台本概要

 375 views 

タイトル 第六感
作者名 彰人  (@Akito__2800)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 5人用台本(男3、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 第六感、それは頭ではなく心で感じるもの、誰かを好きになることも、きっと第六感

 375 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
七瀬 121 池中七瀬(いけなか ななせ) 同じクラスの碧唯に恋をする女子高生
愛実 93 馳川愛実(はせがわ あみ) 七瀬の親友で、七瀬からは恋愛マスターと呼ばれており、よく恋愛相談に乗ってる サッカー部のマネージャーをしている
碧唯 67 鈴村碧唯(すずむら あおい) 七瀬と同じクラスで、クラス委員長を務めている 真面目だが、恋愛経験は疎く、かなり鈍感
千隼 65 今井千隼(いまい ちはや) サッカー部のキャプテン 碧唯とは、中学時代からの友達
鶴舞 48 小林鶴舞(こばやし つるま) 七瀬と両想いだと思い込んでる男子高生 だが実際は片想いである 少しチャラい
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
七瀬M:私の第六感は言います 七瀬M:私は、鈴村碧唯くんが好きなんだと 0:間 愛実:恋愛相談? 七瀬:そう! 愛実:なんで私に 七瀬:だってぇ!愛実って昔から恋愛マスターじゃん? 愛実:言われたことないんだけど⋯ 七瀬:まぁまぁそう言わずにさ! 愛実:まぁいいけど⋯で、どんな相談? 七瀬:長々と説明した方がいいか単刀直入の方がいいか 愛実:短めでお願いします 七瀬:じゃあ単刀直入に言います 愛実:はい 七瀬:私、鈴村碧唯くんが好きです 愛実:それで? 七瀬:付き合いたいです 愛実:なるほどねぇ⋯ 七瀬:はい 愛実:私にどうしろと⋯ 七瀬:私と碧唯くんを近づける機会を作ってください! 愛実:え、えっと 七瀬:どんなやり方でもいいから碧唯くんと近づけてください! 愛実:ま、まぁそこまで本気なら考えてみるかぁ 七瀬:ありがとうー! 愛実:確か鈴村くんってクラス委員長だよね? 七瀬:そう! 愛実:じゃあ仕事とか手伝ってあげたら? 七瀬:ほう! 愛実:そしたら感謝されるしめっちゃ近づけるし! 七瀬:好感度も上がるね! 鶴舞:よ!二人して何話してんだ? 愛実:こ、小林!? 七瀬:鶴舞くんじゃん、なんでいるの? 鶴舞:いや、忘れもんしたから 鶴舞:それより業後の教室で二人で何話してんだ? 愛実:小林には全く無縁の話よ 鶴舞:なんだよつれねぇなぁ 愛実:ここは今、女子のナワバリなの、男子禁制! 鶴舞:なぁ少しくらいいだろ?なぁ池中 七瀬:え、え!? 愛実:はいはい、まだ話の途中だから帰った帰った 鶴舞:んだよー、じゃあな!池中! 愛実:おい私にも挨拶せんかい!⋯行っちゃったわ 七瀬:愛実、話の続きを 愛実:あーそうだった、とにかく明日、実行してみればいいんじゃない? 七瀬:わかった!そうする! 0:間 碧唯M:僕の第六感は言います 碧唯M:この先、池中七瀬さんのことを好きになると 0:間 碧唯:よいしょっと⋯ようやく半分か⋯ 七瀬:あ、碧唯くん! 碧唯:ん?あ、池中さん、でしたっけ? 七瀬:うん! 碧唯:どうしてここに? 七瀬:あ、えっと、私、五時から補習で、それで、それまで暇だから、手伝おうかなって! 碧唯:いや、いいです、大丈夫です 七瀬:えっ⋯ 碧唯:机をつる作業なんです、力仕事を女の子にさせるわけにはいかないです 七瀬:で、でも!大変そうだし! 碧唯:⋯本当に大丈夫です? 七瀬:う、うん! 碧唯:じゃあ、お願いします 七瀬:ま、任せて! 0:間 七瀬:よいしょ、よいしょ⋯きゃーっ! 碧唯:だ、大丈夫ですか!? 七瀬:いたた⋯ご、ごめん⋯ 碧唯:怪我はないです? 七瀬:う、うん、ごめん碧唯くん⋯ 碧唯:いや、怪我してないなら大丈夫です 碧唯:後はこっちでやっときます、危ないですし 碧唯:手伝ってくれてありがとうございます 七瀬:う、うん⋯ 0:翌日 七瀬:愛実ー!どうしよう⋯ 愛実:どうしようって言われても⋯ 七瀬:絶対、足手まといって思われたよね!? 愛実:まぁ実際、足手まといになったわけだし⋯ 七瀬:もうダメだ、碧唯くんに嫌われた⋯ 愛実:ま、まぁ、他の作戦、考えてみるから⋯ 七瀬:ありがとう⋯ 愛実:とりあえず私、今日部活あるから行くね 七瀬:うん⋯ 0:間 鶴舞M:俺の第六感は言う 鶴舞M:俺は池中が好きだし池中も俺のことが好きだと 0:間 七瀬:はぁ⋯ 鶴舞:よ、池中 七瀬:あ、鶴舞くん⋯ 鶴舞:なんかあったか?元気なさそうだな 七瀬:なんでもないよ⋯ 鶴舞:なんでもないようには見えねぇけどな 七瀬:⋯ 鶴舞:あ、そうだ、これ飲むか? 七瀬:何これ 鶴舞:午後ティー、これめちゃくちゃ美味いんだよ 七瀬:私、紅茶苦手だから⋯ 鶴舞:そ、そうか⋯本当に何もないのか? 七瀬:⋯あのさ、辛いことってさ、誰かに話した方が楽になるのかな? 鶴舞:そりゃそうだろ、一人で抱えるより 七瀬:そ、そっか 鶴舞:⋯なぁ、俺で良けりゃ本当に話聞くぜ? 鶴舞:こう見えて俺、人の話は真剣に聞くからな 鶴舞:女子の悩みなら尚更だ! 七瀬:あのね、鶴舞くん、実は⋯ 鶴舞:なんだ? 七瀬:私ね、好きな人がいるの⋯ 鶴舞:お、お、おう⋯ 七瀬:でもさ、私、嫌われてるっぽいんだよね⋯ 鶴舞:そ、そんなことは無いぞ! 七瀬:え? 鶴舞:お前の好きな人はちゃんとお前が好きだ 七瀬:⋯え? 鶴舞:だから安心しろ!な! 七瀬:⋯え? 鶴舞:なんだよ、そんなことで心配してたのか 鶴舞:ちゃんとお前の恋は叶うから大丈夫だ! 七瀬:何も知らないくせに⋯無責任なこと言わないで! 鶴舞:え、あ、あぁ、わりぃ⋯ 七瀬:はぁ⋯もういいや⋯じゃ、私行くね 鶴舞:あ、あぁ 0:間 愛実M:私の第六感は言います 愛実M:私は今井くんのことが好きなんだと 0:間 愛実:あぁ⋯今日も今井くんかっこいいなぁ⋯ 愛実:サッカー部のマネージャーやって良かったぁ 千隼:よし、じゃあ一回、休憩入るぞー 愛実:お疲れ様今井くん 千隼:ありがとう 愛実:今井くんのシュート本当にすごいよねぇ 愛実:全部ゴールに吸い込まれてくもん 愛実:本当、今井くんのおかげで成り立ってるような 千隼:あのさ馳川 愛実:ん、ん?何? 千隼:少しお前と話したいんだけど、いいかな? 愛実:え、え!?あ、うん!大丈夫! 千隼:ありがとう 0:間 千隼M:俺の第六感は言います 千隼M:俺は隣のクラスの池中さんを好きになったんだと 0:間 愛実:話って⋯? 千隼:あのさ、俺、好きな子がいる 愛実:う、うん⋯ 千隼:その子さ、お前と仲良さそうでさ 愛実:あ、うん 千隼:良かったらその子に俺を紹介して欲しい 愛実:い、いいけど、誰に? 千隼:確か、池中さん、だったかな 愛実:ああ、七瀬のことか 千隼:そう、確かそんな名前だった 愛実:七瀬は無理だよ 千隼:なんでだ 愛実:七瀬にはもう好きな人がいるし 千隼:はぁ⋯馳川 愛実:何⋯ 千隼:負けず嫌いの俺が相手に好きな人がいるからってだけで諦めると思うか? 愛実:それは⋯ 千隼:答えはノーだ 愛実:そう⋯ 千隼:相手に好きな人がいるなら、こちらに振り向かせればいいんだろ? 愛実:そ、そうだね 千隼:てわけで、紹介よろしく 愛実:あ、う、うん、わかった 0:間 碧唯:今日の仕事、すっかり時間かかっちゃったな 碧唯:あれ? 七瀬:すやぁ⋯ 碧唯:池中さん、池中さん、池中さん! 七瀬:ん⋯はっ!?私、寝ちゃって⋯あ、碧唯くん!? 碧唯:こんな寒い教室で寝てたら風邪引きますよ 七瀬:あ、ご、ごめん⋯ 碧唯:もう六時です、帰らないんですか? 七瀬:あ、えっと 碧唯:僕も今から帰るところです、良かったら一緒に帰りますか? 七瀬:あ!え、是非、お願いします⋯ 碧唯:じゃあ、行きましょうか 七瀬:うん⋯ 0:間 碧唯:池中さんって、好きな人とかいたりするんです? 七瀬:え!?きゅ、急に何!? 碧唯:こういう男女二人きりの帰り道は、恋バナをするのが筋なのかと 七瀬:あ、あぁ、そういうことか 碧唯:恋バナ、嫌でした? 七瀬:いや、嫌ではないけど、でも、恥ずかしいというか 碧唯:じゃあ、話変えますね、池中さんって優しいですよね 七瀬:そうかな? 碧唯:無理してないです? 七瀬:うーん、特に無理してるとかはないけど 碧唯:ならいいんですが、僕は池中さんに無理はして欲しくないので 七瀬:うん、大丈夫だよ、無理はしてない 碧唯:まぁそれなら、あ、僕ここから電車なんで 七瀬:あ、うん、わかった 碧唯:ではまた 七瀬:うん、またね 0:翌日 愛実:七瀬、昨日何話してたのー? 七瀬:え? 愛実:鈴村くんと帰ってたでしょ 七瀬:え、見てた? 愛実:二人で校門から出てくのバッチリと抑えた 七瀬:まぁでもこれといって特に大したことは 愛実:えー、せっかくのチャンスだったのに? 愛実:ていうか話変わるんだけどさ 愛実:七瀬、サッカーとか興味あったりする? 七瀬:え、サッカー?どうして? 愛実:あ、いや 千隼:はじめまして池中さん 七瀬:えっと、誰? 千隼:サッカー部のキャプテンやってます、今井千隼です 愛実:サッカー部の今井くん 千隼:気軽に千隼って呼んでよ 七瀬:あ、ち、千隼くん 七瀬:私に何かご用かな? 千隼:二週間後の土曜日、サッカー部の大会があるんだ、良かったら見に来てよ 七瀬:え、私が? 千隼:碧唯も誘ってるんだ、良かったらどうかな 七瀬:え、え、碧唯くん?どうして? 千隼:元々、碧唯とは知り合いだからね、池中さんさ、碧唯のこと好きでしょ? 七瀬:え、え、えっと 七瀬:す、好きですけど、友達としてって意味で、別にそんな恋愛感情とかは! 千隼:ふーん、どうだかねぇ笑 千隼:ま、そんじゃそういうことにしとくよ 千隼:大会、絶対見に来てね 七瀬:か、考えときます 千隼:前向きによろしく、それじゃ 0:千隼が去っていく 愛実:ということなんだけど 七瀬:あんな急に言われても⋯ 愛実:私も行くからさ、行こ? 七瀬:愛実はマネージャーだから、観客側じゃないじゃん 愛実:まぁそれはそうだけど 愛実:でもほら、鈴村くんも誘ってるみたいですし、チャンスじゃん? 七瀬:そういえば千隼くんは、なんで私が碧唯くんのこと好きなの知ってるの? 七瀬:まさか愛実⋯ 愛実:いやいやいやいや 愛実:さすがに七瀬が鈴村くんのことを好きってこと誰にも口外してないから 七瀬:え、じゃあなんで、はじめましてなのに? 愛実:うーん、それは私にもわからん 七瀬:まぁいいや、愛実は誰にも言ってないんでしょ? 愛実:言うわけないって 七瀬:まぁ愛実がそんなことするとも思えないし、信じるよ 愛実:うん、そんで、来てくれる? 七瀬:うーん、もうちょい考える 0:場面転換 千隼:よぉ碧唯 碧唯:千隼か 千隼:高校でもクラス委員長やるとか、マジで真面目だよなお前 碧唯:誰かのためになれるってかっこいいだろ? 千隼:そうだな 千隼:それよりさ碧唯 碧唯:ん? 千隼:今度、俺の最後の大会があるんだ、見に来てくれよ 千隼:今までやってきた集大成をお前に見て欲しいんだ 碧唯:いつ? 千隼:二週間後の土曜日 碧唯:あぁ、いいよ、ちょうど空いてる日だし 千隼:サンキュ、やっぱ持つべきものは友だよな 碧唯:他に誰か誘ってるの? 千隼:あぁ、誘ってるよ、池中七瀬って女 碧唯:え?池中さん? 千隼:俺さ、たまたまこの前、聞いちゃったんだよ 碧唯:聞いた?何を? 千隼:お前、あの子に騙されてるぞ 碧唯:騙されてる? 千隼:人はちゃんと選べよー 碧唯:聞いたって何を 千隼:ま、それは大会の時に俺があの子を問い詰めるからよ 碧唯:⋯ほんとに、僕は騙されてるの? 千隼:あぁ、騙されてる 碧唯:⋯そう、だったんだ、教えてくれてありがとう 千隼:あぁ、気をつけろよ 0:場面転換 鶴舞:よ、委員長 碧唯:君は確か、同じクラスの小林くん 碧唯:何かご用でも? 鶴舞:ま、ちょっと話そうぜ 碧唯:帰って勉強しなきゃなんですけど 鶴舞:いいだろう、ちょっとだよ、ちょっとだけ 碧唯:じゃ、じゃあちょっとだけですよ 0:場面転換 碧唯:こんなとこまで来る必要ありましたか? 鶴舞:おい委員長 碧唯:はい 鶴舞:お前、池中に何を吹き込みやがった 碧唯:はい? 鶴舞:なんであいつがお前のこと好きになってんだよ! 碧唯:好き?まさかそんなわけ、だって僕はあの子に 鶴舞:俺の六感がそう言うんだよ 碧唯:六感? 碧唯:何を勝手なことベラベラと言ってるのかわかりませんが、特に用もないなら帰らせていただきます 鶴舞:待てよ⋯ 碧唯:これ以上まだ何か? 鶴舞:池中はお前なんかに渡さねぇ 碧唯:⋯そうですか 碧唯:じゃあ、僕はこれで 0:翌日 愛実:おはよ 七瀬:おはよう 鶴舞:よう池中、馳川 愛実:小林じゃん、なんか用なの? 鶴舞:あのさ池中 七瀬:ん? 鶴舞:この前、俺に恋愛相談してきただろ? 愛実:え!?七瀬、こんなやつに恋愛相談したの!? 七瀬:え、いや、恋愛相談っていうかあれは⋯ 鶴舞:俺さ、ずっと知ってたんだ 七瀬:知ってた?何を? 鶴舞:お前の好きな人ってやつ 七瀬:えっ⋯ 鶴舞:お前の好きな人って、俺だろ? 愛実:は? 七瀬:え⋯ 鶴舞:わかりやすすぎるだろお前(笑) 七瀬:え、あの、 鶴舞:でもな池中、俺もお前が好きだよ 鶴舞:付き合おうぜ 七瀬:ご、ごめん、本当に違う⋯ 鶴舞:はぁ⋯やっぱりか 愛実:何?あんた何がしたいの? 鶴舞:俺だってわかってんだよ、お前の好きな人が俺じゃないことくらい 鶴舞:でもさ、好きな気持ちって簡単に変われねぇじゃん⋯ 愛実:⋯小林、あんたも片想いしてんだね 鶴舞:え? 鶴舞:え、まさか馳川、俺に 愛実:それは断固としてない 鶴舞:なんだよそれ 碧唯:皆さん、おはようございます 愛実:おはよう 七瀬:あ、碧唯くん、おはよう 碧唯:⋯ 七瀬:え⋯ 愛実:何?なんかあったの? 七瀬:あんなあからさまに無視されること、今まで無かったんだけど⋯ 愛実:小林⋯あんたなんかしたの? 鶴舞:なんで俺になるんだよ 愛実:嫉妬心から鈴村くんに変なことしたんじゃないでしょうね? 鶴舞:そんな性格悪いことしねぇよ 愛実:それなら⋯七瀬あんた、知らないうちに鈴村くんに何かしたんじゃないの? 七瀬:え、私ほんとに何も心当たりないよ! 愛実:え、じゃあもしかして⋯ 0:場面転換 愛実:あ、あのさ今井くん 千隼:もう大会まで余裕があんまないんだ、急ぎの連絡じゃないなら後にしてくれないか、今は少しでも時間があるなら自主練したい 愛実:あ、そ、そうだよね、 千隼:長いことマネージャーやってるんだから、それくらい気を利かせてくれよ 愛実:ごめん⋯ 千隼:まぁいいよ、俺もそんなキツく言うこともなかったかもしれない、ごめん 愛実:あ、こちらこそ、気を利かせてあげられなくて 千隼:馳川さ 愛実:ん? 千隼:もし俺のこと好きならさ、大会終わったら告白してこいよ 愛実:え、え!? 千隼:なに動揺してんだよ 愛実:え、いや、ど、動揺するでしょ! 愛実:いきなりそんなこと言われたら! 千隼:お前って結構、可愛いよな 愛実:は、はぁ!? 千隼:そんじゃ、俺、自主練してくる 愛実:う、うん 0:場面転換 七瀬:あ、碧唯くん? 七瀬:わ、私、碧唯くんに何か嫌な思いさせることしてたら、ごめん⋯ 碧唯:そうやって人の心につけこむのが得意なんですね、あなたは 七瀬:え、え、いや、そ、そんなつもりは! 碧唯:どうせ僕のことも簡単な男だと思ったんでしょう 碧唯:最低ですね 七瀬:え、碧唯くん? 七瀬:わ、私、本当に碧唯くんのこと⋯ 碧唯:六感をあんま信じすぎない方がいいですよ、僕はそう学びました 碧唯:それじゃあ 七瀬:待って碧唯くん! 碧唯:⋯ 七瀬:あ、あ⋯ 鶴舞:フラれたな 七瀬:鶴舞くん⋯ 鶴舞:お前の好きな人、委員長だろ? 七瀬:っ! 七瀬:私のことが好きだからって⋯サイッテー! 鶴舞:え、待て、いや俺は何も 七瀬:鶴舞くんのことなんて大嫌い! 鶴舞:お、おい待てよ、ほんとに俺はなんもしてねぇって! 鶴舞:はぁ⋯なんなんだよマジで 0:場面転換 千隼:よう碧唯、待ってたぜ 碧唯:確かに千隼の言う通り、池中さんは僕の心につけこもうとしてきたかもしれない 千隼:やっぱりなぁ、なんかそんな気はしたんだよ 碧唯:僕、あんま恋愛とかしたことないから、そういうこと鈍感なんだよな 千隼:ほんっとに、鈍感だよな(笑) 碧唯:悪いな 千隼:明日、来てくれよな 碧唯:あぁ、もちろん 千隼:んじゃまたなー 碧唯:うん、また 0:大会当日 七瀬:ここで、いいんだよね? 愛実:七瀬ー! 七瀬:愛実! 愛実:良かったぁ、来てくれてほんっとにありがとう! 七瀬:う、うん、まぁ暇してたし 碧唯:⋯あ 七瀬:え、碧唯くん!? 碧唯:僕は千隼の最後の大会を見届けに来ただけなんで、特に関わってこないでください 七瀬:⋯ 愛実:ほんとになんかあったの? 七瀬:たぶん、鶴舞くんが⋯ 愛実:やっぱり小林が、あいつクズすぎじゃん 七瀬:どうしよう、私、本当に嫌われちゃった⋯ 愛実:誤解をとけば大丈夫だって! 七瀬:そうかな⋯ 愛実:きっとそう、あ、そろそろ練習始まるから行くね! 七瀬:あ、うん 0:場面転換 愛実:いよいよだね今井くん⋯ 千隼:あぁ、今日が俺の勝負の日だ、色々な意味でな 愛実:色々な意味で? 千隼:まぁ、全て俺の問題だよ 愛実:そっか 千隼:しっかし、早ぇなぁ、時が経つのって 千隼:気づけばもうキックオフか 愛実:頑張って 千隼:⋯おう 0:場面転換 七瀬:あ、碧唯くん、隣いいかな? 七瀬:ここしか席、空いてなくて 碧唯:まぁいいですけど、試合に集中したいんであんま話しかけてこないでくださいね 七瀬:あのさ碧唯くん 碧唯:あんま話しかけないでってさっき言ったばかりですよね 七瀬:じゃあ、聞くだけ聞いて欲しい⋯ 七瀬:碧唯くんが鶴舞くんに何を言われたか知らないけど、私、本当に碧唯くんのこと、騙そうとか少しも思ってないし、純粋に碧唯くんといるのが楽しいだけ、だから、今の碧唯くんには難しいかもしれないけど、私のこと、信じてほしい 七瀬:六感を信じてほしい 碧唯:⋯ 碧唯:やっぱり僕も、池中さんがそんなことする人だとは思いたくないです⋯ 七瀬:私は本当にそんなことしないよ? 碧唯:今の僕は、何を信じて何を疑えばいいのかわからないんです⋯ 碧唯:少し考えさせてください 七瀬:う、うん 0:試合開始のホイッスル 千隼M:池中さん、見てる? 千隼M:これが君に捧げる俺の姿 千隼M:君が俺のことを特になんとも思ってないのは知ってる 千隼M:だから俺は君に悪いことをした 千隼M:君に嫌われないと俺は諦めることができないと思ったんだ 千隼M:大切な友達を犠牲にしてまで君に嫌われないといけなかった 千隼M:だからそんな俺を最低だって嘲笑って、もう目の前に現れないでくれよ 千隼M:君を見るだけで苦しくなるから 0:試合終了のホイッスル 千隼:はは⋯ボロボロだな、試合の結果も、俺も 愛実:今井くん⋯あ、七瀬、おつー 千隼:池中さん、どうだった、俺の情けない姿 七瀬:でもすごく頑張ってたと思うよ 七瀬:結果は残念だけど、千隼くんの頑張る姿は私にはちゃんと伝わった、かな 千隼:それでも別に振り向いてくれるわけではないんだろ? 七瀬:え? 千隼:俺がどんな手を使っても、君は俺に振り向いてくれない、そうに決まってる 七瀬:うん⋯私、やっぱり碧唯くんのことしか好きになれない 千隼:はは、マジで情けねぇな、俺 碧唯:千隼⋯ 千隼:碧唯には悪いことしたな 碧唯:ダサいことすんなよ 千隼:⋯悪い 碧唯:僕の中でお前は、かっこいいやつなんだから、かっこいいやつで居て欲しかったよ 千隼:⋯もういいんだよ、元々俺には無理だったんだ 碧唯:池中さん⋯やっぱり六感は間違ってないんだって、僕はそう学びました 碧唯:僕も池中さんのことが好きです 七瀬:碧唯くん! 七瀬:うん、私も、碧唯くんが、大好き! 愛実:おめでとう、鈴村くん、七瀬 七瀬:愛実も、勝負するんでしょ 愛実:う、うん 愛実:今井くん 千隼:なんだよ⋯ 愛実:今井くん、言ってきたじゃん? 愛実:もし好きなら、今日告白しろって 愛実:だからする 愛実:私は今井くんのことが好き 千隼:馳川⋯ 千隼:でも俺は、お前の大切な友達を傷つけた最低な男だぞ? 愛実:そんなの関係ない 愛実:七瀬にとって、鈴村くんしかいないように 愛実:私にとっては、今井くんしかいない 千隼:⋯こんな俺でいいなら、よろしく頼む 愛実:⋯うん、こちらこそ、よろしくお願いします 七瀬:おめでとう愛実 愛実:うん、ありがとう 0:しばらく空けて 七瀬M:第六感、それは頭ではなく心で感じるもの、人を好きになることも、きっと第六感

七瀬M:私の第六感は言います 七瀬M:私は、鈴村碧唯くんが好きなんだと 0:間 愛実:恋愛相談? 七瀬:そう! 愛実:なんで私に 七瀬:だってぇ!愛実って昔から恋愛マスターじゃん? 愛実:言われたことないんだけど⋯ 七瀬:まぁまぁそう言わずにさ! 愛実:まぁいいけど⋯で、どんな相談? 七瀬:長々と説明した方がいいか単刀直入の方がいいか 愛実:短めでお願いします 七瀬:じゃあ単刀直入に言います 愛実:はい 七瀬:私、鈴村碧唯くんが好きです 愛実:それで? 七瀬:付き合いたいです 愛実:なるほどねぇ⋯ 七瀬:はい 愛実:私にどうしろと⋯ 七瀬:私と碧唯くんを近づける機会を作ってください! 愛実:え、えっと 七瀬:どんなやり方でもいいから碧唯くんと近づけてください! 愛実:ま、まぁそこまで本気なら考えてみるかぁ 七瀬:ありがとうー! 愛実:確か鈴村くんってクラス委員長だよね? 七瀬:そう! 愛実:じゃあ仕事とか手伝ってあげたら? 七瀬:ほう! 愛実:そしたら感謝されるしめっちゃ近づけるし! 七瀬:好感度も上がるね! 鶴舞:よ!二人して何話してんだ? 愛実:こ、小林!? 七瀬:鶴舞くんじゃん、なんでいるの? 鶴舞:いや、忘れもんしたから 鶴舞:それより業後の教室で二人で何話してんだ? 愛実:小林には全く無縁の話よ 鶴舞:なんだよつれねぇなぁ 愛実:ここは今、女子のナワバリなの、男子禁制! 鶴舞:なぁ少しくらいいだろ?なぁ池中 七瀬:え、え!? 愛実:はいはい、まだ話の途中だから帰った帰った 鶴舞:んだよー、じゃあな!池中! 愛実:おい私にも挨拶せんかい!⋯行っちゃったわ 七瀬:愛実、話の続きを 愛実:あーそうだった、とにかく明日、実行してみればいいんじゃない? 七瀬:わかった!そうする! 0:間 碧唯M:僕の第六感は言います 碧唯M:この先、池中七瀬さんのことを好きになると 0:間 碧唯:よいしょっと⋯ようやく半分か⋯ 七瀬:あ、碧唯くん! 碧唯:ん?あ、池中さん、でしたっけ? 七瀬:うん! 碧唯:どうしてここに? 七瀬:あ、えっと、私、五時から補習で、それで、それまで暇だから、手伝おうかなって! 碧唯:いや、いいです、大丈夫です 七瀬:えっ⋯ 碧唯:机をつる作業なんです、力仕事を女の子にさせるわけにはいかないです 七瀬:で、でも!大変そうだし! 碧唯:⋯本当に大丈夫です? 七瀬:う、うん! 碧唯:じゃあ、お願いします 七瀬:ま、任せて! 0:間 七瀬:よいしょ、よいしょ⋯きゃーっ! 碧唯:だ、大丈夫ですか!? 七瀬:いたた⋯ご、ごめん⋯ 碧唯:怪我はないです? 七瀬:う、うん、ごめん碧唯くん⋯ 碧唯:いや、怪我してないなら大丈夫です 碧唯:後はこっちでやっときます、危ないですし 碧唯:手伝ってくれてありがとうございます 七瀬:う、うん⋯ 0:翌日 七瀬:愛実ー!どうしよう⋯ 愛実:どうしようって言われても⋯ 七瀬:絶対、足手まといって思われたよね!? 愛実:まぁ実際、足手まといになったわけだし⋯ 七瀬:もうダメだ、碧唯くんに嫌われた⋯ 愛実:ま、まぁ、他の作戦、考えてみるから⋯ 七瀬:ありがとう⋯ 愛実:とりあえず私、今日部活あるから行くね 七瀬:うん⋯ 0:間 鶴舞M:俺の第六感は言う 鶴舞M:俺は池中が好きだし池中も俺のことが好きだと 0:間 七瀬:はぁ⋯ 鶴舞:よ、池中 七瀬:あ、鶴舞くん⋯ 鶴舞:なんかあったか?元気なさそうだな 七瀬:なんでもないよ⋯ 鶴舞:なんでもないようには見えねぇけどな 七瀬:⋯ 鶴舞:あ、そうだ、これ飲むか? 七瀬:何これ 鶴舞:午後ティー、これめちゃくちゃ美味いんだよ 七瀬:私、紅茶苦手だから⋯ 鶴舞:そ、そうか⋯本当に何もないのか? 七瀬:⋯あのさ、辛いことってさ、誰かに話した方が楽になるのかな? 鶴舞:そりゃそうだろ、一人で抱えるより 七瀬:そ、そっか 鶴舞:⋯なぁ、俺で良けりゃ本当に話聞くぜ? 鶴舞:こう見えて俺、人の話は真剣に聞くからな 鶴舞:女子の悩みなら尚更だ! 七瀬:あのね、鶴舞くん、実は⋯ 鶴舞:なんだ? 七瀬:私ね、好きな人がいるの⋯ 鶴舞:お、お、おう⋯ 七瀬:でもさ、私、嫌われてるっぽいんだよね⋯ 鶴舞:そ、そんなことは無いぞ! 七瀬:え? 鶴舞:お前の好きな人はちゃんとお前が好きだ 七瀬:⋯え? 鶴舞:だから安心しろ!な! 七瀬:⋯え? 鶴舞:なんだよ、そんなことで心配してたのか 鶴舞:ちゃんとお前の恋は叶うから大丈夫だ! 七瀬:何も知らないくせに⋯無責任なこと言わないで! 鶴舞:え、あ、あぁ、わりぃ⋯ 七瀬:はぁ⋯もういいや⋯じゃ、私行くね 鶴舞:あ、あぁ 0:間 愛実M:私の第六感は言います 愛実M:私は今井くんのことが好きなんだと 0:間 愛実:あぁ⋯今日も今井くんかっこいいなぁ⋯ 愛実:サッカー部のマネージャーやって良かったぁ 千隼:よし、じゃあ一回、休憩入るぞー 愛実:お疲れ様今井くん 千隼:ありがとう 愛実:今井くんのシュート本当にすごいよねぇ 愛実:全部ゴールに吸い込まれてくもん 愛実:本当、今井くんのおかげで成り立ってるような 千隼:あのさ馳川 愛実:ん、ん?何? 千隼:少しお前と話したいんだけど、いいかな? 愛実:え、え!?あ、うん!大丈夫! 千隼:ありがとう 0:間 千隼M:俺の第六感は言います 千隼M:俺は隣のクラスの池中さんを好きになったんだと 0:間 愛実:話って⋯? 千隼:あのさ、俺、好きな子がいる 愛実:う、うん⋯ 千隼:その子さ、お前と仲良さそうでさ 愛実:あ、うん 千隼:良かったらその子に俺を紹介して欲しい 愛実:い、いいけど、誰に? 千隼:確か、池中さん、だったかな 愛実:ああ、七瀬のことか 千隼:そう、確かそんな名前だった 愛実:七瀬は無理だよ 千隼:なんでだ 愛実:七瀬にはもう好きな人がいるし 千隼:はぁ⋯馳川 愛実:何⋯ 千隼:負けず嫌いの俺が相手に好きな人がいるからってだけで諦めると思うか? 愛実:それは⋯ 千隼:答えはノーだ 愛実:そう⋯ 千隼:相手に好きな人がいるなら、こちらに振り向かせればいいんだろ? 愛実:そ、そうだね 千隼:てわけで、紹介よろしく 愛実:あ、う、うん、わかった 0:間 碧唯:今日の仕事、すっかり時間かかっちゃったな 碧唯:あれ? 七瀬:すやぁ⋯ 碧唯:池中さん、池中さん、池中さん! 七瀬:ん⋯はっ!?私、寝ちゃって⋯あ、碧唯くん!? 碧唯:こんな寒い教室で寝てたら風邪引きますよ 七瀬:あ、ご、ごめん⋯ 碧唯:もう六時です、帰らないんですか? 七瀬:あ、えっと 碧唯:僕も今から帰るところです、良かったら一緒に帰りますか? 七瀬:あ!え、是非、お願いします⋯ 碧唯:じゃあ、行きましょうか 七瀬:うん⋯ 0:間 碧唯:池中さんって、好きな人とかいたりするんです? 七瀬:え!?きゅ、急に何!? 碧唯:こういう男女二人きりの帰り道は、恋バナをするのが筋なのかと 七瀬:あ、あぁ、そういうことか 碧唯:恋バナ、嫌でした? 七瀬:いや、嫌ではないけど、でも、恥ずかしいというか 碧唯:じゃあ、話変えますね、池中さんって優しいですよね 七瀬:そうかな? 碧唯:無理してないです? 七瀬:うーん、特に無理してるとかはないけど 碧唯:ならいいんですが、僕は池中さんに無理はして欲しくないので 七瀬:うん、大丈夫だよ、無理はしてない 碧唯:まぁそれなら、あ、僕ここから電車なんで 七瀬:あ、うん、わかった 碧唯:ではまた 七瀬:うん、またね 0:翌日 愛実:七瀬、昨日何話してたのー? 七瀬:え? 愛実:鈴村くんと帰ってたでしょ 七瀬:え、見てた? 愛実:二人で校門から出てくのバッチリと抑えた 七瀬:まぁでもこれといって特に大したことは 愛実:えー、せっかくのチャンスだったのに? 愛実:ていうか話変わるんだけどさ 愛実:七瀬、サッカーとか興味あったりする? 七瀬:え、サッカー?どうして? 愛実:あ、いや 千隼:はじめまして池中さん 七瀬:えっと、誰? 千隼:サッカー部のキャプテンやってます、今井千隼です 愛実:サッカー部の今井くん 千隼:気軽に千隼って呼んでよ 七瀬:あ、ち、千隼くん 七瀬:私に何かご用かな? 千隼:二週間後の土曜日、サッカー部の大会があるんだ、良かったら見に来てよ 七瀬:え、私が? 千隼:碧唯も誘ってるんだ、良かったらどうかな 七瀬:え、え、碧唯くん?どうして? 千隼:元々、碧唯とは知り合いだからね、池中さんさ、碧唯のこと好きでしょ? 七瀬:え、え、えっと 七瀬:す、好きですけど、友達としてって意味で、別にそんな恋愛感情とかは! 千隼:ふーん、どうだかねぇ笑 千隼:ま、そんじゃそういうことにしとくよ 千隼:大会、絶対見に来てね 七瀬:か、考えときます 千隼:前向きによろしく、それじゃ 0:千隼が去っていく 愛実:ということなんだけど 七瀬:あんな急に言われても⋯ 愛実:私も行くからさ、行こ? 七瀬:愛実はマネージャーだから、観客側じゃないじゃん 愛実:まぁそれはそうだけど 愛実:でもほら、鈴村くんも誘ってるみたいですし、チャンスじゃん? 七瀬:そういえば千隼くんは、なんで私が碧唯くんのこと好きなの知ってるの? 七瀬:まさか愛実⋯ 愛実:いやいやいやいや 愛実:さすがに七瀬が鈴村くんのことを好きってこと誰にも口外してないから 七瀬:え、じゃあなんで、はじめましてなのに? 愛実:うーん、それは私にもわからん 七瀬:まぁいいや、愛実は誰にも言ってないんでしょ? 愛実:言うわけないって 七瀬:まぁ愛実がそんなことするとも思えないし、信じるよ 愛実:うん、そんで、来てくれる? 七瀬:うーん、もうちょい考える 0:場面転換 千隼:よぉ碧唯 碧唯:千隼か 千隼:高校でもクラス委員長やるとか、マジで真面目だよなお前 碧唯:誰かのためになれるってかっこいいだろ? 千隼:そうだな 千隼:それよりさ碧唯 碧唯:ん? 千隼:今度、俺の最後の大会があるんだ、見に来てくれよ 千隼:今までやってきた集大成をお前に見て欲しいんだ 碧唯:いつ? 千隼:二週間後の土曜日 碧唯:あぁ、いいよ、ちょうど空いてる日だし 千隼:サンキュ、やっぱ持つべきものは友だよな 碧唯:他に誰か誘ってるの? 千隼:あぁ、誘ってるよ、池中七瀬って女 碧唯:え?池中さん? 千隼:俺さ、たまたまこの前、聞いちゃったんだよ 碧唯:聞いた?何を? 千隼:お前、あの子に騙されてるぞ 碧唯:騙されてる? 千隼:人はちゃんと選べよー 碧唯:聞いたって何を 千隼:ま、それは大会の時に俺があの子を問い詰めるからよ 碧唯:⋯ほんとに、僕は騙されてるの? 千隼:あぁ、騙されてる 碧唯:⋯そう、だったんだ、教えてくれてありがとう 千隼:あぁ、気をつけろよ 0:場面転換 鶴舞:よ、委員長 碧唯:君は確か、同じクラスの小林くん 碧唯:何かご用でも? 鶴舞:ま、ちょっと話そうぜ 碧唯:帰って勉強しなきゃなんですけど 鶴舞:いいだろう、ちょっとだよ、ちょっとだけ 碧唯:じゃ、じゃあちょっとだけですよ 0:場面転換 碧唯:こんなとこまで来る必要ありましたか? 鶴舞:おい委員長 碧唯:はい 鶴舞:お前、池中に何を吹き込みやがった 碧唯:はい? 鶴舞:なんであいつがお前のこと好きになってんだよ! 碧唯:好き?まさかそんなわけ、だって僕はあの子に 鶴舞:俺の六感がそう言うんだよ 碧唯:六感? 碧唯:何を勝手なことベラベラと言ってるのかわかりませんが、特に用もないなら帰らせていただきます 鶴舞:待てよ⋯ 碧唯:これ以上まだ何か? 鶴舞:池中はお前なんかに渡さねぇ 碧唯:⋯そうですか 碧唯:じゃあ、僕はこれで 0:翌日 愛実:おはよ 七瀬:おはよう 鶴舞:よう池中、馳川 愛実:小林じゃん、なんか用なの? 鶴舞:あのさ池中 七瀬:ん? 鶴舞:この前、俺に恋愛相談してきただろ? 愛実:え!?七瀬、こんなやつに恋愛相談したの!? 七瀬:え、いや、恋愛相談っていうかあれは⋯ 鶴舞:俺さ、ずっと知ってたんだ 七瀬:知ってた?何を? 鶴舞:お前の好きな人ってやつ 七瀬:えっ⋯ 鶴舞:お前の好きな人って、俺だろ? 愛実:は? 七瀬:え⋯ 鶴舞:わかりやすすぎるだろお前(笑) 七瀬:え、あの、 鶴舞:でもな池中、俺もお前が好きだよ 鶴舞:付き合おうぜ 七瀬:ご、ごめん、本当に違う⋯ 鶴舞:はぁ⋯やっぱりか 愛実:何?あんた何がしたいの? 鶴舞:俺だってわかってんだよ、お前の好きな人が俺じゃないことくらい 鶴舞:でもさ、好きな気持ちって簡単に変われねぇじゃん⋯ 愛実:⋯小林、あんたも片想いしてんだね 鶴舞:え? 鶴舞:え、まさか馳川、俺に 愛実:それは断固としてない 鶴舞:なんだよそれ 碧唯:皆さん、おはようございます 愛実:おはよう 七瀬:あ、碧唯くん、おはよう 碧唯:⋯ 七瀬:え⋯ 愛実:何?なんかあったの? 七瀬:あんなあからさまに無視されること、今まで無かったんだけど⋯ 愛実:小林⋯あんたなんかしたの? 鶴舞:なんで俺になるんだよ 愛実:嫉妬心から鈴村くんに変なことしたんじゃないでしょうね? 鶴舞:そんな性格悪いことしねぇよ 愛実:それなら⋯七瀬あんた、知らないうちに鈴村くんに何かしたんじゃないの? 七瀬:え、私ほんとに何も心当たりないよ! 愛実:え、じゃあもしかして⋯ 0:場面転換 愛実:あ、あのさ今井くん 千隼:もう大会まで余裕があんまないんだ、急ぎの連絡じゃないなら後にしてくれないか、今は少しでも時間があるなら自主練したい 愛実:あ、そ、そうだよね、 千隼:長いことマネージャーやってるんだから、それくらい気を利かせてくれよ 愛実:ごめん⋯ 千隼:まぁいいよ、俺もそんなキツく言うこともなかったかもしれない、ごめん 愛実:あ、こちらこそ、気を利かせてあげられなくて 千隼:馳川さ 愛実:ん? 千隼:もし俺のこと好きならさ、大会終わったら告白してこいよ 愛実:え、え!? 千隼:なに動揺してんだよ 愛実:え、いや、ど、動揺するでしょ! 愛実:いきなりそんなこと言われたら! 千隼:お前って結構、可愛いよな 愛実:は、はぁ!? 千隼:そんじゃ、俺、自主練してくる 愛実:う、うん 0:場面転換 七瀬:あ、碧唯くん? 七瀬:わ、私、碧唯くんに何か嫌な思いさせることしてたら、ごめん⋯ 碧唯:そうやって人の心につけこむのが得意なんですね、あなたは 七瀬:え、え、いや、そ、そんなつもりは! 碧唯:どうせ僕のことも簡単な男だと思ったんでしょう 碧唯:最低ですね 七瀬:え、碧唯くん? 七瀬:わ、私、本当に碧唯くんのこと⋯ 碧唯:六感をあんま信じすぎない方がいいですよ、僕はそう学びました 碧唯:それじゃあ 七瀬:待って碧唯くん! 碧唯:⋯ 七瀬:あ、あ⋯ 鶴舞:フラれたな 七瀬:鶴舞くん⋯ 鶴舞:お前の好きな人、委員長だろ? 七瀬:っ! 七瀬:私のことが好きだからって⋯サイッテー! 鶴舞:え、待て、いや俺は何も 七瀬:鶴舞くんのことなんて大嫌い! 鶴舞:お、おい待てよ、ほんとに俺はなんもしてねぇって! 鶴舞:はぁ⋯なんなんだよマジで 0:場面転換 千隼:よう碧唯、待ってたぜ 碧唯:確かに千隼の言う通り、池中さんは僕の心につけこもうとしてきたかもしれない 千隼:やっぱりなぁ、なんかそんな気はしたんだよ 碧唯:僕、あんま恋愛とかしたことないから、そういうこと鈍感なんだよな 千隼:ほんっとに、鈍感だよな(笑) 碧唯:悪いな 千隼:明日、来てくれよな 碧唯:あぁ、もちろん 千隼:んじゃまたなー 碧唯:うん、また 0:大会当日 七瀬:ここで、いいんだよね? 愛実:七瀬ー! 七瀬:愛実! 愛実:良かったぁ、来てくれてほんっとにありがとう! 七瀬:う、うん、まぁ暇してたし 碧唯:⋯あ 七瀬:え、碧唯くん!? 碧唯:僕は千隼の最後の大会を見届けに来ただけなんで、特に関わってこないでください 七瀬:⋯ 愛実:ほんとになんかあったの? 七瀬:たぶん、鶴舞くんが⋯ 愛実:やっぱり小林が、あいつクズすぎじゃん 七瀬:どうしよう、私、本当に嫌われちゃった⋯ 愛実:誤解をとけば大丈夫だって! 七瀬:そうかな⋯ 愛実:きっとそう、あ、そろそろ練習始まるから行くね! 七瀬:あ、うん 0:場面転換 愛実:いよいよだね今井くん⋯ 千隼:あぁ、今日が俺の勝負の日だ、色々な意味でな 愛実:色々な意味で? 千隼:まぁ、全て俺の問題だよ 愛実:そっか 千隼:しっかし、早ぇなぁ、時が経つのって 千隼:気づけばもうキックオフか 愛実:頑張って 千隼:⋯おう 0:場面転換 七瀬:あ、碧唯くん、隣いいかな? 七瀬:ここしか席、空いてなくて 碧唯:まぁいいですけど、試合に集中したいんであんま話しかけてこないでくださいね 七瀬:あのさ碧唯くん 碧唯:あんま話しかけないでってさっき言ったばかりですよね 七瀬:じゃあ、聞くだけ聞いて欲しい⋯ 七瀬:碧唯くんが鶴舞くんに何を言われたか知らないけど、私、本当に碧唯くんのこと、騙そうとか少しも思ってないし、純粋に碧唯くんといるのが楽しいだけ、だから、今の碧唯くんには難しいかもしれないけど、私のこと、信じてほしい 七瀬:六感を信じてほしい 碧唯:⋯ 碧唯:やっぱり僕も、池中さんがそんなことする人だとは思いたくないです⋯ 七瀬:私は本当にそんなことしないよ? 碧唯:今の僕は、何を信じて何を疑えばいいのかわからないんです⋯ 碧唯:少し考えさせてください 七瀬:う、うん 0:試合開始のホイッスル 千隼M:池中さん、見てる? 千隼M:これが君に捧げる俺の姿 千隼M:君が俺のことを特になんとも思ってないのは知ってる 千隼M:だから俺は君に悪いことをした 千隼M:君に嫌われないと俺は諦めることができないと思ったんだ 千隼M:大切な友達を犠牲にしてまで君に嫌われないといけなかった 千隼M:だからそんな俺を最低だって嘲笑って、もう目の前に現れないでくれよ 千隼M:君を見るだけで苦しくなるから 0:試合終了のホイッスル 千隼:はは⋯ボロボロだな、試合の結果も、俺も 愛実:今井くん⋯あ、七瀬、おつー 千隼:池中さん、どうだった、俺の情けない姿 七瀬:でもすごく頑張ってたと思うよ 七瀬:結果は残念だけど、千隼くんの頑張る姿は私にはちゃんと伝わった、かな 千隼:それでも別に振り向いてくれるわけではないんだろ? 七瀬:え? 千隼:俺がどんな手を使っても、君は俺に振り向いてくれない、そうに決まってる 七瀬:うん⋯私、やっぱり碧唯くんのことしか好きになれない 千隼:はは、マジで情けねぇな、俺 碧唯:千隼⋯ 千隼:碧唯には悪いことしたな 碧唯:ダサいことすんなよ 千隼:⋯悪い 碧唯:僕の中でお前は、かっこいいやつなんだから、かっこいいやつで居て欲しかったよ 千隼:⋯もういいんだよ、元々俺には無理だったんだ 碧唯:池中さん⋯やっぱり六感は間違ってないんだって、僕はそう学びました 碧唯:僕も池中さんのことが好きです 七瀬:碧唯くん! 七瀬:うん、私も、碧唯くんが、大好き! 愛実:おめでとう、鈴村くん、七瀬 七瀬:愛実も、勝負するんでしょ 愛実:う、うん 愛実:今井くん 千隼:なんだよ⋯ 愛実:今井くん、言ってきたじゃん? 愛実:もし好きなら、今日告白しろって 愛実:だからする 愛実:私は今井くんのことが好き 千隼:馳川⋯ 千隼:でも俺は、お前の大切な友達を傷つけた最低な男だぞ? 愛実:そんなの関係ない 愛実:七瀬にとって、鈴村くんしかいないように 愛実:私にとっては、今井くんしかいない 千隼:⋯こんな俺でいいなら、よろしく頼む 愛実:⋯うん、こちらこそ、よろしくお願いします 七瀬:おめでとう愛実 愛実:うん、ありがとう 0:しばらく空けて 七瀬M:第六感、それは頭ではなく心で感じるもの、人を好きになることも、きっと第六感