台本概要
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タイトル | split |
---|---|
作者名 | 夜花RC (@MagumaAmansa) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 5人用台本(男3、女2) ※兼役あり |
時間 | 40 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
中二病チックな主人公、優斗は会社に勤めていてそこからいろいろな出来事に出くわす そこに待っているのは絶望か…それとも幸福か… 4人でもできるかもしれないけどその時は覚悟して挑んでみてください 121 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
N |
女 ![]() |
25 | ナレーションです |
優斗 |
男 ![]() |
70 | 中二病チックな社会人 何かといろいろ苦労人 |
上司 |
男 ![]() |
21 | 優斗の上司 クズ1 孝一と兼ね役 |
理子 |
女 ![]() |
24 | 優斗の彼女(元) クズ2 Nと兼ね役 |
同僚 |
男 ![]() |
25 | 優斗の同僚 クズ3 弘樹と兼ね役 |
弘樹 |
男 ![]() |
43 | 優斗の友達 人情に厚く頼れる男 |
孝一 |
男 ![]() |
48 | 優斗の友達 チャラいが友達思いの男 |
佳苗 |
女 ![]() |
49 | 僕っ子 過去に優斗に告白したが断られているが… |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
N:中二病…誰しもとまではいわないがある一定の人が通る恥ずかしき道…
N:そのまま成長し…大人になっても変わらない人もいるわけで…
N:そんな中二病を抱えたまま大人になり…会社に身を置く男性が一人
N:名を…渡良瀬優斗と言う
優斗:我!君臨セリは我を封じ込め!悪行の道へと織りなさんこの終焉の舞台で!
上司:どうでもいいけどさっさと書類かけよ!たまってんだよ!!!
優斗:フッ我に指図をするとは…身の程を知れ!
上司:いいからさっさとかけよ!!!クビにするぞ!
優斗:すみません…すぐに取り掛かります…
優斗N:俺自身分かってるんだよ!そんなこと!中二病のままここまで通ってきたんだ…
優斗N:でも俺には彼女の理子がいる…それだけで…俺の心は救われるんだ…
理子:また怒られてたねー大丈夫?
優斗:フッ…これしきの事で心を病む我ではない!!!
理子:も~またそのしゃべり方ーどうにかなんないの?
優斗:我はいつでもこのままさ…それが我のアイデンティティなのだよ!
理子:そういうところも面白いけどさぁ…ここは会社なんだからしっかりしなよ!
優斗:すみません…以後気を付けます…
理子:わかればよろしい!!!
上司:理子くん…悪いんだがこっちに来てもらってもいいかな?
理子:はーい!わかりました!
理子:それじゃあ優斗?後でね?
優斗:うむ!業務に励めよ!
優斗N:いつもこの時間に上司に呼ばれてるがなんでだろう…最近マインを送っても返事が遅かったりとかしたけど…
同僚:はぁー…やっぱりかわいいよなぁ理子ちゃん…
優斗:…
同僚:どうしてお前みたいなやつと理子ちゃんは付き合ってんだろうな…お前の彼女俺によこせよ!
優斗:で…できません…
同僚:できねぇじゃねえんだよ!俺がよこせって言ったらよこせよ!
上司:同僚くん…悪いがこっちに来てくれないか…ちょっと人手が必要なんだ
同僚:お?あれですね?
上司:そうあれだよ…よかったらどうだ?
同僚:わかりました!でしたらご同伴に預かります!あ…そうだ…おい優斗…十分後に倉庫に来てみろ…きっと面白いものが見れるぜ…
優斗:…面白いもの?
同僚:あぁ…絶対に見に来いよな!
優斗:わ…わかりました…
優斗N:面白いものってなんだろ…それにあれって?上司と同僚…それに理子…もしかして…まさか…
N:10分後に倉庫に来いと言われた優斗…まだ頼まれた書類も書き終えてないというのに…
N:それでも優斗の中では何かが渦巻いていた…何か嫌な予感がすると…自分にとって最悪なことが起こるかもしれないと…
優斗N:10分たったな…倉庫に見に行ってみよう…
優斗N:でもなんで倉庫なんだろ…倉庫整理なら男だけでもできるのにどうして理子も?よくわからない…
優斗:ここか…我を導いた場所は…いざ!混沌の扉を開かん!!!
N:開けた先に待っていたのは…上司と同僚と…それに二人と交わっていた理子だった…
優斗:え…理子?…それに上司さんと同僚まで…なんで…
上司:おいおい見てしまったのか…
同僚:観客が多いと盛り上がるでしょ?
理子:あ…見てる?優斗ぉ…私今上司と同僚くんにかわいがってもらってるのぉ…
優斗:え…どうして…理子と俺は付き合ってて…それに…婚約もしていたのに…どうしてこんなこと
上司:そうなのかね?それはご愁傷様だね…
同僚:だから言っただろ?面白いもの見れるって…それにこいつ…俺か上司の子供をはらんでるんだぜ?
優斗:嘘だ…そんなの…嘘だ…どうして…
理子:だって…上司と同僚くん優しいんだもん…それに比べて優斗はオタクみたいでキモいし…なんかヤダ
優斗:やだって
上司:おいおい言われてるぞ?そんな情けない部下だったとは…
同僚:仕方ないですよーwwwだってこいつですよ?そんなの無理に決まってるでしょー
優斗:嘘だ…嘘だ…そんなの…嘘だ…
理子:ごめんね?でも優斗が悪いんだよ?いつまでたっても直さないんだからさ…
優斗:理子…そんな
N:裏切り…異常…決別…崩壊…そんなことが渦巻くこの部屋で…優斗は…崩壊していった…
優斗:うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
0:
N:その後身に入らない業務をこなし帰路についた優斗…それもそのはずだ
N:見たくもないものを見せられて…元気になるなんて一定の人だけだ…
優斗:会社に行きたくない…理子の顔も見たくない…誰にも会いたくない…
優斗:こんなのあんまりじゃないか…俺が一体何したっていうんだ…
孝一:お?優斗じゃないか?どうしたんだ?
弘樹:あいつふらふらしてねぇか?…って!!!赤信号だぞ!!!
孝一:あいつ!!!
N:優斗は気付かないまま赤信号に飛び出していた…それを助けるべく浩一と弘樹は走り出した
孝一:おい!優斗!!!何してんだよ!死にてぇのか!
弘樹:落ち着けよ孝一…優斗がこういう風になってるのも理由があるんだろ…
孝一:…そうだな…おい優斗!いったい何があったんだよ!
優斗:…
孝一:いつもだったら中二病全開で返してくるのにこんな風になってるなんてな…
弘樹:とにかく場所を移そうぜ…優斗…お前の家でいいか?
優斗:…うん
N:孝一と弘樹は何があったのか聞くべく優斗の家に向かう…目が死んでいて…ふらふらしている優斗を見たら当然だ
優斗:…
孝一:どうしたんだよ優斗…お前なんか様子がおかしいぞ?
弘樹:何かあったのか?会社で何か嫌なことでもあったのか?
優斗:…うっ
孝一:う???
弘樹:う???
優斗:うぉえええええええええ!!!!
孝一:うわ!吐いた!!!
弘樹:おいまじか!!!水!!!水もってこい!!!
N:あまりのストレスで吐いてしまった優斗…それを介抱する孝一と弘樹…
孝一:すっきりしたか?飲みすぎたのか?
弘樹:いや…違うだろ…優斗?何があったのか詳しく教えてくれ
優斗:それが…
N:優斗は会社で何があったのか事細かく話し出した…
孝一:…なんだよそれ
弘樹:異常すぎるな…昼間から…それこそ会社でとは…猿だな…
優斗:どうすればいいかわかんなくて…ただ逃げるしか…できなかった…
孝一:当然だろ…俺だって裸足で逃げてえよ…
弘樹:優斗…明日病院に行くぞ…
優斗:病院?なんで?
孝一:確かに吐いたけど病院レベルではないだろ…
弘樹:いや…そういう意味じゃねぇ…おそらくだが精神関係の病気だ…
優斗:…
孝一:おい…さすがにそれは
弘樹:いや…おそらくだが俺の見解が正しければ優斗は精神関係の病気だ
優斗:…そうなのかな
孝一:まぁ…そういうんだったら行った方がいいのかもな
弘樹:その隙に俺たちも動くぞ
孝一:動くって…何するんだよ
弘樹:決まってるだろ?その上司と同僚と理子ちゃんの事を探るんだよ
優斗:…それは
孝一:確かにな!このまま俺らのダチを傷つけたままで終わらせるなんてできねぇからな
弘樹:そうだな…絶対に許さねぇ…
優斗:…どうしてそんなことまで…
孝一:決まってるだろ!お前のためだよ!
弘樹:悔しくねぇのか?されっぱなしで辛いだろ?
優斗:…わからない
孝一:…まぁそんなことがあったその日に判断するのは難しいわな
弘樹:それもそうだ…とにかく明日病院に行くぞ?俺らもついていくからな
孝一:あ…俺明日仕事…
弘樹:休め
孝一:ウィッス…
N:そうして翌日3人で病院に行ったが医者から下されたのは
N:…うつ病の可能性があるってことだった…
N:だがその日で判断できない…翌日以降も通ってみたら双極性障害が下された
優斗:…そんな…なんで…俺が…嘘だ…嘘だ…嘘だ…
孝一:…クソ…ほんとに…クソ…クソ!!!
弘樹:許せねぇな…本当に…絶対に痛い目を見せてやる…覚悟してろ…必ずだ…必ず痛い目を見せてやる
優斗:…ありがとう
N:双極性障害(躁うつ病)を診断された優斗…彼の明日は…ひどく暗くなった…
0:
N:宣言通り孝一と弘樹は動いてくれた…そうしてわかったことは
N:一つ目は優斗と付き合い始めてからの関係だったこと
N:二つ目は優斗の事はお金でしか見ていなかった
N:三つ目は…罰ゲームで付き合ったことだ…
優斗:…どうして…なんで…本当に腐ってる
孝一:ここまで来ると虫唾が走るな…
弘樹:とことんにまで腐ってやがる…同じ人間として認めたくねぇ…
優斗:…2人ともありがとう…俺のためにここまで動いてくれて
弘樹:何言ってんだ…まだここで終わりじゃねぇぞ
孝一:当たり前だろ?こんなところで終わってたら意味がねぇんだよ!
優斗:…どうするの?
孝一:出るとこ出るに決まってんだろ?
弘樹:それだけじゃねぇ…業務時間内でそういうことをいたしてるんだ…会社の業務形態にも物申さないとな…
優斗:…そんなことして訴えられないの?
孝一:そういう時に弁護士が存在するんだよ!
弘樹:ってことで弁護士連れてきたぞ
優斗:…え?
孝一:え?早くないか?
弘樹:実は今回の事を話したら無料でもいいからやりたいって言ってくれた奴がいるんだよ
孝一:え?無料?大丈夫なのかそいつ…
弘樹:あぁ大丈夫だ…入ってきてくれ!
佳苗:失礼するね?久しぶりだね…優斗
優斗:え…佳苗…ちゃん?
孝一:え?!佳苗ちゃん!?ナンデ??!ドウシテ??!
弘樹:お前も知ってるだろ?佳苗ちゃんだ…
優斗:…どうして…俺は
佳苗:話はあとにしようか…今回の件…僕が担当させてもらうよ?
孝一:大丈夫なのか?
佳苗:話を聞いてみたら負ける要素が一度もないよ?それに僕個人で許されないからね
弘樹:そうだな
孝一:でもどうして無料でやってくれるんだ?弁護士だって仕事だろ?
佳苗:それはね…僕が優斗に対して…
優斗:告白してくれたからだよ…当時俺は理子と付き合ってたから断ったけど…
佳苗:おや…言われちゃったね…でもその通りだよ…今でも僕は君の事を愛しているんだ…だから力になってあげたいんだ…
孝一:そうだったのか…それだけで動けるのか
弘樹:それだけでも十分立派な理由だよ…まぁ孝一にはわからないか…
孝一:え?ひどくない?弁護士に相談するよ?いいの?佳苗ちゃん!弘樹を訴えたいです
佳苗:本官の預かりでは致しかねます
孝一:ちくしょーーーーーー!!!
弘樹:まぁ…優斗…せっかくなんだからやってもらえよ
佳苗:そうだね…優斗の事をそういう風に扱うなんて到底許されないことだからね…
佳苗:私情を含んでしまうけど僕自身でも許せないんだよね…君をそういう風な扱いをしてさ
孝一:同じく!ぜってぇ許さねぇ!!!
弘樹:そうだな…絶対に許さないし…逃がしちゃダメなんだよ…絶対にな…
優斗:ありがとう…本当に…
佳苗:早速だけど明日会社の方に抗議をしてみるよ…もちろん相手は隠すだろうけどそんなのは通用しないってことをわからせないとね
N:その翌日…早速佳苗は優斗の会社へと赴く…そして当の本人たちを呼び出す
佳苗:そのように優斗さんから話を伺ったのですが本当の事ですか?
上司:いえいえ…滅相もございません!むしろそういう風に命令したのは優斗ですよ
同僚:そうっすよ!俺たちは脅されてたんだ!!!そうしないとお前らをコロスって!!!
理子:私だって本当は優斗の事が好きなんですが普段から暴力を受けていて!!!それで…
佳苗:おかしいですね…あなた方の周りの人から聞いたらそのような事実はないという風に聞いていますが‥‥
上司:あいつらも脅されてるんですよきっと!そうに違いありません!!!
同僚:あいつは何をするかわかんないんですよ!だからみんなも怖がってそういう風に言ってるんですよ!
理子:どうしてあんなにやさしかった優斗がこんなことに…哀しいですよ…
佳苗N:大根芝居のいいところですね…ですがその大根芝居もいつまで続きますかね?
上司:弁護士さん!信じてください!
同僚:俺たちは何も悪くないっすよ!!!
理子:そうです!信じてください!!!
佳苗:そうですか…ここに社長からいただいた音声データと倉庫での防犯カメラがあります
上司:…え?
佳苗:これをもとに資料を作成いたしますので…次は法廷でお会いしましょうか
N:悪人の口から出る三文芝居…反吐が出そうなほどの詐欺師…
N:この者たちに…天罰は下るのか…
0:
N:その時の様子を優斗に説明する佳苗…そのことを聞き優斗はひどく呆れた…
優斗:俺は確かにオタクで中二病もいまだに治らないけど人に対して危害を加えようとはしないよ!!!
佳苗:うん知ってるよ
優斗:それなのにどうして俺が悪いことになってるんだ!!!ふざけるな!!!
佳苗:落ち着いて…気持ちはわかるけどここで声を荒げても何の解決にもならないよ…
優斗:…そうだね…ごめん
佳苗:でも優斗の気持ちはわかるよ…僕だって同じ気持ちさ…でも君には味方がいる
優斗:味方…?
佳苗:僕や弘樹くんや孝一くん…それに君の会社の仲間さ
優斗:会社の…仲間?
佳苗:そうさ!あの3人以外のみんなさ!!!
優斗:…俺は…救われてるんだな…
佳苗:当たり前じゃないか!優斗の事を友達と思っているし…僕だっていまだに君の事…
優斗:佳苗?
佳苗:い…いや…なんでもないよ…今は今回の事を解決するようにしよう
孝一:あのーいい空気なところ申し訳ないんだけどさぁ…
弘樹:俺たちもいることを忘れてないか???
優斗:え…あ!!!ご…ごめん…
佳苗:失礼…僕としても失念していたよ…
孝一:畜生!!!俺だって彼女欲しいよ!!!なぁ!!!弘樹!!!
弘樹:すまない…俺はもう結婚しているんだ…
孝一:くそーーー!!!どいつもこいつもいい空気かもしやがって!!!爆発しろ!!!
弘樹:そう自分を蔑む(さげすむ)なよ…
優斗:きっと孝一にもいい人ができるよ…うん…多分…
佳苗:そうだね…孝一にもいい人ができるよ…多分…
孝一:優しい言葉が身に染みるぜ…
優斗:でも今回の件はどういう風に解決すればいいんだろ…
佳苗:今回は相手が明らかに嘘をついてるのは明白だからそこを突いていこう…
孝一:でもその嘘をどうやって突くんだ?確かに証拠もあるが相手だって弁護士付けてくるだろ?
弘樹:…それもあるが一つ懸念してる事があるんだよ…
佳苗:懸念?なんだい?
弘樹:逆恨みをして優斗に危害を加えないかだな
優斗:…確かに…その可能性もあるよね
孝一:その辺は大丈夫だな!俺たちがついてるしな!
弘樹:当然だ…その時は俺たちが守ってやる
佳苗:僕もだよ…その時は法の裁きを受けさせてあげるよ
優斗:ありがとう…本当にありがとう…
孝一:礼なんていらねぇよ!!!その代わり誰か紹介してください!
弘樹:いや…無理だろ…それは…
佳苗:それは自身で頑張ってもらうことにするとして…優斗…ここからが辛いよ?覚悟はできてるかい?
孝一:辛い?なんでだよ…後は裁判だけじゃないのか?
弘樹:これからは証拠の確認や実際の裁判での証言…後は…
優斗:…またあいつらと対面することになる…と…
佳苗:…そういうことだね…それでも戦う覚悟はあるかい?
優斗:…もちろんだよ…俺はあいつらに見返してやりたい!!!黙ったまんまで終わりたくない!!!
佳苗:その意気だよ…さぁ…頑張ろうか
孝一:それでこそ優斗だ!!!俺も乗り掛かった舟だ!最後まで付き合うぜ!
弘樹:そうだな…俺もできる限りでは協力するぜ
優斗:孝一…弘樹…佳苗…みんなありがとう…本当にありがとう…
佳苗:さぁ…ラストパートと行こうか!!!ここでへばったら置いていくからね!!!
0:
N:気合を入れなおした4人それぞれの思いを胸に裁判へと赴くことになる
0:
N:その数日後…予定通り裁判が行われた…ここで…すべてが決まる…
優斗:ついに今日が来たな…
孝一:…あれ?いつものお前じゃなくない?
優斗:…
弘樹:…
佳苗:…
優斗:今日は真剣に取り組まないと負けてしまうんだ…だからこそ…今日は本気なんだ…
孝一:…そうだよな…わりぃ…
弘樹:お前なりの勇気の付け方なんだろ…俺たちは何もできないけど…応援はするぜ…
優斗:ありがとう…本当にありがとう…
佳苗:さぁ…戦場へ赴こうか…決戦だよ!
優斗:よし!行こう!!!敵は本能寺にあり!!!
N:こうして始まって裁判…最初は押し問答だったが理子と上司と同僚の発言には食い違いがあり
N:そこを指定すると段々を綻びを見せていった…まるで…砂の城が風で崩れていくように…
N:結果…優斗と佳苗は勝利した…
優斗:勝った…本当に勝った…長く感じた…本当に…
佳苗:そうだね…短い期間だったかもしれないけど…それでも本当に長く感じたね…
弘樹:勝ったのは優斗が一生懸命に戦い…自分の意思を曲げなかったからだ…
孝一:あいつらの顔見たかよ!!!ありゃー相当悔しかっただろうな!!!今日は飯がうまいぜ!!!
優斗:孝一…趣味悪いぞ…でも言えてるな!
佳苗:そうだね…でも僕からはまだ優斗に言えてないことがあるんだ…
優斗:言えてないこと?
孝一:おいおい!まさかここでか?仕方ないなぁ!俺が!!!
弘樹:孝一…向こう行くぞ…
孝一:えー!!!なんでだよ!!!
弘樹:ここからは佳苗の勝負なんだ…邪魔しちゃまずいだろ…佳苗…頑張れよ…
佳苗:うんありがとう
N:ここで席を外す孝一と弘樹…佳苗は一息つくと優斗に語りだした
佳苗:僕はね…本当は私情を挟んではいけないんだけど今回は挟ませてもらったんだ
優斗:言ってたな…でもどうして俺の弁護を?
佳苗:僕はまだ君の事が好きだからさ…愛してるからさ!!!だからこそ今回の弁護を請け負ったんだ…
優斗:佳苗…
佳苗:だからこそ…君の答えを教えてほしい…
優斗:…今は答えは言えない…でも…いつか…俺の心が落ち着いたら必ず答えを出させてもらうよ…
佳苗:…当然だね…でも僕はずっと待ってるからね
0:
N:今は答えが出せない…でもそれでも前に一歩歩き出そうとしている
N:その数年後に優斗と佳苗の左手の薬指には…銀色に光るリングが太陽の日差しを浴びて
N:きれいに…そして鮮やかにきらめいていた…
0:
N:そしてそのころ裁判を受け慰謝料の支払いを受けることになった理子、同僚、上司の3人
N:この3人は集まっていた
理子:冗談じゃないわよ!どうしてたかが遊びで罰金なんか払わないといけないのよ!
同僚:俺に言うんじゃねーよ!そもそもお前が提案して乗ったからこんなことになってしまったんだろうが!
理子:はぁ?!何?私が悪いって言いたいの?!
同僚:当たり前だろ!お前があんな案出さなかったらこんなことになってねぇんだよこのドブス!
上司:やめないか君たち…このようなことになったんだ…せめてきちんと支払いをしようじゃないか…
同僚:上司も上司っすよ!なんで落ち着いて支払いをしようなんて言えるんですか!
理子:そうよ!自分じゃ大人だから言われたことはちゃんとしようとしてるだけじゃない!
上司:…私は妻にも捨てられたんだ…もういいかと思っているんだよ…
同僚:もういいかってなんスか…まさか…
理子:それが罪滅ぼしになると思ってるの?!ばかみたい…
佳苗:そうさせないに決まってるじゃないか
理子:あんた…
同僚:なんでここにいるんだよ…そうだ!あんた弁護士なんだろ?俺たちを助けてくれよ!
上司:そ…そうだ…あんたも弁護士なんだったら私だけでもいい…助けてくれないか!
理子:何自分だけ助かろうとしてるのよ!私はまだ若いんだから私を最優先で助けなさいよ!
同僚:は!?俺だってまだ若いっつーの!だったら俺を助けろよ!
佳苗:何を言ってるんだい?どうして僕が君たちのことを助けないといけないんだい?
理子:どうしてって…弁護士だからでしょ?!私たちは被害者なのよ?!
佳苗:被害者だなんてお笑いだね…よくもまぁ汚いものを咥えた口で言えたね?ある意味感動するよ
上司:わ…私だってこんなことはしたくなかったんだ…でも妻は…
佳苗:それは君の家庭事情の問題だよね?悪いけど家庭事情を出して他の女で満足しているような奴の話なんて聞きたくないね
同僚:ほら見ろ!お前ら二人ともそろってクズなんだよ!それに比べて俺はまだマシだ!
佳苗:いや?君も同罪だよ?
同僚:はぁ?!どこが同罪なんだよ!
佳苗:人のものを欲しいからと言って奪おうとするなんて泥棒と一緒だよ?それなのにマシ?お笑いなら笑えないね
理子:…
同僚:…
上司:…
佳苗:まぁでも弁護士として君たちに助言はできるよ?
理子:本当に?!
同僚:何でも言ってくれ!
上司:可能な限り何でもするぞ!
佳苗:提示された慰謝料に関してはきっちりと払ったほうがいいよ。逃げたりとかするとさらに罪は重くなるからね
理子:…当然よね
同僚:仕方ねぇか…
上司:それに関してはもちろん払うつもりだ!
佳苗:ここからは僕個人の言葉だよ
理子:…
上司:…
同僚:…
佳苗:僕は絶対に君たちのことを許さない…できるだけ長く苦しんでくれたまえ
理子:え…
同僚:どういうことだよ
上司:…
佳苗:君たちは僕の愛する人を傷つけたんだ…到底許すわけないよ
理子:でも…
佳苗:(かぶせるように)言っただろ?君たちの言葉は聞きたくないって!君たちは僕の愛する人を傷つけたんだ!到底許さない!むしろ慰謝料の支払いだけで許されるだけマシだと思いたまえ!
佳苗:精々醜く生きたまえよ…それが君たちにとっての罪滅ぼしであり…君たちの生きる道…だからね
N:そう言ってその場を後にする佳苗…そこに残っていた3人は絶望し切った顔で立ち尽くし…明日からくる自分たちへの誹謗中傷に悩みつつ生きていくことに恐怖さえ覚えてしまったのであった
N:中二病…誰しもとまではいわないがある一定の人が通る恥ずかしき道…
N:そのまま成長し…大人になっても変わらない人もいるわけで…
N:そんな中二病を抱えたまま大人になり…会社に身を置く男性が一人
N:名を…渡良瀬優斗と言う
優斗:我!君臨セリは我を封じ込め!悪行の道へと織りなさんこの終焉の舞台で!
上司:どうでもいいけどさっさと書類かけよ!たまってんだよ!!!
優斗:フッ我に指図をするとは…身の程を知れ!
上司:いいからさっさとかけよ!!!クビにするぞ!
優斗:すみません…すぐに取り掛かります…
優斗N:俺自身分かってるんだよ!そんなこと!中二病のままここまで通ってきたんだ…
優斗N:でも俺には彼女の理子がいる…それだけで…俺の心は救われるんだ…
理子:また怒られてたねー大丈夫?
優斗:フッ…これしきの事で心を病む我ではない!!!
理子:も~またそのしゃべり方ーどうにかなんないの?
優斗:我はいつでもこのままさ…それが我のアイデンティティなのだよ!
理子:そういうところも面白いけどさぁ…ここは会社なんだからしっかりしなよ!
優斗:すみません…以後気を付けます…
理子:わかればよろしい!!!
上司:理子くん…悪いんだがこっちに来てもらってもいいかな?
理子:はーい!わかりました!
理子:それじゃあ優斗?後でね?
優斗:うむ!業務に励めよ!
優斗N:いつもこの時間に上司に呼ばれてるがなんでだろう…最近マインを送っても返事が遅かったりとかしたけど…
同僚:はぁー…やっぱりかわいいよなぁ理子ちゃん…
優斗:…
同僚:どうしてお前みたいなやつと理子ちゃんは付き合ってんだろうな…お前の彼女俺によこせよ!
優斗:で…できません…
同僚:できねぇじゃねえんだよ!俺がよこせって言ったらよこせよ!
上司:同僚くん…悪いがこっちに来てくれないか…ちょっと人手が必要なんだ
同僚:お?あれですね?
上司:そうあれだよ…よかったらどうだ?
同僚:わかりました!でしたらご同伴に預かります!あ…そうだ…おい優斗…十分後に倉庫に来てみろ…きっと面白いものが見れるぜ…
優斗:…面白いもの?
同僚:あぁ…絶対に見に来いよな!
優斗:わ…わかりました…
優斗N:面白いものってなんだろ…それにあれって?上司と同僚…それに理子…もしかして…まさか…
N:10分後に倉庫に来いと言われた優斗…まだ頼まれた書類も書き終えてないというのに…
N:それでも優斗の中では何かが渦巻いていた…何か嫌な予感がすると…自分にとって最悪なことが起こるかもしれないと…
優斗N:10分たったな…倉庫に見に行ってみよう…
優斗N:でもなんで倉庫なんだろ…倉庫整理なら男だけでもできるのにどうして理子も?よくわからない…
優斗:ここか…我を導いた場所は…いざ!混沌の扉を開かん!!!
N:開けた先に待っていたのは…上司と同僚と…それに二人と交わっていた理子だった…
優斗:え…理子?…それに上司さんと同僚まで…なんで…
上司:おいおい見てしまったのか…
同僚:観客が多いと盛り上がるでしょ?
理子:あ…見てる?優斗ぉ…私今上司と同僚くんにかわいがってもらってるのぉ…
優斗:え…どうして…理子と俺は付き合ってて…それに…婚約もしていたのに…どうしてこんなこと
上司:そうなのかね?それはご愁傷様だね…
同僚:だから言っただろ?面白いもの見れるって…それにこいつ…俺か上司の子供をはらんでるんだぜ?
優斗:嘘だ…そんなの…嘘だ…どうして…
理子:だって…上司と同僚くん優しいんだもん…それに比べて優斗はオタクみたいでキモいし…なんかヤダ
優斗:やだって
上司:おいおい言われてるぞ?そんな情けない部下だったとは…
同僚:仕方ないですよーwwwだってこいつですよ?そんなの無理に決まってるでしょー
優斗:嘘だ…嘘だ…そんなの…嘘だ…
理子:ごめんね?でも優斗が悪いんだよ?いつまでたっても直さないんだからさ…
優斗:理子…そんな
N:裏切り…異常…決別…崩壊…そんなことが渦巻くこの部屋で…優斗は…崩壊していった…
優斗:うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
0:
N:その後身に入らない業務をこなし帰路についた優斗…それもそのはずだ
N:見たくもないものを見せられて…元気になるなんて一定の人だけだ…
優斗:会社に行きたくない…理子の顔も見たくない…誰にも会いたくない…
優斗:こんなのあんまりじゃないか…俺が一体何したっていうんだ…
孝一:お?優斗じゃないか?どうしたんだ?
弘樹:あいつふらふらしてねぇか?…って!!!赤信号だぞ!!!
孝一:あいつ!!!
N:優斗は気付かないまま赤信号に飛び出していた…それを助けるべく浩一と弘樹は走り出した
孝一:おい!優斗!!!何してんだよ!死にてぇのか!
弘樹:落ち着けよ孝一…優斗がこういう風になってるのも理由があるんだろ…
孝一:…そうだな…おい優斗!いったい何があったんだよ!
優斗:…
孝一:いつもだったら中二病全開で返してくるのにこんな風になってるなんてな…
弘樹:とにかく場所を移そうぜ…優斗…お前の家でいいか?
優斗:…うん
N:孝一と弘樹は何があったのか聞くべく優斗の家に向かう…目が死んでいて…ふらふらしている優斗を見たら当然だ
優斗:…
孝一:どうしたんだよ優斗…お前なんか様子がおかしいぞ?
弘樹:何かあったのか?会社で何か嫌なことでもあったのか?
優斗:…うっ
孝一:う???
弘樹:う???
優斗:うぉえええええええええ!!!!
孝一:うわ!吐いた!!!
弘樹:おいまじか!!!水!!!水もってこい!!!
N:あまりのストレスで吐いてしまった優斗…それを介抱する孝一と弘樹…
孝一:すっきりしたか?飲みすぎたのか?
弘樹:いや…違うだろ…優斗?何があったのか詳しく教えてくれ
優斗:それが…
N:優斗は会社で何があったのか事細かく話し出した…
孝一:…なんだよそれ
弘樹:異常すぎるな…昼間から…それこそ会社でとは…猿だな…
優斗:どうすればいいかわかんなくて…ただ逃げるしか…できなかった…
孝一:当然だろ…俺だって裸足で逃げてえよ…
弘樹:優斗…明日病院に行くぞ…
優斗:病院?なんで?
孝一:確かに吐いたけど病院レベルではないだろ…
弘樹:いや…そういう意味じゃねぇ…おそらくだが精神関係の病気だ…
優斗:…
孝一:おい…さすがにそれは
弘樹:いや…おそらくだが俺の見解が正しければ優斗は精神関係の病気だ
優斗:…そうなのかな
孝一:まぁ…そういうんだったら行った方がいいのかもな
弘樹:その隙に俺たちも動くぞ
孝一:動くって…何するんだよ
弘樹:決まってるだろ?その上司と同僚と理子ちゃんの事を探るんだよ
優斗:…それは
孝一:確かにな!このまま俺らのダチを傷つけたままで終わらせるなんてできねぇからな
弘樹:そうだな…絶対に許さねぇ…
優斗:…どうしてそんなことまで…
孝一:決まってるだろ!お前のためだよ!
弘樹:悔しくねぇのか?されっぱなしで辛いだろ?
優斗:…わからない
孝一:…まぁそんなことがあったその日に判断するのは難しいわな
弘樹:それもそうだ…とにかく明日病院に行くぞ?俺らもついていくからな
孝一:あ…俺明日仕事…
弘樹:休め
孝一:ウィッス…
N:そうして翌日3人で病院に行ったが医者から下されたのは
N:…うつ病の可能性があるってことだった…
N:だがその日で判断できない…翌日以降も通ってみたら双極性障害が下された
優斗:…そんな…なんで…俺が…嘘だ…嘘だ…嘘だ…
孝一:…クソ…ほんとに…クソ…クソ!!!
弘樹:許せねぇな…本当に…絶対に痛い目を見せてやる…覚悟してろ…必ずだ…必ず痛い目を見せてやる
優斗:…ありがとう
N:双極性障害(躁うつ病)を診断された優斗…彼の明日は…ひどく暗くなった…
0:
N:宣言通り孝一と弘樹は動いてくれた…そうしてわかったことは
N:一つ目は優斗と付き合い始めてからの関係だったこと
N:二つ目は優斗の事はお金でしか見ていなかった
N:三つ目は…罰ゲームで付き合ったことだ…
優斗:…どうして…なんで…本当に腐ってる
孝一:ここまで来ると虫唾が走るな…
弘樹:とことんにまで腐ってやがる…同じ人間として認めたくねぇ…
優斗:…2人ともありがとう…俺のためにここまで動いてくれて
弘樹:何言ってんだ…まだここで終わりじゃねぇぞ
孝一:当たり前だろ?こんなところで終わってたら意味がねぇんだよ!
優斗:…どうするの?
孝一:出るとこ出るに決まってんだろ?
弘樹:それだけじゃねぇ…業務時間内でそういうことをいたしてるんだ…会社の業務形態にも物申さないとな…
優斗:…そんなことして訴えられないの?
孝一:そういう時に弁護士が存在するんだよ!
弘樹:ってことで弁護士連れてきたぞ
優斗:…え?
孝一:え?早くないか?
弘樹:実は今回の事を話したら無料でもいいからやりたいって言ってくれた奴がいるんだよ
孝一:え?無料?大丈夫なのかそいつ…
弘樹:あぁ大丈夫だ…入ってきてくれ!
佳苗:失礼するね?久しぶりだね…優斗
優斗:え…佳苗…ちゃん?
孝一:え?!佳苗ちゃん!?ナンデ??!ドウシテ??!
弘樹:お前も知ってるだろ?佳苗ちゃんだ…
優斗:…どうして…俺は
佳苗:話はあとにしようか…今回の件…僕が担当させてもらうよ?
孝一:大丈夫なのか?
佳苗:話を聞いてみたら負ける要素が一度もないよ?それに僕個人で許されないからね
弘樹:そうだな
孝一:でもどうして無料でやってくれるんだ?弁護士だって仕事だろ?
佳苗:それはね…僕が優斗に対して…
優斗:告白してくれたからだよ…当時俺は理子と付き合ってたから断ったけど…
佳苗:おや…言われちゃったね…でもその通りだよ…今でも僕は君の事を愛しているんだ…だから力になってあげたいんだ…
孝一:そうだったのか…それだけで動けるのか
弘樹:それだけでも十分立派な理由だよ…まぁ孝一にはわからないか…
孝一:え?ひどくない?弁護士に相談するよ?いいの?佳苗ちゃん!弘樹を訴えたいです
佳苗:本官の預かりでは致しかねます
孝一:ちくしょーーーーーー!!!
弘樹:まぁ…優斗…せっかくなんだからやってもらえよ
佳苗:そうだね…優斗の事をそういう風に扱うなんて到底許されないことだからね…
佳苗:私情を含んでしまうけど僕自身でも許せないんだよね…君をそういう風な扱いをしてさ
孝一:同じく!ぜってぇ許さねぇ!!!
弘樹:そうだな…絶対に許さないし…逃がしちゃダメなんだよ…絶対にな…
優斗:ありがとう…本当に…
佳苗:早速だけど明日会社の方に抗議をしてみるよ…もちろん相手は隠すだろうけどそんなのは通用しないってことをわからせないとね
N:その翌日…早速佳苗は優斗の会社へと赴く…そして当の本人たちを呼び出す
佳苗:そのように優斗さんから話を伺ったのですが本当の事ですか?
上司:いえいえ…滅相もございません!むしろそういう風に命令したのは優斗ですよ
同僚:そうっすよ!俺たちは脅されてたんだ!!!そうしないとお前らをコロスって!!!
理子:私だって本当は優斗の事が好きなんですが普段から暴力を受けていて!!!それで…
佳苗:おかしいですね…あなた方の周りの人から聞いたらそのような事実はないという風に聞いていますが‥‥
上司:あいつらも脅されてるんですよきっと!そうに違いありません!!!
同僚:あいつは何をするかわかんないんですよ!だからみんなも怖がってそういう風に言ってるんですよ!
理子:どうしてあんなにやさしかった優斗がこんなことに…哀しいですよ…
佳苗N:大根芝居のいいところですね…ですがその大根芝居もいつまで続きますかね?
上司:弁護士さん!信じてください!
同僚:俺たちは何も悪くないっすよ!!!
理子:そうです!信じてください!!!
佳苗:そうですか…ここに社長からいただいた音声データと倉庫での防犯カメラがあります
上司:…え?
佳苗:これをもとに資料を作成いたしますので…次は法廷でお会いしましょうか
N:悪人の口から出る三文芝居…反吐が出そうなほどの詐欺師…
N:この者たちに…天罰は下るのか…
0:
N:その時の様子を優斗に説明する佳苗…そのことを聞き優斗はひどく呆れた…
優斗:俺は確かにオタクで中二病もいまだに治らないけど人に対して危害を加えようとはしないよ!!!
佳苗:うん知ってるよ
優斗:それなのにどうして俺が悪いことになってるんだ!!!ふざけるな!!!
佳苗:落ち着いて…気持ちはわかるけどここで声を荒げても何の解決にもならないよ…
優斗:…そうだね…ごめん
佳苗:でも優斗の気持ちはわかるよ…僕だって同じ気持ちさ…でも君には味方がいる
優斗:味方…?
佳苗:僕や弘樹くんや孝一くん…それに君の会社の仲間さ
優斗:会社の…仲間?
佳苗:そうさ!あの3人以外のみんなさ!!!
優斗:…俺は…救われてるんだな…
佳苗:当たり前じゃないか!優斗の事を友達と思っているし…僕だっていまだに君の事…
優斗:佳苗?
佳苗:い…いや…なんでもないよ…今は今回の事を解決するようにしよう
孝一:あのーいい空気なところ申し訳ないんだけどさぁ…
弘樹:俺たちもいることを忘れてないか???
優斗:え…あ!!!ご…ごめん…
佳苗:失礼…僕としても失念していたよ…
孝一:畜生!!!俺だって彼女欲しいよ!!!なぁ!!!弘樹!!!
弘樹:すまない…俺はもう結婚しているんだ…
孝一:くそーーー!!!どいつもこいつもいい空気かもしやがって!!!爆発しろ!!!
弘樹:そう自分を蔑む(さげすむ)なよ…
優斗:きっと孝一にもいい人ができるよ…うん…多分…
佳苗:そうだね…孝一にもいい人ができるよ…多分…
孝一:優しい言葉が身に染みるぜ…
優斗:でも今回の件はどういう風に解決すればいいんだろ…
佳苗:今回は相手が明らかに嘘をついてるのは明白だからそこを突いていこう…
孝一:でもその嘘をどうやって突くんだ?確かに証拠もあるが相手だって弁護士付けてくるだろ?
弘樹:…それもあるが一つ懸念してる事があるんだよ…
佳苗:懸念?なんだい?
弘樹:逆恨みをして優斗に危害を加えないかだな
優斗:…確かに…その可能性もあるよね
孝一:その辺は大丈夫だな!俺たちがついてるしな!
弘樹:当然だ…その時は俺たちが守ってやる
佳苗:僕もだよ…その時は法の裁きを受けさせてあげるよ
優斗:ありがとう…本当にありがとう…
孝一:礼なんていらねぇよ!!!その代わり誰か紹介してください!
弘樹:いや…無理だろ…それは…
佳苗:それは自身で頑張ってもらうことにするとして…優斗…ここからが辛いよ?覚悟はできてるかい?
孝一:辛い?なんでだよ…後は裁判だけじゃないのか?
弘樹:これからは証拠の確認や実際の裁判での証言…後は…
優斗:…またあいつらと対面することになる…と…
佳苗:…そういうことだね…それでも戦う覚悟はあるかい?
優斗:…もちろんだよ…俺はあいつらに見返してやりたい!!!黙ったまんまで終わりたくない!!!
佳苗:その意気だよ…さぁ…頑張ろうか
孝一:それでこそ優斗だ!!!俺も乗り掛かった舟だ!最後まで付き合うぜ!
弘樹:そうだな…俺もできる限りでは協力するぜ
優斗:孝一…弘樹…佳苗…みんなありがとう…本当にありがとう…
佳苗:さぁ…ラストパートと行こうか!!!ここでへばったら置いていくからね!!!
0:
N:気合を入れなおした4人それぞれの思いを胸に裁判へと赴くことになる
0:
N:その数日後…予定通り裁判が行われた…ここで…すべてが決まる…
優斗:ついに今日が来たな…
孝一:…あれ?いつものお前じゃなくない?
優斗:…
弘樹:…
佳苗:…
優斗:今日は真剣に取り組まないと負けてしまうんだ…だからこそ…今日は本気なんだ…
孝一:…そうだよな…わりぃ…
弘樹:お前なりの勇気の付け方なんだろ…俺たちは何もできないけど…応援はするぜ…
優斗:ありがとう…本当にありがとう…
佳苗:さぁ…戦場へ赴こうか…決戦だよ!
優斗:よし!行こう!!!敵は本能寺にあり!!!
N:こうして始まって裁判…最初は押し問答だったが理子と上司と同僚の発言には食い違いがあり
N:そこを指定すると段々を綻びを見せていった…まるで…砂の城が風で崩れていくように…
N:結果…優斗と佳苗は勝利した…
優斗:勝った…本当に勝った…長く感じた…本当に…
佳苗:そうだね…短い期間だったかもしれないけど…それでも本当に長く感じたね…
弘樹:勝ったのは優斗が一生懸命に戦い…自分の意思を曲げなかったからだ…
孝一:あいつらの顔見たかよ!!!ありゃー相当悔しかっただろうな!!!今日は飯がうまいぜ!!!
優斗:孝一…趣味悪いぞ…でも言えてるな!
佳苗:そうだね…でも僕からはまだ優斗に言えてないことがあるんだ…
優斗:言えてないこと?
孝一:おいおい!まさかここでか?仕方ないなぁ!俺が!!!
弘樹:孝一…向こう行くぞ…
孝一:えー!!!なんでだよ!!!
弘樹:ここからは佳苗の勝負なんだ…邪魔しちゃまずいだろ…佳苗…頑張れよ…
佳苗:うんありがとう
N:ここで席を外す孝一と弘樹…佳苗は一息つくと優斗に語りだした
佳苗:僕はね…本当は私情を挟んではいけないんだけど今回は挟ませてもらったんだ
優斗:言ってたな…でもどうして俺の弁護を?
佳苗:僕はまだ君の事が好きだからさ…愛してるからさ!!!だからこそ今回の弁護を請け負ったんだ…
優斗:佳苗…
佳苗:だからこそ…君の答えを教えてほしい…
優斗:…今は答えは言えない…でも…いつか…俺の心が落ち着いたら必ず答えを出させてもらうよ…
佳苗:…当然だね…でも僕はずっと待ってるからね
0:
N:今は答えが出せない…でもそれでも前に一歩歩き出そうとしている
N:その数年後に優斗と佳苗の左手の薬指には…銀色に光るリングが太陽の日差しを浴びて
N:きれいに…そして鮮やかにきらめいていた…
0:
N:そしてそのころ裁判を受け慰謝料の支払いを受けることになった理子、同僚、上司の3人
N:この3人は集まっていた
理子:冗談じゃないわよ!どうしてたかが遊びで罰金なんか払わないといけないのよ!
同僚:俺に言うんじゃねーよ!そもそもお前が提案して乗ったからこんなことになってしまったんだろうが!
理子:はぁ?!何?私が悪いって言いたいの?!
同僚:当たり前だろ!お前があんな案出さなかったらこんなことになってねぇんだよこのドブス!
上司:やめないか君たち…このようなことになったんだ…せめてきちんと支払いをしようじゃないか…
同僚:上司も上司っすよ!なんで落ち着いて支払いをしようなんて言えるんですか!
理子:そうよ!自分じゃ大人だから言われたことはちゃんとしようとしてるだけじゃない!
上司:…私は妻にも捨てられたんだ…もういいかと思っているんだよ…
同僚:もういいかってなんスか…まさか…
理子:それが罪滅ぼしになると思ってるの?!ばかみたい…
佳苗:そうさせないに決まってるじゃないか
理子:あんた…
同僚:なんでここにいるんだよ…そうだ!あんた弁護士なんだろ?俺たちを助けてくれよ!
上司:そ…そうだ…あんたも弁護士なんだったら私だけでもいい…助けてくれないか!
理子:何自分だけ助かろうとしてるのよ!私はまだ若いんだから私を最優先で助けなさいよ!
同僚:は!?俺だってまだ若いっつーの!だったら俺を助けろよ!
佳苗:何を言ってるんだい?どうして僕が君たちのことを助けないといけないんだい?
理子:どうしてって…弁護士だからでしょ?!私たちは被害者なのよ?!
佳苗:被害者だなんてお笑いだね…よくもまぁ汚いものを咥えた口で言えたね?ある意味感動するよ
上司:わ…私だってこんなことはしたくなかったんだ…でも妻は…
佳苗:それは君の家庭事情の問題だよね?悪いけど家庭事情を出して他の女で満足しているような奴の話なんて聞きたくないね
同僚:ほら見ろ!お前ら二人ともそろってクズなんだよ!それに比べて俺はまだマシだ!
佳苗:いや?君も同罪だよ?
同僚:はぁ?!どこが同罪なんだよ!
佳苗:人のものを欲しいからと言って奪おうとするなんて泥棒と一緒だよ?それなのにマシ?お笑いなら笑えないね
理子:…
同僚:…
上司:…
佳苗:まぁでも弁護士として君たちに助言はできるよ?
理子:本当に?!
同僚:何でも言ってくれ!
上司:可能な限り何でもするぞ!
佳苗:提示された慰謝料に関してはきっちりと払ったほうがいいよ。逃げたりとかするとさらに罪は重くなるからね
理子:…当然よね
同僚:仕方ねぇか…
上司:それに関してはもちろん払うつもりだ!
佳苗:ここからは僕個人の言葉だよ
理子:…
上司:…
同僚:…
佳苗:僕は絶対に君たちのことを許さない…できるだけ長く苦しんでくれたまえ
理子:え…
同僚:どういうことだよ
上司:…
佳苗:君たちは僕の愛する人を傷つけたんだ…到底許すわけないよ
理子:でも…
佳苗:(かぶせるように)言っただろ?君たちの言葉は聞きたくないって!君たちは僕の愛する人を傷つけたんだ!到底許さない!むしろ慰謝料の支払いだけで許されるだけマシだと思いたまえ!
佳苗:精々醜く生きたまえよ…それが君たちにとっての罪滅ぼしであり…君たちの生きる道…だからね
N:そう言ってその場を後にする佳苗…そこに残っていた3人は絶望し切った顔で立ち尽くし…明日からくる自分たちへの誹謗中傷に悩みつつ生きていくことに恐怖さえ覚えてしまったのであった