台本概要

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タイトル 分冊版 ローランド戦記 一項 ファーストエンカウント 前編 
作者名 世忍  (@yosinobu_voice)
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男2、女2) ※兼役あり
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 光と闇の破壊素を巡る
世代を超えるSFファンタジーの第一弾

失踪した勇者の娘リリィとさすらいの剣士ロジー、そして謎の術を使うリノア
三人の出会いの物語
※ろくしょうるり様のローバーゲイルの世界観を作者公認のもと一部使わせて頂いています

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
リリィ 44 本編の主人公 人族と魔族のハーフ(半魔) 大気に漂う魔素を銃に取り込み弾丸を生成する 母は勇者エリス 体内に魔王の力に似た何かが内包されている
リノア 32 神聖術を扱う女性 ある聖なる力を求め旅をしていた 魔族を嫌っており半魔であるリリィも同様に嫌っていたが彼女の内面に触れ徐々に打ち解けていく
ロジー 1 ロジー・ローランド 剣と魔術の才能に恵まれた王族だが現在は出奔し傭兵まがいな事をして生計を立てている、粗暴な面もあるが女子供を傷つける事を極端に嫌う 以下ロジーの兼ね役(ジウ・老いぼれた貧民)
警備兵(ジウ) 17 ちょっとお調子者 ロジーの兼ね役
老いぼれた貧民 14 腹黒おじいさん ロジーの兼ね役
警備兵(先輩) 13 まじめなジウの先輩
貧民の青年 7 非常に怠惰で横暴な性格 マーシャという幼馴染がいる 町人も兼役でお願いします
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:以下兼ね役マーク用 ロジー:兼ね役・警備兵(ジウ)・老いぼれた貧民 警備兵(ジウ): 老いぼれた貧民: 0: 0: 警備兵(先輩):兼役・貧民の青年・町民 貧民の青年: 町民: 0: ~本編~   リリィ:(息切れの息づかい)・・ここまで来れば・・大丈夫かな 警備兵(ジウ):いましたっ!!こっちです先輩 :リリィ走り出す リリィ:なぁ! 警備兵(ジウ):こんな裏路地を走って・・逃げ切れると思っているのか :ゴミ箱を投げつける リリィ:はぁはぁ・・しつっこい!! 警備兵(ジウ):うっぷぇ!っきったねぇぇ!! :リリィの正面に回り込んだもう一人の警備兵、両手を広げて行く手を阻む 警備兵(先輩):ここまでだ! :警備兵を飛び越えるリリィ リリィ:うわあああぁぁ!!っとぉぉぉなんてね!!!! 警備兵(ジウ):先輩を飛び越えたぁ!?だったら!! リリィ:大気の魔素が・・集まっていく 警備兵(ジウ):マレラ・レチャ・グ・ラィ!・・先輩!打ち上げますよ!! 警備兵(先輩):ちょ、おまっ!!・・ぐおおおおおおおおおぉぉぉ!! リリィ:上がってきたあああ 0:――― 荒れた街の屋根を伝って逃走するリリィ 警備兵(ジウ):まぁぁぁてぇぇぇぇぇ!このコソ泥めぇぇ! リリィ:はぁはぁ・・待てと言われて待つバカがドコにいるもんかっよぉ! 警備兵(ジウ):てぇんめぇぇ! 警備兵(先輩):もういい!発砲を許可するジウ! 警備兵(ジウ):先輩!?了解です!コソ泥が!覚悟しやがれ!! リリィ:はぁ?っバズーカ!?ちょっ噓だろぉ、そんな物を市街地で使う!? 警備兵(先輩):問答無用!! 警備兵(ジウ):落ちろぉぉ(バズーカの引き金を引く) 0:爆風で下に落ちていくリリィ リリィ:う・・うわああぁぁぁぁぁぁ!! 0 0:――― (間) 警備兵(ジウ):よぉぉっし、ざっまぁみろ! 警備兵(先輩):よくやったジウ、この高さでは生きていないだろうが・・一応確認しにいくぞ 警備兵(ジウ):了解です!先輩!! 0:(長めの間) リリィ:深淵の闇夜に、二対の剣閃が煌めく リリィ:一人は*母様《かあさま》、もう一人は・・*暗緑《あんりょく》の目をした私の知らない男 リリィ:二人とも目に涙を溜め、何かに抗おうとしている様にも見える リリィ:*母様《かあさま》の持つ聖剣、エクスカリバーから放たれる光の奔流は天をも貫き、そして男の操る闇は空間を穿ち、山脈をも消滅させる リリィ:神の如き力を持つ二人の戦いは拮抗していた・・しかし僅かな隙をつき母の、勇者の一撃が男を貫く リリィ:男は母様に何かをつぶやき リリィ:そして母様は・・ 0: 0:(長めの間) 0:タイトルコール リノア:ローランド戦記 第一項 ファーストエンカウント 0:(長めの間) リリィ:う、いたぁ・・くっそ~、あいつ等むちゃしやがってぇ・・あっ銃・・僕の銃は・・あったぁぁぁ*母様《かあさま》の形見・・ (追手の気配を感じる) リリィ:って・・くそ、あいつらもう来たのか リリィ:マレラ・アレ「大気に漂う魔素よ我が銃に集まり力を留めよ」 リリィ:母様、僕負けないよ・・あんな奴らに・・お前たちっ!私はここだ!捕まえれるものなら捕まえてみやがれってんだ!! 警備兵(ジウ):てめぇ!そんな所に居やがったのか! 警備兵(先輩):おい!(小声)ジウお前は右へ回れ、私が正面から出る 警備兵(ジウ):(小声)了解です 警備兵(先輩):ファーガス様のお屋敷へ侵入するとは命知らずの小娘・・む、その肌色・・貴様魔族?いや、半魔か? リリィ:そうだ!僕は勇者エリスと誇り高き魔族の娘、リリィ!! 警備兵(先輩):勇者エリスだと?ふ、ははははっ嘘もたいがいにするんだな!勇者の娘がこんな所でコソ泥をしているはずがないだろ!! リリィ:コソ泥なんかじゃない!僕は義賊だ!!それに嘘なんかついてない!、裏切られたのは*母様《かあさま》だ! 警備兵(先輩):っ! 0:――― ジウ飛び出してリリィに抱き付く 警備兵(ジウ):先輩!なにやってるんですか!手伝ってくださいっ確保っす! リリィ:お前!離せぇ! 警備兵(先輩):・・ジウ!よくやった!!コソ泥を確保するぞ! リノア:吹き飛べ!! 0:――― 何者かの魔法を受けジウが吹っ飛ぶ 警備兵(ジウ):どわぁぁぁぁ! 警備兵(先輩):ジウ?!誰だ!? リノア:ふんっ・・お前たち!大の大人が女の子によってたかって、酷いもんだねぇ!! 0:リリィは銃を構える リリィ:このっ!吹っ飛べぇ!! 0 0:――― リリィの銃弾を受け吹っ飛び気絶する 警備兵(先輩):ぐはぁ!・・ぐ・・ぅぅ 警備兵(ジウ):せ、先輩!!あぁぁちくしょう!白目見剥いてやがるっ覚えてやがれよテメェら! リリィ:助かったよ、君! 0 0:――― リノア手の平をリリィに見せる リノア:あぁ、危ないところだったな リリィ:僕はリリィ。君は? リノア:リノアだ!・・ところでさ リリィ:? リノア:ほら・・あれだよアレ・・助けてもらったんだから出すもん・・あるんじゃないのかい? リリィ:・・へ リノア:いやだなぁ、お金だよお金!助けてやったんだからさ報酬ってヤツさ、 リリィ:はぁぁぁぁ!? リノア:あんたはさっき貴族様の屋敷から出てきて奴らに追われてたってことは、・・そういう事なんだろ? リリィ:ダメだよリノア!これが無いと薬と・・今日食べる物も無い人達がいる、死んでしまう人だっているんだ!! リノア:は・・はぁぁぁぁぁ?あんた人の為に盗人してるって事かい?最近の魔族は人が良いねぇ リリィ:魔族じゃなく半魔!!人類の勇者エリスと誇り高き魔族とのハーフ、義賊のリリィったぁ僕の事さ リノア:ぷっ リリィ:なにを笑う! リノア:あんた、ソレよそで言わない方がいいぜっ、後あたいは・・魔族が大っ嫌いだ!! 0 0:――― 村へ帰る二人 老いぼれた貧民:おぉリリィ様じゃ!皆の者、リリィ様が帰って来たぞ! 貧民の青年:あぁ、帰ってきたのか・・ リリィ:皆、待たせてごめん、コレでなにか栄養の付くものを・・あ、おじいさんこのお金で薬をあの子に・・お願いします 老いぼれた貧民:分かった必ず届けよう リリィ:あとの皆は・・ごめん今回は途中で見つかっちゃってこれだけしかないんだ・・うん・・本当にごめん 貧民の青年:な・・たったこれだけなのかよ・・ リリィ:え・・ リノア:ちょっと待てよ、そこのお前、お前だよ!! 0:――― 青年の胸ぐらをつかむ 貧民の青年:痛ぇ!・・なんだよテメェは!! リノア:お前、恵んでもらってなんなんだその態度は! 貧民の青年:うるっせぇ、誰なんだこのアマは!? リノア:誰でもいいだろうが!そもそもお前はなんで働いてねぇんだ!?どこも悪くないし働く気が無いだけなんじゃないのか!? 貧民の青年:っ!!てめぇ! リリィ:やめて!リノア、本当に雇ってくれるところが何処にも無いの・・この人達は私が養うしかないの。 リノア:半魔!・・くそったれが! 0:――― リノア、青年を突き飛ばす 貧民の青年:ぐ! リノア:いくぞ半魔、食事だ! リリィ:は、はい! 0:長めの間 リノア:マスター、こっからここまでのメニュー全部持ってきてくれ リリィ:・・あの・・リノアさん、そんなに食べるんですか? リノア:あぁ。魔法使いはカロリー食うからな!しっかり食べとかないとな リリィ:(笑いながら)そ、そうですね、でもあの魔法って・・初めて見た気がする リノア:うん?そっかぁ? リリィ:あ、それとあの魔法って使ったとき周囲の魔素が消費されなかった・・様に見えたんだけど リノア:お!それに気が付くとはやるなお前・・私が使うのはフィアレア・・は一般的じゃねぇか、魔素を利用した魔法じゃねぇんだ リリィ:え?魔素を使わないって・・? リノア:あぁ、神聖術って言うんだ、厳密に言うとさっきのは術ですらない、ただの神聖力をそのまま行使したってだけだ リリィ:神聖術・・そんなのがあるんですね リノア:神聖力ってのは人間であれば誰でも持ってるんだぜ。それを使うことはそれほど難しい事じゃねぇ・・それはそうと半魔、お前いつもあんな危ない事してんのか? リリィ:えぇ・・まぁ リノア:やめとけやめとけ!あいつらはたしかに仕事が無く、お前がいねぇと生きていけないのかもしれない・・だがソレに甘えてんだ、やつらの目からは生気を感じねぇし生きる気概がねぇ、そしてそうさせてしまっているのはリリィ・・お前だ リリィ:でも!・・・・・・(小声)だったらどうしたらいいんだよ・・僕は勇者の母と誇り高き魔族の娘 0: リノアに頭をこずかれる リリィ:痛い! リノア:それだよそれ、お前魔族はともかくとして勇者の子って事を意識しすぎだ!恵まれない貧しい者へ、勇者の子である自分が施してあげるってな リリィ:! リノア:それは選民意識だよ、貴族たちと同じな! リリィ:そんな! リノア:あいつらの為にもならねぇんだ、さっさと奴らと手を切れ、半魔! 0:― 離れたテーブルが騒がしい― 老いぼれた貧民:あはははは!我らも捨てたもんではないらしい!働くまでもなくリリィ様が金をどんどん持ってきてくれるからのう 町民:おいおい働いてねぇのかよ、働かずにこんないい飯が食えるなんて羨ましいなオイ!! 老いぼれた貧民:あの小娘ちょっと持ち上げてやればいくらでも金を持ってきてくれる打出の小づち!! 町民:はっ!そりゃひでぇや、ちなみにその小娘の名前はなんて言うんだい。 老いぼれた貧民:あ~リ(リィ) リノア:(テーブルを叩く)くそジジイ!! 老いぼれた貧民:ひゃぁ!? リノア:その先を言ってみろ! 老いぼれた貧民:お、お前はリリィと一緒にいた リリィ:おじいさん 老いぼれた貧民:リリィ・・様 リリィ:おじいさん、なんでココでお酒飲んでるの?ここ・・結構高いところだよ 老いぼれた貧民:い・・いやぁどうもすいません、リリィ様私ここの人達に偶然奢られて一杯やっておりまして、なぁ、そうだよな? 町民:えぇ偶然・・古い知り合いだったもので 老いぼれた貧民:もちろん!お薬はあの子に飲ませておりますじゃ リノア:(舌打ち) 老いぼれた貧民:それはそうとリリィ様、昨日忍び込んだファーガス邸からまた良からぬ噂が立っているようですじゃ。なんでも人々を攫ってきては魔素の人体実験に使っているとかなんとか リノア:おい! 老いぼれた貧民:特殊な魔素を体内に取り入れ魔物に!いや魔族に変質させる実験!この様な事が許されていいものか リリィ:僕・・行くよ! リノア:ふざけんな!くそジジイ!! リリィ:リノア!大丈夫だから!! 老いぼれた貧民:ほっほっほ、リリィ様なら必ずやそう言って下さると思っておりました リノア:あぁぁぁぁ~もぉ!!じゃあ私も行く!半魔!!お前だけだと危なっかしいんだよ!

0:以下兼ね役マーク用 ロジー:兼ね役・警備兵(ジウ)・老いぼれた貧民 警備兵(ジウ): 老いぼれた貧民: 0: 0: 警備兵(先輩):兼役・貧民の青年・町民 貧民の青年: 町民: 0: ~本編~   リリィ:(息切れの息づかい)・・ここまで来れば・・大丈夫かな 警備兵(ジウ):いましたっ!!こっちです先輩 :リリィ走り出す リリィ:なぁ! 警備兵(ジウ):こんな裏路地を走って・・逃げ切れると思っているのか :ゴミ箱を投げつける リリィ:はぁはぁ・・しつっこい!! 警備兵(ジウ):うっぷぇ!っきったねぇぇ!! :リリィの正面に回り込んだもう一人の警備兵、両手を広げて行く手を阻む 警備兵(先輩):ここまでだ! :警備兵を飛び越えるリリィ リリィ:うわあああぁぁ!!っとぉぉぉなんてね!!!! 警備兵(ジウ):先輩を飛び越えたぁ!?だったら!! リリィ:大気の魔素が・・集まっていく 警備兵(ジウ):マレラ・レチャ・グ・ラィ!・・先輩!打ち上げますよ!! 警備兵(先輩):ちょ、おまっ!!・・ぐおおおおおおおおおぉぉぉ!! リリィ:上がってきたあああ 0:――― 荒れた街の屋根を伝って逃走するリリィ 警備兵(ジウ):まぁぁぁてぇぇぇぇぇ!このコソ泥めぇぇ! リリィ:はぁはぁ・・待てと言われて待つバカがドコにいるもんかっよぉ! 警備兵(ジウ):てぇんめぇぇ! 警備兵(先輩):もういい!発砲を許可するジウ! 警備兵(ジウ):先輩!?了解です!コソ泥が!覚悟しやがれ!! リリィ:はぁ?っバズーカ!?ちょっ噓だろぉ、そんな物を市街地で使う!? 警備兵(先輩):問答無用!! 警備兵(ジウ):落ちろぉぉ(バズーカの引き金を引く) 0:爆風で下に落ちていくリリィ リリィ:う・・うわああぁぁぁぁぁぁ!! 0 0:――― (間) 警備兵(ジウ):よぉぉっし、ざっまぁみろ! 警備兵(先輩):よくやったジウ、この高さでは生きていないだろうが・・一応確認しにいくぞ 警備兵(ジウ):了解です!先輩!! 0:(長めの間) リリィ:深淵の闇夜に、二対の剣閃が煌めく リリィ:一人は*母様《かあさま》、もう一人は・・*暗緑《あんりょく》の目をした私の知らない男 リリィ:二人とも目に涙を溜め、何かに抗おうとしている様にも見える リリィ:*母様《かあさま》の持つ聖剣、エクスカリバーから放たれる光の奔流は天をも貫き、そして男の操る闇は空間を穿ち、山脈をも消滅させる リリィ:神の如き力を持つ二人の戦いは拮抗していた・・しかし僅かな隙をつき母の、勇者の一撃が男を貫く リリィ:男は母様に何かをつぶやき リリィ:そして母様は・・ 0: 0:(長めの間) 0:タイトルコール リノア:ローランド戦記 第一項 ファーストエンカウント 0:(長めの間) リリィ:う、いたぁ・・くっそ~、あいつ等むちゃしやがってぇ・・あっ銃・・僕の銃は・・あったぁぁぁ*母様《かあさま》の形見・・ (追手の気配を感じる) リリィ:って・・くそ、あいつらもう来たのか リリィ:マレラ・アレ「大気に漂う魔素よ我が銃に集まり力を留めよ」 リリィ:母様、僕負けないよ・・あんな奴らに・・お前たちっ!私はここだ!捕まえれるものなら捕まえてみやがれってんだ!! 警備兵(ジウ):てめぇ!そんな所に居やがったのか! 警備兵(先輩):おい!(小声)ジウお前は右へ回れ、私が正面から出る 警備兵(ジウ):(小声)了解です 警備兵(先輩):ファーガス様のお屋敷へ侵入するとは命知らずの小娘・・む、その肌色・・貴様魔族?いや、半魔か? リリィ:そうだ!僕は勇者エリスと誇り高き魔族の娘、リリィ!! 警備兵(先輩):勇者エリスだと?ふ、ははははっ嘘もたいがいにするんだな!勇者の娘がこんな所でコソ泥をしているはずがないだろ!! リリィ:コソ泥なんかじゃない!僕は義賊だ!!それに嘘なんかついてない!、裏切られたのは*母様《かあさま》だ! 警備兵(先輩):っ! 0:――― ジウ飛び出してリリィに抱き付く 警備兵(ジウ):先輩!なにやってるんですか!手伝ってくださいっ確保っす! リリィ:お前!離せぇ! 警備兵(先輩):・・ジウ!よくやった!!コソ泥を確保するぞ! リノア:吹き飛べ!! 0:――― 何者かの魔法を受けジウが吹っ飛ぶ 警備兵(ジウ):どわぁぁぁぁ! 警備兵(先輩):ジウ?!誰だ!? リノア:ふんっ・・お前たち!大の大人が女の子によってたかって、酷いもんだねぇ!! 0:リリィは銃を構える リリィ:このっ!吹っ飛べぇ!! 0 0:――― リリィの銃弾を受け吹っ飛び気絶する 警備兵(先輩):ぐはぁ!・・ぐ・・ぅぅ 警備兵(ジウ):せ、先輩!!あぁぁちくしょう!白目見剥いてやがるっ覚えてやがれよテメェら! リリィ:助かったよ、君! 0 0:――― リノア手の平をリリィに見せる リノア:あぁ、危ないところだったな リリィ:僕はリリィ。君は? リノア:リノアだ!・・ところでさ リリィ:? リノア:ほら・・あれだよアレ・・助けてもらったんだから出すもん・・あるんじゃないのかい? リリィ:・・へ リノア:いやだなぁ、お金だよお金!助けてやったんだからさ報酬ってヤツさ、 リリィ:はぁぁぁぁ!? リノア:あんたはさっき貴族様の屋敷から出てきて奴らに追われてたってことは、・・そういう事なんだろ? リリィ:ダメだよリノア!これが無いと薬と・・今日食べる物も無い人達がいる、死んでしまう人だっているんだ!! リノア:は・・はぁぁぁぁぁ?あんた人の為に盗人してるって事かい?最近の魔族は人が良いねぇ リリィ:魔族じゃなく半魔!!人類の勇者エリスと誇り高き魔族とのハーフ、義賊のリリィったぁ僕の事さ リノア:ぷっ リリィ:なにを笑う! リノア:あんた、ソレよそで言わない方がいいぜっ、後あたいは・・魔族が大っ嫌いだ!! 0 0:――― 村へ帰る二人 老いぼれた貧民:おぉリリィ様じゃ!皆の者、リリィ様が帰って来たぞ! 貧民の青年:あぁ、帰ってきたのか・・ リリィ:皆、待たせてごめん、コレでなにか栄養の付くものを・・あ、おじいさんこのお金で薬をあの子に・・お願いします 老いぼれた貧民:分かった必ず届けよう リリィ:あとの皆は・・ごめん今回は途中で見つかっちゃってこれだけしかないんだ・・うん・・本当にごめん 貧民の青年:な・・たったこれだけなのかよ・・ リリィ:え・・ リノア:ちょっと待てよ、そこのお前、お前だよ!! 0:――― 青年の胸ぐらをつかむ 貧民の青年:痛ぇ!・・なんだよテメェは!! リノア:お前、恵んでもらってなんなんだその態度は! 貧民の青年:うるっせぇ、誰なんだこのアマは!? リノア:誰でもいいだろうが!そもそもお前はなんで働いてねぇんだ!?どこも悪くないし働く気が無いだけなんじゃないのか!? 貧民の青年:っ!!てめぇ! リリィ:やめて!リノア、本当に雇ってくれるところが何処にも無いの・・この人達は私が養うしかないの。 リノア:半魔!・・くそったれが! 0:――― リノア、青年を突き飛ばす 貧民の青年:ぐ! リノア:いくぞ半魔、食事だ! リリィ:は、はい! 0:長めの間 リノア:マスター、こっからここまでのメニュー全部持ってきてくれ リリィ:・・あの・・リノアさん、そんなに食べるんですか? リノア:あぁ。魔法使いはカロリー食うからな!しっかり食べとかないとな リリィ:(笑いながら)そ、そうですね、でもあの魔法って・・初めて見た気がする リノア:うん?そっかぁ? リリィ:あ、それとあの魔法って使ったとき周囲の魔素が消費されなかった・・様に見えたんだけど リノア:お!それに気が付くとはやるなお前・・私が使うのはフィアレア・・は一般的じゃねぇか、魔素を利用した魔法じゃねぇんだ リリィ:え?魔素を使わないって・・? リノア:あぁ、神聖術って言うんだ、厳密に言うとさっきのは術ですらない、ただの神聖力をそのまま行使したってだけだ リリィ:神聖術・・そんなのがあるんですね リノア:神聖力ってのは人間であれば誰でも持ってるんだぜ。それを使うことはそれほど難しい事じゃねぇ・・それはそうと半魔、お前いつもあんな危ない事してんのか? リリィ:えぇ・・まぁ リノア:やめとけやめとけ!あいつらはたしかに仕事が無く、お前がいねぇと生きていけないのかもしれない・・だがソレに甘えてんだ、やつらの目からは生気を感じねぇし生きる気概がねぇ、そしてそうさせてしまっているのはリリィ・・お前だ リリィ:でも!・・・・・・(小声)だったらどうしたらいいんだよ・・僕は勇者の母と誇り高き魔族の娘 0: リノアに頭をこずかれる リリィ:痛い! リノア:それだよそれ、お前魔族はともかくとして勇者の子って事を意識しすぎだ!恵まれない貧しい者へ、勇者の子である自分が施してあげるってな リリィ:! リノア:それは選民意識だよ、貴族たちと同じな! リリィ:そんな! リノア:あいつらの為にもならねぇんだ、さっさと奴らと手を切れ、半魔! 0:― 離れたテーブルが騒がしい― 老いぼれた貧民:あはははは!我らも捨てたもんではないらしい!働くまでもなくリリィ様が金をどんどん持ってきてくれるからのう 町民:おいおい働いてねぇのかよ、働かずにこんないい飯が食えるなんて羨ましいなオイ!! 老いぼれた貧民:あの小娘ちょっと持ち上げてやればいくらでも金を持ってきてくれる打出の小づち!! 町民:はっ!そりゃひでぇや、ちなみにその小娘の名前はなんて言うんだい。 老いぼれた貧民:あ~リ(リィ) リノア:(テーブルを叩く)くそジジイ!! 老いぼれた貧民:ひゃぁ!? リノア:その先を言ってみろ! 老いぼれた貧民:お、お前はリリィと一緒にいた リリィ:おじいさん 老いぼれた貧民:リリィ・・様 リリィ:おじいさん、なんでココでお酒飲んでるの?ここ・・結構高いところだよ 老いぼれた貧民:い・・いやぁどうもすいません、リリィ様私ここの人達に偶然奢られて一杯やっておりまして、なぁ、そうだよな? 町民:えぇ偶然・・古い知り合いだったもので 老いぼれた貧民:もちろん!お薬はあの子に飲ませておりますじゃ リノア:(舌打ち) 老いぼれた貧民:それはそうとリリィ様、昨日忍び込んだファーガス邸からまた良からぬ噂が立っているようですじゃ。なんでも人々を攫ってきては魔素の人体実験に使っているとかなんとか リノア:おい! 老いぼれた貧民:特殊な魔素を体内に取り入れ魔物に!いや魔族に変質させる実験!この様な事が許されていいものか リリィ:僕・・行くよ! リノア:ふざけんな!くそジジイ!! リリィ:リノア!大丈夫だから!! 老いぼれた貧民:ほっほっほ、リリィ様なら必ずやそう言って下さると思っておりました リノア:あぁぁぁぁ~もぉ!!じゃあ私も行く!半魔!!お前だけだと危なっかしいんだよ!