台本概要
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タイトル | プロポーズの日 |
---|---|
作者名 | くま@甘党 |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 3人用台本(男2、女1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
「雨の日に咲き誇るキキョウの花」より
232 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
稜也 |
男 ![]() |
95 | 山田 稜也 |
かなえ |
女 ![]() |
80 | 佐藤 かなえ |
店員 |
男 ![]() |
18 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:プロポーズの日
―:日曜日 16時半 かなえ宅
稜也:…………よし。
―:ピンポーン
かなえ:はーい!
稜也:お…お迎えに…あああがりました!!
かなえ:…っぷw ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
稜也:こ…ここちらこそ、よろよろしくお願いいたしますです………。
かなえ:ねぇw ちょっと落ち着きなよw
稜也:あーーー……、ごめん…。
かなえ:…え、そんなに緊張しちゃうような場所に行くの…?私、この格好で大丈夫…?
稜也:大丈夫だよ!!!かなえは綺麗だから!!!
かなえ:っ…!? そ…そう? ありがとう…w
稜也:……じゃあ、行こうか…。
かなえ:はーい!エスコート、よろしくね?
稜也:お…おう!
かなえM:
かなえM:この日私は、稜也からの特別な言葉を期待し、どんなお店でも大丈夫なように、それ相応のドレスに身を包んだ。
かなえM:
かなえM:稜也が来て、その着慣れないスーツ姿で一目瞭然。期待は確信へと変わった。
かなえM:
かなえM:どんなお店を予約したんだろう?
かなえM:
かなえM:どんな伝え方をしてくれるんだろう?
かなえM:
かなえM:前にした約束、まだ覚えているんだろうか?
かなえM:
かなえM:そんな事を考えながらついていくと
かなえM:
かなえM:稜也が着いたと言った。
かなえM:
稜也:…つ…着いた。
かなえ:……え、まさか……ここ…? …プル……?
稜也:あ…あぁ。HOTEL Pleuvoir(ホテル プルヴォワール)。
かなえM:
かなえM:私は人生で、こんな超高層ビルに入った事がない。
かなえM:
かなえM:だって、街の定食屋さんを夢見る私だよ?
かなえM:
かなえM:一生立ち入る事のない、縁の無い場所だと思っていた。
かなえM:
稜也:……い、行くぞ。
かなえ:え…う、うん…。
かなえM:
かなえM:この時はさすがに私も緊張したw
かなえM:
かなえM:だって、軽く50階はありそうなビルなんだもん…
かなえM:
かなえM:稜也ってば…、無理しちゃってさw
かなえM:
―:エレベーターに乗る2人
稜也:………ふぅ…。
かなえ:…稜也、何階なの?
稜也:…62階。
かなえ:ろ…62階…。…えっと、レストラン…なんだよね?
稜也:…あぁ。
かなえ:わ…私、緊張であんまり食べられないかも…。
稜也:か、かなえ…大食いだろ?大丈夫だよ…。
かなえ:バカだなぁ…。それは家とか定食屋とか、もっと敷居の低い所での話だよ!
稜也:……着くぞ。
かなえ:は…はい。
―:エレベーターが開き、降りるとすぐに入口がある
店員:いらっしゃいませ。
稜也:…あ…えっと…。
かなえ:……稜也?
店員:…失礼ですが、お名前を頂戴できますか?
稜也:……あっ!や、山田稜也です!!!
かなえ:ちょっ…!(小声で)声大きいって!
稜也:あ…あぁ…。
店員:山田稜也様ですね、お待ちしておりました。ご案内致します、こちらへどうぞ。
稜也:…は、はい。
かなえ:…ふふw
―:店内へ案内され、ネット上でしか見た事がない、ダイヤなどの装飾品で飾られた豪華な椅子とテーブルの席に着く
稜也:お……おぉ…。
店員:(椅子を引き) どうぞ。
かなえ:あ…ありがとうございます。
稜也:……。
店員:
店員:本日は当店へのご来店、誠にありがとうございます。
店員:
店員:お先にお飲み物を失礼致します。
店員:
―:テーブルにセットされていたシャンパンを注がれる
店員:今宵はどうぞ、ごゆっくりお楽しみください。
稜也:…ありがとうございます。
かなえ:ありがとうございます!………ねぇ!稜也!!すっっっごいね!?
稜也:あ…あぁ。あんまり…はしゃぐなよ。
かなえ:強がりw こんなお店を予約してただなんて…そりゃ緊張もするよねw
稜也:う…うるさいな!
かなえ:はぁ…まるで魔法の世界みたい…。置いてある物、全部が綺麗!
稜也:あぁ…。か、かなえ。乾杯しよ?
かなえ:お、そうしよう!
稜也:じゃあ…乾杯。
かなえ:えー?何か一言無いのー?
稜也:え…?
かなえ:昔はあれだけセリフ書いてたのに、何も思いつかない訳ないでしょ?w 「君の瞳に…乾杯」とか!w
稜也:ばっ…か。そういう店じゃないだろー!?
かなえ:関係ないよ。これからこのテーブルで起きる事は、全部2人だけの世界なんだから。
稜也:え……?
かなえ:ほーら!
稜也:……えっと、
稜也:
稜也:かなえ、俺と出逢ってくれてありがとう。
稜也:
稜也:俺にとってかなえは、本当に特別な存在だよ。
稜也:
稜也:だから今夜、ここに一緒に来れて、本当に良かった。
稜也:
稜也:2人の出逢いに…、乾杯。
かなえ:乾杯。…………はぁ、…おいし。
稜也:…ふぅ。美味いな…。
かなえ:んふふw やればできるじゃんw
稜也:ま…まぁなw
店員:失礼致します。こちら前菜のチーズとフルーツのマリアージュでございます。
かなえ:うわっ!美味しそーう!
稜也:おい…。
店員:……お客様。
稜也:え、あの、すみません、大人しくさせますので…。
店員:いえいえ、少々、周りや雰囲気をお気にし過ぎではないでしょうか?
稜也:……え?
店員:もっと素直に、もっと純粋に楽しんで頂けると、我々も大変嬉しく存じます。
稜也:あ……。
店員:どうぞお連れ様と、素敵な夜をお過ごしください。
稜也:あ……ありがとう、ございます…。
店員:とんでもございません。出過ぎた真似をお許しください。失礼致します。
かなえ:……かっこいいーw
稜也:か…かなえ、ごめん……俺ダサいな…。
かなえ:ふふふw なんとも思ってないよ!ほら、食べよ!
稜也:あぁ!
―:2時間後
かなえ:はぁー、全部美味しかったねぇ!
稜也:美味しかった。うん、美味しかった…。
かなえ:…? どうしたの?稜也。
稜也:え…いや……なんでもないよ?
かなえ:ふーん? …あ、私ちょっとお手洗へ行ってきますね?w
稜也:あ、あぁ、どうぞ。 …………はああああ、落ち着けえええ俺えええ……。
店員:失礼致します。
稜也:はっはい…!?
店員:やれやれ…。そんなんじゃ、サプライズが台無しになるぞ?
稜也:え…?
店員:男だろ?もっとシャキッと!この為にこんな高いうちみたいな店、予約したんだろ?
稜也:あ…はい。
店員:大丈夫!俺達がバッチリ、サプライズ決めてやるから!自信を持って、大事な事を、大事な人に、ちゃんと伝えるんだ。
稜也:は……はい!ありがとうございます!
店員:よし、じゃあ…君が大事な話があるって言ったら、始めるからな。
稜也:よ、よろしくお願いします!
―:
かなえ:ただーいま!
稜也:…ふぅ。おかえり。
かなえ:お?何かスッキリした顔だねぇ?さっきはガマガエルみたいに汗かいてたのにw
稜也:ガ…ガマガエル!?
かなえ:あっははw 冗談だってばw
稜也:…ったくw こんな時でもかなえはかなえだよな…。
かなえ:そりゃーいつだって私ですよー?
稜也:…ふふw 出逢った時の事思い出したw あの時からかなえは元気で、面白くて、一緒に話してるとすごい楽しかった。
かなえ:あーw 私もしっかり覚えてるよ?初めて会ったバス停での時間…。
稜也:うん。……あのさ、かなえ。
かなえ:……はい。
稜也:大事な話があるんだ。
―:その瞬間、照明が一気に薄暗くなる
かなえ:え……!? 何…これ!?
稜也:俺、付き合う時の告白は失敗だったけど、約束通り、誰にも真似できないようなとびっきりのサプライズを考えた。
かなえ:……覚えててくれてたんだ。
稜也:もちろん!これが俺の…、サプライズだ!!
―:
―:掛け声と共に、照明が一気に明るくなる。
―:
―:照らされた店内には、無数のキキョウの花が飾られていた。
―:
―:たまたま居合わせた他の客も、みんながキキョウの花を持ち2人を見守っている。
―:
―:その事に気付いたかなえは、照れながらも稜也をジッと見つめる。
―:
稜也:キキョウの花言葉は「変わらぬ愛」。
稜也:
稜也:かなえ。俺はこの先、どんな事があっても、かなえを変わらぬ愛で、幸せにする。
稜也:
稜也:だから……俺と、結婚してください。
かなえ:
かなえ:
かなえ:
かなえ:………はい。
かなえ:
かなえ:
―:かなえの返事が聞こえた瞬間、盛大な拍手が沸き起こる
稜也:………あはは、ありがとうございます、皆さん!
かなえ:恥ずかしいー…。けど…、ありがとうございます!!本当にありがとうございます!!
稜也:俺達、絶対幸せになります!!
店員:よくやったー!かっこよかったぞー!
稜也:あはw ありがとうございます!!皆さん、本当にありがとうございました!!
0:帰り道
かなえ:…ねぇ稜也。
稜也:んー?
かなえ:どうしてキキョウの花を選んだの?花言葉を調べて決めた?
稜也:何言ってんだよw キキョウは、俺達が出逢った季節に咲く花だよ。
かなえ:え、そうなの?
稜也:本当に気付いてないの?あのバス停の後ろに、めっちゃ咲いてたじゃん!
かなえ:え…えーー!?全然気付かなかった…。
稜也:なんなら、今から行ってみるか?
かなえ:わー、良いね!行こ行こ!
0:
稜也:着ーいたっと……あ、ほら、かなえ!
かなえ:ん…あ、本当だー!綺麗な青色…。こんな近くに咲いてたのに…なんで気付かなかったんだろ?
稜也:あー…俺に見惚れてたからとか?w
かなえ:……。
稜也:んな訳ないかw
かなえ:そうかも!
稜也:え…?
かなえ:私、稜也の事、出逢って割とすぐに好きになってたんだよ?w
稜也:そ、そうなの!?
かなえ:うん、あーでも決め手はもちろん…。
稜也:…カラオケ?
かなえ:正解!w
稜也:当たったw でもあの時はマジでびっくりしたなぁ、かなえの演技が凄すぎたw
かなえ:えへへw あの次の日から、私は稜也の事を忘れた事が無いんだなー。
稜也:…俺だってそうだよ!かなえの事を忘れる日なんて、1日も無かった!
かなえ:ふふw 色々あったけど、これからもよろしくね?
稜也:あぁ。何があっても、俺がかなえを守る。………あっ!
かなえ:え、何?
稜也:大事な事言うの忘れてた…。親父からの伝言…。
かなえ:あー!聞くの忘れてた!なになに?
稜也:……驚くよ? 心の準備は良い…?
かなえ:え…、めっちゃ怖い前振りするじゃん……。(深呼吸)…。…よし、なに?
稜也:親父がやっている店、ご飯処 山は、今年で閉店します!
かなえ:…え……ええぇぇーー!? なんで!?どうしてー!?
稜也:そして翌年から、かなえの店になります!!
かなえ:………は……はい?
稜也:ふふw 親父さ、ここ数年で体がだいぶ弱ってきているのは聞いてるだろ?
かなえ:え…う、うん。
稜也:だから、親父がかなえに聞いてみてって。
稜也:仕事も頑張ってるし、応援したいから、もしかなえが本気で店をやる気があるなら、譲ってくれるってさ!
かなえ:う……うそ…。
稜也:どうする?w
かなえ:そ…そんなの………やるに決まってるじゃん!!!
稜也:お!
かなえ:ええーーー!でも本当に!?…嘘じゃないよね!?
稜也:嘘な訳ないだろw よし、じゃあ今から挨拶に行こうか!
かなえ:うん!!行く!!
稜也:店の名前、考えないとなー。
かなえ:うわーー、ワクワクしてきたあーー!w
0:
0:
0:1年後 ご飯処 桔梗(キキョウ)
0:
0:
稜也:ただいまー!
かなえ:あ、おかえりー!
稜也:もう閉店作業終わった?手伝おうか?
かなえ:大丈夫だよー、稜也も仕事終わりなんだから座って座って!
稜也:おう、ありがとう。
かなえ:……お待たせしましたー!今日の晩御飯はかなえスペシャルだよー♪
稜也:うおおーー!!めっちゃ豪華な海鮮ちらしだー!え、しかも唐揚げにハンバーグまで!?
かなえ:ふっふっふw 今日は初めての結婚記念日だからねー!みんな呼んで、盛大にやろうと思って!
稜也:うわー最高w これは昼少なめにしておいて正解だったなーw
かなえ:もうすぐうちの家族も来るから!あ、お義父さんも呼んでこなきゃ!
稜也:あ、親父、今日通院だったよな?大丈夫だったの?
かなえ:もっちろん!私の料理を毎日食べて、適度に運動もしてるんだよ?
かなえ:全て正常数値をキープしてもらってます!
稜也:おぉーさすが栄養士!w ありがとうな、付き添いも。
かなえ:とんでもない!私だってもう家族なんだからね?
かなえ:あ、稜也の食生活もちゃんと支えてあげるからね!太ってきたら脂っこいの禁止だよ?w
稜也:う…気を付けよ…。
かなえ:あははw じゃあお義父さん呼んでくるね!
―:タイミング良く父親が来る
稜也:あ、親父、ただいま。
かなえ:あ、お義父さん、丁度良かった!
―:かなえの家族が入ってくる
稜也:あ、お義母さん、それにみんなも。こんばんは!
かなえ:みんないらっしゃい!ほらほら座って!準備はできてるから!
稜也:ふふw やっぱりみんなでワイワイ食卓を囲むのって良いよなぁ。
かなえ:うん!ご飯は美味しく楽しくお腹いーっぱいね!何度でも叶えてあげますよー?w
稜也:さすがかなえw どんな夢も叶えてくれるんだもんなw
かなえ:ちょっとw またバカにしてw
稜也:あははw してないしてないw
かなえ:もうw さぁ、みんな揃ったし、今夜はたくさん食べよー!!
0:
0:
0:
0:~完~
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0:プロポーズの日
―:日曜日 16時半 かなえ宅
稜也:…………よし。
―:ピンポーン
かなえ:はーい!
稜也:お…お迎えに…あああがりました!!
かなえ:…っぷw ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
稜也:こ…ここちらこそ、よろよろしくお願いいたしますです………。
かなえ:ねぇw ちょっと落ち着きなよw
稜也:あーーー……、ごめん…。
かなえ:…え、そんなに緊張しちゃうような場所に行くの…?私、この格好で大丈夫…?
稜也:大丈夫だよ!!!かなえは綺麗だから!!!
かなえ:っ…!? そ…そう? ありがとう…w
稜也:……じゃあ、行こうか…。
かなえ:はーい!エスコート、よろしくね?
稜也:お…おう!
かなえM:
かなえM:この日私は、稜也からの特別な言葉を期待し、どんなお店でも大丈夫なように、それ相応のドレスに身を包んだ。
かなえM:
かなえM:稜也が来て、その着慣れないスーツ姿で一目瞭然。期待は確信へと変わった。
かなえM:
かなえM:どんなお店を予約したんだろう?
かなえM:
かなえM:どんな伝え方をしてくれるんだろう?
かなえM:
かなえM:前にした約束、まだ覚えているんだろうか?
かなえM:
かなえM:そんな事を考えながらついていくと
かなえM:
かなえM:稜也が着いたと言った。
かなえM:
稜也:…つ…着いた。
かなえ:……え、まさか……ここ…? …プル……?
稜也:あ…あぁ。HOTEL Pleuvoir(ホテル プルヴォワール)。
かなえM:
かなえM:私は人生で、こんな超高層ビルに入った事がない。
かなえM:
かなえM:だって、街の定食屋さんを夢見る私だよ?
かなえM:
かなえM:一生立ち入る事のない、縁の無い場所だと思っていた。
かなえM:
稜也:……い、行くぞ。
かなえ:え…う、うん…。
かなえM:
かなえM:この時はさすがに私も緊張したw
かなえM:
かなえM:だって、軽く50階はありそうなビルなんだもん…
かなえM:
かなえM:稜也ってば…、無理しちゃってさw
かなえM:
―:エレベーターに乗る2人
稜也:………ふぅ…。
かなえ:…稜也、何階なの?
稜也:…62階。
かなえ:ろ…62階…。…えっと、レストラン…なんだよね?
稜也:…あぁ。
かなえ:わ…私、緊張であんまり食べられないかも…。
稜也:か、かなえ…大食いだろ?大丈夫だよ…。
かなえ:バカだなぁ…。それは家とか定食屋とか、もっと敷居の低い所での話だよ!
稜也:……着くぞ。
かなえ:は…はい。
―:エレベーターが開き、降りるとすぐに入口がある
店員:いらっしゃいませ。
稜也:…あ…えっと…。
かなえ:……稜也?
店員:…失礼ですが、お名前を頂戴できますか?
稜也:……あっ!や、山田稜也です!!!
かなえ:ちょっ…!(小声で)声大きいって!
稜也:あ…あぁ…。
店員:山田稜也様ですね、お待ちしておりました。ご案内致します、こちらへどうぞ。
稜也:…は、はい。
かなえ:…ふふw
―:店内へ案内され、ネット上でしか見た事がない、ダイヤなどの装飾品で飾られた豪華な椅子とテーブルの席に着く
稜也:お……おぉ…。
店員:(椅子を引き) どうぞ。
かなえ:あ…ありがとうございます。
稜也:……。
店員:
店員:本日は当店へのご来店、誠にありがとうございます。
店員:
店員:お先にお飲み物を失礼致します。
店員:
―:テーブルにセットされていたシャンパンを注がれる
店員:今宵はどうぞ、ごゆっくりお楽しみください。
稜也:…ありがとうございます。
かなえ:ありがとうございます!………ねぇ!稜也!!すっっっごいね!?
稜也:あ…あぁ。あんまり…はしゃぐなよ。
かなえ:強がりw こんなお店を予約してただなんて…そりゃ緊張もするよねw
稜也:う…うるさいな!
かなえ:はぁ…まるで魔法の世界みたい…。置いてある物、全部が綺麗!
稜也:あぁ…。か、かなえ。乾杯しよ?
かなえ:お、そうしよう!
稜也:じゃあ…乾杯。
かなえ:えー?何か一言無いのー?
稜也:え…?
かなえ:昔はあれだけセリフ書いてたのに、何も思いつかない訳ないでしょ?w 「君の瞳に…乾杯」とか!w
稜也:ばっ…か。そういう店じゃないだろー!?
かなえ:関係ないよ。これからこのテーブルで起きる事は、全部2人だけの世界なんだから。
稜也:え……?
かなえ:ほーら!
稜也:……えっと、
稜也:
稜也:かなえ、俺と出逢ってくれてありがとう。
稜也:
稜也:俺にとってかなえは、本当に特別な存在だよ。
稜也:
稜也:だから今夜、ここに一緒に来れて、本当に良かった。
稜也:
稜也:2人の出逢いに…、乾杯。
かなえ:乾杯。…………はぁ、…おいし。
稜也:…ふぅ。美味いな…。
かなえ:んふふw やればできるじゃんw
稜也:ま…まぁなw
店員:失礼致します。こちら前菜のチーズとフルーツのマリアージュでございます。
かなえ:うわっ!美味しそーう!
稜也:おい…。
店員:……お客様。
稜也:え、あの、すみません、大人しくさせますので…。
店員:いえいえ、少々、周りや雰囲気をお気にし過ぎではないでしょうか?
稜也:……え?
店員:もっと素直に、もっと純粋に楽しんで頂けると、我々も大変嬉しく存じます。
稜也:あ……。
店員:どうぞお連れ様と、素敵な夜をお過ごしください。
稜也:あ……ありがとう、ございます…。
店員:とんでもございません。出過ぎた真似をお許しください。失礼致します。
かなえ:……かっこいいーw
稜也:か…かなえ、ごめん……俺ダサいな…。
かなえ:ふふふw なんとも思ってないよ!ほら、食べよ!
稜也:あぁ!
―:2時間後
かなえ:はぁー、全部美味しかったねぇ!
稜也:美味しかった。うん、美味しかった…。
かなえ:…? どうしたの?稜也。
稜也:え…いや……なんでもないよ?
かなえ:ふーん? …あ、私ちょっとお手洗へ行ってきますね?w
稜也:あ、あぁ、どうぞ。 …………はああああ、落ち着けえええ俺えええ……。
店員:失礼致します。
稜也:はっはい…!?
店員:やれやれ…。そんなんじゃ、サプライズが台無しになるぞ?
稜也:え…?
店員:男だろ?もっとシャキッと!この為にこんな高いうちみたいな店、予約したんだろ?
稜也:あ…はい。
店員:大丈夫!俺達がバッチリ、サプライズ決めてやるから!自信を持って、大事な事を、大事な人に、ちゃんと伝えるんだ。
稜也:は……はい!ありがとうございます!
店員:よし、じゃあ…君が大事な話があるって言ったら、始めるからな。
稜也:よ、よろしくお願いします!
―:
かなえ:ただーいま!
稜也:…ふぅ。おかえり。
かなえ:お?何かスッキリした顔だねぇ?さっきはガマガエルみたいに汗かいてたのにw
稜也:ガ…ガマガエル!?
かなえ:あっははw 冗談だってばw
稜也:…ったくw こんな時でもかなえはかなえだよな…。
かなえ:そりゃーいつだって私ですよー?
稜也:…ふふw 出逢った時の事思い出したw あの時からかなえは元気で、面白くて、一緒に話してるとすごい楽しかった。
かなえ:あーw 私もしっかり覚えてるよ?初めて会ったバス停での時間…。
稜也:うん。……あのさ、かなえ。
かなえ:……はい。
稜也:大事な話があるんだ。
―:その瞬間、照明が一気に薄暗くなる
かなえ:え……!? 何…これ!?
稜也:俺、付き合う時の告白は失敗だったけど、約束通り、誰にも真似できないようなとびっきりのサプライズを考えた。
かなえ:……覚えててくれてたんだ。
稜也:もちろん!これが俺の…、サプライズだ!!
―:
―:掛け声と共に、照明が一気に明るくなる。
―:
―:照らされた店内には、無数のキキョウの花が飾られていた。
―:
―:たまたま居合わせた他の客も、みんながキキョウの花を持ち2人を見守っている。
―:
―:その事に気付いたかなえは、照れながらも稜也をジッと見つめる。
―:
稜也:キキョウの花言葉は「変わらぬ愛」。
稜也:
稜也:かなえ。俺はこの先、どんな事があっても、かなえを変わらぬ愛で、幸せにする。
稜也:
稜也:だから……俺と、結婚してください。
かなえ:
かなえ:
かなえ:
かなえ:………はい。
かなえ:
かなえ:
―:かなえの返事が聞こえた瞬間、盛大な拍手が沸き起こる
稜也:………あはは、ありがとうございます、皆さん!
かなえ:恥ずかしいー…。けど…、ありがとうございます!!本当にありがとうございます!!
稜也:俺達、絶対幸せになります!!
店員:よくやったー!かっこよかったぞー!
稜也:あはw ありがとうございます!!皆さん、本当にありがとうございました!!
0:帰り道
かなえ:…ねぇ稜也。
稜也:んー?
かなえ:どうしてキキョウの花を選んだの?花言葉を調べて決めた?
稜也:何言ってんだよw キキョウは、俺達が出逢った季節に咲く花だよ。
かなえ:え、そうなの?
稜也:本当に気付いてないの?あのバス停の後ろに、めっちゃ咲いてたじゃん!
かなえ:え…えーー!?全然気付かなかった…。
稜也:なんなら、今から行ってみるか?
かなえ:わー、良いね!行こ行こ!
0:
稜也:着ーいたっと……あ、ほら、かなえ!
かなえ:ん…あ、本当だー!綺麗な青色…。こんな近くに咲いてたのに…なんで気付かなかったんだろ?
稜也:あー…俺に見惚れてたからとか?w
かなえ:……。
稜也:んな訳ないかw
かなえ:そうかも!
稜也:え…?
かなえ:私、稜也の事、出逢って割とすぐに好きになってたんだよ?w
稜也:そ、そうなの!?
かなえ:うん、あーでも決め手はもちろん…。
稜也:…カラオケ?
かなえ:正解!w
稜也:当たったw でもあの時はマジでびっくりしたなぁ、かなえの演技が凄すぎたw
かなえ:えへへw あの次の日から、私は稜也の事を忘れた事が無いんだなー。
稜也:…俺だってそうだよ!かなえの事を忘れる日なんて、1日も無かった!
かなえ:ふふw 色々あったけど、これからもよろしくね?
稜也:あぁ。何があっても、俺がかなえを守る。………あっ!
かなえ:え、何?
稜也:大事な事言うの忘れてた…。親父からの伝言…。
かなえ:あー!聞くの忘れてた!なになに?
稜也:……驚くよ? 心の準備は良い…?
かなえ:え…、めっちゃ怖い前振りするじゃん……。(深呼吸)…。…よし、なに?
稜也:親父がやっている店、ご飯処 山は、今年で閉店します!
かなえ:…え……ええぇぇーー!? なんで!?どうしてー!?
稜也:そして翌年から、かなえの店になります!!
かなえ:………は……はい?
稜也:ふふw 親父さ、ここ数年で体がだいぶ弱ってきているのは聞いてるだろ?
かなえ:え…う、うん。
稜也:だから、親父がかなえに聞いてみてって。
稜也:仕事も頑張ってるし、応援したいから、もしかなえが本気で店をやる気があるなら、譲ってくれるってさ!
かなえ:う……うそ…。
稜也:どうする?w
かなえ:そ…そんなの………やるに決まってるじゃん!!!
稜也:お!
かなえ:ええーーー!でも本当に!?…嘘じゃないよね!?
稜也:嘘な訳ないだろw よし、じゃあ今から挨拶に行こうか!
かなえ:うん!!行く!!
稜也:店の名前、考えないとなー。
かなえ:うわーー、ワクワクしてきたあーー!w
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0:1年後 ご飯処 桔梗(キキョウ)
0:
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稜也:ただいまー!
かなえ:あ、おかえりー!
稜也:もう閉店作業終わった?手伝おうか?
かなえ:大丈夫だよー、稜也も仕事終わりなんだから座って座って!
稜也:おう、ありがとう。
かなえ:……お待たせしましたー!今日の晩御飯はかなえスペシャルだよー♪
稜也:うおおーー!!めっちゃ豪華な海鮮ちらしだー!え、しかも唐揚げにハンバーグまで!?
かなえ:ふっふっふw 今日は初めての結婚記念日だからねー!みんな呼んで、盛大にやろうと思って!
稜也:うわー最高w これは昼少なめにしておいて正解だったなーw
かなえ:もうすぐうちの家族も来るから!あ、お義父さんも呼んでこなきゃ!
稜也:あ、親父、今日通院だったよな?大丈夫だったの?
かなえ:もっちろん!私の料理を毎日食べて、適度に運動もしてるんだよ?
かなえ:全て正常数値をキープしてもらってます!
稜也:おぉーさすが栄養士!w ありがとうな、付き添いも。
かなえ:とんでもない!私だってもう家族なんだからね?
かなえ:あ、稜也の食生活もちゃんと支えてあげるからね!太ってきたら脂っこいの禁止だよ?w
稜也:う…気を付けよ…。
かなえ:あははw じゃあお義父さん呼んでくるね!
―:タイミング良く父親が来る
稜也:あ、親父、ただいま。
かなえ:あ、お義父さん、丁度良かった!
―:かなえの家族が入ってくる
稜也:あ、お義母さん、それにみんなも。こんばんは!
かなえ:みんないらっしゃい!ほらほら座って!準備はできてるから!
稜也:ふふw やっぱりみんなでワイワイ食卓を囲むのって良いよなぁ。
かなえ:うん!ご飯は美味しく楽しくお腹いーっぱいね!何度でも叶えてあげますよー?w
稜也:さすがかなえw どんな夢も叶えてくれるんだもんなw
かなえ:ちょっとw またバカにしてw
稜也:あははw してないしてないw
かなえ:もうw さぁ、みんな揃ったし、今夜はたくさん食べよー!!
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0:~完~
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