台本概要
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タイトル | ようこそ猫の手霊障事務所へ ~交わる影~ |
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作者名 | 瓶の人 (@binbintumeru) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 5人用台本(男1、女3、不問1) |
時間 | 40 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
影はその身を包み 蛇の牙はその心を蝕む 絡み絡んで、飲み込んでいく ※ようこそ ねこのて れいしょうじむしょへ まじわるかげ 5/13 ※注意事項 ●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡ください。 ●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や、語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。 ●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。 ●全力で楽しんで下さると幸いです。 417 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
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愛美 | 女 | 156 | 桜木愛美(さくらぎ めぐみ)16~18歳 オカルト大好きな高校生。影を纏い触手を伸ばし拘束する。 形態変化を会得した事で、様々な攻撃を行えるようになった。 |
ココ | 女 | 112 | 普段が栗色の長い髪をした女性の姿をしている。 テレパシーや千里眼を用いたサポートを得意としており、柔術を基本としたカウンターも行える。 可愛い物が好き。 |
ホウゲン | 男 | 44 | 猫の手霊障事務所を設立した創設者。 長い白髭と1本に結った白髪が特徴的。 腰には長い長刀が下げられている。 刀の名前は『驚椿(おどろつばき)』 |
清姫 | 女 | 93 | 派手めな恰好をしたギャルなお姉さん。言動は落ち着いている。 愛美をナンパ男から助ける事で出会う。 |
餓者髑髏 | 不問 | 43 | 顔面と体を髑髏の仮面と真っ黒なローブで身を包む餓者髑髏(がしゃどくろ)の妖怪。 非常に非情で狡猾な性格をしており、ガスを用いた攻撃で身体機能にダメージを負わせてくる。 ココと因縁がある。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ホウゲン:【N】それは数多(あまた)の生を恨み、それは幾多(いくた)の情を妬み
ホウゲン:それは愛を僻み(ひがみ)、それは自身に憎悪した
ホウゲン:この世の劣情をその身に宿し、鮮血を喰らい続け
ホウゲン:手にした者の悪意を増幅させる、その魔剣の名は
ホウゲン:『妬みの剣(ねたみのつるぎ)』そう呼ばれた
0:
0:
0:事務所にて
ココ:「買い物?」
愛美:「はい!」
ココ:「別に構わないけど…何か欲しいものがあるのかな?」
愛美:「特にこれといった物はないのですが、せっかく2人きりになったのでお出かけしようかなと…」
ココ:「なるほどね。臣くんは家の用事、サンズイは仕事で、又くんは私用で居ないからね。」
愛美:「なかなか無いですからね!こんな機会!」
ココ:「ふふ、そこまで言って貰ったのに腰を上げないのは申し訳ないからね。私でよければ一緒に行こうか。」
愛美:「ほんとですか!?やったぁ!」
ココ:「町に行く事はあってもそんなに見て回らないから、私とってもいい刺激になりそうだね。」
愛美:「そうなんですね!」
ホウゲン:「町には可愛いおなごも多いしのう。」
愛美:「っ!?」
ココ:「っ!?」
愛美:「え!?だ、だれっ!?」
0:長い白髪を1本で束ねた老人が2人の後ろに立っている
ココ:「り、リーダー…!」
愛美:「えっ!?リーダー!?あの噂のリーダー!?」
ホウゲン:「やっほい、ココ。そして愛美ちゃん。」
ココ:「リーダー…何も連絡無くこちらにいらしてくるなんて…一体どうされたんですか?」
ホウゲン:「いや?単に町に用があってな、そのついでに久しぶりにとここに寄ったんじゃが……猫又達はおらんのか?」
ココ:「ええ、他の皆はそれぞれ用があって席を外しています。」
ホウゲン:「そうかそうか残念だ。噂の『臣くん』にも会ってみたかったんじゃが、仕方がない。」
愛美:「あ、あの…」
ホウゲン:「ん?」
愛美:「は、初めまして。リーダーさん。桜木愛美です、お会い出來て嬉しいです。」
ホウゲン:「おおっ!丁寧にありがとうのう愛美ちゃん。まだ自己紹介をしていなかったのう。ワシはホウゲン。この事務所を立ち上げた者じゃよ。ココから少し話は聞いておるよ、何でも悪霊化から脱したそうじゃな。」
愛美:「そ、そうらしい…ですね。正直自分自身ではあまり覚えていないので何がなんだか…という感じです。」
ホウゲン:「そうかそうか、だがしかし今こうして元気で居るのは大変喜ばしい事…じゃ…」
0:愛美のお尻に手を伸ばしたホウゲン、吹っ飛ばされる
ホウゲン:「ぬおおっ!?」
愛美:「えぇぇ!?」
ココ:「リーダー…?愛美ちゃんはまだ高校生です、お戯れも少々度が過ぎるようで…」
ホウゲン:「ま、まだ何もしてないぞココ…」
ココ:「何か起きてからでは遅いのですよ。」
愛美:「だ、大丈夫ですか…?」
ホウゲン:「おお…愛美ちゃんは優しいのう…」
ココ:「愛美ちゃん、その人は放って私達は買い物に行こうか。時間の無駄になる。」
愛美:「えっ!?えっ、えっ…」
ホウゲン:「ああ、いいさいいさ。気にすることはない、楽しんでくるんじゃぞ。」
ココ:「さ、行こうか愛美ちゃん。」
愛美:「あ、はい…では行ってきます!」
0:
0:街にて
愛美:「ココさん!こっちこっち!」
ココ:「はは、そんなに急ぐと転んじゃうよ愛美ちゃん。」
愛美:「だーいじょうぶですよ!っとと…」
ココ:「あーほら、言わんこっちゃない。」
愛美:「えへへ…すみません…」
ココ:「はしゃぐのはいいけど、危ないからね?」
愛美:「だって、久しぶりの町でのお買い物ですし!それにココさんとだなんて嬉しいです!」
ココ:「嬉しいことを言ってくれるね。でも私とだなんて本当に良かったのかな?ほら、臣くんとか…」
愛美:「な、なんでそこで臣が出てくるんですか!?」
ココ:「え?なんでって…だって臣くんの事が好きなんだろう?」
愛美:「え!?」
ココ:「違ったかな?」
愛美:「ち、ちが……わないです…けど…」
ココ:「愛美ちゃんも分かりやすい子だよねぇ。」
愛美:「あー!もういいんです臣の事は!私はココさんとお出かけしたかったんです!」
ココ:「はは、そうかそうか。」
愛美:「もう!ほんとですから!」
ココ:「うん、ありがとう愛美ちゃん。」
愛美:「なーんか釈然としません。」
ココ:「そんな膨れてたら、せっかくの可愛い顔が台無しだよ。」
愛美:「ココさんの方が可愛いし綺麗です、羨ましいです。」
ココ:「そんなことはないさ。さ、行こうか愛美ちゃん。」
愛美:「あ、逃げましたねぇ!もうっ…それにしても、リーダーさんはあのまま置いてきて良かったんでしょうか…?」
ココ:「ああ、大丈夫だよあの人は。」
愛美:「そうなんですか…?」
ココ:「さあ、まずはどこに行くんだい愛美ちゃん?」
愛美:「あ、じゃあまずは…」
0:
0:
愛美:「ココさーん?まだですかぁー?」
ココ:「き、着れたけど……本当に見せなきゃダメ…?」
愛美:「ダメです、早く見せて下さい。」
ココ:「えぇ……わ、わかったよ…」
0:試着室から出たココ、フリルのついたワンピースを着ている
ココ:「ど…どうかな……?」
愛美:「わあああ!可愛いです!かっわいいですココさん!」
ココ:「…あの……愛美ちゃん…恥ずかしいのだけれど……」
愛美:「大丈夫ですよ!めっちゃくちゃ可愛いので!!」
0:写真を撮りまくる愛美
ココ:「め、愛美ちゃん…恥ずかしいんだが…」
愛美:「ぐふっ…」
ココ:「め、愛美ちゃん!?」
愛美:「恥ずかしがってるココさんが最高過ぎて……!」
ココ:「ああ…死ぬ…浄化してしまう……」
愛美:「大丈夫です、ココさんは死なせません。こんなに可愛くて尊い女の子は絶対に死なせません。」
ココ:「うう…これでも何十年と生きている妖怪なんだけどなぁ……」
愛美:「ずっと思ってたんですよ、絶対ココさんにこういう服似合うだろうなって。」
ココ:「そ、そうなの…?」
愛美:「想像以上でした…!これは捗ります…!」
ココ:「は、はかどる…?」
愛美:「さぁ、ココさん!まだまだ着てもらいたいのたっくさんあるんですからね!休んでらんないですよ!」
ココ:「えぇ!?ま、まだ着るの!?」
愛美:「次はこれです!早く着てください!」
ココ:「えぇぇ…!!」
愛美:「あとこれも!これも!これも!」
ココ:「か、勘弁してくれ…」
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0:
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餓者髑髏:「あぁ…もう人多いですねぇ……なんだって私がこんな所に…まったく、最近の私は山に行かされたり、町に行かされたりと散々ですねぇ……
餓者髑髏:あの方に命じられた物がこの町に来ているとの情報があったのであれば仕方ありません…にしても!人多くないですか!?なんなんですか!
餓者髑髏:なんかジロジロ見られていますし不愉快ですよ!いっそのこと全員ここで毒で蹴散らしてやりましょうか…!?
餓者髑髏:ああいやいや……落ち着きなさい餓者髑髏…任務遂行の為にあまり目立つ行動はしないようにと言われているでしょう。
餓者髑髏:…というかあの人はどこに行ったんでしょうか?勝手に居なくなるなとあれほど言っておいたのに……だから私1人で良いと言ったんですよ。
餓者髑髏:まあいいです、どうせ居たところで足を引っ張るだけ、あんなのは放っておいて私だけで遂行して見せましょう。
餓者髑髏:今回こそは目的を必ず達成しますよぉ…なにがなんでもねっ!ひっはははは!!」
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0:
愛美:「いやぁ…眼福でした…」
ココ:「うぅ……」
愛美:「ミニスカココさん……素敵なおみ足でした…」
ココ:「愛美ちゃん…やめてくれ……恥ずか死んでしまう…」
愛美:「だって本当にそうなんですもん。」
ココ:「はうぅ…」
愛美:「んもう、いつまでそんな悶えているんですか?」
ココ:「だ、だって……」
愛美:「絶対プライベートでも着てくださいね?」
ココ:「…善処するよ……」
愛美:「サンズイさんと猫又さんに着てるの見せたら驚かれますね!」
ココ:「ぜっったいに見せない!見せてたまるか!」
愛美:「えぇー可愛いのにぃ?」
ココ:「可愛くはない!ただ恥ずかしいだけだよ!」
愛美:「せっかく買ったのに着ないんですか?」
ココ:「うっ…それは……分からない…」
愛美:「ぶー、もったいないなぁ。」
ココ:「もう…あ、ごめんね愛美ちゃん、私トイレに行ってくるからここで少し待っててくれるかな?」
愛美:「あ、はい!待ってますね。」
ココ:「うん、すぐ戻ってくるから!」
愛美:「ふぅ…しっかし、ココさん可愛かったなぁ…フリフリのココさん…眼福…」
0:男2人組が愛美に話しかけてくる
愛美:「はい…?なんですか…?私ですか?友達と来てますけど……?いや、友達待ってるんで貴方たちと行きませんよ?」
0:強引に腕を引かれる
愛美:「え、ちょっ!?やめてください行かないですって!や、離して!離してくださいってば!」
0:突如、男の1人が蹴飛ばされ倒れる
愛美:「……え?」
清姫:「これだから男は…その汚い手を今すぐ離しな。じゃないと、アンタも痛い目見るよ?」
0:男が逃げる
愛美:「あ…えっと…ありがとうございます……」
清姫:「ケガはない?」
愛美:「は、はい…おかげさまで。」
清姫:「そ、なら良かった。もう捕まらないように気を付ける事だね。じゃ。」
愛美:「あ、ま、待って!貴女、名前は?」
清姫:「名前なんて聞いてどうするんだ?」
愛美:「お、お礼をしたくて…私は愛美と言います。貴女の名前は?」
清姫:「…礼なんか要らないよ。女を汚らしい男から守るのは当然の事だ。」
愛美:「汚らしい?」
清姫:「男は汚くて卑劣な生き物だ。実際アンタもああして被害を受けただろう?」
愛美:「…でも…」
清姫:「ま、これはアタシの考えだよ。アンタとアタシは違う。さ、もういいだろう?アタシは行くよ、じゃあね。」
愛美:「待ってください!それじゃあ私の気が収まりません。何かさせてください。」
清姫:「だから、そんなのはいいって。」
愛美:「そうだ!おいしいケーキが食べられるお店を知っているんです!それを奢ります!」
清姫:「っ!」
愛美:「お、反応しましたね?」
清姫:「…なんでそんなに私に付きまとうんだ。ただ1回助けただけだろう。」
愛美:「私にとってその1回は大きな1回なんです。すごく嬉しかったんですよ。」
清姫:「だとしてもここまでしようとするかい?」
愛美:「なんか、放っておけないっていうか…気になるんです貴女の事が。」
清姫:「……なんだそれ…はぁ、分かったよ…見た目にそぐわず結構強引だねアンタ。」
愛美:「そうですか?」
清姫:「……清姫。」
愛美:「え?」
清姫:「清姫、アタシの名前だよ。」
愛美:「きよひめ……いいお名前ですね!」
清姫:「こんなアタシに清い姫なんて、大層すぎるけどね。」
愛美:「そんな事ないです!すっごく素敵です!」
清姫:「…そうかい。」
0:ココが戻ってくる
ココ:「愛美ちゃんお待たせ…ってその方は?」
愛美:「ココさん!お帰りなさい!さっき男の人に絡まれちゃって…」
ココ:「え、大丈夫!?」
愛美:「あ、はい。この人に助けてもらったんで大丈夫でした!」
ココ:「そうか…良かった…あの、愛美ちゃんを助けて頂いてありがとうございました。」
清姫:「…いや、当然の事をしたまでだ。」
ココ:「……貴女はっ……そうですか。それでも助かりました。」
清姫:「別に感謝される事ではないさ。」
愛美:「それで、今からお礼にケーキをごちそうしようって話になったんです。なのでココさんも一緒に行きましょう!」
ココ:「ケーキか…うん、いいね。行こうか。」
清姫:「2人で出かけていたんだろう?本当にアタシが居ていいのかい?」
愛美:「良いんですよ!ね?ココさん?」
ココ:「ああ、問題ないさ。」
清姫:「…ほんと、変わった人達だねアンタらは。」
愛美:「さ、行きましょう清姫さん。」
ココ:「清姫…?」
愛美:「ココさん?どうかしました?」
ココ:「清姫とは…貴女のお名前なんですか?」
清姫:「ああ、そうだよ。それがどうしたんだい?」
ココ:「いえ、そうですか…いいお名前ですね。」
清姫:「そうかい、ありがとね。」
ココ:「改めて私はココ、よろしくお願いします。」
清姫:「…ああ、よろしくね。」
0:
0:
0:事務所にて
ホウゲン:「んー…暇じゃのう……猫又達はまだ帰ってこないのか…誰も帰ってこないならワシも町に行こうかのう………ん?」
0:机の上にあったチラシを見るホウゲン
ホウゲン:「ほう…特別展示…とな……なるほどこれが……面白いのう…どれ、どんなもんか一度ワシも見に行ってみるか。」
0:カフェから出てくる愛美、ココ、清姫
愛美:「んー!美味しかったですねぇ!ね?ココさん、清姫さん!」
ココ:「うん、甘すぎない生クリームが良かった。」
清姫:「まぁ、悪くはなかったね。」
愛美:「ふふ、清姫さん3つもケーキ食べてましたね。気に入ってくれました?」
清姫:「う…まぁ、それなりに…ね。」
愛美:「それは良かったです!」
ココ:「ふふ、良かったね愛美ちゃん。さて、次はどうする?」
愛美:「んー……ん?」
ココ:「どうしたの?愛美ちゃん?」
愛美:「いや、今日近くの博物館で特別展示物が来てるみたいで…」
ココ:「行ってみるかい?」
愛美:「そうですね…せっかくなので行ってみましょうか!清姫さんももし良かったらどうですか?」
清姫:「特別展示…いいよ、アタシも行くよ。」
0:博物館前
愛美:「わあ…人多いですね……だから今日町に人が集まってたんだ…」
ココ:「確かに人凄いね……それだけ今日の展示物が珍しいって事なんだろうね…」
愛美:「なんでしたっけ…」
清姫:「『妬みの剣』あらゆる劣情を抱えた魔剣。と言われている曰く付きの代物だよ。」
愛美:「ほえぇ…清姫さん詳しいね。」
清姫:「たまたま知っていただけさ。」
ココ:「しかし、全く列が進まないね…」
愛美:「ですね……清姫さん大丈夫ですか?」
清姫:「なにが?」
愛美:「いえ、誘っておいてなんですけど、この後用事とか…」
清姫:「……まあ、用事はあるにはあるけど。」
愛美:「え!?す、すみません!じゃあもう帰らないとですね!」
清姫:「いや、大丈夫だ。いざとなれば他の奴に任せておけばいいさ。」
ココ:「その人に怒られないかな…?」
清姫:「ああ、問題ないさ。なんならアタシよりもヤル気があるし、なにより強い。」
ココ:「…強い?」
0:列の後ろの方で叫び声聞こえる
愛美:「っ!?なに!?」
ココ:「この声は…いや、まさか…そんなはずは…」
清姫:「……。」
餓者髑髏:「ああああ!もう!人、人、人!!どこを見ても人だらけ!もう我慢なりません!!」
ココ:「お前は…!餓者髑髏!?」
餓者髑髏:「ああ…?っ!!あなたは…?なっ…管狐…!なぜここに!」
ココ:「それはこっちのセリフだ!なぜここにいる!何をしに来た!」
餓者髑髏:「うるさいですね…まーた質問攻めですか!いい加減あなたの質問には飽き飽きですよ…!こっちはただでさえ苛立ちが抑えられないんです、あなたの事を見ていると限界に達してしまいますよ。」
愛美:「餓者髑髏って、ココさんがこの間戦ったっていう…」
ココ:「ああ…まさにそうだよ。あの骸骨の仮面にローブ…間違いないね…」
愛美:「なんでここに…清姫さん!ここは危険だから安全な所に…きゃっ!?」
0:清姫に蹴り飛ばされる愛美、周りの客から悲鳴が上がる
ココ:「愛美ちゃん!?清姫さん、一体何を!?」
清姫:「一体何を…か。アンタは気づいていたんだろう?私の事を。」
ココ:「……ああ…名前を聞いた時に確信はしていた…だが危険な雰囲気は感じられなかったから何も言わなかったが…それは間違いだったようだね…」
愛美:「う…どういう事…?」
清姫:「アタシの名前は清姫。あの方の命により、今からアンタ達を倒す。心の準備はさせてやんないよ。」
0:肌に鱗が出現し、尻尾と肩から蛇が生えてくる
0:客が悲鳴を上げて逃げ惑う
愛美:「…清姫さん…なんで…」
ココ:「愛美ちゃん…」
餓者髑髏:「勝手に居なくなったと思ったら清姫さん、そこにいたんですか。」
清姫:「悪いね餓者髑髏。野暮用があってさ。」
餓者髑髏:「相変わらずマイペースですね…まあいいです。仕事さえしてくれればね。」
愛美:「どういう事ですか清姫さん!敵、なんですか…?私達、友達になれたと思ったのに…」
清姫:「……最初から一言も友達だとも仲間だとも言ってないよ。」
愛美:「っ…!」
ココ:「愛美ちゃん、彼女は最初から餓者髑髏の仲間なんだ、戦うしかない。」
愛美:「そんな…」
餓者髑髏:「にしても…ぎゃーぎゃーとうるさい人間共ですねぇ……」
清姫:「一般人は殺すなよ。」
餓者髑髏:「分かってますよ、殺したいのは山々なんですが…仕方がないですねぇ…そぉらっ!!」
0:餓者髑髏の足元から白い濃いガスが噴射される
ココ:「っ!危ない愛美ちゃん!守風(かみかぜ)!」
0:風のバリアが愛美とココをガスから守る
愛美:「そんな…お客さんが…眠っていく…」
餓者髑髏:「ちっ…まぁこれでギャラリーは静かになりましたね。」
清姫:「そーだな。」
ココ:「…キミ達は何が目的なんだ?私達を消す事…か?」
清姫:「まあ、アタシはそのつもり。だけどもう1つ目的がある。」
餓者髑髏:「ここの特別展示物『妬みの剣』。それが私達の目的です。」
ココ:「そんなもの…どうするつもりだ。」
餓者髑髏:「気になりますか?では特別に……なー-んて!教えてやるわけないじゃないですかぁああ!!さあ、管狐ぇえ!あの時の雪辱をここで晴らしてやりますよぉ!!」
ココ:「ああ……いい機会だ…私も大切な人を傷つけられた恨みを晴らしたいと思っていた所だ…!」
愛美:「こ、ココさん…」
ココ:「愛美ちゃん…隠れるか逃げるかして…ここは危なくなる…」
清姫:「そうやすやすと逃がすわけないだろう?」
愛美:「……私だって戦いますよ。覚悟を決めたんです。」
ココ:「愛美ちゃん…」
餓者髑髏:「よそ見してんじゃないですよぉお!黄害(おうがい)!!」
0:黄色いガスがココを襲う
ココ:「くっ!流旋(りゅうせん)の構え!」
餓者髑髏:「またそれか…!それならこの量はどうですかぁあ!?」
ココ:「なっ…!」
餓者髑髏:「ひっはははは!!食らえ管狐ぇぇえええ!!」
ココ:「簡単に食らうわけがないだろう!」
餓者髑髏:「逃がしはしませんよっ!」
愛美:「ココさんっ…」
清姫:「よそ見なんてしている余裕があるのかい?」
愛美:「っ清姫さん…」
清姫:「今なら楽に死ねるが、抵抗するのか?」
愛美:「本当は戦いたくない、でも清姫さんが悪い事をしてるんなら…止めないと……それが、友達だから!」
清姫:「っ…甘いんだよ…アンタはぁ!」
0:愛美に殴りかかる清姫
愛美:「うっ!?お願い、抑えて!」
清姫:「無駄だよっ!はぁあ!」
0:拳に霊力を強く込め触手を打ち破る
愛美:「え…きゃあああ!!」
清姫:「甘い、甘いんだよ…何が友達だよ。今日会ったばかりなのに何言ってんだい?」
愛美:「う…私は清姫さんと…友達になりたい…」
清姫:「アンタまだ……!!」
愛美:「だって、私には清姫さんが悪い妖怪だと思えないんだもん!」
清姫:「な………」
愛美:「火車とも餓者髑髏とも違う何か…優しい何かを感じるんです!」
清姫:「……ふ、ふふ…ははははは!!」
愛美:「っ!?」
清姫:「あっはははは!優しい?アタシが?ふざけんじゃないよ!!」
愛美:「優しいよ、短い時間だったけど話して分かったんです!」
清姫:「いい加減に…しろおおお!」
0:清姫から放たれた大量の影が蛇の形を模して愛美に襲い掛かる
愛美:「え…きゃああああああ!!?」
0:
ホウゲン:「ポトりと落ちるは首か椿か…
ホウゲン:おどろおどろしく、おどりおどれ…
ホウゲン:踊り狂え『驚椿(おどろつばき)』」
0:広範囲の抜刀が影の蛇を一掃する
愛美:「……え…?」
清姫:「な、なんだ…?一瞬にして蛇が…」
ホウゲン:「大丈夫かのう?愛美ちゃん?」
愛美:「り、リーダー…さん?どうしてここに…?」
ホウゲン:「いやぁはっはっは、珍しい展示物があると聞いて見に来たんじゃが…皆眠りこけてしまっていてのう…どうしたもんかと来てみれば…これは一体どういう事かのう?」
清姫:「おっさん…アンタ…妖怪かい?」
ホウゲン:「いかにも。お前さんは…蛇の妖怪かの?」
清姫:「だとしたらなんだ?」
ホウゲン:「いや、特にこれと言ってないが…最近の若い子は怒りっぽくて怖いのう。困っちゃうわいっ。」
0:抜刀して清姫を切りつける
清姫:「ぐっ!!」
ホウゲン:「ほお!間一髪避けたか!やるのう嬢ちゃん。」
清姫:「手を抜いていてなにを…」
ホウゲン:「はて?なんのことかの?」
清姫:「ヘラヘラして…!これでも食らえ!」
0:再び大量の影の蛇がホウゲンを襲う
愛美:「リーダーさん!」
ホウゲン:「これはこれは楽しい歓迎じゃのう!いいぞ、存分に楽しんでやろう!愛美ちゃんよ、その蛇のおなごは任せても良いかの?」
愛美:「え、あ、はい!!リーダーさんは大丈夫ですか…」
ホウゲン:「ワシは平気じゃよ、ちょいちょいっと片付けちゃうわい。」
清姫:「舐められたものだな…」
愛美:「清姫さん…!」
清姫:「…アンタが相手になるってのか…手加減はしないからな。」
愛美:「私だって…!」
清姫:「覚悟しなぁあ!はぁあああ!!」
愛美:「っ!お願い、捕らえて!」
清姫:「そんな触手!噛みつけ!蛇餓羅(じゃがら)!!」
0:肩の2匹の蛇が伸び触手と絡む
愛美:「くっ!」
清姫:「さあ!残り1本の触手で何ができる!」
愛美:「…捕らえて!!」
清姫:「甘いってんだよ!」
0:霊力を込めた拳で触手を破壊し腹を殴る
愛美:「ぐ…あ…!」
清姫:「…もういいだろ……アンタ!」
愛美:「…う…」
清姫:「まだ…立ち上がるのかい…」
愛美:「私は…私は……」
清姫:「なんで…そんなになってまで立ち上がるんだよ…」
愛美:「清姫さんと…友達になりたいから……清姫さん、寂しそうだから…」
清姫:「なにを…言ってんだよ…訳わかんない事言うなあああ!」
愛美:「っ!お願い、抑えて…!」
清姫:「諦めろ!」
愛美:「きゃあああ!」
清姫:「はあ…はあ……もう…そのまま寝てろよ…アンタ…」
0:
0:
餓者髑髏:「そらそらそらぁ!どうしたんですかぁあ!?守ってばかりじゃ意味ないですよぉぉお!?」
ココ:「くそ、キリがない…」
餓者髑髏:「しつこいですね…そんな守りがいつまで持ちますかね。」
ココ:「このままではマズい…一か八かやるか……」
餓者髑髏:「ちぃ…さっさとやられやがって下さい!!」
ココ:「それは、こっちのセリフだ!射空(しゃくう)の構え!」
0:弾いたガスが風を纏い斬撃として跳ね返される
餓者髑髏:「なっ!?ぐはぁあああ!!」
ココ:「ふう…触れた霊力を斬撃として跳ね返す…それが射空の構え…キミの霊力が多くて助かったよ。」
餓者髑髏:「まさか私の鎧のガスをも貫通させるとは…」
ココ:「これは相手の霊力量に比例して威力が変わるから、少し扱いづらいんだ。」
餓者髑髏:「なるほどそうなんですねわかりました…よくもやってくれやがりましたね…ふざけるんじゃないですよ!!黒害(こくがい)!」
0:黒いガスが足元から噴射される
ココ:「それは…!!」
餓者髑髏:「ひっはははは!さあ!!このガスをどうにかしない限り眠った人達が死んじゃいますよぉぉ!」
ココ:「この外道が…!!しかし、それの攻略はできている流旋(りゅうせん)の構え!!」
餓者髑髏:「んっひひ…使ってくるの待ってましたよぉお!!」
0:背後から硬質ガスがココを襲う
ココ:「なっ!?がはぁっ!?」
餓者髑髏:「あっははははははは!!鎧として纏ってるこのガスも攻撃に転用できるんですよ。」
ココ:「くそ…」
餓者髑髏:「おらおらおら!!まだ立ち上がってんじゃねえですよぉお!硬質ガスに殴られるのはさぞ痛いでしょうねええ!」
ココ:「ぐっ、ぐはっ!がああ!」
餓者髑髏:「今まで破られたことのないっ!私のガスを破られたあの時っ!どれだけ私がっ!屈辱を受けたかっ!分かりますかぁああ!?」
ココ:「ぐあああ!!がはっ!!」
餓者髑髏:「ほぉら、なんとか言いやがれですよ…管狐ぇええ!」
0:ココを蹴り飛ばす
ココ:「ぐはぁ!?はあ……はぁ……し…」
餓者髑髏:「ああ?」
ココ:「しら…な…い……ね…はぁ、はぁ……」
餓者髑髏:「こんのぉ…」
0:ココの頭を踏みつける
ココ:「うっ…」
餓者髑髏:「バカな人ですね。」
ココ:「うあああっ…」
餓者髑髏:「もういいです、このまま死になさい管狐。」
0:
ホウゲン:「愛美ちゃんや。」
愛美:「…り、リーダーさん…」
ホウゲン:「お前さんは優しい、だがのう…優しさとは傷つけない事が優しさなのかい?」
愛美:「…え?」
ホウゲン:「蛇の嬢ちゃんを大切に思いすぎて、傷つけないようにしているように思える。それで本当にお前さんの気持ちは届くのかい?お前さん自身も傷つかないようにしているのではないか?ビビッてばかりでは届くもんも届かんぞ?」
愛美:「……。」
清姫:「っ!おっさん…アンタいつの間に蛇達を…」
ホウゲン:「はっは!あの程度、朝飯前じゃよ。愛美ちゃんや、まだ決心がつかないというなら、ワシがこの嬢ちゃんを切っても良いのだが?」
0:刀の切っ先を清姫に向けるホウゲン
愛美:「…リーダーさん…」
清姫:「アタシは相手になってやるよおっさん。アンタもいい感じにむかつく相手だ。」
愛美:「待って!私、やります……ちゃんと、清姫さんに私の気持ちを伝えたい…!」
ホウゲン:「はっは、良い顔になったのう。その顔、最高にイケてるぞ。」
清姫:「正気か…?」
愛美:「正気ですよ清姫さん。リーダーさん、ありがとうこざいました。もう、大丈夫です。」
ホウゲン:「あい、分かった愛美ちゃん。もうジジイの出番はなさそうじゃな。ワシはおいとましようかの。」
清姫:「おい、まて!」
ホウゲン:「もうお前さんの相手はワシではないぞ嬢ちゃん。」
愛美:「清姫さんの相手は私です!」
清姫:「…今度は確実に殺す。」
愛美:「……覚悟の上です…!形態変化!お願い……貫いて!」
0:触手が鋭い槍状になる
清姫:「いけ!蛇影(じゃえい)!」
愛美:「く…!もっと!もっと!!強く!!」
清姫:「な…私が力負けするなんて……!これならどうだ!蛇裂牙(じゃれつが)!」
愛美:「形態変化!お願い、引き裂いて!」
0:刃物状に変化し衝突する
清姫:「この…急になんなんだ…」
愛美:「負けたないです…清姫さん!」
清姫:「っはぁ…はぁ…いい加減楽にしてやる…はああああ!」
0:霊力を高める清姫
愛美:「くっ…終わらせます…!!うぅぅ…!!」
清姫:「へえ…アタシに対抗しようってのかい?潰してやるよ!蛇昂拳・亜門(じゃこんけん・あもん)!うおぉぉお!」
愛美:「形態変化!お願い、撃ち抜いて!!」
0:愛美のレーザーと清姫の霊力のこもった拳がぶつかり合う
清姫:「ぐっおおおおお!!」
愛美:「ううううぅぅぅぅ!!」
清姫:「アタシは…アタシはアンタには…負けるわけには、いかない!!」
愛美:「わ、私だって…!!清姫さんに私の気持ちを伝える為…!引けない!」
清姫:「ぐ……なんで…!!なんで押され…」
愛美:「いっけぇええええええ!!」
清姫:「が、がぁああああああ!!」
0:吹き飛ぶ清姫
愛美:「はあ…はぁ…はぁ…清姫さん……」
清姫:「ぐ……く、そ……」
愛美:「清姫さん…私…私は…清姫さんと…」
清姫:「アタシは…アンタが嫌いだよ……」
愛美:「え…?」
清姫:「大嫌いだよ…友達になんて……なれないね…」
愛美:「……今はそれでいいです、でもいつか、友達になってみせますから…」
清姫:「ど、どこいくんだ…!アタシを浄化しないのか…?」
愛美:「貴女を浄化したくないもん。今はそれよりもココさんが心配だから……またね、清姫さん。」
清姫:「あ………っ!なんなんだよ…アイツ…」
0:
0:
餓者髑髏:「最後に言い残す事はありますかぁ?例えば、餓者髑髏様ごめんなさいとか?」
ココ:「…だれが…言うか……」
餓者髑髏:「っ!ああそうですか…じゃあ、死になさい!!」
0:鋭い斬撃が餓者髑髏を襲う
餓者髑髏:「ぐはああっ!?」
ココ:「っ!?」
餓者髑髏:「だ、誰ですか!?」
ホウゲン:「それはワシのセリフじゃよ、大事な事務員に何て事してくれとるんじゃ。」
ココ:「リーダー……」
ホウゲン:「ココ、お前ともあろうもんがずいぶん派手にやられたのう。」
ココ:「…すみません……」
ホウゲン:「まあ命あるだけ儲けものじゃな。」
餓者髑髏:「私抜きで話してんじゃねえですよ…!!」
ホウゲン:「そうカッカしなさんな餓者髑髏よっ!」
0:素早い抜刀が餓者髑髏をかすめる
餓者髑髏:「っ!?」
ホウゲン:「おや、躱されてしまったわい…」
餓者髑髏:「貴方は……」
ホウゲン:「なんじゃ…?」
餓者髑髏:「ふ…ふふ…ひっはっははは!!面白いですね、ええ面白いですね!」
ココ:「なんだ…?」
餓者髑髏:「いえ、このままではさすがに勝ち目がないのでね…そこの方はかなり腕が立つご様子…ここいらで引いてあげますよ。」
ココ:「な、にがすわけ…」
餓者髑髏:「こっちはもう目的も果たしたので…」
0:清姫が餓者髑髏の後ろから現れる
清姫:「『妬みの剣』はもうこっちのものだ…」
餓者髑髏:「だいぶやられたようですね、清姫さん。」
清姫:「大したことはない…」
ココ:「なっ!?キミがなぜここに!愛美ちゃんは…まさか…」
愛美:「はぁはあ…ココさん!リーダーさん!」
ココ:「愛美ちゃん!」
ホウゲン:「おお、愛美ちゃん無事で何よりだ。」
愛美:「皆さんも無事でよかった…」
餓者髑髏:「感動の再会、ようございましたね、たっぷりとご堪能下さいませ。それでは次またお会いできる日をお待ちしておりますよ…お三方ごきげんよう!!ひゃっはははははははぁあ!」
ココ:「待て!餓者髑髏!」
ホウゲン:「ココ、抑えるのだ。」
ココ:「しかし…!!」
清姫:「…必ず、ケリをつけてやる…!待っていろ…!」
愛美:「清姫さん…」
清姫:「私は、お前とは、相容れない……!」
愛美:「清姫さぁん!!」
0:消えていく2人、膝をつく愛美
愛美:「はあっ…!」
ココ:「愛美ちゃん!大丈夫!?」
愛美:「は…はい…すみません…」
ホウゲン:「腰が抜けてしまったんじゃな。頑張ったのう愛美ちゃん、」
愛美:「私の気持ち…ちゃんと伝わったのかな…」
ホウゲン:「大丈夫じゃよ、愛美ちゃんの気持ちはあの嬢ちゃんに届いとるはずじゃ。安心せい。」
愛美:「…はい……そうですよね、届いてますよね。」
ホウゲン:「次に会った時に、もう一度伝えてみるといいさ。」
愛美:「はい…ありがとうございます…」
ココ:「そういえば、リーダーはどうしてここに…?」
ホウゲン:「展示物を見に来ただけだったんじゃが…」
ココ:「本当は女性のお店に行きたかっただけじゃ…」
ホウゲン:「いやいや!本当に見に来ただけで!」
愛美:「え、本当はそういう…」
ホウゲン:「だから!違うって言っとるじゃろう!」
0:
0:
0:
清姫:「何が友達だ…アタシは何も信じない……何も期待しない…絶対に、絶対にだ……!」
ホウゲン:【N】それは数多(あまた)の生を恨み、それは幾多(いくた)の情を妬み
ホウゲン:それは愛を僻み(ひがみ)、それは自身に憎悪した
ホウゲン:この世の劣情をその身に宿し、鮮血を喰らい続け
ホウゲン:手にした者の悪意を増幅させる、その魔剣の名は
ホウゲン:『妬みの剣(ねたみのつるぎ)』そう呼ばれた
0:
0:
0:事務所にて
ココ:「買い物?」
愛美:「はい!」
ココ:「別に構わないけど…何か欲しいものがあるのかな?」
愛美:「特にこれといった物はないのですが、せっかく2人きりになったのでお出かけしようかなと…」
ココ:「なるほどね。臣くんは家の用事、サンズイは仕事で、又くんは私用で居ないからね。」
愛美:「なかなか無いですからね!こんな機会!」
ココ:「ふふ、そこまで言って貰ったのに腰を上げないのは申し訳ないからね。私でよければ一緒に行こうか。」
愛美:「ほんとですか!?やったぁ!」
ココ:「町に行く事はあってもそんなに見て回らないから、私とってもいい刺激になりそうだね。」
愛美:「そうなんですね!」
ホウゲン:「町には可愛いおなごも多いしのう。」
愛美:「っ!?」
ココ:「っ!?」
愛美:「え!?だ、だれっ!?」
0:長い白髪を1本で束ねた老人が2人の後ろに立っている
ココ:「り、リーダー…!」
愛美:「えっ!?リーダー!?あの噂のリーダー!?」
ホウゲン:「やっほい、ココ。そして愛美ちゃん。」
ココ:「リーダー…何も連絡無くこちらにいらしてくるなんて…一体どうされたんですか?」
ホウゲン:「いや?単に町に用があってな、そのついでに久しぶりにとここに寄ったんじゃが……猫又達はおらんのか?」
ココ:「ええ、他の皆はそれぞれ用があって席を外しています。」
ホウゲン:「そうかそうか残念だ。噂の『臣くん』にも会ってみたかったんじゃが、仕方がない。」
愛美:「あ、あの…」
ホウゲン:「ん?」
愛美:「は、初めまして。リーダーさん。桜木愛美です、お会い出來て嬉しいです。」
ホウゲン:「おおっ!丁寧にありがとうのう愛美ちゃん。まだ自己紹介をしていなかったのう。ワシはホウゲン。この事務所を立ち上げた者じゃよ。ココから少し話は聞いておるよ、何でも悪霊化から脱したそうじゃな。」
愛美:「そ、そうらしい…ですね。正直自分自身ではあまり覚えていないので何がなんだか…という感じです。」
ホウゲン:「そうかそうか、だがしかし今こうして元気で居るのは大変喜ばしい事…じゃ…」
0:愛美のお尻に手を伸ばしたホウゲン、吹っ飛ばされる
ホウゲン:「ぬおおっ!?」
愛美:「えぇぇ!?」
ココ:「リーダー…?愛美ちゃんはまだ高校生です、お戯れも少々度が過ぎるようで…」
ホウゲン:「ま、まだ何もしてないぞココ…」
ココ:「何か起きてからでは遅いのですよ。」
愛美:「だ、大丈夫ですか…?」
ホウゲン:「おお…愛美ちゃんは優しいのう…」
ココ:「愛美ちゃん、その人は放って私達は買い物に行こうか。時間の無駄になる。」
愛美:「えっ!?えっ、えっ…」
ホウゲン:「ああ、いいさいいさ。気にすることはない、楽しんでくるんじゃぞ。」
ココ:「さ、行こうか愛美ちゃん。」
愛美:「あ、はい…では行ってきます!」
0:
0:街にて
愛美:「ココさん!こっちこっち!」
ココ:「はは、そんなに急ぐと転んじゃうよ愛美ちゃん。」
愛美:「だーいじょうぶですよ!っとと…」
ココ:「あーほら、言わんこっちゃない。」
愛美:「えへへ…すみません…」
ココ:「はしゃぐのはいいけど、危ないからね?」
愛美:「だって、久しぶりの町でのお買い物ですし!それにココさんとだなんて嬉しいです!」
ココ:「嬉しいことを言ってくれるね。でも私とだなんて本当に良かったのかな?ほら、臣くんとか…」
愛美:「な、なんでそこで臣が出てくるんですか!?」
ココ:「え?なんでって…だって臣くんの事が好きなんだろう?」
愛美:「え!?」
ココ:「違ったかな?」
愛美:「ち、ちが……わないです…けど…」
ココ:「愛美ちゃんも分かりやすい子だよねぇ。」
愛美:「あー!もういいんです臣の事は!私はココさんとお出かけしたかったんです!」
ココ:「はは、そうかそうか。」
愛美:「もう!ほんとですから!」
ココ:「うん、ありがとう愛美ちゃん。」
愛美:「なーんか釈然としません。」
ココ:「そんな膨れてたら、せっかくの可愛い顔が台無しだよ。」
愛美:「ココさんの方が可愛いし綺麗です、羨ましいです。」
ココ:「そんなことはないさ。さ、行こうか愛美ちゃん。」
愛美:「あ、逃げましたねぇ!もうっ…それにしても、リーダーさんはあのまま置いてきて良かったんでしょうか…?」
ココ:「ああ、大丈夫だよあの人は。」
愛美:「そうなんですか…?」
ココ:「さあ、まずはどこに行くんだい愛美ちゃん?」
愛美:「あ、じゃあまずは…」
0:
0:
愛美:「ココさーん?まだですかぁー?」
ココ:「き、着れたけど……本当に見せなきゃダメ…?」
愛美:「ダメです、早く見せて下さい。」
ココ:「えぇ……わ、わかったよ…」
0:試着室から出たココ、フリルのついたワンピースを着ている
ココ:「ど…どうかな……?」
愛美:「わあああ!可愛いです!かっわいいですココさん!」
ココ:「…あの……愛美ちゃん…恥ずかしいのだけれど……」
愛美:「大丈夫ですよ!めっちゃくちゃ可愛いので!!」
0:写真を撮りまくる愛美
ココ:「め、愛美ちゃん…恥ずかしいんだが…」
愛美:「ぐふっ…」
ココ:「め、愛美ちゃん!?」
愛美:「恥ずかしがってるココさんが最高過ぎて……!」
ココ:「ああ…死ぬ…浄化してしまう……」
愛美:「大丈夫です、ココさんは死なせません。こんなに可愛くて尊い女の子は絶対に死なせません。」
ココ:「うう…これでも何十年と生きている妖怪なんだけどなぁ……」
愛美:「ずっと思ってたんですよ、絶対ココさんにこういう服似合うだろうなって。」
ココ:「そ、そうなの…?」
愛美:「想像以上でした…!これは捗ります…!」
ココ:「は、はかどる…?」
愛美:「さぁ、ココさん!まだまだ着てもらいたいのたっくさんあるんですからね!休んでらんないですよ!」
ココ:「えぇ!?ま、まだ着るの!?」
愛美:「次はこれです!早く着てください!」
ココ:「えぇぇ…!!」
愛美:「あとこれも!これも!これも!」
ココ:「か、勘弁してくれ…」
0:
0:
0:
餓者髑髏:「あぁ…もう人多いですねぇ……なんだって私がこんな所に…まったく、最近の私は山に行かされたり、町に行かされたりと散々ですねぇ……
餓者髑髏:あの方に命じられた物がこの町に来ているとの情報があったのであれば仕方ありません…にしても!人多くないですか!?なんなんですか!
餓者髑髏:なんかジロジロ見られていますし不愉快ですよ!いっそのこと全員ここで毒で蹴散らしてやりましょうか…!?
餓者髑髏:ああいやいや……落ち着きなさい餓者髑髏…任務遂行の為にあまり目立つ行動はしないようにと言われているでしょう。
餓者髑髏:…というかあの人はどこに行ったんでしょうか?勝手に居なくなるなとあれほど言っておいたのに……だから私1人で良いと言ったんですよ。
餓者髑髏:まあいいです、どうせ居たところで足を引っ張るだけ、あんなのは放っておいて私だけで遂行して見せましょう。
餓者髑髏:今回こそは目的を必ず達成しますよぉ…なにがなんでもねっ!ひっはははは!!」
0:
0:
愛美:「いやぁ…眼福でした…」
ココ:「うぅ……」
愛美:「ミニスカココさん……素敵なおみ足でした…」
ココ:「愛美ちゃん…やめてくれ……恥ずか死んでしまう…」
愛美:「だって本当にそうなんですもん。」
ココ:「はうぅ…」
愛美:「んもう、いつまでそんな悶えているんですか?」
ココ:「だ、だって……」
愛美:「絶対プライベートでも着てくださいね?」
ココ:「…善処するよ……」
愛美:「サンズイさんと猫又さんに着てるの見せたら驚かれますね!」
ココ:「ぜっったいに見せない!見せてたまるか!」
愛美:「えぇー可愛いのにぃ?」
ココ:「可愛くはない!ただ恥ずかしいだけだよ!」
愛美:「せっかく買ったのに着ないんですか?」
ココ:「うっ…それは……分からない…」
愛美:「ぶー、もったいないなぁ。」
ココ:「もう…あ、ごめんね愛美ちゃん、私トイレに行ってくるからここで少し待っててくれるかな?」
愛美:「あ、はい!待ってますね。」
ココ:「うん、すぐ戻ってくるから!」
愛美:「ふぅ…しっかし、ココさん可愛かったなぁ…フリフリのココさん…眼福…」
0:男2人組が愛美に話しかけてくる
愛美:「はい…?なんですか…?私ですか?友達と来てますけど……?いや、友達待ってるんで貴方たちと行きませんよ?」
0:強引に腕を引かれる
愛美:「え、ちょっ!?やめてください行かないですって!や、離して!離してくださいってば!」
0:突如、男の1人が蹴飛ばされ倒れる
愛美:「……え?」
清姫:「これだから男は…その汚い手を今すぐ離しな。じゃないと、アンタも痛い目見るよ?」
0:男が逃げる
愛美:「あ…えっと…ありがとうございます……」
清姫:「ケガはない?」
愛美:「は、はい…おかげさまで。」
清姫:「そ、なら良かった。もう捕まらないように気を付ける事だね。じゃ。」
愛美:「あ、ま、待って!貴女、名前は?」
清姫:「名前なんて聞いてどうするんだ?」
愛美:「お、お礼をしたくて…私は愛美と言います。貴女の名前は?」
清姫:「…礼なんか要らないよ。女を汚らしい男から守るのは当然の事だ。」
愛美:「汚らしい?」
清姫:「男は汚くて卑劣な生き物だ。実際アンタもああして被害を受けただろう?」
愛美:「…でも…」
清姫:「ま、これはアタシの考えだよ。アンタとアタシは違う。さ、もういいだろう?アタシは行くよ、じゃあね。」
愛美:「待ってください!それじゃあ私の気が収まりません。何かさせてください。」
清姫:「だから、そんなのはいいって。」
愛美:「そうだ!おいしいケーキが食べられるお店を知っているんです!それを奢ります!」
清姫:「っ!」
愛美:「お、反応しましたね?」
清姫:「…なんでそんなに私に付きまとうんだ。ただ1回助けただけだろう。」
愛美:「私にとってその1回は大きな1回なんです。すごく嬉しかったんですよ。」
清姫:「だとしてもここまでしようとするかい?」
愛美:「なんか、放っておけないっていうか…気になるんです貴女の事が。」
清姫:「……なんだそれ…はぁ、分かったよ…見た目にそぐわず結構強引だねアンタ。」
愛美:「そうですか?」
清姫:「……清姫。」
愛美:「え?」
清姫:「清姫、アタシの名前だよ。」
愛美:「きよひめ……いいお名前ですね!」
清姫:「こんなアタシに清い姫なんて、大層すぎるけどね。」
愛美:「そんな事ないです!すっごく素敵です!」
清姫:「…そうかい。」
0:ココが戻ってくる
ココ:「愛美ちゃんお待たせ…ってその方は?」
愛美:「ココさん!お帰りなさい!さっき男の人に絡まれちゃって…」
ココ:「え、大丈夫!?」
愛美:「あ、はい。この人に助けてもらったんで大丈夫でした!」
ココ:「そうか…良かった…あの、愛美ちゃんを助けて頂いてありがとうございました。」
清姫:「…いや、当然の事をしたまでだ。」
ココ:「……貴女はっ……そうですか。それでも助かりました。」
清姫:「別に感謝される事ではないさ。」
愛美:「それで、今からお礼にケーキをごちそうしようって話になったんです。なのでココさんも一緒に行きましょう!」
ココ:「ケーキか…うん、いいね。行こうか。」
清姫:「2人で出かけていたんだろう?本当にアタシが居ていいのかい?」
愛美:「良いんですよ!ね?ココさん?」
ココ:「ああ、問題ないさ。」
清姫:「…ほんと、変わった人達だねアンタらは。」
愛美:「さ、行きましょう清姫さん。」
ココ:「清姫…?」
愛美:「ココさん?どうかしました?」
ココ:「清姫とは…貴女のお名前なんですか?」
清姫:「ああ、そうだよ。それがどうしたんだい?」
ココ:「いえ、そうですか…いいお名前ですね。」
清姫:「そうかい、ありがとね。」
ココ:「改めて私はココ、よろしくお願いします。」
清姫:「…ああ、よろしくね。」
0:
0:
0:事務所にて
ホウゲン:「んー…暇じゃのう……猫又達はまだ帰ってこないのか…誰も帰ってこないならワシも町に行こうかのう………ん?」
0:机の上にあったチラシを見るホウゲン
ホウゲン:「ほう…特別展示…とな……なるほどこれが……面白いのう…どれ、どんなもんか一度ワシも見に行ってみるか。」
0:カフェから出てくる愛美、ココ、清姫
愛美:「んー!美味しかったですねぇ!ね?ココさん、清姫さん!」
ココ:「うん、甘すぎない生クリームが良かった。」
清姫:「まぁ、悪くはなかったね。」
愛美:「ふふ、清姫さん3つもケーキ食べてましたね。気に入ってくれました?」
清姫:「う…まぁ、それなりに…ね。」
愛美:「それは良かったです!」
ココ:「ふふ、良かったね愛美ちゃん。さて、次はどうする?」
愛美:「んー……ん?」
ココ:「どうしたの?愛美ちゃん?」
愛美:「いや、今日近くの博物館で特別展示物が来てるみたいで…」
ココ:「行ってみるかい?」
愛美:「そうですね…せっかくなので行ってみましょうか!清姫さんももし良かったらどうですか?」
清姫:「特別展示…いいよ、アタシも行くよ。」
0:博物館前
愛美:「わあ…人多いですね……だから今日町に人が集まってたんだ…」
ココ:「確かに人凄いね……それだけ今日の展示物が珍しいって事なんだろうね…」
愛美:「なんでしたっけ…」
清姫:「『妬みの剣』あらゆる劣情を抱えた魔剣。と言われている曰く付きの代物だよ。」
愛美:「ほえぇ…清姫さん詳しいね。」
清姫:「たまたま知っていただけさ。」
ココ:「しかし、全く列が進まないね…」
愛美:「ですね……清姫さん大丈夫ですか?」
清姫:「なにが?」
愛美:「いえ、誘っておいてなんですけど、この後用事とか…」
清姫:「……まあ、用事はあるにはあるけど。」
愛美:「え!?す、すみません!じゃあもう帰らないとですね!」
清姫:「いや、大丈夫だ。いざとなれば他の奴に任せておけばいいさ。」
ココ:「その人に怒られないかな…?」
清姫:「ああ、問題ないさ。なんならアタシよりもヤル気があるし、なにより強い。」
ココ:「…強い?」
0:列の後ろの方で叫び声聞こえる
愛美:「っ!?なに!?」
ココ:「この声は…いや、まさか…そんなはずは…」
清姫:「……。」
餓者髑髏:「ああああ!もう!人、人、人!!どこを見ても人だらけ!もう我慢なりません!!」
ココ:「お前は…!餓者髑髏!?」
餓者髑髏:「ああ…?っ!!あなたは…?なっ…管狐…!なぜここに!」
ココ:「それはこっちのセリフだ!なぜここにいる!何をしに来た!」
餓者髑髏:「うるさいですね…まーた質問攻めですか!いい加減あなたの質問には飽き飽きですよ…!こっちはただでさえ苛立ちが抑えられないんです、あなたの事を見ていると限界に達してしまいますよ。」
愛美:「餓者髑髏って、ココさんがこの間戦ったっていう…」
ココ:「ああ…まさにそうだよ。あの骸骨の仮面にローブ…間違いないね…」
愛美:「なんでここに…清姫さん!ここは危険だから安全な所に…きゃっ!?」
0:清姫に蹴り飛ばされる愛美、周りの客から悲鳴が上がる
ココ:「愛美ちゃん!?清姫さん、一体何を!?」
清姫:「一体何を…か。アンタは気づいていたんだろう?私の事を。」
ココ:「……ああ…名前を聞いた時に確信はしていた…だが危険な雰囲気は感じられなかったから何も言わなかったが…それは間違いだったようだね…」
愛美:「う…どういう事…?」
清姫:「アタシの名前は清姫。あの方の命により、今からアンタ達を倒す。心の準備はさせてやんないよ。」
0:肌に鱗が出現し、尻尾と肩から蛇が生えてくる
0:客が悲鳴を上げて逃げ惑う
愛美:「…清姫さん…なんで…」
ココ:「愛美ちゃん…」
餓者髑髏:「勝手に居なくなったと思ったら清姫さん、そこにいたんですか。」
清姫:「悪いね餓者髑髏。野暮用があってさ。」
餓者髑髏:「相変わらずマイペースですね…まあいいです。仕事さえしてくれればね。」
愛美:「どういう事ですか清姫さん!敵、なんですか…?私達、友達になれたと思ったのに…」
清姫:「……最初から一言も友達だとも仲間だとも言ってないよ。」
愛美:「っ…!」
ココ:「愛美ちゃん、彼女は最初から餓者髑髏の仲間なんだ、戦うしかない。」
愛美:「そんな…」
餓者髑髏:「にしても…ぎゃーぎゃーとうるさい人間共ですねぇ……」
清姫:「一般人は殺すなよ。」
餓者髑髏:「分かってますよ、殺したいのは山々なんですが…仕方がないですねぇ…そぉらっ!!」
0:餓者髑髏の足元から白い濃いガスが噴射される
ココ:「っ!危ない愛美ちゃん!守風(かみかぜ)!」
0:風のバリアが愛美とココをガスから守る
愛美:「そんな…お客さんが…眠っていく…」
餓者髑髏:「ちっ…まぁこれでギャラリーは静かになりましたね。」
清姫:「そーだな。」
ココ:「…キミ達は何が目的なんだ?私達を消す事…か?」
清姫:「まあ、アタシはそのつもり。だけどもう1つ目的がある。」
餓者髑髏:「ここの特別展示物『妬みの剣』。それが私達の目的です。」
ココ:「そんなもの…どうするつもりだ。」
餓者髑髏:「気になりますか?では特別に……なー-んて!教えてやるわけないじゃないですかぁああ!!さあ、管狐ぇえ!あの時の雪辱をここで晴らしてやりますよぉ!!」
ココ:「ああ……いい機会だ…私も大切な人を傷つけられた恨みを晴らしたいと思っていた所だ…!」
愛美:「こ、ココさん…」
ココ:「愛美ちゃん…隠れるか逃げるかして…ここは危なくなる…」
清姫:「そうやすやすと逃がすわけないだろう?」
愛美:「……私だって戦いますよ。覚悟を決めたんです。」
ココ:「愛美ちゃん…」
餓者髑髏:「よそ見してんじゃないですよぉお!黄害(おうがい)!!」
0:黄色いガスがココを襲う
ココ:「くっ!流旋(りゅうせん)の構え!」
餓者髑髏:「またそれか…!それならこの量はどうですかぁあ!?」
ココ:「なっ…!」
餓者髑髏:「ひっはははは!!食らえ管狐ぇぇえええ!!」
ココ:「簡単に食らうわけがないだろう!」
餓者髑髏:「逃がしはしませんよっ!」
愛美:「ココさんっ…」
清姫:「よそ見なんてしている余裕があるのかい?」
愛美:「っ清姫さん…」
清姫:「今なら楽に死ねるが、抵抗するのか?」
愛美:「本当は戦いたくない、でも清姫さんが悪い事をしてるんなら…止めないと……それが、友達だから!」
清姫:「っ…甘いんだよ…アンタはぁ!」
0:愛美に殴りかかる清姫
愛美:「うっ!?お願い、抑えて!」
清姫:「無駄だよっ!はぁあ!」
0:拳に霊力を強く込め触手を打ち破る
愛美:「え…きゃあああ!!」
清姫:「甘い、甘いんだよ…何が友達だよ。今日会ったばかりなのに何言ってんだい?」
愛美:「う…私は清姫さんと…友達になりたい…」
清姫:「アンタまだ……!!」
愛美:「だって、私には清姫さんが悪い妖怪だと思えないんだもん!」
清姫:「な………」
愛美:「火車とも餓者髑髏とも違う何か…優しい何かを感じるんです!」
清姫:「……ふ、ふふ…ははははは!!」
愛美:「っ!?」
清姫:「あっはははは!優しい?アタシが?ふざけんじゃないよ!!」
愛美:「優しいよ、短い時間だったけど話して分かったんです!」
清姫:「いい加減に…しろおおお!」
0:清姫から放たれた大量の影が蛇の形を模して愛美に襲い掛かる
愛美:「え…きゃああああああ!!?」
0:
ホウゲン:「ポトりと落ちるは首か椿か…
ホウゲン:おどろおどろしく、おどりおどれ…
ホウゲン:踊り狂え『驚椿(おどろつばき)』」
0:広範囲の抜刀が影の蛇を一掃する
愛美:「……え…?」
清姫:「な、なんだ…?一瞬にして蛇が…」
ホウゲン:「大丈夫かのう?愛美ちゃん?」
愛美:「り、リーダー…さん?どうしてここに…?」
ホウゲン:「いやぁはっはっは、珍しい展示物があると聞いて見に来たんじゃが…皆眠りこけてしまっていてのう…どうしたもんかと来てみれば…これは一体どういう事かのう?」
清姫:「おっさん…アンタ…妖怪かい?」
ホウゲン:「いかにも。お前さんは…蛇の妖怪かの?」
清姫:「だとしたらなんだ?」
ホウゲン:「いや、特にこれと言ってないが…最近の若い子は怒りっぽくて怖いのう。困っちゃうわいっ。」
0:抜刀して清姫を切りつける
清姫:「ぐっ!!」
ホウゲン:「ほお!間一髪避けたか!やるのう嬢ちゃん。」
清姫:「手を抜いていてなにを…」
ホウゲン:「はて?なんのことかの?」
清姫:「ヘラヘラして…!これでも食らえ!」
0:再び大量の影の蛇がホウゲンを襲う
愛美:「リーダーさん!」
ホウゲン:「これはこれは楽しい歓迎じゃのう!いいぞ、存分に楽しんでやろう!愛美ちゃんよ、その蛇のおなごは任せても良いかの?」
愛美:「え、あ、はい!!リーダーさんは大丈夫ですか…」
ホウゲン:「ワシは平気じゃよ、ちょいちょいっと片付けちゃうわい。」
清姫:「舐められたものだな…」
愛美:「清姫さん…!」
清姫:「…アンタが相手になるってのか…手加減はしないからな。」
愛美:「私だって…!」
清姫:「覚悟しなぁあ!はぁあああ!!」
愛美:「っ!お願い、捕らえて!」
清姫:「そんな触手!噛みつけ!蛇餓羅(じゃがら)!!」
0:肩の2匹の蛇が伸び触手と絡む
愛美:「くっ!」
清姫:「さあ!残り1本の触手で何ができる!」
愛美:「…捕らえて!!」
清姫:「甘いってんだよ!」
0:霊力を込めた拳で触手を破壊し腹を殴る
愛美:「ぐ…あ…!」
清姫:「…もういいだろ……アンタ!」
愛美:「…う…」
清姫:「まだ…立ち上がるのかい…」
愛美:「私は…私は……」
清姫:「なんで…そんなになってまで立ち上がるんだよ…」
愛美:「清姫さんと…友達になりたいから……清姫さん、寂しそうだから…」
清姫:「なにを…言ってんだよ…訳わかんない事言うなあああ!」
愛美:「っ!お願い、抑えて…!」
清姫:「諦めろ!」
愛美:「きゃあああ!」
清姫:「はあ…はあ……もう…そのまま寝てろよ…アンタ…」
0:
0:
餓者髑髏:「そらそらそらぁ!どうしたんですかぁあ!?守ってばかりじゃ意味ないですよぉぉお!?」
ココ:「くそ、キリがない…」
餓者髑髏:「しつこいですね…そんな守りがいつまで持ちますかね。」
ココ:「このままではマズい…一か八かやるか……」
餓者髑髏:「ちぃ…さっさとやられやがって下さい!!」
ココ:「それは、こっちのセリフだ!射空(しゃくう)の構え!」
0:弾いたガスが風を纏い斬撃として跳ね返される
餓者髑髏:「なっ!?ぐはぁあああ!!」
ココ:「ふう…触れた霊力を斬撃として跳ね返す…それが射空の構え…キミの霊力が多くて助かったよ。」
餓者髑髏:「まさか私の鎧のガスをも貫通させるとは…」
ココ:「これは相手の霊力量に比例して威力が変わるから、少し扱いづらいんだ。」
餓者髑髏:「なるほどそうなんですねわかりました…よくもやってくれやがりましたね…ふざけるんじゃないですよ!!黒害(こくがい)!」
0:黒いガスが足元から噴射される
ココ:「それは…!!」
餓者髑髏:「ひっはははは!さあ!!このガスをどうにかしない限り眠った人達が死んじゃいますよぉぉ!」
ココ:「この外道が…!!しかし、それの攻略はできている流旋(りゅうせん)の構え!!」
餓者髑髏:「んっひひ…使ってくるの待ってましたよぉお!!」
0:背後から硬質ガスがココを襲う
ココ:「なっ!?がはぁっ!?」
餓者髑髏:「あっははははははは!!鎧として纏ってるこのガスも攻撃に転用できるんですよ。」
ココ:「くそ…」
餓者髑髏:「おらおらおら!!まだ立ち上がってんじゃねえですよぉお!硬質ガスに殴られるのはさぞ痛いでしょうねええ!」
ココ:「ぐっ、ぐはっ!がああ!」
餓者髑髏:「今まで破られたことのないっ!私のガスを破られたあの時っ!どれだけ私がっ!屈辱を受けたかっ!分かりますかぁああ!?」
ココ:「ぐあああ!!がはっ!!」
餓者髑髏:「ほぉら、なんとか言いやがれですよ…管狐ぇええ!」
0:ココを蹴り飛ばす
ココ:「ぐはぁ!?はあ……はぁ……し…」
餓者髑髏:「ああ?」
ココ:「しら…な…い……ね…はぁ、はぁ……」
餓者髑髏:「こんのぉ…」
0:ココの頭を踏みつける
ココ:「うっ…」
餓者髑髏:「バカな人ですね。」
ココ:「うあああっ…」
餓者髑髏:「もういいです、このまま死になさい管狐。」
0:
ホウゲン:「愛美ちゃんや。」
愛美:「…り、リーダーさん…」
ホウゲン:「お前さんは優しい、だがのう…優しさとは傷つけない事が優しさなのかい?」
愛美:「…え?」
ホウゲン:「蛇の嬢ちゃんを大切に思いすぎて、傷つけないようにしているように思える。それで本当にお前さんの気持ちは届くのかい?お前さん自身も傷つかないようにしているのではないか?ビビッてばかりでは届くもんも届かんぞ?」
愛美:「……。」
清姫:「っ!おっさん…アンタいつの間に蛇達を…」
ホウゲン:「はっは!あの程度、朝飯前じゃよ。愛美ちゃんや、まだ決心がつかないというなら、ワシがこの嬢ちゃんを切っても良いのだが?」
0:刀の切っ先を清姫に向けるホウゲン
愛美:「…リーダーさん…」
清姫:「アタシは相手になってやるよおっさん。アンタもいい感じにむかつく相手だ。」
愛美:「待って!私、やります……ちゃんと、清姫さんに私の気持ちを伝えたい…!」
ホウゲン:「はっは、良い顔になったのう。その顔、最高にイケてるぞ。」
清姫:「正気か…?」
愛美:「正気ですよ清姫さん。リーダーさん、ありがとうこざいました。もう、大丈夫です。」
ホウゲン:「あい、分かった愛美ちゃん。もうジジイの出番はなさそうじゃな。ワシはおいとましようかの。」
清姫:「おい、まて!」
ホウゲン:「もうお前さんの相手はワシではないぞ嬢ちゃん。」
愛美:「清姫さんの相手は私です!」
清姫:「…今度は確実に殺す。」
愛美:「……覚悟の上です…!形態変化!お願い……貫いて!」
0:触手が鋭い槍状になる
清姫:「いけ!蛇影(じゃえい)!」
愛美:「く…!もっと!もっと!!強く!!」
清姫:「な…私が力負けするなんて……!これならどうだ!蛇裂牙(じゃれつが)!」
愛美:「形態変化!お願い、引き裂いて!」
0:刃物状に変化し衝突する
清姫:「この…急になんなんだ…」
愛美:「負けたないです…清姫さん!」
清姫:「っはぁ…はぁ…いい加減楽にしてやる…はああああ!」
0:霊力を高める清姫
愛美:「くっ…終わらせます…!!うぅぅ…!!」
清姫:「へえ…アタシに対抗しようってのかい?潰してやるよ!蛇昂拳・亜門(じゃこんけん・あもん)!うおぉぉお!」
愛美:「形態変化!お願い、撃ち抜いて!!」
0:愛美のレーザーと清姫の霊力のこもった拳がぶつかり合う
清姫:「ぐっおおおおお!!」
愛美:「ううううぅぅぅぅ!!」
清姫:「アタシは…アタシはアンタには…負けるわけには、いかない!!」
愛美:「わ、私だって…!!清姫さんに私の気持ちを伝える為…!引けない!」
清姫:「ぐ……なんで…!!なんで押され…」
愛美:「いっけぇええええええ!!」
清姫:「が、がぁああああああ!!」
0:吹き飛ぶ清姫
愛美:「はあ…はぁ…はぁ…清姫さん……」
清姫:「ぐ……く、そ……」
愛美:「清姫さん…私…私は…清姫さんと…」
清姫:「アタシは…アンタが嫌いだよ……」
愛美:「え…?」
清姫:「大嫌いだよ…友達になんて……なれないね…」
愛美:「……今はそれでいいです、でもいつか、友達になってみせますから…」
清姫:「ど、どこいくんだ…!アタシを浄化しないのか…?」
愛美:「貴女を浄化したくないもん。今はそれよりもココさんが心配だから……またね、清姫さん。」
清姫:「あ………っ!なんなんだよ…アイツ…」
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餓者髑髏:「最後に言い残す事はありますかぁ?例えば、餓者髑髏様ごめんなさいとか?」
ココ:「…だれが…言うか……」
餓者髑髏:「っ!ああそうですか…じゃあ、死になさい!!」
0:鋭い斬撃が餓者髑髏を襲う
餓者髑髏:「ぐはああっ!?」
ココ:「っ!?」
餓者髑髏:「だ、誰ですか!?」
ホウゲン:「それはワシのセリフじゃよ、大事な事務員に何て事してくれとるんじゃ。」
ココ:「リーダー……」
ホウゲン:「ココ、お前ともあろうもんがずいぶん派手にやられたのう。」
ココ:「…すみません……」
ホウゲン:「まあ命あるだけ儲けものじゃな。」
餓者髑髏:「私抜きで話してんじゃねえですよ…!!」
ホウゲン:「そうカッカしなさんな餓者髑髏よっ!」
0:素早い抜刀が餓者髑髏をかすめる
餓者髑髏:「っ!?」
ホウゲン:「おや、躱されてしまったわい…」
餓者髑髏:「貴方は……」
ホウゲン:「なんじゃ…?」
餓者髑髏:「ふ…ふふ…ひっはっははは!!面白いですね、ええ面白いですね!」
ココ:「なんだ…?」
餓者髑髏:「いえ、このままではさすがに勝ち目がないのでね…そこの方はかなり腕が立つご様子…ここいらで引いてあげますよ。」
ココ:「な、にがすわけ…」
餓者髑髏:「こっちはもう目的も果たしたので…」
0:清姫が餓者髑髏の後ろから現れる
清姫:「『妬みの剣』はもうこっちのものだ…」
餓者髑髏:「だいぶやられたようですね、清姫さん。」
清姫:「大したことはない…」
ココ:「なっ!?キミがなぜここに!愛美ちゃんは…まさか…」
愛美:「はぁはあ…ココさん!リーダーさん!」
ココ:「愛美ちゃん!」
ホウゲン:「おお、愛美ちゃん無事で何よりだ。」
愛美:「皆さんも無事でよかった…」
餓者髑髏:「感動の再会、ようございましたね、たっぷりとご堪能下さいませ。それでは次またお会いできる日をお待ちしておりますよ…お三方ごきげんよう!!ひゃっはははははははぁあ!」
ココ:「待て!餓者髑髏!」
ホウゲン:「ココ、抑えるのだ。」
ココ:「しかし…!!」
清姫:「…必ず、ケリをつけてやる…!待っていろ…!」
愛美:「清姫さん…」
清姫:「私は、お前とは、相容れない……!」
愛美:「清姫さぁん!!」
0:消えていく2人、膝をつく愛美
愛美:「はあっ…!」
ココ:「愛美ちゃん!大丈夫!?」
愛美:「は…はい…すみません…」
ホウゲン:「腰が抜けてしまったんじゃな。頑張ったのう愛美ちゃん、」
愛美:「私の気持ち…ちゃんと伝わったのかな…」
ホウゲン:「大丈夫じゃよ、愛美ちゃんの気持ちはあの嬢ちゃんに届いとるはずじゃ。安心せい。」
愛美:「…はい……そうですよね、届いてますよね。」
ホウゲン:「次に会った時に、もう一度伝えてみるといいさ。」
愛美:「はい…ありがとうございます…」
ココ:「そういえば、リーダーはどうしてここに…?」
ホウゲン:「展示物を見に来ただけだったんじゃが…」
ココ:「本当は女性のお店に行きたかっただけじゃ…」
ホウゲン:「いやいや!本当に見に来ただけで!」
愛美:「え、本当はそういう…」
ホウゲン:「だから!違うって言っとるじゃろう!」
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清姫:「何が友達だ…アタシは何も信じない……何も期待しない…絶対に、絶対にだ……!」