台本概要

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タイトル ようこそ猫の手霊障事務所へ ~更なる力~
作者名 瓶の人  (@binbintumeru)
ジャンル その他
演者人数 5人用台本(男2、女2、不問1)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 炎に打ち消す拳を
毒に打ち勝つ勇気を
更なる力を求めて

※ようこそ ねこのて れいしょうじむしょへ さらなるちから
4/13

※注意事項
●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡ください。
●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や、語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。
●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。
●全力で楽しんで下さると幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
121 木花臣(きのはな おみ)16~18歳 優しく穏やかな普通の高校生。 元から霊力が自由に扱えない。
愛美 99 桜木愛美(さくらぎ めぐみ)16~18歳 オカルト大好きな高校生。影を纏って触手を出しサポートする。
猫又 不問 86 尻尾が4本ある隻眼の黒猫の妖怪。 口が悪く素直じゃないが、心配性。 尻尾に霊力を纏って攻撃する。ツナマヨが大好物。
ココ 102 普段は栗色の長い髪が特徴の女性の姿をしている。 テレパシーや千里眼を用いたサポートを得意としている。 可愛い物が好き。
サンズイ 77 普段はキャップを被った青年の姿をしている。 とても陽気で、水を用いた多様な攻撃を得意としている。 冷凍されたキュウリが大好物。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
猫又:「くっそ…図体デカいくせに足の速い奴め…」 サンズイ:「まるでネズミを追いかける猫だねぇ。」 愛美:「それまんまじゃないですか。」 猫又:「おい!サンズイ!無駄口叩いてんじゃねぇ!そっちに行ったぞ!」 サンズイ:「おうよ!任せときな…って逃げんなコラぁあ!!」 愛美:「私が抑えます!お願い、捕らえて!」 サンズイ:「ナーッイスめぐみん!!そぉら!水守之刃(みなかみのやいば)!」 0:大型の悪霊が真っ二つなり、青いコアが出てくる サンズイ:「又っち!」 猫又:「ああ!金華猫(きんかびょう)!!」 サンズイ:「うっし!やったな又っち。」 0:コアの欠片を口にする猫又 猫又:「ガリッ…ああ。図体の割に大した事なかったな。」 サンズイ:「めぐみんも。ナイスカバーだったぜ。」 愛美:「い、いえ!上手くいって良かったです。」 臣:「皆、お疲れ様。はい、飲み物。」 愛美:「ありがとう臣。」 サンズイ:「サンキュー!おみっちー!ゴクゴク…ぷはぁああ!んめぇえ!」 臣:「猫又さんはツナマヨね。」 猫又:「んな!な、なんでツナマヨなんだ!別に欲しくねぇぞ!」 臣:「そう?じゃあ僕が食べるけど…」 猫又:「んなな!?し、仕方ねえから俺が食べてやる!仕方なくな!もぐもぐ…仕方なくなんだからな!もぐもぐ…」 愛美:「可愛い、猫又さん。」 猫又:「もぐ…んな!?もぐ…可愛いってもぐ…言うな女…もぐ…」 サンズイ:「食べるか喋るかどっちかにしなよ、又っち。」 愛美:「やっぱり可愛い。」 猫又:「んぐぐ……」 臣:「ねえ?猫又さん?」 猫又:「…なんだ?」 臣:「猫又さんって、悪霊を倒した後にコアの欠片をいつも食べてるけど…なんで食べてるんですか?」 猫又:「…ああ…それか。」 愛美:「私も気になってた。悪霊のコアなんて食べて大丈夫かなって。」 猫又:「…本来悪霊を浄化するのに青いコアを破壊する必要があるのはもう知っているな?」 臣:「はい…」 猫又:「俺は特殊らしくてな、砕くことが出来ても完全に浄化させることは出来ないらしい。 猫又:喰って俺の体内でコアを中和する事で初めて浄化が出来るんだ。ふん、実に厄介だ。」 サンズイ:「…ほんとにね。」 愛美:「じゃあ、猫又さんの体的には問題ないって事?」 猫又:「ああ。」 臣:「良かった…」 サンズイ:「又っち、愛されてんねぇ。」 猫又:「そんなんじゃねぇだろ。」 サンズイ:「んもう!照れちゃってぇ~」 猫又:「うるせえ。もう日も落ちた、ガキと女はさっさと帰れ。」 サンズイ:「そうだね、そろそろ帰らないと親御さんも心配しちゃうし。」 愛美:「そうですね、また明日来ますね。」 臣:「猫又さん、サンズイさん。また明日。」 サンズイ:「おう。また明日ね!おみっち、めぐみん!気を付けてね!」 0:  0:事務所に帰宅した猫又とサンズイ 0:  サンズイ:「たーだいまっとぉ!」 猫又:「はぁ、疲れた…」 ココ:「おや、お帰り。又くん、サンズイ。」 サンズイ:「おろ?ココじゃーん!!!」 猫又:「ココ、お前いつの間に帰ってたんだ?」 ココ:「んー、ついさっきかな?」 猫又:「嘘だな。」 ココ:「ははは、バレてしまったね。そうだね、又くんが悪霊と追いかけっこをしている時かな?」 猫又:「お前…どっから見てやがった……」 ココ:「さぁてね?」 サンズイ:「まあまあ。そんな事より、おかえりんさいココ。」 ココ:「ああ、ただいまサンズイ、又くん。」 サンズイ:「んでんで、さっそくなんだけどココ、調査はどうだった?なんか収穫あった?」 ココ:「っ…」 猫又:「どうした?何かあったのか?」 ココ:「…ああ。何かあったどころではないね……一番の土産話はそれになる。」 猫又:「……何があった…」 サンズイ:「ただ事ではなさそうだねぇ…」 ココ:「明日、臣くんと愛美ちゃんが来たら話をしよう。」 猫又:「…ま、そうだな。」 サンズイ:「俺らもココに話しておきたい事があるしね。」 ココ:「キミらも何かあったようだね。じゃあ、明日は全員で会議といこうか。」 0:  0:次の日、愛美の家のインターホンが鳴る 愛美:「はーい、どなたですかー…って…」 臣:「あ、愛美おはよう。」 愛美:「臣じゃん!おはよう。臣が家に来るなんて珍しいねどうかしたの?」 臣:「え、あ、いや!その…せっかく休みだし……良かったら一緒にどうかなって…」 愛美:「え?そっか…うん。一緒に行こう!準備するから少し待ってて!」 臣:「あ、うん!」 愛美:「急いで準備するから!ごめんね!」 臣:「ゆっくりでいいよー!」 0:  臣:【N】前は良く2人で登校なんてしてたし、なんとも思わなかったのに… 臣:今は一緒に帰ったり、2人きりになるとやっぱり緊張してしまう…思い切って今日は誘いに来たけど、すっごく恥ずかしくてたまらない 臣:我ながら非常に大胆な行動をしたと思う。迷惑じゃなかったかな… 0:  愛美:「おまたせ!」 臣:「あ!う、ううん。」 愛美:「臣?どうかしたの?」 臣:「え?い、いや?どうもしてないよ?」 愛美:「そう?」 臣:「うん!じゃ、じゃあ、いこっか。」 愛美:「うん!」 臣:「……。」 愛美:「…。」 0:お互い無言のまま歩き始める、照れつつ沈黙を破る臣 臣:「…えっと…昨日の悪霊との戦い、愛美大活躍だったね。」 愛美:「ううん、そんな事ないよ。頑張れば触手3本出せるけど、まだ安定してできないし…まだまだだよ。」 臣:「そんな、凄いよ愛美は。あの悪霊と戦えるんだから。」 愛美:「えへへ…ありがと。でも、すっごく怖いけどね。」 臣:「…僕なんてまだまともに戦えないし、皆の役に立てないことが悔しいよ。」 愛美:「臣だって皆の為に頑張ってるじゃん。でも、なんでリンクした時だけしか戦えないんだろうね?」 臣:「うん…元から霊力があるってココさんが言ってたけどなんで使えないんだろ。」 愛美:「そうだ、臣!」 臣:「ん?なに?」 愛美:「霊力が使えないなら、使わないで戦えばいいんだよ!」 臣:「え?どういうこと?」 愛美:「だーかーら!格闘技を習うのよ!そうしたら、霊力が無くても戦えるじゃん?」 臣:「でも相手は悪霊だよ?そんなの通用するかな…?」 愛美:「通用するするー!」 臣:「んー…火車みたいな相手だと尚更無理だと思うんだけど…」 愛美:「そこはほら…気合と根性で!」 臣:「えー……なにその根性論。」 愛美:「とにかく!今後霊力が使えるようになった時の為にも、体鍛えて格闘技習お!」 臣:「わ、分かったよ…」 愛美:「分かればよろしい!」 臣:「なんか今日の愛美は熱いね…」 愛美:「そう?さ、そんな事より早く事務所行こ!」 臣:「あ、愛美待ってよ!」 0: 0:事務所にて 0:  ココ:「やあ臣くん、愛美ちゃん。いらっしゃい。」 臣:「ココさん!」 愛美:「ココさん!帰ってたんですか!」 ココ:「ああ、久しぶりだね2人共。元気にしていたかい?」 愛美:「はい!見ての通り元気です!」 ココ:「ふふ、それはなによりだ。」 臣:「ココさんは昨日のうちに帰られたんですか?」 ココ:「ああ、夜に帰ったばかりでね。山奥をたくさん歩いたからヘトヘトだったさ。」 臣:「それは…お疲れ様です。」 ココ:「ありがとう臣くん、その言葉が筋肉痛に染み渡るよ。」 猫又:「……。」 愛美:「ん?猫又さん?」 ココ:「おや又くん?どうかしたのかな?まるで招き猫みたいにじっとして。」 猫又:「あ?いや?なんでもねえ。ってか俺は招き猫じゃねえ!猫又だ!」 臣:「じゃあ、どうしたんですか?」 サンズイ:「んっふふ~又っちはねぇ~、久しぶりに帰って来たココを皆がチヤホヤするからヤキモチ焼いちゃってんのよん。」 猫又:「んな!そんなんじゃねえ!ただ、考え事をしていただけだ!」 サンズイ:「またまた~」 猫又:「顔に癒えない傷を刻んでやろうか?」 ココ:「ふふ、ヤキモチを焼いてくれるのは嬉しいけどそろそろ会議を始めようか。」 猫又:「だからそんなんじゃ……はぁ、もういい。」 臣:「会議、ですか?」 ココ:「ああ。今回、私は仕事で遠方に出向いていたんだけどね…そこで見たものを共有したくて。」 サンズイ:「んで、俺らは対峙したアイツの事をココに共有しようと思ってね。」 愛美:「…ココさんは、一体何があったんですか?」 ココ:「うん、じゃあ私から話をさせてもらおうか。」 猫又:「ココはジジイと山に行ってたんだろ?」 ココ:「ああ。悪霊の目撃情報のあったとされる山村へ向かったんだけど…そこで調査結果は何も得られなかったんだ。 ココ:その後、又くんとサンズイは良く知っていると思うけれど自由解散になったんだ。」 猫又:「ああ……いつものアレか…クソジジイが。」 サンズイ:「たはー、おやっさん変わってないのなぁ!」 愛美:「え?え?自由解散ってだけですよね?」 サンズイ:「いやね?めぐみん?おやっさんが自由解散するのは、町に行って女の子のお店に行く為なのよ。」 愛美:「え?」 猫又:「邪魔者はさっさと帰れって事だ。たく、相変わらずのエロジジイめ。」 ココ:「まあまあ、とにかく。その自由解散後に私は、幼少期を過ごした故郷へと向かったんだよ。 ココ:そこで、かつて世話になった方々と再会したんだが……」 0:拳を強く握るココ 臣:「……ココさん…?」 ココ:「……餓者髑髏(がしゃどくろ)。そう名乗った奴は、あの方とやらの命で山へとやってきて、異常なまでの強さで蹂躙を開始したんだ。 ココ:特殊なガスを使う餓者髑髏の攻撃を浴びた私の育ての父は倒れ、今も療養中だよ。」 愛美:「そんな…ひどい…」 サンズイ:「あの方…?その餓者髑髏ってのも、あの方に仕えてるって言ってたのか?」 ココ:「ああ、言っていたよ。」 臣:「ココさんが居ない間に戦った妖怪…そいつもあの方に仕えてるって言ってたんです。」 サンズイ:「火車(かしゃ)…めちゃくちゃ強かった……何とか撃退できたけど、倒せないまま逃がしちまった…」 ココ:「私も、餓者髑髏は倒せていないよ。異常なまでに強かった…命が助かっただけでも儲けものさ。」 愛美:「ココさん…」 ココ:「しかしそうか…キミ達もそんなのと戦っていたんだね。その火車というのはどんな奴だったの?」 臣:「見た目は中世的な顔立ちをしてて…手に長い鎖を持っていました。」 愛美:「燃える車輪を出して攻撃してきたり、炎を周りに出したりもしてきてすごく強かったです…」 サンズイ:「鎖を自在に操って追尾してきたり、爆炎を起こしたり…いやぁ、ほんと…思い返すとトンデモな奴だねぇ……」 ココ:「なるほどね…非常に厄介な相手だったようだね…」 猫又:「んで、ココが対峙した餓者髑髏ってのはガス攻撃をしてくるって事だが、どんば攻撃なんだ?」 ココ:「そうだね…奴が使ってくるガス攻撃は、体を麻痺させて動きを封じてきたり、幻覚や幻聴を見せてきたり…」 サンズイ:「うひぃ…恐ろしいね…」 ココ:「それに、ガスによっては追尾してきたり、霊力を無効化してきたりと厄介な物もあるんだ。正直、奴が引いてくれて助かったとも思っているよ…」 猫又:「とんでもねえ奴だな…」 臣:「僕らに…そんな奴らを倒せるんですか…?」 愛美:「話を聞いてるだけでも勝てる未来が見えないんですが…」 猫又:「…ガキ共。お前らは戦わなくていい。」 臣:「え?」 猫又:「これは俺ら『こっち側』の問題だ。霊力があるっつってもお前らは人間だ。関わる必要はねぇ。」 サンズイ:「又っち…」 ココ:「……又くんの言う通りかもしれないね。これ以上キミ達を巻き込むのは我々としても本望ではないんだ。」 サンズイ:「ココ…」 臣:「なんでそんな事…猫又さんやココさんの言いたい事は分かります、でも僕は…」 猫又:「遊びじゃねえんだぞ。」 臣:「…っ」 猫又:「これは遊びじゃねえ。命を懸けた戦いなんだ。心臓を貫かれても生き返るわけじゃねえ、頭を撃ち抜かれても無事では済まねえ。終わりなんだ。」 愛美:「……。」 ココ:「…私も同意見だ。厳しい事を言うけれど、これは遊びじゃないんだ。死ぬかもしれない、キミ達はこれからの未来を背負う者達なんだよ?」 臣:「…死ぬかもしれない…分かってます……遊びじゃないのも分かってます……火車達を倒せるのかすごく不安です…」 猫又:「……。」 臣:「でも、僕は火車達を倒したい。目の前で無関係な人が悪霊にさせられたんです、それを見せられて引き下がれるほど僕はお人よしに出来てはいません。 臣:これ以上、無関係な人が巻き込まれないようにしたい。だから、僕も猫又さん達と戦いたい、小さいかも知れないけど猫の手を貸したいんです。」 ココ:「臣くん…」 サンズイ:「又っち、ココ。俺はおみっちの気持ちを尊重するぜ。」 臣:「サンズイさん…」 猫又:「サンズイお前っ!」 サンズイ:「男が覚悟を決めてんだ、それを無下にするのは失礼ってもんだぜ。 サンズイ:それにさ、リンクをすると霊力が増えるっつー、特殊な力がおみっちにはある。それは今後の戦いにも必要になると思うんだ。」 ココ:「……はあ、2人にそこまで言われちゃあね…」 猫又:「お、おいココ!?」 愛美:「あの、わ、私も頑張ります!すごく怖い、怖いけど…でも私だけ逃げたくないんです!みんなが頑張ってるならそのお手伝いを少しでもしたいんです!」 猫又:「女お前まで…!」 サンズイ:「又っち。心配なのは良く分かる、巻き込みたくないのも良く分かる。正直俺も同じ気持ちだよ。 サンズイ:でも、俺らなら…この事務所の皆なら何とかなるかもって思ってるんだ。」 猫又:「…あああ!!分かった分かった!お前らの言いたいことは分かった!好きにしろ!! 猫又:だが、さっきも言った通りこれは遊びじゃない、死ぬかもしれない戦いだ。それは忘れんじゃねえぞ。」 臣:「はいっ!ありがとうございます、猫又さん。それに、サンズイさん、ココさん!」 愛美:「精一杯頑張ります!」 ココ:「無事、皆の気持ちは纏まったね。」 猫又:「纏まりついでだが、あいつらを倒す為の1つとして特訓をしようと思う。」 ココ:「特訓?」 猫又:「ああ。俺はもちろんだが、何よりもガキ共の底上げが必要だ。」 ココ:「確かにね…」 愛美:「あの!わ、私…触手を伸ばしてばかりで拘束しかできないので、色んな戦い方を学びたいです…!」 ココ:「なるほどね、愛美ちゃんは色んな戦い方を……臣くんは?」 臣:「僕は…まだ霊力が自由に使えないので、霊力が無くても少し戦えるようになりたいです。」 猫又:「霊力ありきの俺らになんつー注文だ。」 ココ:「ふむ、じゃあ私が臣くんを見ようか。愛美ちゃんは又くんとサンズイが見てあげて。」 サンズイ:「よっしきたぁ!!」 猫又:「しかたねぇな。」 臣:「よろしくお願いします!」 愛美:「頑張ります…!」 ココ:「さあ、頑張る為にも今日は一度帰って、午後からまたおいで2人共。」 0: 0: 0:午後、臣とココが森の奥の開けた場所にいる ココ:「さ、改めてよろしく臣くん。」 臣:「よろしくお願いします!」 ココ:「さて、臣くんは霊力無しでもある程度戦えるようになりたいというものだったね。」 臣:「はい。でもココさんが見てくれるんですね、てっきりサンズイさんかなって思ってました。」 ココ:「ははは、まあそうだろうね。私、又くん、サンズイはそれぞれがそれぞれの霊力に合わせた戦闘の役割を担ってるんだ。」 臣:「役割?」 ココ:「そう。又くんは猫の体を存分に活かした柔軟かつ素早い攻撃が得意、そして我々の中でもダントツで霊力が多く1撃が重い。 ココ:サンズイは、攻撃力こそ又くんに劣るけども水の特性を活かした近、中、遠距離攻撃ができる。 ココ:そして私は3人の中で最も霊力の制御が細かくでき、主にテレパシーや千里眼で周囲の状況を仲間に伝えられる。」 臣:「皆それぞれ得意分野が違うんですね…あれ千里眼やテレパシーって…それじゃあココさんは僕にどんな戦い方を教えてくれるんですか?」 ココ:「私も戦えないわけじゃないんだ、主に2人に任せているだけでね。私は基本受けの技…カウンターを得意としていてね、その為に武術を教わったんだ。」 臣:「カウンター…ですか?」 ココ:「物は試しだ。臣くん、私に向かって殴りかかっておいで。」 臣:「え!?で、でも…」 ココ:「ふふ、私を女の子扱いしてくれるのかな?ありがたいけれど、こんな見た目だが立派な妖怪なんだ。遠慮はいらないよ。」 臣:「…わかりました。じゃあ、遠慮なくいきますよ…!はぁあ!」 ココ:「悪くない拳だね。でも…っ!」 0:臣の腕を掴み投げ飛ばす 臣:「え?どわぁあああ!!?」 ココ:「とまぁ、こんな感じだね。立てるかい臣くん?」 臣:「あ、はい…凄いですね今の…」 ココ:「今のはコツさえ掴めば誰でも出来る柔術の1つだ。相手の力を利用して、受け流し、投げ飛ばす。」 臣:「受け流して…投げ飛ばす…僕に出来るかな……」 ココ:「何も心配は要らないよ。必ず出来る、その為に私がいるんだ。これが使えるようになれば、多少は戦闘の足しになるはずだ。」 臣:「……はいっ!僕頑張ります!」 ココ:「うん、いい返事だね。それじゃ早速、練習を始めていこうか。」 0: 0:同じ森の、別の開けた場所 猫又:「よし、ここでいいだろう。」 サンズイ:「やーっとついたぁ!もう俺ヘトヘトだよぉ。」 愛美:「はぁ…はぁ…森の中にこんな所があるんですね…」 猫又:「まあ、人気の無い所じゃねえと『こっち側』の連中は遊べねぇからな。んで、そういうのを気にしねぇバカ共が人に見つかって大騒ぎになるんだ。」 愛美:「その、『こっち側』ってなんなんですか?」 サンズイ:「簡単に言うとねめぐみん。影に生きる物達、妖怪や霊を『こっち側』、日に生きる物達、人間を『あっち側』って俺らは言ってるんだ。」 猫又:「ま、そんな感じだ。んじゃ、無駄口は程々にして始めっぞ。」 愛美:「あの、いくら人気のないって言っても大きな爆発みたいなのが起きたらさすがに異変に気付かれるんじゃ…」 猫又:「この周囲には結界が張ってある、申し訳程度の強度しかないが、音の遮断や衝撃を抑えたりはする。派手にやんなきゃ大丈夫だろ。」 サンズイ:「え?なんで俺を見んのさ又っち?」 猫又:「お前が1番やらかしそうだからだ。」 サンズイ:「ええ、そんな事ないよ~!めぐみーん、又っちが信じてくれないよ~!」 愛美:「うぇ!?え、えっとぉ…」 サンズイ:「めぐみんまでそう思ってるの!?」 愛美:「え、えへへ…」 サンズイ:「その笑顔が心に来るぜ!」 猫又:「たく…バカやってねぇで早く準備しろ!」 愛美:「それで、どんな事を教えてくれるんですか?」 猫又:「俺は純粋に火力の底上げ。」 サンズイ:「んで、俺は各攻撃に合わせた触手の形態変化。。」 愛美:「底上げは分かりますが…けいたいへんか…?触手を別のに変えられるって事ですか?」 サンズイ:「そう!俺が水を色んな形に変えてるのと同じようにめぐみんの触手もできるんじゃないかなって!」 愛美:「わ、私にもあんな風に…!?」 サンズイ:「やってみないと分からないけど、イケるっしょ!多分!」 愛美:「ええ…本当に大丈夫かな……」 猫又:「んじゃ、始めるぞ。キビしくいくからしっかりついて来いよ。」 愛美:「…へ?」 0:  0: 臣:「はぁ…はぁ……っ!」 ココ:「うん、いいね。筋がいいよ臣くん。」 臣:「あり…がとうござい…ます……はぁはぁ…」 ココ:「よし、この辺で少し休憩しようか。」 臣:「は、はい……」 ココ:「はい、水。」 臣:「ありがとうございます……ごく…ごく……っはぁ…」 ココ:「臣くんならすぐに覚えられそうだね。構えがとても綺麗だ。」 臣:「そう…ですか?」 ココ:「ああ。私がおとうさんから教わったときに比べたら断然良いさ。」 臣:「おとうさん…ココさんのおとうさんってどんな方なんですか?」 ココ:「…うん、休憩ついでだ。私の幼少期について教えてあげようか。特別だからね?」 0:ふふっと唇に人差し指を添えるココ 臣:「あ……はい…」 ココ:「私はね、実の両親はいないんだ。1番古い記憶は、雨の中…森の奥で1人ぼっちで丸くなって暖を取っている時の記憶。」 臣:「え、でもおとうさんって…」 ココ:「幼い私を見つけて拾ってくれたのが、そのおとうさんだ。実の父親ではなく、育ての親。」 臣:「……そうなんですね。」 ココ:「おとうさんはね、鎌鼬(かまいたち)の妖怪にも関わらず、全く違う種族の私を快く受け入れてくれた。 ココ:おとうさんだけじゃない、その集落にいる皆が私を受け入れてくれたんだ。寂しかった毎日が、とても暖かい日々になっていったのを覚えているよ。」 臣:「皆、優しかったんですね。」 ココ:「ああ、凄く優しいよ。おとうさんは凄いんだ、優しくて強い、私に知識や戦い方を教えてくれて…凄く尊敬をしている。 ココ:だからこそ…そのおとうさんを……おとうさんの大切にしている皆を傷つけた餓者髑髏を許すことはできない…」 臣:「ココさん……」 ココ:「…その後リーダーに引き抜かれ、こうしてこの事務所で今に至るということだ。しんみりしてしまってごめんね、臣くん。」 臣:「……いえ、話してくれてありがとうございます。なんだかんだ、皆の事知らないから聞けて良かったです。」 ココ:「そう言ってもらえてよかったよ。して、臣くん?、」 臣:「はい?」 ココ:「愛美ちゃんにはいつ告白するんだい?」 臣:「ぶふぉっ!?」 ココ:「わっかりやすい反応だねぇー。」 臣:「なっなななにいってるんですかココさん!?」 ココ:「なにって…愛美ちゃんの事が好きなんだろう?」 臣:「うぇ!?そ、そんなこと…!!」 ココ:「そんな事?」 臣:「そんな…こと…」 ココ:「あるんだろう?」 臣:「っ…はい…」 ココ:「ははは、なにも隠すことないのに。」 臣:「恥ずかしいじゃないですか…」 ココ:「その想う気持ちは、恥ずかしい気持ちなのかな?愛美ちゃんに対してのそれは、恥ずべき事かい?」 臣:「……っ!!…いいえ、そんなことはないです。」 ココ:「ふふ、いい顔だ。応援しているよ臣くん。」 臣:「…はいっ!ありがとうございます!」 ココ:「よし、いい返事が聞けた所で続きをやっていこうか。」 0: 0: 猫又:「もっと集中しろ女!」 愛美:「は、はい!」 猫又:「そうだ、その調子だ。そのまま放て!」 愛美:「はいっ!はぁああ!!」 0:触手が形を変え、レーザーのように放たれる 愛美:「きゃあぁ!」 サンズイ:「おっと、大丈夫かめぐみん。」 愛美:「は、はい…」 サンズイ:「衝撃に耐えられなくてよろめいちゃったね。でも、いい感じだったよん!」 愛美:「ほ、ほんとですか…」 サンズイ:「ほんとほんと!な?いい感じだったよな又っち?」 猫又:「まあな。粗削りだが、いい線行ってたな。」 サンズイ:「ほらね?あの又っちがこう言ってるんだから、自信持とうぜっ!」 猫又:「んな!あのってなんだあのって!」 サンズイ:「だって、又っちはいつも褒めるなんて事しないじゃん?」 猫又:「そ、そんな事はねえ。」 サンズイ:「でもめぐみんには甘いよね。俺とかおみっちには厳しいのにさぁ?」 猫又:「だからそんなんじゃねえ!」 サンズイ:「じゃあ何さ?」 猫又:「…なんでもいいだろ!」 サンズイ:「えぇー!教えてよ又っちい!」 猫又:「だー!引っ付くなバカ河童!女は昔の知り合いに似てるから強く出れねぇだけだ!」 サンズイ:「ふーん、昔の…ねぇ?」 猫又:「んだよ。」 サンズイ:「いんやぁ?又っちも隅に置けないなぁってね?」 猫又:「ああ?……あぁ!?バッ!!ちげぇそんなんじゃねえ!!」 サンズイ:「またまた~」 猫又:「あぁうぜぇ!!女!さっきの形態変化をやってどうだった!」 愛美:「うぇ!?え、えっと、やっぱり…難しいですね……」 サンズイ:「めぐみん、形態変化に必要なのは想像力だ。これをこうしたいって想像力が何よりも大事なんだ。」 愛美:「想像力…」 サンズイ:「さっきやってもらったのは、触手を光線のように変化させるってやつだ。こう、ドーン!ちゅどーん!って感じで想像を膨らませればいいんだよ!」 愛美:「え、えっと…言いたいことはなんとなくわかるんですが…抽象的ですね…」 猫又:「まあ、このバカが言ってるのは大体合ってる。こういうのは理屈じゃねえ、感覚的に自分の中に落とし込むしかねえ。」 愛美:「そう…ですよね……」 猫又:「やめたきゃやめてもいいぞ女。」 愛美:「……いえ…辞めません。臣だって頑張ってるんです、ここで私だけ逃げるなんて出来ません。」 猫又:「…ふん。んじゃ、特訓続けるぞ。さっきのをもっかいやってみろ。」 愛美:「は、はい!」 猫又:「集中があめぇぞ!」 愛美:「…っ!!」 サンズイ:「めぐみん、ファイトだー!」 0:  0:  0:夕方、全員集まっている ココ:「やあ、又くん。サンズイ。愛美ちゃん。訓練はどうだったかな?」 愛美:「…はい、疲れましたぁ……」 ココ:「あらら、だいぶしごかれたようだね愛美ちゃん。」 猫又:「そういうお前のとこのガキもヘロヘロじゃねえか。」 臣:「い、いや…そんな事はないですよ…」 サンズイ:「おーい説得力ないよーおみっちー。」 ココ:「それで?進歩のほどはどうだい?」 猫又:「形態変化は、まだ粗削りだがとりあえず形には出来てきた。威力の底上げに関してはそもそもの霊力量が少ねぇからな、まずはそこからだ。」 サンズイ:「でも、めぐみん凄いよね。1日でここまで仕上げるんだからさ。」 愛美:「い、いえ…そんなことは…」 ココ:「いやいや凄いよ、頑張ったね愛美ちゃん。」 愛美:「あ、ありがとうございます…!」 サンズイ:「で、おみっちはどんな感じ?」 臣:「僕は相手の攻撃を利用する柔術を教わったんですが…まだまだですね。」 ココ:「臣くんは非常に筋がいいよ、初めてとは思えないくらい動きもいいし覚えもいい。」 猫又:「ココ。」 ココ:「なにかな又くん。」 猫又:「せっかくだ、お互いどの程度強くなったのか模擬戦をさせてみようじゃねえか。」 ココ:「模擬戦…か。」 臣:「も、もぎ…せん?」 愛美:「なんですかそれ…?」 ココ:「簡単に言えば練習試合、命を落とすような強力な攻撃や急所への攻撃は原則禁止。」 猫又:「ルール内なら好きなだけドンパチやってくれてかまわねえ。」 臣:「ちょ、ちょっとまってください!僕と愛美戦わなきゃいけなんですか!?」 愛美:「わ、私できないですよ!」 サンズイ:「んー、今の実力を見るためにもやってみてもいいんじゃない?」 臣:「…うっ…」 ココ:「2人が嫌っていうなら私としては無理強いはしたくないけども…」 猫又:「ま、やるやらないはお前らで決めろ。」 臣:「…どうする愛美?」 愛美:「怖い…かな…」 臣:「でも実際、今どれくらい戦えるようになったかは見てみたい…かな…」 愛美:「臣……… 愛美:うん、わかったよ。怖いけど、私やってみる。」 臣:「い、いいの?」 愛美:「私も試したいし、それに猫又さんとサンズイさんがせっかく教えてくれたんだもん。成長を見せなきゃ。」 臣:「…うん、ありがとう愛美…!」 ココ:「どう?纏まったかな?」 臣:「はい、試合やらせてもらいます。」 ココ:「…分かった。じゃあ準備しようか2人。」 0:距離をとって向かい合って立つ臣と愛美 ココ:「それじゃあ、準備はいいかな?」 臣:「はいっ。」 愛美:「は、はい!」 ココ:「わかった、はじめ!」 サンズイ:「ひゃー、なんかドキドキすんねぇ。」 猫又:「お前がドキドキしてどうすんだバカ河童。」 愛美:「ごめんね臣、行くよ!捕らえて!」 0:触手状の影を勢いよく伸ばす 臣:「っ!!」 サンズイ:「まさかのめぐみんの先制!」 ココ:「…でもこの程度なら……」 臣:「はあっ!」 愛美:「え、はじかれた!?」 臣:「うまくいった…!」 愛美:「っ!まだまだ行くよ!捕らえて!!」 臣:「くっ!」 0:触手を受け流し捌いていく臣 愛美:「まだ!まだ!!いけぇええ!」 臣:「愛美…凄い…!訓練してなかったら直ぐに捕まってた…!」 愛美:「臣、すごい…!」 臣:「次は僕の番だ!」 愛美:「っ、お願い!捕らえて!」 臣:「っ、はっ!たああ!!」 サンズイ:「おみっちすげぇ…」 猫又:「だが、ジリ貧だな。」 臣:「くっ、やばい…連撃が…捌けなくなって…!」 愛美:「臣もさすがに体力が限界が近いはず…!」 臣:「う…さすがにこの量は……あっ…」 サンズイ:「おみっち!」 愛美:「そこっ!!」 臣:「っ…しょうがない…!ココさん使わせてもらいます…!!」 サンズイ:「おみっちに…霊力が…?」 臣:「はぁあああ!!流旋(りゅうせん)の構え!」 0:体を大きく回転させ、触手が霧散していく 愛美:「えっ…!?」 臣:「や、やった!成功した…!」 猫又:「おい…今のは…」 サンズイ:「ココの技じゃん!!」 ココ:「ふふ、さすが臣くん、上手く使えたね。」 猫又:「どういう事だココ!まさかお前…リンクしたのか!?」 ココ:「そのまさか、だよ。」 愛美:「え、えっと…?」 ココ:「黙っていたのはごめんね愛美ちゃん。でも確認したかった事があってね。」 サンズイ:「確認したかった事?」 ココ:「ああ。臣くんの霊力についてだ。私の目は霊力の流れや量を見る事ができる。臣くんはリンクした際にのみ霊力が使える。私はその時の流れを見たかったんだよ。 ココ:実際、リンクした時に臣くんの霊力の扉が開き、こうして私の技を扱えるようになっている。」 猫又:「はあ…たくっ…やりたいことは分かったが、だからって黙ってやってんじゃねえよ。」 ココ:「ごめんごめん。さあ、臣くんは本気を出したみたいだ。その本気に愛美ちゃんも応えてあげて。」 愛美:「ええっ!?応えてあげるって…」 サンズイ:「おほ、いいね!せっかく覚えた形態変化をかましてやれぇ!めぐみん!」 臣:「…僕は準備できてるよ…いつでもおいで!愛美!」 愛美:「………わ、わかった…!!私もその想いに応えてみせる!!」 0:集中して霊力を高めていく愛美 猫又:「もっとだ女!お前ならできる!」 愛美:「は…はい…!!はああああ!!」 ココ:「愛美ちゃんに優しいね?又くん?」 猫又:「お前まで…!そんなんじゃねえ!」 臣:「すごい…ココさんの目の力で分かる…愛美の中で溢れてくる霊力が…」 サンズイ:「今だめぐみん!やっちまえぇえ!」 愛美:「行くよ臣!!はぁああ!撃ち抜いて!」 0:勢いよく放たれた触手が影のレーザーのように変化する 臣:「っ!?凄い…!!僕も全力で迎え撃つ!流旋の構え!!」 0:臣とレーザーが衝突する 臣:「くっ…うおぉおおお!!」 サンズイ:「ね、ねえ!こ、これって大丈夫な威力!?」 猫又:「女…訓練よりも威力出てんじゃねえか…」 愛美:「たぁあああ!!」 臣:「うおおおお!!」 愛美:「くっ……あああああ!!」 臣:「ぐっ…うおおおおおお!!」 0:霧散していくレーザー 愛美:「はぁ…はぁ……消え…た……」 臣:「はあ…はあ…やった…」 サンズイ:「うっひゃぁああ!すっげぇよ!おみっちもめぐみんも!!」 ココ:「ああ、いい戦いが見れたよ。2人共頑張ったね。」 愛美:「それは…よかった…ですぅ……」 0:倒れこむ愛美を抱きかかえる臣 臣:「おっと、愛美!!?大丈夫!?」 愛美:「う…うん……力入らなくなっちゃった…」 サンズイ:「あらら、大丈夫めぐみん?」 猫又:「霊力制御の酷使と、霊力の枯渇だな。」 ココ:「安心して、しばらく安静にしてれば治るはずだよ。頑張ったね愛美ちゃん。」 愛美:「は、はい…ありがとうございます。」 ココ:「にしても、臣くんは本当に不思議だ。」 臣:「え?」 ココ:「もう既に霊力の扉は締まりつつある。リンクした後に一時的にしか開かないみたいだね。それに、元からある霊力は一切使われず、リンクで供給された霊力しか使用されていない。」 臣:「僕の中にある霊力ってなんなんでしょう…なんであるんでしょうか。」 ココ:「調べようがないから何とも言えないね…」 猫又:「あそこに聞いてみたら良いんじゃないか?」 ココ:「ん?あそこ?」 猫又:「リンクの事ならあそこしかないだろ。アイツは好きになれんから関わりたくないが…」 サンズイ:「あー-!あそこね!」 ココ:「あそこ…ああ、なるほどね。確かにあそこならこの霊力について調べてくれそうだ。」 臣:「あ、あの…あそことか…アイツとかなんですか?」 ココ:「ああ、ごめんね。臣くん、キミの霊力やキミの特殊なリンクの力について分かるかもしれない。」 臣:「それって…」 ココ:「霊界管理局(れいかいかんりきょく)。そこにいる管理局員のパンプ。という人ならなにか教えてくれるかもしれないね。」 臣:「霊界管理局…パンプ…」 ココ:「手紙を出しておくから、そのうち返事が来るだろう。そしたら一緒に行こうか。」 臣:「は、はい。」 ココ:「さ、もうすっかり暗くなってしまった。今日はもう帰ろうか。」 サンズイ:「さーんせー!もう腹ペコだー!!」 ココ:「今日はみんな頑張ったからね。お寿司でも頼もうか。臣くん、愛美ちゃん。良かったら一緒にどうかな?」 サンズイ:「おほっ!いいねぇ!」 臣:「ではお言葉に甘えて…」 愛美:「ありがとうございます…!」 猫又:「おいココ、ツナマヨは用意しておけよ…!!」 臣:「……愛美。」 愛美:「ん?なぁに?臣?」 臣:「…一緒に頑張ろうね。」 愛美:「……うんっ!」 サンズイ:「おー-い!おみっちー!めぐみーん!はやくこーいよー!」 臣:「…はーい!」 0:顔を向かい合わせ笑う2人 愛美:「ふふ…」 臣:「あははは…」

猫又:「くっそ…図体デカいくせに足の速い奴め…」 サンズイ:「まるでネズミを追いかける猫だねぇ。」 愛美:「それまんまじゃないですか。」 猫又:「おい!サンズイ!無駄口叩いてんじゃねぇ!そっちに行ったぞ!」 サンズイ:「おうよ!任せときな…って逃げんなコラぁあ!!」 愛美:「私が抑えます!お願い、捕らえて!」 サンズイ:「ナーッイスめぐみん!!そぉら!水守之刃(みなかみのやいば)!」 0:大型の悪霊が真っ二つなり、青いコアが出てくる サンズイ:「又っち!」 猫又:「ああ!金華猫(きんかびょう)!!」 サンズイ:「うっし!やったな又っち。」 0:コアの欠片を口にする猫又 猫又:「ガリッ…ああ。図体の割に大した事なかったな。」 サンズイ:「めぐみんも。ナイスカバーだったぜ。」 愛美:「い、いえ!上手くいって良かったです。」 臣:「皆、お疲れ様。はい、飲み物。」 愛美:「ありがとう臣。」 サンズイ:「サンキュー!おみっちー!ゴクゴク…ぷはぁああ!んめぇえ!」 臣:「猫又さんはツナマヨね。」 猫又:「んな!な、なんでツナマヨなんだ!別に欲しくねぇぞ!」 臣:「そう?じゃあ僕が食べるけど…」 猫又:「んなな!?し、仕方ねえから俺が食べてやる!仕方なくな!もぐもぐ…仕方なくなんだからな!もぐもぐ…」 愛美:「可愛い、猫又さん。」 猫又:「もぐ…んな!?もぐ…可愛いってもぐ…言うな女…もぐ…」 サンズイ:「食べるか喋るかどっちかにしなよ、又っち。」 愛美:「やっぱり可愛い。」 猫又:「んぐぐ……」 臣:「ねえ?猫又さん?」 猫又:「…なんだ?」 臣:「猫又さんって、悪霊を倒した後にコアの欠片をいつも食べてるけど…なんで食べてるんですか?」 猫又:「…ああ…それか。」 愛美:「私も気になってた。悪霊のコアなんて食べて大丈夫かなって。」 猫又:「…本来悪霊を浄化するのに青いコアを破壊する必要があるのはもう知っているな?」 臣:「はい…」 猫又:「俺は特殊らしくてな、砕くことが出来ても完全に浄化させることは出来ないらしい。 猫又:喰って俺の体内でコアを中和する事で初めて浄化が出来るんだ。ふん、実に厄介だ。」 サンズイ:「…ほんとにね。」 愛美:「じゃあ、猫又さんの体的には問題ないって事?」 猫又:「ああ。」 臣:「良かった…」 サンズイ:「又っち、愛されてんねぇ。」 猫又:「そんなんじゃねぇだろ。」 サンズイ:「んもう!照れちゃってぇ~」 猫又:「うるせえ。もう日も落ちた、ガキと女はさっさと帰れ。」 サンズイ:「そうだね、そろそろ帰らないと親御さんも心配しちゃうし。」 愛美:「そうですね、また明日来ますね。」 臣:「猫又さん、サンズイさん。また明日。」 サンズイ:「おう。また明日ね!おみっち、めぐみん!気を付けてね!」 0:  0:事務所に帰宅した猫又とサンズイ 0:  サンズイ:「たーだいまっとぉ!」 猫又:「はぁ、疲れた…」 ココ:「おや、お帰り。又くん、サンズイ。」 サンズイ:「おろ?ココじゃーん!!!」 猫又:「ココ、お前いつの間に帰ってたんだ?」 ココ:「んー、ついさっきかな?」 猫又:「嘘だな。」 ココ:「ははは、バレてしまったね。そうだね、又くんが悪霊と追いかけっこをしている時かな?」 猫又:「お前…どっから見てやがった……」 ココ:「さぁてね?」 サンズイ:「まあまあ。そんな事より、おかえりんさいココ。」 ココ:「ああ、ただいまサンズイ、又くん。」 サンズイ:「んでんで、さっそくなんだけどココ、調査はどうだった?なんか収穫あった?」 ココ:「っ…」 猫又:「どうした?何かあったのか?」 ココ:「…ああ。何かあったどころではないね……一番の土産話はそれになる。」 猫又:「……何があった…」 サンズイ:「ただ事ではなさそうだねぇ…」 ココ:「明日、臣くんと愛美ちゃんが来たら話をしよう。」 猫又:「…ま、そうだな。」 サンズイ:「俺らもココに話しておきたい事があるしね。」 ココ:「キミらも何かあったようだね。じゃあ、明日は全員で会議といこうか。」 0:  0:次の日、愛美の家のインターホンが鳴る 愛美:「はーい、どなたですかー…って…」 臣:「あ、愛美おはよう。」 愛美:「臣じゃん!おはよう。臣が家に来るなんて珍しいねどうかしたの?」 臣:「え、あ、いや!その…せっかく休みだし……良かったら一緒にどうかなって…」 愛美:「え?そっか…うん。一緒に行こう!準備するから少し待ってて!」 臣:「あ、うん!」 愛美:「急いで準備するから!ごめんね!」 臣:「ゆっくりでいいよー!」 0:  臣:【N】前は良く2人で登校なんてしてたし、なんとも思わなかったのに… 臣:今は一緒に帰ったり、2人きりになるとやっぱり緊張してしまう…思い切って今日は誘いに来たけど、すっごく恥ずかしくてたまらない 臣:我ながら非常に大胆な行動をしたと思う。迷惑じゃなかったかな… 0:  愛美:「おまたせ!」 臣:「あ!う、ううん。」 愛美:「臣?どうかしたの?」 臣:「え?い、いや?どうもしてないよ?」 愛美:「そう?」 臣:「うん!じゃ、じゃあ、いこっか。」 愛美:「うん!」 臣:「……。」 愛美:「…。」 0:お互い無言のまま歩き始める、照れつつ沈黙を破る臣 臣:「…えっと…昨日の悪霊との戦い、愛美大活躍だったね。」 愛美:「ううん、そんな事ないよ。頑張れば触手3本出せるけど、まだ安定してできないし…まだまだだよ。」 臣:「そんな、凄いよ愛美は。あの悪霊と戦えるんだから。」 愛美:「えへへ…ありがと。でも、すっごく怖いけどね。」 臣:「…僕なんてまだまともに戦えないし、皆の役に立てないことが悔しいよ。」 愛美:「臣だって皆の為に頑張ってるじゃん。でも、なんでリンクした時だけしか戦えないんだろうね?」 臣:「うん…元から霊力があるってココさんが言ってたけどなんで使えないんだろ。」 愛美:「そうだ、臣!」 臣:「ん?なに?」 愛美:「霊力が使えないなら、使わないで戦えばいいんだよ!」 臣:「え?どういうこと?」 愛美:「だーかーら!格闘技を習うのよ!そうしたら、霊力が無くても戦えるじゃん?」 臣:「でも相手は悪霊だよ?そんなの通用するかな…?」 愛美:「通用するするー!」 臣:「んー…火車みたいな相手だと尚更無理だと思うんだけど…」 愛美:「そこはほら…気合と根性で!」 臣:「えー……なにその根性論。」 愛美:「とにかく!今後霊力が使えるようになった時の為にも、体鍛えて格闘技習お!」 臣:「わ、分かったよ…」 愛美:「分かればよろしい!」 臣:「なんか今日の愛美は熱いね…」 愛美:「そう?さ、そんな事より早く事務所行こ!」 臣:「あ、愛美待ってよ!」 0: 0:事務所にて 0:  ココ:「やあ臣くん、愛美ちゃん。いらっしゃい。」 臣:「ココさん!」 愛美:「ココさん!帰ってたんですか!」 ココ:「ああ、久しぶりだね2人共。元気にしていたかい?」 愛美:「はい!見ての通り元気です!」 ココ:「ふふ、それはなによりだ。」 臣:「ココさんは昨日のうちに帰られたんですか?」 ココ:「ああ、夜に帰ったばかりでね。山奥をたくさん歩いたからヘトヘトだったさ。」 臣:「それは…お疲れ様です。」 ココ:「ありがとう臣くん、その言葉が筋肉痛に染み渡るよ。」 猫又:「……。」 愛美:「ん?猫又さん?」 ココ:「おや又くん?どうかしたのかな?まるで招き猫みたいにじっとして。」 猫又:「あ?いや?なんでもねえ。ってか俺は招き猫じゃねえ!猫又だ!」 臣:「じゃあ、どうしたんですか?」 サンズイ:「んっふふ~又っちはねぇ~、久しぶりに帰って来たココを皆がチヤホヤするからヤキモチ焼いちゃってんのよん。」 猫又:「んな!そんなんじゃねえ!ただ、考え事をしていただけだ!」 サンズイ:「またまた~」 猫又:「顔に癒えない傷を刻んでやろうか?」 ココ:「ふふ、ヤキモチを焼いてくれるのは嬉しいけどそろそろ会議を始めようか。」 猫又:「だからそんなんじゃ……はぁ、もういい。」 臣:「会議、ですか?」 ココ:「ああ。今回、私は仕事で遠方に出向いていたんだけどね…そこで見たものを共有したくて。」 サンズイ:「んで、俺らは対峙したアイツの事をココに共有しようと思ってね。」 愛美:「…ココさんは、一体何があったんですか?」 ココ:「うん、じゃあ私から話をさせてもらおうか。」 猫又:「ココはジジイと山に行ってたんだろ?」 ココ:「ああ。悪霊の目撃情報のあったとされる山村へ向かったんだけど…そこで調査結果は何も得られなかったんだ。 ココ:その後、又くんとサンズイは良く知っていると思うけれど自由解散になったんだ。」 猫又:「ああ……いつものアレか…クソジジイが。」 サンズイ:「たはー、おやっさん変わってないのなぁ!」 愛美:「え?え?自由解散ってだけですよね?」 サンズイ:「いやね?めぐみん?おやっさんが自由解散するのは、町に行って女の子のお店に行く為なのよ。」 愛美:「え?」 猫又:「邪魔者はさっさと帰れって事だ。たく、相変わらずのエロジジイめ。」 ココ:「まあまあ、とにかく。その自由解散後に私は、幼少期を過ごした故郷へと向かったんだよ。 ココ:そこで、かつて世話になった方々と再会したんだが……」 0:拳を強く握るココ 臣:「……ココさん…?」 ココ:「……餓者髑髏(がしゃどくろ)。そう名乗った奴は、あの方とやらの命で山へとやってきて、異常なまでの強さで蹂躙を開始したんだ。 ココ:特殊なガスを使う餓者髑髏の攻撃を浴びた私の育ての父は倒れ、今も療養中だよ。」 愛美:「そんな…ひどい…」 サンズイ:「あの方…?その餓者髑髏ってのも、あの方に仕えてるって言ってたのか?」 ココ:「ああ、言っていたよ。」 臣:「ココさんが居ない間に戦った妖怪…そいつもあの方に仕えてるって言ってたんです。」 サンズイ:「火車(かしゃ)…めちゃくちゃ強かった……何とか撃退できたけど、倒せないまま逃がしちまった…」 ココ:「私も、餓者髑髏は倒せていないよ。異常なまでに強かった…命が助かっただけでも儲けものさ。」 愛美:「ココさん…」 ココ:「しかしそうか…キミ達もそんなのと戦っていたんだね。その火車というのはどんな奴だったの?」 臣:「見た目は中世的な顔立ちをしてて…手に長い鎖を持っていました。」 愛美:「燃える車輪を出して攻撃してきたり、炎を周りに出したりもしてきてすごく強かったです…」 サンズイ:「鎖を自在に操って追尾してきたり、爆炎を起こしたり…いやぁ、ほんと…思い返すとトンデモな奴だねぇ……」 ココ:「なるほどね…非常に厄介な相手だったようだね…」 猫又:「んで、ココが対峙した餓者髑髏ってのはガス攻撃をしてくるって事だが、どんば攻撃なんだ?」 ココ:「そうだね…奴が使ってくるガス攻撃は、体を麻痺させて動きを封じてきたり、幻覚や幻聴を見せてきたり…」 サンズイ:「うひぃ…恐ろしいね…」 ココ:「それに、ガスによっては追尾してきたり、霊力を無効化してきたりと厄介な物もあるんだ。正直、奴が引いてくれて助かったとも思っているよ…」 猫又:「とんでもねえ奴だな…」 臣:「僕らに…そんな奴らを倒せるんですか…?」 愛美:「話を聞いてるだけでも勝てる未来が見えないんですが…」 猫又:「…ガキ共。お前らは戦わなくていい。」 臣:「え?」 猫又:「これは俺ら『こっち側』の問題だ。霊力があるっつってもお前らは人間だ。関わる必要はねぇ。」 サンズイ:「又っち…」 ココ:「……又くんの言う通りかもしれないね。これ以上キミ達を巻き込むのは我々としても本望ではないんだ。」 サンズイ:「ココ…」 臣:「なんでそんな事…猫又さんやココさんの言いたい事は分かります、でも僕は…」 猫又:「遊びじゃねえんだぞ。」 臣:「…っ」 猫又:「これは遊びじゃねえ。命を懸けた戦いなんだ。心臓を貫かれても生き返るわけじゃねえ、頭を撃ち抜かれても無事では済まねえ。終わりなんだ。」 愛美:「……。」 ココ:「…私も同意見だ。厳しい事を言うけれど、これは遊びじゃないんだ。死ぬかもしれない、キミ達はこれからの未来を背負う者達なんだよ?」 臣:「…死ぬかもしれない…分かってます……遊びじゃないのも分かってます……火車達を倒せるのかすごく不安です…」 猫又:「……。」 臣:「でも、僕は火車達を倒したい。目の前で無関係な人が悪霊にさせられたんです、それを見せられて引き下がれるほど僕はお人よしに出来てはいません。 臣:これ以上、無関係な人が巻き込まれないようにしたい。だから、僕も猫又さん達と戦いたい、小さいかも知れないけど猫の手を貸したいんです。」 ココ:「臣くん…」 サンズイ:「又っち、ココ。俺はおみっちの気持ちを尊重するぜ。」 臣:「サンズイさん…」 猫又:「サンズイお前っ!」 サンズイ:「男が覚悟を決めてんだ、それを無下にするのは失礼ってもんだぜ。 サンズイ:それにさ、リンクをすると霊力が増えるっつー、特殊な力がおみっちにはある。それは今後の戦いにも必要になると思うんだ。」 ココ:「……はあ、2人にそこまで言われちゃあね…」 猫又:「お、おいココ!?」 愛美:「あの、わ、私も頑張ります!すごく怖い、怖いけど…でも私だけ逃げたくないんです!みんなが頑張ってるならそのお手伝いを少しでもしたいんです!」 猫又:「女お前まで…!」 サンズイ:「又っち。心配なのは良く分かる、巻き込みたくないのも良く分かる。正直俺も同じ気持ちだよ。 サンズイ:でも、俺らなら…この事務所の皆なら何とかなるかもって思ってるんだ。」 猫又:「…あああ!!分かった分かった!お前らの言いたいことは分かった!好きにしろ!! 猫又:だが、さっきも言った通りこれは遊びじゃない、死ぬかもしれない戦いだ。それは忘れんじゃねえぞ。」 臣:「はいっ!ありがとうございます、猫又さん。それに、サンズイさん、ココさん!」 愛美:「精一杯頑張ります!」 ココ:「無事、皆の気持ちは纏まったね。」 猫又:「纏まりついでだが、あいつらを倒す為の1つとして特訓をしようと思う。」 ココ:「特訓?」 猫又:「ああ。俺はもちろんだが、何よりもガキ共の底上げが必要だ。」 ココ:「確かにね…」 愛美:「あの!わ、私…触手を伸ばしてばかりで拘束しかできないので、色んな戦い方を学びたいです…!」 ココ:「なるほどね、愛美ちゃんは色んな戦い方を……臣くんは?」 臣:「僕は…まだ霊力が自由に使えないので、霊力が無くても少し戦えるようになりたいです。」 猫又:「霊力ありきの俺らになんつー注文だ。」 ココ:「ふむ、じゃあ私が臣くんを見ようか。愛美ちゃんは又くんとサンズイが見てあげて。」 サンズイ:「よっしきたぁ!!」 猫又:「しかたねぇな。」 臣:「よろしくお願いします!」 愛美:「頑張ります…!」 ココ:「さあ、頑張る為にも今日は一度帰って、午後からまたおいで2人共。」 0: 0: 0:午後、臣とココが森の奥の開けた場所にいる ココ:「さ、改めてよろしく臣くん。」 臣:「よろしくお願いします!」 ココ:「さて、臣くんは霊力無しでもある程度戦えるようになりたいというものだったね。」 臣:「はい。でもココさんが見てくれるんですね、てっきりサンズイさんかなって思ってました。」 ココ:「ははは、まあそうだろうね。私、又くん、サンズイはそれぞれがそれぞれの霊力に合わせた戦闘の役割を担ってるんだ。」 臣:「役割?」 ココ:「そう。又くんは猫の体を存分に活かした柔軟かつ素早い攻撃が得意、そして我々の中でもダントツで霊力が多く1撃が重い。 ココ:サンズイは、攻撃力こそ又くんに劣るけども水の特性を活かした近、中、遠距離攻撃ができる。 ココ:そして私は3人の中で最も霊力の制御が細かくでき、主にテレパシーや千里眼で周囲の状況を仲間に伝えられる。」 臣:「皆それぞれ得意分野が違うんですね…あれ千里眼やテレパシーって…それじゃあココさんは僕にどんな戦い方を教えてくれるんですか?」 ココ:「私も戦えないわけじゃないんだ、主に2人に任せているだけでね。私は基本受けの技…カウンターを得意としていてね、その為に武術を教わったんだ。」 臣:「カウンター…ですか?」 ココ:「物は試しだ。臣くん、私に向かって殴りかかっておいで。」 臣:「え!?で、でも…」 ココ:「ふふ、私を女の子扱いしてくれるのかな?ありがたいけれど、こんな見た目だが立派な妖怪なんだ。遠慮はいらないよ。」 臣:「…わかりました。じゃあ、遠慮なくいきますよ…!はぁあ!」 ココ:「悪くない拳だね。でも…っ!」 0:臣の腕を掴み投げ飛ばす 臣:「え?どわぁあああ!!?」 ココ:「とまぁ、こんな感じだね。立てるかい臣くん?」 臣:「あ、はい…凄いですね今の…」 ココ:「今のはコツさえ掴めば誰でも出来る柔術の1つだ。相手の力を利用して、受け流し、投げ飛ばす。」 臣:「受け流して…投げ飛ばす…僕に出来るかな……」 ココ:「何も心配は要らないよ。必ず出来る、その為に私がいるんだ。これが使えるようになれば、多少は戦闘の足しになるはずだ。」 臣:「……はいっ!僕頑張ります!」 ココ:「うん、いい返事だね。それじゃ早速、練習を始めていこうか。」 0: 0:同じ森の、別の開けた場所 猫又:「よし、ここでいいだろう。」 サンズイ:「やーっとついたぁ!もう俺ヘトヘトだよぉ。」 愛美:「はぁ…はぁ…森の中にこんな所があるんですね…」 猫又:「まあ、人気の無い所じゃねえと『こっち側』の連中は遊べねぇからな。んで、そういうのを気にしねぇバカ共が人に見つかって大騒ぎになるんだ。」 愛美:「その、『こっち側』ってなんなんですか?」 サンズイ:「簡単に言うとねめぐみん。影に生きる物達、妖怪や霊を『こっち側』、日に生きる物達、人間を『あっち側』って俺らは言ってるんだ。」 猫又:「ま、そんな感じだ。んじゃ、無駄口は程々にして始めっぞ。」 愛美:「あの、いくら人気のないって言っても大きな爆発みたいなのが起きたらさすがに異変に気付かれるんじゃ…」 猫又:「この周囲には結界が張ってある、申し訳程度の強度しかないが、音の遮断や衝撃を抑えたりはする。派手にやんなきゃ大丈夫だろ。」 サンズイ:「え?なんで俺を見んのさ又っち?」 猫又:「お前が1番やらかしそうだからだ。」 サンズイ:「ええ、そんな事ないよ~!めぐみーん、又っちが信じてくれないよ~!」 愛美:「うぇ!?え、えっとぉ…」 サンズイ:「めぐみんまでそう思ってるの!?」 愛美:「え、えへへ…」 サンズイ:「その笑顔が心に来るぜ!」 猫又:「たく…バカやってねぇで早く準備しろ!」 愛美:「それで、どんな事を教えてくれるんですか?」 猫又:「俺は純粋に火力の底上げ。」 サンズイ:「んで、俺は各攻撃に合わせた触手の形態変化。。」 愛美:「底上げは分かりますが…けいたいへんか…?触手を別のに変えられるって事ですか?」 サンズイ:「そう!俺が水を色んな形に変えてるのと同じようにめぐみんの触手もできるんじゃないかなって!」 愛美:「わ、私にもあんな風に…!?」 サンズイ:「やってみないと分からないけど、イケるっしょ!多分!」 愛美:「ええ…本当に大丈夫かな……」 猫又:「んじゃ、始めるぞ。キビしくいくからしっかりついて来いよ。」 愛美:「…へ?」 0:  0: 臣:「はぁ…はぁ……っ!」 ココ:「うん、いいね。筋がいいよ臣くん。」 臣:「あり…がとうござい…ます……はぁはぁ…」 ココ:「よし、この辺で少し休憩しようか。」 臣:「は、はい……」 ココ:「はい、水。」 臣:「ありがとうございます……ごく…ごく……っはぁ…」 ココ:「臣くんならすぐに覚えられそうだね。構えがとても綺麗だ。」 臣:「そう…ですか?」 ココ:「ああ。私がおとうさんから教わったときに比べたら断然良いさ。」 臣:「おとうさん…ココさんのおとうさんってどんな方なんですか?」 ココ:「…うん、休憩ついでだ。私の幼少期について教えてあげようか。特別だからね?」 0:ふふっと唇に人差し指を添えるココ 臣:「あ……はい…」 ココ:「私はね、実の両親はいないんだ。1番古い記憶は、雨の中…森の奥で1人ぼっちで丸くなって暖を取っている時の記憶。」 臣:「え、でもおとうさんって…」 ココ:「幼い私を見つけて拾ってくれたのが、そのおとうさんだ。実の父親ではなく、育ての親。」 臣:「……そうなんですね。」 ココ:「おとうさんはね、鎌鼬(かまいたち)の妖怪にも関わらず、全く違う種族の私を快く受け入れてくれた。 ココ:おとうさんだけじゃない、その集落にいる皆が私を受け入れてくれたんだ。寂しかった毎日が、とても暖かい日々になっていったのを覚えているよ。」 臣:「皆、優しかったんですね。」 ココ:「ああ、凄く優しいよ。おとうさんは凄いんだ、優しくて強い、私に知識や戦い方を教えてくれて…凄く尊敬をしている。 ココ:だからこそ…そのおとうさんを……おとうさんの大切にしている皆を傷つけた餓者髑髏を許すことはできない…」 臣:「ココさん……」 ココ:「…その後リーダーに引き抜かれ、こうしてこの事務所で今に至るということだ。しんみりしてしまってごめんね、臣くん。」 臣:「……いえ、話してくれてありがとうございます。なんだかんだ、皆の事知らないから聞けて良かったです。」 ココ:「そう言ってもらえてよかったよ。して、臣くん?、」 臣:「はい?」 ココ:「愛美ちゃんにはいつ告白するんだい?」 臣:「ぶふぉっ!?」 ココ:「わっかりやすい反応だねぇー。」 臣:「なっなななにいってるんですかココさん!?」 ココ:「なにって…愛美ちゃんの事が好きなんだろう?」 臣:「うぇ!?そ、そんなこと…!!」 ココ:「そんな事?」 臣:「そんな…こと…」 ココ:「あるんだろう?」 臣:「っ…はい…」 ココ:「ははは、なにも隠すことないのに。」 臣:「恥ずかしいじゃないですか…」 ココ:「その想う気持ちは、恥ずかしい気持ちなのかな?愛美ちゃんに対してのそれは、恥ずべき事かい?」 臣:「……っ!!…いいえ、そんなことはないです。」 ココ:「ふふ、いい顔だ。応援しているよ臣くん。」 臣:「…はいっ!ありがとうございます!」 ココ:「よし、いい返事が聞けた所で続きをやっていこうか。」 0: 0: 猫又:「もっと集中しろ女!」 愛美:「は、はい!」 猫又:「そうだ、その調子だ。そのまま放て!」 愛美:「はいっ!はぁああ!!」 0:触手が形を変え、レーザーのように放たれる 愛美:「きゃあぁ!」 サンズイ:「おっと、大丈夫かめぐみん。」 愛美:「は、はい…」 サンズイ:「衝撃に耐えられなくてよろめいちゃったね。でも、いい感じだったよん!」 愛美:「ほ、ほんとですか…」 サンズイ:「ほんとほんと!な?いい感じだったよな又っち?」 猫又:「まあな。粗削りだが、いい線行ってたな。」 サンズイ:「ほらね?あの又っちがこう言ってるんだから、自信持とうぜっ!」 猫又:「んな!あのってなんだあのって!」 サンズイ:「だって、又っちはいつも褒めるなんて事しないじゃん?」 猫又:「そ、そんな事はねえ。」 サンズイ:「でもめぐみんには甘いよね。俺とかおみっちには厳しいのにさぁ?」 猫又:「だからそんなんじゃねえ!」 サンズイ:「じゃあ何さ?」 猫又:「…なんでもいいだろ!」 サンズイ:「えぇー!教えてよ又っちい!」 猫又:「だー!引っ付くなバカ河童!女は昔の知り合いに似てるから強く出れねぇだけだ!」 サンズイ:「ふーん、昔の…ねぇ?」 猫又:「んだよ。」 サンズイ:「いんやぁ?又っちも隅に置けないなぁってね?」 猫又:「ああ?……あぁ!?バッ!!ちげぇそんなんじゃねえ!!」 サンズイ:「またまた~」 猫又:「あぁうぜぇ!!女!さっきの形態変化をやってどうだった!」 愛美:「うぇ!?え、えっと、やっぱり…難しいですね……」 サンズイ:「めぐみん、形態変化に必要なのは想像力だ。これをこうしたいって想像力が何よりも大事なんだ。」 愛美:「想像力…」 サンズイ:「さっきやってもらったのは、触手を光線のように変化させるってやつだ。こう、ドーン!ちゅどーん!って感じで想像を膨らませればいいんだよ!」 愛美:「え、えっと…言いたいことはなんとなくわかるんですが…抽象的ですね…」 猫又:「まあ、このバカが言ってるのは大体合ってる。こういうのは理屈じゃねえ、感覚的に自分の中に落とし込むしかねえ。」 愛美:「そう…ですよね……」 猫又:「やめたきゃやめてもいいぞ女。」 愛美:「……いえ…辞めません。臣だって頑張ってるんです、ここで私だけ逃げるなんて出来ません。」 猫又:「…ふん。んじゃ、特訓続けるぞ。さっきのをもっかいやってみろ。」 愛美:「は、はい!」 猫又:「集中があめぇぞ!」 愛美:「…っ!!」 サンズイ:「めぐみん、ファイトだー!」 0:  0:  0:夕方、全員集まっている ココ:「やあ、又くん。サンズイ。愛美ちゃん。訓練はどうだったかな?」 愛美:「…はい、疲れましたぁ……」 ココ:「あらら、だいぶしごかれたようだね愛美ちゃん。」 猫又:「そういうお前のとこのガキもヘロヘロじゃねえか。」 臣:「い、いや…そんな事はないですよ…」 サンズイ:「おーい説得力ないよーおみっちー。」 ココ:「それで?進歩のほどはどうだい?」 猫又:「形態変化は、まだ粗削りだがとりあえず形には出来てきた。威力の底上げに関してはそもそもの霊力量が少ねぇからな、まずはそこからだ。」 サンズイ:「でも、めぐみん凄いよね。1日でここまで仕上げるんだからさ。」 愛美:「い、いえ…そんなことは…」 ココ:「いやいや凄いよ、頑張ったね愛美ちゃん。」 愛美:「あ、ありがとうございます…!」 サンズイ:「で、おみっちはどんな感じ?」 臣:「僕は相手の攻撃を利用する柔術を教わったんですが…まだまだですね。」 ココ:「臣くんは非常に筋がいいよ、初めてとは思えないくらい動きもいいし覚えもいい。」 猫又:「ココ。」 ココ:「なにかな又くん。」 猫又:「せっかくだ、お互いどの程度強くなったのか模擬戦をさせてみようじゃねえか。」 ココ:「模擬戦…か。」 臣:「も、もぎ…せん?」 愛美:「なんですかそれ…?」 ココ:「簡単に言えば練習試合、命を落とすような強力な攻撃や急所への攻撃は原則禁止。」 猫又:「ルール内なら好きなだけドンパチやってくれてかまわねえ。」 臣:「ちょ、ちょっとまってください!僕と愛美戦わなきゃいけなんですか!?」 愛美:「わ、私できないですよ!」 サンズイ:「んー、今の実力を見るためにもやってみてもいいんじゃない?」 臣:「…うっ…」 ココ:「2人が嫌っていうなら私としては無理強いはしたくないけども…」 猫又:「ま、やるやらないはお前らで決めろ。」 臣:「…どうする愛美?」 愛美:「怖い…かな…」 臣:「でも実際、今どれくらい戦えるようになったかは見てみたい…かな…」 愛美:「臣……… 愛美:うん、わかったよ。怖いけど、私やってみる。」 臣:「い、いいの?」 愛美:「私も試したいし、それに猫又さんとサンズイさんがせっかく教えてくれたんだもん。成長を見せなきゃ。」 臣:「…うん、ありがとう愛美…!」 ココ:「どう?纏まったかな?」 臣:「はい、試合やらせてもらいます。」 ココ:「…分かった。じゃあ準備しようか2人。」 0:距離をとって向かい合って立つ臣と愛美 ココ:「それじゃあ、準備はいいかな?」 臣:「はいっ。」 愛美:「は、はい!」 ココ:「わかった、はじめ!」 サンズイ:「ひゃー、なんかドキドキすんねぇ。」 猫又:「お前がドキドキしてどうすんだバカ河童。」 愛美:「ごめんね臣、行くよ!捕らえて!」 0:触手状の影を勢いよく伸ばす 臣:「っ!!」 サンズイ:「まさかのめぐみんの先制!」 ココ:「…でもこの程度なら……」 臣:「はあっ!」 愛美:「え、はじかれた!?」 臣:「うまくいった…!」 愛美:「っ!まだまだ行くよ!捕らえて!!」 臣:「くっ!」 0:触手を受け流し捌いていく臣 愛美:「まだ!まだ!!いけぇええ!」 臣:「愛美…凄い…!訓練してなかったら直ぐに捕まってた…!」 愛美:「臣、すごい…!」 臣:「次は僕の番だ!」 愛美:「っ、お願い!捕らえて!」 臣:「っ、はっ!たああ!!」 サンズイ:「おみっちすげぇ…」 猫又:「だが、ジリ貧だな。」 臣:「くっ、やばい…連撃が…捌けなくなって…!」 愛美:「臣もさすがに体力が限界が近いはず…!」 臣:「う…さすがにこの量は……あっ…」 サンズイ:「おみっち!」 愛美:「そこっ!!」 臣:「っ…しょうがない…!ココさん使わせてもらいます…!!」 サンズイ:「おみっちに…霊力が…?」 臣:「はぁあああ!!流旋(りゅうせん)の構え!」 0:体を大きく回転させ、触手が霧散していく 愛美:「えっ…!?」 臣:「や、やった!成功した…!」 猫又:「おい…今のは…」 サンズイ:「ココの技じゃん!!」 ココ:「ふふ、さすが臣くん、上手く使えたね。」 猫又:「どういう事だココ!まさかお前…リンクしたのか!?」 ココ:「そのまさか、だよ。」 愛美:「え、えっと…?」 ココ:「黙っていたのはごめんね愛美ちゃん。でも確認したかった事があってね。」 サンズイ:「確認したかった事?」 ココ:「ああ。臣くんの霊力についてだ。私の目は霊力の流れや量を見る事ができる。臣くんはリンクした際にのみ霊力が使える。私はその時の流れを見たかったんだよ。 ココ:実際、リンクした時に臣くんの霊力の扉が開き、こうして私の技を扱えるようになっている。」 猫又:「はあ…たくっ…やりたいことは分かったが、だからって黙ってやってんじゃねえよ。」 ココ:「ごめんごめん。さあ、臣くんは本気を出したみたいだ。その本気に愛美ちゃんも応えてあげて。」 愛美:「ええっ!?応えてあげるって…」 サンズイ:「おほ、いいね!せっかく覚えた形態変化をかましてやれぇ!めぐみん!」 臣:「…僕は準備できてるよ…いつでもおいで!愛美!」 愛美:「………わ、わかった…!!私もその想いに応えてみせる!!」 0:集中して霊力を高めていく愛美 猫又:「もっとだ女!お前ならできる!」 愛美:「は…はい…!!はああああ!!」 ココ:「愛美ちゃんに優しいね?又くん?」 猫又:「お前まで…!そんなんじゃねえ!」 臣:「すごい…ココさんの目の力で分かる…愛美の中で溢れてくる霊力が…」 サンズイ:「今だめぐみん!やっちまえぇえ!」 愛美:「行くよ臣!!はぁああ!撃ち抜いて!」 0:勢いよく放たれた触手が影のレーザーのように変化する 臣:「っ!?凄い…!!僕も全力で迎え撃つ!流旋の構え!!」 0:臣とレーザーが衝突する 臣:「くっ…うおぉおおお!!」 サンズイ:「ね、ねえ!こ、これって大丈夫な威力!?」 猫又:「女…訓練よりも威力出てんじゃねえか…」 愛美:「たぁあああ!!」 臣:「うおおおお!!」 愛美:「くっ……あああああ!!」 臣:「ぐっ…うおおおおおお!!」 0:霧散していくレーザー 愛美:「はぁ…はぁ……消え…た……」 臣:「はあ…はあ…やった…」 サンズイ:「うっひゃぁああ!すっげぇよ!おみっちもめぐみんも!!」 ココ:「ああ、いい戦いが見れたよ。2人共頑張ったね。」 愛美:「それは…よかった…ですぅ……」 0:倒れこむ愛美を抱きかかえる臣 臣:「おっと、愛美!!?大丈夫!?」 愛美:「う…うん……力入らなくなっちゃった…」 サンズイ:「あらら、大丈夫めぐみん?」 猫又:「霊力制御の酷使と、霊力の枯渇だな。」 ココ:「安心して、しばらく安静にしてれば治るはずだよ。頑張ったね愛美ちゃん。」 愛美:「は、はい…ありがとうございます。」 ココ:「にしても、臣くんは本当に不思議だ。」 臣:「え?」 ココ:「もう既に霊力の扉は締まりつつある。リンクした後に一時的にしか開かないみたいだね。それに、元からある霊力は一切使われず、リンクで供給された霊力しか使用されていない。」 臣:「僕の中にある霊力ってなんなんでしょう…なんであるんでしょうか。」 ココ:「調べようがないから何とも言えないね…」 猫又:「あそこに聞いてみたら良いんじゃないか?」 ココ:「ん?あそこ?」 猫又:「リンクの事ならあそこしかないだろ。アイツは好きになれんから関わりたくないが…」 サンズイ:「あー-!あそこね!」 ココ:「あそこ…ああ、なるほどね。確かにあそこならこの霊力について調べてくれそうだ。」 臣:「あ、あの…あそことか…アイツとかなんですか?」 ココ:「ああ、ごめんね。臣くん、キミの霊力やキミの特殊なリンクの力について分かるかもしれない。」 臣:「それって…」 ココ:「霊界管理局(れいかいかんりきょく)。そこにいる管理局員のパンプ。という人ならなにか教えてくれるかもしれないね。」 臣:「霊界管理局…パンプ…」 ココ:「手紙を出しておくから、そのうち返事が来るだろう。そしたら一緒に行こうか。」 臣:「は、はい。」 ココ:「さ、もうすっかり暗くなってしまった。今日はもう帰ろうか。」 サンズイ:「さーんせー!もう腹ペコだー!!」 ココ:「今日はみんな頑張ったからね。お寿司でも頼もうか。臣くん、愛美ちゃん。良かったら一緒にどうかな?」 サンズイ:「おほっ!いいねぇ!」 臣:「ではお言葉に甘えて…」 愛美:「ありがとうございます…!」 猫又:「おいココ、ツナマヨは用意しておけよ…!!」 臣:「……愛美。」 愛美:「ん?なぁに?臣?」 臣:「…一緒に頑張ろうね。」 愛美:「……うんっ!」 サンズイ:「おー-い!おみっちー!めぐみーん!はやくこーいよー!」 臣:「…はーい!」 0:顔を向かい合わせ笑う2人 愛美:「ふふ…」 臣:「あははは…」