台本概要
824 views
タイトル | 割れたトルマリン |
---|---|
作者名 | 涼(すずか) (@juyunnng) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 3人用台本(男2、女1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
トルマリンの宝石言葉:健やかな愛 【使用について】 フリー台本です。 セリフのアレンジ、題名の改変、性別変更等ご自由にどうぞ。 ご使用の際は本作のリンクと作者を記していただきますようお願いいたします。 ご使用いただいた作品はぜひ聴かせていただきたいので、X(Twitter)、コメント欄で教えていただければ幸いです。 著作権は放棄しておりませんので、再配布したり、作者を偽る行為はおやめください。 824 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
莉子 | 女 | 96 | 名家の次女。冒頭時点(26)→現在(31) オンとオフが激しい性格で仕事はできるが家事は壊滅的。 明るく見えるが自己肯定感低め。晴斗のことは大切に思っているが彼の出生やらのことに負い目も感じている。 |
晴斗 | 男 | 105 | 莉子の兄(故人)の庶子。冒頭時点(15)→現在(20) 莉子のために家事を覚え、かいがいしく面倒を見ることで己に依存してもらおうと頑張っている。顔が良いので引く手数多だが本命がいるのでセフレしか作らない。 大人ぶりたいお年頃。 |
和樹 | 男 | 20 | 莉子の職場の先輩。(37) 義理の娘を育てるシングルファザー。莉子の新入社員時代から頼れる先輩枠としての地位を固めた。計算高いけど負けず嫌い。 ※出番少なめ |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:葬儀場にて。冷たい雨が降っている。
莉子:いた…良かった…
晴斗:…なに。
莉子:そろそろ出棺の時間だからさ…傘もささないでこんなところにいたら風邪引くよ?
晴斗:別に俺が風邪引こうが入院しようが死のうが関係ないだろ。アンタに迷惑かけるわけじゃないんだから放っておいて
莉子:…そんなこと言わない。迷惑かどうかじゃなくて心配だから探しに来てるんだよ。
晴斗:はは…だる。なにが心配だよ…!偽善ぶってさ!?…むしろ…俺なんか、いない方が…きっと、
莉子:そんなこと…
晴斗:…知らなかった。何にも、知らなかった…。
晴斗:本来生まれてくるべきじゃない立場だったなんて…母さん…何にも言ってなかったのに…!
晴斗:それなのに…俺なんか、死んだ方がいいんだ…!
莉子:ちょ、アレ聞いてたの?!はあ…もうだから言ったのに…!
莉子:…そんなこと言うもんじゃないよ。自分で自分を傷つけるようなこと口にしないで。
晴斗:うるっさい!放っとけよ!
莉子:できないよ…今の君を放っておけない、せめて傘を…
晴斗:いらない!構うなって…!!
晴斗:構うなよ…どうせ、どうせもう関わらないからって、優しくすんな!
莉子:…ううん、そんなことない。
晴斗:は?
莉子:…ねえ、私と暮らさない?
莉子:まあ…別に高給取りなわけじゃないけども。それでも君1人くらいならなんとかなる!
莉子:大学とか…行きたいと思うなら責任持って面倒見るよ。
晴斗:なんでそんなこと…アンタにとって俺は別に…
晴斗:
晴斗:…ああ、なるほど。そっか。母さんと同じようにすればいいんだ…
莉子:え?
晴斗:わかったよ…で?見返りは?
莉子:見返り…?そんなこと別に…あ、お手伝いってこと?
莉子:んー…まあお願いしたいけど…
晴斗:今夜でいい?
晴斗:…毎晩したら、いいの?
莉子:え。じゃあ…出来たら朝もお願いしたいかな
晴斗:え、朝も?…っ。わかっ、た
莉子:うん、都合悪い時は言ってね?別に強制したいわけじゃないから…
晴斗:はっ、どの口が。はー…だる。…もういいけどさ。
0:帰宅後
晴斗:…は?なにこれどういうこと?
莉子:ん?エプロンはいらない派?
莉子:そうそう、これお金。お小遣いとーあと生活費…
晴斗:待って、待って!!
莉子:なに?足りなさそうならまた言ってくれれば…
晴斗:そうじゃなくて!ちょい待って…整理させて…
晴斗:…えっと、俺が飯の用意するの?
莉子:…うん…私ほんっっっと料理できなくて…
レシピ通りにやっているんだよ?それなのに全然出来なくて
晴斗:…それ絶対なにかしらのアレンジ加えてる奴のセリフだからな?
莉子:してないよー!?
ほら…卵とか?ジャリジャリするし…
晴斗:それ以前の問題だった…
莉子:あとお米もさぁ…すっごい硬かったりお粥になったりするし…
晴斗:……水の分量守ってたらそんなことにならねえよ
莉子:いやそれはそうなんだけどさ…私おこげが好きでね?
莉子:塩梅が難しいんだよ…ほら見てこれ、昨日使った炊飯器
晴斗:…何コレ、炭?
莉子:ご飯!!
晴斗:…アンタ典型的なメシマズってやつ?
莉子:うううう゛!!!本当のこと言うな!!!
晴斗:まあ…俺もそんな大したもんはできないけど…アンタよりはマシかな。
莉子:…ぅぐ…大人の威厳が…!!
莉子:…まあそういうわけなので、お願いしたいの。
晴斗:…ん。わかった。
0:食卓
莉子:いただきまーす!
莉子:わー!うちでお味噌汁が飲めるなんて…嬉しいなあ。
莉子:あぁ…ご飯がちゃんとご飯になってる…!
晴斗:う、ん…口に合うかわかんねえけど…
莉子:えー?美味しいよ!?ハンバーグ大好きだもん!
晴斗:……あの…この後ってこと?
莉子:んえ?何が?あ、デザート?なんかあったかな…
晴斗:違うって。…見返りの話
莉子:ん???
莉子:見返りって言い方もどうかと思うけど…こうやってお手伝いしてくれてるじゃない。
莉子:…あ、ごめん…やっぱり嫌だったかな…?
晴斗:嫌とかじゃなくて…こんなことでいいの?
莉子:いやいやいや!?めっちゃありがたいもん。全然こんなことレベルじゃないよー
莉子:…てか。何させられると思ってたの?
晴斗:えっと…その、夜の相手をさせられるのかなって…
莉子:は?
晴斗:…ちょっ!?溢してる溢してる!!
莉子:熱っつ!!!?
晴斗:ちょ、早く冷やせって!!
0:間
晴斗:はー…もう。
莉子:うう…熱かった…
晴斗:何やってんだかもう…これ、保冷剤当てとけ。
莉子:………あの、ちゃんと聞いてほしいんだけど。
晴斗:な、なに…急に真面目な顔して
莉子:いい?さっき言ってたことはありえないから。
莉子:学費とかそういうものを盾に晴斗くんに酷いことしたりさせたり、絶対しない。
莉子:ましてや…その、相手をさせるとかそんなことは絶対ない。
晴斗:だって…!
晴斗:…っ、う、だって…そうしないと生きていけないなら…
莉子:だから!そんなことする必要がないって言ってんの!!
晴斗:…本当?約束してくれる?
莉子:うん、約束するよ。絶対にあなたを傷つけたりしない。
晴斗:……。
莉子:すぐに信用する必要ないからね。私たちのペースでやっていけばいいの!
莉子:勿論…晴斗くんが嫌でなければだけど。
晴斗:…うん、わかった。
0:5年後
晴斗:おいコラ!!まーたソファで寝てる!
莉子:う、うーん…ただぃまあ…
晴斗:はい、おかえり。
晴斗:あーもうスーツがシワになる!
莉子:んん…あと3分待って…マジ動けない…
晴斗:そう言っていつもガチ寝するだろうが。
晴斗:起きろ!ちゃんとベッドで寝ないと休めないだろ!?
莉子:ぐぅ。
晴斗:あーもう言ってるそばから…
晴斗:ほら、莉子さん。腕上げて、ジャケット脱がせるから。
莉子:うぅん…
晴斗:マジでさー!大人なんだからもっとしっかりしろって!
晴斗:ったくもう…手かかるな…
莉子:んぅ…ごめーん…
晴斗:ごめんじゃねえよ、もう…。
晴斗:ほんっと俺がいないと駄目なんだから…
莉子:んへへ…それなー…マジ晴斗くんが来てくれて感謝っすよー…
晴斗:いや笑えねえからね?!もう!!
0:翌日・夜
晴斗:…ただいま!
莉子:あ、おかえりー!
晴斗:もう帰ってたの?早かったんだな…電気消し忘れたかと思って焦った…
莉子:あはは!だいぶ落ち着いたからねー!今日は半日お休みでゆっくりさせてもらってたよ。
晴斗:そうなんだ…言ってくれたら俺も帰ったのに。ごめんな、遅くなっちゃって…すぐ飯…
莉子:いいって、そんなの!…てかなんかあった?
晴斗:へ?!いや別に何でもないから!
莉子:あー!ごめん!
莉子:嫌な聞き方しちゃったな…そうじゃなくてね?その…さっきコンビニ行った時、あの…外でね…
晴斗:…え。み、見てたの?
莉子:たまたまだよ!?本当に偶然っていうか…通りがかって…
晴斗:そんな…全然気付かなかった
莉子:…えっと、彼女ちゃんなの…かな?
晴斗:彼女?!違うよ!あんな奴!!
莉子:あんな奴て…他所のお嬢さん相手にそりゃないでしょ…
晴斗:あ、えっと…でも…ちが、本当に違うんだって!えっと、その学校が一緒なだけで…
莉子:はいはい、わかったわかった!照れなくていいから!
莉子:ごめん!詮索しちゃって…お年頃だもん、そういうのも…
晴斗:照れてない!違うんだよ…!!
莉子:もー!隠さなくていいから!うう…懐かしいなぁこの甘酸っぱさ…
晴斗:なんだよそれ…?!なあ、違うんだって本当に…
晴斗:だって、俺は…
莉子:いいからいいから!!よしよし、今夜はお祝いだ!晴斗くんの好きなお寿司行こっか!
晴斗:だから…もう!子供扱いすんなよ!!
莉子:ええ…そんなムキにならなくても…別に恥ずかしいことでも後ろめたいことでもないんだよ?
晴斗:そういうことじゃなくて…!誤解なんだよ、あの子とはそういう関係じゃない!
莉子:…あ…私にそういう話されるの嫌だった?ごめんね…全部知りたいとか把握したいとかではないから…
晴斗:なん、で…なんで…そんなこと言うんだよ!
晴斗:俺の気持ちは無視か?!
莉子:…っ、ちょ…
莉子:ごめん晴斗くん…落ち着いて?
晴斗:落ち着いてるよ!いつまで経っても、アンタは…俺はもう子供じゃない!
0:バー店内
莉子:…というわけでしてね〜?!あの後から話しかけても生返事だし目会わないし…
莉子:ああもうやらかした…
和樹:はは…まあちょっと踏み込みすぎた感はあるかもだけど…そこまでか…
莉子:ううううう…配慮難しい…世の中のお父さんお母さんどうやってるんだあ…
和樹:いやお前は親じゃないんだからそこは違うだろ
莉子:でも…私的には母親代わりのつもりで…
和樹:そもそもそれが傲慢だわ。代わりなんてなり得ないんだよ、誰であっても。
和樹:それ以上の存在になることはあってもな?
莉子:はー…パパさんにそういうこと言われるとマジしんどい…
和樹:まあ結局本人に聞かないと分からない話だけどな…てかそもそも向こうもそんなもの求めてねえよ
莉子:…まあそうだよね…結局私の自己満だし。
和樹:…俺は立派だと思うけど?甥っ子を引き取って育てるなんて誰でもできることじゃない。
莉子:そんなことないよ。結局あの子の父親と同じことしてるもん。
和樹:どこが一緒なんだよ。
和樹:あの子の父親って一番上のお兄さんだろ?本妻いるのに責任逃れした奴とお前のどこが一緒なわけ?
莉子:…己の身勝手な欲に抗えず子供を巻き込んだ。
莉子:一人になったあの子が自分に見えて、可哀想で堪らなくて…助けたい、なんて…
莉子:おこごましいこと考えて…あの子は、私じゃないのに。
莉子:…昔の私を助けることはできないってわかっているのに…巻き込んじゃった
和樹:……自己否定しすぎ。酔いが回ってきたな。
莉子:ぐす、最低だ私…兄さんと変わらない。
莉子:同じ穴の狢…呪われしクズ一族…犬神家…
和樹:アレ?案外しっかりしてる?ほら、水飲め。
莉子:飲めない…無理。寝る…
和樹:お前本当に弱ると幼児退行するよな…ほれ、ちょい口開けろ
0:(SE台パン)
和樹:…え?なに、おにーさん。
晴斗:店内で変なことしないでくれませんか?酔った女に無理矢理、とか最低です
和樹:いや、別にそんなことは…それ言うなら向こうのテーブルの人なんかおっ始めそうだけど…?
晴斗:…とにかく、その人俺の知り合いなんで。変な事される前に俺が連れて帰ります。
和樹:……あ、君甥っ子くん?なーんだ、奇遇だね。
晴斗:なんでもいいからさっさと離れてくださいよ
和樹:ははっ、なんとなく察してはいたけどやっぱりなー…
晴斗:…は?
和樹:ひとまわり離れた年上の女に執着してない?
和樹:まだ若いとわからないかもしれないけどさ…コイツは母親でも聖母でもねえんだよ
和樹:憧れに留めておいた方が皆幸せだって気付こうぜ?
和樹:
和樹:コイツの人生ぶち壊したいわけじゃないだろ?
晴斗:…赤の他人に言われる筋合いねえよ
和樹:ははっ、何その言葉遣い。客への態度じゃなくね?
晴斗:客のくせに店員の恋愛に口出しすんなよ。
和樹:恋愛じゃねえだろ
和樹:お前がコイツに甘えて依存してるだけだ
晴斗:…お前が何を知ってんだよ
和樹:生憎おっさんには筒抜けでね、色々知ってますよー
晴斗:……何年も相談男から抜け出せねえくせに偉そうにすんなよ
和樹:…痛いとこ突いてくるなぁ。最近の子ってみんなこんな感じー?
和樹:クソ生意気だな
晴斗:そのクソ生意気なガキに図星突かれてキレかけてるとか、恥ずかしくねぇの?
和樹:ははっ、よく喚くなあ坊主
晴斗:…だっる。
晴斗:……タクシー呼んできます。
和樹:……はいはい、よろしくー。
0:莉子と晴斗は自宅へ帰宅
莉子:はぁー…眠いい…
晴斗:………
莉子:ごめんねぇ…てかあの店でバイトしてるなんて聞いてないぞ〜まったくも〜…
晴斗:………
莉子:…もうシャワーだけ浴びて寝ようかな…
莉子:あ、晴斗くん先入りたいよね?先に済ませてきていいよー
晴斗:莉子さん
莉子:はぁい?…おっ、と
晴斗:……
莉子:あはは、急に抱きついてどうしたのー?お風呂は?
晴斗:何にも思わない?
莉子:…え、…急に何言ってんの
晴斗:俺が先に質問してるだろうが、答えろよ
莉子:…ぁー…別に何も?強いていうなら大きくなったなあ…って。
晴斗:…それだけ?
莉子:うん、それだけ。
晴斗:怒らないの?…動揺したりしないの?
莉子:あははっ、怒りもしないし気にしてないよー
晴斗:…んだよそれ……俺、は…こんなに
莉子:……晴斗くん、ちょっといいかな?大事な話するね。
晴斗:…………
莉子:君、一人暮らしする気はない?
勿論お金のことは考えなくてだいじょ
晴斗:は?
莉子:…っ。痛い痛い…ちょっと聞いてよ
晴斗:…捨てるの?
莉子:…っ、違う。捨てるなんてしない。
莉子:そもそも君は1人の人間なの、捨てられるとかそういう考え方はしないで
晴斗:何が違うんだよ、何が!!?
晴斗:…俺にこんなものを教えて、植え付けて、縛りつけたくせに…!!
莉子:…は、るとくん…ちょっと落ち着いて?話聞いて、
晴斗:俺のことを捨てて…その後どうするの?
晴斗:…あのオッサンと付き合うの?
晴斗:それとも別の可哀想なやつを拾うのか?
晴斗:あの時の俺みたいな惨めで救いようの無い奴を助けて、依存させて、それで、それで…
莉子:…そ、そんなこと…!
変な思い込みしないで、私は…!
晴斗:死ぬから
莉子:…は、ぁ?ちょ、あの…
晴斗:俺、今からアンタの目の前で死ぬよ。腹より首切りつけるのが確実だよな?
晴斗:んであんたをどっかに縛り付けてやるからさぁ、俺がどんどん死んでいく様を見てろよ。
晴斗:目に焼き付けて、一生忘れられないようにしてやるから。
晴斗:ははっ、助けも呼べずに俺を見殺しにしたらさぁ…アンタどうなるのかな…
晴斗:一生忘れられないよね?毎晩夢で俺が死ぬところを思い出してくれるよね?もうまともに生きられなくなるよね?
晴斗:
晴斗:ふふ、ふはは…はは…えっと…なんかあったかなぁ…縛るもの…
莉子:は、はる…晴斗くん、やめてお願いだから
晴斗:…莉子さんはいつも勝手だ
晴斗:俺の人生を救ってくれたよね
晴斗:全部失くなって何もできない無力な俺を守ってくれた、役割を与えてくれた、愛してくれた
晴斗:
晴斗:感謝してるんだよ、本当に
晴斗:
晴斗:でもさ…俺と向き合ってはくれないよね
晴斗:俺は何回もアンタが好きだって、今の関係じゃ嫌だって伝えていたつもりだよ
晴斗:全部気付かないふりして、見ないことにしたら俺の思いが消えると思った?
晴斗:
晴斗:…俺のことなんだと思ってんの?馬鹿にするのも大概にしろよ
莉子:……だ、って…私たち一応親戚だよ…?それに歳だって違うし…
莉子:でも、その…ごめんね。君の感情を無視してたのは謝る、だからっ
晴斗:はははっ…だる。
晴斗:何にもわかってねえよ
晴斗:
晴斗:その場しのぎの言葉で誤魔化せられるほどガキじゃねえんだよもう
晴斗:
晴斗:ほら、もういいからこっち来て
晴斗:どのくらいの時間で死ねるのかわかんないけど立ちっぱなしだと疲れるもんな?ベッドでいいよね?
莉子:痛っ…やだ、やめ…
晴斗:やめない。暴れんなよ。
晴斗:いいだろ別に。捨てようとした奴がどうなってもいいだろ?
莉子:…だから、そんな
晴斗:もういいよ。聞きたくない
莉子:〜〜〜っ、いい加減にしなさい!!
0:(SE平手打ち)
晴斗:…っ
莉子:はっ、はぁ…はぁ…あ…ごめ…!
晴斗:………痛い
莉子:ご、ごめん…!?
晴斗:……ぐす、うぅ…
莉子:わ、あ…ごめん、ごめんね!?
莉子:そんなに痛かった?!とりあえずソファ行こ!?冷やすの持ってくるから
晴斗:…いらない
莉子:いいからもう!!ほら、こっち…ぉわ
0:(SE抱き着く)
晴斗:やだ、莉子さん…ごめんなさい…もうしない、ごめんなさい…
莉子:わかってる、大丈夫よ。だからちょっと離れて…?ね?
晴斗:…やだ…捨てないで…
晴斗:俺は、俺は莉子さんしかいらないんだよ…
莉子:…晴斗くん、えっと…
晴斗:…置いていかないで、見捨てないで…ごめんなさい…
莉子:……大丈夫だよ、私こそごめんね。ちゃんと話しよう?
晴斗:…うん。
晴斗:でも、もうちょっとこのままでいたい
莉子:わかったわかった
莉子:…大丈夫だからね。
晴斗:……ふふっ
莉子:…え、何笑ってんの…
晴斗:別に…なんでもないよ
莉子:もー…こいつめこいつめ
晴斗:へへ…大好きだよ、莉子さん
莉子:…っ。う、ん…
莉子:私も晴斗くんがなによりも大切だからね
晴斗:……うん
莉子:…お、落ち着いた?かな…?
晴斗:………ふふ、あは、ははは…っ
晴斗:…はー…だっる
0:葬儀場にて。冷たい雨が降っている。
莉子:いた…良かった…
晴斗:…なに。
莉子:そろそろ出棺の時間だからさ…傘もささないでこんなところにいたら風邪引くよ?
晴斗:別に俺が風邪引こうが入院しようが死のうが関係ないだろ。アンタに迷惑かけるわけじゃないんだから放っておいて
莉子:…そんなこと言わない。迷惑かどうかじゃなくて心配だから探しに来てるんだよ。
晴斗:はは…だる。なにが心配だよ…!偽善ぶってさ!?…むしろ…俺なんか、いない方が…きっと、
莉子:そんなこと…
晴斗:…知らなかった。何にも、知らなかった…。
晴斗:本来生まれてくるべきじゃない立場だったなんて…母さん…何にも言ってなかったのに…!
晴斗:それなのに…俺なんか、死んだ方がいいんだ…!
莉子:ちょ、アレ聞いてたの?!はあ…もうだから言ったのに…!
莉子:…そんなこと言うもんじゃないよ。自分で自分を傷つけるようなこと口にしないで。
晴斗:うるっさい!放っとけよ!
莉子:できないよ…今の君を放っておけない、せめて傘を…
晴斗:いらない!構うなって…!!
晴斗:構うなよ…どうせ、どうせもう関わらないからって、優しくすんな!
莉子:…ううん、そんなことない。
晴斗:は?
莉子:…ねえ、私と暮らさない?
莉子:まあ…別に高給取りなわけじゃないけども。それでも君1人くらいならなんとかなる!
莉子:大学とか…行きたいと思うなら責任持って面倒見るよ。
晴斗:なんでそんなこと…アンタにとって俺は別に…
晴斗:
晴斗:…ああ、なるほど。そっか。母さんと同じようにすればいいんだ…
莉子:え?
晴斗:わかったよ…で?見返りは?
莉子:見返り…?そんなこと別に…あ、お手伝いってこと?
莉子:んー…まあお願いしたいけど…
晴斗:今夜でいい?
晴斗:…毎晩したら、いいの?
莉子:え。じゃあ…出来たら朝もお願いしたいかな
晴斗:え、朝も?…っ。わかっ、た
莉子:うん、都合悪い時は言ってね?別に強制したいわけじゃないから…
晴斗:はっ、どの口が。はー…だる。…もういいけどさ。
0:帰宅後
晴斗:…は?なにこれどういうこと?
莉子:ん?エプロンはいらない派?
莉子:そうそう、これお金。お小遣いとーあと生活費…
晴斗:待って、待って!!
莉子:なに?足りなさそうならまた言ってくれれば…
晴斗:そうじゃなくて!ちょい待って…整理させて…
晴斗:…えっと、俺が飯の用意するの?
莉子:…うん…私ほんっっっと料理できなくて…
レシピ通りにやっているんだよ?それなのに全然出来なくて
晴斗:…それ絶対なにかしらのアレンジ加えてる奴のセリフだからな?
莉子:してないよー!?
ほら…卵とか?ジャリジャリするし…
晴斗:それ以前の問題だった…
莉子:あとお米もさぁ…すっごい硬かったりお粥になったりするし…
晴斗:……水の分量守ってたらそんなことにならねえよ
莉子:いやそれはそうなんだけどさ…私おこげが好きでね?
莉子:塩梅が難しいんだよ…ほら見てこれ、昨日使った炊飯器
晴斗:…何コレ、炭?
莉子:ご飯!!
晴斗:…アンタ典型的なメシマズってやつ?
莉子:うううう゛!!!本当のこと言うな!!!
晴斗:まあ…俺もそんな大したもんはできないけど…アンタよりはマシかな。
莉子:…ぅぐ…大人の威厳が…!!
莉子:…まあそういうわけなので、お願いしたいの。
晴斗:…ん。わかった。
0:食卓
莉子:いただきまーす!
莉子:わー!うちでお味噌汁が飲めるなんて…嬉しいなあ。
莉子:あぁ…ご飯がちゃんとご飯になってる…!
晴斗:う、ん…口に合うかわかんねえけど…
莉子:えー?美味しいよ!?ハンバーグ大好きだもん!
晴斗:……あの…この後ってこと?
莉子:んえ?何が?あ、デザート?なんかあったかな…
晴斗:違うって。…見返りの話
莉子:ん???
莉子:見返りって言い方もどうかと思うけど…こうやってお手伝いしてくれてるじゃない。
莉子:…あ、ごめん…やっぱり嫌だったかな…?
晴斗:嫌とかじゃなくて…こんなことでいいの?
莉子:いやいやいや!?めっちゃありがたいもん。全然こんなことレベルじゃないよー
莉子:…てか。何させられると思ってたの?
晴斗:えっと…その、夜の相手をさせられるのかなって…
莉子:は?
晴斗:…ちょっ!?溢してる溢してる!!
莉子:熱っつ!!!?
晴斗:ちょ、早く冷やせって!!
0:間
晴斗:はー…もう。
莉子:うう…熱かった…
晴斗:何やってんだかもう…これ、保冷剤当てとけ。
莉子:………あの、ちゃんと聞いてほしいんだけど。
晴斗:な、なに…急に真面目な顔して
莉子:いい?さっき言ってたことはありえないから。
莉子:学費とかそういうものを盾に晴斗くんに酷いことしたりさせたり、絶対しない。
莉子:ましてや…その、相手をさせるとかそんなことは絶対ない。
晴斗:だって…!
晴斗:…っ、う、だって…そうしないと生きていけないなら…
莉子:だから!そんなことする必要がないって言ってんの!!
晴斗:…本当?約束してくれる?
莉子:うん、約束するよ。絶対にあなたを傷つけたりしない。
晴斗:……。
莉子:すぐに信用する必要ないからね。私たちのペースでやっていけばいいの!
莉子:勿論…晴斗くんが嫌でなければだけど。
晴斗:…うん、わかった。
0:5年後
晴斗:おいコラ!!まーたソファで寝てる!
莉子:う、うーん…ただぃまあ…
晴斗:はい、おかえり。
晴斗:あーもうスーツがシワになる!
莉子:んん…あと3分待って…マジ動けない…
晴斗:そう言っていつもガチ寝するだろうが。
晴斗:起きろ!ちゃんとベッドで寝ないと休めないだろ!?
莉子:ぐぅ。
晴斗:あーもう言ってるそばから…
晴斗:ほら、莉子さん。腕上げて、ジャケット脱がせるから。
莉子:うぅん…
晴斗:マジでさー!大人なんだからもっとしっかりしろって!
晴斗:ったくもう…手かかるな…
莉子:んぅ…ごめーん…
晴斗:ごめんじゃねえよ、もう…。
晴斗:ほんっと俺がいないと駄目なんだから…
莉子:んへへ…それなー…マジ晴斗くんが来てくれて感謝っすよー…
晴斗:いや笑えねえからね?!もう!!
0:翌日・夜
晴斗:…ただいま!
莉子:あ、おかえりー!
晴斗:もう帰ってたの?早かったんだな…電気消し忘れたかと思って焦った…
莉子:あはは!だいぶ落ち着いたからねー!今日は半日お休みでゆっくりさせてもらってたよ。
晴斗:そうなんだ…言ってくれたら俺も帰ったのに。ごめんな、遅くなっちゃって…すぐ飯…
莉子:いいって、そんなの!…てかなんかあった?
晴斗:へ?!いや別に何でもないから!
莉子:あー!ごめん!
莉子:嫌な聞き方しちゃったな…そうじゃなくてね?その…さっきコンビニ行った時、あの…外でね…
晴斗:…え。み、見てたの?
莉子:たまたまだよ!?本当に偶然っていうか…通りがかって…
晴斗:そんな…全然気付かなかった
莉子:…えっと、彼女ちゃんなの…かな?
晴斗:彼女?!違うよ!あんな奴!!
莉子:あんな奴て…他所のお嬢さん相手にそりゃないでしょ…
晴斗:あ、えっと…でも…ちが、本当に違うんだって!えっと、その学校が一緒なだけで…
莉子:はいはい、わかったわかった!照れなくていいから!
莉子:ごめん!詮索しちゃって…お年頃だもん、そういうのも…
晴斗:照れてない!違うんだよ…!!
莉子:もー!隠さなくていいから!うう…懐かしいなぁこの甘酸っぱさ…
晴斗:なんだよそれ…?!なあ、違うんだって本当に…
晴斗:だって、俺は…
莉子:いいからいいから!!よしよし、今夜はお祝いだ!晴斗くんの好きなお寿司行こっか!
晴斗:だから…もう!子供扱いすんなよ!!
莉子:ええ…そんなムキにならなくても…別に恥ずかしいことでも後ろめたいことでもないんだよ?
晴斗:そういうことじゃなくて…!誤解なんだよ、あの子とはそういう関係じゃない!
莉子:…あ…私にそういう話されるの嫌だった?ごめんね…全部知りたいとか把握したいとかではないから…
晴斗:なん、で…なんで…そんなこと言うんだよ!
晴斗:俺の気持ちは無視か?!
莉子:…っ、ちょ…
莉子:ごめん晴斗くん…落ち着いて?
晴斗:落ち着いてるよ!いつまで経っても、アンタは…俺はもう子供じゃない!
0:バー店内
莉子:…というわけでしてね〜?!あの後から話しかけても生返事だし目会わないし…
莉子:ああもうやらかした…
和樹:はは…まあちょっと踏み込みすぎた感はあるかもだけど…そこまでか…
莉子:ううううう…配慮難しい…世の中のお父さんお母さんどうやってるんだあ…
和樹:いやお前は親じゃないんだからそこは違うだろ
莉子:でも…私的には母親代わりのつもりで…
和樹:そもそもそれが傲慢だわ。代わりなんてなり得ないんだよ、誰であっても。
和樹:それ以上の存在になることはあってもな?
莉子:はー…パパさんにそういうこと言われるとマジしんどい…
和樹:まあ結局本人に聞かないと分からない話だけどな…てかそもそも向こうもそんなもの求めてねえよ
莉子:…まあそうだよね…結局私の自己満だし。
和樹:…俺は立派だと思うけど?甥っ子を引き取って育てるなんて誰でもできることじゃない。
莉子:そんなことないよ。結局あの子の父親と同じことしてるもん。
和樹:どこが一緒なんだよ。
和樹:あの子の父親って一番上のお兄さんだろ?本妻いるのに責任逃れした奴とお前のどこが一緒なわけ?
莉子:…己の身勝手な欲に抗えず子供を巻き込んだ。
莉子:一人になったあの子が自分に見えて、可哀想で堪らなくて…助けたい、なんて…
莉子:おこごましいこと考えて…あの子は、私じゃないのに。
莉子:…昔の私を助けることはできないってわかっているのに…巻き込んじゃった
和樹:……自己否定しすぎ。酔いが回ってきたな。
莉子:ぐす、最低だ私…兄さんと変わらない。
莉子:同じ穴の狢…呪われしクズ一族…犬神家…
和樹:アレ?案外しっかりしてる?ほら、水飲め。
莉子:飲めない…無理。寝る…
和樹:お前本当に弱ると幼児退行するよな…ほれ、ちょい口開けろ
0:(SE台パン)
和樹:…え?なに、おにーさん。
晴斗:店内で変なことしないでくれませんか?酔った女に無理矢理、とか最低です
和樹:いや、別にそんなことは…それ言うなら向こうのテーブルの人なんかおっ始めそうだけど…?
晴斗:…とにかく、その人俺の知り合いなんで。変な事される前に俺が連れて帰ります。
和樹:……あ、君甥っ子くん?なーんだ、奇遇だね。
晴斗:なんでもいいからさっさと離れてくださいよ
和樹:ははっ、なんとなく察してはいたけどやっぱりなー…
晴斗:…は?
和樹:ひとまわり離れた年上の女に執着してない?
和樹:まだ若いとわからないかもしれないけどさ…コイツは母親でも聖母でもねえんだよ
和樹:憧れに留めておいた方が皆幸せだって気付こうぜ?
和樹:
和樹:コイツの人生ぶち壊したいわけじゃないだろ?
晴斗:…赤の他人に言われる筋合いねえよ
和樹:ははっ、何その言葉遣い。客への態度じゃなくね?
晴斗:客のくせに店員の恋愛に口出しすんなよ。
和樹:恋愛じゃねえだろ
和樹:お前がコイツに甘えて依存してるだけだ
晴斗:…お前が何を知ってんだよ
和樹:生憎おっさんには筒抜けでね、色々知ってますよー
晴斗:……何年も相談男から抜け出せねえくせに偉そうにすんなよ
和樹:…痛いとこ突いてくるなぁ。最近の子ってみんなこんな感じー?
和樹:クソ生意気だな
晴斗:そのクソ生意気なガキに図星突かれてキレかけてるとか、恥ずかしくねぇの?
和樹:ははっ、よく喚くなあ坊主
晴斗:…だっる。
晴斗:……タクシー呼んできます。
和樹:……はいはい、よろしくー。
0:莉子と晴斗は自宅へ帰宅
莉子:はぁー…眠いい…
晴斗:………
莉子:ごめんねぇ…てかあの店でバイトしてるなんて聞いてないぞ〜まったくも〜…
晴斗:………
莉子:…もうシャワーだけ浴びて寝ようかな…
莉子:あ、晴斗くん先入りたいよね?先に済ませてきていいよー
晴斗:莉子さん
莉子:はぁい?…おっ、と
晴斗:……
莉子:あはは、急に抱きついてどうしたのー?お風呂は?
晴斗:何にも思わない?
莉子:…え、…急に何言ってんの
晴斗:俺が先に質問してるだろうが、答えろよ
莉子:…ぁー…別に何も?強いていうなら大きくなったなあ…って。
晴斗:…それだけ?
莉子:うん、それだけ。
晴斗:怒らないの?…動揺したりしないの?
莉子:あははっ、怒りもしないし気にしてないよー
晴斗:…んだよそれ……俺、は…こんなに
莉子:……晴斗くん、ちょっといいかな?大事な話するね。
晴斗:…………
莉子:君、一人暮らしする気はない?
勿論お金のことは考えなくてだいじょ
晴斗:は?
莉子:…っ。痛い痛い…ちょっと聞いてよ
晴斗:…捨てるの?
莉子:…っ、違う。捨てるなんてしない。
莉子:そもそも君は1人の人間なの、捨てられるとかそういう考え方はしないで
晴斗:何が違うんだよ、何が!!?
晴斗:…俺にこんなものを教えて、植え付けて、縛りつけたくせに…!!
莉子:…は、るとくん…ちょっと落ち着いて?話聞いて、
晴斗:俺のことを捨てて…その後どうするの?
晴斗:…あのオッサンと付き合うの?
晴斗:それとも別の可哀想なやつを拾うのか?
晴斗:あの時の俺みたいな惨めで救いようの無い奴を助けて、依存させて、それで、それで…
莉子:…そ、そんなこと…!
変な思い込みしないで、私は…!
晴斗:死ぬから
莉子:…は、ぁ?ちょ、あの…
晴斗:俺、今からアンタの目の前で死ぬよ。腹より首切りつけるのが確実だよな?
晴斗:んであんたをどっかに縛り付けてやるからさぁ、俺がどんどん死んでいく様を見てろよ。
晴斗:目に焼き付けて、一生忘れられないようにしてやるから。
晴斗:ははっ、助けも呼べずに俺を見殺しにしたらさぁ…アンタどうなるのかな…
晴斗:一生忘れられないよね?毎晩夢で俺が死ぬところを思い出してくれるよね?もうまともに生きられなくなるよね?
晴斗:
晴斗:ふふ、ふはは…はは…えっと…なんかあったかなぁ…縛るもの…
莉子:は、はる…晴斗くん、やめてお願いだから
晴斗:…莉子さんはいつも勝手だ
晴斗:俺の人生を救ってくれたよね
晴斗:全部失くなって何もできない無力な俺を守ってくれた、役割を与えてくれた、愛してくれた
晴斗:
晴斗:感謝してるんだよ、本当に
晴斗:
晴斗:でもさ…俺と向き合ってはくれないよね
晴斗:俺は何回もアンタが好きだって、今の関係じゃ嫌だって伝えていたつもりだよ
晴斗:全部気付かないふりして、見ないことにしたら俺の思いが消えると思った?
晴斗:
晴斗:…俺のことなんだと思ってんの?馬鹿にするのも大概にしろよ
莉子:……だ、って…私たち一応親戚だよ…?それに歳だって違うし…
莉子:でも、その…ごめんね。君の感情を無視してたのは謝る、だからっ
晴斗:はははっ…だる。
晴斗:何にもわかってねえよ
晴斗:
晴斗:その場しのぎの言葉で誤魔化せられるほどガキじゃねえんだよもう
晴斗:
晴斗:ほら、もういいからこっち来て
晴斗:どのくらいの時間で死ねるのかわかんないけど立ちっぱなしだと疲れるもんな?ベッドでいいよね?
莉子:痛っ…やだ、やめ…
晴斗:やめない。暴れんなよ。
晴斗:いいだろ別に。捨てようとした奴がどうなってもいいだろ?
莉子:…だから、そんな
晴斗:もういいよ。聞きたくない
莉子:〜〜〜っ、いい加減にしなさい!!
0:(SE平手打ち)
晴斗:…っ
莉子:はっ、はぁ…はぁ…あ…ごめ…!
晴斗:………痛い
莉子:ご、ごめん…!?
晴斗:……ぐす、うぅ…
莉子:わ、あ…ごめん、ごめんね!?
莉子:そんなに痛かった?!とりあえずソファ行こ!?冷やすの持ってくるから
晴斗:…いらない
莉子:いいからもう!!ほら、こっち…ぉわ
0:(SE抱き着く)
晴斗:やだ、莉子さん…ごめんなさい…もうしない、ごめんなさい…
莉子:わかってる、大丈夫よ。だからちょっと離れて…?ね?
晴斗:…やだ…捨てないで…
晴斗:俺は、俺は莉子さんしかいらないんだよ…
莉子:…晴斗くん、えっと…
晴斗:…置いていかないで、見捨てないで…ごめんなさい…
莉子:……大丈夫だよ、私こそごめんね。ちゃんと話しよう?
晴斗:…うん。
晴斗:でも、もうちょっとこのままでいたい
莉子:わかったわかった
莉子:…大丈夫だからね。
晴斗:……ふふっ
莉子:…え、何笑ってんの…
晴斗:別に…なんでもないよ
莉子:もー…こいつめこいつめ
晴斗:へへ…大好きだよ、莉子さん
莉子:…っ。う、ん…
莉子:私も晴斗くんがなによりも大切だからね
晴斗:……うん
莉子:…お、落ち着いた?かな…?
晴斗:………ふふ、あは、ははは…っ
晴斗:…はー…だっる