台本概要
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タイトル | 出会った者たちに祝福を |
---|---|
作者名 | 明桜 リア (@ria_meiou) |
ジャンル | 童話 |
演者人数 | 3人用台本(不問3) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
この世界にとある世界がない。 それは一体何で、そして、人々はどこで生活しているのか。 考えてみてほしい。 どんな世界でも、起こりえるものなのだから。 ※基本的に読む方によっては、嫌な気分になられる方もいらっしゃるかもしれませんので、ご了承いただいた上でお読みいただきますようお願いいたします。 三人台本です。 *使用について* ・使用許可は要りません。 ・配信に使っていただいても構いませんん。もし使うよーって言ってくださったら、飛んで見に行きます。 ・自作発言はお控えください。 ・改変、加工は物語を大幅に改善する事以外は大丈夫です。 何かありましたら、お聞きください! 後は、とにかく楽しんで演じてください! 655 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
N | 不問 | 15 | この世界の説明者。 |
モーント | 不問 | 36 | 月の別名です。 |
ソアレ | 不問 | 36 | 太陽の別名です。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
N:誰も想像したことがない世界。
N:絶対こんな事は起きないと思っているだろう世界。
N:そこにはね、地球がないんだ。
N:だから、太陽と月にしか人がいない。
N:不思議だよね。だって、想像できる?
N:今この本を見ている君達の住んでいる世界がないなんて。
N:でもね、この世界ではなくなってしまっているんだ。
N:しかも、ここの世界では、住めるはずのない太陽と月に人がいる。
N:本来なら熱すぎて住めるはずもない。月は息ができないからいられるはずもない。
N:でも、いつしか誰かがそこに人を住めるようにした。
0:
N:月にはね、ウサギと一緒に住んでいる人たちが一生懸命に働いている場所なんだ。
0:
N:太陽はね、鳥と人間が住んでる人たちが一生懸命に働いている場所なんだ。
0:
N:二つの世界を繋いでいるエスカレーターがあって、その中心には交流できる大きな場所がある。
N:そこで出会う二人の月の人間と太陽の人間が出会う。
N:でも月の人間と太陽の人間は、中間地点があっても中々一緒に話すことも、仲良くすることもなかった。
N:だがとある二人が、その*境目《さかいめ》を壊した。
N:この境目は、明るい世界と暗闇の世界だったことから生まれていた、小さいようで大きい境界線。
N:そんな境界線を超えて、月と太陽の人が出会って交流していくお話。
N:そんな二つの世界で生きている二人は境目を壊しても仲良くしていけるのかな?
N:一緒に覗いてみよう…。
0:
N:ー月と太陽ー
0:
モーント:はぁ、今日も大変だったなぁ…。でもウサギさんと一緒に働いていると面白いなぁ。
ソアレ:今日も鳥さんと楽しい日常を過ごしたなぁ。お仕事もお休みだったし。
モーント:畑は大きいし、大変だ。でも好きな野菜を作るためならいいかなって思う。
ソアレ:鳥さんと一緒に色んな人に喜んでくれるような料理を運ぶのが、私はとっても楽しいなぁ。
モーント:うわぁ!
ソアレ:いたぁ!
モーント:いったた。うー、お尻痛い。
ソアレ:痛いなぁ。誰ぇ、ぶつかってきたの…。
モーント:あれ?その服って…。
ソアレ:君のその服も。
モーント:もしかして太陽の人?
ソアレ:君は月の人?
モーント:そうだよね。分かりやすい様に服の形が違うもんね。
ソアレ:そうだよね。雰囲気が違う。
モーント:色も僕は黄色。
ソアレ:私はオレンジと赤。君の服は黄色だから。
モーント:うん、僕は月の人。
ソアレ:そうなんだね。月の人と初めて交流するかも。
モーント:僕も初めてだ。こんにちは、太陽の人。
ソアレ:こんにちは、月の人。
モーント:嬉しいな。こうやって出会えて。
ソアレ:私もだよ。
モーント:僕は中々こっちに来ないから。
ソアレ:私もないなぁ。仲良くしてね。
モーント:うん。僕も仲良くしてほしい。
N:その日から中間地点で、二人は会うようになった。
N:不思議と同じ時間と同じ場所でただ話すだけ。
N:たったそれだけであっても、とても嬉しそうに話していた。
ソアレ:よければね、お話ししたりもしていきたいな。
モーント:いいね。お話ししたい。
ソアレ:嬉しい。初めての月の人の友達だ。
モーント:僕も。
ソアレ:もっと皆も仲良くできたらなぁ。
モーント:仕方ないよ。本来は相対する世界だから。
ソアレ:でも話したら、こんなにも楽しいのにね。
モーント:そうだね。とっても楽しい。
ソアレ:私達みたいに、みんながなってくれたなら嬉しいなぁ。
モーント:僕も思った。そうしたら、もっと賑やかになるのにね。
ソアレ:だよね。賑やかになってほしい。
N:そうして、笑い合う二人。
N:楽しそうで、可愛い二人の姿に、周りの人たちも癒されていた。
N:そして、思った。
N:もしかしたら、月の人も太陽の人も仲良くしていけるんじゃないだろうかと。
N:大きな境目だと思っていた事も、小さな出来事であったのかもしれない。
N:二つの世界の人とたちがそう考え始めていると、ちょっとの事で仲良くしている二人に異変が起こった。
モーント:楽しいね、この時間。
ソアレ:私もだよ。
モーント:ふふふ、不思議な気分だ。
ソアレ:私もそんな気分だよ。
モーント:僕はうさぎと働いている時が一番幸せだと思っていた。
ソアレ:でも私、うさぎって、ちょっと怖いな。
モーント:なんで?
ソアレ:なんだか気性が荒そうで、私を蹴ってきそうだから。
モーント:そんなこと言ったら、鳥だって僕をつついてきて痛そうだよ。
ソアレ:太陽の鳥はそんなことしないよ。
モーント:月のうさぎだって、そんなことしないよ。
ソアレ:なんでそんなこと言うの?
モーント:そっちだって、どうしてそんなこと言うのさ。
ソアレ:もういい、知らない。
モーント:僕だって、もう会わないから。
ソアレ:私だって。
N:こうして二人は、会わなくなってしまった。二人が放った、たった一つの言葉。
N:でも、それが彼らの仲を切り裂いてしまった。
N:小さい事。
N:それは人によっては、大きなことになる。これが人の、怖いところだった。
0:
N:でもある時に、月の子も太陽の子も自分が悪いと思い始めた。だから、同じ時間に同じ場所へと行ってみた。
0:
モーント:あんなこと言ってしまったけど、もう一度仲良くなれるかな…。本当はあんなこと言うつもりじゃなかったけど、でもこれは言い訳なんだよね…。謝りたいな…。
0:
ソアレ:あの子、いるかな。私、あんなこと言っちゃったけど、ずっと仲良くしてたかったのに。酷い事を言って、傷つけちゃった。ごめんなさいって言いたい。
0:
N:二人が同じ事を思っていると、また同じ場所で会う。
0:
モーント:あ…。こんにちは。
ソアレ:えっと…こんにちは…。
モーント:来て、たんだね。
ソアレ:そっちも、来てたんだ。
モーント:言いたい事があって…。
ソアレ:私も一緒だよ。
モーント:あのね…、本当は君と仲良くしたかったんだ。でも僕の言葉のせいで、君を傷つけてしまった。本当にごめんなさい。
ソアレ:私も…。君のところのうさぎさんのことをあんな風に言うつもりはなかったの。ごめんなさい。
モーント:僕も同じだよ。
ソアレ:私も。
モーント:一緒だったね。
ソアレ:うん、一緒だ。
モーント:これからも仲良くしてほしいな。
ソアレ:私も、仲良くしてね。
0:
N:二人はこれからも中間地点で仲良く過ごすようになりました。
N:例え違う星の人間だったとしても、それでもきっと仲良くなれる事ができる。
N:彼らはその事を、私たちに教えてくれた。
N:そして二人の姿を見ていた人たちも、少しずつ交流していくようになった。
N:太陽の人、月の人。
N:いつしか中間地点だけでなく、互いの世界に行き来するようになる。
N:二人の幸せが、周りの人達にも影響をもたらした。
N:二人がもたらした幸せの連鎖。
N:負の連鎖よりも、幸せの連鎖がもっと広がっていけばいいと願う。
N:きっと、これからもずっと。
N:例え、この世界が無くなったとしても。
N:二人の想いは消えないままである事を。
0:
N:ん?私は誰かって?
N:私はこの世界を創り出したもの。
N:地球が消えたことで、その周りを回っていた世界を繋ぎ続けた者。
N:こうして、もっと世界が、幸せに包まれればいいと、私は願っている。
N:さて、これからも世界を見守っていこう。
N:大切な、私たちの子どもたちを。
0:
モーント:これからも仲良くしていこうね。
ソアレ:うん、ずっと仲良くしたい。
モーント:この世界が終わるまで。
ソアレ:この世界が終わるまで。
0:
N:どうか、この二人に幸が在らんことを。ただただ…祈ろう。
N:誰も想像したことがない世界。
N:絶対こんな事は起きないと思っているだろう世界。
N:そこにはね、地球がないんだ。
N:だから、太陽と月にしか人がいない。
N:不思議だよね。だって、想像できる?
N:今この本を見ている君達の住んでいる世界がないなんて。
N:でもね、この世界ではなくなってしまっているんだ。
N:しかも、ここの世界では、住めるはずのない太陽と月に人がいる。
N:本来なら熱すぎて住めるはずもない。月は息ができないからいられるはずもない。
N:でも、いつしか誰かがそこに人を住めるようにした。
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N:月にはね、ウサギと一緒に住んでいる人たちが一生懸命に働いている場所なんだ。
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N:太陽はね、鳥と人間が住んでる人たちが一生懸命に働いている場所なんだ。
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N:二つの世界を繋いでいるエスカレーターがあって、その中心には交流できる大きな場所がある。
N:そこで出会う二人の月の人間と太陽の人間が出会う。
N:でも月の人間と太陽の人間は、中間地点があっても中々一緒に話すことも、仲良くすることもなかった。
N:だがとある二人が、その*境目《さかいめ》を壊した。
N:この境目は、明るい世界と暗闇の世界だったことから生まれていた、小さいようで大きい境界線。
N:そんな境界線を超えて、月と太陽の人が出会って交流していくお話。
N:そんな二つの世界で生きている二人は境目を壊しても仲良くしていけるのかな?
N:一緒に覗いてみよう…。
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N:ー月と太陽ー
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モーント:はぁ、今日も大変だったなぁ…。でもウサギさんと一緒に働いていると面白いなぁ。
ソアレ:今日も鳥さんと楽しい日常を過ごしたなぁ。お仕事もお休みだったし。
モーント:畑は大きいし、大変だ。でも好きな野菜を作るためならいいかなって思う。
ソアレ:鳥さんと一緒に色んな人に喜んでくれるような料理を運ぶのが、私はとっても楽しいなぁ。
モーント:うわぁ!
ソアレ:いたぁ!
モーント:いったた。うー、お尻痛い。
ソアレ:痛いなぁ。誰ぇ、ぶつかってきたの…。
モーント:あれ?その服って…。
ソアレ:君のその服も。
モーント:もしかして太陽の人?
ソアレ:君は月の人?
モーント:そうだよね。分かりやすい様に服の形が違うもんね。
ソアレ:そうだよね。雰囲気が違う。
モーント:色も僕は黄色。
ソアレ:私はオレンジと赤。君の服は黄色だから。
モーント:うん、僕は月の人。
ソアレ:そうなんだね。月の人と初めて交流するかも。
モーント:僕も初めてだ。こんにちは、太陽の人。
ソアレ:こんにちは、月の人。
モーント:嬉しいな。こうやって出会えて。
ソアレ:私もだよ。
モーント:僕は中々こっちに来ないから。
ソアレ:私もないなぁ。仲良くしてね。
モーント:うん。僕も仲良くしてほしい。
N:その日から中間地点で、二人は会うようになった。
N:不思議と同じ時間と同じ場所でただ話すだけ。
N:たったそれだけであっても、とても嬉しそうに話していた。
ソアレ:よければね、お話ししたりもしていきたいな。
モーント:いいね。お話ししたい。
ソアレ:嬉しい。初めての月の人の友達だ。
モーント:僕も。
ソアレ:もっと皆も仲良くできたらなぁ。
モーント:仕方ないよ。本来は相対する世界だから。
ソアレ:でも話したら、こんなにも楽しいのにね。
モーント:そうだね。とっても楽しい。
ソアレ:私達みたいに、みんながなってくれたなら嬉しいなぁ。
モーント:僕も思った。そうしたら、もっと賑やかになるのにね。
ソアレ:だよね。賑やかになってほしい。
N:そうして、笑い合う二人。
N:楽しそうで、可愛い二人の姿に、周りの人たちも癒されていた。
N:そして、思った。
N:もしかしたら、月の人も太陽の人も仲良くしていけるんじゃないだろうかと。
N:大きな境目だと思っていた事も、小さな出来事であったのかもしれない。
N:二つの世界の人とたちがそう考え始めていると、ちょっとの事で仲良くしている二人に異変が起こった。
モーント:楽しいね、この時間。
ソアレ:私もだよ。
モーント:ふふふ、不思議な気分だ。
ソアレ:私もそんな気分だよ。
モーント:僕はうさぎと働いている時が一番幸せだと思っていた。
ソアレ:でも私、うさぎって、ちょっと怖いな。
モーント:なんで?
ソアレ:なんだか気性が荒そうで、私を蹴ってきそうだから。
モーント:そんなこと言ったら、鳥だって僕をつついてきて痛そうだよ。
ソアレ:太陽の鳥はそんなことしないよ。
モーント:月のうさぎだって、そんなことしないよ。
ソアレ:なんでそんなこと言うの?
モーント:そっちだって、どうしてそんなこと言うのさ。
ソアレ:もういい、知らない。
モーント:僕だって、もう会わないから。
ソアレ:私だって。
N:こうして二人は、会わなくなってしまった。二人が放った、たった一つの言葉。
N:でも、それが彼らの仲を切り裂いてしまった。
N:小さい事。
N:それは人によっては、大きなことになる。これが人の、怖いところだった。
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N:でもある時に、月の子も太陽の子も自分が悪いと思い始めた。だから、同じ時間に同じ場所へと行ってみた。
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モーント:あんなこと言ってしまったけど、もう一度仲良くなれるかな…。本当はあんなこと言うつもりじゃなかったけど、でもこれは言い訳なんだよね…。謝りたいな…。
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ソアレ:あの子、いるかな。私、あんなこと言っちゃったけど、ずっと仲良くしてたかったのに。酷い事を言って、傷つけちゃった。ごめんなさいって言いたい。
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N:二人が同じ事を思っていると、また同じ場所で会う。
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モーント:あ…。こんにちは。
ソアレ:えっと…こんにちは…。
モーント:来て、たんだね。
ソアレ:そっちも、来てたんだ。
モーント:言いたい事があって…。
ソアレ:私も一緒だよ。
モーント:あのね…、本当は君と仲良くしたかったんだ。でも僕の言葉のせいで、君を傷つけてしまった。本当にごめんなさい。
ソアレ:私も…。君のところのうさぎさんのことをあんな風に言うつもりはなかったの。ごめんなさい。
モーント:僕も同じだよ。
ソアレ:私も。
モーント:一緒だったね。
ソアレ:うん、一緒だ。
モーント:これからも仲良くしてほしいな。
ソアレ:私も、仲良くしてね。
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N:二人はこれからも中間地点で仲良く過ごすようになりました。
N:例え違う星の人間だったとしても、それでもきっと仲良くなれる事ができる。
N:彼らはその事を、私たちに教えてくれた。
N:そして二人の姿を見ていた人たちも、少しずつ交流していくようになった。
N:太陽の人、月の人。
N:いつしか中間地点だけでなく、互いの世界に行き来するようになる。
N:二人の幸せが、周りの人達にも影響をもたらした。
N:二人がもたらした幸せの連鎖。
N:負の連鎖よりも、幸せの連鎖がもっと広がっていけばいいと願う。
N:きっと、これからもずっと。
N:例え、この世界が無くなったとしても。
N:二人の想いは消えないままである事を。
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N:ん?私は誰かって?
N:私はこの世界を創り出したもの。
N:地球が消えたことで、その周りを回っていた世界を繋ぎ続けた者。
N:こうして、もっと世界が、幸せに包まれればいいと、私は願っている。
N:さて、これからも世界を見守っていこう。
N:大切な、私たちの子どもたちを。
0:
モーント:これからも仲良くしていこうね。
ソアレ:うん、ずっと仲良くしたい。
モーント:この世界が終わるまで。
ソアレ:この世界が終わるまで。
0:
N:どうか、この二人に幸が在らんことを。ただただ…祈ろう。