台本概要
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タイトル | 二郎系魔女裁判 |
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作者名 | うどんマン (@hello_udon_don) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 5人用台本(不問5) |
時間 | 40 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
これは魔女裁判を舞台に幸せをめぐる魔女と人間の終わらない戦い。 復讐は連鎖する。今こそみんなで悲しみの連鎖を断ち切るんだ。 「ヒナ!今すぐ助けてやるからな!」 「早くしろ役立たず」 「な…!?」 魔女はお口が悪かった♪ ーーーーーーーーーーーーーーーーーー シリアス × コメディ (40分強)性別は誰でも。 一人称も読みやすいように変えていただいて結構です! 頑張って書きました!パオーン 389 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
教皇 | 不問 | 132 | 【ローマ】魔女裁判を行う最高権力者。丁寧×サイコパス |
化身 | 不問 | 111 | 【バクバク】複合体小動物。無邪気な悪。僕ちん |
魔女 | 不問 | 91 | 【ヒナ】裁判にかけられた魔女。言動が輩 |
黒猫 | 不問 | 95 | 【ユキ】魔女の仲間。のじゃロリ×ツッコミ |
鬼 | 不問 | 99 | 【ゴライアス】魔女の仲間。俺様×バカ |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:【1】尋問
0:
魔女:(タイトルコール)「二郎系魔女裁判」
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教皇:さぁ、魔女裁判を始めましょう。
0:
教皇:あなたが魔女ですね?
魔女:違ぇーよ
教皇:うふふ、もう一度問います。あなたが魔女ですね?
魔女:うっぜぇーなぁ!違ぇっつってんだろ!!!
教皇:電流
魔女:ぐあああああ
教皇:あなたは魔女。悪い悪い魔女。そうでしょ?そうに違いありません。
化身:ローマ様、これ以上はこいつの身体がもたないかもだよ。
教皇:だからどうしたのです。まさか魔女に同情なんてしていませんよね?これは私たちが生きる為に然るべき処置なのですよ。
化身:僕ちんちょっと可哀想になってきちゃったの。
教皇:魔女は魔法を使い、私たちを恐怖のどん底へ陥れます。野放しにしていたら私たちの身が危険にさらされるのですよ。
化身:クゥ~ン。。。
教皇:それともバクバクちゃん、あなたも悪い悪い魔女なのでしょうか?でしたら、お仕置きが必要ですね
化身:あわわ、僕ちんは違うよ!このふわふわがその証明だい!
教皇:では魔女がいたらどうしてやるのが正しいですか?
化身:(食いぎみに)皆殺し!皆殺しったら皆殺し!
教皇:そう。それでいいのですよ。うふふふふ
魔女:黙って聞いてりゃどいつもこいつも魔女魔女魔女魔女うるせぇんだよ!勝手に魔女扱いしてんじゃねぇぞコラ!!!
教皇:うるさい魔女ですねぇ。
魔女:電流なんか脅しにもなんねぇ。いくらでも喋ってやんよ。
教皇:見事な悪役っぷり。野蛮な魔女は拷問しやすくて助かります。
魔女:いいからこの邪魔くせぇやつ外せ。痛ぇんだよ。おい聞いてんのか。外せっつってんだろボケ!てめぇらぶっ殺すぞ!!
化身:ひぃ…!
教皇:やれるものならやってみなさい。枷のついた化け物などちっとも怖くありませんから。
魔女:誰が化け物じゃコラ。こっちきてもっぺん言ってみろ
教皇:電流
魔女:ぐあああああ
化身:怖い怖い、ブルブル…
教皇:ああ、バクバクちゃんたら怯えてしまって可哀想に。お分かりいただけましたか?魔女はお口が悪くて、醜くて残忍でデンジャラスな生き物なのです。やらなければやられます。予定を早め、明日にでも魔女裁判を始めましょう。
魔女:(くそ、枷のせいで身動きとれねぇ……。明日が執行とかマジかよ。つか、あいつら何やってんだ。早く助けに来いよ…!!!)
0:
0:【2】城門前、作戦
0:
鬼:いいか、俺が合図を出したら城門めがけて走るぞ。こっからは短期決戦だ。必ずヒナを助ける。かけ声は「Go!」。俺が「Go!」っつったら飛び出すぞ!
黒猫:お主、本気で言っておるのか?
鬼:あぁ?
黒猫:正面から攻め込む馬鹿がどこにいる。何度も言っておるが、わしはこっそり忍び込む作戦に1票じゃ。
鬼:こっそりだ?そんな猫みたいなことやってられるかー!
黒猫:猫みたいじゃなく、猫じゃからのう、わしは。
鬼:そうか。だが俺様の言うことは絶対。これより強行突破を命ずる。
黒猫:誰かこのわからず屋を説得しとくれ。こんなやつと共にしておったら命がいくつあっても足りぬわ。
鬼:大丈夫だ、ピンチになったら俺が助けてやるからよ
黒猫:言うことだけはいっちょ前よのう
鬼:いいか、見張りがいなくなった隙をつくんだ。さっきから同じルートばっか行き来してるあいつが狙い目だな。よし、あの角を曲がったところで…
黒猫:勝算はあるのか?
鬼:ある!!俺様を信じろ!!
黒猫:む。
鬼:なんだよ
黒猫:その自信はどこから湧いてくるのか。捕まる予感しかせんがの
鬼:やる前からそんなんでどうする!大事なのはパッションだぞ!
黒猫:作戦に穴があると言いたいんじゃ!
鬼:そうだな完璧だな!よし準備は万端、鬼に金棒!俺様についてこーい!
黒猫:人の話を聞けい!
鬼:「Go!」
0:草むらから勢いよく飛び出すゴライアス
黒猫:えっ!?あ、ちょ、ま!?
鬼:何してんだー!早く来いよー!
黒猫:しーっ!大きい声を出すな!?
鬼:えー?なんだってー??
黒猫:…ぐぬぬ仕方ない。わしも行くかの…!
0:草むらから飛び出すユキ
黒猫:って、そこらじゅう見張りだらけやないかーーーー!
鬼:やべ、撤収だっ!逃げんぞ!!!
黒猫:コラ!わしを置いていくなー!
鬼:GoGoGoGo~~~!!!
0:
0:【3】魔女裁判の理由
0:
教皇:外が騒がしいですねぇ。
化身:ワンワン(^ω^U)
教皇:賑やかなことはいいことです。
化身:パオーン(゚〇゚)
教皇:優雅な午後は台無しになってしまいましたが。ズズズ…
化身:コーヒーならまだおかわりできそうだよぉ。
教皇:ではもう一杯いただきましょうか。
化身:あ、おかわりできそうなのは僕ちんのお腹の話で……
教皇:え?
化身:ローマ様のコーヒーはもうないんだパオーン。。。
魔女:(ヒナのお腹がなる)ちっ
化身:あれ?もしかして魔女もお腹すいちゃったの?
魔女:だったらなんだよ
化身:残念!もうないの!全部食べちゃった!ていうか、そもそも魔女にあげるご飯なんてないんだけどね!コーヒーもね!魔女にはないの!
魔女:うぜぇんだよ、けものは引っ込んでろ
化身:ぷぎゅ……( >д<)なんて乱暴な魔女!
魔女:だからあーしは魔女じゃねぇっつってんだろ!!
化身:きゃー!こわーい!
教皇:こらこら、あまり刺激しないの
魔女:しつけがなってねぇぞ、飼い主ならちゃんと世話しろよな
教皇:ビューン。それは特大ブーメランですよ。狂暴な魔女さん
魔女:だから………!!!
教皇:いいじゃないですか。あなたが本物の魔女かどうかなんてどちらでもいいのですから
魔女:は?
教皇:………。
魔女:てめぇ今なんつった
教皇:なんにも言ってませんよ、なんにも。
魔女:あーしが魔女でも魔女じゃなくても…………?
鬼:(アナウンス)うー↓うー↑うー↓うー↑
鬼:侵入者発生、侵入者発生、至急警備隊は持ち場に戻りなさい。繰り返します、至急警備隊は……
教皇:おや、侵入者だなんて大変ですねぇ。そんなことしなくても客人なら丁重にお迎えしましたのに。
化身:ガルルルルルル!
教皇:ですが楽しくなってきましたねぇ。賑やかなことはいいことです。ショーを盛り上げる前座にぴったりですから。
魔女:狂ってやがる……
教皇:バクバクちゃん?物騒なので私たちは部屋に戻っていましょうか。
化身:パオーン
魔女:あ、待て……!!
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0:【4】廊下
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鬼:逃げても逃げても追ってくんぞ!走れーー!!
黒猫:だから!大声を出しながら逃げるのはやめい!
鬼:あーー?何だってーー??
黒猫:お主のせいで撒いても撒いてもキリがないんじゃ!
鬼:もうちょっと大きい声で話せよー!走りながらだと全然聞こえねーぞー!!
黒猫:馬鹿者が!
鬼:なんだとコラ!!
黒猫:なぜ悪口は聞こえるんじゃ!
鬼:俺様を馬鹿扱いするなら、今すぐお前をエサに逃げたっていいんだからな!
黒猫:はぁ。わしが悪かったからひとまず静かにしとくれ~。
鬼:つか、逃げ回ってたらいつの間にか城内に入れてんじゃねぇか?やったぜラッキー♪
黒猫:逆を言えば袋のネズミじゃ。より慎重に行かねば挟み撃ちにされるぞ。
鬼:んー、ネズミねぇ~。。。
黒猫:なんじゃ。
鬼:……お前、猫じゃねぇの?
黒猫:もう黙っておれ!
鬼:チューチュー!
黒猫:むかっ!落ち着けわし、目的達成までの辛抱じゃ
鬼:そんなつれないこと言うなよ~!ほらゴーゴー!!
黒猫:だーかーらー!!
鬼:早いとこ助けに行かねぇと、ヒナが大変なことになってるかもしれねぇだろ!
黒猫:大変なこと?
鬼:ああ、そうだ。俺らがちんたらしてる間に、もしかしたら今頃…………!
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0:もくもくもく
0:
0:【5】きっと今頃
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教皇:えー、みなさん。静粛に、静粛に~
教皇:これより記念すべき第500回目の魔女裁判を行います。
教皇:起立。礼。着席~。
化身:ガオー( ゚皿゚)
教皇:はい、よくできました~
教皇:ではまず被告人の弁護を…
化身:おい!こんな魔女早くやっちまおうぜ!俺っちもう待てねぇ!
教皇:可哀想に、バクバクちゃんたらお腹がすいてしまったのですね~?判決が出るまでの辛抱ですよ~
化身:死刑だ死刑!魔女は皆殺しにすりゃいいのさァ!
教皇:んもう、お口が悪いですよぉ。チャックチャーック
魔女:…違います。魔女じゃありません
化身:あぁ?
魔女:私、魔女なんかじゃありません!お願い殺さないでっ。。。!
教皇:あらあらぁ、被告人は勝手に喋っちゃダメなんですよぉー?
化身:往生際が悪いぜェ
魔女:やめて、来ないで……!!
教皇:安心して下さい。責任をもって私たちがたっぷり可愛がってあげますからね。さぁ良い声で鳴いて下さい。
化身:ワオ~~~ん
0:
鬼:てなことになってるかもしれねぇだろ!?!?
黒猫:はて、ヒナはそんなキャラじゃったかのぉ…??
0:
化身:ワオーン(^ω^U)
教皇:ゴキブリ並みにしぶといですね。殺虫剤の方が効果的でしたか?
魔女:ペッ!キメェもんこっちに向けんなよな!
教皇:なんてお口の悪い
魔女:イカれ教皇が!
化身:な!?
教皇:イカれ!?イカれ教皇ですって……!?!?あなた今、私のことをイカれ…イカ…イカれ!?!?
魔女:イカじゃねぇならタコだよ!このタコ!
教皇:きぃいいいいいい!
化身:ローマ様落ち着いて!こんな時は深呼吸するんだよ!
教皇:すー、はー、すー、はー。
化身:ひーひーふー!
教皇:ええもう大丈夫です。こんなちんちくりんの言うことに取り乱すような私ではありませんから。。。!
魔女:しっかり取り乱してんじゃねぇか
教皇:電流!
魔女:ぐあああああ
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0:もくもくもく
0:
黒猫:こんな感じじゃないかのぉ?
鬼:解像度高ぇな
黒猫:まぁの
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0:【6】尾行
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黒猫:して、この先どうやって進んでいくかじゃが
鬼:弱そうな見張り捕まえて案内させりゃいいんじゃね?
黒猫:馬鹿じゃのぉ
鬼:それシンプル悪口
黒猫:敵の陣地でそんなことしてみろ。通報されて挟み撃ちにされて袋叩きにされて捕まって、煮て焼いて醤油につけられて食われるだけじゃぞ
鬼:おお、マヨネーズもつけてくれ!
黒猫:はいよっ、ってなぜそうなる!
化身:やばいやばい侵入者だ
鬼:誰かきたぞ!
化身:ピョンピョン。侵入者だなんて怖すぎるぴょん!部屋に戻る前にばったり会っちゃったらどうしよう。僕ちんブルブルしちゃうよ
黒猫:良かった、まだ気づかれてはないようじゃ
化身:ま、襲われたところで護身用に買ったこのグローブで気絶させてやるまでのことだがね!
鬼:ん、何かアイテム持ってんのか
化身:相手が殴ってきたらこう!そんでこう殴ってきたらこう!んでもってこうしてこうしてこうだ!
鬼:擬音ばっかでよくわかんねぇぞ
化身:痛い!僕ちん自分で自分を殴っちゃった!まだ親にも殴られたことないのに。。。!
鬼:……。
化身:もうこんなグローブいらない!僕ちんに痛い思いさせた罰だ!めっ!
黒猫:うん、アホじゃな。
鬼:………なんか弱そうだし倒しちまうか?
黒猫:大丈夫かの?逆に怪しいまであるが
鬼:そうか?
化身:痛い!グローブ殴ったらグローブの方が固かった!
黒猫:……………。
鬼:よし、倒すぞ!!!
黒猫:しーーーーっ!
鬼:なんだよ。
黒猫:何度も言っておるがお主の声は大きいんじゃ!小声で話さねばすぐに……
化身:何か声が聞こえたぞぉ?
黒猫:見つかってしまうんじゃ!!
化身:そこに誰かいるのかー??
鬼:まずい隠れろ!!
化身:おーい、誰かいるのかって聞いてんだぞー
鬼:誰もいませんよーー!
黒猫:受け答えするな!
鬼:いてっ
化身:本当に誰もいないのー?
黒猫:にゃー!
化身:んー?
黒猫:にゃーにゃー
化身:なんだ猫だったのかぁ!僕ちん誰かにつけられてるのかと思ってドキドキしちゃったよ
鬼:あっぶねー
黒猫:何とか誤魔化せたようじゃな
鬼:猫で誤魔化せるとはな
黒猫:都合のいいことは気にするニャ
鬼:いつまで猫のふりしてんだよ(笑)
黒猫:ふりじゃのぉて、猫じゃからな!
鬼:猫じゃ!猫じゃ!
黒猫:なんじゃい!
鬼:俺様も猫じゃ!
黒猫:お主は鬼じゃろて!!
鬼:にゃ~ん♡
化身:ん~?何か話し声が聞こえるぞ~?
鬼:隠れろ!
化身:やっぱり誰かいるのかー??
鬼:誰もいませんよー!
黒猫:だから受け答えをするな!
化身:流石に聞き間違いじゃないよなぁ。声のする方へ行ってみるか
黒猫:にゃー、ごろにゃー
化身:また猫?なんかこの廊下、猫多すぎにゃ~い?
鬼:そんなことないにゃよー
黒猫:シャーーーーッ(ФωФ)
鬼:ワンワン!
化身:犬までいるだとー!こんなとこで動物飼ってるやつがいるなんておったまげた!ここはペットショップじゃないんだぞー!一刻も早くローマ様に報告しなきゃ!放し飼い反対!参勤は交代!でも時代は違うしモーマンタイ!だモ~♪
鬼:何言ってんだあいつ
黒猫:わしにもわからん
化身:そんな僕ちんもローマ様のペットなんだけどね
鬼:だから1人で何言ってんだあいつ
黒猫:この場には馬鹿しかおらんのじゃろ
鬼:待て。今ローマのペットっつったか?ローマって確か教皇の名前だよな?
黒猫:そうじゃな
化身:うーん、僕ちんお腹いっぱいで眠くなってきちゃった。早くお部屋に戻ってローマ様とお昼寝しよう
鬼:間違いない、あいつを尾行すれば教皇のとこへ辿り着けるぞ!ヒナを助けられる!
化身:誰ー?さっきから喋ってるやつ
鬼:っ!
化身:今度ははっきり聞こえたぞー!僕ちんを尾行するとか言ったのは誰だ~??
黒猫:にゃーにゃー。。。!
鬼:ワンワン。。。!
化身:猫でもないし、犬でもなかった!さっきアナウンスがあった侵入者だろ!
鬼:ぎくっ
黒猫:バレてる…!
化身:ちょっと怖いけど僕ちんが確かめてやるから大人しく正座してそこにいるんだぞ!
黒猫:まずい!こっちに来るぞ!
鬼:こうなったら俺の金棒で……!
黒猫:よせ!城内で騒ぎになるのは避けたい
鬼:んなこと言ってる場合か!捕まったら元もこもねぇだろ!
化身:おったまげー!この期に及んでめちゃくちゃ声がするんだけどー!?100%誰かいるんだけどー!?
黒猫:絶対絶命のピンチじゃあ……………!
鬼:伏せろ…!今こそ、鬼の本気みせてやるぜ!!
黒猫:ま、まさか…、あの禁じられた奥義を………!!
0:
鬼:らっしゃーせー!!!
化身:ひゃあ
鬼:らっしゃーせー、らっしゃーせー!大盛り濃厚背脂ニンニクチャーシュー野菜マシマシで!
化身:なんだなんだ……!?
鬼:替え玉無料だよォ!!
黒猫:な、何もないのにラーメン屋が見える…じゃと……!?
化身:出店……?
黒猫:間違いない、ラーメンはラーメンでもこってり濃厚な二郎系ラーメンじゃあ!
鬼:さぁみんなで一緒に、らっしゃーせー!
黒猫:らっしゃーせー!
化身:なんだただの家系ラーメン屋か。僕ちん誰かにつけられてるのかと思ってドキドキしちゃったよ。お腹はいっぱいだし立ち寄る必要はないな。早くお部屋に戻って寝よう
黒猫:チョロすぎる…!
0:
鬼:ふぅ、あぶなかったー
黒猫:わしはこの城の警備体制が心配になってきたよ
0:
0:【7】魔女の記憶
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魔女:(M)魔女の疑いがかけられた者が釈放されるケースはゼロに等しい。
0:
魔女:ここまでか………。
0:
魔女:(M)だんだん意識が遠くなっていく。あーしはこんなところで死ぬのか。死んでどうなる。あーしより先に殺されたやつらに面目たたねぇじゃねぇか。こんなところで死んでたまるかってばよ
教皇:(声)可哀想な子。
魔女:誰が可哀想だ、ふざけんな!
化身:(声)魔女!醜い魔女!
魔女:魔女がなんだ、魔女が何をした?魔法は悪いもんじゃねぇ!
黒猫:(声)怖い
魔女:そんな目で見んなよ。あーしだってお前らと同じ生命だ。何も変わらねぇ。人間は平等ってのが好きなんだろ?だったら………
鬼:(声)魔女なんて死んでしまえ!
0:
0:回想
教皇:震えているの?
魔女:うるせぇ
教皇:そんなあなたには私のとっておきを見せてあげましょう
魔女:これは…?
教皇:ひかりです。魔法は幸せをつくれるんですよ
魔女:幸せ?
教皇:ほら、あたたかいでしょ?
魔女:キレイだ。七色に光って…
教皇:そうです。この灯火がいつか世界中の人々の心に届けば、きっと世界は変わってくれるはず
魔女:……
教皇:私はこの魔法で世界を幸せで包みたいのに。こんなことなら最初から夢なんて見なければ良かった。絶望するなら期待なんてしなければ良かった。
魔女:いきなりどうしたんだよ…?
教皇:だって悪いのは
教皇:(一緒に)人間ですから
魔女:(一緒に)人間だから
0:
0:(悪夢にうなされていたヒナ。飛び起きる)
0:
魔女:はっ…………!!
0:
教皇:元気なお目覚めですね。
魔女:お前は……
教皇:おはようございます
魔女:………。
教皇:挨拶は返すのが基本ですよ?
0:
教皇:さぁ、魔女裁判を始めましょう
0:
0:【8】魔女裁判
0:
教皇:最後に言い残すことは?
魔女:……ねぇよ。
化身:えぇ~なんにもないの~?強がらなくていいんだよ~?
魔女:むしろ喜ばしいくらいだ。てめぇらの顔ももう見なくて済むしな
化身:いけず~
教皇:私は残念ですよ
魔女:あぁ?
教皇:だってまだあなたの怯える顔を見せてもらっていませんから。
魔女:マジキモすぎ。嫌いじゃねぇけどな
教皇:ありがとうございます。私も大好きですよ、憎らしいほどに
魔女:好きとは言ってねぇぞ
教皇:処刑間際には見せてくださいね?恐怖に染まった蒼白なお顔を
化身:涙と鼻水でぐしょぐしょにデコるんだよ!
魔女:それはてめぇら次第だけどな
教皇:どこまでも好戦的でいいですねー
化身:そうかなー?僕ちんは最後までヤな感じだよ。
教皇:高ぶるでしょ?
化身:わーお。で、処刑方法だけど、水攻め、火炙り、どうするー?
教皇:電流に決まっているじゃありませんか
化身:好きだねぇローマ様
教皇:電流は自由に加減ができますからね。徐々に強くしてみたり、フルパワーで流し続けてみたり…。操作性があって楽しいじゃないですか
化身:うわー、こわーい!
教皇:てな感じでポチリ
魔女:ぐああああ!!
化身:うひゃひゃひゃひゃ♪殺せ、殺せ!魔女狩りの始まりだー!
魔女:狂人が………!
化身:うるさいぞ醜い魔女!うひゃひゃ
0:
化身:今度こそ世界は平和になるんだ!人間が安心して暮らせる世界だ!うふふ、こんにちはーー!
0:
化身:魔女もそう思うだろ?なぁ?
0:
化身:おい、何とか言ったらどうだ!
0:
化身:聞いてんのか?何とか言ったらどうだって言ってるんだぞ!
0:
化身:はぁ、こいつ喋んなくなっちゃった。つまんないの
教皇:そうですねぇ。威勢だけが取り柄でしたのに……
魔女:お前
教皇:はい?
魔女:あーしが魔女だろうがそうじゃなかろうがどっちでもいいみたいなこと言ったよな?
教皇:なんのことでしょう。
魔女:とぼけんな!
化身:まだ話せたんかーい!ローマ様、もうちょっと電流強くしようよ~
教皇:(ため息)
魔女:答えろ!
化身:あう。。。!( ;゚Д゚))
教皇:ええ、言いましたよ?だってこの世界に魔女なんていないのですから
魔女:魔女が、いない……?
教皇:正確に言えば、いなくなってしまったという方が正しいでしょうか
魔女:じゃあなんであーしが魔女扱いされてこんなとこで拷問受けてんだよ。これはなんだ?魔女裁判を謳ったただの殺人ショーか?そんな回りくどいことをして、一体何がしたい……!
化身:目的なんて魔女を殺す為に決まってるじゃん。
魔女:馬鹿は黙ってろ
化身:ヒヒーン!
魔女:人が人を殺すんならそんなの魔女裁判である必要がねぇ
教皇:魔女裁判なんて異端の排除が目的なのですから狩られる側なんて誰でもいいのですよ。たとえ魔女が男でも、子供でも、老人でも、獣だとしても構わない。私は、禁忌をおかした者たちに復讐がしたいだけなので。
魔女:意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇぞ。てめぇに復讐されるような覚えはねぇが、あーしが何かしたか?
教皇:どうでしょうね
魔女:含みやがって。ハッキリ言えよ
教皇:団体責任ってことですよ。
0:
教皇:だって悪いのは人間ですから。
魔女:……
教皇:何十、何百もの同胞たちが殺された。あの忌々しい魔女裁判で、魔女は人間に殺されたのです!!
魔女:同胞……?殺された……?
教皇:返して下さい……!家族を、同胞を、魔女を…………!!あなたたち人間は私たちの幸せを奪った………!
魔女:お前も……魔女なのか…??
教皇:これは、かつて魔女裁判で同胞を殺され、幸せを奪われた一人の魔女による復讐劇。良かったですね、最後に知れて
魔女:あーしも…
教皇:電流!
魔女:ぐああああ!
教皇:判決を下します。死刑です。
教皇:さようなら
魔女:……ぐ…っ!!
0:
0:【9】ユキと幸せの魔女
0:
黒猫:待てローマ!
教皇:あなたは…、??
黒猫:お前には人を殺す魔法など使えんはずじゃ!
教皇:ユキ…!?なぜあなたが……!
黒猫:ヒナを助けにきた。
教皇:どうして
黒猫:悪いな。お前のもとをはなれてからは、こやつと共に暮らしておる
教皇:裏切るつもりですか
黒猫:人間は悪いことをした!じゃがこんなことをして何になる!復讐に意味などないんじゃ
教皇:家族が殺されたのに、黙って許せというのですか!?
黒猫:それは
教皇:人間の罪は消えない!消させない!!あの世で後悔させるべきです!!!
教皇:さぁユキ。私の代わりに魔女を殺して下さい。
黒猫:なっ……!それはできん。
教皇:なぜですか?かつては私の猫でしょう?
黒猫:できんものはできん!
教皇:忠誠を誓ったはずです。主の言うことを聞きなさい黒猫のユキ!
黒猫:わしには殺せん
教皇:私の言うことが聞けないというのですか……!?野良であるあなたを生かしたのも、人間の言葉を話せるようにしたのも、全部私のおかげでしょ……!?
黒猫:聞いとくれローマ。こやつも……ヒナも魔女の生き残りなんじゃ…!
教皇:……はい?
黒猫:いたんじゃ。まだこの世界にも魔女はおったんじゃ。
教皇:そんなことがあるわけ……
黒猫:ヒナは魔女。お主と同じ魔女なんじゃよ
教皇:同じ…?
教皇:この子が、魔女……??
0:
教皇:そんなはずありません!!あの日魔女は滅びた!忘れもしない、嵐が吹き荒れる夜、大衆広場で、人間たちによる忌々しい魔女狩りによって!私の仲間は一人残らず殺された…!!
黒猫:………
教皇:あなたも見ていたはずでしょう??だから協力して仇を撃とうと………
黒猫:お主を化け物にしたのはわしの責任じゃ。共に罪を償おう
教皇:罪……?私たちは何もしていません。
黒猫:ローマ………
魔女:今更仇なんてうってどうなるんだよ。復讐が連鎖して新たな犠牲をうむだけだろ
教皇:っ……枷が外れて……!あなたどうやって……
鬼:気づかなかったのか?俺様が壊したんだぜ。こうやってな
教皇:嘘です、そんな簡単に……!
鬼:鬼の怪力なめんなよ
教皇:あなたは
鬼:しがないラーメン屋店主さっ
0:
0:【10】鬼の反撃
0:
鬼:大盛り濃厚背脂ニンニクチャーシュー野菜マシマシで!替え玉は無料だぜ
教皇:ふざけないでください…!
黒猫:お主は店主よりもアルバイトの方が似合うがの
鬼:なんで俺がバイトなんだよ!時給あげろ!
黒猫:元気がいいのぉ
鬼:お前、俺様を置いて先に行くんじゃねぇよ!
黒猫:足手まといを切り捨てたまでじゃ
鬼:なんだとーー!?!?
魔女:おいうるせぇぞ!
鬼:おうヒナ!大丈夫だったか!?
魔女:お前らがちんたらしてるせいで処刑されるとこだったじゃねぇか!役立たずが道草くってんじゃねぇぞ!
鬼:ああ本物のヒナだ!良かった。。。良かった。。。!
魔女:男がキメェ顔して泣くな!マジで道草食わせんぞコラ!
鬼:お前そんな強がってるけどな、今頃拷問に耐えかねてべそかいてんじゃねぇかと、俺ぁてっきり教皇にピーーされてお前のピーーがピーーで、甚だしくピーーになってんじゃねぇかって心配してたんだぜ!?!?
魔女:なんのことかよくわからんが黙れ。それ以上喋んな
鬼:ヒナのピーーは無事かーー!?
魔女:死ね!!!
鬼:あべし…!(死ぬ)
黒猫:思ったより二人とも元気そうで何よりじゃ……
教皇:見張り兵は何をしているのですか!?早くこの者たちを追い出しなさい!
鬼:結局全部倒しちまったぜ
教皇:な…?
鬼:殺してはねぇけどな
魔女:つまんねぇ話も終わりだ。こいつらが来るまでの時間稼ぎにはなったからな。
0:
鬼:さて、ヒナを困らせたやつはどこのどいつだ…?
化身:あわわわわわ
鬼:どうしてくれようかねぇ
化身:きゃー、助けてー!
鬼:問答無用!鬼斬り!
化身:いたいっ!
鬼:フン!!
化身:いたいっ!
鬼:フン!!
化身:いたいっ!
鬼:フン!!
化身:いたーーーい!(ToT)
0:
0:【11】許す、許さない
0:
教皇:やめて!!これ以上近づかないで下さい!!
鬼:それは無理な願いだな
教皇:あなたたちは人間です!!忌々しい人間なのです!!拷問なり、水攻めなり、火炙りなり、散々いたぶられて無惨な姿で死んでしまえ!!!
魔女:てめぇがかつての人間みたくなってどうすんだよクズ野郎!!てめぇみたいなやつと同じ魔女だとか、こっちから願い下げだっつーの!!
教皇:許しません……!許しませんよ………人間!!!
黒猫:ローマ、今こそ手を取り合わんか?こんなことやめて、人間と
教皇:うるさいうるさいうるさい!!!!!
黒猫:頼む、ローマ…!
鬼:ダメだ、もう誰の声も聞こえてねぇみたいだぞ
黒猫:わしはお前の幸せを信じて協力してきたつもりじゃった。復讐が果たされた時、再び笑顔が戻ると信じて。
0:
黒猫:じゃが、いくら魔女裁判を開けどその時はこんかった。それもそのはず、お主の復讐の対象はこの世の人間全て。全人類を殺すまで復讐は終わらないのじゃから………!
0:
黒猫:お主のそんな姿は見とうない。頼む、笑っておくれ。お主の笑顔は皆を幸せにする
教皇:今更私に何を………
黒猫:幸せの魔女ローマ
教皇:……その名で呼ばないで下さい。今の私は
黒猫:ヒナよ、わしらの愚行を許せとは言わん。じゃが、この通りじゃ!こやつの気持ちに寄り添ってやれるのはお前しかおらん。ローマは同胞を失ってからずっと一人だったのじゃ。信じられる者も頼れる者もいない世界で、残されたのが復讐だけだったのじゃ。頼む、同じ魔女の生き残りとして、ローマを……
魔女:甘ぇんだよ
黒猫:な…!
魔女:てめぇのそれがこいつをいつまでも甘やかしてるってことにいい加減気づけよ
黒猫:なんじゃと………
鬼:ヒナの言う通りだ。難しいことはわかんねぇけど、許すとか許さねぇとかもう個人の範疇を超えてんだよ。
教皇:私はどうしたら
魔女:今のお前は人間が恐れる魔女の姿だ
教皇:……私が、世界を脅かす……魔女。。。
化身:やめろ!それ以上ローマ様をいじめるな…!!砲撃体制、準備!うてー!
鬼:あっ……!!
0:(ずどーん)
0:弾は魔女をめがけて放たれた
鬼:……っ!!
0:ヒナを庇うゴライアス
0:
0:【12】魔法
0:
黒猫:鬼ーーっ!
魔女:(弾を豆に変える魔法) erawak inemam oynaduoh (イラーク、イニマム、イナデュー)
鬼:あいてっ
化身:あれ……?
鬼:痛ぇっつーの
化身:撃たれたのになんで平気なの…?
鬼:弾がこれになったからだ
化身:落花生??
魔女:鬼に向けんのは豆だけにしな
化身:クゥ~ン。。。鬼は~外っ!(。>д<)
魔女:過去に囚われてその記憶引きずってんのはてめぇだけだ。つまんねぇことにこだわり続けんな。
教皇:つまらない?同胞が殺されたことのどこがつまらないというのですか!!
魔女:あーしは今を生きんのに必死だからてめぇみたいな余裕はねぇのさ。どけ、前に進む邪魔だ。
教皇:私だって………!
魔女:てめぇのそんな姿はもう見たくねぇっつってんだよバカ!
教皇:はい……?
魔女:悪いことしてねぇなら堂々と生きろ!そんで二度と同じ悲劇を繰り返さない世の中をつくってやんだよ。馬鹿な人間たちのためにな。
魔女:てめぇがこれからも裁判続けるってんなら、そん時はあんたを殺してでも止めてやる。
教皇:私に残された人生なんて……………。
魔女:せいぜい罪滅ぼしでもしてな。
教皇:……………。
鬼:俺様も疲れたぜ。そろそろ戻してくれ
魔女:ああ、助かった。
魔女:erodom inatagus onotom (イローダム、イナタガス、オノタム)
0:(ゴライアス、元の杖の姿に戻る)
教皇:あなた、本当に魔法を……
魔女:あばよ
教皇:あっ、待って……………
0:
魔女:nomuyz on abaras (ノミューズ、オン、アバラス)
0:
化身:ううぇ?消えた…!?
0:
0:【13】取り残された魔女
0:
教皇:魔女……………。
教皇:魔女はまだ生きていた……………?
教皇:私が守りたかった…………本物の魔女がまだ生きていた…………。
化身:ローマ様??
教皇:私は、魔女を傷つけた人間たちに復讐がしたかった………!同じやり方で同じ苦しみを与えてやりたかった!それだけなのです!!
化身:落ち着いてローマ様。。。
教皇:全ては魔女のために!!!だから私は魔女裁判を開いたのです!!
0:
教皇:それなのに
0:
教皇:私は魔女を傷つけ殺そうと……ああ…いや、いやああああああ!!!!
化身:よしよし。。。よしよし。。。
教皇:バクバクちゃん……私はどうすればいいのでしょう。どうすればこの罪を償えるのでしょう。一体どうすれば………
化身:ううう。。。可哀想なローマ様………。。。
教皇:私は愚かです。愚かな魔女なのです。
化身:魔女………。。。
0:
化身:だったら簡単だよ。ローマ様が魔女なら
0:
化身:ずどーん。
教皇:うっ、がはっ
化身:ずどーん。ずどーん。
教皇:ぐはっ。。。バクバクちゃん、その大砲は…
化身:皆殺し。魔女は皆殺し!ずどーん!!!
教皇:バクバクちゃん、やめ…
化身:安心してローマ様。悪い魔女は僕ちんが一人残らず片付けるよ。魔女は悪い生き物だ。魔法を使い、みんなを恐怖のどん底へ陥れる。生きるためには殺さなきゃ。
教皇:やめてバクバクちゃん……………!
化身:大丈夫、僕ちんにもできる。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん…………!
化身:魔女なんて怖くない。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん………!
化身:殺してしまえ。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん……!
化身:攻撃をためらうな。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん…!
化身:ローマ様が教えてくれた。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん!!!!
化身:ありがとうローマ様!僕ちんにはローマ様しかいないから!
教皇:ああ…、今が酬いの時なのですね
0:
化身:ずどーん。
教皇:………………………………………………。
0:
化身:僕ちんにもできた…!悪い魔女を退治できたんだ…!だから安心してねローマ様………!
0:
化身:あれれ、なんで返事してくれないの。。。?
化身:…………死んじゃったから。。。?
0:
化身:どうして?話が違うじゃないか
0:
化身:魔女を殺せば平和に暮らせるはずなのに。なのに心の中がぐちゃぐちゃってして、僕ちんなんだかよくわかんないよ。どうしてこんなに悲しいの……どうして?教えてよローマ様!平和な世界は………!!!
0:
0:(泣くバクバク)
0:
化身:……そっか、まだ足りないんだ。まだ魔女が生きてるからだ。全部、全部、あの魔女のせいだ。あいつがローマ様を殺したんだ。魔女は殺す。皆殺し。使命を果たさなきゃ。ローマ様と約束したから、これからは僕ちんが世界を救うんだ。
0:
魔女:分かち合えば簡単に手に入るはずの幸せがこんなにも難しく、世界はちっとも変わってくれやしない。悲しみの連鎖を断つためにあーしがやるべきことは
0:
化身:さぁ、魔女裁判をはじめよう
0:【1】尋問
0:
魔女:(タイトルコール)「二郎系魔女裁判」
0:
教皇:さぁ、魔女裁判を始めましょう。
0:
教皇:あなたが魔女ですね?
魔女:違ぇーよ
教皇:うふふ、もう一度問います。あなたが魔女ですね?
魔女:うっぜぇーなぁ!違ぇっつってんだろ!!!
教皇:電流
魔女:ぐあああああ
教皇:あなたは魔女。悪い悪い魔女。そうでしょ?そうに違いありません。
化身:ローマ様、これ以上はこいつの身体がもたないかもだよ。
教皇:だからどうしたのです。まさか魔女に同情なんてしていませんよね?これは私たちが生きる為に然るべき処置なのですよ。
化身:僕ちんちょっと可哀想になってきちゃったの。
教皇:魔女は魔法を使い、私たちを恐怖のどん底へ陥れます。野放しにしていたら私たちの身が危険にさらされるのですよ。
化身:クゥ~ン。。。
教皇:それともバクバクちゃん、あなたも悪い悪い魔女なのでしょうか?でしたら、お仕置きが必要ですね
化身:あわわ、僕ちんは違うよ!このふわふわがその証明だい!
教皇:では魔女がいたらどうしてやるのが正しいですか?
化身:(食いぎみに)皆殺し!皆殺しったら皆殺し!
教皇:そう。それでいいのですよ。うふふふふ
魔女:黙って聞いてりゃどいつもこいつも魔女魔女魔女魔女うるせぇんだよ!勝手に魔女扱いしてんじゃねぇぞコラ!!!
教皇:うるさい魔女ですねぇ。
魔女:電流なんか脅しにもなんねぇ。いくらでも喋ってやんよ。
教皇:見事な悪役っぷり。野蛮な魔女は拷問しやすくて助かります。
魔女:いいからこの邪魔くせぇやつ外せ。痛ぇんだよ。おい聞いてんのか。外せっつってんだろボケ!てめぇらぶっ殺すぞ!!
化身:ひぃ…!
教皇:やれるものならやってみなさい。枷のついた化け物などちっとも怖くありませんから。
魔女:誰が化け物じゃコラ。こっちきてもっぺん言ってみろ
教皇:電流
魔女:ぐあああああ
化身:怖い怖い、ブルブル…
教皇:ああ、バクバクちゃんたら怯えてしまって可哀想に。お分かりいただけましたか?魔女はお口が悪くて、醜くて残忍でデンジャラスな生き物なのです。やらなければやられます。予定を早め、明日にでも魔女裁判を始めましょう。
魔女:(くそ、枷のせいで身動きとれねぇ……。明日が執行とかマジかよ。つか、あいつら何やってんだ。早く助けに来いよ…!!!)
0:
0:【2】城門前、作戦
0:
鬼:いいか、俺が合図を出したら城門めがけて走るぞ。こっからは短期決戦だ。必ずヒナを助ける。かけ声は「Go!」。俺が「Go!」っつったら飛び出すぞ!
黒猫:お主、本気で言っておるのか?
鬼:あぁ?
黒猫:正面から攻め込む馬鹿がどこにいる。何度も言っておるが、わしはこっそり忍び込む作戦に1票じゃ。
鬼:こっそりだ?そんな猫みたいなことやってられるかー!
黒猫:猫みたいじゃなく、猫じゃからのう、わしは。
鬼:そうか。だが俺様の言うことは絶対。これより強行突破を命ずる。
黒猫:誰かこのわからず屋を説得しとくれ。こんなやつと共にしておったら命がいくつあっても足りぬわ。
鬼:大丈夫だ、ピンチになったら俺が助けてやるからよ
黒猫:言うことだけはいっちょ前よのう
鬼:いいか、見張りがいなくなった隙をつくんだ。さっきから同じルートばっか行き来してるあいつが狙い目だな。よし、あの角を曲がったところで…
黒猫:勝算はあるのか?
鬼:ある!!俺様を信じろ!!
黒猫:む。
鬼:なんだよ
黒猫:その自信はどこから湧いてくるのか。捕まる予感しかせんがの
鬼:やる前からそんなんでどうする!大事なのはパッションだぞ!
黒猫:作戦に穴があると言いたいんじゃ!
鬼:そうだな完璧だな!よし準備は万端、鬼に金棒!俺様についてこーい!
黒猫:人の話を聞けい!
鬼:「Go!」
0:草むらから勢いよく飛び出すゴライアス
黒猫:えっ!?あ、ちょ、ま!?
鬼:何してんだー!早く来いよー!
黒猫:しーっ!大きい声を出すな!?
鬼:えー?なんだってー??
黒猫:…ぐぬぬ仕方ない。わしも行くかの…!
0:草むらから飛び出すユキ
黒猫:って、そこらじゅう見張りだらけやないかーーーー!
鬼:やべ、撤収だっ!逃げんぞ!!!
黒猫:コラ!わしを置いていくなー!
鬼:GoGoGoGo~~~!!!
0:
0:【3】魔女裁判の理由
0:
教皇:外が騒がしいですねぇ。
化身:ワンワン(^ω^U)
教皇:賑やかなことはいいことです。
化身:パオーン(゚〇゚)
教皇:優雅な午後は台無しになってしまいましたが。ズズズ…
化身:コーヒーならまだおかわりできそうだよぉ。
教皇:ではもう一杯いただきましょうか。
化身:あ、おかわりできそうなのは僕ちんのお腹の話で……
教皇:え?
化身:ローマ様のコーヒーはもうないんだパオーン。。。
魔女:(ヒナのお腹がなる)ちっ
化身:あれ?もしかして魔女もお腹すいちゃったの?
魔女:だったらなんだよ
化身:残念!もうないの!全部食べちゃった!ていうか、そもそも魔女にあげるご飯なんてないんだけどね!コーヒーもね!魔女にはないの!
魔女:うぜぇんだよ、けものは引っ込んでろ
化身:ぷぎゅ……( >д<)なんて乱暴な魔女!
魔女:だからあーしは魔女じゃねぇっつってんだろ!!
化身:きゃー!こわーい!
教皇:こらこら、あまり刺激しないの
魔女:しつけがなってねぇぞ、飼い主ならちゃんと世話しろよな
教皇:ビューン。それは特大ブーメランですよ。狂暴な魔女さん
魔女:だから………!!!
教皇:いいじゃないですか。あなたが本物の魔女かどうかなんてどちらでもいいのですから
魔女:は?
教皇:………。
魔女:てめぇ今なんつった
教皇:なんにも言ってませんよ、なんにも。
魔女:あーしが魔女でも魔女じゃなくても…………?
鬼:(アナウンス)うー↓うー↑うー↓うー↑
鬼:侵入者発生、侵入者発生、至急警備隊は持ち場に戻りなさい。繰り返します、至急警備隊は……
教皇:おや、侵入者だなんて大変ですねぇ。そんなことしなくても客人なら丁重にお迎えしましたのに。
化身:ガルルルルルル!
教皇:ですが楽しくなってきましたねぇ。賑やかなことはいいことです。ショーを盛り上げる前座にぴったりですから。
魔女:狂ってやがる……
教皇:バクバクちゃん?物騒なので私たちは部屋に戻っていましょうか。
化身:パオーン
魔女:あ、待て……!!
0:
0:【4】廊下
0:
鬼:逃げても逃げても追ってくんぞ!走れーー!!
黒猫:だから!大声を出しながら逃げるのはやめい!
鬼:あーー?何だってーー??
黒猫:お主のせいで撒いても撒いてもキリがないんじゃ!
鬼:もうちょっと大きい声で話せよー!走りながらだと全然聞こえねーぞー!!
黒猫:馬鹿者が!
鬼:なんだとコラ!!
黒猫:なぜ悪口は聞こえるんじゃ!
鬼:俺様を馬鹿扱いするなら、今すぐお前をエサに逃げたっていいんだからな!
黒猫:はぁ。わしが悪かったからひとまず静かにしとくれ~。
鬼:つか、逃げ回ってたらいつの間にか城内に入れてんじゃねぇか?やったぜラッキー♪
黒猫:逆を言えば袋のネズミじゃ。より慎重に行かねば挟み撃ちにされるぞ。
鬼:んー、ネズミねぇ~。。。
黒猫:なんじゃ。
鬼:……お前、猫じゃねぇの?
黒猫:もう黙っておれ!
鬼:チューチュー!
黒猫:むかっ!落ち着けわし、目的達成までの辛抱じゃ
鬼:そんなつれないこと言うなよ~!ほらゴーゴー!!
黒猫:だーかーらー!!
鬼:早いとこ助けに行かねぇと、ヒナが大変なことになってるかもしれねぇだろ!
黒猫:大変なこと?
鬼:ああ、そうだ。俺らがちんたらしてる間に、もしかしたら今頃…………!
0:
0:もくもくもく
0:
0:【5】きっと今頃
0:
教皇:えー、みなさん。静粛に、静粛に~
教皇:これより記念すべき第500回目の魔女裁判を行います。
教皇:起立。礼。着席~。
化身:ガオー( ゚皿゚)
教皇:はい、よくできました~
教皇:ではまず被告人の弁護を…
化身:おい!こんな魔女早くやっちまおうぜ!俺っちもう待てねぇ!
教皇:可哀想に、バクバクちゃんたらお腹がすいてしまったのですね~?判決が出るまでの辛抱ですよ~
化身:死刑だ死刑!魔女は皆殺しにすりゃいいのさァ!
教皇:んもう、お口が悪いですよぉ。チャックチャーック
魔女:…違います。魔女じゃありません
化身:あぁ?
魔女:私、魔女なんかじゃありません!お願い殺さないでっ。。。!
教皇:あらあらぁ、被告人は勝手に喋っちゃダメなんですよぉー?
化身:往生際が悪いぜェ
魔女:やめて、来ないで……!!
教皇:安心して下さい。責任をもって私たちがたっぷり可愛がってあげますからね。さぁ良い声で鳴いて下さい。
化身:ワオ~~~ん
0:
鬼:てなことになってるかもしれねぇだろ!?!?
黒猫:はて、ヒナはそんなキャラじゃったかのぉ…??
0:
化身:ワオーン(^ω^U)
教皇:ゴキブリ並みにしぶといですね。殺虫剤の方が効果的でしたか?
魔女:ペッ!キメェもんこっちに向けんなよな!
教皇:なんてお口の悪い
魔女:イカれ教皇が!
化身:な!?
教皇:イカれ!?イカれ教皇ですって……!?!?あなた今、私のことをイカれ…イカ…イカれ!?!?
魔女:イカじゃねぇならタコだよ!このタコ!
教皇:きぃいいいいいい!
化身:ローマ様落ち着いて!こんな時は深呼吸するんだよ!
教皇:すー、はー、すー、はー。
化身:ひーひーふー!
教皇:ええもう大丈夫です。こんなちんちくりんの言うことに取り乱すような私ではありませんから。。。!
魔女:しっかり取り乱してんじゃねぇか
教皇:電流!
魔女:ぐあああああ
0:
0:もくもくもく
0:
黒猫:こんな感じじゃないかのぉ?
鬼:解像度高ぇな
黒猫:まぁの
0:
0:【6】尾行
0:
黒猫:して、この先どうやって進んでいくかじゃが
鬼:弱そうな見張り捕まえて案内させりゃいいんじゃね?
黒猫:馬鹿じゃのぉ
鬼:それシンプル悪口
黒猫:敵の陣地でそんなことしてみろ。通報されて挟み撃ちにされて袋叩きにされて捕まって、煮て焼いて醤油につけられて食われるだけじゃぞ
鬼:おお、マヨネーズもつけてくれ!
黒猫:はいよっ、ってなぜそうなる!
化身:やばいやばい侵入者だ
鬼:誰かきたぞ!
化身:ピョンピョン。侵入者だなんて怖すぎるぴょん!部屋に戻る前にばったり会っちゃったらどうしよう。僕ちんブルブルしちゃうよ
黒猫:良かった、まだ気づかれてはないようじゃ
化身:ま、襲われたところで護身用に買ったこのグローブで気絶させてやるまでのことだがね!
鬼:ん、何かアイテム持ってんのか
化身:相手が殴ってきたらこう!そんでこう殴ってきたらこう!んでもってこうしてこうしてこうだ!
鬼:擬音ばっかでよくわかんねぇぞ
化身:痛い!僕ちん自分で自分を殴っちゃった!まだ親にも殴られたことないのに。。。!
鬼:……。
化身:もうこんなグローブいらない!僕ちんに痛い思いさせた罰だ!めっ!
黒猫:うん、アホじゃな。
鬼:………なんか弱そうだし倒しちまうか?
黒猫:大丈夫かの?逆に怪しいまであるが
鬼:そうか?
化身:痛い!グローブ殴ったらグローブの方が固かった!
黒猫:……………。
鬼:よし、倒すぞ!!!
黒猫:しーーーーっ!
鬼:なんだよ。
黒猫:何度も言っておるがお主の声は大きいんじゃ!小声で話さねばすぐに……
化身:何か声が聞こえたぞぉ?
黒猫:見つかってしまうんじゃ!!
化身:そこに誰かいるのかー??
鬼:まずい隠れろ!!
化身:おーい、誰かいるのかって聞いてんだぞー
鬼:誰もいませんよーー!
黒猫:受け答えするな!
鬼:いてっ
化身:本当に誰もいないのー?
黒猫:にゃー!
化身:んー?
黒猫:にゃーにゃー
化身:なんだ猫だったのかぁ!僕ちん誰かにつけられてるのかと思ってドキドキしちゃったよ
鬼:あっぶねー
黒猫:何とか誤魔化せたようじゃな
鬼:猫で誤魔化せるとはな
黒猫:都合のいいことは気にするニャ
鬼:いつまで猫のふりしてんだよ(笑)
黒猫:ふりじゃのぉて、猫じゃからな!
鬼:猫じゃ!猫じゃ!
黒猫:なんじゃい!
鬼:俺様も猫じゃ!
黒猫:お主は鬼じゃろて!!
鬼:にゃ~ん♡
化身:ん~?何か話し声が聞こえるぞ~?
鬼:隠れろ!
化身:やっぱり誰かいるのかー??
鬼:誰もいませんよー!
黒猫:だから受け答えをするな!
化身:流石に聞き間違いじゃないよなぁ。声のする方へ行ってみるか
黒猫:にゃー、ごろにゃー
化身:また猫?なんかこの廊下、猫多すぎにゃ~い?
鬼:そんなことないにゃよー
黒猫:シャーーーーッ(ФωФ)
鬼:ワンワン!
化身:犬までいるだとー!こんなとこで動物飼ってるやつがいるなんておったまげた!ここはペットショップじゃないんだぞー!一刻も早くローマ様に報告しなきゃ!放し飼い反対!参勤は交代!でも時代は違うしモーマンタイ!だモ~♪
鬼:何言ってんだあいつ
黒猫:わしにもわからん
化身:そんな僕ちんもローマ様のペットなんだけどね
鬼:だから1人で何言ってんだあいつ
黒猫:この場には馬鹿しかおらんのじゃろ
鬼:待て。今ローマのペットっつったか?ローマって確か教皇の名前だよな?
黒猫:そうじゃな
化身:うーん、僕ちんお腹いっぱいで眠くなってきちゃった。早くお部屋に戻ってローマ様とお昼寝しよう
鬼:間違いない、あいつを尾行すれば教皇のとこへ辿り着けるぞ!ヒナを助けられる!
化身:誰ー?さっきから喋ってるやつ
鬼:っ!
化身:今度ははっきり聞こえたぞー!僕ちんを尾行するとか言ったのは誰だ~??
黒猫:にゃーにゃー。。。!
鬼:ワンワン。。。!
化身:猫でもないし、犬でもなかった!さっきアナウンスがあった侵入者だろ!
鬼:ぎくっ
黒猫:バレてる…!
化身:ちょっと怖いけど僕ちんが確かめてやるから大人しく正座してそこにいるんだぞ!
黒猫:まずい!こっちに来るぞ!
鬼:こうなったら俺の金棒で……!
黒猫:よせ!城内で騒ぎになるのは避けたい
鬼:んなこと言ってる場合か!捕まったら元もこもねぇだろ!
化身:おったまげー!この期に及んでめちゃくちゃ声がするんだけどー!?100%誰かいるんだけどー!?
黒猫:絶対絶命のピンチじゃあ……………!
鬼:伏せろ…!今こそ、鬼の本気みせてやるぜ!!
黒猫:ま、まさか…、あの禁じられた奥義を………!!
0:
鬼:らっしゃーせー!!!
化身:ひゃあ
鬼:らっしゃーせー、らっしゃーせー!大盛り濃厚背脂ニンニクチャーシュー野菜マシマシで!
化身:なんだなんだ……!?
鬼:替え玉無料だよォ!!
黒猫:な、何もないのにラーメン屋が見える…じゃと……!?
化身:出店……?
黒猫:間違いない、ラーメンはラーメンでもこってり濃厚な二郎系ラーメンじゃあ!
鬼:さぁみんなで一緒に、らっしゃーせー!
黒猫:らっしゃーせー!
化身:なんだただの家系ラーメン屋か。僕ちん誰かにつけられてるのかと思ってドキドキしちゃったよ。お腹はいっぱいだし立ち寄る必要はないな。早くお部屋に戻って寝よう
黒猫:チョロすぎる…!
0:
鬼:ふぅ、あぶなかったー
黒猫:わしはこの城の警備体制が心配になってきたよ
0:
0:【7】魔女の記憶
0:
魔女:(M)魔女の疑いがかけられた者が釈放されるケースはゼロに等しい。
0:
魔女:ここまでか………。
0:
魔女:(M)だんだん意識が遠くなっていく。あーしはこんなところで死ぬのか。死んでどうなる。あーしより先に殺されたやつらに面目たたねぇじゃねぇか。こんなところで死んでたまるかってばよ
教皇:(声)可哀想な子。
魔女:誰が可哀想だ、ふざけんな!
化身:(声)魔女!醜い魔女!
魔女:魔女がなんだ、魔女が何をした?魔法は悪いもんじゃねぇ!
黒猫:(声)怖い
魔女:そんな目で見んなよ。あーしだってお前らと同じ生命だ。何も変わらねぇ。人間は平等ってのが好きなんだろ?だったら………
鬼:(声)魔女なんて死んでしまえ!
0:
0:回想
教皇:震えているの?
魔女:うるせぇ
教皇:そんなあなたには私のとっておきを見せてあげましょう
魔女:これは…?
教皇:ひかりです。魔法は幸せをつくれるんですよ
魔女:幸せ?
教皇:ほら、あたたかいでしょ?
魔女:キレイだ。七色に光って…
教皇:そうです。この灯火がいつか世界中の人々の心に届けば、きっと世界は変わってくれるはず
魔女:……
教皇:私はこの魔法で世界を幸せで包みたいのに。こんなことなら最初から夢なんて見なければ良かった。絶望するなら期待なんてしなければ良かった。
魔女:いきなりどうしたんだよ…?
教皇:だって悪いのは
教皇:(一緒に)人間ですから
魔女:(一緒に)人間だから
0:
0:(悪夢にうなされていたヒナ。飛び起きる)
0:
魔女:はっ…………!!
0:
教皇:元気なお目覚めですね。
魔女:お前は……
教皇:おはようございます
魔女:………。
教皇:挨拶は返すのが基本ですよ?
0:
教皇:さぁ、魔女裁判を始めましょう
0:
0:【8】魔女裁判
0:
教皇:最後に言い残すことは?
魔女:……ねぇよ。
化身:えぇ~なんにもないの~?強がらなくていいんだよ~?
魔女:むしろ喜ばしいくらいだ。てめぇらの顔ももう見なくて済むしな
化身:いけず~
教皇:私は残念ですよ
魔女:あぁ?
教皇:だってまだあなたの怯える顔を見せてもらっていませんから。
魔女:マジキモすぎ。嫌いじゃねぇけどな
教皇:ありがとうございます。私も大好きですよ、憎らしいほどに
魔女:好きとは言ってねぇぞ
教皇:処刑間際には見せてくださいね?恐怖に染まった蒼白なお顔を
化身:涙と鼻水でぐしょぐしょにデコるんだよ!
魔女:それはてめぇら次第だけどな
教皇:どこまでも好戦的でいいですねー
化身:そうかなー?僕ちんは最後までヤな感じだよ。
教皇:高ぶるでしょ?
化身:わーお。で、処刑方法だけど、水攻め、火炙り、どうするー?
教皇:電流に決まっているじゃありませんか
化身:好きだねぇローマ様
教皇:電流は自由に加減ができますからね。徐々に強くしてみたり、フルパワーで流し続けてみたり…。操作性があって楽しいじゃないですか
化身:うわー、こわーい!
教皇:てな感じでポチリ
魔女:ぐああああ!!
化身:うひゃひゃひゃひゃ♪殺せ、殺せ!魔女狩りの始まりだー!
魔女:狂人が………!
化身:うるさいぞ醜い魔女!うひゃひゃ
0:
化身:今度こそ世界は平和になるんだ!人間が安心して暮らせる世界だ!うふふ、こんにちはーー!
0:
化身:魔女もそう思うだろ?なぁ?
0:
化身:おい、何とか言ったらどうだ!
0:
化身:聞いてんのか?何とか言ったらどうだって言ってるんだぞ!
0:
化身:はぁ、こいつ喋んなくなっちゃった。つまんないの
教皇:そうですねぇ。威勢だけが取り柄でしたのに……
魔女:お前
教皇:はい?
魔女:あーしが魔女だろうがそうじゃなかろうがどっちでもいいみたいなこと言ったよな?
教皇:なんのことでしょう。
魔女:とぼけんな!
化身:まだ話せたんかーい!ローマ様、もうちょっと電流強くしようよ~
教皇:(ため息)
魔女:答えろ!
化身:あう。。。!( ;゚Д゚))
教皇:ええ、言いましたよ?だってこの世界に魔女なんていないのですから
魔女:魔女が、いない……?
教皇:正確に言えば、いなくなってしまったという方が正しいでしょうか
魔女:じゃあなんであーしが魔女扱いされてこんなとこで拷問受けてんだよ。これはなんだ?魔女裁判を謳ったただの殺人ショーか?そんな回りくどいことをして、一体何がしたい……!
化身:目的なんて魔女を殺す為に決まってるじゃん。
魔女:馬鹿は黙ってろ
化身:ヒヒーン!
魔女:人が人を殺すんならそんなの魔女裁判である必要がねぇ
教皇:魔女裁判なんて異端の排除が目的なのですから狩られる側なんて誰でもいいのですよ。たとえ魔女が男でも、子供でも、老人でも、獣だとしても構わない。私は、禁忌をおかした者たちに復讐がしたいだけなので。
魔女:意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇぞ。てめぇに復讐されるような覚えはねぇが、あーしが何かしたか?
教皇:どうでしょうね
魔女:含みやがって。ハッキリ言えよ
教皇:団体責任ってことですよ。
0:
教皇:だって悪いのは人間ですから。
魔女:……
教皇:何十、何百もの同胞たちが殺された。あの忌々しい魔女裁判で、魔女は人間に殺されたのです!!
魔女:同胞……?殺された……?
教皇:返して下さい……!家族を、同胞を、魔女を…………!!あなたたち人間は私たちの幸せを奪った………!
魔女:お前も……魔女なのか…??
教皇:これは、かつて魔女裁判で同胞を殺され、幸せを奪われた一人の魔女による復讐劇。良かったですね、最後に知れて
魔女:あーしも…
教皇:電流!
魔女:ぐああああ!
教皇:判決を下します。死刑です。
教皇:さようなら
魔女:……ぐ…っ!!
0:
0:【9】ユキと幸せの魔女
0:
黒猫:待てローマ!
教皇:あなたは…、??
黒猫:お前には人を殺す魔法など使えんはずじゃ!
教皇:ユキ…!?なぜあなたが……!
黒猫:ヒナを助けにきた。
教皇:どうして
黒猫:悪いな。お前のもとをはなれてからは、こやつと共に暮らしておる
教皇:裏切るつもりですか
黒猫:人間は悪いことをした!じゃがこんなことをして何になる!復讐に意味などないんじゃ
教皇:家族が殺されたのに、黙って許せというのですか!?
黒猫:それは
教皇:人間の罪は消えない!消させない!!あの世で後悔させるべきです!!!
教皇:さぁユキ。私の代わりに魔女を殺して下さい。
黒猫:なっ……!それはできん。
教皇:なぜですか?かつては私の猫でしょう?
黒猫:できんものはできん!
教皇:忠誠を誓ったはずです。主の言うことを聞きなさい黒猫のユキ!
黒猫:わしには殺せん
教皇:私の言うことが聞けないというのですか……!?野良であるあなたを生かしたのも、人間の言葉を話せるようにしたのも、全部私のおかげでしょ……!?
黒猫:聞いとくれローマ。こやつも……ヒナも魔女の生き残りなんじゃ…!
教皇:……はい?
黒猫:いたんじゃ。まだこの世界にも魔女はおったんじゃ。
教皇:そんなことがあるわけ……
黒猫:ヒナは魔女。お主と同じ魔女なんじゃよ
教皇:同じ…?
教皇:この子が、魔女……??
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教皇:そんなはずありません!!あの日魔女は滅びた!忘れもしない、嵐が吹き荒れる夜、大衆広場で、人間たちによる忌々しい魔女狩りによって!私の仲間は一人残らず殺された…!!
黒猫:………
教皇:あなたも見ていたはずでしょう??だから協力して仇を撃とうと………
黒猫:お主を化け物にしたのはわしの責任じゃ。共に罪を償おう
教皇:罪……?私たちは何もしていません。
黒猫:ローマ………
魔女:今更仇なんてうってどうなるんだよ。復讐が連鎖して新たな犠牲をうむだけだろ
教皇:っ……枷が外れて……!あなたどうやって……
鬼:気づかなかったのか?俺様が壊したんだぜ。こうやってな
教皇:嘘です、そんな簡単に……!
鬼:鬼の怪力なめんなよ
教皇:あなたは
鬼:しがないラーメン屋店主さっ
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0:【10】鬼の反撃
0:
鬼:大盛り濃厚背脂ニンニクチャーシュー野菜マシマシで!替え玉は無料だぜ
教皇:ふざけないでください…!
黒猫:お主は店主よりもアルバイトの方が似合うがの
鬼:なんで俺がバイトなんだよ!時給あげろ!
黒猫:元気がいいのぉ
鬼:お前、俺様を置いて先に行くんじゃねぇよ!
黒猫:足手まといを切り捨てたまでじゃ
鬼:なんだとーー!?!?
魔女:おいうるせぇぞ!
鬼:おうヒナ!大丈夫だったか!?
魔女:お前らがちんたらしてるせいで処刑されるとこだったじゃねぇか!役立たずが道草くってんじゃねぇぞ!
鬼:ああ本物のヒナだ!良かった。。。良かった。。。!
魔女:男がキメェ顔して泣くな!マジで道草食わせんぞコラ!
鬼:お前そんな強がってるけどな、今頃拷問に耐えかねてべそかいてんじゃねぇかと、俺ぁてっきり教皇にピーーされてお前のピーーがピーーで、甚だしくピーーになってんじゃねぇかって心配してたんだぜ!?!?
魔女:なんのことかよくわからんが黙れ。それ以上喋んな
鬼:ヒナのピーーは無事かーー!?
魔女:死ね!!!
鬼:あべし…!(死ぬ)
黒猫:思ったより二人とも元気そうで何よりじゃ……
教皇:見張り兵は何をしているのですか!?早くこの者たちを追い出しなさい!
鬼:結局全部倒しちまったぜ
教皇:な…?
鬼:殺してはねぇけどな
魔女:つまんねぇ話も終わりだ。こいつらが来るまでの時間稼ぎにはなったからな。
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鬼:さて、ヒナを困らせたやつはどこのどいつだ…?
化身:あわわわわわ
鬼:どうしてくれようかねぇ
化身:きゃー、助けてー!
鬼:問答無用!鬼斬り!
化身:いたいっ!
鬼:フン!!
化身:いたいっ!
鬼:フン!!
化身:いたいっ!
鬼:フン!!
化身:いたーーーい!(ToT)
0:
0:【11】許す、許さない
0:
教皇:やめて!!これ以上近づかないで下さい!!
鬼:それは無理な願いだな
教皇:あなたたちは人間です!!忌々しい人間なのです!!拷問なり、水攻めなり、火炙りなり、散々いたぶられて無惨な姿で死んでしまえ!!!
魔女:てめぇがかつての人間みたくなってどうすんだよクズ野郎!!てめぇみたいなやつと同じ魔女だとか、こっちから願い下げだっつーの!!
教皇:許しません……!許しませんよ………人間!!!
黒猫:ローマ、今こそ手を取り合わんか?こんなことやめて、人間と
教皇:うるさいうるさいうるさい!!!!!
黒猫:頼む、ローマ…!
鬼:ダメだ、もう誰の声も聞こえてねぇみたいだぞ
黒猫:わしはお前の幸せを信じて協力してきたつもりじゃった。復讐が果たされた時、再び笑顔が戻ると信じて。
0:
黒猫:じゃが、いくら魔女裁判を開けどその時はこんかった。それもそのはず、お主の復讐の対象はこの世の人間全て。全人類を殺すまで復讐は終わらないのじゃから………!
0:
黒猫:お主のそんな姿は見とうない。頼む、笑っておくれ。お主の笑顔は皆を幸せにする
教皇:今更私に何を………
黒猫:幸せの魔女ローマ
教皇:……その名で呼ばないで下さい。今の私は
黒猫:ヒナよ、わしらの愚行を許せとは言わん。じゃが、この通りじゃ!こやつの気持ちに寄り添ってやれるのはお前しかおらん。ローマは同胞を失ってからずっと一人だったのじゃ。信じられる者も頼れる者もいない世界で、残されたのが復讐だけだったのじゃ。頼む、同じ魔女の生き残りとして、ローマを……
魔女:甘ぇんだよ
黒猫:な…!
魔女:てめぇのそれがこいつをいつまでも甘やかしてるってことにいい加減気づけよ
黒猫:なんじゃと………
鬼:ヒナの言う通りだ。難しいことはわかんねぇけど、許すとか許さねぇとかもう個人の範疇を超えてんだよ。
教皇:私はどうしたら
魔女:今のお前は人間が恐れる魔女の姿だ
教皇:……私が、世界を脅かす……魔女。。。
化身:やめろ!それ以上ローマ様をいじめるな…!!砲撃体制、準備!うてー!
鬼:あっ……!!
0:(ずどーん)
0:弾は魔女をめがけて放たれた
鬼:……っ!!
0:ヒナを庇うゴライアス
0:
0:【12】魔法
0:
黒猫:鬼ーーっ!
魔女:(弾を豆に変える魔法) erawak inemam oynaduoh (イラーク、イニマム、イナデュー)
鬼:あいてっ
化身:あれ……?
鬼:痛ぇっつーの
化身:撃たれたのになんで平気なの…?
鬼:弾がこれになったからだ
化身:落花生??
魔女:鬼に向けんのは豆だけにしな
化身:クゥ~ン。。。鬼は~外っ!(。>д<)
魔女:過去に囚われてその記憶引きずってんのはてめぇだけだ。つまんねぇことにこだわり続けんな。
教皇:つまらない?同胞が殺されたことのどこがつまらないというのですか!!
魔女:あーしは今を生きんのに必死だからてめぇみたいな余裕はねぇのさ。どけ、前に進む邪魔だ。
教皇:私だって………!
魔女:てめぇのそんな姿はもう見たくねぇっつってんだよバカ!
教皇:はい……?
魔女:悪いことしてねぇなら堂々と生きろ!そんで二度と同じ悲劇を繰り返さない世の中をつくってやんだよ。馬鹿な人間たちのためにな。
魔女:てめぇがこれからも裁判続けるってんなら、そん時はあんたを殺してでも止めてやる。
教皇:私に残された人生なんて……………。
魔女:せいぜい罪滅ぼしでもしてな。
教皇:……………。
鬼:俺様も疲れたぜ。そろそろ戻してくれ
魔女:ああ、助かった。
魔女:erodom inatagus onotom (イローダム、イナタガス、オノタム)
0:(ゴライアス、元の杖の姿に戻る)
教皇:あなた、本当に魔法を……
魔女:あばよ
教皇:あっ、待って……………
0:
魔女:nomuyz on abaras (ノミューズ、オン、アバラス)
0:
化身:ううぇ?消えた…!?
0:
0:【13】取り残された魔女
0:
教皇:魔女……………。
教皇:魔女はまだ生きていた……………?
教皇:私が守りたかった…………本物の魔女がまだ生きていた…………。
化身:ローマ様??
教皇:私は、魔女を傷つけた人間たちに復讐がしたかった………!同じやり方で同じ苦しみを与えてやりたかった!それだけなのです!!
化身:落ち着いてローマ様。。。
教皇:全ては魔女のために!!!だから私は魔女裁判を開いたのです!!
0:
教皇:それなのに
0:
教皇:私は魔女を傷つけ殺そうと……ああ…いや、いやああああああ!!!!
化身:よしよし。。。よしよし。。。
教皇:バクバクちゃん……私はどうすればいいのでしょう。どうすればこの罪を償えるのでしょう。一体どうすれば………
化身:ううう。。。可哀想なローマ様………。。。
教皇:私は愚かです。愚かな魔女なのです。
化身:魔女………。。。
0:
化身:だったら簡単だよ。ローマ様が魔女なら
0:
化身:ずどーん。
教皇:うっ、がはっ
化身:ずどーん。ずどーん。
教皇:ぐはっ。。。バクバクちゃん、その大砲は…
化身:皆殺し。魔女は皆殺し!ずどーん!!!
教皇:バクバクちゃん、やめ…
化身:安心してローマ様。悪い魔女は僕ちんが一人残らず片付けるよ。魔女は悪い生き物だ。魔法を使い、みんなを恐怖のどん底へ陥れる。生きるためには殺さなきゃ。
教皇:やめてバクバクちゃん……………!
化身:大丈夫、僕ちんにもできる。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん…………!
化身:魔女なんて怖くない。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん………!
化身:殺してしまえ。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん……!
化身:攻撃をためらうな。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん…!
化身:ローマ様が教えてくれた。(ずどーん)
教皇:バクバクちゃん!!!!
化身:ありがとうローマ様!僕ちんにはローマ様しかいないから!
教皇:ああ…、今が酬いの時なのですね
0:
化身:ずどーん。
教皇:………………………………………………。
0:
化身:僕ちんにもできた…!悪い魔女を退治できたんだ…!だから安心してねローマ様………!
0:
化身:あれれ、なんで返事してくれないの。。。?
化身:…………死んじゃったから。。。?
0:
化身:どうして?話が違うじゃないか
0:
化身:魔女を殺せば平和に暮らせるはずなのに。なのに心の中がぐちゃぐちゃってして、僕ちんなんだかよくわかんないよ。どうしてこんなに悲しいの……どうして?教えてよローマ様!平和な世界は………!!!
0:
0:(泣くバクバク)
0:
化身:……そっか、まだ足りないんだ。まだ魔女が生きてるからだ。全部、全部、あの魔女のせいだ。あいつがローマ様を殺したんだ。魔女は殺す。皆殺し。使命を果たさなきゃ。ローマ様と約束したから、これからは僕ちんが世界を救うんだ。
0:
魔女:分かち合えば簡単に手に入るはずの幸せがこんなにも難しく、世界はちっとも変わってくれやしない。悲しみの連鎖を断つためにあーしがやるべきことは
0:
化身:さぁ、魔女裁判をはじめよう