台本概要

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タイトル ティタン事件簿「ニセガネ騒動の巻」
作者名 棒も寝てれば犬に当たる
ジャンル ミステリー
演者人数 5人用台本(男3、女1、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 私立探偵ティタンのもとに、今日も事件はやってくる。お父さんが行方不明…?探っていくと、なにやら他の事件と関わりがありそうだ。
少しアクションな短編ミステリー!

使いやすいミステリー作品を求めました。性別は気にしないで、やりたいのやってください。
「短編として使いやすそう!」と思ったアニメがございまして、それのほとんどパクリです。ごめんなさい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ティタン 不問 49 私立探偵ティタン。人当たりがよく、小さな事件でも請け負う。男想定だけど不問。
ルノワーモ 48 早く大きく稼ぎたい。金の為なら悪事でも躊躇いのない奴だが、いつも最後にうまくいかない悪党。
ダッテ 40 ルノワーモの子分。優柔不断でミスをしがち。
ギシ― 31 プレス機の技師。家族思いのお父さん。
メームス 39 ギシ―の娘。お父さん大好きな女の子。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:ティタン事件簿「ニセガネ騒動の巻」 ティタン:私立探偵ティタン。人当たりがよく、小さな事件でも請け負う。 ルノワーモ:早く大きく稼ぎたい。金の為なら悪事でも躊躇いのない奴だが、いつも最後にうまくいかない悪党。 ダッテ:ルノワーモの子分。優柔不断でミスをしがち。 ギシ―:プレス機の技師。家族思いのお父さん。 メームス:ギシ―の娘。お父さん大好きな女の子。 0: 0: 0: 0:銀行にて。銀行内で発覚した、偽金の疑惑を確認している。 銀行員(ギシ―):「ん?この硬貨は…。見つけたぞ! 銀行員(メームス):「こちらもありました! 銀行員(ギシ―):「なんて精密さだ。縁(ふち)が少し違うが、絵柄も厚さも一緒だ。拡大鏡で見なきゃ判別がつかん。 銀行員(メームス):「重さの方は…軽いです。安い金属の合金でしょうね。 銀行員(ギシ―):「これも、これもだ。まだまだ出るぞ。ええい、らちが明かん。もっと大きな入れ物を持ってこい! 銀行員(メームス):「は、はい! 銀行員(ギシ―):「…これは、過去最大の偽金事件だぞ…! 0: 0: 0:ルノワーモアジトにて。ルノワーモ、新聞を見てにやけている。 ルノワーモ:「グフフフ。連日新聞で大騒ぎだな。『偽造硬貨、国中で見つかる。精密かつ大胆』か。全くわかっとらんなあ、偽造なんかではない。最高の、芸術作品さぁ…!グワッハッハッハハ! ダッテ:「ルノさーん!もう袋がいっぱいですよー! ルノワーモ:「それなら新しい袋に詰めろ! ダッテ:「は、はいー! ルノワーモ:「今日中にあらたに1トンばらまいてやるのだ。グフフ、お金が溢れて使い物にならなくなる前に、我々で有効活用してやろうじゃないか。 ダッテ:「でも、2人でお金1トンも使えるかなあ。こないだなんて持ち歩けなかったじゃないですか。 ルノワーモ:「なら全部のスピードを上げんだよ!もっと生産スピードを上げろ!んで私がもっと豪遊してくる! ダッテ:「ええー、ぼくも連れてってくださいよぉ。 ルノワーモ:「そんならもっと早く袋に詰める! ダッテ:「はひー! 0:ルノワーモ、偽造硬貨製造のプレス機のレバーを一気に上げる。 ルノワーモ:「そぉら、もっと生産スピードを早めてやる。もっと働け! ダッテ:「はひはひはひ! ルノワーモ:「そらそらそら! ダッテ:「はひはひはひ! ルノワーモ:「そぉらそら!って、あら。ん?でなくなっちった。 ダッテ:「はひぃはひぃ、 ルノワーモ:「叩きゃ直るかね。そら!こんの!ふん! ダッテ:「はひぃ…ん、なんか焦げ臭い…? ルノワーモ:「へ?スン…言われると確かに。 ダッテ:「あ、プレス機から煙が! ルノワーモ:「なにぃ!?本当だ、いかん、消せ!水だ、水もってこい! 0:ダッテ、バケツを持って水道とプレス機を行き来する。ルノワーモ、ダッテからバケツを受け取りプレス機に水をぶっかける。 ダッテ:「水みずみずー! ルノワーモ:「消火しょうかしょうかー!くそぅ、なんだってこんなことに! ダッテ:「だって、ルノさんが叩いたりするからでしょー! ルノワーモ:「うるさーい!口より手動かせ―! ダッテ:「はひー!んもう、それはアンタもでしょ… ギシ―:「あんたら一体何をやっているんだ! ルノワーモ:「ム!貴様どうやって縄を抜けた! ダッテ:「ご飯食べにくそうだったから… ルノワーモ:「この馬鹿!誘拐した奴を放す悪党がいるか! ギシ―:「早く2人ともプレス機から離れろ、もう水をかけるな!…まったく、ここら一体が吹き飛ぶところだった。 ルノワーモ:「ふ、吹き飛ぶ? ギシ―:「急に生産速度をあげたもんだから、耐えられなくなったんだ。そんな高温なところに水をかければ、最悪、爆発が起こる。 ダッテ:「む、むう。 ギシ―:「…とりあえず大丈夫そうだ、ぎりぎりだった。 ダッテ:「ええと、その…な、直るのか? ギシ―:「偽金作りとわかった以上、もう私が手伝う事はない。 ルノワーモ:「ほう。ならば、貴様がもう外の光を浴びることはなくなるが、いいのか? ギシ―:「…。 ルノワーモ:「確か娘がいるそうだなぁ。お前の捜索願いを出されちゃかなわん。貴様を始末したのちに一家もろとも…。本当にいいんだな? ギシ―:「…わかった。この機械を直せばいいんだろ。 ルノワーモ:「よっしゃ! ダッテ:「言ってみるもんですね、殺しなんて成功したことないのにーー 0:ルノワーモ、ダッテの口を閉じさせる。 ルノワーモ:「うるさい黙ってろ! ダッテ:「ムグ… ギシ―:「ただし、こちらからも条件がある。 ルノワーモ:「む、なんだ。 ギシ―:「娘に1通手紙を書かせてくれ。貴様たちにとっても悪い話ではあるまい。既に、娘に言っていた出張期日を過ぎているんだ。これ以上帰れないなら、勝手に捜索願いが出るぞ。 ルノワーモ:「よし、いいだろう。届ける前に、こちらで内容を確認させてもらうがな。 ギシ―:「それでいい。 0: 0: 0: 0:ティタン事務所にて。ティタン、疲れた様子で帰ってくる。すぐにソファに寝転がる。 ティタン:「ああ…飼い猫探しに3日も使ってしまった。今月も厳しいか…。『偽造硬貨、国中で見つかる。』ね。こういう新聞に載るような事件は、警察のお仕事かなあ。くぁ(あくび)。 0:玄関ベルが鳴る(もしくはノック) ティタン::「!お客か。ありがたいことだが、今日は寝かせてほしかったね。 0:ベルがなり続ける。ティタン、ドアを開ける。 ティタン:「はいはい、今でますよーっと。ム。 メームス:「こんにちは。あの ティタン:「ああ、どうも。どうぞ中にお入りください。 メームス:「は、はい、失礼します。あの、依頼の話なんですが ティタン:「お急ぎのようですが、一度座って。落ち着いてお話しましょう? メームス:「は、はい。 0: 0:2人、テーブルをはさみ、向かい合ってソファに座る。ティタン、メームスの側にココアを置く。 ティタン:「ココアでも飲みながら、ね。 メームス:「あ、ありがとうございます。 ティタン:「まずはお名前を教えてください。その後に、お話しましょう。 メームス:「はい。私は、メームスと言います。1週間前、いや正確には4日前からといいますか、とにかく父の行方がわからないのです。 ティタン:「ふむ。詳しく教えてください。お父さまの名前と、その、1週間前と4日前…?というのは? メームス:「父はギシ―と言います。プレス機の技師をしていまして、家をあけて数日帰ってこない仕事も多いんです。1週間前も、『3日家をあける』といって、仕事に行ったんです。 ティタン:「ということは、本来なら4日前に家に帰ってきている、ということでしょうか。 メームス:「はい。1日か2日ずれが起きることはこれまでもあったので、最初は気にしていなかったんですが、4日もずれることは初めてでして。それに、昨日この手紙が届いたんです。 ティタン:「手紙が届いた…しかし行方不明だ、と?中を拝見してもよろしいですかな。 メームス:「ええ。 ティタン:「どうも。…送り元の住所はなしですか。中は、一見変わったところはありませんが。 メームス:「最後の一文がおかしいんです。 ティタン:「最後?『困ったときは、ミセス・クランク・クラウンを尋ねなさい。』。ミセス・クランク・クラウンとは、一体だれのことです? メームス:「わからないんです。クランク・クラウンなんて人は、近くの家にも親戚にもいません。 ティタン:「なにかの暗号か…?この場では、これ以上考えても仕方がありませんね。メームスさんのお宅にお邪魔しても? メームス:「信じてくださいますか!? ティタン:「ええ、もちろん。貴女が嘘をついているようには見えません。 メームス:「よかった…。警察に相談しても、手紙がきているうちは大丈夫だろうって、真剣に動いてもらえなくて。 ティタン:「貴女の足をみれば、どれだけ急いで遠くから来たのか、すぐにわかりましたとも。さ、ココアを飲み干したら行きますよ。 メームス:「はい! 0: 0: 0:ギシ―とメームスの家、ギシ―の作業部屋にて。 ティタン:「ここはお父さまの仕事部屋ですか。プレス機の資料と部品が沢山。 メームス:「父は、大小問わずどんなプレス機でも扱えるんです。古いものから、最新のものまで。 ティタン:「なるほど、それでこんなに。ム、それは新聞ですか? メームス:「これは、今回の仕事先の新聞広告なんです。ほら、赤い丸がついてる。 ティタン:「そちらの仕事先に連絡はしましたか? メームス:「もちろん。昨日、この仕事募集元に連絡してみました。ですが、ギシ―という男は来ていないし、広告を出した覚えもない、と言われまして…。 ティタン:「なるほど…。1つ確かになったことがあります。 メームス:「といいますと? ティタン:「これはただの誘拐事件ではない。なにか別の犯罪と絡み合っているのでしょう。新聞広告でプレス機の技師を呼び、誘拐。どこか秘密の場所で仕事をさせているんだ。それも人には言えない悪事を。 メームス:「プレス機の技師が、何か悪事を手伝うことなんてあるんですか。 ティタン:「ものづくりが関わる犯罪といえば、詐欺か偽造か。プレス機ならば、例えば硬貨の偽造なんかができますが…。偽造硬貨…?そうか! メームス:「どうしたんです!? ティタン:「新聞を貸して! メームス:「キャッ ティタン:「『偽造硬貨、国中で見つかる。精密かつ大胆』。これだけの規模で硬貨をつくっているならば、大型のプレス機は必須です。しかし見分け方は重さだとばれてしまった。 ティタン:「そこで重さを同じくする改良をしたかったのか、それとも機械の故障か。なんにしろ、この偽造硬貨騒動の犯人たちは、プレス機の技師が必要だったのです。 メームス:「そんな! ティタン:「確証は得られません。ですが偶然にしてはできすぎている。 メームス:「ど、どうすればいいんですか! ティタン:「落ち着きなさい。この偽造硬貨の工場を見つければ、お父さまもそこにいるかもしれません。工場の場所のヒントは、おそらく、このお父さまの手紙に隠されている。 メームス:「ミセス・クランク・クラウンを尋ねなさい…あ! ティタン:「なにかありますか! メームス:「クランクとクラウン、どちらもプレス機の部品です! ティタン:「でかしました!どこにあります? メームス:「ここの棚に! ティタン:「クランクとクラウン…クランク…あった! メームス:「クラウンも!…でも、これでどうしろと。 ティタン:「部品番号ですよ。クランクは109、クラウンは242。…つなげれば6桁!ちょうど、住所と同じ桁数です。 メームス:「109の242を、尋ねろ、ってことですか。 ティタン:「ええ。急いで向かいましょう。 0: 0: 0:ルノワーモアジトにて。ギシ―、プレス機のネジを締めている。 ルノワーモ:「まだ終わらんのか。もう壊れてから2日経つぞ! ギシ―:「もう少しさ。 ルノワーモ:「貴様、無駄に時間をかけて助けを待っているんじゃなかろうな! ギシ―:「そう急かすから時間がかかるんだ。っと、ちょうどいま終わったよ。な、もう少しだったろ。 ダッテ:「わぁすっごい、元通りだ。 ギシ―:「これで娘には手を出さないんだな。 ルノワーモ:「もちろん。私は義理堅い男さ。…だが、私たちの正体を知っている貴様は、生かしてはおけん。 ギシ―:「ッ!私を殺す気か。 ルノワーモ:「そうとも。貴様はもう用済みだ。生かしておく理由もない。さぁ連れていけ! ダッテ:「へい! 0:ギシ―、ダッテを押しのけ走り出す。 ギシ―:「くッ! ダッテ:「あ、こ、こら逃げるな! ルノワーモ:「なぁに安心しろ。このアジトに逃げ場はない。ゆっくり追い詰めてやろうじゃないか。 0: 0: 0:コール市、馬車乗り場にて。雨が降っている。 ティタン:「109の242。コール市エスオ町ですか。 メームス:「新聞広告に載っていた場所とはだいぶ離れていますね。 ティタン:「…ふむ。 メームス:「なにを探しているんです?そんなに身体出したら濡れますよ。 ティタン:「背の高い建物はないかと思いましてね。ここまでの推理が正しければ、お父さま自身が、監禁場所をコール市のエスオ町だと気づいたということです。 ティタン:「ならば、高所から景色をみて、自分の居場所に気づいたのではないかと。 メームス:「そんなに高い建物はなさそうですね。 ティタン:「いったいどうやって……… ティタン:「!メームスさん、お父さまは以前、この町に仕事で来られたりしませんでしたか! メームス:「い、いつだったか、あったと思います。ええっと、半年くらい前に ティタン:「それはどこの工場ですか! メームス:「この町には1つしかないはずです! ティタン:「それです!御者さん、この町の工場にお願いします!急いで! 0:馬車が動き出す。 メームス:「ど、どういうことですか。 ティタン:「お父さまは、景色でコール市だと気づいたのではありません。自分が手掛けた機械の音で、耳を頼りに、今いる場所がコール市の工場近くだと気付いたのですよ。 0: 0: 0:ルノワーモアジトにて。ギシ―、追い詰められる。 ギシ―:「ハァ、ハァ…… ルノワーモ:「よく逃げるウサちゃんだこと。だがおあいにく様、ちょうどこの部屋が始末部屋さ。」 ダッテ:「のわりに綺麗なのは、殺しなんて成功したことないから ルノワーモ:「お前は黙らっしゃい! ダッテ:「はひぃ…。 ギシ―:「…。いいのか?ここで私を殺して。 ルノワーモ:「なんだ命乞いか? 0:ギシ―、ぽっけからネジをとり出す。 ギシ―:「いいや。そういえば、このネジ1つ締め忘れていたと思ってね。 ルノワーモ:「そんなハッタリきくわけないだろ。ガッハッハッハハ。 ギシ―:「いいんだな?今度こそ、爆発が起きるぞ。 ダッテ:「ば、爆発ぅ…! ルノワーモ:「ええい、ハッタリだっつってんの!もう時間稼ぎはおしまいだ。ダッテ。 0:ダッテ、ルノワーモに斧を手渡す。 ダッテ:「へ、へい! ルノワーモ:「斧で斬っちゃえば一発よ。 ギシ―:「…! 0:ギシ―、窓をあけ、身を乗り出す。 ギシ―:「ッ…くそ…。 ルノワーモ:「飛び降りたって無駄さ。ここは3階、死なないにしてもただじゃすまんぞ。動けないところにズバッとね。 ギシ―:「フッ!グ…ッ ダッテ:「あ!屋根に上ってく! ルノワーモ:「足から斬るだけさ。サ、お命チョーダイッ! ティタン:「させるか! 0:ティタン、ピストルでルノワーモの持つ斧を狙う。 ルノワーモ:「ヌオ!?なになに!? ダッテ:「ピストルですよ!しゃがんで! ティタン:「そこを動くんじゃないぞ! メームス:「窓から顔出したら撃っちゃうからね! ギシ―:「メームス…!た、たすか… 0:ギシ―、濡れた屋根で足を滑らせる。 ギシ―:「うわぁ! メームス:「おっこっちゃう! 0:ギシ―、屋根につかまる。 ギシ―:「ぐッ… ティタン:「そのままで!メームスさん、貴女はここで窓を見張っていなさい! メームス:「はい! 0:ティタン、建物に入っていく。 ダッテ:「ど、どうします? ルノワーモ:「こうなったら仕方ない。できてる分の偽金持って逃げるぞ。 ダッテ:「でもだって、動くなって言われましたよ。 ルノワーモ:「正直に言う事聞く悪党がいるか!さっさといくぞ! ダッテ:「はいぃ~! 0: 0: ティタン:「八ッ八ッ八ッ(階段駆け上がる) ダッテ:「ひぃ、ピストル持ってこないで! ティタン:「どきなさい!あんたらに構っていられるか! ダッテ:「あ、あれ… ルノワーモ:「い、今のうちだ。偽金もって逃げるぞ! 0: 0:ティタン、窓にぶら下がっているギシ―を助ける。 ティタン:「さぁゆっくり!大丈夫です、もう手を放して。 ギシ―:「はぁ、はぁ、…助かりました。 ティタン:「間に合ってよかったです。さぁ奴らをとっ捕まえましょう!あなたは一旦外へ。私は彼らを追います! ギシ―:「ッ!そうだった。ここにいてはいけない、早く逃げますよ! ティタン:「へ? 0: 0: 0:ルノワーモ、ダッテ、硬貨の入った袋を大量に運び出している。 ルノワーモ:「ほらほら、さっさと運び出せ! ダッテ:「はひはひ、わかってますよ。ほんっと人使い荒いんだからもぅ… ルノワーモ:「無駄口叩かないで手動かす! ダッテ:「あんたでしょそりゃ…って、あら。あらら、あららら… ルノワーモ:「ドワップ、こら!急に立ち止まるんじゃない、後ろがつっかえるだろ! ダッテ:「いやでもだって ルノワーモ:「でももだってもない!って、あらぁ… ダッテ:「プレス機が、赤く、おっきく… ルノワーモ:「に、逃げろォーーッ! 0: 0:外。メームスとギシ―、抱き合っている。 メームス:「パパ…よかった。パパ、パパ…。 ギシ―:「メームス…。ありがとうな、来てくれて。 ティタン:「…。 ギシ―:「ティタンさん。貴方にも。本当に、感謝してもしきれません。よく気が付きましたね、あんな暗号に。 ティタン:「それが仕事のようなものですから。 メームス:「ティタンさんすごいのよ。なんでもひらめいちゃうんだから。 ティタン:「メームスさんがいなければ、ここまでたどり着けませんでしたとも。 ティタン:「さ、ここは消防に任せて、警察に向かいましょう。事情は私からも話します。 ギシ―:「ええ。本当に、ありがとうございます。 0: 0: 0: 0: 0:がれきの中から、2人が顔を出す。 ルノワーモ「ぷはぁ! ダッテ:「ゲホ!ゲホ! ルノワーモ:「はぁ、はぁ、死ぬかと思ったぁ。 ダッテ:「人ころそうとするからバチ当たったんですよ。 ルノワーモ:「天罰が怖くて悪党やってられっかい。くっそう、折角のお金も吹っ飛んじまった。また別の稼ぎ考えないとなあ…。 ダッテ:「今度は爆発しないのでお願いしますよ。 ルノワーモ:「わかってる。私もこりごりさ。ケホ。

0:ティタン事件簿「ニセガネ騒動の巻」 ティタン:私立探偵ティタン。人当たりがよく、小さな事件でも請け負う。 ルノワーモ:早く大きく稼ぎたい。金の為なら悪事でも躊躇いのない奴だが、いつも最後にうまくいかない悪党。 ダッテ:ルノワーモの子分。優柔不断でミスをしがち。 ギシ―:プレス機の技師。家族思いのお父さん。 メームス:ギシ―の娘。お父さん大好きな女の子。 0: 0: 0: 0:銀行にて。銀行内で発覚した、偽金の疑惑を確認している。 銀行員(ギシ―):「ん?この硬貨は…。見つけたぞ! 銀行員(メームス):「こちらもありました! 銀行員(ギシ―):「なんて精密さだ。縁(ふち)が少し違うが、絵柄も厚さも一緒だ。拡大鏡で見なきゃ判別がつかん。 銀行員(メームス):「重さの方は…軽いです。安い金属の合金でしょうね。 銀行員(ギシ―):「これも、これもだ。まだまだ出るぞ。ええい、らちが明かん。もっと大きな入れ物を持ってこい! 銀行員(メームス):「は、はい! 銀行員(ギシ―):「…これは、過去最大の偽金事件だぞ…! 0: 0: 0:ルノワーモアジトにて。ルノワーモ、新聞を見てにやけている。 ルノワーモ:「グフフフ。連日新聞で大騒ぎだな。『偽造硬貨、国中で見つかる。精密かつ大胆』か。全くわかっとらんなあ、偽造なんかではない。最高の、芸術作品さぁ…!グワッハッハッハハ! ダッテ:「ルノさーん!もう袋がいっぱいですよー! ルノワーモ:「それなら新しい袋に詰めろ! ダッテ:「は、はいー! ルノワーモ:「今日中にあらたに1トンばらまいてやるのだ。グフフ、お金が溢れて使い物にならなくなる前に、我々で有効活用してやろうじゃないか。 ダッテ:「でも、2人でお金1トンも使えるかなあ。こないだなんて持ち歩けなかったじゃないですか。 ルノワーモ:「なら全部のスピードを上げんだよ!もっと生産スピードを上げろ!んで私がもっと豪遊してくる! ダッテ:「ええー、ぼくも連れてってくださいよぉ。 ルノワーモ:「そんならもっと早く袋に詰める! ダッテ:「はひー! 0:ルノワーモ、偽造硬貨製造のプレス機のレバーを一気に上げる。 ルノワーモ:「そぉら、もっと生産スピードを早めてやる。もっと働け! ダッテ:「はひはひはひ! ルノワーモ:「そらそらそら! ダッテ:「はひはひはひ! ルノワーモ:「そぉらそら!って、あら。ん?でなくなっちった。 ダッテ:「はひぃはひぃ、 ルノワーモ:「叩きゃ直るかね。そら!こんの!ふん! ダッテ:「はひぃ…ん、なんか焦げ臭い…? ルノワーモ:「へ?スン…言われると確かに。 ダッテ:「あ、プレス機から煙が! ルノワーモ:「なにぃ!?本当だ、いかん、消せ!水だ、水もってこい! 0:ダッテ、バケツを持って水道とプレス機を行き来する。ルノワーモ、ダッテからバケツを受け取りプレス機に水をぶっかける。 ダッテ:「水みずみずー! ルノワーモ:「消火しょうかしょうかー!くそぅ、なんだってこんなことに! ダッテ:「だって、ルノさんが叩いたりするからでしょー! ルノワーモ:「うるさーい!口より手動かせ―! ダッテ:「はひー!んもう、それはアンタもでしょ… ギシ―:「あんたら一体何をやっているんだ! ルノワーモ:「ム!貴様どうやって縄を抜けた! ダッテ:「ご飯食べにくそうだったから… ルノワーモ:「この馬鹿!誘拐した奴を放す悪党がいるか! ギシ―:「早く2人ともプレス機から離れろ、もう水をかけるな!…まったく、ここら一体が吹き飛ぶところだった。 ルノワーモ:「ふ、吹き飛ぶ? ギシ―:「急に生産速度をあげたもんだから、耐えられなくなったんだ。そんな高温なところに水をかければ、最悪、爆発が起こる。 ダッテ:「む、むう。 ギシ―:「…とりあえず大丈夫そうだ、ぎりぎりだった。 ダッテ:「ええと、その…な、直るのか? ギシ―:「偽金作りとわかった以上、もう私が手伝う事はない。 ルノワーモ:「ほう。ならば、貴様がもう外の光を浴びることはなくなるが、いいのか? ギシ―:「…。 ルノワーモ:「確か娘がいるそうだなぁ。お前の捜索願いを出されちゃかなわん。貴様を始末したのちに一家もろとも…。本当にいいんだな? ギシ―:「…わかった。この機械を直せばいいんだろ。 ルノワーモ:「よっしゃ! ダッテ:「言ってみるもんですね、殺しなんて成功したことないのにーー 0:ルノワーモ、ダッテの口を閉じさせる。 ルノワーモ:「うるさい黙ってろ! ダッテ:「ムグ… ギシ―:「ただし、こちらからも条件がある。 ルノワーモ:「む、なんだ。 ギシ―:「娘に1通手紙を書かせてくれ。貴様たちにとっても悪い話ではあるまい。既に、娘に言っていた出張期日を過ぎているんだ。これ以上帰れないなら、勝手に捜索願いが出るぞ。 ルノワーモ:「よし、いいだろう。届ける前に、こちらで内容を確認させてもらうがな。 ギシ―:「それでいい。 0: 0: 0: 0:ティタン事務所にて。ティタン、疲れた様子で帰ってくる。すぐにソファに寝転がる。 ティタン:「ああ…飼い猫探しに3日も使ってしまった。今月も厳しいか…。『偽造硬貨、国中で見つかる。』ね。こういう新聞に載るような事件は、警察のお仕事かなあ。くぁ(あくび)。 0:玄関ベルが鳴る(もしくはノック) ティタン::「!お客か。ありがたいことだが、今日は寝かせてほしかったね。 0:ベルがなり続ける。ティタン、ドアを開ける。 ティタン:「はいはい、今でますよーっと。ム。 メームス:「こんにちは。あの ティタン:「ああ、どうも。どうぞ中にお入りください。 メームス:「は、はい、失礼します。あの、依頼の話なんですが ティタン:「お急ぎのようですが、一度座って。落ち着いてお話しましょう? メームス:「は、はい。 0: 0:2人、テーブルをはさみ、向かい合ってソファに座る。ティタン、メームスの側にココアを置く。 ティタン:「ココアでも飲みながら、ね。 メームス:「あ、ありがとうございます。 ティタン:「まずはお名前を教えてください。その後に、お話しましょう。 メームス:「はい。私は、メームスと言います。1週間前、いや正確には4日前からといいますか、とにかく父の行方がわからないのです。 ティタン:「ふむ。詳しく教えてください。お父さまの名前と、その、1週間前と4日前…?というのは? メームス:「父はギシ―と言います。プレス機の技師をしていまして、家をあけて数日帰ってこない仕事も多いんです。1週間前も、『3日家をあける』といって、仕事に行ったんです。 ティタン:「ということは、本来なら4日前に家に帰ってきている、ということでしょうか。 メームス:「はい。1日か2日ずれが起きることはこれまでもあったので、最初は気にしていなかったんですが、4日もずれることは初めてでして。それに、昨日この手紙が届いたんです。 ティタン:「手紙が届いた…しかし行方不明だ、と?中を拝見してもよろしいですかな。 メームス:「ええ。 ティタン:「どうも。…送り元の住所はなしですか。中は、一見変わったところはありませんが。 メームス:「最後の一文がおかしいんです。 ティタン:「最後?『困ったときは、ミセス・クランク・クラウンを尋ねなさい。』。ミセス・クランク・クラウンとは、一体だれのことです? メームス:「わからないんです。クランク・クラウンなんて人は、近くの家にも親戚にもいません。 ティタン:「なにかの暗号か…?この場では、これ以上考えても仕方がありませんね。メームスさんのお宅にお邪魔しても? メームス:「信じてくださいますか!? ティタン:「ええ、もちろん。貴女が嘘をついているようには見えません。 メームス:「よかった…。警察に相談しても、手紙がきているうちは大丈夫だろうって、真剣に動いてもらえなくて。 ティタン:「貴女の足をみれば、どれだけ急いで遠くから来たのか、すぐにわかりましたとも。さ、ココアを飲み干したら行きますよ。 メームス:「はい! 0: 0: 0:ギシ―とメームスの家、ギシ―の作業部屋にて。 ティタン:「ここはお父さまの仕事部屋ですか。プレス機の資料と部品が沢山。 メームス:「父は、大小問わずどんなプレス機でも扱えるんです。古いものから、最新のものまで。 ティタン:「なるほど、それでこんなに。ム、それは新聞ですか? メームス:「これは、今回の仕事先の新聞広告なんです。ほら、赤い丸がついてる。 ティタン:「そちらの仕事先に連絡はしましたか? メームス:「もちろん。昨日、この仕事募集元に連絡してみました。ですが、ギシ―という男は来ていないし、広告を出した覚えもない、と言われまして…。 ティタン:「なるほど…。1つ確かになったことがあります。 メームス:「といいますと? ティタン:「これはただの誘拐事件ではない。なにか別の犯罪と絡み合っているのでしょう。新聞広告でプレス機の技師を呼び、誘拐。どこか秘密の場所で仕事をさせているんだ。それも人には言えない悪事を。 メームス:「プレス機の技師が、何か悪事を手伝うことなんてあるんですか。 ティタン:「ものづくりが関わる犯罪といえば、詐欺か偽造か。プレス機ならば、例えば硬貨の偽造なんかができますが…。偽造硬貨…?そうか! メームス:「どうしたんです!? ティタン:「新聞を貸して! メームス:「キャッ ティタン:「『偽造硬貨、国中で見つかる。精密かつ大胆』。これだけの規模で硬貨をつくっているならば、大型のプレス機は必須です。しかし見分け方は重さだとばれてしまった。 ティタン:「そこで重さを同じくする改良をしたかったのか、それとも機械の故障か。なんにしろ、この偽造硬貨騒動の犯人たちは、プレス機の技師が必要だったのです。 メームス:「そんな! ティタン:「確証は得られません。ですが偶然にしてはできすぎている。 メームス:「ど、どうすればいいんですか! ティタン:「落ち着きなさい。この偽造硬貨の工場を見つければ、お父さまもそこにいるかもしれません。工場の場所のヒントは、おそらく、このお父さまの手紙に隠されている。 メームス:「ミセス・クランク・クラウンを尋ねなさい…あ! ティタン:「なにかありますか! メームス:「クランクとクラウン、どちらもプレス機の部品です! ティタン:「でかしました!どこにあります? メームス:「ここの棚に! ティタン:「クランクとクラウン…クランク…あった! メームス:「クラウンも!…でも、これでどうしろと。 ティタン:「部品番号ですよ。クランクは109、クラウンは242。…つなげれば6桁!ちょうど、住所と同じ桁数です。 メームス:「109の242を、尋ねろ、ってことですか。 ティタン:「ええ。急いで向かいましょう。 0: 0: 0:ルノワーモアジトにて。ギシ―、プレス機のネジを締めている。 ルノワーモ:「まだ終わらんのか。もう壊れてから2日経つぞ! ギシ―:「もう少しさ。 ルノワーモ:「貴様、無駄に時間をかけて助けを待っているんじゃなかろうな! ギシ―:「そう急かすから時間がかかるんだ。っと、ちょうどいま終わったよ。な、もう少しだったろ。 ダッテ:「わぁすっごい、元通りだ。 ギシ―:「これで娘には手を出さないんだな。 ルノワーモ:「もちろん。私は義理堅い男さ。…だが、私たちの正体を知っている貴様は、生かしてはおけん。 ギシ―:「ッ!私を殺す気か。 ルノワーモ:「そうとも。貴様はもう用済みだ。生かしておく理由もない。さぁ連れていけ! ダッテ:「へい! 0:ギシ―、ダッテを押しのけ走り出す。 ギシ―:「くッ! ダッテ:「あ、こ、こら逃げるな! ルノワーモ:「なぁに安心しろ。このアジトに逃げ場はない。ゆっくり追い詰めてやろうじゃないか。 0: 0: 0:コール市、馬車乗り場にて。雨が降っている。 ティタン:「109の242。コール市エスオ町ですか。 メームス:「新聞広告に載っていた場所とはだいぶ離れていますね。 ティタン:「…ふむ。 メームス:「なにを探しているんです?そんなに身体出したら濡れますよ。 ティタン:「背の高い建物はないかと思いましてね。ここまでの推理が正しければ、お父さま自身が、監禁場所をコール市のエスオ町だと気づいたということです。 ティタン:「ならば、高所から景色をみて、自分の居場所に気づいたのではないかと。 メームス:「そんなに高い建物はなさそうですね。 ティタン:「いったいどうやって……… ティタン:「!メームスさん、お父さまは以前、この町に仕事で来られたりしませんでしたか! メームス:「い、いつだったか、あったと思います。ええっと、半年くらい前に ティタン:「それはどこの工場ですか! メームス:「この町には1つしかないはずです! ティタン:「それです!御者さん、この町の工場にお願いします!急いで! 0:馬車が動き出す。 メームス:「ど、どういうことですか。 ティタン:「お父さまは、景色でコール市だと気づいたのではありません。自分が手掛けた機械の音で、耳を頼りに、今いる場所がコール市の工場近くだと気付いたのですよ。 0: 0: 0:ルノワーモアジトにて。ギシ―、追い詰められる。 ギシ―:「ハァ、ハァ…… ルノワーモ:「よく逃げるウサちゃんだこと。だがおあいにく様、ちょうどこの部屋が始末部屋さ。」 ダッテ:「のわりに綺麗なのは、殺しなんて成功したことないから ルノワーモ:「お前は黙らっしゃい! ダッテ:「はひぃ…。 ギシ―:「…。いいのか?ここで私を殺して。 ルノワーモ:「なんだ命乞いか? 0:ギシ―、ぽっけからネジをとり出す。 ギシ―:「いいや。そういえば、このネジ1つ締め忘れていたと思ってね。 ルノワーモ:「そんなハッタリきくわけないだろ。ガッハッハッハハ。 ギシ―:「いいんだな?今度こそ、爆発が起きるぞ。 ダッテ:「ば、爆発ぅ…! ルノワーモ:「ええい、ハッタリだっつってんの!もう時間稼ぎはおしまいだ。ダッテ。 0:ダッテ、ルノワーモに斧を手渡す。 ダッテ:「へ、へい! ルノワーモ:「斧で斬っちゃえば一発よ。 ギシ―:「…! 0:ギシ―、窓をあけ、身を乗り出す。 ギシ―:「ッ…くそ…。 ルノワーモ:「飛び降りたって無駄さ。ここは3階、死なないにしてもただじゃすまんぞ。動けないところにズバッとね。 ギシ―:「フッ!グ…ッ ダッテ:「あ!屋根に上ってく! ルノワーモ:「足から斬るだけさ。サ、お命チョーダイッ! ティタン:「させるか! 0:ティタン、ピストルでルノワーモの持つ斧を狙う。 ルノワーモ:「ヌオ!?なになに!? ダッテ:「ピストルですよ!しゃがんで! ティタン:「そこを動くんじゃないぞ! メームス:「窓から顔出したら撃っちゃうからね! ギシ―:「メームス…!た、たすか… 0:ギシ―、濡れた屋根で足を滑らせる。 ギシ―:「うわぁ! メームス:「おっこっちゃう! 0:ギシ―、屋根につかまる。 ギシ―:「ぐッ… ティタン:「そのままで!メームスさん、貴女はここで窓を見張っていなさい! メームス:「はい! 0:ティタン、建物に入っていく。 ダッテ:「ど、どうします? ルノワーモ:「こうなったら仕方ない。できてる分の偽金持って逃げるぞ。 ダッテ:「でもだって、動くなって言われましたよ。 ルノワーモ:「正直に言う事聞く悪党がいるか!さっさといくぞ! ダッテ:「はいぃ~! 0: 0: ティタン:「八ッ八ッ八ッ(階段駆け上がる) ダッテ:「ひぃ、ピストル持ってこないで! ティタン:「どきなさい!あんたらに構っていられるか! ダッテ:「あ、あれ… ルノワーモ:「い、今のうちだ。偽金もって逃げるぞ! 0: 0:ティタン、窓にぶら下がっているギシ―を助ける。 ティタン:「さぁゆっくり!大丈夫です、もう手を放して。 ギシ―:「はぁ、はぁ、…助かりました。 ティタン:「間に合ってよかったです。さぁ奴らをとっ捕まえましょう!あなたは一旦外へ。私は彼らを追います! ギシ―:「ッ!そうだった。ここにいてはいけない、早く逃げますよ! ティタン:「へ? 0: 0: 0:ルノワーモ、ダッテ、硬貨の入った袋を大量に運び出している。 ルノワーモ:「ほらほら、さっさと運び出せ! ダッテ:「はひはひ、わかってますよ。ほんっと人使い荒いんだからもぅ… ルノワーモ:「無駄口叩かないで手動かす! ダッテ:「あんたでしょそりゃ…って、あら。あらら、あららら… ルノワーモ:「ドワップ、こら!急に立ち止まるんじゃない、後ろがつっかえるだろ! ダッテ:「いやでもだって ルノワーモ:「でももだってもない!って、あらぁ… ダッテ:「プレス機が、赤く、おっきく… ルノワーモ:「に、逃げろォーーッ! 0: 0:外。メームスとギシ―、抱き合っている。 メームス:「パパ…よかった。パパ、パパ…。 ギシ―:「メームス…。ありがとうな、来てくれて。 ティタン:「…。 ギシ―:「ティタンさん。貴方にも。本当に、感謝してもしきれません。よく気が付きましたね、あんな暗号に。 ティタン:「それが仕事のようなものですから。 メームス:「ティタンさんすごいのよ。なんでもひらめいちゃうんだから。 ティタン:「メームスさんがいなければ、ここまでたどり着けませんでしたとも。 ティタン:「さ、ここは消防に任せて、警察に向かいましょう。事情は私からも話します。 ギシ―:「ええ。本当に、ありがとうございます。 0: 0: 0: 0: 0:がれきの中から、2人が顔を出す。 ルノワーモ「ぷはぁ! ダッテ:「ゲホ!ゲホ! ルノワーモ:「はぁ、はぁ、死ぬかと思ったぁ。 ダッテ:「人ころそうとするからバチ当たったんですよ。 ルノワーモ:「天罰が怖くて悪党やってられっかい。くっそう、折角のお金も吹っ飛んじまった。また別の稼ぎ考えないとなあ…。 ダッテ:「今度は爆発しないのでお願いしますよ。 ルノワーモ:「わかってる。私もこりごりさ。ケホ。