台本概要

 112 views 

タイトル 終末から始める農業体験
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 世界が謎の殺人ウイルスにより終末を迎えたお話。生き残った緑(みどり)と匠(たくみ)はなんとか荒廃した世界で生きていく為に農業を始める事にしたのだった。
男女不問。アドリブOK!

 112 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
31 元気が取り柄の明るい女子学生。虫が苦手で触るのも駄目。世界が荒廃した時絶望していたが前から好きだった匠がいた事で救われた。
27 学校ではあまり目立たない大人しい男子学生。実は体力がありいざという時は祖父仕込みの行動力もある。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
緑:はー、まさかほんとにこんな世界になっちゃうとは思わなかったわね 匠:そうだね。でも僕達、運が良かったよね 緑:生き残れたのを感謝した方がいいのか、嘆(なげ)いていいのか分からないわね。こんな何にもない世界 0: 緑:(N)一ヶ月前、突如発生した世界規模の殺人ウイルス大流行によって世界の人口は抗体を持つわずかな人間を残し一割程度まで減ってしまった 0: 緑:(N)幸か不幸か生き残った中に私と、そして高校の同級生の匠がいた。私達はこの文明がストップしてしまった世界で生きていかないといけないのだ 0: 緑:生き残れても問題が山積みよ。とくに食料。今はまだ保存食の備蓄があるからいいけど、それもいずれ食べ尽くしたらどうしたらいいのかしら。狩りでもしろっての? 匠:それなんだけど、解決策はあるよ 緑:え?あるの?いったいどんなのよ 匠:畑で野菜を作るんだ 緑:畑?そんなもんどこにあるのよ 匠:どこって、これから作るんだよ 緑:・・ええぇ~~! :間 匠:はい、これが野菜の種だよ。それからこれが軍手とクワ 緑:・・ツッコミ所が多すぎて何から突っ込んでいいのかわからないけど、まずこれどっから持って来たのよ? 匠:近くのホームセンターだよ。この際だしもらって来ちゃったけどね 緑:あんたって意外と大胆な事出来るやつだったのね 匠:はは、僕一人じゃ食べて行けるくらい広い畑を耕(たがや)すのは大変だからね。緑ちゃんも協力よろしくね 緑:一番の疑問はなんであんたがそんな知識持ってるかって事よ? 匠:あ、それはね、僕のおじいちゃんが農家をしてたんだけど小さい時はおじいちゃんの家に預けられてて、農業の知識はその時よく手伝わされてたから覚えてるんだ 緑:・・あんたもなかなか苦労してきたのね 匠:大変だと思った事なんてないよ。むしろそのおかげで僕は絶望しないでいられてるんだ。さ、緑ちゃん、まずは畑を耕す場所を探しに行こうか 緑:え?その辺の土でやったらいいんじゃないの?丁度草も生えてないし 匠:出来なくはないと思うけど。逆に草が生えてる方が都合がいいんだよ 緑:どういう事なの?雑草なんて邪魔なだけじゃない 匠:実は地面の下の方には硬い地層があってそのままじゃ水はけが悪くて生育の妨げになるんだけど、雑草の根はその硬い層を貫き砕く働きがあるんだ 緑:さ、さすが踏んでも起き上がる雑草パワーね 匠:しかも雑草は土壌の養分バランスを整えてくれるから抜きすぎない方がいいんだ。さて、ちょうどいい場所に着いたよ。はい、クワ持って一緒に頑張ろう 緑:うへ~、私土いじりなんてした事ないんですけど~。ほんとにやらなきゃ駄目? 匠:働かざる者食うべからず、だよ。これからを生き抜くには種を撒き、育てなきゃ 緑:いつも窓際でぼーっとしてたあんたがまるで別人に見えるわね 匠:僕らはまだ終わってなんかいないよ、未来は自分達で作って行くんだ! 緑:・・なんかちょっとカッコいいじゃん(小声) :間 緑:いやああぁぁ~~!む、虫がああぁ~~! 匠:そりゃ畑なんだし、虫の一匹や二匹はいるよ 緑:こんなんがまだいっぱいいるの!?む、無理なんだけど! 匠:ははは。あ、でも葉についてるやつは退けないと葉をかじられるから見つけたら取っといてね。僕はあっち見てくるよ 緑:ちょ、匠、虫とか軍手越しでも気持ち悪くて無理だってぇ~~! :間 匠:あちゃー。これはタヌキか鹿のしわざだねー 緑:タヌキとか鹿!?超かわいいやつじゃん 匠:可愛いだけならいいんだけど、彼らは作物を食い荒らしたりするから農家には天敵なんだよ 緑:あんな可愛い顔して食い荒らしたりするのか・・自然恐るべし 匠:よし、畑の周りに柵を作って入れないようにしよう。資材はホームセンターからもらって来るから後で一緒に囲うの手伝ってね 緑:え?囲うってこの広い畑を?うへ~ :間 匠:・・雨、降らないねー 緑:・・毎日暑くてたまらないんだけどー 匠:・・そりゃ、夏だからねー 緑:・・夏じゃ、しょうがないわー :間 匠:緑ちゃーん、そっちはどうだーい? 緑:匠ーー!すごいよー!トマトにキュウリ、カボチャにレタス、全部いい感じに大きくなってるから収穫してもいいみたいよ! 匠:よし、今日はパーティーだね。ほら、これ僕が仕掛けてた罠にかかってた鹿だよ 緑:おおすごい!って匠そんな事も出来たの? 匠:うん、これもじいちゃん仕込みだよ 緑:へー。・・やっぱ匠はなんでも出来てすごいよね 匠:緑ちゃん? 緑:世界がこうなって、私って一人じゃなにも出来ないただの子供だったんだなって、嫌ってくらい思い知らされた 匠:僕も一人だったらこんなにがんばれて無かったと思うんだ。緑ちゃんが居てくれたから、頑張れたんだ 緑:そ、そっか。私なんかでも少しは役に立てたのかな。こんな世界になって始めはもう駄目だって思ってたけど⋯匠が生きててくれて良かった。匠となら、未来を諦めなくてもいいと思えてくるわ 匠:そうだね、こんな状況だけど、諦めちゃ駄目だ。人間の文明が一度終わったこの世界で、埋もれてしまった僕らの未来を、もう一度掘り起こすんだ。 :おわり

緑:はー、まさかほんとにこんな世界になっちゃうとは思わなかったわね 匠:そうだね。でも僕達、運が良かったよね 緑:生き残れたのを感謝した方がいいのか、嘆(なげ)いていいのか分からないわね。こんな何にもない世界 0: 緑:(N)一ヶ月前、突如発生した世界規模の殺人ウイルス大流行によって世界の人口は抗体を持つわずかな人間を残し一割程度まで減ってしまった 0: 緑:(N)幸か不幸か生き残った中に私と、そして高校の同級生の匠がいた。私達はこの文明がストップしてしまった世界で生きていかないといけないのだ 0: 緑:生き残れても問題が山積みよ。とくに食料。今はまだ保存食の備蓄があるからいいけど、それもいずれ食べ尽くしたらどうしたらいいのかしら。狩りでもしろっての? 匠:それなんだけど、解決策はあるよ 緑:え?あるの?いったいどんなのよ 匠:畑で野菜を作るんだ 緑:畑?そんなもんどこにあるのよ 匠:どこって、これから作るんだよ 緑:・・ええぇ~~! :間 匠:はい、これが野菜の種だよ。それからこれが軍手とクワ 緑:・・ツッコミ所が多すぎて何から突っ込んでいいのかわからないけど、まずこれどっから持って来たのよ? 匠:近くのホームセンターだよ。この際だしもらって来ちゃったけどね 緑:あんたって意外と大胆な事出来るやつだったのね 匠:はは、僕一人じゃ食べて行けるくらい広い畑を耕(たがや)すのは大変だからね。緑ちゃんも協力よろしくね 緑:一番の疑問はなんであんたがそんな知識持ってるかって事よ? 匠:あ、それはね、僕のおじいちゃんが農家をしてたんだけど小さい時はおじいちゃんの家に預けられてて、農業の知識はその時よく手伝わされてたから覚えてるんだ 緑:・・あんたもなかなか苦労してきたのね 匠:大変だと思った事なんてないよ。むしろそのおかげで僕は絶望しないでいられてるんだ。さ、緑ちゃん、まずは畑を耕す場所を探しに行こうか 緑:え?その辺の土でやったらいいんじゃないの?丁度草も生えてないし 匠:出来なくはないと思うけど。逆に草が生えてる方が都合がいいんだよ 緑:どういう事なの?雑草なんて邪魔なだけじゃない 匠:実は地面の下の方には硬い地層があってそのままじゃ水はけが悪くて生育の妨げになるんだけど、雑草の根はその硬い層を貫き砕く働きがあるんだ 緑:さ、さすが踏んでも起き上がる雑草パワーね 匠:しかも雑草は土壌の養分バランスを整えてくれるから抜きすぎない方がいいんだ。さて、ちょうどいい場所に着いたよ。はい、クワ持って一緒に頑張ろう 緑:うへ~、私土いじりなんてした事ないんですけど~。ほんとにやらなきゃ駄目? 匠:働かざる者食うべからず、だよ。これからを生き抜くには種を撒き、育てなきゃ 緑:いつも窓際でぼーっとしてたあんたがまるで別人に見えるわね 匠:僕らはまだ終わってなんかいないよ、未来は自分達で作って行くんだ! 緑:・・なんかちょっとカッコいいじゃん(小声) :間 緑:いやああぁぁ~~!む、虫がああぁ~~! 匠:そりゃ畑なんだし、虫の一匹や二匹はいるよ 緑:こんなんがまだいっぱいいるの!?む、無理なんだけど! 匠:ははは。あ、でも葉についてるやつは退けないと葉をかじられるから見つけたら取っといてね。僕はあっち見てくるよ 緑:ちょ、匠、虫とか軍手越しでも気持ち悪くて無理だってぇ~~! :間 匠:あちゃー。これはタヌキか鹿のしわざだねー 緑:タヌキとか鹿!?超かわいいやつじゃん 匠:可愛いだけならいいんだけど、彼らは作物を食い荒らしたりするから農家には天敵なんだよ 緑:あんな可愛い顔して食い荒らしたりするのか・・自然恐るべし 匠:よし、畑の周りに柵を作って入れないようにしよう。資材はホームセンターからもらって来るから後で一緒に囲うの手伝ってね 緑:え?囲うってこの広い畑を?うへ~ :間 匠:・・雨、降らないねー 緑:・・毎日暑くてたまらないんだけどー 匠:・・そりゃ、夏だからねー 緑:・・夏じゃ、しょうがないわー :間 匠:緑ちゃーん、そっちはどうだーい? 緑:匠ーー!すごいよー!トマトにキュウリ、カボチャにレタス、全部いい感じに大きくなってるから収穫してもいいみたいよ! 匠:よし、今日はパーティーだね。ほら、これ僕が仕掛けてた罠にかかってた鹿だよ 緑:おおすごい!って匠そんな事も出来たの? 匠:うん、これもじいちゃん仕込みだよ 緑:へー。・・やっぱ匠はなんでも出来てすごいよね 匠:緑ちゃん? 緑:世界がこうなって、私って一人じゃなにも出来ないただの子供だったんだなって、嫌ってくらい思い知らされた 匠:僕も一人だったらこんなにがんばれて無かったと思うんだ。緑ちゃんが居てくれたから、頑張れたんだ 緑:そ、そっか。私なんかでも少しは役に立てたのかな。こんな世界になって始めはもう駄目だって思ってたけど⋯匠が生きててくれて良かった。匠となら、未来を諦めなくてもいいと思えてくるわ 匠:そうだね、こんな状況だけど、諦めちゃ駄目だ。人間の文明が一度終わったこの世界で、埋もれてしまった僕らの未来を、もう一度掘り起こすんだ。 :おわり