台本概要

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タイトル 【感動系】赤鼻の彼を忘れない
作者名 ゆる男  (@yuruyurumanno11)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 早希の手帳には見覚えのない予定があった
予定の場所に行くと鼻の赤い見覚えのない男がいた
早希と健太の出会い、早希と健太の関係、早希と健太の距離
全てが繋がった時、早希はこう言う
「赤鼻の彼を忘れない」


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こちらの小説は声劇用台本になってます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
早希 327 早希(さき) 健太と出会って健太の謎を知る
健太 273 健太(けんた) 早希と一緒になりたい理由がある
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
早希:・・・ん? 早希:朝だ 早希:眠いなー、昨日から大学も休校になったってお母さんから聞いたし暇だー 早希:・・・はあ、もう12月かー憂鬱だなぁ 早希:ん? 早希:なんで私カレンダーに12月24日をハートで囲んでるんだろ? 早希:なんか予定あったっけな?手帳どこだ? 早希:あったあった!12月の予定は 早希:今日が12月10日か、・・・ん? 早希:13時に駅のコンビニ集合?そんな予定あったっけ!? 早希:やっばい!急がないと! 0:早希はクローゼットを開ける 早希:・・・あれ?こんな服持ってたっけ?まあいいや、急ごう! 早希:誰との約束だったか忘れたけどどうせいつものメンバーだよね 0:早希は駅に向かいコンビニの前に行く 早希:なーんだ誰もいないじゃん 健太:早希 早希:・・・え? 健太:元気か? 早希:・・・誰? 健太:・・・(鼻をすする) 早希:目が真っ赤、鼻も真っ赤、あなた誰ですか? 健太:・・・っく!・・・うっ 早希:な、なんで泣くんですか?私あなたに会ったことありますか? 健太:・・・ないかもね 早希:どういうこと? 健太:いや、なんでもないよ、それにしても遅かったね早希 早希:・・・なんで私の名前知ってるんですか? 健太:まあまあ、そんなことは置いといてさ、今日のデート、どこ行く? 早希:・・・デート? 健太:うん、手帳に書いてたろ? 早希:・・・えー!なに!?この駅前のコンビニ集合ってあなたとの約束だったの!? 健太:そうだよ 早希:ちょっと待って!いつ約束したの? 健太:いつだったかなー? 早希:私も覚えてないんだけど、あなたどこかで会いました? 健太:会ったことあるよ、俺と早希は同い年だ 早希:19歳でその顔って、あなた、老けてますね 健太:・・・余計なお世話だよ! 早希:とにかく、私帰ってもいいですか? 早希:あなたとデートの約束したかもしれないけど、私はそんな約束した覚えはないので 健太:・・・(鼻をすする) 早希:な、なんでまた泣くの!?鼻真っ赤にさせて! 健太:な、泣いてない!悲しくなっただけだ 早希:泣いてるじゃないですか! 健太:んまあ、早希が嫌なら今日は帰ろうか 早希:私は嫌です 健太:めっちゃはっきり言われたらまた泣くぞ? 早希:やっぱ泣いてたんですね 健太:泣いてない! 早希:変な人 健太:はあ、寒いし帰るか 早希:じゃあ、さようなら 健太:・・・ごめん、早希、一つだけ頼み事してもいい? 早希:なんですか? 健太:俺の名前を呼んでまた明日って言ってくれる? 早希:・・・なんで?私、あなたの名前知らないし 健太:健太だよ 早希:・・・健太さん? 健太:さんはいらない 早希:健太 健太:うん 早希:また明日ね、健太 健太:・・・うん 早希:また泣いてる 健太:目にゴミが入っただけだ! 早希:・・・変ですよ 健太:じゃあな、早希 早希:はい 0:早希は家に戻る 早希:はあ、なんだったんだろ、あの人 早希:健太・・・聞いたことない名前だよね? 早希:写真とかも大学の友達ばっかだし、やっぱり会ったことなんてない 早希:ん?この赤鼻ってファイルなんだろ? 早希:あれ、鍵がかかってる、パスワードもわかんない 早希:まあいっかーなんか疲れちゃった、また明日ゆっくりと・・・ 早希:そういえばあの人また明日って、明日の予定は・・・ 早希:ショッピングモール、現地集合? 早希:またこんな約束した覚えないんだけどなー 早希:でも、これで行かないで後で怒られたら嫌だし 早希:そうだ!ラインで確認しよう! 早希:・・・え!?全部友達消えてる!?なんで!? 早希:バグかな?最悪なんだけど 早希:まあいいや、そんなに友達多くなかったし、これから会う人達のライン貰えば 早希:とりあえず明日はショッピングモール行こう 0:早希はそのまま眠る 0:次の日の朝 早希:はあ、朝はやっぱ体が重いなー 早希:ショッピングモール集合ね 0:早希はショッピングモールに行く 早希:あれ?久しぶりに来たけどこんなに変わったんだ 早希:変わりすぎてる気もするけどどうなんだろ? 早希:今日は誰との約束だったかなー? 健太:よう!早希 早希:・・・ 健太:デートしようぜ! 早希:・・・なんでぇー!? 早希:なんで健太さんが? 健太:さんはいらないよ 早希:また明日ってまた明日来るからまた明日って言わせたんですか!? 健太:当たり前だろ、だから今日ここに来たんだ 早希:なんでですか!?私あなたとデートなんてしたくないです! 健太:約束したのにー? 早希:した覚えありません! 健太:そんな怒んなってー!今度こそ俺と会うの初めてじゃないだろ? 早希:そうだけどデートは嫌です! 健太:硬いこと言うなって、俺との思い出作ろうぜ 早希:嫌です 健太:それしか言えないの!?もうショッピングモールにいるんだぞ?欲しいものがあったらおじさんが買ってあげる 早希:余計怪しくしてどうするんですか! 健太:じゃあさ、早希の好きなサーティーツーのポッピングウォーター買ってあげるって言ったら? 早希:な、なんでそれ知ってるの? 健太:何となくそんな気がした! 早希:そんな気がしたってどんなですか! 健太:気にすんなって!じゃあ、行こ? 早希:・・・ちょっとだけですよ? 健太:おおー!やったー! 健太:せっかくだから買い物しようぜ! 早希:え、アイスだけじゃないんですか!? 健太:アイスも買ってあげるよ 0:2人は洋服を見る 早希:あ、これ 健太:あー!これ早希好きそうだな! 早希:え? 健太:ちょっと試着してみてよ、絶対早希の好きな服だ 早希:は、はい 0:試着が終わる 健太:おー!やっぱ可愛いなー!似合う似合う! 早希:ありがとうございます 健太:鏡見た?めっちゃ似合うよ 早希:み、見ました!可愛いです 健太:服も可愛いけど早希がその何倍もかわいいんだな 早希:やめてください 0:2人はアイスを食べる 早希:わあー!美味しそう! 健太:うん、食べて 早希:パクっ。美味しー! 健太:幸せそうな顔だな 早希:はい、ポッピングウォーター大好きなんです 健太:・・・そっか、懐かしいな 早希:はい?何が? 健太:あ、ごめん、俺の話だ 早希:そうですか 健太:前に彼女とここに来たことあったんだ 早希:そうなんですか? 健太:うん、しかも初デートの時 早希:は、初デートの場所私と行って大丈夫なんですか? 健太:うん、全く問題ない 早希:今彼女さんは? 健太:今は・・・(鼻をすする) 早希:え?また泣くの!? 健太:泣いてない! 早希:彼女さんと喧嘩したとか?喧嘩してその思い出を消そうとしてるとか? 健太:そんなことで思い出が消えるなら消してみたいよ 健太:・・・うっ・・うぅぅ〜 早希:な、泣かないでくださいよ! 健太:泣いてない、アイスが歯にしみただけだ 早希:知覚過敏ですか? 健太:そんなもんだ 健太:はぁ!アイス食ったらまたなんか見よう 早希:そうですね、また泣かれても困りますし 健太:うるさい! 0:2人はお店を周る 早希:んーー重いー 健太:大丈夫?持とうか? 早希:大丈夫です 健太:いいからいいから 早希:ちょっと!勝手に持たないでくださいよ 健太:今日付き合ってくれたからそのお礼だよ 早希:・・・んもう 健太:お!これ早希の好きなキャラじゃん 早希:は、はい 健太:あ、これも好きだったよな? 早希:はい 健太:あ、これも好きだったよな 早希:あの、健太さん? 健太:さんはいらないよ。なに? 早希:私たち前に会ったことあるんですか? 健太:・・・ 早希:私の好きなキャラ知ってたり、私の好きな食べ物知ってたり、好みも知ってる、私の名前も知ってたし 早希:昨日がはじめましてじゃないですよね? 健太:・・・ううん、昨日がはじめましてだ 早希:・・・嘘ですよ、じゃあこの手帳に書いてある予定が健太さんとの予定なのってなんで? 健太:・・・そうだな、ごめん 早希:・・・?? 健太:12月24日の予定は俺との予定だよ 早希:・・・なんで? 健太:約束したんだ、早希と 早希:そんな約束した覚えない 健太:うん、早希は覚えてないと思う 早希:じゃあなんで! 健太:これも、クリスマスイブに話そう 健太:俺は絶対にこの日、早希と一緒に居るって決めてたんだ 健太:だから、クリスマスイブ、俺とまたデートしよう 早希:・・・わかりました 早希:その日になったら健太さんのこと教えてくれますか? 健太:うん、いっぱい話そう 0:デートの前日のこと 早希:なんであんなに私の事わかってくれてるんだろ? 早希:明日で3回目、私と健太さんはどういう関係なんだろ? 早希:前に会った時が初めてじゃないなら・・・いつ会ったの? 早希:わからない・・・ 0:デート当日 健太:早希ー!!おっはよー! 早希:・・・ 健太:うわ!今日の服可愛いね!何このモコモコ!うわー!モコモコかと思ったらふっさふさだ!手袋薄ピンクちょー似合う!可愛いねー! 健太:お?この香りは・・・ディオーレの香水!いい匂いだなー!俺のために付けてきてくれたの?嬉しいー! 早希:帰りたくなってきた・・・ 健太:なんでそんなこと言うんだよ!クリスマスイブだせ?クリスマスイーブゥー! 早希:昨日あなたのこと考えてた時間返して欲しい 健太:なんか言った? 早希:いえ!何も! 健太:イルミネーション綺麗でしょ!これだけじゃないみたいだけど 早希:はい、イルミネーション見るのは得だと思ってます 健太:俺と居るのが損みたいに言うなって〜! 早希:そうは言ってないですけど、今はなんか損してます 健太:じゃあこれから右肩上がりってとこか、よーし!付いてこい! 早希:なんでそんな強引なんですか! 0:2人はしばらくイルミネーションやお店などを楽しんだ 早希:あ、これ 健太:これ早希好きそうだな!どう?このピアス 早希:か、可愛いです、けど私ピアス空いてないですよ? 健太:・・・そっか、空いてなかったな 早希:・・・え? 健太:まあいいや!なんか食べ歩くか? 早希:・・・はい 早希:でも、ちょっとお手洗いにいってきます 健太:うん 0:早希はトイレの鏡の前でそっとため息を吐く 早希:はあー、健太さんの言動が全部気になる 早希:やっぱり何か隠してることがあるんじゃ 早希:・・・あれ!? 早希:私・・・ピアス空いてる? 早希:・・・なんで? 早希:二十歳になったら空けようと思ったのに・・・ 早希:もう・・・わかんない 0:早希がトイレから出る 早希:お待たせしました 健太:・・・ 早希:健太さん? 0:健太はスマホを見ながら泣いていた 早希:健太さん! 健太:あ、ごめん! 早希:なんでまた泣いてるんですか? 健太:なんでもないよ 早希:彼女さんと何かあったんですか? 健太:違うよ、何もない 早希:・・・また教えてくれない 健太:何も・・・ 早希:教えてくださいよ!今日、私はどんな気持ちで健太さんとデートしてると思ってるんですか! 健太:・・・ 早希:あなたのその泣くと赤くなる鼻、気になるんです 早希:そんなに泣かれたらいくら私でも情が移りますよ 早希:教えてください。健太さんのこと 健太:・・・わかった 健太:ここはね、俺が彼女に告白して付き合った場所なんだ 早希:・・・そうなんですか 健太:しかも付き合った日はいつだと思う? 早希:いつですか? 健太:5年前の今日だよ 早希:・・・ 早希:今は、彼女さんは? 健太:・・・どこに居るんだろうね? 早希:なんでわかんないんですか! 健太:俺は彼女がどこにいるかわかってんだよ 健太:でも、彼女は俺がどこにいるのかわかってないんじゃないかな? 早希:どういうこと?亡くなったとか? 健太:違う 早希:目が覚めない病気とか?植物状態? 健太:違う 早希:・・・ごめんなさい、聞きすぎました? 健太:・・・ううん、早希は優しいな 早希:そんな事ないです 健太:早希はさ、今日俺とデート出来てよかった? 早希:・・・わからないです。でも 早希:健太さんのこと知れて、よかったです 健太:じゃあ、俺と付き合おうよ 早希:・・・何言ってるんですか 健太:本気だよ 早希:彼女さんはどうするんですか? 健太:・・・ 早希:今大変なことになってる彼女さん差し置いて浮気はダメですよ! 健太:・・・そうだよね 早希:そうです、健太さん最低です 健太:・・・ごめん 早希:また・・・泣かないでくださいよ 健太:泣いてないよ、トイレ行ってくる 早希:・・・はい 早希:・・・はぁ 早希:健太さんの彼女さん、どんな人なんだろ? 早希:健太さんはどんな気持ちで私とデートに・・・ 早希:どんな気持ちで私にあんなこと・・・ 早希:・・・ 早希:健太さん遅いなー 0:早希はトイレの近くに行く 早希:あれ?健太さん? 早希:またスマホ見て・・・ 健太:・・・早希 早希:え? 早希:・・・ 0:早希は健太に近づく 健太:・・・早希!? 早希:スマホ見せてください! 健太:や、やめろ!離せ! 早希:いいから見せてください! 健太:あ! 0:健太はスマホを落とす 早希:・・・え? 健太:・・・ 0:スマホの画面には 早希:・・・どうして、私との写真が・・・ 健太:・・・ 早希:これ、いつ撮った写真ですか? 健太:・・・くっ! 早希:泣かないで答えてくださいよ! 早希:やっぱり私たち会ったことあるんですか!? 早希:健太さん!教えてください! 健太:・・・わかった、教えるね 健太:俺と早希が出会ったのは5年前だよ 早希:5年前?じゃあ中学生の時? 健太:ううん、早希が19の時だ 早希:・・・え?私、今19歳ですよね? 健太:違うよ、早希は今、24歳だ 早希:ど、どういうこと? 0:今から5年前のこと 0:早希と健太は同じ大学だった 早希:あ 健太:お、早希ー! 早希:・・・なに? 健太:一緒に帰ろうよ 早希:やだよ、付いてこないで 健太:・・・んーなんでこんな嫌われてんだろうなー 0:しかしめげずに健太は早希にアプローチをしていた 健太:ねえねえ早希ー飯食お? 早希:やだ! 健太:早希ってなんか好きなもんある?俺に教えてよ 早希:やだよ! 0:そんなやり取りが続く 健太:早希、クリスマスどこ行く? 早希:なんでどこか行くことが当たり前みたいに聞いてんの! 健太:なんでよー予定あんの? 早希:ないけど嫌でしょ 健太:俺は嫌じゃないのにー俺の事嫌いなの? 早希:嫌い 健太:・・・そっか、うっううぅ〜! 早希:な、泣かないでよ!嘘、嫌いは言いすぎた 健太:デートしてくれるの? 早希:わかった、わかったよ! 0:そして、12月24日 健太:早希!俺と付き合ってください! 早希:な、なんで!? 健太:なんでってなんだよ!好きだからに決まってんだろ! 早希:いや、わかるけどなんで私なの!? 健太:早希しか居ないからだよ 早希:だからなんで!? 健太:まだわかんないの? 健太:早希の早希の喜ぶ顔とか、照れてる顔とか、美味いもん食ってる顔とか、楽しそうな顔とか 健太:あとはーそうだな、からかわれて怒ってる顔とか、仕草一つ一つが好きなんだよね 健太:これからも一緒に居てさ、俺の知らない早希を知って好きを増やしたいんだ 早希:・・・わかったよ、私で良ければ 健太:ほ、ほんとか!?やったぁぁー!! 健太:うっ、ううぅ〜〜(泣く) 早希:なんでまた泣くの? 健太:泣いてねーよ、ばぁかぁー! 早希:ふふっ、鼻真っ赤だよ 健太:あー!鼻かゆ!花粉かな? 早希:今冬だよ?泣いてるのわかりやすい 早希:あ、じゃあ健太のあだ名決めた! 健太:何? 早希:赤鼻の健太 健太:トナカイみたいに言うなよ! 早希:泣くと鼻が赤くなるから 健太:からかうなってー 健太:まあ、早希が喜んでるならいいか 0:1年後 健太:早希、今日で付き合って1年経つぞ 早希:うん、そうだね 健太:もう1年かーあっという間だな 早希:この1年で健太は何回泣いたの? 健太:知らねーよ、1回も泣いてねーし 早希:それは嘘だよ 健太:はい、じゃあここに来て 早希:もう、場所まで同じにしなくてもいいんじゃない? 健太:だめだよ、毎年12月24日はここで早希に告白するって決めたんだ! 早希:もう、わかったよ 健太:好きだよ、早希 早希:私も好きだよ 健太:・・・よっしゃあー!! 早希:よっしゃあってなんなの!?もうわかってる事なのに 健太:いつだって付き合った日に好きって言われたら嬉しいじゃんかよー 早希:また鼻赤くなってるよー赤鼻の健太 健太:うるせー!泣いてねーよ! 早希:あっはは! 0:そして更に3年が経つ 健太:じゃあ、またここに来て 早希:うん 健太:あー違う、10センチずれてる 早希:毎年細かくなってるのなんなの!? 健太:いいから!ここ! 早希:うるさい人 健太:ボソッと悪口言わない! 早希:はいはい 健太:はいは2回まで! 早希:じゃあいいじゃん! 早希:あっはは!健太って面白い 健太:4年も付き合ってるのになんかずっと楽しいよな、俺たち 早希:そうだよね、段々仕事も忙しくなってきたから会える日は少なくなっちゃったけど 早希:でも、健太とこうやって過ごせる毎日が幸せだよ 健太:俺もだよ、早希と一緒にまたこの場所に来れたことを幸せに思う 早希:ありがとう 健太:早希、来年もこの場所に来ような 早希:もちろん! 早希:はあーでも仕事の疲れ残ってるみたいだし私も若くないのかな? 健太:疲れ溜まるよなー、もし大変そうだったら休んでもいいからね? 早希:大丈夫だよ 0:そして、10ヶ月が経とうとしたある日のこと 0:健太は1人である計画を立てていた 健太:よーしよーし!今年のクリスマスイヴはまたあの場所で早希に告白するぞー! 健太:もう5年になるのかー早いなー 健太:そうだ、5年も一緒にいる訳だしそろそろ・・・ 健太:今年は絶対にやってやる 健太:12月24日、早希にプロポーズを! 0:ある日のこと 早希:・・・はぁ 健太:早希?眠いの? 早希:あ、ごめん、最近仕事忙しくてさ 健太:大丈夫?疲れてない? 早希:大丈夫だよ健太も仕事頑張ってるもんね 健太:そうだけど、早希は無理しちゃだめだぞ? 早希:ううん、本当に大丈夫だから 健太:そう? 0:そしてある日のこと 早希:・・・ 健太:早希? 早希:・・・え? 健太:本当に大丈夫? 早希:・・・うん、グスンっ 健太:・・・どうしたんだよ、なんで泣いてんの? 早希:・・・わかんない、わかんないよ・・・ 健太:とりあえず、落ち着こ?今日のデートは無しにして休もう 早希:やだよ!健太がそばに居てくれないと・・・私、死んじゃう 健太:・・・じゃあ俺のそばにずっと居てよ 早希:・・・うん 0:さらに月日が経つ 健太:早希?おはよ 早希:うん 早希:・・・うっううぅぅ〜〜(泣く) 健太:早希・・・ 0:健太は早希を抱きしめる 健太:最近いつも泣いてるじゃん、どうして欲しいの? 早希:わかんない 健太:わかんなくないでしょ、仕事辛いの?大変だって言ってたじゃん 早希:わかんないんだってば! 早希:もう離れてよ! 健太:・・・早希 早希:みんなそうやって優しいフリしてなんなの! 早希:壊れ物は優しく扱うってことだよね、私はどうせ弱くて惨めだよ 早希:もうみんな大っ嫌い!! 健太:・・・それでも俺はそばに居るよ? 早希:・・・うっううぅ〜 早希:・・・健太 健太:ん? 早希:・・・だい・・・ 健太:早希?早希!?ねえ、どうしたの!? 0:早希は倒れてしまった 0:原因は仕事のストレスによる、過労。早希は病院に運ばれ病室で寝ていた 早希:・・・ん 健太:早希! 早希:・・・健太 健太:よかった、無事だったんだ 早希:健太に会いたい・・・ 健太:・・・え? 早希:あなた・・・誰ですか? 健太:な、何言ってんだよ 早希:健太に会わせて 健太:俺だよ!健太だよ! 早希:いやだ!健太に会いたい! 健太:・・・早希 早希:健太・・・健太!! 健太:早希!! 0:健太は早希を抱きしめる 早希:・・・けん、た? 健太:うん、俺が健太だよ 早希:なんで、ここに健太が居るの? 健太:・・・ずっと早希のそばに居たよ 早希:・・・なんで健太を一瞬忘れちゃったんだろ 健太:最近早希の様子がおかしかったからかな 早希:ごめんね、本当にどういうことかわかんない 健太:一瞬忘れてたとしても、なんで思い出せたんだろうね? 早希:なんか、健太に抱きしめられた時、全部思い出せたの 早希:私にはわからないけど、健太の温もりで思い出せた 健太:早希・・・よかったよ 0:翌日のこと、病院で早希と健太は会う 早希:健太 健太:早希、よかった、覚えててくれたんだ 早希:・・・うん 健太:今日はとりあえず安静にしような 早希:ねえ、健太 健太:ん? 早希:・・・手帳にさ、デートの予定書きたい 健太:うん、いいよ 早希:12月10日は駅に集合ね 健太:うん 早希:そしたらその次の日は付き合う前に行ったショッピングモールに行こ? 健太:・・・うん 早希:んで、この日は 健太:早希? 早希:ん? 健太:何かあったの? 早希:・・・ 健太:確かに手帳に予定書くのは早希がいつもやってる事だけど、こんな先のことまで書かなくても 早希:いや、ダメだよ、書かないとダメ 健太:どうして? 早希:・・・私、もしかしたらね、いつかわからないけど 早希:記憶が無くなるかもしれないみたい 健太:・・・え? 早希:過労で倒れた時に脳に異常があったの、記憶を記録する機能が低下してる 早希:そしたらそのうち、長期的な記憶が抜ける可能性があるみたいだよ 健太:・・・なんだよ、それ、長期的な記憶って何年まで? 早希:・・・5年以上、らしいよ 健太:5年以上・・・早希と俺、まだ会ってないんじゃ 早希:どのくらい記憶出来るかはわからない、もしかしたらまた健太の事は覚えてるかもしれない 早希:でもさ、もし私の記憶から、健太が居なくなっても健太は私のそばに居てくれる? 健太:・・・当たり前だよ 健太:俺は早希のそばにいるから、早希は記憶が無くなっても、また俺の事好きになってくれる? 早希:・・・うん、もちろんだよ、私は何度だって健太に恋したい 早希:だから私のそばにいてね? 健太:うん、ずっと一緒にいるよ! 健太:早希がまた俺を好きになってくれるんだったら、早希をずっと信じるよ 早希:ありがとう、私も健太のこと、信じる 健太:早希が俺を忘れたとしても、またしつこいくらいに早希にちょっかいかけてさ 健太:12月24日、またあの場所で、早希に告白する 健太:早希を幸せにするのは・・・赤鼻の健太だよ 早希:・・・うん、待ってるね 早希:赤鼻の健太 0:そして12月24日、現在 早希:じゃあ、私はずっと健太さんと付き合ってたんですか? 健太:・・・そうだよ 早希:信じられないです 健太:無理もないよね 早希:でも、ずっと違和感を感じてたんです 早希:買った覚えのない服もあったし、自分で書いたはずの予定も忘れてる 早希:ピアスもいつの間にか空いてた 早希:やっと辻褄が合いました 健太:よかった、信じてもらえて 早希:はい、健太さんのこと信じてます 健太:じゃああの場所に行こう 早希:どこに? 健太:俺が早希に告白した場所だ 0:早希と健太は約束の場所に行く 健太:ここに立って? 早希:はい 健太:違う、あと5センチ横 早希:細すぎません!? 健太:いいの、これもお約束だ 健太:じゃあ、改めて 健太:早希 早希:待ってください 健太:え? 早希:私・・・健太さんとの記憶が無いまま健太さんと向き合うのは・・・怖いです 健太:・・・ 健太:俺も怖いよ 健太:早希のその敬語も冷たい視線も、さん付けも、また別人だと思えば何とかなると思ってたけどさ 健太:でも、早希の喜ぶ顔とか、照れてる顔とか、美味いもん食ってる顔とか、楽しそうな顔とか 健太:からわれて怒ってる顔とか、優しい顔とか、俺の冗談で笑ってる顔とか、 健太:重いもの頑張って持ってる顔とか、寒がってる顔とか、可愛いもの見てる顔とか、俺の目を真っ直ぐ見る顔とか 健太:早希の仕草一つ一つが俺にとっては・・・ 健太:全部・・・俺の大好きな早希なんだよ・・・ 早希:・・・また鼻、赤いですよ 健太:今日は泣かせてよ、でもさ、早希 健太:早希の記憶は俺がいる限り無くならないよ 早希:・・・え? 健太:早希のスマホのファイルに、赤鼻ってファイル、あったでしょ? 早希:・・・もしかして、あの鍵のついたファイル・・・ 健太:うん、早希の俺に対する愛があればそれは開けられるはずだよ 早希:・・・ 0:早希は恐る恐る、鍵付きのファイルに 0:パスワード『1224』を入力した 早希:・・・っ!! 健太:俺たちの写真と動画だよ 健太:記憶はなくても記憶は残せる 健太:早希が無くした記憶は俺が持ってるよ 早希:・・・健太さん 早希:うっ、うううぅ〜〜(泣く) 健太:泣くなよ、俺ももらい泣きするぞ? 早希:健太さんはいつも泣いてるじゃないですか 健太:泣いてないし! 健太:・・・本当は、今日のこの日、早希にプロポーズする予定だったんだ 早希:・・・そうだったんですか 早希:ごめんなさい 健太:いいや、俺と早希はまた、ここから始めよう 早希:・・・はい 早希:健太さん、抱きしめてください 健太:・・・?? 早希:これから、私の記憶を健太さんで埋めてください 健太:・・・わかった 健太:でも、これだけは言わせて 健太:好きだよ、早希 早希:・・・私も、好きです 0:健太が早希を抱きしめた 早希:・・・え? 早希:・・・健太? 0: 健太:・・・早希?今、なんて 早希:・・・健太だよね? 健太:うん、そうだよ、健太だよ! 早希:・・・なんで、ここに健太が居るの? 健太:ずっとそばに居たよ!早希! 健太:もしかして・・・記憶戻ったのか? 早希:・・・うん、ぼんやりと 早希:私、健太と・・・ 早希:あれ?涙が勝手に落ちてきた 健太:早希・・・うううぅ〜(泣く) 早希:健太、ごめんね、私、健太のこと忘れてたのかな? 健太:なんで、思い出せたの? 早希:わかんない、けど健太の温もりで全部思い出せた 早希:ごめんね、健太のこと覚えてなくて 健太:ううん、早希は俺に言ってくれたじゃん 健太:記憶が無くなっても何度だって俺に恋したいって 健太:早希は・・・俺に好きって言ってくれたんだよ 健太:早希を信じて、ずっと待ってたんだよ! 早希:健太・・・ 早希:こんな私のそばに居てくれて、ありがとう 健太:早希じゃなかったら、ずっとそばにいれなかったよ 健太:ありがとう、早希 健太:そうだ、早希、俺、早希に伝えたいことがあったんだ 早希:・・・何? 健太:今すぐにじゃなくていい、色々落ち着いてからでいいから 健太:結婚しよう、早希 早希:うん!もちろん! 健太:ほ、本当か!! 早希:当たり前でしょ 健太:やったあああああ!! 早希:また鼻赤くなってるよ、泣いてるの? 健太:泣いてねーよ、ばぁかぁー! 早希:うっふふ! 早希:私も健太じゃないとダメだよ 早希:幸せになろ? 健太:ああ、幸せにする、約束するよ 早希:うん、健太は私の約束を絶対に守ってくれるもんね 早希:私だって約束するよ 早希:これから何があったとしても私は絶対に 早希:赤鼻の健太を忘れない 0:赤鼻の彼を忘れない 〜END〜

早希:・・・ん? 早希:朝だ 早希:眠いなー、昨日から大学も休校になったってお母さんから聞いたし暇だー 早希:・・・はあ、もう12月かー憂鬱だなぁ 早希:ん? 早希:なんで私カレンダーに12月24日をハートで囲んでるんだろ? 早希:なんか予定あったっけな?手帳どこだ? 早希:あったあった!12月の予定は 早希:今日が12月10日か、・・・ん? 早希:13時に駅のコンビニ集合?そんな予定あったっけ!? 早希:やっばい!急がないと! 0:早希はクローゼットを開ける 早希:・・・あれ?こんな服持ってたっけ?まあいいや、急ごう! 早希:誰との約束だったか忘れたけどどうせいつものメンバーだよね 0:早希は駅に向かいコンビニの前に行く 早希:なーんだ誰もいないじゃん 健太:早希 早希:・・・え? 健太:元気か? 早希:・・・誰? 健太:・・・(鼻をすする) 早希:目が真っ赤、鼻も真っ赤、あなた誰ですか? 健太:・・・っく!・・・うっ 早希:な、なんで泣くんですか?私あなたに会ったことありますか? 健太:・・・ないかもね 早希:どういうこと? 健太:いや、なんでもないよ、それにしても遅かったね早希 早希:・・・なんで私の名前知ってるんですか? 健太:まあまあ、そんなことは置いといてさ、今日のデート、どこ行く? 早希:・・・デート? 健太:うん、手帳に書いてたろ? 早希:・・・えー!なに!?この駅前のコンビニ集合ってあなたとの約束だったの!? 健太:そうだよ 早希:ちょっと待って!いつ約束したの? 健太:いつだったかなー? 早希:私も覚えてないんだけど、あなたどこかで会いました? 健太:会ったことあるよ、俺と早希は同い年だ 早希:19歳でその顔って、あなた、老けてますね 健太:・・・余計なお世話だよ! 早希:とにかく、私帰ってもいいですか? 早希:あなたとデートの約束したかもしれないけど、私はそんな約束した覚えはないので 健太:・・・(鼻をすする) 早希:な、なんでまた泣くの!?鼻真っ赤にさせて! 健太:な、泣いてない!悲しくなっただけだ 早希:泣いてるじゃないですか! 健太:んまあ、早希が嫌なら今日は帰ろうか 早希:私は嫌です 健太:めっちゃはっきり言われたらまた泣くぞ? 早希:やっぱ泣いてたんですね 健太:泣いてない! 早希:変な人 健太:はあ、寒いし帰るか 早希:じゃあ、さようなら 健太:・・・ごめん、早希、一つだけ頼み事してもいい? 早希:なんですか? 健太:俺の名前を呼んでまた明日って言ってくれる? 早希:・・・なんで?私、あなたの名前知らないし 健太:健太だよ 早希:・・・健太さん? 健太:さんはいらない 早希:健太 健太:うん 早希:また明日ね、健太 健太:・・・うん 早希:また泣いてる 健太:目にゴミが入っただけだ! 早希:・・・変ですよ 健太:じゃあな、早希 早希:はい 0:早希は家に戻る 早希:はあ、なんだったんだろ、あの人 早希:健太・・・聞いたことない名前だよね? 早希:写真とかも大学の友達ばっかだし、やっぱり会ったことなんてない 早希:ん?この赤鼻ってファイルなんだろ? 早希:あれ、鍵がかかってる、パスワードもわかんない 早希:まあいっかーなんか疲れちゃった、また明日ゆっくりと・・・ 早希:そういえばあの人また明日って、明日の予定は・・・ 早希:ショッピングモール、現地集合? 早希:またこんな約束した覚えないんだけどなー 早希:でも、これで行かないで後で怒られたら嫌だし 早希:そうだ!ラインで確認しよう! 早希:・・・え!?全部友達消えてる!?なんで!? 早希:バグかな?最悪なんだけど 早希:まあいいや、そんなに友達多くなかったし、これから会う人達のライン貰えば 早希:とりあえず明日はショッピングモール行こう 0:早希はそのまま眠る 0:次の日の朝 早希:はあ、朝はやっぱ体が重いなー 早希:ショッピングモール集合ね 0:早希はショッピングモールに行く 早希:あれ?久しぶりに来たけどこんなに変わったんだ 早希:変わりすぎてる気もするけどどうなんだろ? 早希:今日は誰との約束だったかなー? 健太:よう!早希 早希:・・・ 健太:デートしようぜ! 早希:・・・なんでぇー!? 早希:なんで健太さんが? 健太:さんはいらないよ 早希:また明日ってまた明日来るからまた明日って言わせたんですか!? 健太:当たり前だろ、だから今日ここに来たんだ 早希:なんでですか!?私あなたとデートなんてしたくないです! 健太:約束したのにー? 早希:した覚えありません! 健太:そんな怒んなってー!今度こそ俺と会うの初めてじゃないだろ? 早希:そうだけどデートは嫌です! 健太:硬いこと言うなって、俺との思い出作ろうぜ 早希:嫌です 健太:それしか言えないの!?もうショッピングモールにいるんだぞ?欲しいものがあったらおじさんが買ってあげる 早希:余計怪しくしてどうするんですか! 健太:じゃあさ、早希の好きなサーティーツーのポッピングウォーター買ってあげるって言ったら? 早希:な、なんでそれ知ってるの? 健太:何となくそんな気がした! 早希:そんな気がしたってどんなですか! 健太:気にすんなって!じゃあ、行こ? 早希:・・・ちょっとだけですよ? 健太:おおー!やったー! 健太:せっかくだから買い物しようぜ! 早希:え、アイスだけじゃないんですか!? 健太:アイスも買ってあげるよ 0:2人は洋服を見る 早希:あ、これ 健太:あー!これ早希好きそうだな! 早希:え? 健太:ちょっと試着してみてよ、絶対早希の好きな服だ 早希:は、はい 0:試着が終わる 健太:おー!やっぱ可愛いなー!似合う似合う! 早希:ありがとうございます 健太:鏡見た?めっちゃ似合うよ 早希:み、見ました!可愛いです 健太:服も可愛いけど早希がその何倍もかわいいんだな 早希:やめてください 0:2人はアイスを食べる 早希:わあー!美味しそう! 健太:うん、食べて 早希:パクっ。美味しー! 健太:幸せそうな顔だな 早希:はい、ポッピングウォーター大好きなんです 健太:・・・そっか、懐かしいな 早希:はい?何が? 健太:あ、ごめん、俺の話だ 早希:そうですか 健太:前に彼女とここに来たことあったんだ 早希:そうなんですか? 健太:うん、しかも初デートの時 早希:は、初デートの場所私と行って大丈夫なんですか? 健太:うん、全く問題ない 早希:今彼女さんは? 健太:今は・・・(鼻をすする) 早希:え?また泣くの!? 健太:泣いてない! 早希:彼女さんと喧嘩したとか?喧嘩してその思い出を消そうとしてるとか? 健太:そんなことで思い出が消えるなら消してみたいよ 健太:・・・うっ・・うぅぅ〜 早希:な、泣かないでくださいよ! 健太:泣いてない、アイスが歯にしみただけだ 早希:知覚過敏ですか? 健太:そんなもんだ 健太:はぁ!アイス食ったらまたなんか見よう 早希:そうですね、また泣かれても困りますし 健太:うるさい! 0:2人はお店を周る 早希:んーー重いー 健太:大丈夫?持とうか? 早希:大丈夫です 健太:いいからいいから 早希:ちょっと!勝手に持たないでくださいよ 健太:今日付き合ってくれたからそのお礼だよ 早希:・・・んもう 健太:お!これ早希の好きなキャラじゃん 早希:は、はい 健太:あ、これも好きだったよな? 早希:はい 健太:あ、これも好きだったよな 早希:あの、健太さん? 健太:さんはいらないよ。なに? 早希:私たち前に会ったことあるんですか? 健太:・・・ 早希:私の好きなキャラ知ってたり、私の好きな食べ物知ってたり、好みも知ってる、私の名前も知ってたし 早希:昨日がはじめましてじゃないですよね? 健太:・・・ううん、昨日がはじめましてだ 早希:・・・嘘ですよ、じゃあこの手帳に書いてある予定が健太さんとの予定なのってなんで? 健太:・・・そうだな、ごめん 早希:・・・?? 健太:12月24日の予定は俺との予定だよ 早希:・・・なんで? 健太:約束したんだ、早希と 早希:そんな約束した覚えない 健太:うん、早希は覚えてないと思う 早希:じゃあなんで! 健太:これも、クリスマスイブに話そう 健太:俺は絶対にこの日、早希と一緒に居るって決めてたんだ 健太:だから、クリスマスイブ、俺とまたデートしよう 早希:・・・わかりました 早希:その日になったら健太さんのこと教えてくれますか? 健太:うん、いっぱい話そう 0:デートの前日のこと 早希:なんであんなに私の事わかってくれてるんだろ? 早希:明日で3回目、私と健太さんはどういう関係なんだろ? 早希:前に会った時が初めてじゃないなら・・・いつ会ったの? 早希:わからない・・・ 0:デート当日 健太:早希ー!!おっはよー! 早希:・・・ 健太:うわ!今日の服可愛いね!何このモコモコ!うわー!モコモコかと思ったらふっさふさだ!手袋薄ピンクちょー似合う!可愛いねー! 健太:お?この香りは・・・ディオーレの香水!いい匂いだなー!俺のために付けてきてくれたの?嬉しいー! 早希:帰りたくなってきた・・・ 健太:なんでそんなこと言うんだよ!クリスマスイブだせ?クリスマスイーブゥー! 早希:昨日あなたのこと考えてた時間返して欲しい 健太:なんか言った? 早希:いえ!何も! 健太:イルミネーション綺麗でしょ!これだけじゃないみたいだけど 早希:はい、イルミネーション見るのは得だと思ってます 健太:俺と居るのが損みたいに言うなって〜! 早希:そうは言ってないですけど、今はなんか損してます 健太:じゃあこれから右肩上がりってとこか、よーし!付いてこい! 早希:なんでそんな強引なんですか! 0:2人はしばらくイルミネーションやお店などを楽しんだ 早希:あ、これ 健太:これ早希好きそうだな!どう?このピアス 早希:か、可愛いです、けど私ピアス空いてないですよ? 健太:・・・そっか、空いてなかったな 早希:・・・え? 健太:まあいいや!なんか食べ歩くか? 早希:・・・はい 早希:でも、ちょっとお手洗いにいってきます 健太:うん 0:早希はトイレの鏡の前でそっとため息を吐く 早希:はあー、健太さんの言動が全部気になる 早希:やっぱり何か隠してることがあるんじゃ 早希:・・・あれ!? 早希:私・・・ピアス空いてる? 早希:・・・なんで? 早希:二十歳になったら空けようと思ったのに・・・ 早希:もう・・・わかんない 0:早希がトイレから出る 早希:お待たせしました 健太:・・・ 早希:健太さん? 0:健太はスマホを見ながら泣いていた 早希:健太さん! 健太:あ、ごめん! 早希:なんでまた泣いてるんですか? 健太:なんでもないよ 早希:彼女さんと何かあったんですか? 健太:違うよ、何もない 早希:・・・また教えてくれない 健太:何も・・・ 早希:教えてくださいよ!今日、私はどんな気持ちで健太さんとデートしてると思ってるんですか! 健太:・・・ 早希:あなたのその泣くと赤くなる鼻、気になるんです 早希:そんなに泣かれたらいくら私でも情が移りますよ 早希:教えてください。健太さんのこと 健太:・・・わかった 健太:ここはね、俺が彼女に告白して付き合った場所なんだ 早希:・・・そうなんですか 健太:しかも付き合った日はいつだと思う? 早希:いつですか? 健太:5年前の今日だよ 早希:・・・ 早希:今は、彼女さんは? 健太:・・・どこに居るんだろうね? 早希:なんでわかんないんですか! 健太:俺は彼女がどこにいるかわかってんだよ 健太:でも、彼女は俺がどこにいるのかわかってないんじゃないかな? 早希:どういうこと?亡くなったとか? 健太:違う 早希:目が覚めない病気とか?植物状態? 健太:違う 早希:・・・ごめんなさい、聞きすぎました? 健太:・・・ううん、早希は優しいな 早希:そんな事ないです 健太:早希はさ、今日俺とデート出来てよかった? 早希:・・・わからないです。でも 早希:健太さんのこと知れて、よかったです 健太:じゃあ、俺と付き合おうよ 早希:・・・何言ってるんですか 健太:本気だよ 早希:彼女さんはどうするんですか? 健太:・・・ 早希:今大変なことになってる彼女さん差し置いて浮気はダメですよ! 健太:・・・そうだよね 早希:そうです、健太さん最低です 健太:・・・ごめん 早希:また・・・泣かないでくださいよ 健太:泣いてないよ、トイレ行ってくる 早希:・・・はい 早希:・・・はぁ 早希:健太さんの彼女さん、どんな人なんだろ? 早希:健太さんはどんな気持ちで私とデートに・・・ 早希:どんな気持ちで私にあんなこと・・・ 早希:・・・ 早希:健太さん遅いなー 0:早希はトイレの近くに行く 早希:あれ?健太さん? 早希:またスマホ見て・・・ 健太:・・・早希 早希:え? 早希:・・・ 0:早希は健太に近づく 健太:・・・早希!? 早希:スマホ見せてください! 健太:や、やめろ!離せ! 早希:いいから見せてください! 健太:あ! 0:健太はスマホを落とす 早希:・・・え? 健太:・・・ 0:スマホの画面には 早希:・・・どうして、私との写真が・・・ 健太:・・・ 早希:これ、いつ撮った写真ですか? 健太:・・・くっ! 早希:泣かないで答えてくださいよ! 早希:やっぱり私たち会ったことあるんですか!? 早希:健太さん!教えてください! 健太:・・・わかった、教えるね 健太:俺と早希が出会ったのは5年前だよ 早希:5年前?じゃあ中学生の時? 健太:ううん、早希が19の時だ 早希:・・・え?私、今19歳ですよね? 健太:違うよ、早希は今、24歳だ 早希:ど、どういうこと? 0:今から5年前のこと 0:早希と健太は同じ大学だった 早希:あ 健太:お、早希ー! 早希:・・・なに? 健太:一緒に帰ろうよ 早希:やだよ、付いてこないで 健太:・・・んーなんでこんな嫌われてんだろうなー 0:しかしめげずに健太は早希にアプローチをしていた 健太:ねえねえ早希ー飯食お? 早希:やだ! 健太:早希ってなんか好きなもんある?俺に教えてよ 早希:やだよ! 0:そんなやり取りが続く 健太:早希、クリスマスどこ行く? 早希:なんでどこか行くことが当たり前みたいに聞いてんの! 健太:なんでよー予定あんの? 早希:ないけど嫌でしょ 健太:俺は嫌じゃないのにー俺の事嫌いなの? 早希:嫌い 健太:・・・そっか、うっううぅ〜! 早希:な、泣かないでよ!嘘、嫌いは言いすぎた 健太:デートしてくれるの? 早希:わかった、わかったよ! 0:そして、12月24日 健太:早希!俺と付き合ってください! 早希:な、なんで!? 健太:なんでってなんだよ!好きだからに決まってんだろ! 早希:いや、わかるけどなんで私なの!? 健太:早希しか居ないからだよ 早希:だからなんで!? 健太:まだわかんないの? 健太:早希の早希の喜ぶ顔とか、照れてる顔とか、美味いもん食ってる顔とか、楽しそうな顔とか 健太:あとはーそうだな、からかわれて怒ってる顔とか、仕草一つ一つが好きなんだよね 健太:これからも一緒に居てさ、俺の知らない早希を知って好きを増やしたいんだ 早希:・・・わかったよ、私で良ければ 健太:ほ、ほんとか!?やったぁぁー!! 健太:うっ、ううぅ〜〜(泣く) 早希:なんでまた泣くの? 健太:泣いてねーよ、ばぁかぁー! 早希:ふふっ、鼻真っ赤だよ 健太:あー!鼻かゆ!花粉かな? 早希:今冬だよ?泣いてるのわかりやすい 早希:あ、じゃあ健太のあだ名決めた! 健太:何? 早希:赤鼻の健太 健太:トナカイみたいに言うなよ! 早希:泣くと鼻が赤くなるから 健太:からかうなってー 健太:まあ、早希が喜んでるならいいか 0:1年後 健太:早希、今日で付き合って1年経つぞ 早希:うん、そうだね 健太:もう1年かーあっという間だな 早希:この1年で健太は何回泣いたの? 健太:知らねーよ、1回も泣いてねーし 早希:それは嘘だよ 健太:はい、じゃあここに来て 早希:もう、場所まで同じにしなくてもいいんじゃない? 健太:だめだよ、毎年12月24日はここで早希に告白するって決めたんだ! 早希:もう、わかったよ 健太:好きだよ、早希 早希:私も好きだよ 健太:・・・よっしゃあー!! 早希:よっしゃあってなんなの!?もうわかってる事なのに 健太:いつだって付き合った日に好きって言われたら嬉しいじゃんかよー 早希:また鼻赤くなってるよー赤鼻の健太 健太:うるせー!泣いてねーよ! 早希:あっはは! 0:そして更に3年が経つ 健太:じゃあ、またここに来て 早希:うん 健太:あー違う、10センチずれてる 早希:毎年細かくなってるのなんなの!? 健太:いいから!ここ! 早希:うるさい人 健太:ボソッと悪口言わない! 早希:はいはい 健太:はいは2回まで! 早希:じゃあいいじゃん! 早希:あっはは!健太って面白い 健太:4年も付き合ってるのになんかずっと楽しいよな、俺たち 早希:そうだよね、段々仕事も忙しくなってきたから会える日は少なくなっちゃったけど 早希:でも、健太とこうやって過ごせる毎日が幸せだよ 健太:俺もだよ、早希と一緒にまたこの場所に来れたことを幸せに思う 早希:ありがとう 健太:早希、来年もこの場所に来ような 早希:もちろん! 早希:はあーでも仕事の疲れ残ってるみたいだし私も若くないのかな? 健太:疲れ溜まるよなー、もし大変そうだったら休んでもいいからね? 早希:大丈夫だよ 0:そして、10ヶ月が経とうとしたある日のこと 0:健太は1人である計画を立てていた 健太:よーしよーし!今年のクリスマスイヴはまたあの場所で早希に告白するぞー! 健太:もう5年になるのかー早いなー 健太:そうだ、5年も一緒にいる訳だしそろそろ・・・ 健太:今年は絶対にやってやる 健太:12月24日、早希にプロポーズを! 0:ある日のこと 早希:・・・はぁ 健太:早希?眠いの? 早希:あ、ごめん、最近仕事忙しくてさ 健太:大丈夫?疲れてない? 早希:大丈夫だよ健太も仕事頑張ってるもんね 健太:そうだけど、早希は無理しちゃだめだぞ? 早希:ううん、本当に大丈夫だから 健太:そう? 0:そしてある日のこと 早希:・・・ 健太:早希? 早希:・・・え? 健太:本当に大丈夫? 早希:・・・うん、グスンっ 健太:・・・どうしたんだよ、なんで泣いてんの? 早希:・・・わかんない、わかんないよ・・・ 健太:とりあえず、落ち着こ?今日のデートは無しにして休もう 早希:やだよ!健太がそばに居てくれないと・・・私、死んじゃう 健太:・・・じゃあ俺のそばにずっと居てよ 早希:・・・うん 0:さらに月日が経つ 健太:早希?おはよ 早希:うん 早希:・・・うっううぅぅ〜〜(泣く) 健太:早希・・・ 0:健太は早希を抱きしめる 健太:最近いつも泣いてるじゃん、どうして欲しいの? 早希:わかんない 健太:わかんなくないでしょ、仕事辛いの?大変だって言ってたじゃん 早希:わかんないんだってば! 早希:もう離れてよ! 健太:・・・早希 早希:みんなそうやって優しいフリしてなんなの! 早希:壊れ物は優しく扱うってことだよね、私はどうせ弱くて惨めだよ 早希:もうみんな大っ嫌い!! 健太:・・・それでも俺はそばに居るよ? 早希:・・・うっううぅ〜 早希:・・・健太 健太:ん? 早希:・・・だい・・・ 健太:早希?早希!?ねえ、どうしたの!? 0:早希は倒れてしまった 0:原因は仕事のストレスによる、過労。早希は病院に運ばれ病室で寝ていた 早希:・・・ん 健太:早希! 早希:・・・健太 健太:よかった、無事だったんだ 早希:健太に会いたい・・・ 健太:・・・え? 早希:あなた・・・誰ですか? 健太:な、何言ってんだよ 早希:健太に会わせて 健太:俺だよ!健太だよ! 早希:いやだ!健太に会いたい! 健太:・・・早希 早希:健太・・・健太!! 健太:早希!! 0:健太は早希を抱きしめる 早希:・・・けん、た? 健太:うん、俺が健太だよ 早希:なんで、ここに健太が居るの? 健太:・・・ずっと早希のそばに居たよ 早希:・・・なんで健太を一瞬忘れちゃったんだろ 健太:最近早希の様子がおかしかったからかな 早希:ごめんね、本当にどういうことかわかんない 健太:一瞬忘れてたとしても、なんで思い出せたんだろうね? 早希:なんか、健太に抱きしめられた時、全部思い出せたの 早希:私にはわからないけど、健太の温もりで思い出せた 健太:早希・・・よかったよ 0:翌日のこと、病院で早希と健太は会う 早希:健太 健太:早希、よかった、覚えててくれたんだ 早希:・・・うん 健太:今日はとりあえず安静にしような 早希:ねえ、健太 健太:ん? 早希:・・・手帳にさ、デートの予定書きたい 健太:うん、いいよ 早希:12月10日は駅に集合ね 健太:うん 早希:そしたらその次の日は付き合う前に行ったショッピングモールに行こ? 健太:・・・うん 早希:んで、この日は 健太:早希? 早希:ん? 健太:何かあったの? 早希:・・・ 健太:確かに手帳に予定書くのは早希がいつもやってる事だけど、こんな先のことまで書かなくても 早希:いや、ダメだよ、書かないとダメ 健太:どうして? 早希:・・・私、もしかしたらね、いつかわからないけど 早希:記憶が無くなるかもしれないみたい 健太:・・・え? 早希:過労で倒れた時に脳に異常があったの、記憶を記録する機能が低下してる 早希:そしたらそのうち、長期的な記憶が抜ける可能性があるみたいだよ 健太:・・・なんだよ、それ、長期的な記憶って何年まで? 早希:・・・5年以上、らしいよ 健太:5年以上・・・早希と俺、まだ会ってないんじゃ 早希:どのくらい記憶出来るかはわからない、もしかしたらまた健太の事は覚えてるかもしれない 早希:でもさ、もし私の記憶から、健太が居なくなっても健太は私のそばに居てくれる? 健太:・・・当たり前だよ 健太:俺は早希のそばにいるから、早希は記憶が無くなっても、また俺の事好きになってくれる? 早希:・・・うん、もちろんだよ、私は何度だって健太に恋したい 早希:だから私のそばにいてね? 健太:うん、ずっと一緒にいるよ! 健太:早希がまた俺を好きになってくれるんだったら、早希をずっと信じるよ 早希:ありがとう、私も健太のこと、信じる 健太:早希が俺を忘れたとしても、またしつこいくらいに早希にちょっかいかけてさ 健太:12月24日、またあの場所で、早希に告白する 健太:早希を幸せにするのは・・・赤鼻の健太だよ 早希:・・・うん、待ってるね 早希:赤鼻の健太 0:そして12月24日、現在 早希:じゃあ、私はずっと健太さんと付き合ってたんですか? 健太:・・・そうだよ 早希:信じられないです 健太:無理もないよね 早希:でも、ずっと違和感を感じてたんです 早希:買った覚えのない服もあったし、自分で書いたはずの予定も忘れてる 早希:ピアスもいつの間にか空いてた 早希:やっと辻褄が合いました 健太:よかった、信じてもらえて 早希:はい、健太さんのこと信じてます 健太:じゃああの場所に行こう 早希:どこに? 健太:俺が早希に告白した場所だ 0:早希と健太は約束の場所に行く 健太:ここに立って? 早希:はい 健太:違う、あと5センチ横 早希:細すぎません!? 健太:いいの、これもお約束だ 健太:じゃあ、改めて 健太:早希 早希:待ってください 健太:え? 早希:私・・・健太さんとの記憶が無いまま健太さんと向き合うのは・・・怖いです 健太:・・・ 健太:俺も怖いよ 健太:早希のその敬語も冷たい視線も、さん付けも、また別人だと思えば何とかなると思ってたけどさ 健太:でも、早希の喜ぶ顔とか、照れてる顔とか、美味いもん食ってる顔とか、楽しそうな顔とか 健太:からわれて怒ってる顔とか、優しい顔とか、俺の冗談で笑ってる顔とか、 健太:重いもの頑張って持ってる顔とか、寒がってる顔とか、可愛いもの見てる顔とか、俺の目を真っ直ぐ見る顔とか 健太:早希の仕草一つ一つが俺にとっては・・・ 健太:全部・・・俺の大好きな早希なんだよ・・・ 早希:・・・また鼻、赤いですよ 健太:今日は泣かせてよ、でもさ、早希 健太:早希の記憶は俺がいる限り無くならないよ 早希:・・・え? 健太:早希のスマホのファイルに、赤鼻ってファイル、あったでしょ? 早希:・・・もしかして、あの鍵のついたファイル・・・ 健太:うん、早希の俺に対する愛があればそれは開けられるはずだよ 早希:・・・ 0:早希は恐る恐る、鍵付きのファイルに 0:パスワード『1224』を入力した 早希:・・・っ!! 健太:俺たちの写真と動画だよ 健太:記憶はなくても記憶は残せる 健太:早希が無くした記憶は俺が持ってるよ 早希:・・・健太さん 早希:うっ、うううぅ〜〜(泣く) 健太:泣くなよ、俺ももらい泣きするぞ? 早希:健太さんはいつも泣いてるじゃないですか 健太:泣いてないし! 健太:・・・本当は、今日のこの日、早希にプロポーズする予定だったんだ 早希:・・・そうだったんですか 早希:ごめんなさい 健太:いいや、俺と早希はまた、ここから始めよう 早希:・・・はい 早希:健太さん、抱きしめてください 健太:・・・?? 早希:これから、私の記憶を健太さんで埋めてください 健太:・・・わかった 健太:でも、これだけは言わせて 健太:好きだよ、早希 早希:・・・私も、好きです 0:健太が早希を抱きしめた 早希:・・・え? 早希:・・・健太? 0: 健太:・・・早希?今、なんて 早希:・・・健太だよね? 健太:うん、そうだよ、健太だよ! 早希:・・・なんで、ここに健太が居るの? 健太:ずっとそばに居たよ!早希! 健太:もしかして・・・記憶戻ったのか? 早希:・・・うん、ぼんやりと 早希:私、健太と・・・ 早希:あれ?涙が勝手に落ちてきた 健太:早希・・・うううぅ〜(泣く) 早希:健太、ごめんね、私、健太のこと忘れてたのかな? 健太:なんで、思い出せたの? 早希:わかんない、けど健太の温もりで全部思い出せた 早希:ごめんね、健太のこと覚えてなくて 健太:ううん、早希は俺に言ってくれたじゃん 健太:記憶が無くなっても何度だって俺に恋したいって 健太:早希は・・・俺に好きって言ってくれたんだよ 健太:早希を信じて、ずっと待ってたんだよ! 早希:健太・・・ 早希:こんな私のそばに居てくれて、ありがとう 健太:早希じゃなかったら、ずっとそばにいれなかったよ 健太:ありがとう、早希 健太:そうだ、早希、俺、早希に伝えたいことがあったんだ 早希:・・・何? 健太:今すぐにじゃなくていい、色々落ち着いてからでいいから 健太:結婚しよう、早希 早希:うん!もちろん! 健太:ほ、本当か!! 早希:当たり前でしょ 健太:やったあああああ!! 早希:また鼻赤くなってるよ、泣いてるの? 健太:泣いてねーよ、ばぁかぁー! 早希:うっふふ! 早希:私も健太じゃないとダメだよ 早希:幸せになろ? 健太:ああ、幸せにする、約束するよ 早希:うん、健太は私の約束を絶対に守ってくれるもんね 早希:私だって約束するよ 早希:これから何があったとしても私は絶対に 早希:赤鼻の健太を忘れない 0:赤鼻の彼を忘れない 〜END〜