台本概要

 284 views 

タイトル ピースメイカー ~PeaceMaker~
作者名 焔屋稀丹  (@KITAN0913)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 〇役表
【ピースメイカー~PeaceMaker~】
作:焔屋 稀丹
マリオ:
ガフリー:
https://malaynonagurigaki.amebaownd.com/posts/8582293
※作中で過去を振り返るシーンなどで年齢の変動があります。

 284 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
マリオ 不問 68 街の半分を支配するランドルフ家の血統を持つ少年。愛人の息子の為、追放された。 野心を持っている。 後にガフリーと新ファミリーを立ち上げて、幹部となる。
ガフリー 74 本名:ロニー・ガブリエル マフィアグループ・ランドルフ家に対抗する組織の下っ端 後にマリオと新ファミリーを立ち上げて、ボスとなる。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ガフリー:銃を手にする事が何を意味してるか。分かってるのか? マリオ:銃は銃だ。それ以外に意味はない。 0:拳銃の音 ガフリー:(M)マリオって少年を知ってるか。あいつと出会ったのは奴が12の頃だったか。薄汚い路地裏でバッタリとな。どうやらそこにいたのは親父の計らいだったらしい。ようは[捨てられた]訳だ。もうあれから、6年になるかな。随分と化けたもんだが俺はあの時ちゃんと見抜いてたぜ。あいつの中に眠る野獣をよ。 0:6年前 0:――雨降るコンクリ街―― ガフリー:そっちは終わったか!よし、路地に向かえ!今のうちにずらかるぞ!やっこさん達、騒ぎを聞きつけてぞろぞろ出てくるぞ! 0:拳銃の音 ガフリー:ジェフ!!!クソ!まだいたのか!ジェフ!ジェーフ!!!クッ…すまねぇ! 0:走り去るガフリー ガフリー:(M)ファミリーの傘下(さんか)だった俺らは敵にちょっかい出す為に、度々駆り出されてた。何人も死んだ。この街でのしあがってやると誓い合った仲間たち。そいつらのシカバネを乗り越える日々だった。辛かったが、仕方がなかった。この街でのし上がる為だ。そんな中、ジェフって奴が一抜けした日、俺は出会っちまった。 0:拳銃の音 0:撃ち返す拳銃の音 ガフリー:あぁ!鬱陶しい!どこまでついてきやがるんだ、このハイエナども! 0:拳銃の音 ガフリー:ガッ! マリオ:こっちだ! ガフリー:え! マリオ:早く! 0:走り去る音 ガフリー:ハァ… マリオ:もう大丈夫。さぁ、こっちに来て。 0:間 ガフリー:すまねぇな坊主。手当までしてもらっちまって。お前は命の恩人だぜ。 マリオ:大した傷じゃなくてよかった。 ガフリー:おう、これで俺も出世する。助かったぜ。じゃあそろそろ… マリオ:待って ガフリー:あ? マリオ:ロニー・ガブリエル。 ガフリー:おま、なんで俺の名前を… マリオ:僕を君の仲間にして ガフリー:はぁ!? マリオ:僕にはやらなければならないことがある。それは君にとっても悪い事じゃない。だから僕を… ガフリー:待て待て待て!俺とお前は今出会ったばかりだ。それにお前、いくつだ。どう見たって毛も生えてねぇクソガキじゃねぇか!あのな、何企んでるのかわからねぇがそういうのは他をあたってくれ!俺は忙しいんだ。 マリオ:ランドルフ・ガネット ガフリー:っ!? マリオ:僕の父親、そして君たちの標的 ガフリー:父親…? マリオ:もちろん、知られてるような話じゃないし、とうの本人からは厄介払いされて、今じゃこのボロアパートの6階で母さんと2人暮らし。 ガフリー:それって… マリオ:捨てられたんだよ。愛人の母さんとの間に子供がいるなんて知られたら、ボスの座も危うくなるだろうからね。 ガフリー:そうか。まぁ複雑な事情があるみたいだが、それがどうした。お前がアイツの子供だろうがなんだろうが、俺には関係ない。 マリオ:僕を仲間にすれば、君たちはこの街を支配できる。 ガフリー:っ… マリオ:って言ったら?僕にはランドルフの血が入っている。この血は、利用できる。 マリオ:それに少しの間だけど、ファミリーの施設で過ごしてた期間もあった。だから内部の情報も… ガフリー:悪いがそういうのはもっと他をあたってくれ。俺はファミリーの中じゃ下っ端だし、これから成果報告もしなきゃいけねぇ。それに、ジェフの事も… ガフリー:とにかく、だ。なんでお前が俺に関わろうとするのかはわからねぇが、もう近寄るのはやめておけ。 0:この街に住んでる奴に言うのもなんだが、関わるだけ損だ。 マリオ:わかった。 ガフリー:あ? マリオ:もう近寄るのはやめにする。 ガフリー:お、おう…そうか。そいじゃな。傷の手当ありがとよ… マリオ:待って マリオ:このUSBあげるよ。これを君のボスに届けて。 0:マリオからUSBを渡される。 ガフリー:これ… マリオ:内部情報みたいな奴だよ。それじゃあね。 ガフリー:あ、おい!ったく…なんだよ。 ガフリー:(M)いやぁ、とにかく気色の悪い体験だったな。だってよ、見ず知らずの小僧が下っ端の俺なんかにとんでもねぇ話を吹っ掛けてくるんだぜ?頭おかしいんじゃねぇかコイツって思ったよ。だが、今思えば全部計画してたんだな。あの化け物め。 0:――後日―― ガフリー:クソガキ!!!出てこい!どこにいる! マリオ:近寄らないんじゃなかったの? ガフリー:おいお前!クソガキ… マリオ:お前でもなければクソガキでもない。 ガフリー:っ! マリオ:マリオだ ガフリー:うるせぇ!そんなことはどうでもいい!お前が渡してきた、あのUSB!ありゃなんだ!!! マリオ:あぁ…。フフッ。よくやってくれたよ。ガブリエル ガフリー:内部情報だ~?ハッキングソフト組み込みやがって!!おかげで、追放!!!俺の出世の道もパァだ! マリオ:大丈夫、安心して。これからは君がトップになるんだから。 ガフリー:あ? マリオ:今頃、君のファミリーは解体に向かってるだろうね。 ガフリー:!? マリオ:そして君は大罪を犯した者として、指名手配される ガフリー:… マリオ:どうする?ガブリエル。もう後には引けないよ。僕に手を貸して街を支配するか。この街に飲み込まれるか。二つに一つ。 0:間 マリオ:どうする? ガフリー:…ガフリーだ。 マリオ:え? ガフリー:みんなからはそう呼ばれている。俺の事知ってるみたいだが、そこまでは知らなかったようだな。 マリオ:だってそんな情報、登録され… ガフリー:ハッ!画面ばっか見てるからだ。これだから近頃の若い奴は! ガフリー:悪党の世界、甘くはねぇぞ、マリオの坊ちゃん マリオ:フッ。じゃあ、決まりだね。 ガフリー:(M)ウン千年前、チャイナじゃ広大な土地を7つか8つに分けて戦い合ってたって話。知ってるか。黄金時代なんて呼ばれてもいるが、仮にその黄金時代がこの街にあるとしたら、それは俺とマリオが組んだその日からだ。 0:(3年前) 0:――組織拠点―― ガフリー:戻ったぞぉ!!! マリオ:なっガフリー!お前その傷! ガフリー:気にするな!!そんな事より聞いてくれ!今日の作戦も大成功だ!これでトニー、セミオン、アルカポネは壊滅!トニーの奴、いい顔してたから、ばっちりカメラに納めてやったぜ!ほら見ろよ! マリオ:なっ!やめてくれ!僕はそういうの見るのは苦手なんだ。いつも言ってるだろう。 ガフリー:ほぉぉん?ファミリー作って、はや3年。マフィアの幹部ともあろう者が、ビビってんのかなぁ? マリオ:ビビリなんかじゃない。ただ単に苦手なんだ。 ガフリー:まだ銃すら握ったことないらしいじゃないか。大丈夫かぁ?はっはっは。しっかし、本当にすごいぜ!お前の指示通り動いたら敵のボスをあっさりやれちまうんだから。天才か!天才なのか!天才だなぁ! マリオ:そんなことは無いよ。たまたま、敵が僕らよりもバカだっただけ。全部が全部そういうわけにはいかない。特にあの組織はね。 ガフリー:あぁ、前ほどの勢いは無いつっても、やっぱりあそこにはキレ者が多い。ウチも大きくはなってきたが、大きくなればなるほど、あいつらと対峙する日が怖くなるってもんだ。 マリオ:ん?ガフリー、そんな事に怖気づいてるのかい?ビビリちゃんはどっちかな。 ガフリー:うるさいぞ黙れ。毛も生えてないガキが大人をおちょくるもんじゃない。こういうのはな!ビビってるんじゃなくまぁ武者震い的な… マリオ:…生えてる。 ガフリー:…へ? マリオ:もうとっくの昔に生えてる!いつまでもガキ扱いするんじゃない!殺すぞ! ガフリー:ぶっはははは!なんと!マリオの坊ちゃんもとうとうボーボーか!!これで大人の仲間入りだなぁ!!どれ、見せてみろ! マリオ:うぉっ!触るな!近づくな!!クソ、調子が狂う。ほら、次の標的の話をするぞ。 ガフリー:あ、おい!!! ガフリー:(M)分かるか?たったひとつのハッキングによって街を担っていた二大組織はバラバラになったんだ。そして裏切りに裏切りが会い、血みどろの時代ってやつがはじまった。ランドルフのグループはその中でも長生きだった方なんじゃないか?ボスが死んで、バカ息子のアレックスが継いだ後も優秀な部下がいたおかげで今の今まで続いてこれたわけだ。ウチも相当やられたが、マリオのおかげで、俺たちは生き延びてきた。これだけは間違いない。だが嬉しい反面、不安もあった。 0:――深夜、拠点近くの港―― 0:ドラム缶の上に座り海を眺めるマリオ マリオ:… 0:黄昏るマリオに気づくガフリー ガフリー:ん?マリオじゃないか。こんな時間に何を… 0:近づいていくガフリー マリオ:父さん… ガフリー:マリオ。 マリオ:っ! ガフリー:どうした。ボーッと海なんか見つめて。 マリオ:なんでもないよ。関係ないだろ。あっちいってろ 0:間 ガフリー:ランドルフ、死んだな…。 マリオ:っ… ガフリー:伝説の男、凶弾に倒れる…か。あっけない終わりだったな。 ガフリー:つってもファミリーは息子のアレックスが継ぐらしいし、部下も健在だ。まだまだ、あそこは侮れねぇ。 マリオ:あぁ… ガフリー:親父に会いたかったのか。 ガフリー:はっはっは。残念だったな。さぞかし自分の手で殺してやりたか… マリオ:殴ってやりたい!!あいつの顔!! ガフリー:… マリオ:お前の勝手で母さんを振り回して!愛人だからってずっと厄介者扱いしやがって!それで子供が出来たのを知って?跡継ぎになるかもしれないからってんで、仕方なく匿って。本妻(ほんさい)との間に子供が出来たらポイかよ!!!はっはっは!ざまぁみろ!お前の愛人の息子はな、この街をグチャグチャにしてやったぞ!ファミリーも崩れ去った!!雑魚の鉄砲玉ごときに倒れやがって、くだらねぇ人生だったな!!てめぇのディックの制御もできねぇバカ野郎だから、バカみたいな死に方するんだよ!バーーカ!!! マリオ:地獄で母さんに土下座しろ!クズが… ガフリー:マリオ… マリオ:一回でよかった…。 ガフリー:え? マリオ:マリオって……呼んで欲しかった。 マリオ:抱きしめて…欲しかった…。 ガフリー:マリオ… 0:間 マリオ:すまない、ガフリー。もう気は済んだ。今日はもう…っ!? 0:マリオを抱きしめるガフリー ガフリー:別にいいんだぞ マリオ:え? ガフリー:こういう時は、泣いたっていいんだ。 マリオ:ぐっ…… ガフリー:よく、耐えてきたな。マリオ 0:――現代―― ガフリー:なんだかんだ言っても、あいつはティーンエイジャーだ。どこかのお飾りのボンボンと違って裏でいい仕事をしてくれていた。だが、マフィアの世界で何年やってようがな、あいつは親の愛情に飢えたクソガキなのよ。そんな奴は正直いって、この悪党まみれの街は似合わねーのよ マリオ:俺におんぶに抱っこの癖に好き放題言ってくれるな?ガフリー ガフリー:おや?随分と早かったじゃねぇか。マリオの坊ちゃん。 マリオ:捕まえたか。 ガフリー:目の前にいますよ~ マリオ:やぁ、初めましてだな。いや、こういった方がいいかな…。やっと会えたな…兄弟。 マリオ:アレックス、お前はヘマをした。せっかく父さんが築き上げてきたこのファミリーも、お前が馬鹿でトロいせいで今日で終わりだ。でも、安心しろ。父さんの血はこれからも続く。この街は今後もランドルフの血を継ぐ俺が守る。この俺、マリオ・ガネットによってな。 0:間 マリオ:ガフリー、銃を貸してくれ。兄貴としての恩情だ。俺がケリをつける。 ガフリー:んん?マリオお前、銃なんて今まで… マリオ:大丈夫だ。使い方は知っている。 ガフリー:マリオの坊ちゃん。まだ引き返せる今のうちに聞いておく。銃を手にする事が何を意味するか。分かってるのか? マリオ:銃は銃だ。それ以外に意味はない。 ガフリー:ほらよ 0:銃を持つマリオ マリオ:だが… 0:拳銃を構える マリオ:撃った弾には、想いが乗る。 0:拳銃の音 0:倒れるアレックス 0:しばらくの沈黙 ガフリー:重かったかい? マリオ:意外とな ガフリー:そうか。フッ… ガフリー:聞けお前ら!ガネットファミリーのボス!アレックス・ガネットは死んだ!!今日をもってこのファミリーは壊滅だ!!!これからは俺たちが!この街のトップだ! ガフリー:そして、もう一つ!お前たちにプレゼントだ。今日をもって俺は引退する!! マリオ:!? ガフリー:いやぁ、働き過ぎだー!正直言ってきつい。疲れたー! マリオ:馬鹿な!このグループはお前がいなきゃ……オワッ!? ガフリー:マリオ・ガネットォオオ!!!お前が次のボスだ!!いいよな、お前らぁ!! マリオ:あっ…。はぁ、まったく。勝手に決めやがって ガフリー:へっ。お前にさんざん振り回された罰だ マリオ:でも、俺にできるか。俺はお前ほど冷徹にはなれない。 ガフリー:悪党の時代はもう終わりだ。 マリオ:え? ガフリー:マリオ、お前が得られなかった愛。お前の求めてきた愛を、この街に求めてみな。 マリオ:…愛 ガフリー:このファミリーの次の仕事だ。だが、悪党が蔓延(はびこ)る街だ。簡単じゃねぇぞ? マリオ:ハッ。俺を馬鹿にしてるのか?いい度胸だ、やってやるさ。俺がこの街の悪党全員を改心させてみせるよ!悪党としてな! ガフリー:ハッハッハッハ!マリオ、お前は本当に悪党(ピカロ)が似合わねー男だ。 0:※悪党(ピカロ)表記のセリフはどちらで読んでも大丈夫です。 0:完

ガフリー:銃を手にする事が何を意味してるか。分かってるのか? マリオ:銃は銃だ。それ以外に意味はない。 0:拳銃の音 ガフリー:(M)マリオって少年を知ってるか。あいつと出会ったのは奴が12の頃だったか。薄汚い路地裏でバッタリとな。どうやらそこにいたのは親父の計らいだったらしい。ようは[捨てられた]訳だ。もうあれから、6年になるかな。随分と化けたもんだが俺はあの時ちゃんと見抜いてたぜ。あいつの中に眠る野獣をよ。 0:6年前 0:――雨降るコンクリ街―― ガフリー:そっちは終わったか!よし、路地に向かえ!今のうちにずらかるぞ!やっこさん達、騒ぎを聞きつけてぞろぞろ出てくるぞ! 0:拳銃の音 ガフリー:ジェフ!!!クソ!まだいたのか!ジェフ!ジェーフ!!!クッ…すまねぇ! 0:走り去るガフリー ガフリー:(M)ファミリーの傘下(さんか)だった俺らは敵にちょっかい出す為に、度々駆り出されてた。何人も死んだ。この街でのしあがってやると誓い合った仲間たち。そいつらのシカバネを乗り越える日々だった。辛かったが、仕方がなかった。この街でのし上がる為だ。そんな中、ジェフって奴が一抜けした日、俺は出会っちまった。 0:拳銃の音 0:撃ち返す拳銃の音 ガフリー:あぁ!鬱陶しい!どこまでついてきやがるんだ、このハイエナども! 0:拳銃の音 ガフリー:ガッ! マリオ:こっちだ! ガフリー:え! マリオ:早く! 0:走り去る音 ガフリー:ハァ… マリオ:もう大丈夫。さぁ、こっちに来て。 0:間 ガフリー:すまねぇな坊主。手当までしてもらっちまって。お前は命の恩人だぜ。 マリオ:大した傷じゃなくてよかった。 ガフリー:おう、これで俺も出世する。助かったぜ。じゃあそろそろ… マリオ:待って ガフリー:あ? マリオ:ロニー・ガブリエル。 ガフリー:おま、なんで俺の名前を… マリオ:僕を君の仲間にして ガフリー:はぁ!? マリオ:僕にはやらなければならないことがある。それは君にとっても悪い事じゃない。だから僕を… ガフリー:待て待て待て!俺とお前は今出会ったばかりだ。それにお前、いくつだ。どう見たって毛も生えてねぇクソガキじゃねぇか!あのな、何企んでるのかわからねぇがそういうのは他をあたってくれ!俺は忙しいんだ。 マリオ:ランドルフ・ガネット ガフリー:っ!? マリオ:僕の父親、そして君たちの標的 ガフリー:父親…? マリオ:もちろん、知られてるような話じゃないし、とうの本人からは厄介払いされて、今じゃこのボロアパートの6階で母さんと2人暮らし。 ガフリー:それって… マリオ:捨てられたんだよ。愛人の母さんとの間に子供がいるなんて知られたら、ボスの座も危うくなるだろうからね。 ガフリー:そうか。まぁ複雑な事情があるみたいだが、それがどうした。お前がアイツの子供だろうがなんだろうが、俺には関係ない。 マリオ:僕を仲間にすれば、君たちはこの街を支配できる。 ガフリー:っ… マリオ:って言ったら?僕にはランドルフの血が入っている。この血は、利用できる。 マリオ:それに少しの間だけど、ファミリーの施設で過ごしてた期間もあった。だから内部の情報も… ガフリー:悪いがそういうのはもっと他をあたってくれ。俺はファミリーの中じゃ下っ端だし、これから成果報告もしなきゃいけねぇ。それに、ジェフの事も… ガフリー:とにかく、だ。なんでお前が俺に関わろうとするのかはわからねぇが、もう近寄るのはやめておけ。 0:この街に住んでる奴に言うのもなんだが、関わるだけ損だ。 マリオ:わかった。 ガフリー:あ? マリオ:もう近寄るのはやめにする。 ガフリー:お、おう…そうか。そいじゃな。傷の手当ありがとよ… マリオ:待って マリオ:このUSBあげるよ。これを君のボスに届けて。 0:マリオからUSBを渡される。 ガフリー:これ… マリオ:内部情報みたいな奴だよ。それじゃあね。 ガフリー:あ、おい!ったく…なんだよ。 ガフリー:(M)いやぁ、とにかく気色の悪い体験だったな。だってよ、見ず知らずの小僧が下っ端の俺なんかにとんでもねぇ話を吹っ掛けてくるんだぜ?頭おかしいんじゃねぇかコイツって思ったよ。だが、今思えば全部計画してたんだな。あの化け物め。 0:――後日―― ガフリー:クソガキ!!!出てこい!どこにいる! マリオ:近寄らないんじゃなかったの? ガフリー:おいお前!クソガキ… マリオ:お前でもなければクソガキでもない。 ガフリー:っ! マリオ:マリオだ ガフリー:うるせぇ!そんなことはどうでもいい!お前が渡してきた、あのUSB!ありゃなんだ!!! マリオ:あぁ…。フフッ。よくやってくれたよ。ガブリエル ガフリー:内部情報だ~?ハッキングソフト組み込みやがって!!おかげで、追放!!!俺の出世の道もパァだ! マリオ:大丈夫、安心して。これからは君がトップになるんだから。 ガフリー:あ? マリオ:今頃、君のファミリーは解体に向かってるだろうね。 ガフリー:!? マリオ:そして君は大罪を犯した者として、指名手配される ガフリー:… マリオ:どうする?ガブリエル。もう後には引けないよ。僕に手を貸して街を支配するか。この街に飲み込まれるか。二つに一つ。 0:間 マリオ:どうする? ガフリー:…ガフリーだ。 マリオ:え? ガフリー:みんなからはそう呼ばれている。俺の事知ってるみたいだが、そこまでは知らなかったようだな。 マリオ:だってそんな情報、登録され… ガフリー:ハッ!画面ばっか見てるからだ。これだから近頃の若い奴は! ガフリー:悪党の世界、甘くはねぇぞ、マリオの坊ちゃん マリオ:フッ。じゃあ、決まりだね。 ガフリー:(M)ウン千年前、チャイナじゃ広大な土地を7つか8つに分けて戦い合ってたって話。知ってるか。黄金時代なんて呼ばれてもいるが、仮にその黄金時代がこの街にあるとしたら、それは俺とマリオが組んだその日からだ。 0:(3年前) 0:――組織拠点―― ガフリー:戻ったぞぉ!!! マリオ:なっガフリー!お前その傷! ガフリー:気にするな!!そんな事より聞いてくれ!今日の作戦も大成功だ!これでトニー、セミオン、アルカポネは壊滅!トニーの奴、いい顔してたから、ばっちりカメラに納めてやったぜ!ほら見ろよ! マリオ:なっ!やめてくれ!僕はそういうの見るのは苦手なんだ。いつも言ってるだろう。 ガフリー:ほぉぉん?ファミリー作って、はや3年。マフィアの幹部ともあろう者が、ビビってんのかなぁ? マリオ:ビビリなんかじゃない。ただ単に苦手なんだ。 ガフリー:まだ銃すら握ったことないらしいじゃないか。大丈夫かぁ?はっはっは。しっかし、本当にすごいぜ!お前の指示通り動いたら敵のボスをあっさりやれちまうんだから。天才か!天才なのか!天才だなぁ! マリオ:そんなことは無いよ。たまたま、敵が僕らよりもバカだっただけ。全部が全部そういうわけにはいかない。特にあの組織はね。 ガフリー:あぁ、前ほどの勢いは無いつっても、やっぱりあそこにはキレ者が多い。ウチも大きくはなってきたが、大きくなればなるほど、あいつらと対峙する日が怖くなるってもんだ。 マリオ:ん?ガフリー、そんな事に怖気づいてるのかい?ビビリちゃんはどっちかな。 ガフリー:うるさいぞ黙れ。毛も生えてないガキが大人をおちょくるもんじゃない。こういうのはな!ビビってるんじゃなくまぁ武者震い的な… マリオ:…生えてる。 ガフリー:…へ? マリオ:もうとっくの昔に生えてる!いつまでもガキ扱いするんじゃない!殺すぞ! ガフリー:ぶっはははは!なんと!マリオの坊ちゃんもとうとうボーボーか!!これで大人の仲間入りだなぁ!!どれ、見せてみろ! マリオ:うぉっ!触るな!近づくな!!クソ、調子が狂う。ほら、次の標的の話をするぞ。 ガフリー:あ、おい!!! ガフリー:(M)分かるか?たったひとつのハッキングによって街を担っていた二大組織はバラバラになったんだ。そして裏切りに裏切りが会い、血みどろの時代ってやつがはじまった。ランドルフのグループはその中でも長生きだった方なんじゃないか?ボスが死んで、バカ息子のアレックスが継いだ後も優秀な部下がいたおかげで今の今まで続いてこれたわけだ。ウチも相当やられたが、マリオのおかげで、俺たちは生き延びてきた。これだけは間違いない。だが嬉しい反面、不安もあった。 0:――深夜、拠点近くの港―― 0:ドラム缶の上に座り海を眺めるマリオ マリオ:… 0:黄昏るマリオに気づくガフリー ガフリー:ん?マリオじゃないか。こんな時間に何を… 0:近づいていくガフリー マリオ:父さん… ガフリー:マリオ。 マリオ:っ! ガフリー:どうした。ボーッと海なんか見つめて。 マリオ:なんでもないよ。関係ないだろ。あっちいってろ 0:間 ガフリー:ランドルフ、死んだな…。 マリオ:っ… ガフリー:伝説の男、凶弾に倒れる…か。あっけない終わりだったな。 ガフリー:つってもファミリーは息子のアレックスが継ぐらしいし、部下も健在だ。まだまだ、あそこは侮れねぇ。 マリオ:あぁ… ガフリー:親父に会いたかったのか。 ガフリー:はっはっは。残念だったな。さぞかし自分の手で殺してやりたか… マリオ:殴ってやりたい!!あいつの顔!! ガフリー:… マリオ:お前の勝手で母さんを振り回して!愛人だからってずっと厄介者扱いしやがって!それで子供が出来たのを知って?跡継ぎになるかもしれないからってんで、仕方なく匿って。本妻(ほんさい)との間に子供が出来たらポイかよ!!!はっはっは!ざまぁみろ!お前の愛人の息子はな、この街をグチャグチャにしてやったぞ!ファミリーも崩れ去った!!雑魚の鉄砲玉ごときに倒れやがって、くだらねぇ人生だったな!!てめぇのディックの制御もできねぇバカ野郎だから、バカみたいな死に方するんだよ!バーーカ!!! マリオ:地獄で母さんに土下座しろ!クズが… ガフリー:マリオ… マリオ:一回でよかった…。 ガフリー:え? マリオ:マリオって……呼んで欲しかった。 マリオ:抱きしめて…欲しかった…。 ガフリー:マリオ… 0:間 マリオ:すまない、ガフリー。もう気は済んだ。今日はもう…っ!? 0:マリオを抱きしめるガフリー ガフリー:別にいいんだぞ マリオ:え? ガフリー:こういう時は、泣いたっていいんだ。 マリオ:ぐっ…… ガフリー:よく、耐えてきたな。マリオ 0:――現代―― ガフリー:なんだかんだ言っても、あいつはティーンエイジャーだ。どこかのお飾りのボンボンと違って裏でいい仕事をしてくれていた。だが、マフィアの世界で何年やってようがな、あいつは親の愛情に飢えたクソガキなのよ。そんな奴は正直いって、この悪党まみれの街は似合わねーのよ マリオ:俺におんぶに抱っこの癖に好き放題言ってくれるな?ガフリー ガフリー:おや?随分と早かったじゃねぇか。マリオの坊ちゃん。 マリオ:捕まえたか。 ガフリー:目の前にいますよ~ マリオ:やぁ、初めましてだな。いや、こういった方がいいかな…。やっと会えたな…兄弟。 マリオ:アレックス、お前はヘマをした。せっかく父さんが築き上げてきたこのファミリーも、お前が馬鹿でトロいせいで今日で終わりだ。でも、安心しろ。父さんの血はこれからも続く。この街は今後もランドルフの血を継ぐ俺が守る。この俺、マリオ・ガネットによってな。 0:間 マリオ:ガフリー、銃を貸してくれ。兄貴としての恩情だ。俺がケリをつける。 ガフリー:んん?マリオお前、銃なんて今まで… マリオ:大丈夫だ。使い方は知っている。 ガフリー:マリオの坊ちゃん。まだ引き返せる今のうちに聞いておく。銃を手にする事が何を意味するか。分かってるのか? マリオ:銃は銃だ。それ以外に意味はない。 ガフリー:ほらよ 0:銃を持つマリオ マリオ:だが… 0:拳銃を構える マリオ:撃った弾には、想いが乗る。 0:拳銃の音 0:倒れるアレックス 0:しばらくの沈黙 ガフリー:重かったかい? マリオ:意外とな ガフリー:そうか。フッ… ガフリー:聞けお前ら!ガネットファミリーのボス!アレックス・ガネットは死んだ!!今日をもってこのファミリーは壊滅だ!!!これからは俺たちが!この街のトップだ! ガフリー:そして、もう一つ!お前たちにプレゼントだ。今日をもって俺は引退する!! マリオ:!? ガフリー:いやぁ、働き過ぎだー!正直言ってきつい。疲れたー! マリオ:馬鹿な!このグループはお前がいなきゃ……オワッ!? ガフリー:マリオ・ガネットォオオ!!!お前が次のボスだ!!いいよな、お前らぁ!! マリオ:あっ…。はぁ、まったく。勝手に決めやがって ガフリー:へっ。お前にさんざん振り回された罰だ マリオ:でも、俺にできるか。俺はお前ほど冷徹にはなれない。 ガフリー:悪党の時代はもう終わりだ。 マリオ:え? ガフリー:マリオ、お前が得られなかった愛。お前の求めてきた愛を、この街に求めてみな。 マリオ:…愛 ガフリー:このファミリーの次の仕事だ。だが、悪党が蔓延(はびこ)る街だ。簡単じゃねぇぞ? マリオ:ハッ。俺を馬鹿にしてるのか?いい度胸だ、やってやるさ。俺がこの街の悪党全員を改心させてみせるよ!悪党としてな! ガフリー:ハッハッハッハ!マリオ、お前は本当に悪党(ピカロ)が似合わねー男だ。 0:※悪党(ピカロ)表記のセリフはどちらで読んでも大丈夫です。 0:完