でしょ!…はぁ、何でこんなトラブル続きなのよ!) 新道寺 実:(剛次の姉を殺したって本当か?) 柁原 瑠璃香:(あれは…事故よ…) 蔵前 剛次:ぶっ殺してやる!!オラァ!!(ガラスをぶち破る) 柁原 瑠璃香:痛っ…! 新道寺 実:(ば、馬鹿!声を出すな!) 蔵前 剛次:あ?…そこだな! 新道寺 実:(幸い、逃げ込んだ場所は音楽室……るりか、オルガンの下に隠れるぞ。) 柁原 瑠璃香:(分かったわ。) 蔵前 剛次:この部屋から声が聞こえてきたが… 柁原 瑠璃香:… 新道寺 実:…(固唾を呑む) 蔵前 剛次:そこに居んのは分かってんだ、観念して面見せろや!! 柁原 瑠璃香:…(てか、何で逃げてんのよ!ヤッた方が早いでしょ!) 新道寺 実:…(馬鹿、あいつの怖さは異常なんだよ。ましてや、自分の肉親を殺されてんだぞ?) 蔵前 剛次:うおらあ!!(椅子を蹴り飛ばす) 柁原 瑠璃香:…(あんた、ガタイいいのに随分とビビりね。) 新道寺 実:…(うるせ!俺は平和主義者なんだよ。) 柁原 瑠璃香:…(もう!面倒くさいわ!出るわっ!!) 新道寺 実:…(ば、馬鹿!やめ…) 蔵前 剛次:あん?お前は…… 柁原 瑠璃香:熊の剛次!あたしに何か様か? 蔵前 剛次:てめぇ、姉ちゃんを殺しておいて、しゃあしゃあと! 新道寺 実:…(あー、馬鹿過ぎる…そしてそれに付き合う羽目になる俺は不幸過ぎる…はあ) 蔵前 剛次:あん?てめぇ、誰だ?!この女の男か? 柁原 瑠璃香:実!やっと出て来たわね! 新道寺 実:馬鹿かっ!出て来てやったんだよ!…い、一応男だし、俺だけ逃げ隠れてても、格好付かね 蔵前 剛次:何をごちゃごちゃ吐かしてやがる!てめぇら、覚悟は出来てんだろうな?あ? 柁原 瑠璃香:執念深い男はモテないわよ? 新道寺 実:はぁ… 蔵前 剛次:柁原 瑠璃香!死ねやぁあ!! 新道寺 実:うおお!!凄まじいパンチ力だな。机が粉々だぞ… 柁原 瑠璃香:破壊力はあるみたいね。…でも、動きは鈍いわね!…ほはぁあー! 蔵前 剛次:ぐぁ! 新道寺 実:う、嘘だろ!?化け物か、この女!顔は可愛いのに。 蔵前 剛次:ぺっ!…食いやがれぇ!! 柁原 瑠璃香:かはっ! 新道寺 実:おいおい、マジで一切の容赦ない殺し合いかよ! 蔵前 剛次:姉ちゃんの仇ぃ!おらぁあ!! 柁原 瑠璃香:ぐっ…!姉ちゃん、姉ちゃん、気持ち悪いのよ!このシスコン野郎が!はぁーあ!! 蔵前 剛次:ぐはっ!! 新道寺 実:二人ともこのまま続けてたら、出血多量で病院送りになるぞ… 柁原 瑠璃香:実、あんたも加勢しなさい…よ!! 蔵前 剛次:ぐっ…!……ぺっ!…どりゃああ!! 新道寺 実:いや、無理無理!… 蔵前 剛次:羽虫みたいにちょこまかと動き回りやがって!!…おらぉらあぁ!! 新道寺 実:るりか! 柁原 瑠璃香:え?!……きゃああ!! 蔵前 剛次:手こずらせやがって、終わりだッ!!…な、てめぇ…! 新道寺 実:…ふぅー、間一髪だな!るりか、油断するなよ。 柁原 瑠璃香:あんた…やるじゃない。 新道寺 実:ふ、彼氏になってやってもいいぞ? 柁原 瑠璃香:ちょ、調子に乗んな! 蔵前 剛次:クソがッ!舐めた真似しやがって!! 新道寺 実:俺は殴る方も殴られる方も嫌いだ。…けどな、自分の惚れた女すら守れない、情けねぇ男に成り下がるのはもっと嫌いなんだ…よっ!! 蔵前 剛次:ぐあっ!!て…てめぇ、ただの優男じゃねえな! 柁原 瑠璃香:実、あんた… 新道寺 実:剛次、お前の気持ちは痛いほど分かる。 蔵前 剛次:あ?てめぇに俺の気持ちが理解出来てたまるかよッ!…おらぁ!! 柁原 瑠璃香:な?!実のやつ、風を得た鳥の如く、躱(かわ)した!? 新道寺 実:…俺の母親もな、見知らぬ奴に殺さたんだ。 蔵前 剛次:は?何語ってやが… 0:中編に続く。