台本概要

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タイトル ダーティー【燻んでしまった俺の日常】中篇。
作者名 すばら  (@kou0204hei)
ジャンル その他
演者人数 8人用台本(男6、女2)
時間 50 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 殺嶋 瞳子、兼ね役、新道寺 叫華。

道々 廻、兼ね役、通り魔。

不動 絢斗、孤龍 幻、蔵前 剛次と兼ね役。


実質、6人。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
新道寺 実 67
荒田 澄和 54
柁原 瑠璃香 59
殺嶋 瞳子 65
道々 廻 48
蔵前 剛次 6
孤龍 幻 7
不動 絢斗 30
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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柁原 瑠璃香:(実の過去) 通り魔:悪く思うなよ?殺れと依頼を受けたら実行に移さねぇと、俺の首が刎ねられちまうからな。 新道寺 叫華:だ、誰か…た、助けてーー!! 通り魔:騒ぐな!…新道寺 叫華(きょうか)名前は合ってるな? 新道寺 叫華:…!? 通り魔:…失禁してやがる…汚ねぇ女だな。 新道寺 叫華:お、お金ならいくらでも…… 通り魔:安心しろ、お前を殺せば億の金が入る。(ナイフを構える) 新道寺 叫華:ひぃいぃ!? 通り魔:念仏を唱える準備くらいはさせてやろうと思ったが……ふんっ!! 新道寺 叫華:ぁ…があ!? 通り魔:…煩くて敵わん。 通り魔:あ?何見てんだ、坊主。 新道寺 実:…っ! 通り魔:チッ…逃したか。まぁいい……さて依頼主に報告に………ぬぐぁ!? 新道寺 実:…はぁはぁ…おかぁちゃんのカタキ… 通り魔:お、お前…いつの間に俺の背後に…… 蔵前 剛次:(現在) 柁原 瑠璃香:あんたの過去にそんな事が… 蔵前 剛次:だから何だってんだ!てめぇに対して、同情でもしろってか?あ? 新道寺 実:そんなんじゃねえ…俺の手はな、10才の春に汚れちまったんだよ。 柁原 瑠璃香:実… 蔵前 剛次:てめぇの母親と俺の姉ちゃんとの死に何の関係があるってんだよ!…動揺を装う気ならもっと納得のいく話を語れよ!!……ぅおりゃあ!! 新道寺 実:これだけ話してもまだ分からないのかよ!…せぇい!!お前は俺の二の舞を踏むなって忠告してんだよーーそりゃああ!! 蔵前 剛次:…ごはっ!! 柁原 瑠璃香:…勝負あったみたいね。熊の剛次、完全に気絶してるわ。 新道寺 実:そうか。急所は外しておいたから、まぁ、その内目覚めるだろ。 蔵前 剛次:… 柁原 瑠璃香:ねぇ、実。 新道寺 実:ん?…って!?顔ちけぇー!?  柁原 瑠璃香:ふふ…カッコ良かったぞ!ちゅ。 新道寺 実:ぅえぇー!?へ、ヘブンー!!! 柁原 瑠璃香:はぁ…その童貞みたいな反応が無けりゃ、尚更良かったのに… 新道寺 実:ほ、ほっぺにちゅ……あは…あは… 道々 廻:(実達と剛次の戦闘前) 荒田 澄和:殺島 瞳子はね…ある組織の令嬢なんだよね。 道々 廻:トウコが令嬢!? 荒田 澄和:そう。そして新道寺 実のこと、まことちゃあんの仇でもあるんだ。 道々 廻:すみかずさん、話が全く見えないんですけど。 荒田 澄和:うーんとね、オレがこの学校に転校してきた理由は殺島 瞳子…いや、罪亡き十字架を徹底的に潰す為にやって来たんだよ。 道々 廻:罪亡き十字架?それは、どの様な組織ですか?それにトウコが関係してるって!? 荒田 澄和:女、子供でも容赦なく嬲り殺す、残酷で非道なアウトロー(半グレ)な連中だよ。その中でも主導者、甘血(あまち)帝悟(だいご)は同じ人間とは思えない程の化け物ぷりと冷徹さでね。 道々 廻:…。…すみかずさんは何者なんですか!? 荒田 澄和:ん!?ふ…伏せて! 道々 廻:え?! 荒田 澄和:グレネード(手榴弾)?!まさか、嗅ぎつかれた!? 道々 廻:や、山が一瞬にして消し飛んでしまった… 荒田 澄和:めくうん、話し込んでる暇は無いみたいだ。 道々 廻:? 孤龍 幻:…貴様らが報告にあった鼠か?儂が貰った情報では1人の筈だが。 荒田 澄和:孤龍(こりゅう)幻(げん)! 道々 廻:すみかずさん、この仏頂面は…だ、誰ですか?! 孤龍 幻:ほう、儂の名を知っておるか。さては貴様、永劫の輪廻の者か。 道々 廻:え?永劫の輪廻?!益々、理解が追いつかない。 荒田 澄和:罪亡き十字架のTOP5、戦争屋の孤龍 幻。…全身銃火器の噂は本当だったとはねえ。 孤龍 幻:ふん…挨拶がわりのグレネード(手榴弾)は気に入って貰えたか? 道々 廻:…てか、これって絶対的なピンチなのでは?!す、すみかずさん!?逃げましょう! 荒田 澄和:めぐるくうんは安全な場所に隠れてて!  道々 廻:ぇえ!?すみかずさん、こんな奴と戦うんですか!?正気じゃないですよ?! 荒田 澄和:だいじょぶだよ!オレ、強いからっ!はぁーあ!! 孤龍 幻:効かぬ…!ふぅん!……驕るな…童め!…貴様の脳天に風穴を空けてやろう!(長銃を構える) 荒田 澄和:ぐぁあ!!…いてぇえ!!素手に対し、ライフル(長銃)は反則だってー! 道々 廻:ぁああ…すみかずさんが撃たれてしまった… 孤龍 幻:戦争に情けは無用の長物(ちょうぶつ)大局を見誤ったお前の負けだ。…この一撃にて貴様の墓石を建ててやろう。(擲弾発射器を構える) 荒田 澄和:ぐ、グレネードランチャー(擲弾発射器)あぁ!? 道々 廻:す、すみかずさん!! 殺嶋 瞳子:(同時刻) 柁原 瑠璃香:ん、トーコ?電信柱なんかに隠れて、どうしたのかしら。 新道寺 実:どうした、るりか?…あいつは、殺嶋 瞳子か? 殺嶋 瞳子:… 柁原 瑠璃香:トーコーー!こんなとこで何してんの? 殺嶋 瞳子:ぇ?!あー、なんだぁ…るりかか。ふぅ… 柁原 瑠璃香:何だとは何よ!…それで?コソコソとしている様子を見ると、誰かに目付けられてんの? 新道寺 実:おいおい、厄介事が増えるのは勘弁してくれ。 殺嶋 瞳子:え…るりかの隣に居るのって、新道寺 実?? 柁原 瑠璃香:そうよ。コイツとはひょんな事がキッカケで知り合ったんだけど。…案外、強いのよ? 殺嶋 瞳子:…っ! 新道寺 実:ん?トウコちゃんって子、俺と全く目線を合わせてくれないみたいなんだが、もしかして嫌われたか?はは… 柁原 瑠璃香:いや、初対面なんだし嫌う訳…あーー!確かにあんたは変態だし、初めての出会いもあんたに胸を鷲掴みされて… 新道寺 実:だぁー!?や、やめろよな!余計に俺の評価が悪くなるだろうが! 殺嶋 瞳子:るりか、前より笑顔が増えたね。 柁原 瑠璃香:トウコ?あんた、何があったのよ?? 殺嶋 瞳子:新道寺 真と一緒にいるなんて知らなかったから… 新道寺 実:?…あー、そう言えば!君の彼氏の剛次の事なんだけど、音楽室で気絶してるから拾ってあげてな? 殺嶋 瞳子:剛次が?そう、強いんだね。 柁原 瑠璃香:そうなのよ。時折り見せる、童貞みたいな反応が無ければ…男前なのに… 新道寺 実:だ、だから!やめろっての。 柁原 瑠璃香:言われて欲しく無かったら…早く治しな… 不動 絢斗:瞳子、駄目じゃないか!ボクの目を盗んで放浪してちゃ。さぁ、HOME(罪亡き十字架)に帰ろう! 殺嶋 瞳子:絢斗!私はもう貴方達とは関わりたくない。これ以上、付き纏わないで!! 新道寺 実:誰だ?この可笑しな仮面を付けた男は。 柁原 瑠璃香:トウコ? 不動 絢斗:ボクの存在がそんなに気になるのかい?…ふ、良いだろう。少しだけ、教えてあげるよ。 殺嶋 瞳子:… 不動 絢斗:ボクは罪亡き十字架のNo.3、不動 (ふどう)絢斗(けんと)…キミ達は永劫の輪廻かい? 新道寺 実:はあ?何言ってんだこいつ。意味分かるか?るりか。 柁原 瑠璃香:いや、何であたしに振るのよ!分かる訳ないでしょ!…トーコ、誰なのよ!こいつは。 殺嶋 瞳子:ごめんね、るりかを巻きこみたくは無かった…そして…新道寺 実くん、貴方にだけは。。 不動 絢斗:実ぉ?アレェ?まーさーか!!瞳子、この長身男が例のターゲット(標的)かい? 柁原 瑠璃香:実がターゲット? 新道寺 実:はあ?この仮面野郎に恨まられる理由が見つからないんだが?それに罪亡き十字架って何の事だよ。 殺嶋 瞳子:それは… 不動 絢斗:瞳子、無理はしなくていいよ?そんなに知りたいなら、ボクが話してあげようじゃないか、ノッポくん。 新道寺 実:… 不動 絢斗:ここにいる、瞳子を含めボク達は執行者だよ。つまりは、ボク達が所属している罪亡き十字架は… 柁原 瑠璃香:ま、待って!トウコがあんたの仲間だって言うの?! 殺嶋 瞳子:るりか… 不動 絢斗:仲間?…あははは!ボク達がそんな生温い関係に見えるかい?…依頼を請けたら遂行するまでさ。薬の売買、人身売買、殺人、詐欺、その他色々とね。例え、どんなにどす黒い依頼だとしても決して゛断れない゛のさ。 柁原 瑠璃香:そんな事って…まだ、彼女は16歳なのよ? 不動 絢斗:まだ少女なのに…って言いたいのかな?齢(よわい)は関係ないよ?事実、ボク達のメンバーの中で最年少9歳の殺人鬼も在籍してるからね? 新道寺 実:若くして殺人鬼… 柁原 瑠璃香:マコト、あんた… 不動 絢斗:あ〜そう言えば…そうだったねぇ?そこにいる新道寺 実は10歳にして人殺しを働いた。 殺嶋 瞳子:… 新道寺 実:お前、何故それを知っている?! 不動 絢斗:何故かあ?…キミが殺した人は身罪亡き十字架のメンバーだったからね。まぁー、三下のゴミ同然だったけど。あはは! 殺嶋 瞳子:くっ…!お義父さん… 柁原 瑠璃香:お義父さんって…まさか、トーコの父親って!? 殺嶋 瞳子:そうだよ…私のお義父さんは罪亡き十字架のメンバーの一人だった…階級は…そこの絢斗が言うように雑兵(三下)だったけどね。 新道寺 実:それじゃ、俺は君のお義父さんを…この手で… 柁原 瑠璃香:マコト… 不動 絢斗:あはは!瞳子から真っ黒な憎悪が渦巻いてるね。…いつもみたいにヤッちゃう? 殺嶋 瞳子:全く恨んでないって言ったら、確かに嘘になってしまうかもね。でも、もうしょうがないって割り切れたの。…だって、私のお義父さんは…ぐすん(涙) 新道寺 実:…っ! 柁原 瑠璃香:マコトー!!どこに行くのよ!!ちょっとー!! 殺嶋 瞳子:るりか、今は放って置いてあげて。…私も以前は実くんみたいに自暴自棄になって、塞ぎ込んで…憂さを晴らす為に沢山の人を殺めて、現実逃避をして自分を慰めてた。 柁原 瑠璃香:トーコ…だからあんた…蔵前庵の件の時… 柁原 瑠璃香:(回想) 柁原 瑠璃香:んぁ?自業自得だろ? 殺嶋 瞳子:そんな言い方… 殺嶋 瞳子:そう、私が隠牙桜峯に入った理由は…本当の自分を隠す事だったの。 不動 絢斗:あはは、罪の意識かい?散々、色んな人を殺して来た分際で?嗤えるね。 殺嶋 瞳子:絢…え!? 柁原 瑠璃香:不動 絢斗!!トーコは泥に塗れた過去を変えたくて、毎日を一生懸命に生きてるのに…その言い方は無いだろうがよ!…はぁあー!! 不動 絢斗:…あははは、熱いね。ボクね、キミみたいに正義感を振り翳した人種を見ていると気持ちが悪くて仕方ないんだよね。 殺嶋 瞳子:…るりか。 不動 絢斗:瞳子を連れ帰るのが目的だったんだけど、キミを見ていると…全身を八つ裂きにしたい欲がどんどん湧いて来ちゃうんだよね。…だからさあ…死んでよっ!!(器用にナイフを投げる) 柁原 瑠璃香:…ぐぅっ! 殺嶋 瞳子:るりか!! 不動 絢斗:ボクのこの、変幻自在なナイフからは決して、逃げられないよ?…ボクの意のままに操れちゃうからね。要するにキミが脱兎の如く、逃げ回ろうが…必ずヒット…しちゃうのさ!…あはは!(ナイフを再度投げる) 柁原 瑠璃香:…ぐぅあっ!! 殺嶋 瞳子:このままじゃ、るりかが。。 不動 絢斗:うんうん。手足は塞いだからあ……次は頭だね。……いっくよーお!!(脳天目掛けてナイフを投げる) 殺嶋 瞳子:るりかぁあ!! 柁原 瑠璃香:…! 新道寺 実:ぐほぉあ!…いてぇ!最近の殺し屋はナイフが流行ってんのか? 不動 絢斗:ちっ…後もう少しだったのに…邪魔しないでよ。リトルキラー!(小さな殺人鬼) 殺嶋 瞳子:ま、実くん! 柁原 瑠璃香:…マコ……ト…何し…てたのよ……この…ば…(気絶) 新道寺 実:ヒーローは遅れてやってくる!って言うのが相場が決まっててな。…仮面野郎、お前のナイフには一つだけ欠点があるな。 不動 絢斗:はあ?何を言うかと思えば…欠点?あはは!この変幻自在のナイフ使い、不動絢斗に死角は無いよ。残念ながら、キミがこの場でヤられる運命は変えられやしない!…ほぉれっー!!(無数のナイフを投げる) 新道寺 実:…ストンッ……どうした?自慢のナイフが俺に掠りもしないぜ? 不動 絢斗:何?…どうせ、マグレでしょ?次は……外さないよっ?…そぉーれえ!!(更に勢いが増したナイフを投げる) 新道寺 実:…ストンッ……だから、無意味だって言ってんだろ?数ミリの可能性を信じて当たるまで、投げ続ける 殺嶋 瞳子:すごい…必中と恐れられた絢斗のナイフを二度も躱わすなんて。 不動 絢斗:くっ…!そんな事、このボクの計算が狂う訳なぁい!!…はぁーっ!!(更に無数のナイフを投げる) 新道寺 実:ストン…ストン…ストンッ……はぁ…お前のトリックって単純明快なんだよな。 不動 絢斗:な、何だとぉ!? 新道寺 実:仕方ねえー…種明かしをしてやるか。 殺嶋 瞳子:実くん、カッコいい…るりかが懐くのも納得がいくわ。 不動 絢斗:種明かし?へぇーそんな大言壮語を吐いたんだから、後で吠え面掻かないでね。 新道寺 実:上等だ。…お前の弱点…それはな風だよ。逆に言えば、風が吹いてなかったら、俺の身体は今頃、バラバラに切り裂かれていたところだ。 不動 絢斗:風?まさか!…ボクのナイフの軌道を風で修正したとでも言うのか?! 殺嶋 瞳子:おまけに頭もキレるのね。 新道寺 実:お前のナイフは確かに風さえ、無ければ”変幻自在”に操れちゃうかもな?…今日と言う日を……恨めっ!……せぇいやぁあ!! 不動 絢斗:…がはっ!! 殺嶋 瞳子:絢斗を一撃で仕留めた?!…お見事ね。実くん。 新道寺 実:ふぅ……いやぁ、今日が強風じゃなかったら詰んでたよ。 殺嶋 瞳子:運も実力の内よ。 新道寺 実:はははっ!そうか?あーーてかっ!!瞳子ちゃん、初めて目が合ったな。 殺嶋 瞳子:あは、本当ね。…まだ完全には頭の整理が出来て無いけどね。 新道寺 実:瞳子ちゃん…俺が君のお義父さんを……謝っても赦してもらえないかも知れないが……ごめん。 殺嶋 瞳子:実くん…顔を上げて!確かに義父(ちち)が亡くなった時は、躍起になって犯人を探したわ。その時、偶然…絢斗にスカウトされたの。 不動 絢斗:(瞳子の過去) 殺嶋 瞳子:おとうさぁん…うぇぇん!! 不動 絢斗:キミは矢尻(やじり)創(はじめ)の娘さんかい? 殺嶋 瞳子:ぐすん…ぐすん…?おにぃちゃん、だあれ? 不動 絢斗:ボクなら、キミを救ってあげる事が出来るかも知れない。 殺嶋 瞳子:? 不動 絢斗:キミはお義父さんが殺されて、悔しくないのかい?…殺した犯人に天誅を下したくないかい? 殺嶋 瞳子:…くやしい…おとうさんをころした相手はだぁれ? 不動 絢斗:おいで…ボクがキミの事を罪亡き十字架に導いてあげる。 殺嶋 瞳子:つみなきじゅうじか?…うん? 不動 絢斗:そうさ。キミの本願は叶えられるだろう。…さぁ、着いてきて。一緒に犯人を懲らしめよう。 殺嶋 瞳子:うん。 新道寺 実:(現在) 殺嶋 瞳子:その後、私は執行者、つまりは殺人鬼として罪亡き十字架に育てられた。犯人探しを並行してね。 新道寺 実:…じゃあ、瞳子ちゃんがこの学校を選んだ理由は… 殺嶋 瞳子:え!?あは、犯人である貴方が居るからこの学校を選んだって?違うよ…ただの偶然よ。 新道寺 実:はは、そ、そうだよな? 柁原 瑠璃香:んんぅ?!……!…トウコ、マコトー!! 新道寺 実:お?やっと、眠り姫が目覚めたな。 殺嶋 瞳子:るりか、平気?…そして、いっぱい傷付けてごめんね。。 柁原 瑠璃香:何言ってんのよ。あたしは平気よ。それより、あのナイフ野郎は? 殺嶋 瞳子:実くんが倒したよ。 新道寺 実:へへんー! 柁原 瑠璃香:ぇえ!?本当にあんたには驚かされ続きね。 殺嶋 瞳子:るりか、私の過去の事なんだけど… 新道寺 実:(瞳子は自分の過去を余す事なく瑠璃香に語った) 柁原 瑠璃香:なるほどね……それで実を見た時、目線を合わせようとしなかったのね。 新道寺 実:これからどうすんだ? 殺嶋 瞳子:私の居場所は瑠璃香の居る、隠牙桜峯だけよ。あの場所(罪亡き十字架)には戻らないわ。 柁原 瑠璃香:トーコ……今まであんたにキツく当たったりしてごめんよ。 殺嶋 瞳子:るりか、だいじぶだよ!これからも宜しくね! 柁原 瑠璃香:ええ。勿論よ。 新道寺 実:青春………何か、良いなぁ!! 柁原 瑠璃香:なーに言ってんのよ!あんたにもアホくさい相棒が居たじゃない。 新道寺 実:ぅえ!?あー、すみかずの事か。そう言えば、あいつ…今頃、何してんだろうな。 道々 廻:(その頃、僕らは…) 荒田 澄和:う〜ん…どないしよ…この状況…圧倒的不利やんけ。 道々 廻:ちょっと!?澄和さん、何を暢気に座り込んでるんですかぁ?! 孤龍 幻:敵に背を向けるか…降参の意か?まぁいい、儂も戻らなくてはならぬ理由が出来た。 道々 廻:え?まさかの奇跡!? 孤龍 幻:童(わっぱ)共との戦争もこれまでだ。…命拾いしたな。……拾われた命、大切にする事だ。 荒田 澄和:はぁ!?なんや、あいつは…理解不能や。 道々 廻:そう言わずに…今の僕等じゃ、勝ち目が無かったんですから。。 荒田 澄和:ほんま…悔しゅうて敵わんわ!…クソッ!! 道々 廻:澄和さんのあんな表情……初めて見たな。 荒田 澄和:……さて、行こうか。めぐるくうん。 道々 廻:…はいっ! 道々 廻:って……何処に向かってるのですかあ?! 荒田 澄和:うん?あ、いや、適当に?お散歩みたいな?ははは! 道々 廻:いやいや!考えが能天気過ぎますって! 荒田 澄和:本当にめぐるくうんは真面目だねえ。全ての路はローマに通ず! 道々 廻:へ?何ですか、それは? 荒田 澄和:要するにね、闇雲に進んでてもいつかは必ず、目的地に辿り着くって事だよ。 道々 廻:なるほど…感慨深いですねって!……アバウト過ぎますよ!! 荒田 澄和:まぁまぁ、細かい事を気にしてたら、キリないよ?……ん?まことちゃあんからの電話だ! 道々 廻:新道寺 実さんから? 新道寺 実:あーもしもしぃ〜すみかず?元気してるか? 荒田 澄和:まことちゃあん!君が居ない間、酷い目にあったんだよ……ゥウゥウ。 新道寺 実:え?何?泣いてんの!?…いや、嘘泣きだろ。不自然だろ、泣き方! 荒田 澄和:ちぇ、バレちゃった。…で?まことちゃあんから電話来たって事は…まさか? 新道寺 実:ああ、聞いて驚けよ?俺達、付き合ってんだぜ? 荒田 澄和:うんうん、そうかそうか!ってぇ!?つ、つ、付き合ったぁあー!?あのレディースの総長、柁原 瑠璃香と?! 新道寺 実:疑い過ぎだろ。……まぁ、色々とドラマがあってな。 荒田 澄和:ど、ど、ドラマぁ!?んぐぐ!? 道々 廻:す、澄和さん?!何でそんな興奮して……ぅぁああ!?く、苦しい…です 新道寺 実:ん??そっちも随分と賑やかだな。 荒田 澄和:めぐるくうん、オレに彼女を紹介してくれぇ!!い、今すぐだ。早く、あのバイクみたいに、、さぁあ!! 道々 廻:わ、分かりまじたからぁ!首を絞めるのは……や、やめてくださ…!……ぅぐぅう!! 殺嶋 瞳子:め、めぐる!?めぐるがそこにいるの? 柁原 瑠璃香:おい、マコトー!!あんた、黙って聞いてれば付き合ってるとか法螺貝吹いてんじゃないわよ!!…おらぁあー!! 新道寺 実:へ、ヘブンーー!!! 荒田 澄和:え?法螺貝?ホラ?嘘?何だよ。……おかしいと思ったんだよ………ふぅ。 道々 廻:く、首が絞まるぅう…ぐぅあがあ!? 荒田 澄和:あ、ごめんごめん!めぐるくうん、オレの怒りが頂点に立ち、君に八つ当たりをしてしまった。 道々 廻:はぁはぁ…はぁはぁ!だ、大丈夫です!…死ぬかと思った…… 殺嶋 瞳子:めぐる?!めぐる、大丈夫なの?? 道々 廻:トウコ?トウコこそ、無事? 柁原 瑠璃香:澄和って言ったけ?あんた。 荒田 澄和:その声は、柁原 瑠璃香かな? 柁原 瑠璃香:ええ、そうよ。あんた達は今、何処ら辺にいるのよ? 荒田 澄和:遠い異国の彼方…! 柁原 瑠璃香:はあ? 道々 廻:す、澄和さん!ちゃんと詳細を告げて下さい! 新道寺 実:(澄和達の居た場所はそこまで遠くはなく、すぐに合流を果たす。) 柁原 瑠璃香:来たわね! 荒田 澄和:あれ?まことちゃあんの姿が見えないけど? 殺嶋 瞳子:あーー実くんならね…そこに…… 荒田 澄和:ま、まことちゃあん!?何で、商店街のゴミ箱で寝てんの!? 新道寺 実:… 道々 廻:トウコ!良かった、元気そうだね。 殺嶋 瞳子:めぐる、私も貴方が無事で安心したわ。めぐる……めぐるに話さなきゃいけない事があるの。 道々 廻:僕に話? 柁原 瑠璃香:(瞳子は廻、澄和にも自分の過去を語った) 荒田 澄和:瞳子ちゃん有難う!もう大丈夫だよ…めぐるくうんにその事を話そうとしたら、罪亡き十字架の幹部に襲われてね。 殺嶋 瞳子:え?!そっちにも罪亡き十字架の人間が!? 道々 廻:うん、全身が銃火器だらけの化け物だったよ…名前は孤龍 幻、罪亡き十字架のNo.5。…危うく死にかけたよ。。 荒田 澄和:… 道々 廻:トウコ!僕は君の過去を掘り返す程、下衆な男じゃないよ。でも、危険な事にはこれ以上… 殺嶋 瞳子:…っ。 新道寺 実:ふぅ……天国を見たよ。 荒田 澄和:ま、まことちゃあん?臭いよ?!それに…小蝿を飼う趣味なんてあったの? 柁原 瑠璃香:あは…や、やり過ぎちゃったみたいね。えへ。 新道寺 実:いててて…また全身が筋肉痛に苛まれる…るりか〜!手加減を覚えやがれ。 柁原 瑠璃香:はぁ?あんたが変な嘘を吐くのが原因でしょうが!! 荒田 澄和:ははは!賑やかだね。 道々 廻:いや、微笑んでないで止めてあげて下さい!! 殺嶋 瞳子:ふふふ。 道々 廻:はぁ… 荒田 澄和:(暫くして…) 新道寺 実:今の状況を纏めるとこんな感じか。 新道寺 実:俺らは罪亡き十字架の幹部のNo.3に遭遇し、こいつを撃退する事に成功。すみかず達はNo.5と対峙したが…その後どうなったんだ?No.5の孤龍 幻は倒せたのか? 道々 廻:それは… 荒田 澄和:逃げられたよ。オレに恐れをなしたんと…ちゃうかな?ははは。 道々 廻:え!?澄和さん、事実と違……んん!!(口を塞がれる) 荒田 澄和:ははは…めぐるくうんは何を言ってんだろうね。ははは…。 新道寺 実:すみかず、お前…勝てなかったんだな? 柁原 瑠璃香:マコト、あんた…少しは空気を…! 荒田 澄和:ふぅ………良いんだよ。瑠璃香ちゃん。事実だからね。……全く歯が立たなかった…くっ!! 道々 廻:澄和さん… 殺嶋 瞳子:…。 新道寺 実:すみかず……次は倒そうぜ! 荒田 澄和:まことちゃあん…… 柁原 瑠璃香:……トーコ!他にはどんな奴がいるのよ? 殺嶋 瞳子:私が知ってるのはNo.3、必中の不動 絢斗。No.4、毒鬼の狂奴(くるめ)万丈(ばんじょう)めぐる達が遭遇した、No.5、戦争屋。孤龍 幻。ごめんなさい…No.2とNo.1はどんな人間か全く分からないわ。 柁原 瑠璃香:そう。トーコ、No.4の狂奴 万丈の詳細を教えてくれる? 殺嶋 瞳子:私も一目しか見た事がないから、詳しくは分からないけど…異様な雰囲気を醸し出してて、自身で開発した毒を吐き出す、ペット?を従えてたよ。 柁原 瑠璃香:毒?!出会う前に、対策を練っておかなきゃね。 新道寺 実:すみかず、No.5はどういう形で退いたんだ? 荒田 澄和:うん。何かね、戻らなきゃならない、野暮用が出来たとか言ってたよ? 道々 廻:野暮用って何でしょうかね? 新道寺 実:これは俺の推測だが、No.3が倒れた事により、罪亡き十字架内で動きがあったんだろ。 殺嶋 瞳子:私も実くんの意見が正しいと思う。 柁原 瑠璃香:でも、あいつって死んでた?…一時的に気を失ってるように見えたけど。 新道寺 実:俺はあの日から…もう殺さねぇって誓ったんだ。…だから、剛次もあの仮面野郎も急所は外してる。 道々 廻:それだと、また襲ってくる可能性が… 荒田 澄和:まことちゃあんは優しいからねえ。 新道寺 実:いや、剛次は兎も角…あの仮面野郎はもう俺達の前に現れる事は無いだろう。 殺嶋 瞳子:実くん、どう言う意味? 新道寺 実:俺が殴った時、仮面が割れてたんだ…隙間からアイツの表情が浮き出ていたよ。…目から涙を流してな。 柁原 瑠璃香:涙?…そう言えば、何で仮面を被ってたんだろ? 殺嶋 瞳子:昔、少しだけ聞いた事があるんだけど、絢斗は…虐められてた。一瞬しか見た事ないけど、顔中に火傷の跡があった。 道々 廻:酷いな… 荒田 澄和:… 柁原 瑠璃香:それで顔全体を覆い隠すように大きな仮面を被っていたのね。 新道寺 実:なるほどな…それで罪亡き十字架に加入した訳か。…それなら尚更、俺達の邪魔はしないだろう。 荒田 澄和:他人は人生を狂わせる……あー、そう言えば!皆にオレの素性を明かして無かったね。 道々 廻:素性ですか?あーもしかして、澄和さんの所属する… 荒田 澄和:あーはいはい、めぐるくうん、そこでストップね?ここから先はオレが話すから。 道々 廻:す、すみません! 柁原 瑠璃香:何よ、改まって? 殺嶋 瞳子:澄和くん、どうしたの? 新道寺 実:お前の素性だと?ただの転校生だろ? 荒田 澄和:いや、めぐるくうんには既に明かしてるんだけど…実は…オレは永劫の輪廻の幹部なんだよね。 新道寺 実:えいごうのりんね? 柁原 瑠璃香:何よ、それ? 道々 廻:… 殺嶋 瞳子:? 荒田 澄和:簡単に説明するとね、罪亡き十字架を潰す為に結成された、レジスタンス(相反する組織)だよ…その中で関連してる君の情報を掴んだ。まことちゃあん。 新道寺 実:俺の情報……?…まさか、その為にお前は! 荒田 澄和:そうだよ。今まで隠しててごめんね。君が罪亡き十字架の犠牲者リストに載っていたのを発見して、まことちゃんの学校に転校した訳。 柁原 瑠璃香:ん?あんたは味方なんでしょ? 道々 廻:大丈夫だよ、瑠璃香さん!澄和さんに敵意はないよ。 殺嶋 瞳子:…レジスタンス。 荒田 澄和:勿論、君達の寝首を掻いたりはしないから、安心して。…瞳子ちゃんは少なからず、知ってるみたいだね? 殺嶋 瞳子:うん。絢斗から、近頃…妙な組織集団が現れたって…これで合点がいったわ。 荒田 澄和:そう言う事。つまり、オレ達は同じ目的を持った仲間って訳! 新道寺 実:すみかず、お前の明確な目的とは? 荒田 澄和:甘血(あまち)帝悟(だいご)…罪亡き十字架を統べてる人間、こいつの野望を打ち砕く事かな。 道々 廻:澄和さん、その人がこの世界を狂わせている、張本人って訳ですか? 荒田 澄和:そう、こいつのせいでオレのボスは……くっ!! 柁原 瑠璃香:仇討ちって事ね。 殺嶋 瞳子:澄和さん… 新道寺 実:すみかず、憎しみは憎しみしか生まんぞ。…自分を見失うよ。 荒田 澄和:ぼ、ボスの言葉!?やっぱり、まことちゃあんはあったけぇよ。 柁原 瑠璃香:トウコ、そう言えば…剛次はどうすんの? 殺嶋 瞳子:剛次は… 蔵前 剛次:見つけたぞ。てめぇら!! 0:後篇に続く。

柁原 瑠璃香:(実の過去) 通り魔:悪く思うなよ?殺れと依頼を受けたら実行に移さねぇと、俺の首が刎ねられちまうからな。 新道寺 叫華:だ、誰か…た、助けてーー!! 通り魔:騒ぐな!…新道寺 叫華(きょうか)名前は合ってるな? 新道寺 叫華:…!? 通り魔:…失禁してやがる…汚ねぇ女だな。 新道寺 叫華:お、お金ならいくらでも…… 通り魔:安心しろ、お前を殺せば億の金が入る。(ナイフを構える) 新道寺 叫華:ひぃいぃ!? 通り魔:念仏を唱える準備くらいはさせてやろうと思ったが……ふんっ!! 新道寺 叫華:ぁ…があ!? 通り魔:…煩くて敵わん。 通り魔:あ?何見てんだ、坊主。 新道寺 実:…っ! 通り魔:チッ…逃したか。まぁいい……さて依頼主に報告に………ぬぐぁ!? 新道寺 実:…はぁはぁ…おかぁちゃんのカタキ… 通り魔:お、お前…いつの間に俺の背後に…… 蔵前 剛次:(現在) 柁原 瑠璃香:あんたの過去にそんな事が… 蔵前 剛次:だから何だってんだ!てめぇに対して、同情でもしろってか?あ? 新道寺 実:そんなんじゃねえ…俺の手はな、10才の春に汚れちまったんだよ。 柁原 瑠璃香:実… 蔵前 剛次:てめぇの母親と俺の姉ちゃんとの死に何の関係があるってんだよ!…動揺を装う気ならもっと納得のいく話を語れよ!!……ぅおりゃあ!! 新道寺 実:これだけ話してもまだ分からないのかよ!…せぇい!!お前は俺の二の舞を踏むなって忠告してんだよーーそりゃああ!! 蔵前 剛次:…ごはっ!! 柁原 瑠璃香:…勝負あったみたいね。熊の剛次、完全に気絶してるわ。 新道寺 実:そうか。急所は外しておいたから、まぁ、その内目覚めるだろ。 蔵前 剛次:… 柁原 瑠璃香:ねぇ、実。 新道寺 実:ん?…って!?顔ちけぇー!?  柁原 瑠璃香:ふふ…カッコ良かったぞ!ちゅ。 新道寺 実:ぅえぇー!?へ、ヘブンー!!! 柁原 瑠璃香:はぁ…その童貞みたいな反応が無けりゃ、尚更良かったのに… 新道寺 実:ほ、ほっぺにちゅ……あは…あは… 道々 廻:(実達と剛次の戦闘前) 荒田 澄和:殺島 瞳子はね…ある組織の令嬢なんだよね。 道々 廻:トウコが令嬢!? 荒田 澄和:そう。そして新道寺 実のこと、まことちゃあんの仇でもあるんだ。 道々 廻:すみかずさん、話が全く見えないんですけど。 荒田 澄和:うーんとね、オレがこの学校に転校してきた理由は殺島 瞳子…いや、罪亡き十字架を徹底的に潰す為にやって来たんだよ。 道々 廻:罪亡き十字架?それは、どの様な組織ですか?それにトウコが関係してるって!? 荒田 澄和:女、子供でも容赦なく嬲り殺す、残酷で非道なアウトロー(半グレ)な連中だよ。その中でも主導者、甘血(あまち)帝悟(だいご)は同じ人間とは思えない程の化け物ぷりと冷徹さでね。 道々 廻:…。…すみかずさんは何者なんですか!? 荒田 澄和:ん!?ふ…伏せて! 道々 廻:え?! 荒田 澄和:グレネード(手榴弾)?!まさか、嗅ぎつかれた!? 道々 廻:や、山が一瞬にして消し飛んでしまった… 荒田 澄和:めくうん、話し込んでる暇は無いみたいだ。 道々 廻:? 孤龍 幻:…貴様らが報告にあった鼠か?儂が貰った情報では1人の筈だが。 荒田 澄和:孤龍(こりゅう)幻(げん)! 道々 廻:すみかずさん、この仏頂面は…だ、誰ですか?! 孤龍 幻:ほう、儂の名を知っておるか。さては貴様、永劫の輪廻の者か。 道々 廻:え?永劫の輪廻?!益々、理解が追いつかない。 荒田 澄和:罪亡き十字架のTOP5、戦争屋の孤龍 幻。…全身銃火器の噂は本当だったとはねえ。 孤龍 幻:ふん…挨拶がわりのグレネード(手榴弾)は気に入って貰えたか? 道々 廻:…てか、これって絶対的なピンチなのでは?!す、すみかずさん!?逃げましょう! 荒田 澄和:めぐるくうんは安全な場所に隠れてて!  道々 廻:ぇえ!?すみかずさん、こんな奴と戦うんですか!?正気じゃないですよ?! 荒田 澄和:だいじょぶだよ!オレ、強いからっ!はぁーあ!! 孤龍 幻:効かぬ…!ふぅん!……驕るな…童め!…貴様の脳天に風穴を空けてやろう!(長銃を構える) 荒田 澄和:ぐぁあ!!…いてぇえ!!素手に対し、ライフル(長銃)は反則だってー! 道々 廻:ぁああ…すみかずさんが撃たれてしまった… 孤龍 幻:戦争に情けは無用の長物(ちょうぶつ)大局を見誤ったお前の負けだ。…この一撃にて貴様の墓石を建ててやろう。(擲弾発射器を構える) 荒田 澄和:ぐ、グレネードランチャー(擲弾発射器)あぁ!? 道々 廻:す、すみかずさん!! 殺嶋 瞳子:(同時刻) 柁原 瑠璃香:ん、トーコ?電信柱なんかに隠れて、どうしたのかしら。 新道寺 実:どうした、るりか?…あいつは、殺嶋 瞳子か? 殺嶋 瞳子:… 柁原 瑠璃香:トーコーー!こんなとこで何してんの? 殺嶋 瞳子:ぇ?!あー、なんだぁ…るりかか。ふぅ… 柁原 瑠璃香:何だとは何よ!…それで?コソコソとしている様子を見ると、誰かに目付けられてんの? 新道寺 実:おいおい、厄介事が増えるのは勘弁してくれ。 殺嶋 瞳子:え…るりかの隣に居るのって、新道寺 実?? 柁原 瑠璃香:そうよ。コイツとはひょんな事がキッカケで知り合ったんだけど。…案外、強いのよ? 殺嶋 瞳子:…っ! 新道寺 実:ん?トウコちゃんって子、俺と全く目線を合わせてくれないみたいなんだが、もしかして嫌われたか?はは… 柁原 瑠璃香:いや、初対面なんだし嫌う訳…あーー!確かにあんたは変態だし、初めての出会いもあんたに胸を鷲掴みされて… 新道寺 実:だぁー!?や、やめろよな!余計に俺の評価が悪くなるだろうが! 殺嶋 瞳子:るりか、前より笑顔が増えたね。 柁原 瑠璃香:トウコ?あんた、何があったのよ?? 殺嶋 瞳子:新道寺 真と一緒にいるなんて知らなかったから… 新道寺 実:?…あー、そう言えば!君の彼氏の剛次の事なんだけど、音楽室で気絶してるから拾ってあげてな? 殺嶋 瞳子:剛次が?そう、強いんだね。 柁原 瑠璃香:そうなのよ。時折り見せる、童貞みたいな反応が無ければ…男前なのに… 新道寺 実:だ、だから!やめろっての。 柁原 瑠璃香:言われて欲しく無かったら…早く治しな… 不動 絢斗:瞳子、駄目じゃないか!ボクの目を盗んで放浪してちゃ。さぁ、HOME(罪亡き十字架)に帰ろう! 殺嶋 瞳子:絢斗!私はもう貴方達とは関わりたくない。これ以上、付き纏わないで!! 新道寺 実:誰だ?この可笑しな仮面を付けた男は。 柁原 瑠璃香:トウコ? 不動 絢斗:ボクの存在がそんなに気になるのかい?…ふ、良いだろう。少しだけ、教えてあげるよ。 殺嶋 瞳子:… 不動 絢斗:ボクは罪亡き十字架のNo.3、不動 (ふどう)絢斗(けんと)…キミ達は永劫の輪廻かい? 新道寺 実:はあ?何言ってんだこいつ。意味分かるか?るりか。 柁原 瑠璃香:いや、何であたしに振るのよ!分かる訳ないでしょ!…トーコ、誰なのよ!こいつは。 殺嶋 瞳子:ごめんね、るりかを巻きこみたくは無かった…そして…新道寺 実くん、貴方にだけは。。 不動 絢斗:実ぉ?アレェ?まーさーか!!瞳子、この長身男が例のターゲット(標的)かい? 柁原 瑠璃香:実がターゲット? 新道寺 実:はあ?この仮面野郎に恨まられる理由が見つからないんだが?それに罪亡き十字架って何の事だよ。 殺嶋 瞳子:それは… 不動 絢斗:瞳子、無理はしなくていいよ?そんなに知りたいなら、ボクが話してあげようじゃないか、ノッポくん。 新道寺 実:… 不動 絢斗:ここにいる、瞳子を含めボク達は執行者だよ。つまりは、ボク達が所属している罪亡き十字架は… 柁原 瑠璃香:ま、待って!トウコがあんたの仲間だって言うの?! 殺嶋 瞳子:るりか… 不動 絢斗:仲間?…あははは!ボク達がそんな生温い関係に見えるかい?…依頼を請けたら遂行するまでさ。薬の売買、人身売買、殺人、詐欺、その他色々とね。例え、どんなにどす黒い依頼だとしても決して゛断れない゛のさ。 柁原 瑠璃香:そんな事って…まだ、彼女は16歳なのよ? 不動 絢斗:まだ少女なのに…って言いたいのかな?齢(よわい)は関係ないよ?事実、ボク達のメンバーの中で最年少9歳の殺人鬼も在籍してるからね? 新道寺 実:若くして殺人鬼… 柁原 瑠璃香:マコト、あんた… 不動 絢斗:あ〜そう言えば…そうだったねぇ?そこにいる新道寺 実は10歳にして人殺しを働いた。 殺嶋 瞳子:… 新道寺 実:お前、何故それを知っている?! 不動 絢斗:何故かあ?…キミが殺した人は身罪亡き十字架のメンバーだったからね。まぁー、三下のゴミ同然だったけど。あはは! 殺嶋 瞳子:くっ…!お義父さん… 柁原 瑠璃香:お義父さんって…まさか、トーコの父親って!? 殺嶋 瞳子:そうだよ…私のお義父さんは罪亡き十字架のメンバーの一人だった…階級は…そこの絢斗が言うように雑兵(三下)だったけどね。 新道寺 実:それじゃ、俺は君のお義父さんを…この手で… 柁原 瑠璃香:マコト… 不動 絢斗:あはは!瞳子から真っ黒な憎悪が渦巻いてるね。…いつもみたいにヤッちゃう? 殺嶋 瞳子:全く恨んでないって言ったら、確かに嘘になってしまうかもね。でも、もうしょうがないって割り切れたの。…だって、私のお義父さんは…ぐすん(涙) 新道寺 実:…っ! 柁原 瑠璃香:マコトー!!どこに行くのよ!!ちょっとー!! 殺嶋 瞳子:るりか、今は放って置いてあげて。…私も以前は実くんみたいに自暴自棄になって、塞ぎ込んで…憂さを晴らす為に沢山の人を殺めて、現実逃避をして自分を慰めてた。 柁原 瑠璃香:トーコ…だからあんた…蔵前庵の件の時… 柁原 瑠璃香:(回想) 柁原 瑠璃香:んぁ?自業自得だろ? 殺嶋 瞳子:そんな言い方… 殺嶋 瞳子:そう、私が隠牙桜峯に入った理由は…本当の自分を隠す事だったの。 不動 絢斗:あはは、罪の意識かい?散々、色んな人を殺して来た分際で?嗤えるね。 殺嶋 瞳子:絢…え!? 柁原 瑠璃香:不動 絢斗!!トーコは泥に塗れた過去を変えたくて、毎日を一生懸命に生きてるのに…その言い方は無いだろうがよ!…はぁあー!! 不動 絢斗:…あははは、熱いね。ボクね、キミみたいに正義感を振り翳した人種を見ていると気持ちが悪くて仕方ないんだよね。 殺嶋 瞳子:…るりか。 不動 絢斗:瞳子を連れ帰るのが目的だったんだけど、キミを見ていると…全身を八つ裂きにしたい欲がどんどん湧いて来ちゃうんだよね。…だからさあ…死んでよっ!!(器用にナイフを投げる) 柁原 瑠璃香:…ぐぅっ! 殺嶋 瞳子:るりか!! 不動 絢斗:ボクのこの、変幻自在なナイフからは決して、逃げられないよ?…ボクの意のままに操れちゃうからね。要するにキミが脱兎の如く、逃げ回ろうが…必ずヒット…しちゃうのさ!…あはは!(ナイフを再度投げる) 柁原 瑠璃香:…ぐぅあっ!! 殺嶋 瞳子:このままじゃ、るりかが。。 不動 絢斗:うんうん。手足は塞いだからあ……次は頭だね。……いっくよーお!!(脳天目掛けてナイフを投げる) 殺嶋 瞳子:るりかぁあ!! 柁原 瑠璃香:…! 新道寺 実:ぐほぉあ!…いてぇ!最近の殺し屋はナイフが流行ってんのか? 不動 絢斗:ちっ…後もう少しだったのに…邪魔しないでよ。リトルキラー!(小さな殺人鬼) 殺嶋 瞳子:ま、実くん! 柁原 瑠璃香:…マコ……ト…何し…てたのよ……この…ば…(気絶) 新道寺 実:ヒーローは遅れてやってくる!って言うのが相場が決まっててな。…仮面野郎、お前のナイフには一つだけ欠点があるな。 不動 絢斗:はあ?何を言うかと思えば…欠点?あはは!この変幻自在のナイフ使い、不動絢斗に死角は無いよ。残念ながら、キミがこの場でヤられる運命は変えられやしない!…ほぉれっー!!(無数のナイフを投げる) 新道寺 実:…ストンッ……どうした?自慢のナイフが俺に掠りもしないぜ? 不動 絢斗:何?…どうせ、マグレでしょ?次は……外さないよっ?…そぉーれえ!!(更に勢いが増したナイフを投げる) 新道寺 実:…ストンッ……だから、無意味だって言ってんだろ?数ミリの可能性を信じて当たるまで、投げ続ける 殺嶋 瞳子:すごい…必中と恐れられた絢斗のナイフを二度も躱わすなんて。 不動 絢斗:くっ…!そんな事、このボクの計算が狂う訳なぁい!!…はぁーっ!!(更に無数のナイフを投げる) 新道寺 実:ストン…ストン…ストンッ……はぁ…お前のトリックって単純明快なんだよな。 不動 絢斗:な、何だとぉ!? 新道寺 実:仕方ねえー…種明かしをしてやるか。 殺嶋 瞳子:実くん、カッコいい…るりかが懐くのも納得がいくわ。 不動 絢斗:種明かし?へぇーそんな大言壮語を吐いたんだから、後で吠え面掻かないでね。 新道寺 実:上等だ。…お前の弱点…それはな風だよ。逆に言えば、風が吹いてなかったら、俺の身体は今頃、バラバラに切り裂かれていたところだ。 不動 絢斗:風?まさか!…ボクのナイフの軌道を風で修正したとでも言うのか?! 殺嶋 瞳子:おまけに頭もキレるのね。 新道寺 実:お前のナイフは確かに風さえ、無ければ”変幻自在”に操れちゃうかもな?…今日と言う日を……恨めっ!……せぇいやぁあ!! 不動 絢斗:…がはっ!! 殺嶋 瞳子:絢斗を一撃で仕留めた?!…お見事ね。実くん。 新道寺 実:ふぅ……いやぁ、今日が強風じゃなかったら詰んでたよ。 殺嶋 瞳子:運も実力の内よ。 新道寺 実:はははっ!そうか?あーーてかっ!!瞳子ちゃん、初めて目が合ったな。 殺嶋 瞳子:あは、本当ね。…まだ完全には頭の整理が出来て無いけどね。 新道寺 実:瞳子ちゃん…俺が君のお義父さんを……謝っても赦してもらえないかも知れないが……ごめん。 殺嶋 瞳子:実くん…顔を上げて!確かに義父(ちち)が亡くなった時は、躍起になって犯人を探したわ。その時、偶然…絢斗にスカウトされたの。 不動 絢斗:(瞳子の過去) 殺嶋 瞳子:おとうさぁん…うぇぇん!! 不動 絢斗:キミは矢尻(やじり)創(はじめ)の娘さんかい? 殺嶋 瞳子:ぐすん…ぐすん…?おにぃちゃん、だあれ? 不動 絢斗:ボクなら、キミを救ってあげる事が出来るかも知れない。 殺嶋 瞳子:? 不動 絢斗:キミはお義父さんが殺されて、悔しくないのかい?…殺した犯人に天誅を下したくないかい? 殺嶋 瞳子:…くやしい…おとうさんをころした相手はだぁれ? 不動 絢斗:おいで…ボクがキミの事を罪亡き十字架に導いてあげる。 殺嶋 瞳子:つみなきじゅうじか?…うん? 不動 絢斗:そうさ。キミの本願は叶えられるだろう。…さぁ、着いてきて。一緒に犯人を懲らしめよう。 殺嶋 瞳子:うん。 新道寺 実:(現在) 殺嶋 瞳子:その後、私は執行者、つまりは殺人鬼として罪亡き十字架に育てられた。犯人探しを並行してね。 新道寺 実:…じゃあ、瞳子ちゃんがこの学校を選んだ理由は… 殺嶋 瞳子:え!?あは、犯人である貴方が居るからこの学校を選んだって?違うよ…ただの偶然よ。 新道寺 実:はは、そ、そうだよな? 柁原 瑠璃香:んんぅ?!……!…トウコ、マコトー!! 新道寺 実:お?やっと、眠り姫が目覚めたな。 殺嶋 瞳子:るりか、平気?…そして、いっぱい傷付けてごめんね。。 柁原 瑠璃香:何言ってんのよ。あたしは平気よ。それより、あのナイフ野郎は? 殺嶋 瞳子:実くんが倒したよ。 新道寺 実:へへんー! 柁原 瑠璃香:ぇえ!?本当にあんたには驚かされ続きね。 殺嶋 瞳子:るりか、私の過去の事なんだけど… 新道寺 実:(瞳子は自分の過去を余す事なく瑠璃香に語った) 柁原 瑠璃香:なるほどね……それで実を見た時、目線を合わせようとしなかったのね。 新道寺 実:これからどうすんだ? 殺嶋 瞳子:私の居場所は瑠璃香の居る、隠牙桜峯だけよ。あの場所(罪亡き十字架)には戻らないわ。 柁原 瑠璃香:トーコ……今まであんたにキツく当たったりしてごめんよ。 殺嶋 瞳子:るりか、だいじぶだよ!これからも宜しくね! 柁原 瑠璃香:ええ。勿論よ。 新道寺 実:青春………何か、良いなぁ!! 柁原 瑠璃香:なーに言ってんのよ!あんたにもアホくさい相棒が居たじゃない。 新道寺 実:ぅえ!?あー、すみかずの事か。そう言えば、あいつ…今頃、何してんだろうな。 道々 廻:(その頃、僕らは…) 荒田 澄和:う〜ん…どないしよ…この状況…圧倒的不利やんけ。 道々 廻:ちょっと!?澄和さん、何を暢気に座り込んでるんですかぁ?! 孤龍 幻:敵に背を向けるか…降参の意か?まぁいい、儂も戻らなくてはならぬ理由が出来た。 道々 廻:え?まさかの奇跡!? 孤龍 幻:童(わっぱ)共との戦争もこれまでだ。…命拾いしたな。……拾われた命、大切にする事だ。 荒田 澄和:はぁ!?なんや、あいつは…理解不能や。 道々 廻:そう言わずに…今の僕等じゃ、勝ち目が無かったんですから。。 荒田 澄和:ほんま…悔しゅうて敵わんわ!…クソッ!! 道々 廻:澄和さんのあんな表情……初めて見たな。 荒田 澄和:……さて、行こうか。めぐるくうん。 道々 廻:…はいっ! 道々 廻:って……何処に向かってるのですかあ?! 荒田 澄和:うん?あ、いや、適当に?お散歩みたいな?ははは! 道々 廻:いやいや!考えが能天気過ぎますって! 荒田 澄和:本当にめぐるくうんは真面目だねえ。全ての路はローマに通ず! 道々 廻:へ?何ですか、それは? 荒田 澄和:要するにね、闇雲に進んでてもいつかは必ず、目的地に辿り着くって事だよ。 道々 廻:なるほど…感慨深いですねって!……アバウト過ぎますよ!! 荒田 澄和:まぁまぁ、細かい事を気にしてたら、キリないよ?……ん?まことちゃあんからの電話だ! 道々 廻:新道寺 実さんから? 新道寺 実:あーもしもしぃ〜すみかず?元気してるか? 荒田 澄和:まことちゃあん!君が居ない間、酷い目にあったんだよ……ゥウゥウ。 新道寺 実:え?何?泣いてんの!?…いや、嘘泣きだろ。不自然だろ、泣き方! 荒田 澄和:ちぇ、バレちゃった。…で?まことちゃあんから電話来たって事は…まさか? 新道寺 実:ああ、聞いて驚けよ?俺達、付き合ってんだぜ? 荒田 澄和:うんうん、そうかそうか!ってぇ!?つ、つ、付き合ったぁあー!?あのレディースの総長、柁原 瑠璃香と?! 新道寺 実:疑い過ぎだろ。……まぁ、色々とドラマがあってな。 荒田 澄和:ど、ど、ドラマぁ!?んぐぐ!? 道々 廻:す、澄和さん?!何でそんな興奮して……ぅぁああ!?く、苦しい…です 新道寺 実:ん??そっちも随分と賑やかだな。 荒田 澄和:めぐるくうん、オレに彼女を紹介してくれぇ!!い、今すぐだ。早く、あのバイクみたいに、、さぁあ!! 道々 廻:わ、分かりまじたからぁ!首を絞めるのは……や、やめてくださ…!……ぅぐぅう!! 殺嶋 瞳子:め、めぐる!?めぐるがそこにいるの? 柁原 瑠璃香:おい、マコトー!!あんた、黙って聞いてれば付き合ってるとか法螺貝吹いてんじゃないわよ!!…おらぁあー!! 新道寺 実:へ、ヘブンーー!!! 荒田 澄和:え?法螺貝?ホラ?嘘?何だよ。……おかしいと思ったんだよ………ふぅ。 道々 廻:く、首が絞まるぅう…ぐぅあがあ!? 荒田 澄和:あ、ごめんごめん!めぐるくうん、オレの怒りが頂点に立ち、君に八つ当たりをしてしまった。 道々 廻:はぁはぁ…はぁはぁ!だ、大丈夫です!…死ぬかと思った…… 殺嶋 瞳子:めぐる?!めぐる、大丈夫なの?? 道々 廻:トウコ?トウコこそ、無事? 柁原 瑠璃香:澄和って言ったけ?あんた。 荒田 澄和:その声は、柁原 瑠璃香かな? 柁原 瑠璃香:ええ、そうよ。あんた達は今、何処ら辺にいるのよ? 荒田 澄和:遠い異国の彼方…! 柁原 瑠璃香:はあ? 道々 廻:す、澄和さん!ちゃんと詳細を告げて下さい! 新道寺 実:(澄和達の居た場所はそこまで遠くはなく、すぐに合流を果たす。) 柁原 瑠璃香:来たわね! 荒田 澄和:あれ?まことちゃあんの姿が見えないけど? 殺嶋 瞳子:あーー実くんならね…そこに…… 荒田 澄和:ま、まことちゃあん!?何で、商店街のゴミ箱で寝てんの!? 新道寺 実:… 道々 廻:トウコ!良かった、元気そうだね。 殺嶋 瞳子:めぐる、私も貴方が無事で安心したわ。めぐる……めぐるに話さなきゃいけない事があるの。 道々 廻:僕に話? 柁原 瑠璃香:(瞳子は廻、澄和にも自分の過去を語った) 荒田 澄和:瞳子ちゃん有難う!もう大丈夫だよ…めぐるくうんにその事を話そうとしたら、罪亡き十字架の幹部に襲われてね。 殺嶋 瞳子:え?!そっちにも罪亡き十字架の人間が!? 道々 廻:うん、全身が銃火器だらけの化け物だったよ…名前は孤龍 幻、罪亡き十字架のNo.5。…危うく死にかけたよ。。 荒田 澄和:… 道々 廻:トウコ!僕は君の過去を掘り返す程、下衆な男じゃないよ。でも、危険な事にはこれ以上… 殺嶋 瞳子:…っ。 新道寺 実:ふぅ……天国を見たよ。 荒田 澄和:ま、まことちゃあん?臭いよ?!それに…小蝿を飼う趣味なんてあったの? 柁原 瑠璃香:あは…や、やり過ぎちゃったみたいね。えへ。 新道寺 実:いててて…また全身が筋肉痛に苛まれる…るりか〜!手加減を覚えやがれ。 柁原 瑠璃香:はぁ?あんたが変な嘘を吐くのが原因でしょうが!! 荒田 澄和:ははは!賑やかだね。 道々 廻:いや、微笑んでないで止めてあげて下さい!! 殺嶋 瞳子:ふふふ。 道々 廻:はぁ… 荒田 澄和:(暫くして…) 新道寺 実:今の状況を纏めるとこんな感じか。 新道寺 実:俺らは罪亡き十字架の幹部のNo.3に遭遇し、こいつを撃退する事に成功。すみかず達はNo.5と対峙したが…その後どうなったんだ?No.5の孤龍 幻は倒せたのか? 道々 廻:それは… 荒田 澄和:逃げられたよ。オレに恐れをなしたんと…ちゃうかな?ははは。 道々 廻:え!?澄和さん、事実と違……んん!!(口を塞がれる) 荒田 澄和:ははは…めぐるくうんは何を言ってんだろうね。ははは…。 新道寺 実:すみかず、お前…勝てなかったんだな? 柁原 瑠璃香:マコト、あんた…少しは空気を…! 荒田 澄和:ふぅ………良いんだよ。瑠璃香ちゃん。事実だからね。……全く歯が立たなかった…くっ!! 道々 廻:澄和さん… 殺嶋 瞳子:…。 新道寺 実:すみかず……次は倒そうぜ! 荒田 澄和:まことちゃあん…… 柁原 瑠璃香:……トーコ!他にはどんな奴がいるのよ? 殺嶋 瞳子:私が知ってるのはNo.3、必中の不動 絢斗。No.4、毒鬼の狂奴(くるめ)万丈(ばんじょう)めぐる達が遭遇した、No.5、戦争屋。孤龍 幻。ごめんなさい…No.2とNo.1はどんな人間か全く分からないわ。 柁原 瑠璃香:そう。トーコ、No.4の狂奴 万丈の詳細を教えてくれる? 殺嶋 瞳子:私も一目しか見た事がないから、詳しくは分からないけど…異様な雰囲気を醸し出してて、自身で開発した毒を吐き出す、ペット?を従えてたよ。 柁原 瑠璃香:毒?!出会う前に、対策を練っておかなきゃね。 新道寺 実:すみかず、No.5はどういう形で退いたんだ? 荒田 澄和:うん。何かね、戻らなきゃならない、野暮用が出来たとか言ってたよ? 道々 廻:野暮用って何でしょうかね? 新道寺 実:これは俺の推測だが、No.3が倒れた事により、罪亡き十字架内で動きがあったんだろ。 殺嶋 瞳子:私も実くんの意見が正しいと思う。 柁原 瑠璃香:でも、あいつって死んでた?…一時的に気を失ってるように見えたけど。 新道寺 実:俺はあの日から…もう殺さねぇって誓ったんだ。…だから、剛次もあの仮面野郎も急所は外してる。 道々 廻:それだと、また襲ってくる可能性が… 荒田 澄和:まことちゃあんは優しいからねえ。 新道寺 実:いや、剛次は兎も角…あの仮面野郎はもう俺達の前に現れる事は無いだろう。 殺嶋 瞳子:実くん、どう言う意味? 新道寺 実:俺が殴った時、仮面が割れてたんだ…隙間からアイツの表情が浮き出ていたよ。…目から涙を流してな。 柁原 瑠璃香:涙?…そう言えば、何で仮面を被ってたんだろ? 殺嶋 瞳子:昔、少しだけ聞いた事があるんだけど、絢斗は…虐められてた。一瞬しか見た事ないけど、顔中に火傷の跡があった。 道々 廻:酷いな… 荒田 澄和:… 柁原 瑠璃香:それで顔全体を覆い隠すように大きな仮面を被っていたのね。 新道寺 実:なるほどな…それで罪亡き十字架に加入した訳か。…それなら尚更、俺達の邪魔はしないだろう。 荒田 澄和:他人は人生を狂わせる……あー、そう言えば!皆にオレの素性を明かして無かったね。 道々 廻:素性ですか?あーもしかして、澄和さんの所属する… 荒田 澄和:あーはいはい、めぐるくうん、そこでストップね?ここから先はオレが話すから。 道々 廻:す、すみません! 柁原 瑠璃香:何よ、改まって? 殺嶋 瞳子:澄和くん、どうしたの? 新道寺 実:お前の素性だと?ただの転校生だろ? 荒田 澄和:いや、めぐるくうんには既に明かしてるんだけど…実は…オレは永劫の輪廻の幹部なんだよね。 新道寺 実:えいごうのりんね? 柁原 瑠璃香:何よ、それ? 道々 廻:… 殺嶋 瞳子:? 荒田 澄和:簡単に説明するとね、罪亡き十字架を潰す為に結成された、レジスタンス(相反する組織)だよ…その中で関連してる君の情報を掴んだ。まことちゃあん。 新道寺 実:俺の情報……?…まさか、その為にお前は! 荒田 澄和:そうだよ。今まで隠しててごめんね。君が罪亡き十字架の犠牲者リストに載っていたのを発見して、まことちゃんの学校に転校した訳。 柁原 瑠璃香:ん?あんたは味方なんでしょ? 道々 廻:大丈夫だよ、瑠璃香さん!澄和さんに敵意はないよ。 殺嶋 瞳子:…レジスタンス。 荒田 澄和:勿論、君達の寝首を掻いたりはしないから、安心して。…瞳子ちゃんは少なからず、知ってるみたいだね? 殺嶋 瞳子:うん。絢斗から、近頃…妙な組織集団が現れたって…これで合点がいったわ。 荒田 澄和:そう言う事。つまり、オレ達は同じ目的を持った仲間って訳! 新道寺 実:すみかず、お前の明確な目的とは? 荒田 澄和:甘血(あまち)帝悟(だいご)…罪亡き十字架を統べてる人間、こいつの野望を打ち砕く事かな。 道々 廻:澄和さん、その人がこの世界を狂わせている、張本人って訳ですか? 荒田 澄和:そう、こいつのせいでオレのボスは……くっ!! 柁原 瑠璃香:仇討ちって事ね。 殺嶋 瞳子:澄和さん… 新道寺 実:すみかず、憎しみは憎しみしか生まんぞ。…自分を見失うよ。 荒田 澄和:ぼ、ボスの言葉!?やっぱり、まことちゃあんはあったけぇよ。 柁原 瑠璃香:トウコ、そう言えば…剛次はどうすんの? 殺嶋 瞳子:剛次は… 蔵前 剛次:見つけたぞ。てめぇら!! 0:後篇に続く。