台本概要

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タイトル 一握りの原石 試験編
作者名 じん
ジャンル ファンタジー
演者人数 5人用台本(男3、女1、不問1) ※兼役あり
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 学園物のファンタジー?を書いてみました。バトルシーンがあるので叫ぶかもです。オレつえー系など色々詰め込みました。

王立魔法学校から竜を倒しにいく討伐メンバーを決める試験が行われることになった。成績最下位の生徒ジャックが過去と向き合うことで強くなって、試験に臨むお話。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ジャック 52 成績最下位の生徒、過去に色々抱えている。
アンドリュー 不問 21 ある目的で森に住む者。ジャックを導く
アリス 28 ジャックの幼馴染。ジャックがすき
オズワルド 36 学年最上位の生徒、力に我を任せるタイプ。ジャックを軽蔑している
レオ 13 ジャックの友達、回復職。ジャックをすてる
司会 11 バトル実況 レオと兼ね役
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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:一掴みの原石 ジャック:「僕は王立魔法学校の生徒、ジャック。成績は最底辺をうろうろしている落ちこぼれ魔法使いだ。これはそんな僕が王国を救う物語。」 アリス:「ジャック、おはよー。」 ジャック:「アリス、おはよー。こいつはアリス、僕の幼馴染で僕をいつも気にかけてくれる。成績優秀で僕にはもったいない美少女だ。」 アリス:「朝から何ごちゃごちゃ言ってるの。1週間後に竜討伐部隊の学内選考があるじゃない。ジャックも行かなきゃ。」 ジャック:「何言ってるんだよ。僕の成績知ってるだろ。僕にそんなご縁があるわけ・・・」 アリス:「私、今でも覚えてるよ。小さい頃、私が魔物に襲われてるところをジャックが救ってくれたの。私が怖くて震えてたらジャックがかばってくれて、気がついたら魔物がいなくなってた。その時、私思ったの。ジャックはきっと偉大な魔法使いになるって」 ジャック:「それはありがとう。そんなこと覚えててくれたんだ。実は僕はその時のこと、ぼんやりとしか覚えていないんだ。 それに今の僕は違うよ。弱い魔法もろくに使えないんだ。」 アリス:「私はきっとジャックに力が眠ってると思ってる。あなたの中でまだ眠っているだけだって。」 ジャック:「先生にもそれ言われたんだよね。みんなはとっくに目覚めてるっていうのに」 アリス:「きっともうすぐ目覚めるわよ。楽しみにしてる。じゃあまた。」 ジャック:「アリスとそう言って廊下で別れた。成績順のクラス編成なので、クラスが違う。右が優秀なクラス、左は普通のクラスだ。どこで違ってしまったのかと我ながら悲しくなる。」 :最下位クラスの教室に入る。 レオ:「やめてよ。僕が何をしたっていうんだ!」 オズワルド:「お前をパーティに加えたいんだよ。正直こんなクラスにくすぶってたくないだろ。お前の僧侶が俺のチームに最適な回復役なんだよ。」 レオ:「だからって、勝手にパーティ加入同意書を作らないでよ!僕はもう戦いたくないんだ!」 オズワルド:「いいのか?俺に逆らって。俺はAクラス。Dクラスのお前ごとき、どうにでもできるんだぜ。」 ジャック:「おい、やめろよ。オズワルド。僕の友達をいじめないでくれるか。レオが嫌がってるだろ。」 オズワルド:「ジャック・・・お前は最下位争いでもしてろよ。どうせ何もできないくせに。人のこと気にしてる場合か?」 ジャック:「・・・」 オズワルド:「じゃあ考えとけよレオ。また来る。いい返事を待ってるぜ。もし逆らったら今度ある学内選考大会でどうなるか、わかってるよな。」 :オズワルドが立ち去る レオ:「ジャック、ごめん。僕のせいで。僕が悪いんだ。実はオズワルドに騙されて書類にサインしてしまった。後からそれが幻術をかけられていて本当はパーティ加入同意書だったことに気づいたんだ。オズワルドは大会に優勝しそうなほど強いからこのままだとオズワルドの取り巻きと一緒に竜退治に行かなきゃいけなくなるかもしれない。僕そんなの耐えられないよ。」 ジャック:「オズワルド、なんて卑怯なやつなんだ!僕に力があれば止められたのに。僕こそ火に油を注ぐような真似をしてしまってすまない」 レオ:「いや、いいんだジャック・・・。僕はもう諦めるよ。あいつを敵に回したらどうなるかわからないからね。ありがとう」 ジャック:「レオ・・・・」 ジャック:「授業が終わっても僕はずいぶん考え込んでいた。思えば自分の力のなさがこれまで僕の足かせになっていた。何度歯がゆい思いをしたことだろう。なんで昔アリスを守った時は魔法が使えたのに、今は使えないのだろうか。あの時からな気がする。魔法が次第に使えなくなったのは。そんなことを考えながら歩いていると僕はいつの間にか学校の外にある森の深いところに来ていることに気づいた。」 ジャック:「どうしよう。ずいぶんと深いところに来た。そういえば校長がこの森には危険なモンスターが出ることもあるって言ってたっけ。早く外に出なきゃ。」 アンドリュー:「おやおやこんなところに人が来るのはいつぶりだろうか。」 ジャック:「うわああああ。だ、誰なんだ?」 アンドリュー:「私はアンドリューという者だ。この森を守るため、はるか昔からここにいる。不思議だな。ここにはもう誰も辿り着けないように結界を張っているのだが。驚きだよ。」 ジャック:「僕はジャックだ。質問がある。この森を守る?なんでそんなことをする必要があるんだよ?お、おかしいだろ。」 アンドリュー:「この森には危険なモンスターがいるからあまり深くには立ちいらないでほしい。と外では言われているだろう。でも本当は違う。この森にははるか昔に英雄たちが死闘を繰り広げた魔物が封印されているのだよ。」 ジャック:「そんな森に人が普通に入れちゃうのやばくない?」 アンドリュー:「だから私がいるのだよ。結界を張って人が森の深部には近づけないようにしているんだ。ただ魔物と人が共鳴すると魔物が抜け出したり、人がここに入って来ることがある。君がその例だ。」 ジャック:「僕が魔物と共鳴したってこと?なんの魔物と繋がりがあったの」 アンドリュー:「この森には七つの魔物が封印されている。大罪と呼ばれるもので、嫉妬、傲慢、怠惰、憤怒、強欲、色欲、暴食がいる。君に取り憑いているのは傲慢。昔、ここを抜け出した魔物だ。」 ジャック:「傲慢が抜け出したというのは以前ここに来た人がいるってこと?」 アンドリュー:「そう、聞いて驚け。それは昔の君だ。昔の君は女の子と一緒にこの森に来た。君に引き寄せられた傲慢の干渉から女の子を守るために君は傲慢と対峙し、君の中に魔物は入り込んだんだ。」 ジャック:「あの時だったんだ。自分が魔法を使ったんだと思ってた。あれは魔物が自分の中に吸い込まれていたのか。」 アンドリュー:「いいや、君は魔法を使ったんだ。無詠唱でね。そして君は傲慢に見そめられた。傲慢は自ら進んで君の中に入ったんだ。」 ジャック:「どうして僕はその傲慢ってやつに気に入られたんだ。」 アンドリュー:「それはねジャック、君が嘘をついているからなんだよ。」 ジャック:「どういうことなんだよ。僕は嘘なんてついたことないよ。」 アンドリュー:「わからないだろうね。君は自分に嘘をついてるんだ。傲慢ってやつは嘘で自分を飾り立てるやつを好むんだよ。」 ジャック:「僕が嘘をついてるだって?何が嘘なんだよ。」 アンドリュー:「それは君が本当は魔法が得意なくせに周りに合わせて自分に合わないやり方で魔法と向き合ったからだよ。」 ジャック:「・・・・・」 アンドリュー:「君は幼馴染と対等でいたかったし、親兄弟に自分が怖がられてしまうことを恐れた。だから幼い君は自分を殺したんだ。魔法が好きで好きでたまらない自分をね。そしてそのことすら君は忘れてしまった。今の君は幼馴染と対等にいるどころか、魔法すら自由に使えなくなっているではないか。」 ジャック:「じゃあ僕はあの時どうしたら良かったんだ?思うがままに自分の欲求を解放すれば良かったのか?そんなことすれば僕は家族からも幼なじみからも引き離されただろうな。昔の僕は想像するだけで物体を意のままに操れた。ある時、僕の家でボヤが起きたんだ。それは僕のせいでね。牛小屋にいる時ふと思ったんだ。美味しい肉が食べたいってね。そうしたら下に敷いてあった干し草に火がついたんだ。牛を焼こうとしたんだね。慌てて大人を呼んだから大事には至らなかったけど僕はわかった。このままじゃ自分はやばいってね。」 アンドリュー:「だから呪文などというつまらぬ物を勉強して自分を殺すことに徹した訳か。今のお前に流れる魔力の回路はものすごくいびつだ。そこを傲慢によって都合の良いように作り替えられている。だがジャック。これはチャンスだ。」 ジャック:「どういうこと?もう昔のように魔法は使えないんでしょ。」 アンドリュー:「だからいいんだ。今のお前は傲慢によってストッパーがかかっている状態だ。傲慢はお前の隠している魔力を出させずに貪るためにそんなことをしている。逆にいえばお前の想像だけで発動してしまう魔力を抑えてコントロールできるってことだよ。」 ジャック:「でも傲慢に頼ることになるんだろ。大丈夫なのか?」 アンドリュー:「大丈夫、傲慢って言っても完全体ではない。残留思念の一部が君に取り憑いているんだ。相当気に入られているようだから君の生きている間にもう離れることはないだろうね。仲良く共存するほかない。私を信じてもらえれば、傲慢とうまく付き合う方法を教えよう。そうすればきっと君が望む以上の強さを手に入れられるよ。」 ジャック:「もし叶うなら元の自分に戻りたい。そしてそんな自分を好きになりたい。僕は魔法が好きなんだ。アンドリュー頼むよ。僕を元に戻してくれ!」 アンドリュー:「良かった。君がそう思ってくれていて。こちらもしばらくは傲慢を暴走させることなく封印しておけるからありがたいよ。早速、訓練に取り掛かろう。ここでは時の流れが遅いんだ。かなり鍛錬することになるよ。」 ジャック:「わかった。覚悟の上だよ。」 ジャック:「こうして僕は学校の帰りに森によっていき、訓練を受けることにした。自分の魔力回路を治すというのは想像以上に苦しく辛い作業だった。ゆがみの原因となった思いを抹消するために闇に閉じこもってひたすら自分と向き合う。傲慢と対面したのも辛かった。子供の魔物でプライドが高くなだめすかすのに長い時間がかかりそうだ。」 :舞台はAクラスの教室に移る アリス:「私は反対よ。レオの意見を尊重すべきだわ。」 オズワルド:「何言ってるんだ。俺らは火力職。回復職が必要に決まってるだろ。レオは自分を隠してるがかなり優秀だぞ。」 アリス:「レオはジャックと友達なの。1人があまり得意じゃない子なのよ。無理やり引っ張ってくるのは良くないわ。ジャックも一緒に誘いましょ。それなら来てくれると思うわ。」 オズワルド:「ジャックか。あいつの名前を出すな。思い出しただけで反吐がでる。実力が伴ってもいないのに正義感は一丁前に強いやつ嫌いなんだよ。正義感だけあってもお前は何を守れるんだよって話だぜ。」 アリス:「そんなこと、言わないで。ジャックはきっと強くなる。オズなんか追い越しちゃうんだから。」 オズワルド:「へっ、あいつがか?初級魔法すら怪しいぜ。レオも友達面してるがどうせあいつを見下してるんだろ。一緒に連れてきてもろくなことにならない。」 アリス:「レオは優しい子よ。そんなことある訳ないじゃない。きっといつも一緒にいるジャックに感謝しているはずよ。あら、レオ!」 レオ:「僕は君たちのパーティに入るよ。」 オズワルド:「そうだろうと思ったぜ。どうせ断る気なんだろ・・・・。えっ?」 レオ:「パーティに入る。ジャックなんて弱いやつとはもう仲良くしないよ。」 アリス:「レオ、本気で言ってるの?ジャックを悲しませるようなことしたら怒るわよ!?」 オズワルド:「おうおう、レオやっとわかったか!あんなやつ放っておけ。俺らで竜を討伐して伝説に名を残そうぜ?」 レオ:「ああ、君のいう通りだったよ。僕は最初戦いたくないって理由で僧侶をジョブに選んだ。でも結局そんな独りよがりでは誰も救うことなんてできない。結局僕にできることは強いやつをもっと強くすることなんだよ。そして後はそいつに任せるしかないんだ。結局自分じゃ何もできないなら強者に従うしかないんだ。」 オズワルド:「ふふん。やっとわかったか。お前は俺らについてくればいいんだよ。そうすれば俺らがお前の見たい景色を見せてやる。アリス、お前もそれでいいだろ。レオが望んでるんだ。ジャックには謝っといてくれ。レオはお前と一緒に選考大会には出ないってな。」 アリス:「レオ・・・。あなた変わったわね。あなたの本当にやりたいことがそれなら私はもう止めないわ。でもねこれだけは覚えといてほしい。選択には責任が伴うの。一度した選択をひっくり返すようなことになってもジャックは受け入れてくれるでしょうね。でもあなたの中で後悔は消えないわよ。私がオズワルドのチームにいる理由はジャックを焚き付けるため。ジャックに本気を出してもらうためよ。だから何の後悔もないわ。でもレオ、あなたは違う。苦楽を共にして支え合ってきた仲じゃないの。ジャックを傷つけたいなんてあなたも思ってないでしょ。」 レオ:「もういいんだ。これ以上あいつとやっててもしょうがないよ。一ミリも成長しないんだもん。」 オズワルド:「だろ。俺にはあいつと付き合うメリットは皆無だと思ってるぜ。あいつには向上心なんてもんがないんだ。それが実力に表れてる。」 アリス:「ふーん。そろそろ家に帰るわ私。」 オズワルド:「お、おい待てよ。俺も一緒に帰る。それじゃあレオまた明日、パーティについて話そう。」 レオ:「ジャック、ごめんよ。君のためにはこれがいいんだ。(小声で)」 :竜討伐部隊選抜試験当日、朝の森。 アンドリュー:「良くここまで頑張った。傲慢も君にすっかり懐いている。君の学校の選抜試験でもなかなかな順位になるだろうね。」 ジャック:「ありがとうございます。でも僕は魔法が好きな気持ちは誰にも負けないつもりだ。せっかくなら一番が取りたい。」 アンドリュー:「今の君の実力では無理だ。」 ジャック:「あっ。やっぱりそうなのか・・・。じゃああんまり期待しないでおこうかな・・・。」 アンドリュー:「でも大丈夫。君には傲慢がついてる。きっと一番を取れるよ。あいつはプライドが高いからね。」 ジャック:「どういうこと?もしかして傲慢が力を貸してくれるっていうのか。」 アンドリュー:「力を貸す・・・ねえ。まあそれは本番のお楽しみだよ。それよりジャック、これだけは覚えておいてくれ。困った時は自分の本心に従うんだ。戦いのときにどうしても力が発揮できない時が君にはある。今まで自分を押し殺してきた代償というわけだね。ついつい教科書通りに魔法を出そうとしてしまうだろう。そうじゃない。自分の心のおもむくままに言葉を紡ぎなさい。呪文は後付けでも構わない。そうすればきっと君の魔力は光り輝く。これは君にしかできないことだよ。」 ジャック:「心のおもむく・・・まま・・・。」 アンドリュー:「まあこれもそのうちわかるさ。とにかく君は忙しくなるだろう。結果を出したらまた報告に来なさい。」 ジャック:「アンドリューさん・・・ありがとう。僕やるよ。竜の首を取って帰ってくる。それまで待っててねー!(駆け出していく)」 アンドリュー:「行ったかジャック。君のこれからの数奇な運命を見させてもらうよ・・・(消えていく)」 :選抜試験会場 ジャック:「チーム分けが発表されてる。4人パーティのトーナメントバトル。僕はレオと2人パーティを組んだから。残り2人がフリーマッチングという感じか。」 オズワルド:「よう!パーティはどうだ。勝てそうか?」 ジャック:「オズワルド。今度こそ勝って見せるよ。あれ?レオ!どうして!」 オズワルド:「気づいたか?この表だとレオはお前のチームにはいないなあ!1人ぼっちになった気分はどうだ。」 ジャック:「レオがお前のチームに・・・オズワルド。貴様何をしたんだ。」 オズワルド:「俺はレオをスカウトしただけ。チームに入るのを決めたのはレオ自身だぜ。」 ジャック:「そんな訳ないだろ!レオが望んでお前のチームに入るわけがない。」 オズワルド:「本番を楽しみにしているんだな。ま、当たるかどうかもわからんが。」 ジャック:「そこからの記憶はあまりない。フリーマッチングしたメンバーがそこそこ強く、僕も強化された魔法を使えたのもあって、かなり攻撃特化なパーティに仕上がった僕たちはあれよあれよと戦いを突破し、決勝まで来てしまった。」 :決勝戦 アリス:「ジャック!ここまで来たのね。あなたならきっと目覚めると思ってた。」 オズワルド:「ふん、どうせパーティメンバー頼りだったんだろ。優秀なソロ活動者が3人もいるなあ。ただ学年最強の俺に勝てるかどうかは別だがなあ。」 アリス:「ジャック、黙ってないで何とか言ったらどうなの?ここまで来たのはあなたの実力もあったに決まってるわ。」 オズワルド:「こいつずっと黙ってやがる。愛しのレオを呼んでやろうか?おい!レオ!」 ジャック:「・・・!」 レオ:「ジャック相当腕を上げたんだね。でもここで諦めた方がいい。オズは闇魔法、アリスは光魔法が使えるんだ。それらは属性魔法の最上位級。君らが使う属性魔法では太刀打ちができないよ。」 ジャック:「・・・レオ、一つだけ約束してくれるか。この戦いに勝てば僕のパーティに戻ってこい。」 レオ:「・・・」 オズワルド:「はっはっはっ!いいだろう。この戦いに勝てばレオをお前に返してやる。ただ負ければお前は今後一切レオとの接触禁止だ。それでもいいならどうだ?」 ジャック:「・・・わかった。」 レオ:「・・・!。オズの仰せの通りに。」 司会:「さていよいよ、決勝戦。この戦いで竜を討伐し、学園の顔となる者達が決まる!戦う2チームはこちら!まずはチーム、オズワルド!チーム名ともなったオズワルドを筆頭にAクラスの猛者揃い。Dクラスの変わり種もいるが攻守ともにバランスのとれた最強チームだ!対するのはチーム、宵闇の光。各クラスから集まったソロスレイヤーがマッチングされて作られたチーム。その経歴は未だ闇に包まれるダークホース的存在!全員が攻撃特化の荒くれども達だ。」 アリス:「いよいよ始まったわね・・・。ジャック、あなたの力を私に見せて」 司会:「ルールは簡単、制限時間エンドレスで先に全員が戦闘不能になったチームの負け。この会場内での戦闘不能は死亡判定とはならないように特殊なシステムが働いていますのでのでお気遣いなく魔法をぶっ放しちゃってください。それでは両者見合って。」 オズワルド:「まあちゃちゃっと片付けてやる。めんどくさいのは嫌いなんだ。」 司会:「戦い、初め!」 オズワルド:「全てを取り込め。『闇への誘い』」 ジャック:「ぐっ・・・全部のステータスが大幅に下がってる。まずい、このままだと・・・」 アリス:「とどめよ。全てを切り裂け『ホーリーブレイド』」 司会:「光弱点も付与できる強力なデバフ魔法に、眩しい一閃の光攻撃魔法が炸裂。受けたパーティ全員が倒れています。これは決まったか。勝者!チーム、オズ・・おや1人立ち上がった。」 ジャック:「諦め・・・ない。まだまだ倒れるわけにはいかないんだ。」 司会:「おっと、残り一名がHP僅かながら立ち上がりました!1:4だがここから勝機はあるのか?闇に光を見出せるのか!?」 ジャック:「荒れ狂う炎よ、あいつらを煉獄に閉じ込め燃やし尽くせ、『ファイヤーウォール』」 司会:「なんと初級魔法ファイヤーウォールをこのように使うのは初めてです!四つの炎の壁がチーム、オズワルドを囲み押しつぶす!」 オズワルド:「ぐっ・・・」 アリス:「きゃぁぁぁ!」 レオ:「うぁぁぁぁぁ」 司会:「何と相手チームも2名が戦闘不能に!回復職を失い、残っているのはオズワルドとアリスだけです。ただHPはまだまだ余っている!」 オズワルド:「驚いたな!なかなかやるじゃないか。見直したぞ。俺のパーティに入らないか?そうすれば全て解決だろう。」 ジャック:「誰がお前の指図なんか・・・受けるかよ!」 アリス:「ジャック!ここまで、ここまで強くなったのね!私が好きなジャックが戻ってきたわ!」 ジャック:「アリス、ありがとう。でもここからはお遊びじゃない。君達に勝ってやる!」 オズワルド:「威勢だけは相変わらずだな。いいだろう。正直これは使いたくなかったが冥土の土産に見せてやるよ!ところでこの炎邪魔だな。フゥ」 ジャック:「ファイヤーウォールが無詠唱で消されただと?そしてなんだ?この魔力の高まりは。一旦離れた方が良さそうだ!」 アリス:「フフっ。これは私たちも初めてやるの。ジャック見ててね。」 オズワルド:「魔法の合体だよ。広範囲型のね。ジャック!貴様は俺が葬ろう!この広い会場のどこに逃げても無駄だ。」 アリス:「万物の母なる太陽よ。闇を生み出すことをお許しください。全ては光が有るため」 司会:「何と光球が2人を包み込んだ!上に昇っていく!」 オズワルド:「母なる光よ。あなたから生まれ出ることをお許しください。闇の吾子よ全てを刺し尽くせ、絶望を与えよ。」 アリス:「『デスペアプロミネンス』(同時に)」 オズワルド:「『デスペアプロミネンス』(同時に)」 司会:「白く輝く光球の表面が波打っている!そしてそこから闇の矢が全方面に放たれた!」 ジャック:「これはやべえな・・・・飛んでくる矢は少しの間は避けられるが、暑い!・・・フラフラする。」 オズワルド:「どうだ!光魔法で相手の体力を少しずつ奪っていき、闇魔法でとどめをさす。全て防ぐ術は今のところないだろう。ハッハッハッハッ!」 ジャック:「どうにかここから逃げ出さないと、くそ、もうダメか、避けきれない!グアアアアア!」 司会:「闇の矢が次々にジャック選手の体を貫く!これはさすがに無理か!?勝者!チーム、オズ・・、な、何と?ジャック選手のHPが全快している!闇の矢がジャック選手を避け始めた!」 オズワルド:「何が起きている?我々の魔法が効かないだと!?」 アリス:「ジャックが立ち上がったわ。何だか様子が変よ。」 ジャック:「ごめんね。今ここで倒れるわけにはいかないんだ。素敵な魔法を見せてくれてありがとう!僕はジャック、傲慢なジャックだ!ハハハハハハハハ!」 オズワルド:「どうなってんだ。この異様な魔力。さっきまでのやつと違う!」 アリス:「まずいわオズ、いますぐ離れましょう。魔法を解除するのよ!」 オズワルド:「ちょっと待て!複雑な術式なんだ。今すぐに解除できない!」 ジャック:「ねえ君たち。どうして闇の矢が僕を避けているのか不思議だろう?冥土の土産に教えてやろう。魔法にはまだまだだ上があるんだ。今見せているのは重力魔法。この魔法は空間を歪ませる魔法なんだ!」 オズワルド:「ふん、空間を歪ませるだと?それがどうしたって言うんだよ!」 ジャック:「空間が歪むと光も闇も、その他の下位属性魔法も進行方向が自由に変わるんだ。だからこんなことができるんだよ。我に歯向かうものを全て取り込め!『グラビティ・ボルテックス』!」 アリス:「どうして!光が薄くなっていく!」 オズワルド:「闇の矢を出しているはずなのに何も放たれていない。どうなっている!」 ジャック:「君たちの攻撃は今、空間の歪みに全て吸い込まれている状況なんだよ。星空に眠るブラックホールの力を借りてね。」 オズワルド:「アリス、おかしいぜ。魔法を解除できない!」 アリス:「私もよ、どうして?何が起きてるの?」 ジャック:「吸い込まれたものに外の者は干渉することができないんだよ。そしてこういうこともできちゃうんだ。我に歯向かいしものを全て元に返せ『ワイト・ゲート』!」 オズワルド:「闇の矢が元に戻った!何だ。こっちに向かってくるぞ。」 アリス:「あ、熱い、苦しい!」 オズワルド:「ウガアアアアア!」 アリス:「ギャアアアアア!」 司会:「あ、ああ、勝者、チーム、宵闇の光!只今より審議に入りますので、これにて閉場とします!な、なんたることだ!」 ジャック:「こうして竜討伐部隊選考会は幕を閉じた。戦いの時、闇の矢が刺さって今、まさにHPが0になろうとする瞬間、僕の頭を支配したのはどす黒い感情だった。どうして僕は無力なんだ。幼馴染に見下され、友人を失った。どうして、ドウシテ、チカラガホシイ、スベテヲトリモドシテヤル。その時、傲慢が話しかけてきたんだ。オレニオマエノカラダヲスコシカセ、オマエノウソツキノツミヲツグナワセテヤルってね。僕は迷わず呟いた。イイトモ、オレガクルシンダブンノツヨサヲミセテヤレってね。多分それが自分が初めてまともに使った魔法だったんだ。そして傲慢が召喚された。」 :以下は演じても演じなくても大丈夫です。 アリス:「ジャックに敗れた後、オズワルドはいなくなってしまった。親から休学の申し出があったようだ。ああ、ジャック、ジャック。あなたの目の前には私だけいればよかったのに、あなたは私より強くなってしまったわ。あなたを嫉妬させるために仲良くしていたオズワルドもあなたは消してしまった。もうあなたを縛るものが無くなってしまったじゃない。嫌よ。あなたは私だけ見ていればいいの。もっと強くなってやるんだから。小さい頃のどこか遠くに行ってしまいそうなほど強いジャックは私には、いらない。一生私の中にいればいいの。」 :竜討伐編に続く

:一掴みの原石 ジャック:「僕は王立魔法学校の生徒、ジャック。成績は最底辺をうろうろしている落ちこぼれ魔法使いだ。これはそんな僕が王国を救う物語。」 アリス:「ジャック、おはよー。」 ジャック:「アリス、おはよー。こいつはアリス、僕の幼馴染で僕をいつも気にかけてくれる。成績優秀で僕にはもったいない美少女だ。」 アリス:「朝から何ごちゃごちゃ言ってるの。1週間後に竜討伐部隊の学内選考があるじゃない。ジャックも行かなきゃ。」 ジャック:「何言ってるんだよ。僕の成績知ってるだろ。僕にそんなご縁があるわけ・・・」 アリス:「私、今でも覚えてるよ。小さい頃、私が魔物に襲われてるところをジャックが救ってくれたの。私が怖くて震えてたらジャックがかばってくれて、気がついたら魔物がいなくなってた。その時、私思ったの。ジャックはきっと偉大な魔法使いになるって」 ジャック:「それはありがとう。そんなこと覚えててくれたんだ。実は僕はその時のこと、ぼんやりとしか覚えていないんだ。 それに今の僕は違うよ。弱い魔法もろくに使えないんだ。」 アリス:「私はきっとジャックに力が眠ってると思ってる。あなたの中でまだ眠っているだけだって。」 ジャック:「先生にもそれ言われたんだよね。みんなはとっくに目覚めてるっていうのに」 アリス:「きっともうすぐ目覚めるわよ。楽しみにしてる。じゃあまた。」 ジャック:「アリスとそう言って廊下で別れた。成績順のクラス編成なので、クラスが違う。右が優秀なクラス、左は普通のクラスだ。どこで違ってしまったのかと我ながら悲しくなる。」 :最下位クラスの教室に入る。 レオ:「やめてよ。僕が何をしたっていうんだ!」 オズワルド:「お前をパーティに加えたいんだよ。正直こんなクラスにくすぶってたくないだろ。お前の僧侶が俺のチームに最適な回復役なんだよ。」 レオ:「だからって、勝手にパーティ加入同意書を作らないでよ!僕はもう戦いたくないんだ!」 オズワルド:「いいのか?俺に逆らって。俺はAクラス。Dクラスのお前ごとき、どうにでもできるんだぜ。」 ジャック:「おい、やめろよ。オズワルド。僕の友達をいじめないでくれるか。レオが嫌がってるだろ。」 オズワルド:「ジャック・・・お前は最下位争いでもしてろよ。どうせ何もできないくせに。人のこと気にしてる場合か?」 ジャック:「・・・」 オズワルド:「じゃあ考えとけよレオ。また来る。いい返事を待ってるぜ。もし逆らったら今度ある学内選考大会でどうなるか、わかってるよな。」 :オズワルドが立ち去る レオ:「ジャック、ごめん。僕のせいで。僕が悪いんだ。実はオズワルドに騙されて書類にサインしてしまった。後からそれが幻術をかけられていて本当はパーティ加入同意書だったことに気づいたんだ。オズワルドは大会に優勝しそうなほど強いからこのままだとオズワルドの取り巻きと一緒に竜退治に行かなきゃいけなくなるかもしれない。僕そんなの耐えられないよ。」 ジャック:「オズワルド、なんて卑怯なやつなんだ!僕に力があれば止められたのに。僕こそ火に油を注ぐような真似をしてしまってすまない」 レオ:「いや、いいんだジャック・・・。僕はもう諦めるよ。あいつを敵に回したらどうなるかわからないからね。ありがとう」 ジャック:「レオ・・・・」 ジャック:「授業が終わっても僕はずいぶん考え込んでいた。思えば自分の力のなさがこれまで僕の足かせになっていた。何度歯がゆい思いをしたことだろう。なんで昔アリスを守った時は魔法が使えたのに、今は使えないのだろうか。あの時からな気がする。魔法が次第に使えなくなったのは。そんなことを考えながら歩いていると僕はいつの間にか学校の外にある森の深いところに来ていることに気づいた。」 ジャック:「どうしよう。ずいぶんと深いところに来た。そういえば校長がこの森には危険なモンスターが出ることもあるって言ってたっけ。早く外に出なきゃ。」 アンドリュー:「おやおやこんなところに人が来るのはいつぶりだろうか。」 ジャック:「うわああああ。だ、誰なんだ?」 アンドリュー:「私はアンドリューという者だ。この森を守るため、はるか昔からここにいる。不思議だな。ここにはもう誰も辿り着けないように結界を張っているのだが。驚きだよ。」 ジャック:「僕はジャックだ。質問がある。この森を守る?なんでそんなことをする必要があるんだよ?お、おかしいだろ。」 アンドリュー:「この森には危険なモンスターがいるからあまり深くには立ちいらないでほしい。と外では言われているだろう。でも本当は違う。この森にははるか昔に英雄たちが死闘を繰り広げた魔物が封印されているのだよ。」 ジャック:「そんな森に人が普通に入れちゃうのやばくない?」 アンドリュー:「だから私がいるのだよ。結界を張って人が森の深部には近づけないようにしているんだ。ただ魔物と人が共鳴すると魔物が抜け出したり、人がここに入って来ることがある。君がその例だ。」 ジャック:「僕が魔物と共鳴したってこと?なんの魔物と繋がりがあったの」 アンドリュー:「この森には七つの魔物が封印されている。大罪と呼ばれるもので、嫉妬、傲慢、怠惰、憤怒、強欲、色欲、暴食がいる。君に取り憑いているのは傲慢。昔、ここを抜け出した魔物だ。」 ジャック:「傲慢が抜け出したというのは以前ここに来た人がいるってこと?」 アンドリュー:「そう、聞いて驚け。それは昔の君だ。昔の君は女の子と一緒にこの森に来た。君に引き寄せられた傲慢の干渉から女の子を守るために君は傲慢と対峙し、君の中に魔物は入り込んだんだ。」 ジャック:「あの時だったんだ。自分が魔法を使ったんだと思ってた。あれは魔物が自分の中に吸い込まれていたのか。」 アンドリュー:「いいや、君は魔法を使ったんだ。無詠唱でね。そして君は傲慢に見そめられた。傲慢は自ら進んで君の中に入ったんだ。」 ジャック:「どうして僕はその傲慢ってやつに気に入られたんだ。」 アンドリュー:「それはねジャック、君が嘘をついているからなんだよ。」 ジャック:「どういうことなんだよ。僕は嘘なんてついたことないよ。」 アンドリュー:「わからないだろうね。君は自分に嘘をついてるんだ。傲慢ってやつは嘘で自分を飾り立てるやつを好むんだよ。」 ジャック:「僕が嘘をついてるだって?何が嘘なんだよ。」 アンドリュー:「それは君が本当は魔法が得意なくせに周りに合わせて自分に合わないやり方で魔法と向き合ったからだよ。」 ジャック:「・・・・・」 アンドリュー:「君は幼馴染と対等でいたかったし、親兄弟に自分が怖がられてしまうことを恐れた。だから幼い君は自分を殺したんだ。魔法が好きで好きでたまらない自分をね。そしてそのことすら君は忘れてしまった。今の君は幼馴染と対等にいるどころか、魔法すら自由に使えなくなっているではないか。」 ジャック:「じゃあ僕はあの時どうしたら良かったんだ?思うがままに自分の欲求を解放すれば良かったのか?そんなことすれば僕は家族からも幼なじみからも引き離されただろうな。昔の僕は想像するだけで物体を意のままに操れた。ある時、僕の家でボヤが起きたんだ。それは僕のせいでね。牛小屋にいる時ふと思ったんだ。美味しい肉が食べたいってね。そうしたら下に敷いてあった干し草に火がついたんだ。牛を焼こうとしたんだね。慌てて大人を呼んだから大事には至らなかったけど僕はわかった。このままじゃ自分はやばいってね。」 アンドリュー:「だから呪文などというつまらぬ物を勉強して自分を殺すことに徹した訳か。今のお前に流れる魔力の回路はものすごくいびつだ。そこを傲慢によって都合の良いように作り替えられている。だがジャック。これはチャンスだ。」 ジャック:「どういうこと?もう昔のように魔法は使えないんでしょ。」 アンドリュー:「だからいいんだ。今のお前は傲慢によってストッパーがかかっている状態だ。傲慢はお前の隠している魔力を出させずに貪るためにそんなことをしている。逆にいえばお前の想像だけで発動してしまう魔力を抑えてコントロールできるってことだよ。」 ジャック:「でも傲慢に頼ることになるんだろ。大丈夫なのか?」 アンドリュー:「大丈夫、傲慢って言っても完全体ではない。残留思念の一部が君に取り憑いているんだ。相当気に入られているようだから君の生きている間にもう離れることはないだろうね。仲良く共存するほかない。私を信じてもらえれば、傲慢とうまく付き合う方法を教えよう。そうすればきっと君が望む以上の強さを手に入れられるよ。」 ジャック:「もし叶うなら元の自分に戻りたい。そしてそんな自分を好きになりたい。僕は魔法が好きなんだ。アンドリュー頼むよ。僕を元に戻してくれ!」 アンドリュー:「良かった。君がそう思ってくれていて。こちらもしばらくは傲慢を暴走させることなく封印しておけるからありがたいよ。早速、訓練に取り掛かろう。ここでは時の流れが遅いんだ。かなり鍛錬することになるよ。」 ジャック:「わかった。覚悟の上だよ。」 ジャック:「こうして僕は学校の帰りに森によっていき、訓練を受けることにした。自分の魔力回路を治すというのは想像以上に苦しく辛い作業だった。ゆがみの原因となった思いを抹消するために闇に閉じこもってひたすら自分と向き合う。傲慢と対面したのも辛かった。子供の魔物でプライドが高くなだめすかすのに長い時間がかかりそうだ。」 :舞台はAクラスの教室に移る アリス:「私は反対よ。レオの意見を尊重すべきだわ。」 オズワルド:「何言ってるんだ。俺らは火力職。回復職が必要に決まってるだろ。レオは自分を隠してるがかなり優秀だぞ。」 アリス:「レオはジャックと友達なの。1人があまり得意じゃない子なのよ。無理やり引っ張ってくるのは良くないわ。ジャックも一緒に誘いましょ。それなら来てくれると思うわ。」 オズワルド:「ジャックか。あいつの名前を出すな。思い出しただけで反吐がでる。実力が伴ってもいないのに正義感は一丁前に強いやつ嫌いなんだよ。正義感だけあってもお前は何を守れるんだよって話だぜ。」 アリス:「そんなこと、言わないで。ジャックはきっと強くなる。オズなんか追い越しちゃうんだから。」 オズワルド:「へっ、あいつがか?初級魔法すら怪しいぜ。レオも友達面してるがどうせあいつを見下してるんだろ。一緒に連れてきてもろくなことにならない。」 アリス:「レオは優しい子よ。そんなことある訳ないじゃない。きっといつも一緒にいるジャックに感謝しているはずよ。あら、レオ!」 レオ:「僕は君たちのパーティに入るよ。」 オズワルド:「そうだろうと思ったぜ。どうせ断る気なんだろ・・・・。えっ?」 レオ:「パーティに入る。ジャックなんて弱いやつとはもう仲良くしないよ。」 アリス:「レオ、本気で言ってるの?ジャックを悲しませるようなことしたら怒るわよ!?」 オズワルド:「おうおう、レオやっとわかったか!あんなやつ放っておけ。俺らで竜を討伐して伝説に名を残そうぜ?」 レオ:「ああ、君のいう通りだったよ。僕は最初戦いたくないって理由で僧侶をジョブに選んだ。でも結局そんな独りよがりでは誰も救うことなんてできない。結局僕にできることは強いやつをもっと強くすることなんだよ。そして後はそいつに任せるしかないんだ。結局自分じゃ何もできないなら強者に従うしかないんだ。」 オズワルド:「ふふん。やっとわかったか。お前は俺らについてくればいいんだよ。そうすれば俺らがお前の見たい景色を見せてやる。アリス、お前もそれでいいだろ。レオが望んでるんだ。ジャックには謝っといてくれ。レオはお前と一緒に選考大会には出ないってな。」 アリス:「レオ・・・。あなた変わったわね。あなたの本当にやりたいことがそれなら私はもう止めないわ。でもねこれだけは覚えといてほしい。選択には責任が伴うの。一度した選択をひっくり返すようなことになってもジャックは受け入れてくれるでしょうね。でもあなたの中で後悔は消えないわよ。私がオズワルドのチームにいる理由はジャックを焚き付けるため。ジャックに本気を出してもらうためよ。だから何の後悔もないわ。でもレオ、あなたは違う。苦楽を共にして支え合ってきた仲じゃないの。ジャックを傷つけたいなんてあなたも思ってないでしょ。」 レオ:「もういいんだ。これ以上あいつとやっててもしょうがないよ。一ミリも成長しないんだもん。」 オズワルド:「だろ。俺にはあいつと付き合うメリットは皆無だと思ってるぜ。あいつには向上心なんてもんがないんだ。それが実力に表れてる。」 アリス:「ふーん。そろそろ家に帰るわ私。」 オズワルド:「お、おい待てよ。俺も一緒に帰る。それじゃあレオまた明日、パーティについて話そう。」 レオ:「ジャック、ごめんよ。君のためにはこれがいいんだ。(小声で)」 :竜討伐部隊選抜試験当日、朝の森。 アンドリュー:「良くここまで頑張った。傲慢も君にすっかり懐いている。君の学校の選抜試験でもなかなかな順位になるだろうね。」 ジャック:「ありがとうございます。でも僕は魔法が好きな気持ちは誰にも負けないつもりだ。せっかくなら一番が取りたい。」 アンドリュー:「今の君の実力では無理だ。」 ジャック:「あっ。やっぱりそうなのか・・・。じゃああんまり期待しないでおこうかな・・・。」 アンドリュー:「でも大丈夫。君には傲慢がついてる。きっと一番を取れるよ。あいつはプライドが高いからね。」 ジャック:「どういうこと?もしかして傲慢が力を貸してくれるっていうのか。」 アンドリュー:「力を貸す・・・ねえ。まあそれは本番のお楽しみだよ。それよりジャック、これだけは覚えておいてくれ。困った時は自分の本心に従うんだ。戦いのときにどうしても力が発揮できない時が君にはある。今まで自分を押し殺してきた代償というわけだね。ついつい教科書通りに魔法を出そうとしてしまうだろう。そうじゃない。自分の心のおもむくままに言葉を紡ぎなさい。呪文は後付けでも構わない。そうすればきっと君の魔力は光り輝く。これは君にしかできないことだよ。」 ジャック:「心のおもむく・・・まま・・・。」 アンドリュー:「まあこれもそのうちわかるさ。とにかく君は忙しくなるだろう。結果を出したらまた報告に来なさい。」 ジャック:「アンドリューさん・・・ありがとう。僕やるよ。竜の首を取って帰ってくる。それまで待っててねー!(駆け出していく)」 アンドリュー:「行ったかジャック。君のこれからの数奇な運命を見させてもらうよ・・・(消えていく)」 :選抜試験会場 ジャック:「チーム分けが発表されてる。4人パーティのトーナメントバトル。僕はレオと2人パーティを組んだから。残り2人がフリーマッチングという感じか。」 オズワルド:「よう!パーティはどうだ。勝てそうか?」 ジャック:「オズワルド。今度こそ勝って見せるよ。あれ?レオ!どうして!」 オズワルド:「気づいたか?この表だとレオはお前のチームにはいないなあ!1人ぼっちになった気分はどうだ。」 ジャック:「レオがお前のチームに・・・オズワルド。貴様何をしたんだ。」 オズワルド:「俺はレオをスカウトしただけ。チームに入るのを決めたのはレオ自身だぜ。」 ジャック:「そんな訳ないだろ!レオが望んでお前のチームに入るわけがない。」 オズワルド:「本番を楽しみにしているんだな。ま、当たるかどうかもわからんが。」 ジャック:「そこからの記憶はあまりない。フリーマッチングしたメンバーがそこそこ強く、僕も強化された魔法を使えたのもあって、かなり攻撃特化なパーティに仕上がった僕たちはあれよあれよと戦いを突破し、決勝まで来てしまった。」 :決勝戦 アリス:「ジャック!ここまで来たのね。あなたならきっと目覚めると思ってた。」 オズワルド:「ふん、どうせパーティメンバー頼りだったんだろ。優秀なソロ活動者が3人もいるなあ。ただ学年最強の俺に勝てるかどうかは別だがなあ。」 アリス:「ジャック、黙ってないで何とか言ったらどうなの?ここまで来たのはあなたの実力もあったに決まってるわ。」 オズワルド:「こいつずっと黙ってやがる。愛しのレオを呼んでやろうか?おい!レオ!」 ジャック:「・・・!」 レオ:「ジャック相当腕を上げたんだね。でもここで諦めた方がいい。オズは闇魔法、アリスは光魔法が使えるんだ。それらは属性魔法の最上位級。君らが使う属性魔法では太刀打ちができないよ。」 ジャック:「・・・レオ、一つだけ約束してくれるか。この戦いに勝てば僕のパーティに戻ってこい。」 レオ:「・・・」 オズワルド:「はっはっはっ!いいだろう。この戦いに勝てばレオをお前に返してやる。ただ負ければお前は今後一切レオとの接触禁止だ。それでもいいならどうだ?」 ジャック:「・・・わかった。」 レオ:「・・・!。オズの仰せの通りに。」 司会:「さていよいよ、決勝戦。この戦いで竜を討伐し、学園の顔となる者達が決まる!戦う2チームはこちら!まずはチーム、オズワルド!チーム名ともなったオズワルドを筆頭にAクラスの猛者揃い。Dクラスの変わり種もいるが攻守ともにバランスのとれた最強チームだ!対するのはチーム、宵闇の光。各クラスから集まったソロスレイヤーがマッチングされて作られたチーム。その経歴は未だ闇に包まれるダークホース的存在!全員が攻撃特化の荒くれども達だ。」 アリス:「いよいよ始まったわね・・・。ジャック、あなたの力を私に見せて」 司会:「ルールは簡単、制限時間エンドレスで先に全員が戦闘不能になったチームの負け。この会場内での戦闘不能は死亡判定とはならないように特殊なシステムが働いていますのでのでお気遣いなく魔法をぶっ放しちゃってください。それでは両者見合って。」 オズワルド:「まあちゃちゃっと片付けてやる。めんどくさいのは嫌いなんだ。」 司会:「戦い、初め!」 オズワルド:「全てを取り込め。『闇への誘い』」 ジャック:「ぐっ・・・全部のステータスが大幅に下がってる。まずい、このままだと・・・」 アリス:「とどめよ。全てを切り裂け『ホーリーブレイド』」 司会:「光弱点も付与できる強力なデバフ魔法に、眩しい一閃の光攻撃魔法が炸裂。受けたパーティ全員が倒れています。これは決まったか。勝者!チーム、オズ・・おや1人立ち上がった。」 ジャック:「諦め・・・ない。まだまだ倒れるわけにはいかないんだ。」 司会:「おっと、残り一名がHP僅かながら立ち上がりました!1:4だがここから勝機はあるのか?闇に光を見出せるのか!?」 ジャック:「荒れ狂う炎よ、あいつらを煉獄に閉じ込め燃やし尽くせ、『ファイヤーウォール』」 司会:「なんと初級魔法ファイヤーウォールをこのように使うのは初めてです!四つの炎の壁がチーム、オズワルドを囲み押しつぶす!」 オズワルド:「ぐっ・・・」 アリス:「きゃぁぁぁ!」 レオ:「うぁぁぁぁぁ」 司会:「何と相手チームも2名が戦闘不能に!回復職を失い、残っているのはオズワルドとアリスだけです。ただHPはまだまだ余っている!」 オズワルド:「驚いたな!なかなかやるじゃないか。見直したぞ。俺のパーティに入らないか?そうすれば全て解決だろう。」 ジャック:「誰がお前の指図なんか・・・受けるかよ!」 アリス:「ジャック!ここまで、ここまで強くなったのね!私が好きなジャックが戻ってきたわ!」 ジャック:「アリス、ありがとう。でもここからはお遊びじゃない。君達に勝ってやる!」 オズワルド:「威勢だけは相変わらずだな。いいだろう。正直これは使いたくなかったが冥土の土産に見せてやるよ!ところでこの炎邪魔だな。フゥ」 ジャック:「ファイヤーウォールが無詠唱で消されただと?そしてなんだ?この魔力の高まりは。一旦離れた方が良さそうだ!」 アリス:「フフっ。これは私たちも初めてやるの。ジャック見ててね。」 オズワルド:「魔法の合体だよ。広範囲型のね。ジャック!貴様は俺が葬ろう!この広い会場のどこに逃げても無駄だ。」 アリス:「万物の母なる太陽よ。闇を生み出すことをお許しください。全ては光が有るため」 司会:「何と光球が2人を包み込んだ!上に昇っていく!」 オズワルド:「母なる光よ。あなたから生まれ出ることをお許しください。闇の吾子よ全てを刺し尽くせ、絶望を与えよ。」 アリス:「『デスペアプロミネンス』(同時に)」 オズワルド:「『デスペアプロミネンス』(同時に)」 司会:「白く輝く光球の表面が波打っている!そしてそこから闇の矢が全方面に放たれた!」 ジャック:「これはやべえな・・・・飛んでくる矢は少しの間は避けられるが、暑い!・・・フラフラする。」 オズワルド:「どうだ!光魔法で相手の体力を少しずつ奪っていき、闇魔法でとどめをさす。全て防ぐ術は今のところないだろう。ハッハッハッハッ!」 ジャック:「どうにかここから逃げ出さないと、くそ、もうダメか、避けきれない!グアアアアア!」 司会:「闇の矢が次々にジャック選手の体を貫く!これはさすがに無理か!?勝者!チーム、オズ・・、な、何と?ジャック選手のHPが全快している!闇の矢がジャック選手を避け始めた!」 オズワルド:「何が起きている?我々の魔法が効かないだと!?」 アリス:「ジャックが立ち上がったわ。何だか様子が変よ。」 ジャック:「ごめんね。今ここで倒れるわけにはいかないんだ。素敵な魔法を見せてくれてありがとう!僕はジャック、傲慢なジャックだ!ハハハハハハハハ!」 オズワルド:「どうなってんだ。この異様な魔力。さっきまでのやつと違う!」 アリス:「まずいわオズ、いますぐ離れましょう。魔法を解除するのよ!」 オズワルド:「ちょっと待て!複雑な術式なんだ。今すぐに解除できない!」 ジャック:「ねえ君たち。どうして闇の矢が僕を避けているのか不思議だろう?冥土の土産に教えてやろう。魔法にはまだまだだ上があるんだ。今見せているのは重力魔法。この魔法は空間を歪ませる魔法なんだ!」 オズワルド:「ふん、空間を歪ませるだと?それがどうしたって言うんだよ!」 ジャック:「空間が歪むと光も闇も、その他の下位属性魔法も進行方向が自由に変わるんだ。だからこんなことができるんだよ。我に歯向かうものを全て取り込め!『グラビティ・ボルテックス』!」 アリス:「どうして!光が薄くなっていく!」 オズワルド:「闇の矢を出しているはずなのに何も放たれていない。どうなっている!」 ジャック:「君たちの攻撃は今、空間の歪みに全て吸い込まれている状況なんだよ。星空に眠るブラックホールの力を借りてね。」 オズワルド:「アリス、おかしいぜ。魔法を解除できない!」 アリス:「私もよ、どうして?何が起きてるの?」 ジャック:「吸い込まれたものに外の者は干渉することができないんだよ。そしてこういうこともできちゃうんだ。我に歯向かいしものを全て元に返せ『ワイト・ゲート』!」 オズワルド:「闇の矢が元に戻った!何だ。こっちに向かってくるぞ。」 アリス:「あ、熱い、苦しい!」 オズワルド:「ウガアアアアア!」 アリス:「ギャアアアアア!」 司会:「あ、ああ、勝者、チーム、宵闇の光!只今より審議に入りますので、これにて閉場とします!な、なんたることだ!」 ジャック:「こうして竜討伐部隊選考会は幕を閉じた。戦いの時、闇の矢が刺さって今、まさにHPが0になろうとする瞬間、僕の頭を支配したのはどす黒い感情だった。どうして僕は無力なんだ。幼馴染に見下され、友人を失った。どうして、ドウシテ、チカラガホシイ、スベテヲトリモドシテヤル。その時、傲慢が話しかけてきたんだ。オレニオマエノカラダヲスコシカセ、オマエノウソツキノツミヲツグナワセテヤルってね。僕は迷わず呟いた。イイトモ、オレガクルシンダブンノツヨサヲミセテヤレってね。多分それが自分が初めてまともに使った魔法だったんだ。そして傲慢が召喚された。」 :以下は演じても演じなくても大丈夫です。 アリス:「ジャックに敗れた後、オズワルドはいなくなってしまった。親から休学の申し出があったようだ。ああ、ジャック、ジャック。あなたの目の前には私だけいればよかったのに、あなたは私より強くなってしまったわ。あなたを嫉妬させるために仲良くしていたオズワルドもあなたは消してしまった。もうあなたを縛るものが無くなってしまったじゃない。嫌よ。あなたは私だけ見ていればいいの。もっと強くなってやるんだから。小さい頃のどこか遠くに行ってしまいそうなほど強いジャックは私には、いらない。一生私の中にいればいいの。」 :竜討伐編に続く