台本概要

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タイトル この気持ちを伝えるのが愛ならば
作者名 めぶき  (@mebuki_motobe)
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(女2、不問1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず作者へ連絡要
説明 ある日、何者かに夢の中で「愛の言葉を封じる」と言われた春香。起きてみると、使えない言葉がいくつかあって、不便な会話を強いられる。理解者のサクラが春香をサポートしながら、その謎の声の主は消えていった…。

※ご連絡は、ご利用後の事後報告でもかまいません。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
春香 50 芯が通っていて、人との繋がりを大切にしている女性。一人称は「春」
サクラ 34 春香の理解者。春香との時間を大切にしながら、毎日を過ごしている。一人称は「私」
語り人 不問 19 謎の声の主。春香へ淡々と話しかける
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
春香:ん…ここなに?自分で、夢だと分かっているのに起きられない…ここ、鍾乳洞みたいで、ヒンヤリしてるけど… 語り人:「愛とは、どこにあるものだ?」 春香:え?どこから声が…? 語り人:「おまえの頭脳に直接響かせている。先に進めろ」 春香:愛…それは、それぞれの人の心にあります 語り人:「では、愛を与えるということは、何を意味している?」 春香:相手を慈しみ、思いやり、穏やかに過ごします 語り人:「おまえは、何かを分け与え、愛を降り注ぎ、相手の身になって行動ができるか?」 春香:春は、そんなに立派な人ではありません。みなさんからたくさんの愛をいただいて、私はみなさんに笑顔になれる時間をプレゼントして、楽しんでもらっています。みなさんからの愛情を受け、私はここまで来ることができました 語り人:「では、おまえに試練を与えよう」 春香:試練…? 語り人:「おまえから《みんなへの愛という感情》を、一時的に封印する」 春香:そんな!困ります! 語り人:「今からおまえは、愛の言葉を使うことができん」 春香:なぜそんなことをするのですか…?私はなぜ、そんな試練を受けなければいけないのでしょうか? 語り人:「それは、おまえがどれだけの人に愛されているのか試すためだ」 春香:人の愛を試すことこそ、不穏なことではないですか? 語り人:「…時(とき)は動き始めた。愛の言葉を取り戻せるとき、おまえは更に愛を大切にするだろう」 春香:待って!一方的です! 語り人:「さぁ、行け。もう、ここは不要だ…」 春香:待って! 語り人:「……」 春香:声が聞こえなくなってしまった…愛の言葉が使えない?…どういうこと…? 0:数日が過ぎ、春香のカフェにサクラが訪れる サクラ:春香さん、こんにちは。今日も来ちゃいました 春香:あぁ、サクラちゃん。いらっしゃい。今日も元気だね。何、飲む? サクラ:オレンジジュースください。元気ですよ!春香さんも、元気ですか? 春香:元気だよ!ただ、ちょっとこの前、不思議なことがあったんだよね サクラ:不思議なこと? 春香:うん。なんか、夢なのに妙にリアリティがあってね サクラ:どうしたんですか? 春香:「愛の言葉を使えない」って言われて、起きてもそれが鮮明にイメージに残ってるの サクラ:そうなんですね…「愛の言葉」って、具体的になんですか? 春香:わらかない。ただ「好…」あれ?言葉にできない サクラ:「す」? 春香:ごめんね、言葉がでてこない。ちょっと待ってね。試しにもうひと言…「大好…」あれ? サクラ:「だいす」? 春香:サクラちゃんは、春のこと、好…ダメだ。単語が言えない サクラ:「す」ってなんですか? 春香:伝えたいのに、単語が言えないの サクラ:あ、もしかして、「好き」とか「大好き」ですか? 春香:そうそう! サクラ:逆の言葉は言えますか?「嫌い」とか 春香:「嫌い」…あ、言えた サクラ:どうしちゃったんでしょう? 春香:変な夢を見てから言えなくて… サクラ:何をすれば、元に戻るんですか? 春香:わからないの。ただ夢で《みんなへの愛の感情を封印する》って言われて、目が覚めたら言えなくなったの サクラ:そうなんですね…でも、春香さんのことを好きな人はたくさんいるから、「いま、こんなことになってます」って言ったら伝わりますよ 春香:会う度に、一人ひとりに言ってたら大変だなぁ… サクラ:私も手伝います! 春香:ありが…、サクラちゃん!優し…え?これもダメ? サクラ:大丈夫です!「ありがとう」と「優しいね」ですね! 春香:そうそう!助かる!でも、不便だなぁ… 語り人:「順調の様子、なによりだ。理解者がいて、良かったなぁ」 春香:また、あの声!夢じゃなかったの? サクラ:どうしたんですか? 春香:いま、夢で見た声が聞こえたの。サクラちゃんは聞こえない? サクラ:私には聞こえないです 語り人:「春香。おまえにだけ波長を送っている。他の人には聞こえん」 春香:もう、春にしゃべりかけないで!じゃない!本当に、どうやったら元に戻るのか、教えて! 語り人:「相手からの愛情を感じれば、その内、元に戻る」 春香:私から気持ちを伝えるのが難しいのに、どうやって相手に気持ちを伝えられるの? サクラ:あの、春香さん? 春香:あ、ごめんね、サクラちゃん。いま、声が聞こえて…なんか、私から気持ちを伝えなくても、相手から気持ちが届けば治るって言われた サクラ:じゃあ、大丈夫ですよ!春香さんのお手伝い、私、しますから! 春香:サクラちゃん、ありが…、大好…!…はぁ、ボロボロだ… サクラ:大丈夫です!私は春香さんのこと、大好きですから! 春香:ありが…ん〜、もう!サクラちゃん、よろしくね サクラ:はい! 0:一週間後 春香:ん〜、一週間たってるのに、まだ使いこなせないな、愛の言葉を避けた言い方。でも、なんで愛の感情を伝えたら、いけないんだろう?みんな大せ…で、大好…、なのに。一人で考えるだけでも言葉が浮かんでこないと、焦れったいなぁ。好…と、大好…、がダメなら、愛し…も、もちろん言えない…なんで素直に好…って言ったらダメなの? サクラ:春香さん!はい!最近、春香さんが落ち込んでるので、気分転換に、お花を買ってきました!紫のお花! 春香:あ〜、ありが…、サクラちゃん!紫の花、大好…! サクラ:ん〜、まだダメなようですね 春香:本当に難関だよ、愛の言葉使用禁止の会話 語り人:「まだまだの様だな」 春香:また出てきた。今度は何? 語り人:「おまえに寄り添っている彼女は、おまえにとって素晴らしい人材だ」 春香:彼女をモノの様に言わないで。大せ…な子なんだから サクラ:また、あの声ですか? 春香:うん サクラ:「大せ…」は、「大切」ですか? 春香:そう 語り人:「ほら、愛の言葉を使わなくても、着々と気持ちが通じあっている」 春香:あ、本当だ… サクラ:春香さん? 春香:春にとってサクラちゃんは、大せ…な人だって話をしてた サクラ:「大切」…そうなんですか? 春香:うん。ありが…、サクラちゃん。サクラちゃんが居てくれたから、この一週間、頑張れた サクラ:「ありがとう」ですね。なら、良かったです 語り人:「そろそろ、おまえを開放してやろう」 春香:当たり前でしょ。もうこんな茶番劇、やめて欲しい。人の心を試すなんて、愛じゃないからね サクラ:でも、その気持ちを伝えるのは、愛ですよ、春香さん 春香:サクラちゃん…そうだね。好きも、大好きも、大切な言葉。言わなきゃ伝わらないね サクラ:春香さん!言えてますよ、大切な言葉! 春香:あ、本当だ。ありがとう、サクラちゃん。今まで、春の傍(そば)にいてくれて、本当にありがとう… サクラ:泣かないでください、春香さん。春香さんの気持ちが通じて、私は嬉しいです。私、本当に春香さんを応援してますから! 春香:ありがとう…サクラちゃん…大好きだよ… サクラ:私も春香さんのこと、大好きです。ありがとうございます 語り人:「さて。これで終わりだ。もう会うことはあるまい。その気持ち、伝えるのは愛の言葉だ。それを忘れるな」 春香:…声が消えた… サクラ:春香さん…? 春香:元通りだよ、サクラちゃん。…ううん。元通りじゃないね。一歩進んだ。これからも、よろしくね、サクラちゃん サクラ:はい。よろしくお願いします

春香:ん…ここなに?自分で、夢だと分かっているのに起きられない…ここ、鍾乳洞みたいで、ヒンヤリしてるけど… 語り人:「愛とは、どこにあるものだ?」 春香:え?どこから声が…? 語り人:「おまえの頭脳に直接響かせている。先に進めろ」 春香:愛…それは、それぞれの人の心にあります 語り人:「では、愛を与えるということは、何を意味している?」 春香:相手を慈しみ、思いやり、穏やかに過ごします 語り人:「おまえは、何かを分け与え、愛を降り注ぎ、相手の身になって行動ができるか?」 春香:春は、そんなに立派な人ではありません。みなさんからたくさんの愛をいただいて、私はみなさんに笑顔になれる時間をプレゼントして、楽しんでもらっています。みなさんからの愛情を受け、私はここまで来ることができました 語り人:「では、おまえに試練を与えよう」 春香:試練…? 語り人:「おまえから《みんなへの愛という感情》を、一時的に封印する」 春香:そんな!困ります! 語り人:「今からおまえは、愛の言葉を使うことができん」 春香:なぜそんなことをするのですか…?私はなぜ、そんな試練を受けなければいけないのでしょうか? 語り人:「それは、おまえがどれだけの人に愛されているのか試すためだ」 春香:人の愛を試すことこそ、不穏なことではないですか? 語り人:「…時(とき)は動き始めた。愛の言葉を取り戻せるとき、おまえは更に愛を大切にするだろう」 春香:待って!一方的です! 語り人:「さぁ、行け。もう、ここは不要だ…」 春香:待って! 語り人:「……」 春香:声が聞こえなくなってしまった…愛の言葉が使えない?…どういうこと…? 0:数日が過ぎ、春香のカフェにサクラが訪れる サクラ:春香さん、こんにちは。今日も来ちゃいました 春香:あぁ、サクラちゃん。いらっしゃい。今日も元気だね。何、飲む? サクラ:オレンジジュースください。元気ですよ!春香さんも、元気ですか? 春香:元気だよ!ただ、ちょっとこの前、不思議なことがあったんだよね サクラ:不思議なこと? 春香:うん。なんか、夢なのに妙にリアリティがあってね サクラ:どうしたんですか? 春香:「愛の言葉を使えない」って言われて、起きてもそれが鮮明にイメージに残ってるの サクラ:そうなんですね…「愛の言葉」って、具体的になんですか? 春香:わらかない。ただ「好…」あれ?言葉にできない サクラ:「す」? 春香:ごめんね、言葉がでてこない。ちょっと待ってね。試しにもうひと言…「大好…」あれ? サクラ:「だいす」? 春香:サクラちゃんは、春のこと、好…ダメだ。単語が言えない サクラ:「す」ってなんですか? 春香:伝えたいのに、単語が言えないの サクラ:あ、もしかして、「好き」とか「大好き」ですか? 春香:そうそう! サクラ:逆の言葉は言えますか?「嫌い」とか 春香:「嫌い」…あ、言えた サクラ:どうしちゃったんでしょう? 春香:変な夢を見てから言えなくて… サクラ:何をすれば、元に戻るんですか? 春香:わからないの。ただ夢で《みんなへの愛の感情を封印する》って言われて、目が覚めたら言えなくなったの サクラ:そうなんですね…でも、春香さんのことを好きな人はたくさんいるから、「いま、こんなことになってます」って言ったら伝わりますよ 春香:会う度に、一人ひとりに言ってたら大変だなぁ… サクラ:私も手伝います! 春香:ありが…、サクラちゃん!優し…え?これもダメ? サクラ:大丈夫です!「ありがとう」と「優しいね」ですね! 春香:そうそう!助かる!でも、不便だなぁ… 語り人:「順調の様子、なによりだ。理解者がいて、良かったなぁ」 春香:また、あの声!夢じゃなかったの? サクラ:どうしたんですか? 春香:いま、夢で見た声が聞こえたの。サクラちゃんは聞こえない? サクラ:私には聞こえないです 語り人:「春香。おまえにだけ波長を送っている。他の人には聞こえん」 春香:もう、春にしゃべりかけないで!じゃない!本当に、どうやったら元に戻るのか、教えて! 語り人:「相手からの愛情を感じれば、その内、元に戻る」 春香:私から気持ちを伝えるのが難しいのに、どうやって相手に気持ちを伝えられるの? サクラ:あの、春香さん? 春香:あ、ごめんね、サクラちゃん。いま、声が聞こえて…なんか、私から気持ちを伝えなくても、相手から気持ちが届けば治るって言われた サクラ:じゃあ、大丈夫ですよ!春香さんのお手伝い、私、しますから! 春香:サクラちゃん、ありが…、大好…!…はぁ、ボロボロだ… サクラ:大丈夫です!私は春香さんのこと、大好きですから! 春香:ありが…ん〜、もう!サクラちゃん、よろしくね サクラ:はい! 0:一週間後 春香:ん〜、一週間たってるのに、まだ使いこなせないな、愛の言葉を避けた言い方。でも、なんで愛の感情を伝えたら、いけないんだろう?みんな大せ…で、大好…、なのに。一人で考えるだけでも言葉が浮かんでこないと、焦れったいなぁ。好…と、大好…、がダメなら、愛し…も、もちろん言えない…なんで素直に好…って言ったらダメなの? サクラ:春香さん!はい!最近、春香さんが落ち込んでるので、気分転換に、お花を買ってきました!紫のお花! 春香:あ〜、ありが…、サクラちゃん!紫の花、大好…! サクラ:ん〜、まだダメなようですね 春香:本当に難関だよ、愛の言葉使用禁止の会話 語り人:「まだまだの様だな」 春香:また出てきた。今度は何? 語り人:「おまえに寄り添っている彼女は、おまえにとって素晴らしい人材だ」 春香:彼女をモノの様に言わないで。大せ…な子なんだから サクラ:また、あの声ですか? 春香:うん サクラ:「大せ…」は、「大切」ですか? 春香:そう 語り人:「ほら、愛の言葉を使わなくても、着々と気持ちが通じあっている」 春香:あ、本当だ… サクラ:春香さん? 春香:春にとってサクラちゃんは、大せ…な人だって話をしてた サクラ:「大切」…そうなんですか? 春香:うん。ありが…、サクラちゃん。サクラちゃんが居てくれたから、この一週間、頑張れた サクラ:「ありがとう」ですね。なら、良かったです 語り人:「そろそろ、おまえを開放してやろう」 春香:当たり前でしょ。もうこんな茶番劇、やめて欲しい。人の心を試すなんて、愛じゃないからね サクラ:でも、その気持ちを伝えるのは、愛ですよ、春香さん 春香:サクラちゃん…そうだね。好きも、大好きも、大切な言葉。言わなきゃ伝わらないね サクラ:春香さん!言えてますよ、大切な言葉! 春香:あ、本当だ。ありがとう、サクラちゃん。今まで、春の傍(そば)にいてくれて、本当にありがとう… サクラ:泣かないでください、春香さん。春香さんの気持ちが通じて、私は嬉しいです。私、本当に春香さんを応援してますから! 春香:ありがとう…サクラちゃん…大好きだよ… サクラ:私も春香さんのこと、大好きです。ありがとうございます 語り人:「さて。これで終わりだ。もう会うことはあるまい。その気持ち、伝えるのは愛の言葉だ。それを忘れるな」 春香:…声が消えた… サクラ:春香さん…? 春香:元通りだよ、サクラちゃん。…ううん。元通りじゃないね。一歩進んだ。これからも、よろしくね、サクラちゃん サクラ:はい。よろしくお願いします