台本概要
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タイトル | 狭間の世界にて |
---|---|
作者名 | 追ヰ鰹 (@harukazecyclone) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 5人用台本(男1、不問4) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
和風な感じの台本を依頼された書いたらファンタジーチックになっちゃった。。。 喋り方などで和風を演じていただけたら幸いです。 ―今回のキーワード― ★狭間界―《キョウカイ》…現世と幽世の間の世界。 ★四神―《シジン》…東西南北を治める神々の総称。 ★現世―《ウツシヨ》…人々が生きる現世の事。 ★神力―《ジンリキ》…四神が持っている力の事。 ★幽世―《カクリヨ》…人々が亡くなった後に行く所謂”あの世”の事。 654 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
信長 |
男 ![]() |
35 | 歴史上の人物と同姓同名。狭間界に迷い込んでしまう。※回想の中の織田信長と兼役。 |
白虎 | 不問 | 42 | 落ち着いた性格の白髪長身。白い着物を纏い非常にゆったりとしながらも強さのある口調。一人称は私。見た目の人間年齢は20代前半。 |
青龍 | 不問 | 21 | 冷静沈着という言葉が似合う性格で、物静かな口調。一人称は僕。見た目の人間年齢は20代後半。 |
玄武 | 不問 | 20 | ガタイが良く面倒見の良い性格で、その見た目の通り豪快な話っぷり。一人称はワシ。見た目の人間年齢は30代前半。 |
朱雀 | 不問 | 23 | 四神の中で唯一の幼子ではあるもののしっかりとした四神の一体。天真爛漫で元気な口調。一人称はおいら。見た目の人間年齢はおよそ5~10歳程度。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
白虎:(N)ご傾聴の皆々様。*狭間界《きょうかい》というものをご存じでしょうか。*狭間《はざま》とありますように*現世《うつしよ》と*幽世《かくりよ》の間の世界。
白虎:(N)*現世《うつしよ》で肉体という器を脱いだ魂が、*幽世《かくりよ》へと向かう通り道。それが*狭間界《きょうかい》の役目であります。
白虎:(N)そしてこの*狭間界《きょうかい》で暮らす我々は*四神《しじん》。*現世《うつしよ》からの魂が迷う事なきよう無事に*幽世《かくりよ》へと導く役割を*担って《になって》おります。
白虎:(N)であるが故にこの場所には*現世《うつしよ》の人間が入る事は極めて異例・・・・今回聞いていただくお話はそんな*稀有《けう》なお話でございます。
0:(間)
白虎:ふぅ。本日も無事にお務めを果たせました。たくさんの魂が*幽世《かくりよ》に旅立ち、*輪廻転生《りんねてんせい》の儀に向かわれます。多くの魂に良き転生があらんことを。
朱雀:白虎お疲れ様~!!今日もたくさん送ったね!
白虎:えぇ。朱雀はこれからどうされるのですか?
朱雀:う~ん・・・特に決めてない!!白虎は?
白虎:私はいつも通り湖の近くで本を読むつもりですよ。
朱雀:その本って面白いの?
白虎:そうですね。自分にはない知識、ひいては*現世《うつしよ》の事を隅々まで知る貴重な物ですから。読んでいる時間は非常に有意義ですよ。
朱雀:へぇ~!!おいらは集中して本を読むより体動かしてた方が楽しいや~!!
白虎:物事にはそれぞれ向き不向きがありますから。体を動かす事もまた一興という事です。
朱雀:ん~??難しい事はおいらわかんないけどそんな感じだ!
白虎:ふふふ。朱雀はいつでも元気ですね。
朱雀:まぁね~!!あ!青龍の所に行ってこよ!!バイバイ白虎~!!
白虎:えぇ。それではまた。
0:(間)
玄武:お疲れ青龍!!
青龍:お疲れ様です玄武さん。
玄武:おいおい!さんはいらねぇっていつも言っておろうに!!
青龍:これが僕なので。何か御用でしょうか?
玄武:ん?いや特に用ってわけじゃねぇんだが、ここ最近のお務めが非常に多くなったと思っての~
青龍:それは僕も感じてました。それに*著《いちじる》しく傷ついてる状態の魂も増えましたよね。
玄武:よなぁ・・・黒く染まった状態で*狭間界《きょうかい》を通ってるのを見るに、*現世《うつしよ》で相当な目にあったんだろうと思うが・・・最近のはそればかりじゃ。
青龍:魂年齢も数年前に比べて随分低くなりました。中には3歳~5歳の*幼子《おさなご》も含まれています。
玄武:朱雀の力で*断片《だんぺん》はわかるんじゃが・・・・これは*現世《うつしよ》で何が起きてるか調査が必要かもしれねぇの~・・・
青龍:でしたら、僕が行きましょうか。
玄武:いや、その辺は*麒麟《きりん》が*担って《になって》るからまた依頼かけるさね。
青龍:なるほど。そういえば最近*麒麟《きりん》さんを見かけませんね。
玄武:ここ数年ワシも姿を見ておらんな。まぁ無理もねぇ。
青龍:あれ?*麒麟《きりん》さんの担当って・・・・
朱雀:お~い!!!青龍~!!
青龍:ん?あれは・・・・朱雀?どうした。
朱雀:白虎が湖で本読むって言うからこっちに来たの!!遊ぼう~!!
青龍:ごめん。僕もやりたいことがあるんだ。
朱雀:やりたい事?
玄武:おう朱雀!青龍は少しお疲れなんじゃ。休ませてやってくれないか?代わりにワシが遊んでやるけ!!
朱雀:本当!?じゃあ遊ぼう!!
玄武:おうよ!!じゃあ青龍!!!またの!!
青龍:あ、はい。ありがとうございます。
0:(間)
白虎:・・・ふぅ。今回の本も実に有意義・・・・ん?何かが横倒しになっている?
白虎:木・・・でしょうか。いやもしかしたら・・・
信長:ん・・・
白虎:やはり人・・・*狭間界《きょうかい》に迷い込んでしまったのでしょうか。
信長:っ!?ここどこ!?
白虎:ここは*現世《うつしよ》と*幽世《かくりよ》の狭間。*狭間界《きょうかい》。人が迷い込んでしまっては・・・ん?この感じどこかで・・・
信長:えっと・・・あんたは・・・?
白虎:(咳払い)。私は白虎。*現世《うつしよ》からの魂を*幽世《かくりよ》に導くお務めをする*四神《しじん》の一人にございます。
信長:俺は一体どうしてここに?
白虎:何も覚えておられないのですか?
信長:・・・あぁ。
白虎:困りましたね・・・。青龍を呼んでみましょうか。
信長:青龍?
白虎:えぇ。私と同じ*四神《しじん》の一体。東を治める神でございます。
信長:それって東西南北の東の事か?
白虎:その通りです。方角を表す【東西南北】。それぞれに一体ずつ割り当てられたのが我々*四神《しじん》です。
信長:へぇ・・・
白虎:その中でも青龍は―
信長:わ、わかったわかった!!とりあえずその青龍さんっての呼んでくれ!俺は難しい話はさっぱりなんでな。
白虎:ふむ・・・そうですか。しばしお待ちください。
0:(間)
青龍:それで僕が呼ばれたわけね。
白虎:はい。何か事情が分かればと思いまして。ところで―
朱雀:わぁ~!!これが人間!!!面白い髪型してる~!!
信長:だぁ~!!わしゃってするな!!せっかくセットしてるのに!!
朱雀:あはははは!!!
信長:てめぇこらガキ!!!
玄武:よさないか朱雀!
白虎:何故朱雀と玄武が一緒に?
青龍:はぁ・・・僕がこちらに向かう時についてきたんだよ。
白虎:なるほど・・・それで何かわかりそうですか?
青龍:朱雀が証明してくれたわけだけど、体に触れられるって事は、*狭間界《きょうかい》に近づいている証拠だ。
白虎:*現世《うつしよ》の方で何か異変が?
青龍:というより彼自身かな。恐らく何らかの事故、あるいは事件に巻き込まれてこちらに来てる可能性が高い。
信長:お、おい!!このガキどうにかしてくれよ!!
青龍:どちらにせよ危ない状況だって事は間違いないだろうね。
信長:それってどういう事だ・・・・って痛いっての!!!
玄武:*現世《うつしよ》でのお主が死にかけてるって事じゃ。
信長:は?死にかけてる?俺が?
青龍:神である朱雀が君の体に触れられるって事は、君が魂の状態に近づいてる証拠なんだ。
信長:神?こんな小っこいのがか?
玄武:そう言うのも無理はないじゃろうが、朱雀はれっきとした神じゃ。
朱雀:かみ~!!かみ~!!
玄武:ふむ・・・お主ここに来る前の記憶がないんじゃったな?
信長:・・・あぁ。なんかこう・・・モヤがかかってる感じか?
玄武:なるほど・・・・朱雀。
朱雀:ん~??何~?
玄武:お主の*神力《じんりき》でこの者の記憶を読み取ってはくれんか?
信長:*神力《じんりき》?
白虎:えぇ。私たち*四神《しじん》にはそれぞれ*神力《じんりき》と呼ばれる力が備わっています。と言っても万能の力というわけではないですが。
青龍:その中でも朱雀に備わっている力。*走査《そうさ》は触れた魂の記憶の*断片《だんぺん》を読み取る事ができるんだ。
信長:記憶の*断片《だんぺん》・・・
玄武:ここは魂の通り道じゃ。辛い思いをしてここにきてしまった若い魂の記憶の*断片《だんぺん》。それを読み取るのが朱雀の役目じゃ。
信長:それを利用すればわかるかもって事か・・・
朱雀:それじゃ行くよ~!!・・・・(少し声を低くする)*走査《そうさ》、開始。
信長:(なんだ・・・?急に雰囲気変わったぞ・・・?)
0:(間)
朱雀:炎が見える。それと大きな*警鐘《けいしょう》も聞こえる。・・・・このぐらいかな。
信長:炎・・・*警鐘《けいしょう》・・・・あっ!!
白虎:どうやら思い出したようですね。
信長:そうだ・・・火事にあって・・・逃げ遅れて・・・
白虎:お疲れ様です朱雀。
朱雀:・・・・ふぅ。疲れた疲れたぁぁぁ!!
信長:ここに来ちまったって事は俺はもう・・・・
白虎:諦めるのは早いですよ。
信長:え?
白虎:魂の状態にならずにここにいるという事は、*現世《うつしよ》でのあなたの体が懸命に生きようとしている証拠です。
信長:・・・そうだ。俺は生きなきゃならねぇ。まだ叶えてないこともあるんだ・・・!
白虎:夢、ですか。
信長:あぁそうだ!俺はダンスで頂点・・・いや*天下《てんが》を取る!!!
白虎:その言葉・・・・そういう事でしたか・・・取れるといいですね。
信長:おうよ!!って・・・あれ?俺の体透けてきてる?いよいよヤバい感じ!?
青龍:安心していいと思うよ。
朱雀:あぁ~!!髪わしゃってできな~い!!!
青龍:どうやらもう大丈夫みたいだね。
信長:現実の俺の体が大丈夫になったって事か!?
玄武:そういう事なんじゃろうなぁ。朱雀が触れられてないからの。
朱雀:でもこれで一安心だね!!
信長:・・・ありがとな。小っこい神様。
朱雀:へへん!感謝するといいよ!!この朱雀に!!
信長:・・・やっぱ可愛くねぇガキだな。
朱雀:なにを~!?
玄武:ハハハハハハ!!!実に愉快な青年じゃの!!!
白虎:えぇ本当に。最後に・・・名前を教えてくださいませんか?
信長:もちろん!!俺の名前は織田信長ってんだ!
白虎:信長さん・・・いい名前ですね。
信長:ありがとよ!!んじゃあな!!!
白虎:えぇ。・・・・信長さん。
0:(回想)
織田信長:ここは・・・どこじゃ・・・
白虎:おや。何故ここに人が・・・?迷い込んでしまったのでしょうか。
織田信長:ん?・・・お主は一体誰じゃ?
白虎:私は白虎。*四神《しじん》の一人です。あなたは?
織田信長:うむ。ワシは織田信長。*天下《てんが》を手に入れる者なり―
0:(回想終了)
白虎:彼は・・・あなたの生まれ変わりでしたか。信長殿。
青龍:どうした白虎?
白虎:いえ。数百年前の事を思い出しましてね。
朱雀:へぇ~!!白虎にしては珍しいね!!
白虎:そう・・・でしょうか?
玄武:まぁそういう時もあろうて!じゃあワシは行くけぇの!!
白虎:ありがとうございました玄武。
玄武:おうよ!!
白虎:朱雀もありがとうございました。
朱雀:うん!!またね~!!
青龍:僕も行くよ。またお務めの時に。
白虎:えぇ。ありがとうございました。
0:(間)
白虎:・・・さて。また*相《あい》まみえるのはいつになりますかね。信長殿―
白虎:(N)ご傾聴の皆々様。*狭間界《きょうかい》というものをご存じでしょうか。*狭間《はざま》とありますように*現世《うつしよ》と*幽世《かくりよ》の間の世界。
白虎:(N)*現世《うつしよ》で肉体という器を脱いだ魂が、*幽世《かくりよ》へと向かう通り道。それが*狭間界《きょうかい》の役目であります。
白虎:(N)そしてこの*狭間界《きょうかい》で暮らす我々は*四神《しじん》。*現世《うつしよ》からの魂が迷う事なきよう無事に*幽世《かくりよ》へと導く役割を*担って《になって》おります。
白虎:(N)であるが故にこの場所には*現世《うつしよ》の人間が入る事は極めて異例・・・・今回聞いていただくお話はそんな*稀有《けう》なお話でございます。
0:(間)
白虎:ふぅ。本日も無事にお務めを果たせました。たくさんの魂が*幽世《かくりよ》に旅立ち、*輪廻転生《りんねてんせい》の儀に向かわれます。多くの魂に良き転生があらんことを。
朱雀:白虎お疲れ様~!!今日もたくさん送ったね!
白虎:えぇ。朱雀はこれからどうされるのですか?
朱雀:う~ん・・・特に決めてない!!白虎は?
白虎:私はいつも通り湖の近くで本を読むつもりですよ。
朱雀:その本って面白いの?
白虎:そうですね。自分にはない知識、ひいては*現世《うつしよ》の事を隅々まで知る貴重な物ですから。読んでいる時間は非常に有意義ですよ。
朱雀:へぇ~!!おいらは集中して本を読むより体動かしてた方が楽しいや~!!
白虎:物事にはそれぞれ向き不向きがありますから。体を動かす事もまた一興という事です。
朱雀:ん~??難しい事はおいらわかんないけどそんな感じだ!
白虎:ふふふ。朱雀はいつでも元気ですね。
朱雀:まぁね~!!あ!青龍の所に行ってこよ!!バイバイ白虎~!!
白虎:えぇ。それではまた。
0:(間)
玄武:お疲れ青龍!!
青龍:お疲れ様です玄武さん。
玄武:おいおい!さんはいらねぇっていつも言っておろうに!!
青龍:これが僕なので。何か御用でしょうか?
玄武:ん?いや特に用ってわけじゃねぇんだが、ここ最近のお務めが非常に多くなったと思っての~
青龍:それは僕も感じてました。それに*著《いちじる》しく傷ついてる状態の魂も増えましたよね。
玄武:よなぁ・・・黒く染まった状態で*狭間界《きょうかい》を通ってるのを見るに、*現世《うつしよ》で相当な目にあったんだろうと思うが・・・最近のはそればかりじゃ。
青龍:魂年齢も数年前に比べて随分低くなりました。中には3歳~5歳の*幼子《おさなご》も含まれています。
玄武:朱雀の力で*断片《だんぺん》はわかるんじゃが・・・・これは*現世《うつしよ》で何が起きてるか調査が必要かもしれねぇの~・・・
青龍:でしたら、僕が行きましょうか。
玄武:いや、その辺は*麒麟《きりん》が*担って《になって》るからまた依頼かけるさね。
青龍:なるほど。そういえば最近*麒麟《きりん》さんを見かけませんね。
玄武:ここ数年ワシも姿を見ておらんな。まぁ無理もねぇ。
青龍:あれ?*麒麟《きりん》さんの担当って・・・・
朱雀:お~い!!!青龍~!!
青龍:ん?あれは・・・・朱雀?どうした。
朱雀:白虎が湖で本読むって言うからこっちに来たの!!遊ぼう~!!
青龍:ごめん。僕もやりたいことがあるんだ。
朱雀:やりたい事?
玄武:おう朱雀!青龍は少しお疲れなんじゃ。休ませてやってくれないか?代わりにワシが遊んでやるけ!!
朱雀:本当!?じゃあ遊ぼう!!
玄武:おうよ!!じゃあ青龍!!!またの!!
青龍:あ、はい。ありがとうございます。
0:(間)
白虎:・・・ふぅ。今回の本も実に有意義・・・・ん?何かが横倒しになっている?
白虎:木・・・でしょうか。いやもしかしたら・・・
信長:ん・・・
白虎:やはり人・・・*狭間界《きょうかい》に迷い込んでしまったのでしょうか。
信長:っ!?ここどこ!?
白虎:ここは*現世《うつしよ》と*幽世《かくりよ》の狭間。*狭間界《きょうかい》。人が迷い込んでしまっては・・・ん?この感じどこかで・・・
信長:えっと・・・あんたは・・・?
白虎:(咳払い)。私は白虎。*現世《うつしよ》からの魂を*幽世《かくりよ》に導くお務めをする*四神《しじん》の一人にございます。
信長:俺は一体どうしてここに?
白虎:何も覚えておられないのですか?
信長:・・・あぁ。
白虎:困りましたね・・・。青龍を呼んでみましょうか。
信長:青龍?
白虎:えぇ。私と同じ*四神《しじん》の一体。東を治める神でございます。
信長:それって東西南北の東の事か?
白虎:その通りです。方角を表す【東西南北】。それぞれに一体ずつ割り当てられたのが我々*四神《しじん》です。
信長:へぇ・・・
白虎:その中でも青龍は―
信長:わ、わかったわかった!!とりあえずその青龍さんっての呼んでくれ!俺は難しい話はさっぱりなんでな。
白虎:ふむ・・・そうですか。しばしお待ちください。
0:(間)
青龍:それで僕が呼ばれたわけね。
白虎:はい。何か事情が分かればと思いまして。ところで―
朱雀:わぁ~!!これが人間!!!面白い髪型してる~!!
信長:だぁ~!!わしゃってするな!!せっかくセットしてるのに!!
朱雀:あはははは!!!
信長:てめぇこらガキ!!!
玄武:よさないか朱雀!
白虎:何故朱雀と玄武が一緒に?
青龍:はぁ・・・僕がこちらに向かう時についてきたんだよ。
白虎:なるほど・・・それで何かわかりそうですか?
青龍:朱雀が証明してくれたわけだけど、体に触れられるって事は、*狭間界《きょうかい》に近づいている証拠だ。
白虎:*現世《うつしよ》の方で何か異変が?
青龍:というより彼自身かな。恐らく何らかの事故、あるいは事件に巻き込まれてこちらに来てる可能性が高い。
信長:お、おい!!このガキどうにかしてくれよ!!
青龍:どちらにせよ危ない状況だって事は間違いないだろうね。
信長:それってどういう事だ・・・・って痛いっての!!!
玄武:*現世《うつしよ》でのお主が死にかけてるって事じゃ。
信長:は?死にかけてる?俺が?
青龍:神である朱雀が君の体に触れられるって事は、君が魂の状態に近づいてる証拠なんだ。
信長:神?こんな小っこいのがか?
玄武:そう言うのも無理はないじゃろうが、朱雀はれっきとした神じゃ。
朱雀:かみ~!!かみ~!!
玄武:ふむ・・・お主ここに来る前の記憶がないんじゃったな?
信長:・・・あぁ。なんかこう・・・モヤがかかってる感じか?
玄武:なるほど・・・・朱雀。
朱雀:ん~??何~?
玄武:お主の*神力《じんりき》でこの者の記憶を読み取ってはくれんか?
信長:*神力《じんりき》?
白虎:えぇ。私たち*四神《しじん》にはそれぞれ*神力《じんりき》と呼ばれる力が備わっています。と言っても万能の力というわけではないですが。
青龍:その中でも朱雀に備わっている力。*走査《そうさ》は触れた魂の記憶の*断片《だんぺん》を読み取る事ができるんだ。
信長:記憶の*断片《だんぺん》・・・
玄武:ここは魂の通り道じゃ。辛い思いをしてここにきてしまった若い魂の記憶の*断片《だんぺん》。それを読み取るのが朱雀の役目じゃ。
信長:それを利用すればわかるかもって事か・・・
朱雀:それじゃ行くよ~!!・・・・(少し声を低くする)*走査《そうさ》、開始。
信長:(なんだ・・・?急に雰囲気変わったぞ・・・?)
0:(間)
朱雀:炎が見える。それと大きな*警鐘《けいしょう》も聞こえる。・・・・このぐらいかな。
信長:炎・・・*警鐘《けいしょう》・・・・あっ!!
白虎:どうやら思い出したようですね。
信長:そうだ・・・火事にあって・・・逃げ遅れて・・・
白虎:お疲れ様です朱雀。
朱雀:・・・・ふぅ。疲れた疲れたぁぁぁ!!
信長:ここに来ちまったって事は俺はもう・・・・
白虎:諦めるのは早いですよ。
信長:え?
白虎:魂の状態にならずにここにいるという事は、*現世《うつしよ》でのあなたの体が懸命に生きようとしている証拠です。
信長:・・・そうだ。俺は生きなきゃならねぇ。まだ叶えてないこともあるんだ・・・!
白虎:夢、ですか。
信長:あぁそうだ!俺はダンスで頂点・・・いや*天下《てんが》を取る!!!
白虎:その言葉・・・・そういう事でしたか・・・取れるといいですね。
信長:おうよ!!って・・・あれ?俺の体透けてきてる?いよいよヤバい感じ!?
青龍:安心していいと思うよ。
朱雀:あぁ~!!髪わしゃってできな~い!!!
青龍:どうやらもう大丈夫みたいだね。
信長:現実の俺の体が大丈夫になったって事か!?
玄武:そういう事なんじゃろうなぁ。朱雀が触れられてないからの。
朱雀:でもこれで一安心だね!!
信長:・・・ありがとな。小っこい神様。
朱雀:へへん!感謝するといいよ!!この朱雀に!!
信長:・・・やっぱ可愛くねぇガキだな。
朱雀:なにを~!?
玄武:ハハハハハハ!!!実に愉快な青年じゃの!!!
白虎:えぇ本当に。最後に・・・名前を教えてくださいませんか?
信長:もちろん!!俺の名前は織田信長ってんだ!
白虎:信長さん・・・いい名前ですね。
信長:ありがとよ!!んじゃあな!!!
白虎:えぇ。・・・・信長さん。
0:(回想)
織田信長:ここは・・・どこじゃ・・・
白虎:おや。何故ここに人が・・・?迷い込んでしまったのでしょうか。
織田信長:ん?・・・お主は一体誰じゃ?
白虎:私は白虎。*四神《しじん》の一人です。あなたは?
織田信長:うむ。ワシは織田信長。*天下《てんが》を手に入れる者なり―
0:(回想終了)
白虎:彼は・・・あなたの生まれ変わりでしたか。信長殿。
青龍:どうした白虎?
白虎:いえ。数百年前の事を思い出しましてね。
朱雀:へぇ~!!白虎にしては珍しいね!!
白虎:そう・・・でしょうか?
玄武:まぁそういう時もあろうて!じゃあワシは行くけぇの!!
白虎:ありがとうございました玄武。
玄武:おうよ!!
白虎:朱雀もありがとうございました。
朱雀:うん!!またね~!!
青龍:僕も行くよ。またお務めの時に。
白虎:えぇ。ありがとうございました。
0:(間)
白虎:・・・さて。また*相《あい》まみえるのはいつになりますかね。信長殿―