台本概要

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タイトル オタサーの姫
作者名 てんそ  (@Tenso_Voice)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男3、女2)
時間 20 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 ゲーム研究同好会活動停止の危機!
ある日の放課後、同好会で借りている教室に生徒会長が現れ…
「この同好会に、解散命令を下しに来たのだ」
俺たちの青春はどうなっちゃうワケ!?助けてオタサーの姫!


はじめましての方ははじめまして、『てんそ』と申します!初台本です!
商用だろうが非商用だろうが、連絡無しに好きに台本使って頂いて結構です!
ですが自作発言はやめてくださいお願いしますなんでもs((殴

もし声劇音声を残して頂けるのであればXのID『@Tenso_Voice』と載せて頂けると嬉しいです!
是非聴かせてくださいm(_ _)m
感想を頂けると尚喜びますヾ(*´∀`)ノ

男性が女性役を演じたり、女性が男性役を演じたりしても大丈夫です!
解釈も好きに自由に楽しく演じて頂ければ幸いです!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
キムラ 35 常成(じょうせい)高校2年3組、出席番号8番、キムラ コハル ゲーム研究同好会の紅一点、通称"姫" チヤホヤされているオタサーの姫とは違い、ゲームがとてつもなく上手く、カリスマ性のある女子高生。
ウキタ 39 常成高校2年2組、出席番号3番、ウキタ ミサキ 〇〇高校の生徒会長を務め、中々の美人。 周囲からは高嶺の花と呼ばれていて、近寄りがたい容姿をしている。しかし本人は至って普通の女の子。
ノギ 27 常成高校2年4組、出席番号16番、ノギ タケトシ ゲーム研究同好会の一員。ゲーム制作が趣味の陰キャ系男子。 ゲームに関しては遊ぶのも好き、実力は中の上程。 タケトシと呼ばれるよりノギと呼ばれる事の方が多い。
オオツダ 21 常成高校2年1組、出席番号6番、オオツダ マサヒコ ゲーム研究同好会の一員。ちょっとクールぶってていて、若干の厨二病。 1年の頃にノギと同クラスになり、校舎の裏でゲームをしていたノギと会い意気投合し仲良くなった。同好会を設立しようと行動したのもオオツダであり、意外と行動派。
ヒライ 14 常成高校2年1組、出席番号20番、ヒライ セイジ ゲーム研究同好会の一員。キャラブレが激しいゲーム、アニメオタク。 アニメやゲームの影響で語尾に「ござる」になっていたり、一人称が「某」になっている。 説明する時にはオタク特有の早口で、且つ長い。いつもオオツダやノギに止められる。 1年の時に校舎裏でオオツダと共にノギに出会い仲良くなった。 意外と周囲に気を配れる性格。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:部室として借りている教室の引き戸がガラガラと勢いよく開かれる ウキタ:失礼する ノギ:えっ、ちょ、あ、え、なん… ウキタ:ここはゲーム研究同好会の部屋で間違いないな? ノギ:い、いや、あの、その… ウキタ:間違い無いな? ノギ:はっ…はぃ…間違いありません ウキタ:ゲームオタクが集まって開いた通称オタサー、貴様はここのメンバーで間違いないな? ノギ:ぇ…ぁ…う…その… ウキタ:2年4組出席番号16番、ノギ タケトシ。大柄な体格ながら内気でクラスではいつも孤立。友人関係も少なく、*所謂《いわゆる》陰キャという奴だな。 ノギ:だ…だからなんですか… ウキタ:校舎の裏でこっそりとゲームを持ち込み遊んでいたところ2年1組のヒライ セイジとオオツダ マサヒコと邂逅、その後同好会を立ち上げ… ノギ:だぁあ!そうです全部間違いありません!いきなりなんなんですか貴方は!! ウキタ:…貴様、私のことを知らないと? ノギ:あ…いや…その… 0:オオツダがクールに登場 オオツダ:ここに何の用でしょうか、生徒会長さん ウキタ:貴様は… ノギ:マサヒコぉ!! オオツダ:ここはゲーム研究同好会として正式に借りた教室です。アナタのような人が来る場所じゃない。何故ここに? ウキタ:知れた事、この同好会に解散命令を下しに来たのだ ノギ:なっ…!! オオツダ:おかしい話だ、僕たちの同好会申請はちゃんと受理されたはずだ 0:ウキタ、喰い気味に ウキタ:副会長のシバを知っているな? オオツダ:…ちっ ノギ:シバ…シンタロウがどうかしたんですか? ウキタ:アイツは生徒会から追い出された、ヤツは貴様らの申請を秘密裏に受理し、勝手に同好会が作られた。私がいくら生徒会長と言えど、一度受理され、同好会を立ち上げられた以上簡単に潰すことは難しいが… オオツダ:同好会の後ろ盾であったシンタロウが消えたことによって、潰せる算段がついてしまったという訳だな。 ノギ:難しい話はよくわかんないよ… ウキタ:まぁそういう事だ。今日から貴様らは即座に活動を停止し… 0:キムラ、喰い気味に大きめの声で登場 キムラ:納得がいかないなぁ!! ノギ:あ、二人ともおはよう~(のんきに) ヒライ:おはようでござるノギ殿 キムラ:この時間はこんにちわだ。まぁいい。生徒会長とやら、私はちょいとばかし納得がいかないんだがね ウキタ:ほう?2年3組キムラ コハル…何が納得いかないというのかね? キムラ:まぁ私だけではない、マサヒコ、お前もそうだろう。 オオツダ:あぁ、話を聞く限りこの同好会を潰したい理由が出てきていない。 ウキタ:知れた事、貴様らのゲーム研究というのは名ばかりで、ゲームで遊んでいるだけの同好会など許されるはずが無いだろう!! キムラ:…生徒会長、貴様、私が提出している活動報告書をちゃんと読んでいるのか? ノギ:活動報告書なんて書いてるの姫 ウキタ:…姫…ッ?(わなわなしながら)んっんん(咳払い)あぁ、届けられた活動報告書は全部活動、全同好会全て目を通している。だが報告書を見る限り遊んでいるだけではないか!! キムラ:やれやれ…私の文才が無いせいで誤解を生んでしまったか、もしくは…報告書を適当に流し読んでいるかだな。 ウキタ:なんだと…? オオツダ:確かに一見するとゲームで遊んでいるだけ…しかし実情は遊んでいるだけじゃないんですよ ウキタ:遊んでいるだけでないなら何だというのだ! キムラ:そこのノギは、家でゲーム制作を行っているのだよ。 ウキタ:そんな事は百も承知だ!活動報告書に書いてあったじゃないか!だがそれだけだ。制作物関係の部活は多々あるが、部員全員が*携《たずさ》わっていることが多い。しかしゲーム制作に関与しているのはノギだけではないか! キムラ:会長、やっぱり報告書をちゃんと見てないだろう。 ウキタ:なにぃ…? キムラ:セイジ ヒライ:えぇ、ゲーム制作にはいくつもの分野があり、1つのタイトルをとっても多くの専門家がいるんですね。えぇ、そもそもの話どんなゲームを作るにせよまず物語、つまりストーリー、つまりシナリオを考える必要があります。ノギ殿だけでは話の*辻褄《つじつま》が合わなかったり矛盾してしまったりするんですねぇ。彼もプロの作家という訳ではありません。なので学校の文芸部にも協力を要請したりミーティングを重ね… キムラ:次 ヒライ:シナリオはもう大丈夫でしょうか?ではその次にできたプロットや台本が出来たらいざ制作の開始です。とはいっても我々は所詮学生で金銭的な余裕も… キムラ:そこも別にいい、私たちが関わっている所を説明してやれ。 ヒライ:我々が制作において関わっている部分としてはデバックや、ゲーム内キャラクターに*某《それがし》や姫、マサヒコ殿がアテレコをするのですね。*某《それがし》はアニメオタク故にアテレコときたらもう… キムラ:そこまでだ、もういいセイジ オオツダ:タケトシが考えてくれたキャラクターに俺たちの声を、命を吹き込んでいる。それでも制作に関与していないと言えるのか? ノギ:なんかすごいねみんな ヒライ:他人事ではございませぬぞノギ殿 ウキタ:アテレコ…つまり演技がしたいなら演劇部に入れば… キムラ:演劇部が声優の活動なんかするのかよ(冷たく) ウキタ:っ… ヒライ:たまにキャラクター過多の時はお願いしておりますぞ。1軍に入れなかった者たちは嬉々として演じてくれる*故《ゆえ》、我々も嬉しくなっちゃうんですぞ キムラ:確かに、ただゲームを楽しみ、遊んでいるだけの時もある。最近はスマホのアプリで多人数で遊べるゲームも多くなっている。私はそれも青春のひとつだと考えている。だがなぁ生徒会長、我々は生半可な覚悟でゲームをしていないんだ。 オオツダ:確かに、姫はゲームの事となるとめちゃくちゃ怖くなるんだよな ウキタ:怖い…だと?お、オタサーの姫が? ヒライ:私たちがやるゲームは大体が協力か対戦もの、RPGやシュミレーションといったソロプレイメインのコンテンツでは遊ばないんですな。何故ならそれは同好会でやるべきゲームでは無いからでござる。我々の目的は仲間と協力しあい、競り合い、仲間との絆や、ひいてはコミュニケーション能力の向上… オオツダ:セイジ、もういいよ。 ノギ:その中でも姫はダントツでゲームが上手いし小さな大会じゃちょっとした実績も持ってる。ゲームの手腕と制作、研究における真剣さ。僕たちはそのカリスマ性を*称《たた》えて、彼女を"姫"と呼んでいるんだよ キムラ:褒めすぎだぞお前ら。とまぁ、こんなものさ。それでもここの同好会を潰そうっていうのなら…出るとこ出るぞ ノギ:えっ、どこ行くの? オオツダ:そういう意味じゃない ウキタ:…っ…うっ… 0:ウキタ、泣き出す キムラ:ど、どうした? ヒライ:姫は*女子《おなご》の涙にはめっぽう弱いんですぞ キムラ:うるさい ウキタ:ずっ…ずるいよう… オオツダ:ん?ずるい? ウキタ:だって…ぇ…オタサーの姫なんて…みんなからチヤホヤされて…サークルでモテモテでぇ…脳内お花畑の人間がやるイメージじゃないぃ…! 0:ノギとオオツダ、同時に ノギ:え? オオツダ:は? ウキタ:私だってチヤホヤされたいし頑張ってるし男子にモテたいのにずるいじゃん!!なんでそんなにカッコいいわけぇ!!ねぇ!! オオツダ:最初のキャラは*何処《どこ》へやら… ノギ:もしかして、この同好会を潰そうとした理由って… ウキタ:そうだよ嫉妬だよバーカ!シバの野郎は生徒会より部活優先しちゃうし!他のみんなは彼氏バンバン作るし!みんなから高嶺の花だと堅物だといわれるし!!私だってふっつぅうううの女の子なんですよぉ!うわぁああん!! オオツダ:やってられねぇ… ノギ:ははっ、だね ヒライ:ノギ殿、昨日の続きのファイルを開いてもらってもよろしいかな? ノギ:あ、はいはい 0:キムラ、喰い気味に キムラ:ならば!! 0:一同驚愕 キムラ:ならば貴様、ウチに入れ 男性三人:は? ウキタ:え、は? キムラ:ここに入れば、残りの学生時代は花のあるものになるに違いない。 ウキタ:…ど、どういうこと? キムラ:もっとも、この男どもにモテた所で仕方ないことだが… オオツダ:そりゃないぜ姫さんよ ノギ:別に好きじゃないし キムラ:ノギ、後で*鉄蹴《テッシュウ》100*連戦《れんせん》な ノギ:なんで!? 0:キムラ、ノギを気にせず キムラ:ここには!!二次元への…門がある! 男性三人:あ~… ウキタ:なんだその…二次元への門というのは… ヒライ:二次元というのは非化学、非現実、非道徳、そしてありとあらゆる種族の美男美女と、我々が生きている三次元では考えられない全てを超越したモゴモゴモゴモゴ 0:ヒライ、オオツダに口を手で押さえられる オオツダ:黙ってようねぇ キムラ:話を聞く限りお前が求めているものは、二次元にこそ存在する! ノギ:あー、アニメもいいけど、ゲームだったら恋愛シュミレーションとかあるからねぇ キムラ:二次元の男どもはいいぞ…三次元の奴らとは人間性も性能もすべてが違う!私だけに従順、時には支配されるのも*一興《いっきょう》ではあるが…全ては我が*手中《しゅちゅう》にある事を忘れてはならない… ウキタ:い…言ってる意味が… 0:キムラ、言葉を遮り キムラ:*彼《か》の征服王、アレキサンダー三世も言っていた。「二次元にこそ*栄《は》え有り、届かぬからこそ挑むのだ」と… オオツダ:言ってない言ってない キムラ:2年2組、ウキタ ミサキよ。我が*臣下《しんか》に加わるがよい。時間は有限ではあるが、貴様に夢を見せてやる ノギ:僕たちって臣下だったの? ヒライ:姫が姫ですからな、仕方ないですな 0:ウキタ、しばらく沈黙して ウキタ:…負けた 男性三人:おぉ ウキタ:負けたよ、いや…最初から私は負けていたのかもしれない。生徒会長として恥ずかしい限りだ…活動停止は撤回しよう キムラ:そうか、なら 0:ウキタ、喰い気味に ウキタ:だが!私が貴様らの仲間になると思ったら大間違いだ キムラ:そうか、それは残念だ ウキタ:…しかし… キムラ:ん? ウキタ:もし…私に似合うキャラがいれば…呼んではくれないか…? キムラ:…ふっ ヒライ:今制作を進めている恋愛シュミレーションの主人公とかやらせたらどうでござるか? ウキタ:れれれれれ、恋愛シュミレーション!? ノギ:いきなり主人公はレベルが高すぎるんじゃないか…? ウキタ:な…なんて低俗な…くっ…わ、私はここで失礼する! キムラ:ウキタ ミサキ! ウキタ:…(何も言わなくても可) キムラ:いつでも来い 0:部屋の引き戸が閉じる。 オオツダ:やっと行ったかぁ… ヒライ:お疲れ様ですぞ姫、温かいお茶を用意致しました キムラ:おぉ、気が効くな。どうだノギ、進捗の程は ノギ:まずまずって所、でも姫と会長のやり取りでいいシナリオが思いついたよ オオツダ:アテレコは? ノギ:あるけども ヒライ:マサヒコ殿ぉ…もしやお主、アテレコにハマったでござるな? オオツダ:ちっ、違う!俺はあくまでゲームを… キムラ:はいはい、わかったわかった。それじゃあ今日も。 0:少し間を置いて キムラ:ゲームを始めよう

0:部室として借りている教室の引き戸がガラガラと勢いよく開かれる ウキタ:失礼する ノギ:えっ、ちょ、あ、え、なん… ウキタ:ここはゲーム研究同好会の部屋で間違いないな? ノギ:い、いや、あの、その… ウキタ:間違い無いな? ノギ:はっ…はぃ…間違いありません ウキタ:ゲームオタクが集まって開いた通称オタサー、貴様はここのメンバーで間違いないな? ノギ:ぇ…ぁ…う…その… ウキタ:2年4組出席番号16番、ノギ タケトシ。大柄な体格ながら内気でクラスではいつも孤立。友人関係も少なく、*所謂《いわゆる》陰キャという奴だな。 ノギ:だ…だからなんですか… ウキタ:校舎の裏でこっそりとゲームを持ち込み遊んでいたところ2年1組のヒライ セイジとオオツダ マサヒコと邂逅、その後同好会を立ち上げ… ノギ:だぁあ!そうです全部間違いありません!いきなりなんなんですか貴方は!! ウキタ:…貴様、私のことを知らないと? ノギ:あ…いや…その… 0:オオツダがクールに登場 オオツダ:ここに何の用でしょうか、生徒会長さん ウキタ:貴様は… ノギ:マサヒコぉ!! オオツダ:ここはゲーム研究同好会として正式に借りた教室です。アナタのような人が来る場所じゃない。何故ここに? ウキタ:知れた事、この同好会に解散命令を下しに来たのだ ノギ:なっ…!! オオツダ:おかしい話だ、僕たちの同好会申請はちゃんと受理されたはずだ 0:ウキタ、喰い気味に ウキタ:副会長のシバを知っているな? オオツダ:…ちっ ノギ:シバ…シンタロウがどうかしたんですか? ウキタ:アイツは生徒会から追い出された、ヤツは貴様らの申請を秘密裏に受理し、勝手に同好会が作られた。私がいくら生徒会長と言えど、一度受理され、同好会を立ち上げられた以上簡単に潰すことは難しいが… オオツダ:同好会の後ろ盾であったシンタロウが消えたことによって、潰せる算段がついてしまったという訳だな。 ノギ:難しい話はよくわかんないよ… ウキタ:まぁそういう事だ。今日から貴様らは即座に活動を停止し… 0:キムラ、喰い気味に大きめの声で登場 キムラ:納得がいかないなぁ!! ノギ:あ、二人ともおはよう~(のんきに) ヒライ:おはようでござるノギ殿 キムラ:この時間はこんにちわだ。まぁいい。生徒会長とやら、私はちょいとばかし納得がいかないんだがね ウキタ:ほう?2年3組キムラ コハル…何が納得いかないというのかね? キムラ:まぁ私だけではない、マサヒコ、お前もそうだろう。 オオツダ:あぁ、話を聞く限りこの同好会を潰したい理由が出てきていない。 ウキタ:知れた事、貴様らのゲーム研究というのは名ばかりで、ゲームで遊んでいるだけの同好会など許されるはずが無いだろう!! キムラ:…生徒会長、貴様、私が提出している活動報告書をちゃんと読んでいるのか? ノギ:活動報告書なんて書いてるの姫 ウキタ:…姫…ッ?(わなわなしながら)んっんん(咳払い)あぁ、届けられた活動報告書は全部活動、全同好会全て目を通している。だが報告書を見る限り遊んでいるだけではないか!! キムラ:やれやれ…私の文才が無いせいで誤解を生んでしまったか、もしくは…報告書を適当に流し読んでいるかだな。 ウキタ:なんだと…? オオツダ:確かに一見するとゲームで遊んでいるだけ…しかし実情は遊んでいるだけじゃないんですよ ウキタ:遊んでいるだけでないなら何だというのだ! キムラ:そこのノギは、家でゲーム制作を行っているのだよ。 ウキタ:そんな事は百も承知だ!活動報告書に書いてあったじゃないか!だがそれだけだ。制作物関係の部活は多々あるが、部員全員が*携《たずさ》わっていることが多い。しかしゲーム制作に関与しているのはノギだけではないか! キムラ:会長、やっぱり報告書をちゃんと見てないだろう。 ウキタ:なにぃ…? キムラ:セイジ ヒライ:えぇ、ゲーム制作にはいくつもの分野があり、1つのタイトルをとっても多くの専門家がいるんですね。えぇ、そもそもの話どんなゲームを作るにせよまず物語、つまりストーリー、つまりシナリオを考える必要があります。ノギ殿だけでは話の*辻褄《つじつま》が合わなかったり矛盾してしまったりするんですねぇ。彼もプロの作家という訳ではありません。なので学校の文芸部にも協力を要請したりミーティングを重ね… キムラ:次 ヒライ:シナリオはもう大丈夫でしょうか?ではその次にできたプロットや台本が出来たらいざ制作の開始です。とはいっても我々は所詮学生で金銭的な余裕も… キムラ:そこも別にいい、私たちが関わっている所を説明してやれ。 ヒライ:我々が制作において関わっている部分としてはデバックや、ゲーム内キャラクターに*某《それがし》や姫、マサヒコ殿がアテレコをするのですね。*某《それがし》はアニメオタク故にアテレコときたらもう… キムラ:そこまでだ、もういいセイジ オオツダ:タケトシが考えてくれたキャラクターに俺たちの声を、命を吹き込んでいる。それでも制作に関与していないと言えるのか? ノギ:なんかすごいねみんな ヒライ:他人事ではございませぬぞノギ殿 ウキタ:アテレコ…つまり演技がしたいなら演劇部に入れば… キムラ:演劇部が声優の活動なんかするのかよ(冷たく) ウキタ:っ… ヒライ:たまにキャラクター過多の時はお願いしておりますぞ。1軍に入れなかった者たちは嬉々として演じてくれる*故《ゆえ》、我々も嬉しくなっちゃうんですぞ キムラ:確かに、ただゲームを楽しみ、遊んでいるだけの時もある。最近はスマホのアプリで多人数で遊べるゲームも多くなっている。私はそれも青春のひとつだと考えている。だがなぁ生徒会長、我々は生半可な覚悟でゲームをしていないんだ。 オオツダ:確かに、姫はゲームの事となるとめちゃくちゃ怖くなるんだよな ウキタ:怖い…だと?お、オタサーの姫が? ヒライ:私たちがやるゲームは大体が協力か対戦もの、RPGやシュミレーションといったソロプレイメインのコンテンツでは遊ばないんですな。何故ならそれは同好会でやるべきゲームでは無いからでござる。我々の目的は仲間と協力しあい、競り合い、仲間との絆や、ひいてはコミュニケーション能力の向上… オオツダ:セイジ、もういいよ。 ノギ:その中でも姫はダントツでゲームが上手いし小さな大会じゃちょっとした実績も持ってる。ゲームの手腕と制作、研究における真剣さ。僕たちはそのカリスマ性を*称《たた》えて、彼女を"姫"と呼んでいるんだよ キムラ:褒めすぎだぞお前ら。とまぁ、こんなものさ。それでもここの同好会を潰そうっていうのなら…出るとこ出るぞ ノギ:えっ、どこ行くの? オオツダ:そういう意味じゃない ウキタ:…っ…うっ… 0:ウキタ、泣き出す キムラ:ど、どうした? ヒライ:姫は*女子《おなご》の涙にはめっぽう弱いんですぞ キムラ:うるさい ウキタ:ずっ…ずるいよう… オオツダ:ん?ずるい? ウキタ:だって…ぇ…オタサーの姫なんて…みんなからチヤホヤされて…サークルでモテモテでぇ…脳内お花畑の人間がやるイメージじゃないぃ…! 0:ノギとオオツダ、同時に ノギ:え? オオツダ:は? ウキタ:私だってチヤホヤされたいし頑張ってるし男子にモテたいのにずるいじゃん!!なんでそんなにカッコいいわけぇ!!ねぇ!! オオツダ:最初のキャラは*何処《どこ》へやら… ノギ:もしかして、この同好会を潰そうとした理由って… ウキタ:そうだよ嫉妬だよバーカ!シバの野郎は生徒会より部活優先しちゃうし!他のみんなは彼氏バンバン作るし!みんなから高嶺の花だと堅物だといわれるし!!私だってふっつぅうううの女の子なんですよぉ!うわぁああん!! オオツダ:やってられねぇ… ノギ:ははっ、だね ヒライ:ノギ殿、昨日の続きのファイルを開いてもらってもよろしいかな? ノギ:あ、はいはい 0:キムラ、喰い気味に キムラ:ならば!! 0:一同驚愕 キムラ:ならば貴様、ウチに入れ 男性三人:は? ウキタ:え、は? キムラ:ここに入れば、残りの学生時代は花のあるものになるに違いない。 ウキタ:…ど、どういうこと? キムラ:もっとも、この男どもにモテた所で仕方ないことだが… オオツダ:そりゃないぜ姫さんよ ノギ:別に好きじゃないし キムラ:ノギ、後で*鉄蹴《テッシュウ》100*連戦《れんせん》な ノギ:なんで!? 0:キムラ、ノギを気にせず キムラ:ここには!!二次元への…門がある! 男性三人:あ~… ウキタ:なんだその…二次元への門というのは… ヒライ:二次元というのは非化学、非現実、非道徳、そしてありとあらゆる種族の美男美女と、我々が生きている三次元では考えられない全てを超越したモゴモゴモゴモゴ 0:ヒライ、オオツダに口を手で押さえられる オオツダ:黙ってようねぇ キムラ:話を聞く限りお前が求めているものは、二次元にこそ存在する! ノギ:あー、アニメもいいけど、ゲームだったら恋愛シュミレーションとかあるからねぇ キムラ:二次元の男どもはいいぞ…三次元の奴らとは人間性も性能もすべてが違う!私だけに従順、時には支配されるのも*一興《いっきょう》ではあるが…全ては我が*手中《しゅちゅう》にある事を忘れてはならない… ウキタ:い…言ってる意味が… 0:キムラ、言葉を遮り キムラ:*彼《か》の征服王、アレキサンダー三世も言っていた。「二次元にこそ*栄《は》え有り、届かぬからこそ挑むのだ」と… オオツダ:言ってない言ってない キムラ:2年2組、ウキタ ミサキよ。我が*臣下《しんか》に加わるがよい。時間は有限ではあるが、貴様に夢を見せてやる ノギ:僕たちって臣下だったの? ヒライ:姫が姫ですからな、仕方ないですな 0:ウキタ、しばらく沈黙して ウキタ:…負けた 男性三人:おぉ ウキタ:負けたよ、いや…最初から私は負けていたのかもしれない。生徒会長として恥ずかしい限りだ…活動停止は撤回しよう キムラ:そうか、なら 0:ウキタ、喰い気味に ウキタ:だが!私が貴様らの仲間になると思ったら大間違いだ キムラ:そうか、それは残念だ ウキタ:…しかし… キムラ:ん? ウキタ:もし…私に似合うキャラがいれば…呼んではくれないか…? キムラ:…ふっ ヒライ:今制作を進めている恋愛シュミレーションの主人公とかやらせたらどうでござるか? ウキタ:れれれれれ、恋愛シュミレーション!? ノギ:いきなり主人公はレベルが高すぎるんじゃないか…? ウキタ:な…なんて低俗な…くっ…わ、私はここで失礼する! キムラ:ウキタ ミサキ! ウキタ:…(何も言わなくても可) キムラ:いつでも来い 0:部屋の引き戸が閉じる。 オオツダ:やっと行ったかぁ… ヒライ:お疲れ様ですぞ姫、温かいお茶を用意致しました キムラ:おぉ、気が効くな。どうだノギ、進捗の程は ノギ:まずまずって所、でも姫と会長のやり取りでいいシナリオが思いついたよ オオツダ:アテレコは? ノギ:あるけども ヒライ:マサヒコ殿ぉ…もしやお主、アテレコにハマったでござるな? オオツダ:ちっ、違う!俺はあくまでゲームを… キムラ:はいはい、わかったわかった。それじゃあ今日も。 0:少し間を置いて キムラ:ゲームを始めよう