台本概要

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タイトル とある僧侶が魔王の使いで勇者の仲間になりたがる冒険
作者名 ゴリアス  (@hukugyou_dojou)
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(男1、女1、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 アンジュ(23)とある僧侶
マサージ(20)伝説の中でも最強の勇者
サンショー(??)魔王

台本をご利用の際は、配信タイトル・コメント欄・概要欄のいずれかに、「台本名」・「作者名(ゴリアス)」・「サイトURL(https://sousaku-katsudou.com/)」を明記してください。

どうしても文字による記載ができない場合は「作品名と作者名の読み上げ」を持ってクレジット表記とみなすことにします。

ハッシュタグとして #アトリエゴリアス をつけていただけますと幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
アンジュ 88 とある僧侶。弟であるズシオーのことを思い、魔王の元に来た
マサージ 71 伝説の中でも最強の勇者。パーフェクトになるためにバディを探している。
サンショー 不問 20 魔王。極悪。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:『とある僧侶が魔王の使いで勇者の仲間になりたがる冒険』作・ゴリアス  :  アンジュ:(モノローグ)主人より、この冒険を記録する命令を受けて、私アンジュが筆記するなり  :  情景:魔王が統べる地サッド  :  アンジュ:魔王様がお呼びだなんて怖い。弟のことじゃなきゃ良いけど サンショー:遅い、アンジュ待っていたのだ アンジュ:サンショー様、申し訳ございません。急なお呼びたてで慌てまして サンショー:急な要件なのだ アンジュ:もしかして、弟の身に何かあったんですか? サンショー:実は、そうなのだ。お前の弟、ズシオーは勇者に傷つけられて瀕死なのだ アンジュ:なんですって!サンショー様、弟は、ズシオーは大丈夫なのですか? サンショー:もちろんなのだ。魔王軍直属の医師たちに治療に当たらせている アンジュ:サンショー様が、弟を勇者から守ってくれると聞いて、こちらにきましたのに サンショー:勇者はとんでもなく油断できない相手なのだ アンジュ:勇者にとって弟のズシオーは、絶対に排除しなきゃいけない存在だとか サンショー:その通りなのだ。あらゆる伝説の中でも最も憎むべき勇者なのだ アンジュ:悪い奴なんですね サンショー:だが、やつはまだバーフェクトではないのだ アンジュ:パーフェクトとは? サンショー:奴にはどうしても手に入れないといけないものがあるのだ アンジュ:それは、一体? サンショー:それを調べていたズシオーが勇者から酷い目に合わされたのだ アンジュ:許せない!その勇者を、私の手で倒させてください サンショー:そうなのだ。アンジュ、お前を奴の元に送ろうと思っていたのだ アンジュ:でも、私は僧侶。勇者の相手などできますでしょうか サンショー:そこで、お前は奴の仲間になったふりをするのだ アンジュ:ふり? サンショー:そうなのだ。僧侶が仲間になれば無茶もする。回復して欲しい場面がくるのだ アンジュ:そうか、そこで奴を仕留める。それなら私にもできます。場所は? サンショー:冒険者の地オーウなのだ アンジュ:わかりました。どうぞご命令ください! サンショー:命令は契約なのだ。お前の魂は我のものになるのだ アンジュ:無論、承知しております サンショー:命令するのだ。サンショーの名の下にアンジュを勇者の配下に派遣するのだ アンジュ:はい。行ってまいります!冒険者の地オーウへ サンショー:ズシオーが待っているのだ。勇者を倒してサッドの地に再びくるのだ  :  情景:冒険者の地オーウ  :  アンジュ:わっあそこにいるのが勇者だ!ホントにとんでもないオーラを放ってるわね マサージ:お、女だ。どうした一人か アンジュ:何を! マサージ:冒険者の地オーウは、ケッコー危ねーから独り歩きしねーほうがいっぞ アンジュ:おのれ、勇者! マサージ:ん?どした?女 アンジュ:私は、アンジュだ!女と呼ぶな マサージ:あ、そっか。オラ、マサージ。よろしくな、アンジュ姉ちゃん アンジュ:おのれ、マサージ!じゃ、なかった。あの、その、勇者さまーん マサージ:なんだ?急に。気持ちわりーぞ、おめえ。でもなオラにはわかるぞ アンジュ:ええ?何がバレたの? マサージ:おめえ、悪い奴じゃないだろ アンジュ:あ、あああ マサージ:おら、頭はわりーけど、人を見る目だけは確かなんだ アンジュ:お前、本当にばかだろ。じゃなかった。あの、仲間にしてくださーい マサージ:仲間?いや、わりーけど、おら、決められた仲間、バディがいてよ アンジュ:決められた仲間。き、聞いてない! マサージ:へ?聞いてないも何も、今初めて会ったとこじゃねーか アンジュ:いや、それはその。こっちの話。で、バディって? マサージ:どうもよ。おらの力を最大限に出すには特定の血筋の仲間が必要なんだ アンジュ:そ、そうだったのね。じゃ、私じゃ無理なのか マサージ:いや、待て。おねーちゃん。もしかして僧侶じゃない? アンジュ:はい。私、まだまだ非力ですが、僧侶です マサージ:まだまだ非力って。お姉ちゃん、おらより年上じゃん アンジュ:もーほっといてよ マサージ:おら、サッドってゆー、魔王の総べる地に向かってんだけどさ アンジュ:ええ、知っています。この冒険者の地オーウの向こう側 マサージ:おら、剣は誰にも負けねーんだけど、魔法がいまいちでさ アンジュ:ですよね!ですよね! マサージ:特に回復魔法はめっちゃ必要なんだけど、助けてくんねーかな アンジュ:もちろんでございますとも!しめしめ マサージ:ん?今、しめしめって言った? アンジュ:いえいえ、こちらの話でございます! マサージ:あーよかった。おら、魔法下手だから道具袋頼みだからさ アンジュ:本当だ、道具袋がパンパンだわ マサージ:じゃ、よろしくな。アンジュ姉ちゃん アンジュ:はい、喜んでー  :  情景:サッドに向かって移動中である  :  アンジュ:ところで、勇者。じゃなかった、マサージさま マサージ:あんだ?マサージさまとか、やめてくれよ。マサージって呼んでくれ アンジュ:わかりました。マサージ。さっき言ってたバディってなんなんですか? マサージ:おらもよくわかんねーんだけどさ、どうもおらにはバディが必要らしい アンジュ:どんなお人なんですか? マサージ:賢者だ。この地にそれほど数はいない。おら、だから賢者を探していた アンジュ:探していた? マサージ:目星はついたんだが、いなくなってしまったんだ アンジュ:そう、なのか マサージ:でも、おらには、今アンジュがいる。心強いよ アンジュ:困ったことになったら、ぜひ私の回復魔法に期待してくださいね。ふふふ マサージ:ああ、期待してっぞ。って、危ない! アンジュ:きゃあ マサージ:大丈夫か?アイツだ。完全におめえを狙ってたぞ アンジュ:あ、あれは。魔王軍直属のガーゴイル。なぜ私を マサージ:アンジュ、下がってろ。奴らの狙いはおめえのようだ アンジュ:そんな マサージ:おらにまかせとけ。魔王軍直属だろうが、おらの剣さえ届けば アンジュ:届いてない。ガーゴイルは空飛ぶ魔族。危険よ、マサージ マサージ:おめえを狙っている以上、奴らは絶対に地上に降りてくる アンジュ:あ、意外と頭使ってるのね。じゃなかった。助けてー マサージ:いまだ!おらをなめるなよ。こう見えても最強の勇者だぜ アンジュ:つ、強い。これほどとは。サンショー様ですら、危うい マサージ:さ、とっとといこーぜ アンジュ:あ、マサージ。けが、してるわ マサージ:おう。最初の不意打ちの時にな。ちょっとミスっちまった アンジュ:ダメよ。手当しないと マサージ:こんなもんてーしたことねーよ アンジュ:なんのための僧侶ですか。なんのための回復魔法ですか マサージ:こんなかすり傷で、魔法なんか使わせられるかよ アンジュ:う、ううう  :  情景:日が暮れて野営  :  マサージ:はぁ、はぁ」 アンジュ:どうしたの?マサージ。急にここでテントをはるって言ってから様子が マサージ:はあ、はあ。どうやら、あのガーゴイル、爪に毒を持ってたらしい アンジュ:これは、猛毒。私の魔法じゃ、どうにもならない マサージ:そ、そういうことか アンジュ:ほら、言ったこっちゃない。ダメよ病院に行きましょう マサージ:む、無理だよ。今は動けない アンジュ:そんなこと言ったって、私あなたを担いで病院なんて マサージ:行かなくていいだろ? アンジュ:え?どうして? マサージ:おめえ、魔物の匂いがする。ガーゴイルを魔王直属と言い切った アンジュ:そ、それは マサージ:最初から、これが目的だったんだろ。だからガーゴイルの アンジュ:違う!そんなんじゃない。そんな卑怯な マサージ:卑怯じゃない?本当に? アンジュ:うるさい! マサージ:このままおらを殺せば、おめえにかけられた命令は解けるんじゃないか アンジュ:命令は契約よ。私の魂は、もう魔王のもの マサージ:殺せ アンジュ:ころ、せない マサージ:なぜ、おめえがおらのことを憎んでるのかはわからねえ、だが アンジュ:うるさい マサージ:おらは誰かに恨まれる覚えは一切ない。それだけは自信あるぜ アンジュ:わかった。本当のことを言う マサージ:うん? アンジュ:私は魔王サンショー様の命令でお前の仲間になろうとした マサージ:やっぱりね アンジュ:お前は私のことを悪い奴じゃないと言ったが、お前も悪い奴には思えない マサージ:それはどうも。だが、お前のその命令と契約。解く方法はないのか アンジュ:契約を解くことはできないが、上書きすることはできる マサージ:どうやって? アンジュ:途方も無い無理難題だ。絶対に叶えることはできない マサージ:だったら、今がチャンスだろ。おらを倒せばいい アンジュ:寝首をかくようなことはしない。私と勝負しろ! マサージ:勝負だと?おら、強いぜ アンジュ:わかってる。だが、私もどうしたら良いのかわからなくなってるんだ マサージ:わかった。じゃ、左手だけで勝負してやる アンジュ:なんだと! マサージ:おらが負けたら好きにしていい。だがおらが勝ったら アンジュ:勝ったら? マサージ:おらのバディになれ アンジュ:ふざけるな!お前は、弟の敵だ。絶対にゆるせない! マサージ:これだけは言っておく。おらは、アンジュの弟ズシオーと会ったことがない アンジュ:な、何を!どうして弟の名を! マサージ:お前の弟ズシオーは、賢者だろ。この地の賢者といえばズシオーだ アンジュ:と、言うことは マサージ:ズシオーはおらの定められたバディ アンジュ:つまり、マサージがズシオーと戦うはずがなかったのか マサージ:さて、誰がおらのバディを痛めつけたんだろうね アンジュ:魔王サンショー!全てはアイツの手のひらの上だったのか! マサージ:じゃ、気を取り直して、出発しようか アンジュ:あれ?マサージ。あなた、猛毒は? マサージ:だから言ったろ。こんな時のためにおらの道具袋はパンパンだって アンジュ:じゃ、私を試したの? マサージ:そうじゃない。真実を知りたかったんだ。アンジュと一緒に アンジュ:でも、勇者をパーフェクトにするバディが マサージ:それが、さ。おら気づいちゃったんだよね アンジュ:何?まだ何かあんの? マサージ:もう大人の年齢なのになぜ、アンジュが僧侶として未熟か? アンジュ:え?ええ? マサージ:それは、アンジュも賢者だったから。間違いねーな アンジュ:じゃ、もしかして マサージ:そ、おらのバディは、ズシオーの姉ちゃん。アンジュだったんだ  :  情景:魔王が統べる地サッド  :  サンショー:ワハハハなのだ。ずいぶん遅かったが、勇者を連れてくるとは、でかしたのだ マサージ:魔王サンショー。ようやく会えたな アンジュ:サンショー!私の弟に何をした! サンショー:何もしてないのだ。雑巾みたいに、ちょっとひねってやっただけなのだ アンジュ:ぞ、雑巾だと! サンショー:なぜだバディは壊したはずなのに マサージ:壊した!ズシオーのことかー! サンショー:こ、これがパーフェクト状態なのだ。間違いないのだ マサージ:おらは怒ったぞー!  :  情景:冒険者の地オーウ  :  アンジュ:いやあ、あの時のマサージったら、めっちゃ怒ってたもんね マサージ:おらも、自分で怒りがコントロールできなくなっちゃったんだ アンジュ:でも、これでお別れね マサージ:そうか。魔王の命令を受けた身。サッドに戻るのか アンジュ:マサージ。本当は、一つだけ。一つだけ方法があるの マサージ:どんな方法だい? アンジュ :魔王サンショーの命令を上書きする方法 マサージ :どうか教えてくれ アンジュ :それは婚姻という契約 マサージ :そっか。婚姻かー アンジュ :だ、だめですか?勇者さま マサージ :簡単なこった。じゃ、結婚すっか アンジュ :んだ 0:了

0:『とある僧侶が魔王の使いで勇者の仲間になりたがる冒険』作・ゴリアス  :  アンジュ:(モノローグ)主人より、この冒険を記録する命令を受けて、私アンジュが筆記するなり  :  情景:魔王が統べる地サッド  :  アンジュ:魔王様がお呼びだなんて怖い。弟のことじゃなきゃ良いけど サンショー:遅い、アンジュ待っていたのだ アンジュ:サンショー様、申し訳ございません。急なお呼びたてで慌てまして サンショー:急な要件なのだ アンジュ:もしかして、弟の身に何かあったんですか? サンショー:実は、そうなのだ。お前の弟、ズシオーは勇者に傷つけられて瀕死なのだ アンジュ:なんですって!サンショー様、弟は、ズシオーは大丈夫なのですか? サンショー:もちろんなのだ。魔王軍直属の医師たちに治療に当たらせている アンジュ:サンショー様が、弟を勇者から守ってくれると聞いて、こちらにきましたのに サンショー:勇者はとんでもなく油断できない相手なのだ アンジュ:勇者にとって弟のズシオーは、絶対に排除しなきゃいけない存在だとか サンショー:その通りなのだ。あらゆる伝説の中でも最も憎むべき勇者なのだ アンジュ:悪い奴なんですね サンショー:だが、やつはまだバーフェクトではないのだ アンジュ:パーフェクトとは? サンショー:奴にはどうしても手に入れないといけないものがあるのだ アンジュ:それは、一体? サンショー:それを調べていたズシオーが勇者から酷い目に合わされたのだ アンジュ:許せない!その勇者を、私の手で倒させてください サンショー:そうなのだ。アンジュ、お前を奴の元に送ろうと思っていたのだ アンジュ:でも、私は僧侶。勇者の相手などできますでしょうか サンショー:そこで、お前は奴の仲間になったふりをするのだ アンジュ:ふり? サンショー:そうなのだ。僧侶が仲間になれば無茶もする。回復して欲しい場面がくるのだ アンジュ:そうか、そこで奴を仕留める。それなら私にもできます。場所は? サンショー:冒険者の地オーウなのだ アンジュ:わかりました。どうぞご命令ください! サンショー:命令は契約なのだ。お前の魂は我のものになるのだ アンジュ:無論、承知しております サンショー:命令するのだ。サンショーの名の下にアンジュを勇者の配下に派遣するのだ アンジュ:はい。行ってまいります!冒険者の地オーウへ サンショー:ズシオーが待っているのだ。勇者を倒してサッドの地に再びくるのだ  :  情景:冒険者の地オーウ  :  アンジュ:わっあそこにいるのが勇者だ!ホントにとんでもないオーラを放ってるわね マサージ:お、女だ。どうした一人か アンジュ:何を! マサージ:冒険者の地オーウは、ケッコー危ねーから独り歩きしねーほうがいっぞ アンジュ:おのれ、勇者! マサージ:ん?どした?女 アンジュ:私は、アンジュだ!女と呼ぶな マサージ:あ、そっか。オラ、マサージ。よろしくな、アンジュ姉ちゃん アンジュ:おのれ、マサージ!じゃ、なかった。あの、その、勇者さまーん マサージ:なんだ?急に。気持ちわりーぞ、おめえ。でもなオラにはわかるぞ アンジュ:ええ?何がバレたの? マサージ:おめえ、悪い奴じゃないだろ アンジュ:あ、あああ マサージ:おら、頭はわりーけど、人を見る目だけは確かなんだ アンジュ:お前、本当にばかだろ。じゃなかった。あの、仲間にしてくださーい マサージ:仲間?いや、わりーけど、おら、決められた仲間、バディがいてよ アンジュ:決められた仲間。き、聞いてない! マサージ:へ?聞いてないも何も、今初めて会ったとこじゃねーか アンジュ:いや、それはその。こっちの話。で、バディって? マサージ:どうもよ。おらの力を最大限に出すには特定の血筋の仲間が必要なんだ アンジュ:そ、そうだったのね。じゃ、私じゃ無理なのか マサージ:いや、待て。おねーちゃん。もしかして僧侶じゃない? アンジュ:はい。私、まだまだ非力ですが、僧侶です マサージ:まだまだ非力って。お姉ちゃん、おらより年上じゃん アンジュ:もーほっといてよ マサージ:おら、サッドってゆー、魔王の総べる地に向かってんだけどさ アンジュ:ええ、知っています。この冒険者の地オーウの向こう側 マサージ:おら、剣は誰にも負けねーんだけど、魔法がいまいちでさ アンジュ:ですよね!ですよね! マサージ:特に回復魔法はめっちゃ必要なんだけど、助けてくんねーかな アンジュ:もちろんでございますとも!しめしめ マサージ:ん?今、しめしめって言った? アンジュ:いえいえ、こちらの話でございます! マサージ:あーよかった。おら、魔法下手だから道具袋頼みだからさ アンジュ:本当だ、道具袋がパンパンだわ マサージ:じゃ、よろしくな。アンジュ姉ちゃん アンジュ:はい、喜んでー  :  情景:サッドに向かって移動中である  :  アンジュ:ところで、勇者。じゃなかった、マサージさま マサージ:あんだ?マサージさまとか、やめてくれよ。マサージって呼んでくれ アンジュ:わかりました。マサージ。さっき言ってたバディってなんなんですか? マサージ:おらもよくわかんねーんだけどさ、どうもおらにはバディが必要らしい アンジュ:どんなお人なんですか? マサージ:賢者だ。この地にそれほど数はいない。おら、だから賢者を探していた アンジュ:探していた? マサージ:目星はついたんだが、いなくなってしまったんだ アンジュ:そう、なのか マサージ:でも、おらには、今アンジュがいる。心強いよ アンジュ:困ったことになったら、ぜひ私の回復魔法に期待してくださいね。ふふふ マサージ:ああ、期待してっぞ。って、危ない! アンジュ:きゃあ マサージ:大丈夫か?アイツだ。完全におめえを狙ってたぞ アンジュ:あ、あれは。魔王軍直属のガーゴイル。なぜ私を マサージ:アンジュ、下がってろ。奴らの狙いはおめえのようだ アンジュ:そんな マサージ:おらにまかせとけ。魔王軍直属だろうが、おらの剣さえ届けば アンジュ:届いてない。ガーゴイルは空飛ぶ魔族。危険よ、マサージ マサージ:おめえを狙っている以上、奴らは絶対に地上に降りてくる アンジュ:あ、意外と頭使ってるのね。じゃなかった。助けてー マサージ:いまだ!おらをなめるなよ。こう見えても最強の勇者だぜ アンジュ:つ、強い。これほどとは。サンショー様ですら、危うい マサージ:さ、とっとといこーぜ アンジュ:あ、マサージ。けが、してるわ マサージ:おう。最初の不意打ちの時にな。ちょっとミスっちまった アンジュ:ダメよ。手当しないと マサージ:こんなもんてーしたことねーよ アンジュ:なんのための僧侶ですか。なんのための回復魔法ですか マサージ:こんなかすり傷で、魔法なんか使わせられるかよ アンジュ:う、ううう  :  情景:日が暮れて野営  :  マサージ:はぁ、はぁ」 アンジュ:どうしたの?マサージ。急にここでテントをはるって言ってから様子が マサージ:はあ、はあ。どうやら、あのガーゴイル、爪に毒を持ってたらしい アンジュ:これは、猛毒。私の魔法じゃ、どうにもならない マサージ:そ、そういうことか アンジュ:ほら、言ったこっちゃない。ダメよ病院に行きましょう マサージ:む、無理だよ。今は動けない アンジュ:そんなこと言ったって、私あなたを担いで病院なんて マサージ:行かなくていいだろ? アンジュ:え?どうして? マサージ:おめえ、魔物の匂いがする。ガーゴイルを魔王直属と言い切った アンジュ:そ、それは マサージ:最初から、これが目的だったんだろ。だからガーゴイルの アンジュ:違う!そんなんじゃない。そんな卑怯な マサージ:卑怯じゃない?本当に? アンジュ:うるさい! マサージ:このままおらを殺せば、おめえにかけられた命令は解けるんじゃないか アンジュ:命令は契約よ。私の魂は、もう魔王のもの マサージ:殺せ アンジュ:ころ、せない マサージ:なぜ、おめえがおらのことを憎んでるのかはわからねえ、だが アンジュ:うるさい マサージ:おらは誰かに恨まれる覚えは一切ない。それだけは自信あるぜ アンジュ:わかった。本当のことを言う マサージ:うん? アンジュ:私は魔王サンショー様の命令でお前の仲間になろうとした マサージ:やっぱりね アンジュ:お前は私のことを悪い奴じゃないと言ったが、お前も悪い奴には思えない マサージ:それはどうも。だが、お前のその命令と契約。解く方法はないのか アンジュ:契約を解くことはできないが、上書きすることはできる マサージ:どうやって? アンジュ:途方も無い無理難題だ。絶対に叶えることはできない マサージ:だったら、今がチャンスだろ。おらを倒せばいい アンジュ:寝首をかくようなことはしない。私と勝負しろ! マサージ:勝負だと?おら、強いぜ アンジュ:わかってる。だが、私もどうしたら良いのかわからなくなってるんだ マサージ:わかった。じゃ、左手だけで勝負してやる アンジュ:なんだと! マサージ:おらが負けたら好きにしていい。だがおらが勝ったら アンジュ:勝ったら? マサージ:おらのバディになれ アンジュ:ふざけるな!お前は、弟の敵だ。絶対にゆるせない! マサージ:これだけは言っておく。おらは、アンジュの弟ズシオーと会ったことがない アンジュ:な、何を!どうして弟の名を! マサージ:お前の弟ズシオーは、賢者だろ。この地の賢者といえばズシオーだ アンジュ:と、言うことは マサージ:ズシオーはおらの定められたバディ アンジュ:つまり、マサージがズシオーと戦うはずがなかったのか マサージ:さて、誰がおらのバディを痛めつけたんだろうね アンジュ:魔王サンショー!全てはアイツの手のひらの上だったのか! マサージ:じゃ、気を取り直して、出発しようか アンジュ:あれ?マサージ。あなた、猛毒は? マサージ:だから言ったろ。こんな時のためにおらの道具袋はパンパンだって アンジュ:じゃ、私を試したの? マサージ:そうじゃない。真実を知りたかったんだ。アンジュと一緒に アンジュ:でも、勇者をパーフェクトにするバディが マサージ:それが、さ。おら気づいちゃったんだよね アンジュ:何?まだ何かあんの? マサージ:もう大人の年齢なのになぜ、アンジュが僧侶として未熟か? アンジュ:え?ええ? マサージ:それは、アンジュも賢者だったから。間違いねーな アンジュ:じゃ、もしかして マサージ:そ、おらのバディは、ズシオーの姉ちゃん。アンジュだったんだ  :  情景:魔王が統べる地サッド  :  サンショー:ワハハハなのだ。ずいぶん遅かったが、勇者を連れてくるとは、でかしたのだ マサージ:魔王サンショー。ようやく会えたな アンジュ:サンショー!私の弟に何をした! サンショー:何もしてないのだ。雑巾みたいに、ちょっとひねってやっただけなのだ アンジュ:ぞ、雑巾だと! サンショー:なぜだバディは壊したはずなのに マサージ:壊した!ズシオーのことかー! サンショー:こ、これがパーフェクト状態なのだ。間違いないのだ マサージ:おらは怒ったぞー!  :  情景:冒険者の地オーウ  :  アンジュ:いやあ、あの時のマサージったら、めっちゃ怒ってたもんね マサージ:おらも、自分で怒りがコントロールできなくなっちゃったんだ アンジュ:でも、これでお別れね マサージ:そうか。魔王の命令を受けた身。サッドに戻るのか アンジュ:マサージ。本当は、一つだけ。一つだけ方法があるの マサージ:どんな方法だい? アンジュ :魔王サンショーの命令を上書きする方法 マサージ :どうか教えてくれ アンジュ :それは婚姻という契約 マサージ :そっか。婚姻かー アンジュ :だ、だめですか?勇者さま マサージ :簡単なこった。じゃ、結婚すっか アンジュ :んだ 0:了