台本概要
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タイトル | 爺さん婆さんは恋の応援がしたい |
---|---|
作者名 | ハスキ (@e8E3z1ze9Yecxs2) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 3人用台本(男2、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ある日隣り近所に住む拓也に恋の悩みについて相談された茂おじいちゃん。これはマズいと話を切ろうとしたら幼なじみの千代おばあちゃんが乱入してくる。逃げ場がなくなった茂おじいちゃんは千代おばあちゃんと一緒に拓也の悩みを聞いてやる事にした。 男女不問。アドリブ大歓迎! 143 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
茂 |
男 ![]() |
32 | 茂(しげる)爺さん。三年前に長年連れ添った妻が亡くなり娘からボケないか心配されている。妻とはお見合い結婚。幼い時に好きだった女の子がいる |
千代 |
女 ![]() |
28 | 千代(ちよ)婆さん。二十歳でお見合い結婚した旦那が次の年に病気で亡くなりそれ以来結婚せずに独り身を貫いている。幼い時に好きだった男の子がいる。 |
拓也 |
男 ![]() |
28 | 拓也(拓也)。茂おじいちゃんの家の隣りに住んでいる家族の長男で会社務めをしている。会社の同僚で好きになった子がいるが告白する勇気が持てないという恋の悩みがある。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
拓也:はあ⋯どうしたらいいのかな⋯。
茂:おお、拓也くん。どうしたんじゃ?そんなこの世の終わりみたいな顔をして。
拓也:あ⋯お隣の、茂おじいちゃん。こんにちは。
茂:なんじゃ、悩みか?
拓也:はい⋯そうです。
茂:最近の若い人達はそれは色んな悩みがあるじゃろう。やれ給料が安いだ年金が減ってしまうなど様々あるだろう。ちなみにどんな悩みなんじゃ?
拓也:はい⋯恋の悩みなんです⋯。
茂:そうかそうか、恋の悩みか⋯んん!?
拓也:どうかされました?
茂:拓也くん⋯恋って、泳でる方の鯉じゃないやつかの?
拓也:はい、泳いでない方の恋です。
茂:⋯そうか。じゃあワシはこの辺で⋯
拓也:ちょ、ちょっと待って下さい!
茂:ぐえ!こ、こりゃ、いきなり*塀《へい》越しに服を引っ張るでない、ぎっくり腰になるじゃろ!?
拓也:僕、恋の事で悩んでるんです!ぜひここは茂おじいちゃんのお力を、お借りさせて下さい!
茂:そ、そんな事言ってものう⋯。ワシは今独り身じゃし、きっと力にはなれんぞ?
拓也:あ、それなら大丈夫です。
茂:え?どういう事じゃ?
拓也:茂おじいちゃんと千代おばあちゃんは近所でも有名なラブラブカップルだって噂になってますから。
茂:な、なんじゃとう~!
拓也:うちのおじいちゃんは「ありゃあ、バカップルじゃ」って言ってました。
茂:ま、まじ⋯?超はずかしいぞ⋯。い、いや、拓也くん、それは根も葉もないただの噂話での⋯
千代:茂く~ん、いますか~?幼なじみの千代ですよ~
茂:ぬはぁ!!
拓也:あ、噂をすれば。ほら、お家の玄関の方に来てますよ、彼女が。
茂:い、いや、たまたま、偶然、何かの用事で来ただけじゃろ。しばらく会ってなかったし、何のようかの~?
千代:茂く~ん、早くドアを開けて中に入れてくれないと~またいつものようにイタズラしちゃいますよ~?
拓也:⋯ああ言ってますけど?
茂:あの婆さんは⋯きっとボケとるんじゃ。
千代:えーと⋯あった、あった。この間買っておいた、50連射の打ち上げ花火が。
茂:わ、分かった!今開けるから、やめてくれ~~!
:間
千代:なるほど⋯そういう事だったんですね。
拓也:は、はい。ぜひ仲がいいお二人のお力をお貸し頂きたいと!
千代:あら、仲がいいですって、聞きました茂くん?
茂:はあ、はあ⋯今血圧が上がっててそれどころじゃないわい⋯。
千代:まったくなさけないですねえ。こんな若い子が助けてを求めてきてるんですよ?しっかりして下さい。
茂:いや、そうは言ってものう、分かっとるんか?その⋯恋、の悩みじゃぞ?
千代:あら、そんなの分かってますよ。要するに、好きな子に告白してOK、をもらえるようアドバイスすればいいんでしょう?
拓也:はい!アドバイス、ぜひお願いします!
千代:私達にど~んと任せてちょうだい。
茂:⋯不安でしかないわい⋯。
:間
千代:まずは⋯第一印象がとても大事です。
拓也:なるほど、第一印象⋯。ちなみにどんな事に気をつければいいですか?
千代:そうですねえ、そこの茂くんを見て下さい。
拓也:茂おじいちゃん、ですか?
千代:この今着てる服は昨日と同じただの部屋着です。レディの私が毎日来てるというのにオシャレをしない、この場合あまり真剣なお付き合いを考えてない人だと思われて、嫌われちゃうかもしれないですねえ。
拓也:なるほど⋯しっかりと真剣な気持ちを表す為にも、オシャレをして会うようにするのがいいですね。
茂:おい、千代ちゃん余計な事言わんでくれ。それにワシは別に千代ちゃんに、す、好かれようなんて考えとらんからな?
千代:次に相手を*褒《ほ》めてあげましょう。
拓也:褒める⋯というと?
千代:乙女というのは単純な生き物なんですよ。なんでもいい、ちょっとした何気ない事を褒められただけで相手の事を好きになっちゃうものなんです。
茂:いや、誰が乙女じゃ。
千代:はい?何か言いましたか茂くん?
茂:な、なんでもないぞ。
拓也:褒めるか⋯あまり女性を褒めた事がないんですが、どう褒めたらいいんでしょうか?
千代:ああ、それなら⋯茂くん、試しに私を褒めてお手本を見せてあげて下さい。
茂:え!ワシが千代ちゃんを褒めるのか⋯?
千代:ええ。そうですよ、嫌なんですか?
茂:いや千代ちゃんを褒める所とか⋯
千代:あっ、なんだか急に花火がしたくなってきましたねえ。
茂:言う、言うから待つんじゃ!ええと⋯千代ちゃん⋯「入れ歯、変えたか?」
千代:えいっ
茂:ぎゃああああぁぁぁ~~!!
拓也:ノーモーションからの⋯め、目潰し⋯。
千代:とまあ何でも褒めればいいと言うものでもないから、言葉は選びましょうねえ。
拓也:き、肝にめいじます⋯。
:間
千代:さて、最後は一番大事な告白の言葉ですね。
拓也:は、はい。いよいよですね。
茂:拓也くん。ワシ、今何も見えんのだけど⋯ワシの目玉、ちゃんとついとるかの?
千代:拓也くん、告白する時はどんな言葉がいいか、わかりますか?
拓也:え⋯?分からないんですが⋯自分がどうして好きになったか、しっかり説明する、とかでしょうか?
千代:それも素敵ですが⋯ちょっと違いますね。
茂:二人とも、ワシの心配もしてくれんかい?
拓也:くっ⋯降参です。
千代:ふふ、それはね⋯「好き」ですの一言で良いんですよ。
拓也:え⋯?たったそれだけ、ですか⋯?
千代:はい。長ったらしい口説き文句より、一言思いを込めた好き、を伝えられた方が男らしい、私はそう思いますよ⋯ね、茂くん。
茂:なっ!ゴホン!⋯そうかも、しれんな。
拓也:なるほど⋯。分かりました、ぜひ参考にさせてもらいます。やっぱりお二人に相談して良かったです。
千代:そうですか?こんなおばあちゃんが若い人の力になれたのなら良かったですよ。
拓也:はい!ありがとうございました、お二人とも、お幸せに!
:間
茂:まったく、何がお幸せに、じゃ⋯。
千代:あら、ごめんね茂くん。私が勝手にでしゃばって、迷惑だったでしょ?
茂:いや⋯そんな事はないから、変な心配はせんでええ。
千代:ほんとですか?はあ、茂くんに嫌われなくて良かったですよ。
茂:き、嫌いになんてなるわけないじゃろ!
千代:え、どうしてですか?
茂:そりゃ⋯「好き」じゃから⋯。
:おわり
拓也:はあ⋯どうしたらいいのかな⋯。
茂:おお、拓也くん。どうしたんじゃ?そんなこの世の終わりみたいな顔をして。
拓也:あ⋯お隣の、茂おじいちゃん。こんにちは。
茂:なんじゃ、悩みか?
拓也:はい⋯そうです。
茂:最近の若い人達はそれは色んな悩みがあるじゃろう。やれ給料が安いだ年金が減ってしまうなど様々あるだろう。ちなみにどんな悩みなんじゃ?
拓也:はい⋯恋の悩みなんです⋯。
茂:そうかそうか、恋の悩みか⋯んん!?
拓也:どうかされました?
茂:拓也くん⋯恋って、泳でる方の鯉じゃないやつかの?
拓也:はい、泳いでない方の恋です。
茂:⋯そうか。じゃあワシはこの辺で⋯
拓也:ちょ、ちょっと待って下さい!
茂:ぐえ!こ、こりゃ、いきなり*塀《へい》越しに服を引っ張るでない、ぎっくり腰になるじゃろ!?
拓也:僕、恋の事で悩んでるんです!ぜひここは茂おじいちゃんのお力を、お借りさせて下さい!
茂:そ、そんな事言ってものう⋯。ワシは今独り身じゃし、きっと力にはなれんぞ?
拓也:あ、それなら大丈夫です。
茂:え?どういう事じゃ?
拓也:茂おじいちゃんと千代おばあちゃんは近所でも有名なラブラブカップルだって噂になってますから。
茂:な、なんじゃとう~!
拓也:うちのおじいちゃんは「ありゃあ、バカップルじゃ」って言ってました。
茂:ま、まじ⋯?超はずかしいぞ⋯。い、いや、拓也くん、それは根も葉もないただの噂話での⋯
千代:茂く~ん、いますか~?幼なじみの千代ですよ~
茂:ぬはぁ!!
拓也:あ、噂をすれば。ほら、お家の玄関の方に来てますよ、彼女が。
茂:い、いや、たまたま、偶然、何かの用事で来ただけじゃろ。しばらく会ってなかったし、何のようかの~?
千代:茂く~ん、早くドアを開けて中に入れてくれないと~またいつものようにイタズラしちゃいますよ~?
拓也:⋯ああ言ってますけど?
茂:あの婆さんは⋯きっとボケとるんじゃ。
千代:えーと⋯あった、あった。この間買っておいた、50連射の打ち上げ花火が。
茂:わ、分かった!今開けるから、やめてくれ~~!
:間
千代:なるほど⋯そういう事だったんですね。
拓也:は、はい。ぜひ仲がいいお二人のお力をお貸し頂きたいと!
千代:あら、仲がいいですって、聞きました茂くん?
茂:はあ、はあ⋯今血圧が上がっててそれどころじゃないわい⋯。
千代:まったくなさけないですねえ。こんな若い子が助けてを求めてきてるんですよ?しっかりして下さい。
茂:いや、そうは言ってものう、分かっとるんか?その⋯恋、の悩みじゃぞ?
千代:あら、そんなの分かってますよ。要するに、好きな子に告白してOK、をもらえるようアドバイスすればいいんでしょう?
拓也:はい!アドバイス、ぜひお願いします!
千代:私達にど~んと任せてちょうだい。
茂:⋯不安でしかないわい⋯。
:間
千代:まずは⋯第一印象がとても大事です。
拓也:なるほど、第一印象⋯。ちなみにどんな事に気をつければいいですか?
千代:そうですねえ、そこの茂くんを見て下さい。
拓也:茂おじいちゃん、ですか?
千代:この今着てる服は昨日と同じただの部屋着です。レディの私が毎日来てるというのにオシャレをしない、この場合あまり真剣なお付き合いを考えてない人だと思われて、嫌われちゃうかもしれないですねえ。
拓也:なるほど⋯しっかりと真剣な気持ちを表す為にも、オシャレをして会うようにするのがいいですね。
茂:おい、千代ちゃん余計な事言わんでくれ。それにワシは別に千代ちゃんに、す、好かれようなんて考えとらんからな?
千代:次に相手を*褒《ほ》めてあげましょう。
拓也:褒める⋯というと?
千代:乙女というのは単純な生き物なんですよ。なんでもいい、ちょっとした何気ない事を褒められただけで相手の事を好きになっちゃうものなんです。
茂:いや、誰が乙女じゃ。
千代:はい?何か言いましたか茂くん?
茂:な、なんでもないぞ。
拓也:褒めるか⋯あまり女性を褒めた事がないんですが、どう褒めたらいいんでしょうか?
千代:ああ、それなら⋯茂くん、試しに私を褒めてお手本を見せてあげて下さい。
茂:え!ワシが千代ちゃんを褒めるのか⋯?
千代:ええ。そうですよ、嫌なんですか?
茂:いや千代ちゃんを褒める所とか⋯
千代:あっ、なんだか急に花火がしたくなってきましたねえ。
茂:言う、言うから待つんじゃ!ええと⋯千代ちゃん⋯「入れ歯、変えたか?」
千代:えいっ
茂:ぎゃああああぁぁぁ~~!!
拓也:ノーモーションからの⋯め、目潰し⋯。
千代:とまあ何でも褒めればいいと言うものでもないから、言葉は選びましょうねえ。
拓也:き、肝にめいじます⋯。
:間
千代:さて、最後は一番大事な告白の言葉ですね。
拓也:は、はい。いよいよですね。
茂:拓也くん。ワシ、今何も見えんのだけど⋯ワシの目玉、ちゃんとついとるかの?
千代:拓也くん、告白する時はどんな言葉がいいか、わかりますか?
拓也:え⋯?分からないんですが⋯自分がどうして好きになったか、しっかり説明する、とかでしょうか?
千代:それも素敵ですが⋯ちょっと違いますね。
茂:二人とも、ワシの心配もしてくれんかい?
拓也:くっ⋯降参です。
千代:ふふ、それはね⋯「好き」ですの一言で良いんですよ。
拓也:え⋯?たったそれだけ、ですか⋯?
千代:はい。長ったらしい口説き文句より、一言思いを込めた好き、を伝えられた方が男らしい、私はそう思いますよ⋯ね、茂くん。
茂:なっ!ゴホン!⋯そうかも、しれんな。
拓也:なるほど⋯。分かりました、ぜひ参考にさせてもらいます。やっぱりお二人に相談して良かったです。
千代:そうですか?こんなおばあちゃんが若い人の力になれたのなら良かったですよ。
拓也:はい!ありがとうございました、お二人とも、お幸せに!
:間
茂:まったく、何がお幸せに、じゃ⋯。
千代:あら、ごめんね茂くん。私が勝手にでしゃばって、迷惑だったでしょ?
茂:いや⋯そんな事はないから、変な心配はせんでええ。
千代:ほんとですか?はあ、茂くんに嫌われなくて良かったですよ。
茂:き、嫌いになんてなるわけないじゃろ!
千代:え、どうしてですか?
茂:そりゃ⋯「好き」じゃから⋯。
:おわり