台本概要

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タイトル 猛禽族if:Another Cage
作者名 瓶の人  (@binbintumeru)
ジャンル その他
演者人数 7人用台本(男4、女1、不問2)
時間 90 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 力を持った者には、猛禽類の名とその者を表す色が与えられる
そしてその者らに敬意と畏怖を込めて、街の人たちはこう呼ぶ
……『猛禽族』と


※注意事項
●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡ください。
●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や、語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。
●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。
●全力で楽しんで下さると幸いです。
●キャラクターの年齢はあくまでイメージなので、声や演技は気にせず思った通りに演じて下さい

作中用語

●猛禽族
街の中で力を持つトップの者に与えられる称号
ここで言う力とは、単純な腕力、知識力、カリスマ性などといったもの

●チーム
街における組織
猛禽族達のチーム以外も存在する

●メンバー
チームに所属する者

●テリトリー
チームが支配する領地
無許可で侵入した者は厳しい罰則がある

●カラス
チームに属さない者
または無許可でテリトリーに侵入した者を指す

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
青鳶 147 青鳶(あおとんび)25歳~ 冷静の猛禽族。幼少期に桃鶚に引き取られ、ある目的の為に再び街へと戻ってきた。
赤鷲 115 赤鷲(あかわし)50歳~ 暴力の猛禽族。数年前に街を離れ姿をくらましていた。ある目的の為に街へと戻ってきた。
黄鷹 116 黄鷹(きだか)20歳~ カリスマの猛禽族。戦闘狂で女好き。銃と格闘を織り交ぜた戦闘スタイルで翻弄する。
白梟 132 白梟(しろふくろう)25歳~ 情報力の猛禽族。電子機器を用いてありとあらゆる情報を収集する。戦闘においては爆弾やトラップを用いる。
瑠璃隼 87 瑠璃隼(るりはやぶさ)50歳~ 秩序の猛禽族。強すぎる正義感を持ち、秩序を乱すものは誰であろうと滅する。警棒と拳銃を2つずつ腰に携えて、2刀流で戦う。
桃鶚 不問 85 桃鶚(ももみさご)45歳~ 欲望の猛禽族。幼い青鳶を養子にし、長い間街を離れていた。ある目的を果たそうとする青鳶を見守る為に共に街に戻ってきた。
黒百舌 不問 143 黒百舌(くろもず)20歳?~ 操作の猛禽族。物腰が柔らかく笑顔を絶やさないが、言葉巧みに人を操る。小柄な体躯でありながら、近接格闘も扱える。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
青鳶:【N】この街は力が全てだ 青鳶:暴力、冷静さ、統制力……あらゆる力によってこの街は支配され、統治されている 青鳶:そして、それらの力を以て他の者を圧倒し頂点に君臨する者に、力と畏怖の象徴である猛禽類の名と、その者を現す色を与えられこう呼ばれている 青鳶:……『猛禽族』…と 0: 0: 0: 0: 0: 黄鷹:「カラスくーん、いつまで追いかけっこ続けるんだぁ?もう俺飽きちまったからよぉ、いい加減終わりにしよーぜぇ?ここはこの俺、黄鷹様のテリトリーなんだぜ?どんなに逃げた所でどうせこの俺様からは逃げらんねえんだからよ諦めて殺されてくれよ。」 0:逃げるカラス、行き止まりに当たる 黄鷹:「あらら…残念。行き止まりだったねえ。お前の命はここで散るって運命だったみたいだな。そもそも、この街には他のテリトリーに許可なく侵入した場合に制裁が加えられるってルールがあんだろ?それを無視して逃げるってのがいけねえよなあ?つまりこれは必要な事なんだ、悪く思うなよ。」 0:カラスの眉間に弾丸を1発撃ち込む 黄鷹:「もう2度と俺のテリトリーを荒らすなよ、クソカラス。って言ってももう動かねえか。おい!お前ら!このクソカラスの処理をやっておけ!」 黒百舌:「さすが黄鷹さん、慈悲もなにも無いですねぇ…」 黄鷹:「っ!てめえ…どっから湧きやがった!」 黒百舌:「あらあら、そんな身構えないでください。そう構えられると話せるものも話せなくなります。」 黄鷹:「許可なくテリトリーに侵入した者には制裁が加えられる、まさか猛禽族であるてめえが知らねえとかねえよな?百舌。」 黒百舌:「もちろん、存じていますよ。」 黄鷹:「なら覚悟は出来てんだろうな…」 黒百舌:「ここで私を殺しても構いませんが…そうなるとアナタの悲願は遠のきますが……それでもよろしいんですか?」 黄鷹:「…どういう事だ?」 黒百舌:「私はアナタの悲願を達成する為に必要な情報を持っています。私が死ねばその情報を得られません。」 黄鷹:「その情報を聞き出してからお前を殺す、そうする事だってできる。」 黒百舌:「いいえ、出来ません。」 黄鷹:「…んだと?」 黒百舌:「この情報を知ればアナタは私と必ず手を組みます。殺すなんて真似は出来ませんよ。」 黄鷹:「……ほお?」 黒百舌:「さあ、どうしますか?まずはお話だけでも聞きませんか?」 黄鷹:「…くだらない話だったらその頭をぶち抜くからな。覚悟をしておけよ百舌。」 黒百舌:「あらあら…それはそれは……怖いですねぇ。」 0: 0: 0: 0:青鳶の事務所 桃鶚:「青ちゃん、青ちゃん!!いい加減起きなさい。何時だと思ってるの?」 青鳶:「ん…んん……鶚さん…?」 桃鶚:「今日は出かける予定があるんじゃなかったの?」 青鳶:「……ああ…そうだった……」 桃鶚:「青ちゃんてばホント朝苦手よね。それ以外は完璧なのに。」 青鳶:「夜中まで調べものをしてたからな…余計に起きれなかった。」 桃鶚:「調べものしてようがしてまいがいつも遅いじゃない。」 青鳶:「…そう…だな…」 桃鶚:「ほら、顔洗ってシャキっとしてきなさい。」 青鳶:「ああ。」 桃鶚:「青ちゃんを保護して20年近く経つけど…ホント、いつまで経っても子供のままね。しっかりしてそうで抜けてる…そこが可愛い所なんだけど。」 青鳶:「それじゃあ行ってくる。」 桃鶚:「あ、うん。気を付けてね。」 青鳶:「ああ。」 桃鶚:「行ってらっしゃい。」 0: 0: 0: 青鳶:【N】俺が暮らすこの街は、古今東西のワケアリが集うならず者の街だ 青鳶:この街は全て力で決まる、腕力による支配、運による成り上がり、知力による策略……ありとあらゆる力を行使する事でこの街では上へ行ける 青鳶:そうして頂点に上り詰めた者には、街の人達から王の称号である猛禽類の名とその者を指し示す色を与えられる 青鳶:俺と鶚さんは数年前にこの街へとやって来た、ある目的を果たす為に… 0: 青鳶:「この手で…全てを終わらせるんだ……」 白梟:「何を終わらせるって?」 0:後ろから目を覆われる青鳶 青鳶:「前が見えない、白梟。」 白梟:「…そこはもう少しリアクションをしてくれないかな?反応が無い男はモテないよ?青坊。」 青鳶:「そうか。それで、話とはなんだ?」 白梟:「相も変わらず淡泊だね…ここで立ち話もなんだ、近くにカフェがあるそこで話そうか。」 0: 0: 0: 0: 0:黄鷹の事務所 黄鷹:「それで、お前が持ってる情報はなんだ?」 黒百舌:「ええ、単刀直入に申し上げますと……近々アナタは王になれます。」 黄鷹:「…あ?」 黒百舌:「おや、嬉しくないのですか?」 黄鷹:「てめえ、舐めてんのか?情報を寄こせって言ってんだ、はぐらかすってんならその頭に鉛玉ぶち込むぞ?」 黒百舌:「あらあら、それはそれは怖いですね。風穴が空くのは本望ではないので、もう少し詳細をお伝えしますね。 黒百舌:1週間後、かつてこの街のほとんどを支配していたあの方……我々鳥達の頂点に君臨していた王が帰って来るそうです。」 黄鷹:「あの方…?王…?それってまさか……」 黒百舌:「ええ、赤鷲さんです。」 黄鷹:「数年前に突然いなくなったジジイがどうしてまたこの街に…」 黒百舌:「詳しい理由までは分かりませんが、この情報は確実です。そしてもう1つ。」 黄鷹:「…なんだ。」 黒百舌:「現猛禽族である青鳶さんは、その赤鷲さんの実のご子息です。」 黄鷹:「……なんだと…?鳶の野郎が?」 黒百舌:「ええ、これも嘘偽りのない真実です。」 黄鷹:「だが、その情報と俺が王になる事は関係ねえだろ。」 黒百舌:「いいえ、赤鷲さんがこの街に戻ってくるとなれば現猛禽族達は当然黙ってはいません。もちろん私もアナタも例に漏れずね。青鳶さんは実の父親である赤鷲さんを頼りに行くでしょう。 黒百舌:そしてこの街は今まで以上に荒れに荒れるでしょう、戻ってきた王は再びその暴力で支配を始め、他の猛禽族達は各々の力で対抗する。 黒百舌:そこで、その抗争を利用するんです。全体が乱れている中、黄鷹さんが全員の命を掠め取っていくんです。そう…さながら鷹のようにね。」 黄鷹:「どさくさに紛れてって奴か、そう上手く行くとは思えないけどな。他の連中も腐っても猛禽族だ。」 黒百舌:「大丈夫です。この私が居ます。」 黄鷹:「お前に何ができる最弱の猛禽族。」 黒百舌:「ふふ…最弱は最弱なりの戦い方があります。私も腐っても猛禽族ですからね…」 黄鷹:「…で、俺を王にするメリットはなんだ?今の所お前になにも無いじゃないか。」 黒百舌:「メリットはあります、私にとっての弊害…赤鷲さんという邪魔者が居なくなります。」 黄鷹:「それだけか?」 黒百舌:「それだけでいいんです。それさえ居無くなれば…それだけが居無くなれば私の悲願は達成されます。」 黄鷹:「…そうか。分かった。」 黒百舌:「さあ黄鷹さん、これで私の話せる情報は無くなりました。どうします?私を殺しますか?」 黄鷹:「……いいや、使える所まで使って、その後に始末する。」 黒百舌:「それはそれは…後が怖いですが、手を取っていただけるという事ですね。」 黄鷹:「使えないと判断した時点で切り捨てるからな。」 黒百舌:「それはもう、承知致しておりますとも。」 0: 0: 0: 0: 0:青鳶のテリトリーのカフェ 白梟:「それにしても青坊のテリトリーはホント平和そのものだよね、皆幸せそう。」 青鳶:「そうか?白梟の所も落ち着いた雰囲気じゃないか。」 白梟:「まだ、ね。私自身そんなに争いは好きじゃないし、本当に必要な時にしか武力行使はしないって決めてるから。」 青鳶:「ちゃんとメリハリもあって、それが街の雰囲気に出ていると思う。」 白梟:「自分が褒められると疑問を持つのに、人にはそういう風に言うんだね青坊。」 青鳶:「…良く分からないが…すまない。」 白梟:「謝る事じゃないよ。さ、長話もなんだ。今日呼び出した件の話題に入ろうじゃないか。」 青鳶:「ああ。」 白梟:「まずはこの映像を見て。」 0:バッグから取り出したタブレットの画面を見せる 白梟:「この人影、見覚え無いかな?」 青鳶:「こいつは……まさか…」 白梟:「そう、そのまさかだよ。こいつは青坊に頼まれて探していた、あの最強の暴力『赤鷲』だ。」 青鳶:「赤鷲……」 白梟:「近々赤鷲はこの街に戻ってくるみたい。理由までは分からないけどね。戻ってきたら荒れに荒れるだろうね、ギリギリの所で均衡してた勢力が途端に崩壊するわけだからね。」 青鳶:「きっと…赤鷲の狙いは黒百舌だ。」 白梟:「黒百舌?どうして?奴が猛禽族になった時にはもう、赤鷲は消息を絶っていたはずだろう?2人に面識はないはずだけど…」 青鳶:「それ以前に2人は会っていたんだ。その時に因縁がある。」 白梟:「因縁?」 青鳶:「赤鷲の妻は既に亡くなっている。手にかけたのは…黒百舌だ。」 白梟:「なっ!!?」 0:勢いよく椅子から立ち上がる白梟 青鳶:「何があったのか詳しい所まで知っているわけじゃない。これは全て鶚さん……俺の育ての親から聞いた話だ。」 白梟:「鶚さん…昔猛禽族だったっていう人だよね。」 青鳶:「そうだ。」 白梟:「どうして鶚さんはその話を青坊にしたの?青坊が赤鷲を探していた事と関係があるの?」 青鳶:「……。」 白梟:「別に答えたくないなら構わないよ。無理に聞きたい訳じゃないし、聞けなかったからって今後協力しなくなる訳じゃないから。」 青鳶:「…赤鷲は俺の父親なんだ。」 白梟:「…え?父親…?あの赤鷲と青坊が……?」 青鳶:「そうだ。」 白梟:「え、ちょっとまって…それって…つまり……黒百舌は青坊のお母さんを殺したって事になるの?」 青鳶:「そういう事になる。だから俺はどんな手を使ってでも黒百舌を殺す。その為に赤鷲…奴の手も借りる。」 白梟:「だから青坊は赤鷲を探していたのか…同じく復讐に燃えているであろう赤鷲と協力して黒百舌を倒す為に…」 青鳶:「そうだ。復讐の為に力を付けこの街に来た。しかしその時には奴は街を離れて姿をくらましていた……だがようやく、その時が来たんだ…」 0:小さく拳を握る青鳶 白梟:「青坊…」 青鳶:「だが、赤鷲がそうすんなり強力してくれるとも限らないし黒百舌が簡単にやられるとも思えない。」 白梟:「そうだね。」 青鳶:「そして最悪の場合、他の猛禽族が手を出してこないとも限らない。そうなった時、白梟、手を貸してくれるか?」 白梟:「私が裏切るって可能性は考えないのかい?」 青鳶:「お前は大丈夫だ。」 白梟:「即答だね……一体どこから生まれるんだよその信頼は。」 青鳶:「裏切る可能性があるならこうして情報提供もしないし、協力もしないだろ。」 白梟:「青坊が誰かに騙されないか心配だよ。分かった、他の猛禽族が青坊を邪魔しないように抑えてみるよ。 白梟:でも私は戦闘に向いてない、必要以上の期待はしない事!いいね!?」 青鳶:「ああ、分かっている。」 白梟:「…さ、当日に向けての作戦会議をしようじゃないか。」 0: 0: 0: 瑠璃隼:「………街が騒がしいな…嫌な予感がする。この街の秩序の為、警備を強化せねばならないな。 瑠璃隼:何事も無ければいいが…」 0: 0: 0: 0: 0:1週間後 青鳶:「それじゃあ行ってきます。」 桃鶚:「気を付けてね青ちゃん。」 青鳶:「他の猛禽族達がどう動くか分からないから鶚さんも気を付けて。」 桃鶚:「心配してくれるのね、嬉しいわ。でも大丈夫、こう見えてアタシ強いのよ?」 青鳶:「分かってる。だが用心をするに越したことはない。」 桃鶚:「ええ。ありがとう。」 0:青鳶が家を出る 桃鶚:「……赤ちゃんがとうとう動き出す…私もそろそろ動かなきゃいけないみたいね…赤ちゃん、アナタが残したヒナは私が最後まで守り抜くわ。」 0: 0: 0: 黄鷹:「おい百舌。本当に今日鷲のジジイは現れるんだろうな?」 黒百舌:「ええ、私の情報は間違いありません。それに他の皆さんも各々動き始めたようですし……これからこの街は、1つの大きな戦場になるんです。ワクワクしますねぇ…」 黄鷹:「勝算はあるんだろうな?」 黒百舌:「もちろんですとも。手筈通りに行けば私達の…いえ、アナタの勝利は確実ですよ。」 黄鷹:「……ヘマはするんじゃねえぞ、百舌。」 黒百舌:「ええ、お任せください。必ず王にして見せましょう。」 0: 0: 0: 赤鷲:「準備は整った。アイツを殺す為の全ての過程が終わった。ここからは存分に暴れてやろうぜテメエら!! 赤鷲:さあ、長い長い因縁の決着を付けようぜ黒いの……その首を洗って待ってろよお…!!」 0: 0: 0: 0: 0: 0:ビルの屋上 黒百舌:「さあ、決戦の火蓋は切って落とされました……皆さん…私のシナリオ通りにどうぞ動いてくださいね…」 黄鷹:「……んじゃ、俺はそのシナリオ通り梟を潰しに行ってくる。」 黒百舌:「ええ、よろしくお願いしますね。」 黄鷹:「任せとけ。」 黒百舌:「さて、それじゃあ私も動きますかね。」 0:通信端末を手にする黒百舌 0: 0: 0: 白梟:「赤鷲が動き始めた…メンバーの皆、準備は良い?あくまで私達は攻撃してきた赤鷲メンバーを抑えるだけ、青坊が赤鷲との話し合いが出来る時間を稼げればそれでいい。分かったかい?」 0:赤鷲のメンバーが街の中に入ってくる 白梟:「さあ、行くよ皆!無理だけはしないようにね!」 黄鷹:「お前は俺の相手をしてくれよ、梟ちゃん。」 白梟:「っ!?」 黄鷹:「はっはは!言い驚きっぷりじゃねえか、かっわいいなおい。」 白梟:「黄鷹…!?アンタなんでここに…!なにしに来たの!」 黄鷹:「なにしにって…まさか俺らが動かないとは思ってなかったわけじゃねえだろ?」 白梟:「それはもちろん混乱に乗じて何かしらの動きはあると思ったよ、でも私の考えだと赤鷲の方に行くと思ったんだけどね…」 黄鷹:「ああ、普通ならな。」 白梟:「普通なら…?」 黄鷹:「いやあな、梟の魅力的なオーラに誘われてこっちに釣られちまったんだよ。」 白梟:「見え透いた嘘を…」 黄鷹:「まあ、細けえ事は良いんだよ、なんにせよ事実俺は今こうして…お前の目の前に居るんだから……なあああ!!」 0:素早く拳を打ち込む黄鷹 白梟:「ぐっ!?」 黄鷹:「さっすが梟ちゃーん!反応早えなぁあ!」 白梟:「どうしてアンタが私を狙うのか分からないけど……仕掛けて来たからには…分かってるよね黄鷹!」 黄鷹:「はっはは!その目だよその目!イイ目になったじゃねえかぁ!!ゾクゾクしてくるぜえ!」 白梟:「こうして相手にするのは初めてだけど…猛禽族としてアンタを食らってやるよ!」 黄鷹:「やっぱお前、イイ女だな……1回お前とはヤリたかったんだよ!!果てるまで楽しもうぜえええ!!」 白梟:「本当はアンタとだなんてごめんなんだけどね…!!」 0: 0: 0: 赤鷲:「……ほお、まさかお前が1番乗りで俺に会いに来てくれるとはな。青いの。」 青鳶:「意外だったか?お前は俺の唯一の肉親なんだからな。初めに会いに来るのは当然だろ?」 赤鷲:「そうか…そういやそうだったな。こうして顔を突き合わせるのはどれくらいぶりだ?あの日以来だから20年ぶりか…?ずいぶんでかくなったよな。」 青鳶:「お前はずいぶんと老いたな。」 赤鷲:「老いた分味が出てるだろ?男は歳重ねた方が魅力的になるってもんだ。」 青鳶:「そんなもの必要ないな。」 赤鷲:「20年経って味気ない男になったな、それでなんだ?さっそく俺を殺すか?母親を殺したこの俺を。」 青鳶:「殺した…か。もしそうなら真っ先にこの手で殺している所だが、その事実は違っている。お前は俺の母さんを殺してはいないだろ。」 赤鷲:「……何を言っている?お前はあの時その目で見たじゃねえか、俺の全身がお前の母親の血に染まっている所を。」 青鳶:「確かに血に染まっていた。あの時俺は、確かにお前が手にかけたものだと思っていた。しかし実際の所は違う……母さんを手にかけたのは、黒百舌なんだろ?」 赤鷲:「……黒百舌、そういや奴は今そんな名前で呼ばれてんだよな。カラスが偉くなったもんだぜ………で、そんな話誰から聞いたんだ?」 青鳶:「教えてどうする。その人を殺す気か?」 赤鷲:「んなこたぁしねえよ。大体の予想はつく。大方、桃色のが教えたんだろ?アイツは昔からおせっかいだからな。」 青鳶:「……俺がお前を殺す必要も、お前が俺を迎え撃つ必要もこれで無くなった。お互いに目的は一致しているはず、黒百舌を倒すというただ1つの目的が。」 赤鷲:「そうだなぁ…俺の目的は初めから黒いのをぶっ殺す事だけだ。その為にこれだけの戦力を搔き集めた。確かに利害は一致している。んで?一致してるからなんだ?手を組もうってのか?」 青鳶:「ああ。無駄な血を流さないならそれに越したことはない。」 赤鷲:「…青いのよお。お前猛禽族になってどれくらいになった?」 青鳶:「…5年ほど前だ。」 赤鷲:「そうか、お前がこの街に来たって聞いたのが10年前だからそこから5年後か。新米猛禽族のお前に1つイイ事を教えてやる。 赤鷲:この街は力が全てだ。己を守るのは力のみ、力のみが信じられる唯一のモノだ。」 青鳶:「…だからなんだ。」 赤鷲:「すまねえな坊主、テメエとは手を組めねえ。己の力以外は信じるに値しねえんだよ。それが例え実の息子だとしてもな。」 0:銃口を青鳶に向ける 青鳶:「なぜだ赤鷲…お前が予想しているより遥かに奴は強い。俺らが手を組めば効率的に奴を排除できるはずだ。」 赤鷲:「たとえそうだとしても、これは俺の問題だ。俺の手で黒いのをぶっ潰す。テメエのようなひよっこの手を借りるつもりは毛頭ねぇ。それにテメエが裏切らないという保証もねえしな。些細なリスクも負いたくねえんだわ。」 青鳶:「……そうか。奴を殺す理由が同じで、俺が実の息子だとしてもお前は俺が裏切るかもしれないと、そう言うんだな。」 赤鷲:「それが猛禽族だ。」 青鳶:「………分かった。そうなれば仕方がない………赤鷲、俺はお前を殺して先へ進む!」 0:銃を構える青鳶 赤鷲:「ションベンくせえ青二才にやられるほど俺は衰えちゃいねえよ、バカが!!」 0: 0: 0: 0:廃墟の近く 桃鶚:「あの子、こんな所に呼び出して何かしら…ま、答えなんて1つしかないでしょうけど……っ!!?」 0:飛び退いて躱す 瑠璃隼:「ほお、俺に気づいて弾丸を躱したか。まだ身のこなしは健在のようだな。桃鶚。」 桃鶚:「るりりん……いきなりなご挨拶じゃなあい?一体何のマネよ…」 瑠璃隼:「それはこちらのセリフだ。お前は今の街の現状を利用し秩序を乱そうとしているじゃないか。」 桃鶚:「どういう事…?」 瑠璃隼:「白々しい…まさかお前がそこまで愚かだったとは思わなかったぞ。」 桃鶚:「だから一体何の事なのよ!!」 瑠璃隼:「とぼけるのもいい加減にしろ!」 0:弾丸を放つ 桃鶚:「っ!?まって、本当に私は分からないわ!」 瑠璃隼:「どこまで愚かなんだ桃鶚…!失望したぞ!!」 0: 桃鶚:【N】なにこれ、なんなのこの状況…!まずは興奮してる彼を落ち着かせないと話し合いも何もあったもんじゃないわ…! 0: 桃鶚:「今はあまり争いたくないんだけど…仕方ないわね…!」 0:メリケンサックを装着する桃鶚 瑠璃隼:「やはり敵対するか、お前…!」 桃鶚:「先に仕掛けて来たのはアナタの方でしょるりりん!」 瑠璃隼:「何を言う、お前が先に秩序を乱そうとしたのではないか!混乱に乗じて我々を陥れようとするなど…さすがは欲の猛禽族と言った所か。」 桃鶚:「さっきから何を言っているのか分からないけど、とりあえず落ち着きなさい!」 瑠璃隼:「分からないなら思い出させるまでだ!!」 0:銃口を向ける 桃鶚:「もう…!ホント分からず屋ね!!」 瑠璃隼:「お前が回り込んで来る事くらい分かっている!」 0:反対の手で腰からもう一丁の拳銃を抜く 桃鶚:「もう1つ!?キャッ!!?」 0:右肩を撃たれる 瑠璃隼:「お前にしては読みが甘いんじゃないか?」 桃鶚:「っ右肩が……やるじゃないるりりん…忘れていたわ……アナタが2刀流だって事を…」 瑠璃隼:「なんだ、もう降参か?桃鶚。」 桃鶚:「…だれが降参って言った……かしらっ!」 瑠璃隼:「っ!まだそれだけの速さで動けるか!」 桃鶚:「近接戦においては、アタシはアナタより上よ!!」 瑠璃隼:「舐めるなよ!!」 0:右手の拳銃を腰の警棒と持ち替える 桃鶚:「警棒に持ち替えた所で無駄よ!!」 瑠璃隼:「桃鶚!俺がお前の想像しているよりはるか遠くにいる事を思い知らせてやる!!」 0:桃鶚の拳を警棒で受け流し拘束する 桃鶚:「なっ!」 瑠璃隼:「確かにお前は強い、それは認めよう。だが、お前がこの街を離れている間にも俺は鍛錬を続けていた。この状況がその間に開いた実力の差だ。」 桃鶚:「う…動けな……」 瑠璃隼:「さすがのお前でもこう拘束されては身動きはとれまい。それに、万が一にでも抜け出そうものならお前のこめかみに穴が空く事になる。」 桃鶚:「………さすがね、るりりん。元よりアタシはアナタと戦うつもりはないもの。話ができるなら拘束されてようが構わないわ。」 瑠璃隼:「強がりを………では聞かせろ。何故お前はこの街の混乱に乗じて……青鳶を、実の息子のように育ててきたアイツを裏切ってまで王になろうとしたのだ…!」 0: 0: 0: 赤鷲:「うおらぁあ!」 青鳶:「っ!」 赤鷲:「オイオイ、さっきからチマチマ打ちやがってよぉ!俺を倒して先へ進むんじゃなかったのかァ!?青いのよお!」 青鳶:「俺の攻撃に無駄な事は1つもない。これが俺の戦い方だ!」 赤鷲:「そうかそうか、だがなぁ、かすりもしてねえ攻撃で俺を倒せると思ってんのか?俺は絶対王者。暴力で支配するこの街の王だ!力が全てってのを教えてやるよ。テメェら!!」 青鳶:「なっ…!!」 0:赤鷲のメンバーが取り囲む 赤鷲:「俺のメンバー達が居るド真ん中に突っ込んできたんだ、取り囲まれる事くらいは予想着いただろ?」 青鳶:「……まあな。だが、絶対王者だなんて言うくらいだから正々堂々とタイマンするとも思っていたんだがな。」 赤鷲:「甘ちゃんだな、だから青くせえんだよ。王だからこそ兵を動かすんだろうが。兵力も自分の力だ。それをどう動かすかも自分の力だ。それら全てがあるから俺は猛禽族の王になったんだ。」 青鳶:「……。」 赤鷲:「さぁて、どうするよ青いの。ここに居るメンバーは総勢約100人はいる。どう戦うんだ?」 青鳶:「なあに、心配には及ばない。」 赤鷲:「何か策があるってか?」 青鳶:「そろそろだ。」 赤鷲:「……あ?」 0:地面が突然爆発を起こす 赤鷲:「なっ!!?なんだ!!」 青鳶:「タイミング完璧じゃないか。白梟。」 白梟:「はぁ……はぁ…もう少し余裕を持って来たかったんだけどね……ちょっと手こずっちゃったよ。それにしても、やっぱり交渉は上手くいかなかったんだね……仕方ないか……」 青鳶:「すまない、白梟。」 赤鷲:「テメェは……白いのか…予め地面に爆薬をセットしてたのか……」 白梟:「そういう事。頃合を見て起爆するようにって青坊がね。」 赤鷲:「どうやって俺らがここの道を通るって分かった?この街の出入口は無数にある。まさか全通り道に仕掛けてるわけじゃねえだろ?」 白梟:「私は情報力の猛禽族だよ?アンタらがどこの道をどう来ようとお見通し、私の情報網舐めんなよ?」 赤鷲:「…ほお…おもしれぇじゃねえか。」 青鳶:「白梟、黄鷹はどうしたんだ?」 白梟:「寝てもらってるよ。ほんっと、アイツ厄介過ぎたよ。」 青鳶:「そうか、引き付けてもらえて助かった。ありがとう。」 白梟:「いいんだよ、でもいつ目が覚めるかわかんないよ。その間になんとしてでも赤鷲を抑えないとね。」 青鳶:「ああ。」 赤鷲:「作戦会議は終いか?さっさと続きを始めようぜ、俺を楽しませろ!!ひよっこ共!!」 0: 0: 0: 0:少し時が遡り、白梟と黄鷹の戦闘 白梟:「あーもう!絶妙な距離感保つなっての!!」 黄鷹:「この距離感保たれるのイヤなの知ってんだぜ、よっと!」 白梟:「くっ!この……!!」 黄鷹:「女のイイトコを突くのは俺様の特技ってな!!」 白梟:「アンタの自己満足な攻めで喜ぶ女は居ない…よっ!」 黄鷹:「どこ攻撃してんだよ梟ちゃーん!そらぁあ!!」 白梟:「ちっ…!!強すぎるってコイツ……!」 黄鷹:「そらそらそらそらぁああ!!」 白梟:「うっ……!」 黄鷹:「さっきから可愛い呻き声あげながら避けてばっかじゃねえか!猛禽族なんだろ!もっと反撃して来いよ!」 白梟:「ほんっと…相性悪すぎだっての!」 黄鷹:「おっと、足払いなんてそんなの俺には意味ねえ…よっと!!」 0:回し蹴りを白梟に当てる 白梟:「ぐぁっ!!」 黄鷹:「まだまだまだぁああ!!右ストレート!左ジャブ!右アッパー!!」 白梟:「がぁあっはぁ……!!!」 黄鷹:「ふうぅ……おら立てよ梟。おねんねにはまだ早えよ。」 0:白梟の髪を掴んで立たせる黄鷹 白梟:「あっ……ぐっ……」 黄鷹:「潔く降参して俺の女になれば、これ以上何もしねえし見逃してやるよ。どうする?」 白梟:「……はっ………誰がアンタの女になるって…?」 黄鷹:「くっ……くっははははは!!!!そうだよなぁ……そうだよなぁ!!そう来なくっちゃな!!」 白梟:「アンタみたいなゲス男の女になって良いように使われるくらいなら…脳天ぶち抜かれる方を選ぶよ…」 黄鷹:「イイね…その反抗的な目、やっぱ梟お前はイイ女だ!!最後まで殴って嬲って動けなくなるほどヤリたくなるイイ女だ!!」 0:地面に突き飛ばす 白梟:「うっ……!」 黄鷹:「なにか奥の手があんだろ?俺は最強のカリスマ、黄鷹様だ。何をされたって倒れねえ、俺がお前の奥の手で倒れたらそのまま赤鷲の所でもどこでも行きやがれ。」 白梟:「……は…?アンタ何言ってんの……」 黄鷹:「さっさとやりやがれ。俺の気が変わらねえ内にな!」 白梟:「…………後で文句言わないでよね!!!」 0:手を引くと黄鷹の足回りが爆発し落とし穴ができる 黄鷹:「どわぁあ!?なんだこりゃ、落とし穴!?」 白梟:「その中で暫くおねんねしててね。」 0:手首から小さなカプセルボムを出し投げる 黄鷹:「なんだこりゃ、煙幕か!?」 白梟:「じゃあね黄鷹、何か裏があるんだろうけどアンタが急に受け身になってくれて助かったよ。全部終わったら戻ってきてやるからそこで大人しく寝てな。」 黄鷹:「睡眠薬入りの煙か……く、そ…………この俺様が…倒れ、るなん……て………………」 白梟:「……早く青坊の所に行かなきゃね…」 0: 0: 0: 0:廃墟 桃鶚:「裏切る……?どういう事……?」 瑠璃隼:「まだシラを切る気か桃鶚…!お前は我が子のように育ててきた青鳶を裏切ってまでこの街の王になろうとしているんだろ!?かつてお前は、猛禽族に興味は無い、上に行きたいとは思っていないと言っていたではないか!!」 桃鶚:「まって、本当に話が見えないわ!!アタシが青ちゃんを裏切る?何を言って……ぐっっ!?」 0:警棒での拘束を強くする 瑠璃隼:「白状しろ桃鶚、本当は何が目的なんだ。」 桃鶚:「だから……本当に…分からないわよ…………るりりんは、誰からその話を…聞いたの……」 瑠璃隼:「お前に教える義理はない。」 桃鶚:「そこが、重要なんじゃない……!一方の話だけ聞いて、それだけを信じるの……」 瑠璃隼:「……っ」 桃鶚:「お願い…るりりん……教えて…」 瑠璃隼:「…………青鳶本人からだ。」 桃鶚:「えっ……それ、本当に……?」 瑠璃隼:「ああ。そうだ。あの声は確かに青鳶だ。そう名乗っていたしな。」 桃鶚:「…声?電話で伝えられたの……?」 瑠璃隼:「メンバーからボイスメッセージを渡されてな。聴いてみたら中身は青鳶の声が録音されていた。桃鶚が赤鷲帰還の混乱に乗じて、青鳶を含め全員を騙し裏で暗躍をしていると。そのような内容が記録されていた。」 桃鶚:「なにそれ……そんなの知らない…」 瑠璃隼:「まだ言うか…………ではこれを聴け。そうしたらいい加減認めるだろう。」 0:ボイスレコーダーを取り出し再生する 青鳶:『瑠璃隼、青鳶だ。私は近い内に鶚さんに裏切られるだろう。知っているだろうが、赤鷲が数日後に街に戻ってくる。それによってこの街は今以上に荒れ狂うだろう。その混乱に乗っかり鶚さんは裏で暗躍し、私達を陥れようとしている。きっと鶚さんは私達を蹴落とし猛禽族の王になろうとしているんじゃないだろうか。どうか、秩序の猛禽族としてあの人を止めてくれ。』 0:音声が止まる 瑠璃隼:「これを聞いても嘘だと言うのか?」 桃鶚:「確かに……この声は青ちゃんの声…………でもなんでかしら、違和感があるの……」 瑠璃隼:「違和感?」 桃鶚:「…そうよ…そうだわやっぱりそうよ…」 瑠璃隼:「なんだ、なにが分かったんだ!」 桃鶚:「青ちゃんの1人称は『私』じゃない。『俺』よ!今までずっと彼と過ごしてきたけれど、1度も彼が『私』なんて使った事はないわ!」 瑠璃隼:「なに…?し、しかし…1人称なんていくらでも使い分けができるだろう!」 桃鶚:「彼が1度でもアナタの前で他の言い方をした事がある?彼は誰に対してもあのままなのよ?それに、私が青ちゃんの声を聴き間違えるわけがないじゃない!どれだけの時間、彼と一緒に居たと思うの?」 瑠璃隼:「だが…………」 桃鶚:「青ちゃんはこんな事はしない、正々堂々と正面からぶつかる子よ。青ちゃんも、私もね。」 瑠璃隼:「………。」 桃鶚:「これは誰かの手の込んだイタズラよ。本人とほとんど差のない、精巧に寄せた声を作って私達を騙そうとした。」 瑠璃隼:「しかし誰がこんな真似を…」 桃鶚:「こんな事が出来るとしたら…………考えたくないけど電子機器の扱いに長けてる白ちゃんか……もしくは……」 瑠璃隼:「誰だ?」 桃鶚:「黒ちゃん……かしらね。」 瑠璃隼:「烏……いや、黒百舌か……奴の狡猾さならばありえない話では無いな。」 桃鶚:「でしょ?ここは変に遠回しに行くんじゃなく、直接聞いた方が早そうね。アナタとの誤解は解けたわけだし、アタシは黒ちゃんの元へ行くわ。」 瑠璃隼:「まて。」 桃鶚:「何かしら?」 瑠璃隼:「誤解が解けた、と言ったな。俺のお前への容疑はまだ晴れていない。」 桃鶚:「え?どうしてよ…!」 瑠璃隼:「最後にもう1度問う。お前は本当に我々を陥れるつもりは無いのだな?」 桃鶚:「何度も言っているじゃない。アタシはそんな事するつもりは無いわ。アタシはアタシのやりたい事をするだけ。アタシの今やりたい事は、青ちゃんを守る為の行動。ただそれだけよ。」 瑠璃隼:「……そうか。分かった。いずれにしても、お前の虚言は奴に会えばわかる事だ。俺もこの街の秩序の為に、黒百舌の元へ行こう。」 桃鶚:「…んふふ、これはこれは、心強い*騎士《ナイト》様ね。」 0: 0: 0: 黒百舌:「おやおや……こんな所で何をしているんですか?」 黄鷹:「……よお、百舌。来るのが遅かったじゃねえか。」 黒百舌:「そんな所に埋まって寝ている黄鷹さんとは違って私は忙しいので。」 黄鷹:「好きで埋まってんじゃねえよ。おら、さっさと俺を引っ張り出しやがれ。」 0:黄鷹を穴から引っ張る百舌 黒百舌:「…やれやれ。人には散々ヘマするなとか言っておきながらそのザマですか……アナタの言葉を借りるなら、その頭に風穴を空けてあげてもいいんですよ?」 黄鷹:「空けたきゃ空けやがれ、ヘマをしたのは事実だからな。それ相応の覚悟は持ち合わせてる。じゃなきゃこんな街で頭を張ってねえよ。」 黒百舌:「それもそうですね。さすがは黄鷹さん。」 黄鷹:「見え透いた世辞なんか要らねえよ。んで、今度は何させようってんだ?」 黒百舌:「話が早くて助かります。さすが圧倒的カリスマの黄鷹さん!今度アナタにして頂くお仕事はですね…………青鳶さん達と協力をして赤鷲さんを討伐してください。」 黄鷹:「協力をして……だと?」 黒百舌:「ええ。今回の目的は赤鷲さんを排除する事です、しかし彼は強力なメンバーを多数に抱えているだけでなく彼本人も非常に強力です。もちろん、黄鷹さん自身も戦闘面において劣ってるとは思いませんが少しでも勝率を上げるために皆さんで協力して欲しいんです。」 黄鷹:「梟はどうする。さっきヤリあったばかりだぞ。」 黒百舌:「そうですね、協力するにあたって実力を試す為に攻撃を仕掛けた……とか適当に一芝居打ってみてはどうでしょうか?」 黄鷹:「そんなんでアイツが信じるか?」 黒百舌:「純粋な方です、きっと信じますよ。」 黄鷹:「……まあいい、とりあえずアイツらと協力して鷲のジジイをヤりゃあいいんだな?」 黒百舌:「ええ、頼みましたよ。彼さえ倒せばアナタは一気に王へ近づけます。」 黄鷹:「…………はっ。楽しみにしとくぜ、百舌。」 0:赤鷲の元へとかけていく黄鷹 黒百舌:「……ええ……お任せ下さい。この街の王にして見せましょう…………頂点に君臨する神である私の忠実な操り人形の王にね…………」 0: 0: 0: 赤鷲:「おいテメェら!周りのザコ共をしっかり抑えておけよ!この2人は俺が殺る……!」 青鳶:「…さっきよりも目に殺意がこもっている……」 白梟:「空気がピリついてる気がするよ…」 青鳶:「白梟、決して奴から目を離すなよ。」 白梟:「嫌でも分かるよ、少しでもよそ見したら終わりなんだろ。」 赤鷲:「さぁ……覚悟しやがれ……ガキ共ぉおおお!!」 0:駆け出しながら銃を放つ 白梟:「なっ!?早いっ!」 赤鷲:「どうしたどうした!!この俺に喧嘩を売りつけたんだ!!それなりのサービスはしやがれ!!」 白梟:「うっ……!!躱すので精一杯……少しでも射線上に入ったら危ない……!!」 青鳶:「こっちだ赤鷲!」 0:赤鷲へ弾丸を放つ 赤鷲:「当てる気のねえ弾なんかに気を取られるほど俺はバカじゃねぇぞ!銃ってのは制圧する為の武器だ、命を奪う為の武器だ、殺し合いの駆け引きをする為の武器だ!!」 0:白梟に攻撃を続ける 赤鷲:「制圧してぇなら本気で脅せ、奪いてぇなら本気で貫け、駆け引きしてぇなら本気で引き付けろ!!テメェらはそれのどれもが中途半端なんだよ!!これは遊びじゃねえ、鳥と鳥の本気の狩りだ!」 白梟:「ぐっ…!あっぁあ……!!」 青鳶:「白梟!!」 白梟:「だ……大丈夫…肩を少し掠めただけだから……」 赤鷲:「狩りってのは、ほんの少しでも集中が乱れればヤラれるんだ。捕食者が常に捕食者で居られると思うなよ。常に自分の首を狙われてると思え!!!」 0:青鳶に放たれた銃弾が腿を撃ち抜く 青鳶:「ぐぁっ……!!」 白梟:「青坊!」 赤鷲:「仲間の心配をしてるほど余裕があるのか?白いの!」 0:白梟を蹴り飛ばす 白梟:「あぁぁあぁ!!」 青鳶:「ぐっ……くそぉ!!」 赤鷲:「構えるのがおせぇ!」 青鳶:「がっ……!」 赤鷲:「利き腕潰されりゃ、もうまともに戦えねえだろ青いの。いい加減俺に喰われな。」 白梟:「あ、青……坊……」 赤鷲:「せっかく買ってやった喧嘩だってのによ、サービスが悪いぜこりゃ。もう少し楽しませてくれると思ったんだがな。」 0:青鳶に銃口を向ける 赤鷲:「あの世で勉強するんだな、青二才。」 白梟:「あ……あぁ…………だめぇぇぇぇぇ!!!」 黄鷹:「なら…俺が楽しませてやるよ!!!!」 0:空中回し蹴りを放つ 赤鷲:「っ!!」 黄鷹:「流石だなジジイ、今のをガードするなんてよ。」 青鳶:「黄鷹…なぜここに…」 赤鷲:「…黄色いの…………なんだお前、遊んで欲しいのか?」 黄鷹:「楽しそうな匂いがしたんでな。混ぜてくれねえか?」 赤鷲:「ひよこが1羽増えた所で俺はかまやしねえよ。」 黄鷹:「そいつぁありがてえ…!鳶、梟!!このジイさんの首、俺が貰っても文句ねえよな?」 白梟:「黄鷹……どうやって目を覚ましたの…ううん、それよりもアンタなんのつもり…?さっきは邪魔した癖に、なんでここに来たの……」 黄鷹:「戦闘向きじゃねえお前がこのジジイとやり合うって相当な無謀だろ?どんなもんか見たかったのよ。見事に俺はやられちまったがな。」 白梟:「なにそれ……そんな意味不明な事言われて納得すると思うの?」 黄鷹:「ま、そういうこった。こっからは俺もジジイ狩りに参加させてもらうかんな!!文句はコイツを倒してから言え!」 青鳶:「白梟…今は協力をしよう……少しでも勝率を高めるんだ。」 白梟:「ちっ……どうなっても知らないからね……!」 黄鷹:「腹括ったみてえだな…ってな訳だ鷲のジジイ!全力で抵抗しろよ、じゃねえと楽しくないからな!」 赤鷲:「ひよこが偉そうに……デカい口を叩いたんだ、すぐにぶっ倒れんじゃねえぞ!!!全員まとめてかかってこいやぁあ!!」 0: 0: 0: 0:黒百舌のテリトリー、ビルの屋上 黒百舌:「いいですねぇ…いいですねぇ!さすがの赤鷲さんも3対1となれば押し切られてその玉座から転げ落ちるでしょう。どういう展開になるか見物ですね。」 0:後頭部に銃口を突きつけられる 瑠璃隼:「動くな。」 黒百舌:「……あらあら、こんな所へどうしたんですか?ここは私のテリトリーですが?」 瑠璃隼:「最早、この街の現状に秩序も何も無いだろう。ルールなんてあってないようなものだ。」 黒百舌:「秩序の猛禽族さんがそんな事を言ってしまうんですか?それこそ秩序の乱れなのでは?」 瑠璃隼:「この街をこのように仕向けたのはお前だろう、黒百舌。」 黒百舌:「ご冗談を……この街が荒れたのは赤鷲さんが戻って来たからじゃないですか。私は何もしていませんよ。」 瑠璃隼:「それこそ冗談だろ。各猛禽族を焚き付け闘争心を煽った。それだけならまだ良かったが、お前は他の猛禽族を騙り、我々に殺し合いをさせるよう仕向けた。」 黒百舌:「私がそんな卑劣な事を?そんな証拠どこにあるんですか?」 瑠璃隼:「しらばっくれても無駄だ。」 桃鶚:「るりりんが手渡されたボイスレコーダー、その録音された声は青ちゃんのものだった。でも実際は……アナタが録音した偽物の声。青ちゃんは『私』なんて1度も言ったことないもの。それに私は長年彼と過ごして来たのよ?どんなに似せようと間違えるはずが無いわ。」 瑠璃隼:「『百舌』とは良く言ったものだ。百の舌を持ち、他の鳥の鳴き声を真似る擬態の鳥…お前にピッタリじゃないか。偽物の猛禽族め。」 桃鶚:「黒ちゃん…教えて。アナタがやったの?」 黒百舌:「…………ふふ……ふ、ふふふ……」 桃鶚:「……何がおかしいの、黒ちゃん?」 黒百舌:「いやぁ……さすがですね!お2人!!秩序の猛禽族さんと欲望の猛禽族さん!!王たる者、この程度は見破って頂かないと話になりません!!」 瑠璃隼:「貴様……人を陥れておいて……!」 黒百舌:「ふふ……ですがそれが私が王になれた1つの力なんです。」 瑠璃隼:「なに……?」 黒百舌:「私は新参で最弱、しかし私には知恵がある、口がある!少し口が達者で頭が回る程度の鳥でしかない。ですが私はそれで成り上がったのです、この街の王の1人に!!人を欺き、陥れ、憎悪と憎しみを操作する王に!!」 0:振り向きざまに突きつけていた拳銃を跳ね除け瑠璃隼を蹴り飛ばす 瑠璃隼:「ぐあっ!!」 桃鶚:「るりりん!」 黒百舌:「アナタ達がこうしてここに来る事も分かっていました、全て私のシナリオ通りなんです!!全ては私の掌の上で行われているんですよ!!憎悪に燃える赤鷲さんも、復讐に飲まれている青鳶さんも、それを支える白梟さんも、私の駒として動いた黄鷹さんも、全員私が仕向けたまま動いてくれています。複数の王の1人なんて、そんなので満足なんてしません。王達の王に…私はこの街の、この鳥カゴの神になるんです!私がカゴの鳥達を操り支配する!!」 桃鶚:「傲慢にも程があるわね…」 瑠璃隼:「神だなんて*烏滸《おこ》がましい……貴様はこの街の神でも無ければ王ですらもない!ただの卑劣なカラスだ!!」 黒百舌:「卑劣で烏滸がましい……ですか、いいですねその言葉……実に私らしくて…………最悪の言葉だ!!」 0: 0: 0: 青鳶:「ぐっ……!!」 白梟:「がぁ!!」 黄鷹:「ちぃっ……!!!」 赤鷲:「うぉおおあああ!!」 白梟:「はぁ……はぁ…もういい歳だろ赤鷲…なんでこんな動けるんだよ…!」 黄鷹:「聞いてた以上にバケモンだなコイツ……」 青鳶:「正直、もう少し楽に戦えると思ったんだがな……」 赤鷲:「3人がかりでこの程度か?俺はまだまだ動けるぞヒヨっ子共!」 黄鷹:「いきなり全力でやっちまったら楽しめねえだろ…?なぁ!!」 0:ダッシュで勢いをつけ拳を振りかぶる 赤鷲:「重さのある拳だが、隙だらけなんだよ!」 黄鷹:「んならこいつぁどうだ!!」 赤鷲:「見えてんだよガキぃ!」 黄鷹:「ちっ……拳も蹴りも全部防ぎやがるかっ……!」 白梟:「黄鷹離れて!」 0:手首をかえし、糸を張る 赤鷲:「なんだこりゃ……ピアノ線……か?」 白梟:「正解。アンタの周りにピアノ線を仕込んだ。下手に動くと身体が傷だらけになる、大人しくしとくといいよ。」 黄鷹:「やるじゃねえか梟!」 赤鷲:「おいおい、この程度で俺を封じたつもりか?」 青鳶:「逃げろ2人共!」 白梟:「っ!」 黄鷹:「っ!」 赤鷲:「ぐぅおおおおおお!!!!」 0:無理やり張られたピアノ線に身体を押し当て抜け出す 白梟:「な……そんな無理に抜け出そうとしたら身体が……!」 赤鷲:「うおおおおおおお!!!」 黄鷹:「おいおいおい……まじかよ…」 青鳶:「なんて奴だ……」 赤鷲:「俺は絶対王者、暴力の猛禽族だ!!舐めてんじゃねえぞ青二才どもぉぉお!!」 0:拳を白梟の腹に、銃弾を黄鷹の肩に当てる 白梟:「ぐっ……ぐがぁあっ……」 黄鷹:「がぁあっ……!!」 青鳶:「白梟!黄鷹!!ちっ…赤鷲ぃ!」 赤鷲:「はぁ…はぁ……やっとそれらしい目になったじゃねえか青いの……ずっと澄ました顔しやがってよぉ……」 青鳶:「…どこか全力でお前と戦えていない俺が居たのは事実だ。目的を同じにしているはずなのに何故争わなければならないのか……唯一の肉親であるはずなのに何故殺し合わなければならないのか…………この戦いの中でずっと考えていた。」 赤鷲:「…………答えは出たのか。」 青鳶:「ああ。俺らはこの街に居る以上、争わなければならない。何故ならば…俺らは猛禽族なのだから。」 赤鷲:「いい目になったな、青いの……そうだ。理由がなんであれ、俺らは猛禽族である以上争わなければならない。1つの獲物を得る為に、己の力を以て全力で他の敵を制圧しなければならないんだ。それが例え、血を分けた家族だとしても。」 白梟:「………赤鷲…」 青鳶:「息子だとか親だとか関係ない……立ちはだかるのなら猛禽族の青鳶として、その命を刈り取る…!」 赤鷲:「取れるもんなら取ってみやがれ!!青いのぉお!!」 0: 0: 0: 桃鶚:「はぁああ!!!」 瑠璃隼:「でやぁあああ!!!」 黒百舌:「仲が良いだけありますよね、実に素晴らしいコンビネーションです。ですが……」 桃鶚:「なっ……!」 瑠璃隼:「なに!!?」 黒百舌:「実に利用しがいがある攻撃でもあります。」 0:受け流し同士討ちをさせる 桃鶚:「きゃっ…!」 瑠璃隼:「ぐっ……」 黒百舌:「この程度だなんて言わないですよね?それっ!」 瑠璃隼:「ぐぁっ!!」 桃鶚:「黒ちゃん……!!はぁああ!!」 黒百舌:「桃鶚さんは超近接戦闘型で、メリケンサックを用いた強打を得意としている……軽やかな足運びと素早い打ち込みから繰り出される強打は非常に厄介…………ですが、その戦闘スタイルは私に近いものがありますので弱点も分かるんですよ。」 桃鶚:「え?きゃっ!!」 0:足払いを受け転ぶ 黒百舌:「特にアナタの場合は、その弱点であるフットワークを潰されることへの対策があまりされていないと来た。」 瑠璃隼:「この…黒百舌!!!」 0:銃弾を連射する 黒百舌:「おっと、危ないじゃないですか瑠璃隼さん…」 瑠璃隼:「相変わらず反応速度が異様に早い……!」 黒百舌:「スラム育ちですからね…常に周りの気配を気にしながら過ごしてきましたので、人一倍警戒心は強いのですよ。でなければ盗みなんて出来ないですからね。」 瑠璃隼:「盗みか、カラスらしいな。」 黒百舌:「アナタ達のように産まれた時からぬるま湯に浸かって、何も不自由が無い人生ではなかったですからね。産まれた時から頼れる者が誰1人居ない、そんな状況下で他にどうしろと言うんでしょう?裕福な者からおこぼれを頂いて何が悪いのでしょう?そのような格差を産んだのは紛れもない、アナタ達王でしょう?」 瑠璃隼:「っ…………」 桃鶚:「黒ちゃん……」 黒百舌:「だからこそ私はその王になりたかった、絶対的な力を得て周りを見返したかった、見下したかった。そしてこの格差をひっくり返したかった。この鳥カゴの神になってね……」 瑠璃隼:「また神か…………確かに貴様は格差の被害者だ、しかし貴様が格差をひっくり返した所で今度は加害者になる。かつての我々のようにな。それでもいいと言うのか?」 黒百舌:「そんなの知ったことではありませんよ。裕福な方も1度スラムを体験したらいいんです。そうしたら分かるでしょう?どれだけ劣悪な環境なのかをね。お風呂も入れず、食べ物も無く、雨風をしのげる所さえ無い。そんな所に居たら思いつく事が1つしかないじゃないですか、奪うしかないって。」 瑠璃隼:「己でその現状を打開する事もせず、その生活を甘んじて受け入れていた結果がその行動では無いのか?」 黒百舌:「甘んじて受け入れていた?そんな訳ないじゃないですか……その生活から抜け出したくて私は足掻いてもがいて這い上がったんです。空から見下ろしているアナタ方を引きずり下ろす為に。」 瑠璃隼:「…黒百舌、俺は貴様の事を嫌悪している、許す事も無いだろう。だが、自身の力1つでここまで成り上がって来た。その努力は計り知れないものであったに違いない。」 黒百舌:「何が言いたいんですか?」 瑠璃隼:「やり方はいくらでもある、格差をひっくり返すだの神になるだのそんな*痴言《おこごと》を撤回し、身を引いてくれないか。」 黒百舌:「…ふふ……そうですか、そうですよね…アナタ達にとってはそんなの戯言のように思えますよね……残念ですが私は引くつもりなど1ミリもありません。この手で私は更に上へ登ります!」 瑠璃隼:「やはり説得はダメか…!!」 桃鶚:「そんなの最初から分かっていたでしょう、腹括りましょう…!」 黒百舌:「アナタ達も私の傀儡にしてあげますよ…!!!」 瑠璃隼:「今度はもう取り逃がしはしないぞ…黒百舌!」 0: 0: 0: 0:銃が乱射される 青鳶:「そこだ!!!」 赤鷲:「ぐっ…!!やるじゃねぇ、かぁあああっ!!」 青鳶:「がっ!!」 赤鷲:「もういっちょ!!」 青鳶:「させるかっ…!」 赤鷲:「ちぃっ、あぶねえじゃねえか…!」 黄鷹:「どっちも譲らねえな…」 白梟:「お互いに力が均衡してる…」 青鳶:「ぐはぁあっ!!」 白梟:「青坊!!」 赤鷲:「利き腕が動かねえ癖に思った以上に粘りやがる…」 青鳶:「はぁ…はぁ……くそっ!!」 赤鷲:「終いだ。」 黄鷹:「んのやろ…」 赤鷲:「テメェは動くんじゃねぇよ!」 0:黄鷹の足元を撃ち抜く 黄鷹:「ちっ…!」 青鳶:「うおおお!赤鷲ぃいい!」 赤鷲:「がむしゃらに突っ込んだ所でテメェはもう終わりなんだよ!!」 0: 黒百舌:「それはどうでしょうか。」 赤鷲:「っ!!?」 0:赤鷲の銃が弾かれる 青鳶:「…お、お前は……!!」 黄鷹:「とうとう来たか…」 白梟:「……黒百舌…」 赤鷲:「…テメエ………」 黒百舌:「お怪我は大丈夫ですか?青鳶さん?それに、他の皆様も無事……そんなわけないか。」 赤鷲:「…黒いのぉ……だいぶ久しぶりじゃねえか。」 黒百舌:「お久しぶりです、赤鷲さん。ええ、本当にお久しぶりですね。こうしてお会いするのはあの時以来、ですかね?」 赤鷲:「ずっと会いたかったぜ、その腹立つ面によぉ。」 黒百舌:「あらあら、そんな風に言って頂けるとは思わなかったので嬉しいです。感無量ですね。実は私もずっとアナタに会いたかったんですよ。」 赤鷲:「そうかそうか、そいつぁ両思いって奴だなぁ。」 黒百舌:「ええ、お互いにお互いの首へ両思いしているようですね。」 赤鷲:「早いとこその首に噛り付きたくてウズウズしちまうよ。」 青鳶:「黒百舌…お前、良くここへノコノコとやって来れたな…」 黒百舌:「青鳶さん、そんな傷で立ち上がってはお体に触りますよ?大人しくしてた方がいいんじゃないですか?」 青鳶:「お前に心配されなくても平気だ…お前を撃ち殺した後に存分に倒れてやるさ。」 黒百舌:「私を撃ち殺す…なぜですか?」 青鳶:「白々しい…そんなのお前自身が良く分かっている事だろう!」 黒百舌:「ふふふ……そうですね。ですが今のアナタに私を撃ち殺すなんて事出来るんですか?」 青鳶:「ああ、やれるさ。」 黒百舌:「そうですか……黄鷹さん、お願いします。」 黄鷹:「おうよ。悪ぃな鳶…っ!!」 0:青鳶を蹴り飛ばす 青鳶:「がっはぁっ!!」 白梟:「青坊っ!!!黄鷹アンタ……っ!!!!」 黄鷹:「悪ぃな、まぁそういうこった。」 白梟:「アンタ、結局味方なの敵なの!?どっちなんだよ!!」 黄鷹:「俺は面白そうな方に付くだけよ、誰の味方でもねえ。」 黒百舌:「あら、てっきり私の味方で居てくれているものだと思っていたのですが。」 黄鷹:「味方じゃねえ、お前の話に乗っかってるだけだ。その話に効力が無くなった時点で俺はお前をぶち抜く。」 黒百舌:「あらあら、怖いですねぇ…」 赤鷲:「俺を差し置いて他の奴らとベラベラ喋ってるなんて余裕あんな!!黒いのぉお!」 0:銃を放つ 黒百舌:「ふふ、嫉妬ですか?ご安心下さい、先にアナタとの因縁を付けてあげますからね!」 赤鷲:「そうじゃなきゃ困っちまうぜ!!」 青鳶:「う…ぐっ……黒百舌…!」 0:よろめきながら立ち上がる青鳶 黄鷹:「根性見せるじゃねえか鳶。でもお前の相手は俺だ、百舌じゃねえ。」 青鳶:「黄鷹……」 白梟:「黄鷹…1つ聞きたい事があるんだけどいいかい。」 黄鷹:「おう、なんだよ梟。」 白梟:「どうしてさっき、私の攻撃をわざと受けたんだ?いくらアンタでもあの程度の落とし穴避ける事が出来ただろうし、睡眠ガスなんてどうとでもなっただろ。」 黄鷹:「言ったじゃねえか、俺は面白い方に付くってよ。お前は最高に面白い女だ、お前の可能性を見たくなったんだよ。」 白梟:「本当は何か裏があるとか、そういうわけじゃないのかい?」 黄鷹:「んなもんねえよ。」 白梟:「ほんと…よく分からない男だよアンタは!!」 0:銃を放つ 黄鷹:「はっははぁあ!イイネぇえ!ラウンド2と行こうかぁあ!」 桃鶚:「はぁああ!!」 0:横から拳が飛び、咄嗟にガードする黄鷹 黄鷹:「なっっ!!?」 桃鶚:「はぁ…はぁ……良かった…最悪の結果にはまだなってないみたいね…」 青鳶:「鶚さん……どうして…」 白梟:「桃鶚さん…!」 黄鷹:「…お前は…鶚じゃねえか……どうやってここまで……百舌のシナリオじゃお前はぶっ倒れてるはずだろ!」 桃鶚:「そうね、でもアタシ達は猛禽族よ?しかもアナタ達よりもずっと昔からのね。舐めてもらっちゃ困るわよ。」 瑠璃隼:「そういう事だ、黒百舌が何を企んでいようが何度でも打破して見せる。」 黒百舌:「…桃鶚さんに瑠璃隼さん……確実に仕留めたと思ったんですがね…アナタ達のタフさには驚愕と尊敬を覚えますよ……」 赤鷲:「桃色のに瑠璃色の…か……こいつぁ懐かしい面々じゃねえか。面白くなってきやがった。」 瑠璃隼:「久しぶりだな、赤鷲。随分と老いたな。」 赤鷲:「テメェもな。」 桃鶚:「赤ちゃん…」 赤鷲:「感動の再会と言いたいが、俺はテメェらと遊んでる暇はねえんだわ。瑠璃色の、そこをどけ。その黒いのに用があんだよ。」 黒百舌:「赤鷲さん、遊んであげたいのは山々なんですがね…この状況では少々厳しいものがあります。」 赤鷲:「あ?」 黒百舌:「ですので…少し間引きをさせて下さい。」 赤鷲:「間引き…?」 黒百舌:「ええ。」 0:ノールックで桃鶚の腿を撃ち抜く 桃鶚:「がぁあっ!!」 青鳶:「鶚さんっ!!」 瑠璃隼:「黒百舌貴様!!」 黒百舌:「なんでしょうか?」 0:続けて白梟の脇腹を撃つ 白梟:「あぁっ…!!」 黄鷹:「っ!」 青鳶:「白梟!!黒百舌…!」 黒百舌:「桃鶚さんの俊敏さと白梟さんの多彩な攻撃は後に厄介になりますからね。」 桃鶚:「くっ…白ちゃん、大丈夫?」 白梟:「あ…う………私は…なんとか……」 黒百舌:「しぶといですね。赤鷲さんを始末した後にアナタ方も始末してあげますね。黄鷹さん、後のお2人はお任せしても宜しいですか?」 黄鷹:「……ああ、了解した……」 黒百舌:「任せましたよ…」 黄鷹:「お前を真っ先にぶっ潰してやらぁ!!」 0:黒百舌に回し蹴りをする 黒百舌:「………裏切るんですか?黄鷹さん?」 黄鷹:「裏切るも何もねぇ、ハナっから俺は誰の味方でもねえ!」 黒百舌:「この街の王になれなくなりますよ?」 黄鷹:「んなもんにさほど興味はねえよ、俺は面白けりゃなんでもいい!黒百舌、お前は面白くねえ!!」 0:連打を続ける 黒百舌:「そうですか…これだから女性に*現《うつつ》を抜かす方は…残念です…ねぇ!」 0:黄鷹のみぞおちに蹴りをいれ吹き飛ばす 黄鷹:「がっ…はぁっ…!!」 黒百舌:「こうなる可能性はありました、青鳶さん、瑠璃隼さん、黄鷹さん、そして赤鷲さん。どうぞ4人がかりでかかって来てください。アナタ達の全力を、私の培ってきたモノ全てを以て叩き潰してあげますよ。」 0: 0: 0: 瑠璃隼:「うおおおお!!」 黄鷹:「おらぁあああ!!」 黒百舌:「それじゃあ当たりません…よ!」 0:瑠璃隼に足払い、黄鷹に掌底 瑠璃隼:「ぐっ!」 黄鷹:「がぁっ!!」 青鳶:「くそっ!!」 赤鷲:「黒いのおおお!!!」 黒百舌:「4人がかりでコレですか、さっきの威勢はどうしたんですか皆さん?」 赤鷲:「テメェは今もあの時も、*腸《はらわた》が煮えくり返る程に腹が立ちやがる!!」 黒百舌:「そう褒めない下さい、照れちゃうじゃないですか。」 青鳶:「お前が母さんを殺した事を知っている、何故殺したんだ!答えろ黒百舌!」 黒百舌:「知った所で何の意味もありませんよ、何故ならアナタ達はここで死ぬんですから…ね!」 0:青鳶に銃口を向ける 瑠璃隼:「させるかぁあ!!」 0:投げた警棒で弾道をそらす 黒百舌:「あら。」 黄鷹:「うぉあらぁあ!!」 黒百舌:「がっ…!!」 黄鷹:「やっと吹き飛びやがったか百舌!!どうよ、俺様の左フック!!!」 黒百舌:「ふふ…アナタ自身のように軽い拳ですね……拳はこう振るうんですよ!」 黄鷹:「ぐぁあっ…」 赤鷲:「俺に背を向けて余裕だな黒いの!」 黒百舌:「そんなの分かってるに決まってるじゃないですか!」 0:目の前の黄鷹を赤鷲に投げ飛ばす 赤鷲:「なっ!ぐっ…!」 黄鷹:「ぐぁ!!」 瑠璃隼:「青鳶!援護しろ!」 青鳶:「ああ!!」 黒百舌:「挟み撃ちですか、無駄ですよ。」 瑠璃隼:「過去お前にやられた借りを返してやる!!」 黒百舌:「あの夜の事ですね、いやはや私は皆さんから恨みを買われているようですね。罪深いですね。」 瑠璃隼:「その罪の重さをその身で受けろ!」 黒百舌:「なぁっ!?」 0:黒百舌を拘束する瑠璃隼 瑠璃隼:「このままコイツを撃て!青鳶!」 青鳶:「っ…分かった…!!」 黒百舌:「ふふ…これで勝った気で居ないで下さい…ねっ!!」 瑠璃隼:「な、に!!ぐぅ!」 0:身体をねじ込み拘束から開放される 黒百舌:「私の身体が小さいからと侮りすぎですよ、バカな隼さん!」 0:投げ飛ばされる瑠璃隼 瑠璃隼:「がはぁあ!」 黒百舌:「さて、残ったのは青鳶さん。アナタ1人ですね。」 青鳶:「…もう1度聞く。何故お前は母さんを殺した。」 黒百舌:「またその質問ですか。質問に質問で返すようで申し訳ないですが、何故アナタはそれが知りたいのですか?」 青鳶:「答えろ。」 黒百舌:「……まあいいですよ。答えは至極簡単な事です。力が欲しかったからですよ。」 青鳶:「力?」 黒百舌:「私はかつて、猛禽族のテリトリー外の区域…貧困に苦しむ人が集まるスラムで生を受け育ちました。そこでは法も秩序も何もありませんでした、食べる物も無くお金も無く毎日を生きる事で精一杯でした。 黒百舌:私は幼い頃から猛禽族のテリトリーに侵入し盗みを働き生計を立てていたんです。そうしなければ生きていけなかったから。そんな中、そこで転がっている瑠璃隼さんに見つかり命を落としかけたんです…そこからです、力を得ればこんな事にはならないと。力を得れば今まで貧困というだけで蔑んできた奴らを、カラスというだけで見下して来た奴らを見返せると…!!そう思うようになったのは。」 青鳶:「それと母さんが殺される事になんの意味が…!」 黒百舌:「当時最強の猛禽族として君臨していたのは赤鷲さんでした、私はその最強を倒す事で一瞬にしてトップに立てるのではないかと思ったんです。ですが、赤鷲さんを直接倒すのは難しい…そこで考えたのは家族を殺す事で赤鷲さん本人の精神を乱しその隙に殺すのはどうかと……現実はそう甘くなかったですね。アナタのお母様を…赤鷲さんの奥様を殺す事には成功しましたが……見事私は赤鷲さんに負け、傷を作り逃げ帰る事しか出来ませんでした。」 青鳶:「そんな事の為に…お前の私利私欲の為に母さんは殺されたって言うのか!」 黒百舌:「お言葉ですが、それがこの街なんですよ。力が全てのこの街において私利私欲は最も必要なモノですよ。力を得る為に何かが犠牲になるのは必然。アナタのお母様は、私の力の糧になったのです。」 青鳶:「お前の為に母さんが犠牲に…?ふざけるな!!」 黒百舌:「私はこの街のルールに則って行動したに過ぎません。文句を言うのであれば、助けられなかった赤鷲さんに言うべきでは?」 赤鷲:「…さっきからごちゃごちゃと言いやがって……」 0:ゆっくり立ち上がる赤鷲 青鳶:「赤鷲…」 赤鷲:「確かにあの時、俺が帰るのが遅かったが為に妻は殺された。だが、こんな街に住んでいる以上仕方なかった事とも言える。」 青鳶:「赤鷲お前っ!」 赤鷲:「あの時の事は何もかも鮮明に覚えてる…自分への不甲斐なさ、妻への後悔、青いの…お前への申し訳なさ……」 青鳶:「っ…!」 赤鷲:「そして、黒いの。テメエへの憎悪をな……」 黒百舌:「ふふ…」 赤鷲:「ある意味じゃあ感謝はしているんだ。改めてこの街の生き方を認識できた、今のままじゃ何も守れねえってな。」 黒百舌:「そしてアナタは愛を捨て暴君へとなった。」 赤鷲:「そういうこった。けどそれももう終わりにしようぜ、憎しみの連鎖はここで断ち切らせてもらう!!」 0:駆ける赤鷲 黒百舌:「まだそんな力が残っているなんて、さすが絶対王者ですね!」 赤鷲:「まだ衰えちゃいねえよ!おらあ!!」 黒百舌:「くっ!どこからこんなパワーが出るんです…か!!」 赤鷲:「ぐっ…!これがお前の憧れた最強の猛禽族だぜ!」 黒百舌:「っ…バケモノですね……!」 赤鷲:「これだけの人数を1人で相手したテメエの方がバケモノだと思うがな。」 黒百舌:「褒めた所で何も出ませんよ!!」 赤鷲:「あの時みてえにまた逃げ出してもいいんだぜ?」 黒百舌:「ちっ…」 青鳶:「赤鷲、援護する!」 0:銃を構える 赤鷲:「下手な援護したら容赦しねえぞ!」 黒百舌:「厄介ですね…まずは青鳶さんから始末しますか!」 0:黒百舌の頬を弾丸がかすめる 白梟:「青坊は…私が……」 黒百舌:「危ないじゃないですか…死に損ないさん…先に死にたいんですか?」 0:白梟に銃口を向ける 青鳶:「白梟!くそ、間に合わない…!」 赤鷲:「黒いの…!!」 白梟:「……青坊…」 0:弾が放たれる 黄鷹:「っ!!」 黒百舌:「……ほお…」 白梟:「…え……な、なんで……」 青鳶:「黄鷹…お前…」 黄鷹:「が…あ………」 0:胸を貫かれて倒れる黄鷹 白梟:「いやああああああ!!黄鷹ぁああああ!」 瑠璃隼:「くっ…黒百舌貴様ぁあああ!!!」 桃鶚:「るりりんダメ…落ち着いて…!」 瑠璃隼:「うおおおおお!!」 黒百舌:「品性の欠片も無いですね…ただ突っ込んでくるだけとは…」 青鳶:「黒百舌…!!」 赤鷲:「俺らが居る事を忘れたか黒いの!!」 黒百舌:「おっと、そうでしたね。これは捌くのが大変だ。」 白梟:「黄鷹、黄鷹!目を覚まして!黄鷹!!」 黄鷹:「……おいおい…なに、泣いてんだよ……梟…おれぁ…敵なんだぜ…」 白梟:「なんで私を庇ったんだよ!どうして…アンタがそんな事するんだよ!!」 黄鷹:「……なんでかね……分かんねえ…」 白梟:「分かんねえって…」 黄鷹:「もう泣き止め…せっかくのイイ女が……台無しだぜ………俺の惚れた女は、最後まで……イイ女でいろ、よ…」 白梟:「何それ…意味わかんない……カッコつけんなよ…」 黄鷹:「はは…俺の女に…なる気になったか…?」 白梟:「っ……これっぽちもなる気はないね…バカ黄鷹…」 黄鷹:「…やっぱ…お前、は…イイ…女……だ……」 0:力なく黄鷹が崩れる 白梟:「黄鷹?ねえ、黄鷹?ねえってば!!黄鷹ぁああ!!」 桃鶚:「白ちゃん…」 瑠璃隼:「ぐっぁああ!!」 青鳶:「瑠璃隼!大丈夫か!!」 瑠璃隼:「はあ…はあ、無論だ…!」 黒百舌:「ふふふ……いいですねえいいですねえ!黄鷹さんを失い、焦る皆さんの顔が最高ですね!! 黒百舌:彼は最高の駒でした、見事皆さんに手傷を負わせ心までも傷つかせてくれたのですから!!」 白梟:「許せない…黒百舌ううう!!」 赤鷲:「白いのは下がってろ!!桃色の!そいつを抑えとけ!!」 桃鶚:「え、ええ!!」 白梟:「離してください桃鶚さん!」 桃鶚:「ダメよ白ちゃん!ここでアナタまで倒れたら青ちゃんがどうなるか分かってるの!?」 白梟:「でも!」 桃鶚:「悔しいのは皆そう、黒ちゃんを倒す為にもここは落ち着いて、ね?」 白梟:「…ちくしょう……!」 赤鷲:「黒いの、テメエはどこまでも卑劣だな…」 黒百舌:「ええ、そうでしょう?それが私なんです。」 桃鶚:「黒ちゃん、それは違うわ。本当のアナタはもっと優しい子だったんじゃないの?」 黒百舌:「私が?なぜ?」 桃鶚:「私も、赤ちゃんも、皆お母さんから産まれてたくさんの愛情を注がれて育つわ。」 黒百舌:「っ…」 桃鶚:「優しい声、優しい笑顔、沢山の温もりと愛に包まれた人が根っからの悪なんて事はないはずよ。だからきっとアナタも…」 黒百舌:「うるさい!!うるさいんですよ…!!さっきからなんですか、愛とかお母さんとか…そんなくだらないモノがなんですか?私が優しい?根っからの悪じゃない?何を言っているんですか?私は悪でも正義でもなければ優しさも持ち合わせていないです!私は私だ!」 桃鶚:「何を取り乱しているの黒ちゃん?アナタ自身気づいているんじゃないの?この街の権力じゃなく違うモノをアナタ自身が欲している事に。」 黒百舌:「知らない…知らない知らない!そんなモノは知らない!私は取り乱してなんかいない!!違う、違うんだ!!愛がなんだ、そんなモノがなんになるって言うんだ!!」 桃鶚:「アナタは愛情に飢えている!!母親という温もりに!愛情という温もりに!!アナタは飢えているのよ!」 黒百舌:「うるさい!うるさいうるさいうるさい!!黙れぇええ!!!」 0:銃を構える黒百舌を拘束する瑠璃隼 黒百舌:「ぐっ!!?」 瑠璃隼:「ようやく隙を見せてくれたな黒百舌!」 黒百舌:「なっ…!!離せ!」 瑠璃隼:「やっと捕らえたんだ、ここで離すなんて事出来るわけがないだろう!」 黒百舌:「っくそ…!」 瑠璃隼:「白梟、俺ごと爆弾で吹き飛ばせ!!持っているんだろう!」 白梟:「え……で、でも!あるけどこれは…威力が強すぎて……生身で受けたら…」 瑠璃隼:「こいつを倒すにはそれしかない!勝機を逃すな!」 黒百舌:「でもアナタ1人の拘束如き…!!」 0:桃鶚も拘束に加わる 桃鶚:「これで、もう逃げられないでしょ!!」 瑠璃隼:「桃鶚…!」 桃鶚:「るりりんだけカッコつけようなんて許さないわよ。白ちゃん、お願いやって。」 黒百舌:「く…、アナタ達はバカですか、私1人の為にこんな!」 桃鶚:「バカで結構よ。アナタに最後、現実を突きつける事が出来て良かったわ。」 黒百舌:「くそ…大バカ者ですね…」 瑠璃隼:「早くやれ白梟!!!」 白梟:「っ……出来ない、出来ないよ…私にこんな………黄鷹だけじゃなくて、今度は2人を失えって言うの!?」 赤鷲:「またとない勝機と、アイツらの覚悟を無駄にするな白いの!!お前の甘い気持ち1つで全員が死ぬかも知れねえんだぞ!!」 青鳶:「…俺からも頼む、白梟……」 白梟:「……瑠璃隼…桃鶚さん……」 桃鶚:「さあ、お願い!!」 白梟:「………っ分かった、分かったよ…!!ごめんなさい………瑠璃隼、桃鶚さん……!!本当に…本当にありがとう…!!」 0:グレネードのピンを外し投擲する 瑠璃隼:「地獄まで付き合ってもらうぞ、黒百舌。」 桃鶚:「じゃあね、青ちゃん先に行ってくるわね……今まで幸せだったわよ。」 青鳶:「…今までありがとうございました……鶚さん……」 黒百舌:「くっ…!!!」 0:グレネードが起爆する 青鳶:「っ…」 白梟:「…うう…ううう……2人共…」 赤鷲:「アイツらの死を無駄にするな。己の覚悟を決めて行動したんだ。」 白梟:「……分かってる…分かってるけど…」 青鳶:「……鶚さん…アナタには感謝してもしきれません……ありがとうございました………っ!この気配…」 0:砂煙の中、1人立っている 赤鷲:「まて……あれは…」 白梟:「…うそ……でしょ…直撃したはずじゃ……」 青鳶:「……これは想定外だ………黒百舌…!」 黒百舌:「はぁ……はあ……くっうう……やってくれましたね、瑠璃隼さん、桃鶚さん……」 白梟:「どうして…どうしてまだ生きてるんだよ!!!」 赤鷲:「さすがに立ってるだけでやっとって所だろうな。皮膚はただれて全身激痛に襲われているはずだ。」 青鳶:「そこまでして、どうしてお前は立ち上がる黒百舌。」 黒百舌:「はあ…はあ……どうして…?この鳥カゴの神になる為だ!!お前ら全員この手でぶっ殺して私はこの鳥カゴを支配するんだよ!!私は醜くなんかない、私は可哀そうじゃない!私こそが最強なんだと知らしめる為に!!」 0:よろめきながらナイフを持って赤鷲に向かって走る 黒百舌:「うあああああああ!!!私が高貴で崇高な猛禽類!!猛禽の頂点だぁああああああ!!!」 赤鷲:「…黒いの。テメエは強い、強すぎたさ……だが同じく強さを求めた俺だから分かる事がある。貪欲に強さを求めた俺らは、どこまでも醜いんだってな。」 0:黒百舌のナイフが赤鷲の胸を刺す 赤鷲:「ぐっ…!」 白梟:「赤鷲!!」 青鳶:「赤鷲なんで……なんで避けないんだ!」 黒百舌:「あ…あ……!やった、やったぞ!!赤鷲を…!最強の猛禽族を……がっはぁ…!!」 0:赤鷲がナイフで黒百舌の首を切る 赤鷲:「…本当に必要なもんを捨てて手に入れた強さってのは、真の強さなんかじゃねえ……そんな事に気づかねえ内は一生かけたって強くなんかならねえよ。バケモノじみたタフさがあろうと、頭の回転が速かろうと…必ず本当の強さを持った奴らにヤラれる。」 黒百舌:「き…さま………」 赤鷲:「黒いの…俺は時間はかかっちまったがその真意をやっと思い出せたんだ。愛情こそが何よりも強いってな……ずっと知ってた事なのに俺はそれを捨てちまってた。」 黒百舌:「あい…じょう……そんなもの…」 赤鷲:「俺が…思い出せたんだ……テメエにも出来るはずさ………あの世で一緒に…勉強、しなおそうぜ…」 黒百舌:「……一緒に…か………それは…遠慮……する……よ……」 0:黒百舌が倒れる 青鳶:「赤鷲!」 赤鷲:「ぜえ…ぜえ……結局、共闘しちまったな……」 青鳶:「こっちとしては願ったり叶ったりだ。」 白梟:「赤鷲……この出血量…もう……」 赤鷲:「自分の最後くらいわかってらぁ…………おい…青いの。」 青鳶:「なんだ…」 赤鷲:「テメエの手で、俺を終いにしてくれ。」 青鳶:「…なに?」 赤鷲:「俺はあの時からずっと……復讐の為だけに生きてきた……残った息子を捨て、信頼してくれていた民を捨て…ただ、力を求めて……黒いのを殺す為だけに…」 白梟:「赤鷲…」 赤鷲:「どこかで俺は…この人生を終わりにしたかったんだ……だからお前と再会して思った……お前になら、殺されてもいいってな……」 青鳶:「20年ぶりの再会が最悪な思い出になった。」 赤鷲:「…そうだな……すまなかった…ずっと親らしい事が出来なくて……守ってやれなくて…すまなかった……」 青鳶:「…アンタは守ってくれたよ。俺を黒百舌から逃がしてくれた、不器用だけど俺の事を守る為に助けてくれた。」 赤鷲:「……やっぱ桃色の…色々知ってやがったのか……くっ…あっ…」 白梟:「赤鷲、もう……」 青鳶:「鶚さんはあの後、俺を保護して養子にしてくれたんだ。知っている事を俺に教えてくれた。黒百舌の事も、アンタの事も。だから俺はこの街に来て、アンタの代わりに復讐をしようと思ったんだ。」 赤鷲:「はは……テメエも…不器用、じゃねえか……」 青鳶:「お互い様だな。」 赤鷲:「…もう時間がねえ……俺を撃て青いの…」 青鳶:「ああ……終わりにしてやる。この20年の長い戦いを…お前の苦しみを、ここで。」 0:赤鷲の額に銃口を当てる 赤鷲:「……ありがとな。バカ息子。」 青鳶:「……ありがとう。バカ親父。」 0: 0: 0: 0: 0: 0:数週間後、病院の屋上 白梟:「青坊。やっぱり屋上に居た。」 青鳶:「白梟…」 白梟:「ケガはもういいのかい?」 青鳶:「ああ、白梟も大丈夫か?」 白梟:「すっかり完治したよ。」 青鳶:「それは良かった。」 白梟:「…青坊はさ、この後どうするか決めた?」 青鳶:「どうするか?」 白梟:「この間の戦いから、この街のルールは変わって猛禽族も要らなくなった。もうこの街の人達は私達が居なくても生きていけるんだ。」 青鳶:「………そうだな。」 白梟:「私はね、この街に残ろうと思うんだ。黄鷹が残していった仲間たちや私の仲間達が心配だしね。」 青鳶:「良いと思う。きっと黄鷹もそうしていただろう。」 白梟:「でしょ。それにここに居ればお墓参りもできるしね。」 青鳶:「…俺は、母さんの故郷に戻ろうと思う。」 白梟:「お母さんの?」 青鳶:「ああ。とある港町だそうだ、海が凄く綺麗だと昔母さんが教えてくれた。そこに母さんの墓があると鶚さんから聞いたことがある、その墓の隣に赤鷲…親父の墓を建ててやりたいんだ。」 白梟:「そっか…うん、そうしてあげなよ。きっとお母さんも、赤鷲も喜ぶと思うよ。」 青鳶:「ああ。」 白梟:「私ね……青坊……」 青鳶:「なんだ白梟。」 白梟:「私……ずっと青坊の事………ううん、なんでもない。またこの街に寄る事があったら顔くらい見せてね。」 青鳶:「…ああ、黄鷹と鶚さん、瑠璃隼にもよろしく伝えておいてくれ。」 白梟:「うん、分かった。任せといて。」 青鳶:「…じゃあな、白梟。」 白梟:「またね、青坊。」 0: 0: 0: 0: 0: 0:数年後、とある港町 青鳶:「相変わらずここの海は綺麗だな。あの鳥カゴから飛び立ってもう数年……あのままあそこに居たらこの景色は2度と見れなかっただろうな。ここを教えてくれた鶚さん、ここで産まれた母さん、そしてそんな母さんと一緒になった親父には感謝しないとな。 青鳶:………母さん、親父。俺は全てを終わらせる為に、2度と2人のような犠牲者を生み出さない為にもう1度あの街に戻る。 青鳶:猛禽族という存在が居なくなってもあの街の現状は*芳《かんば》しくない。この状態が続けば黒百舌のような存在が再び現れかねない、俺はそれを阻止したい。 青鳶:この数年、ずっとそれを考えてきた。街から離れた事で見えた事もある。俺はもう1度あの街の空の支配者になる。 青鳶:今日はその報告に来た、恐らくここへはもう来ない。次会う時は、きっと地獄だろうな……最後に挨拶が出来て良かった。じゃあな…2人共。」 0: 0: 0: 0: 0: 青鳶:【N】この街は力が全てだ 0: 赤鷲:【N】愛する妻を守れなかった鷲は、愛を捨て復讐の炎をその身に宿し絶対的な暴力を得た 0: 黄鷹:【N】高みを目指した鷹は、自由に羽ばたくその翼で*他《た》を魅了し圧倒的なカリスマ性を得た 0: 白梟:【N】純白を纏う梟は、慕う者を守る為に全てを知り尽くす情報力を得た 0: 瑠璃隼:【N】規律と秩序を重んじた隼は、歪んだ悪を嫌悪し行き過ぎた正義を得た 0: 桃鶚:【N】欲を求めた鶚は、己の信念を曲げず忠実であろうと何物にも曲げられない欲望を得た 0: 黒百舌:【N】そして蔑まれてきた百舌は、鳥カゴを支配する為に愛を忘れ爪を研ぎ、巧みに惑わす力を得た 0: 青鳶:【N】この街において、それらの力を以て他の者を圧倒し頂点に君臨する者には、力と畏怖の象徴である猛禽類の名と、その者を現す色を与えられこう呼ばれていた 青鳶:……『猛禽族』…と 0: 0: 0: 青鳶:【N】そして鳶は、街を畏怖の青へと染めていく…

青鳶:【N】この街は力が全てだ 青鳶:暴力、冷静さ、統制力……あらゆる力によってこの街は支配され、統治されている 青鳶:そして、それらの力を以て他の者を圧倒し頂点に君臨する者に、力と畏怖の象徴である猛禽類の名と、その者を現す色を与えられこう呼ばれている 青鳶:……『猛禽族』…と 0: 0: 0: 0: 0: 黄鷹:「カラスくーん、いつまで追いかけっこ続けるんだぁ?もう俺飽きちまったからよぉ、いい加減終わりにしよーぜぇ?ここはこの俺、黄鷹様のテリトリーなんだぜ?どんなに逃げた所でどうせこの俺様からは逃げらんねえんだからよ諦めて殺されてくれよ。」 0:逃げるカラス、行き止まりに当たる 黄鷹:「あらら…残念。行き止まりだったねえ。お前の命はここで散るって運命だったみたいだな。そもそも、この街には他のテリトリーに許可なく侵入した場合に制裁が加えられるってルールがあんだろ?それを無視して逃げるってのがいけねえよなあ?つまりこれは必要な事なんだ、悪く思うなよ。」 0:カラスの眉間に弾丸を1発撃ち込む 黄鷹:「もう2度と俺のテリトリーを荒らすなよ、クソカラス。って言ってももう動かねえか。おい!お前ら!このクソカラスの処理をやっておけ!」 黒百舌:「さすが黄鷹さん、慈悲もなにも無いですねぇ…」 黄鷹:「っ!てめえ…どっから湧きやがった!」 黒百舌:「あらあら、そんな身構えないでください。そう構えられると話せるものも話せなくなります。」 黄鷹:「許可なくテリトリーに侵入した者には制裁が加えられる、まさか猛禽族であるてめえが知らねえとかねえよな?百舌。」 黒百舌:「もちろん、存じていますよ。」 黄鷹:「なら覚悟は出来てんだろうな…」 黒百舌:「ここで私を殺しても構いませんが…そうなるとアナタの悲願は遠のきますが……それでもよろしいんですか?」 黄鷹:「…どういう事だ?」 黒百舌:「私はアナタの悲願を達成する為に必要な情報を持っています。私が死ねばその情報を得られません。」 黄鷹:「その情報を聞き出してからお前を殺す、そうする事だってできる。」 黒百舌:「いいえ、出来ません。」 黄鷹:「…んだと?」 黒百舌:「この情報を知ればアナタは私と必ず手を組みます。殺すなんて真似は出来ませんよ。」 黄鷹:「……ほお?」 黒百舌:「さあ、どうしますか?まずはお話だけでも聞きませんか?」 黄鷹:「…くだらない話だったらその頭をぶち抜くからな。覚悟をしておけよ百舌。」 黒百舌:「あらあら…それはそれは……怖いですねぇ。」 0: 0: 0: 0:青鳶の事務所 桃鶚:「青ちゃん、青ちゃん!!いい加減起きなさい。何時だと思ってるの?」 青鳶:「ん…んん……鶚さん…?」 桃鶚:「今日は出かける予定があるんじゃなかったの?」 青鳶:「……ああ…そうだった……」 桃鶚:「青ちゃんてばホント朝苦手よね。それ以外は完璧なのに。」 青鳶:「夜中まで調べものをしてたからな…余計に起きれなかった。」 桃鶚:「調べものしてようがしてまいがいつも遅いじゃない。」 青鳶:「…そう…だな…」 桃鶚:「ほら、顔洗ってシャキっとしてきなさい。」 青鳶:「ああ。」 桃鶚:「青ちゃんを保護して20年近く経つけど…ホント、いつまで経っても子供のままね。しっかりしてそうで抜けてる…そこが可愛い所なんだけど。」 青鳶:「それじゃあ行ってくる。」 桃鶚:「あ、うん。気を付けてね。」 青鳶:「ああ。」 桃鶚:「行ってらっしゃい。」 0: 0: 0: 青鳶:【N】俺が暮らすこの街は、古今東西のワケアリが集うならず者の街だ 青鳶:この街は全て力で決まる、腕力による支配、運による成り上がり、知力による策略……ありとあらゆる力を行使する事でこの街では上へ行ける 青鳶:そうして頂点に上り詰めた者には、街の人達から王の称号である猛禽類の名とその者を指し示す色を与えられる 青鳶:俺と鶚さんは数年前にこの街へとやって来た、ある目的を果たす為に… 0: 青鳶:「この手で…全てを終わらせるんだ……」 白梟:「何を終わらせるって?」 0:後ろから目を覆われる青鳶 青鳶:「前が見えない、白梟。」 白梟:「…そこはもう少しリアクションをしてくれないかな?反応が無い男はモテないよ?青坊。」 青鳶:「そうか。それで、話とはなんだ?」 白梟:「相も変わらず淡泊だね…ここで立ち話もなんだ、近くにカフェがあるそこで話そうか。」 0: 0: 0: 0: 0:黄鷹の事務所 黄鷹:「それで、お前が持ってる情報はなんだ?」 黒百舌:「ええ、単刀直入に申し上げますと……近々アナタは王になれます。」 黄鷹:「…あ?」 黒百舌:「おや、嬉しくないのですか?」 黄鷹:「てめえ、舐めてんのか?情報を寄こせって言ってんだ、はぐらかすってんならその頭に鉛玉ぶち込むぞ?」 黒百舌:「あらあら、それはそれは怖いですね。風穴が空くのは本望ではないので、もう少し詳細をお伝えしますね。 黒百舌:1週間後、かつてこの街のほとんどを支配していたあの方……我々鳥達の頂点に君臨していた王が帰って来るそうです。」 黄鷹:「あの方…?王…?それってまさか……」 黒百舌:「ええ、赤鷲さんです。」 黄鷹:「数年前に突然いなくなったジジイがどうしてまたこの街に…」 黒百舌:「詳しい理由までは分かりませんが、この情報は確実です。そしてもう1つ。」 黄鷹:「…なんだ。」 黒百舌:「現猛禽族である青鳶さんは、その赤鷲さんの実のご子息です。」 黄鷹:「……なんだと…?鳶の野郎が?」 黒百舌:「ええ、これも嘘偽りのない真実です。」 黄鷹:「だが、その情報と俺が王になる事は関係ねえだろ。」 黒百舌:「いいえ、赤鷲さんがこの街に戻ってくるとなれば現猛禽族達は当然黙ってはいません。もちろん私もアナタも例に漏れずね。青鳶さんは実の父親である赤鷲さんを頼りに行くでしょう。 黒百舌:そしてこの街は今まで以上に荒れに荒れるでしょう、戻ってきた王は再びその暴力で支配を始め、他の猛禽族達は各々の力で対抗する。 黒百舌:そこで、その抗争を利用するんです。全体が乱れている中、黄鷹さんが全員の命を掠め取っていくんです。そう…さながら鷹のようにね。」 黄鷹:「どさくさに紛れてって奴か、そう上手く行くとは思えないけどな。他の連中も腐っても猛禽族だ。」 黒百舌:「大丈夫です。この私が居ます。」 黄鷹:「お前に何ができる最弱の猛禽族。」 黒百舌:「ふふ…最弱は最弱なりの戦い方があります。私も腐っても猛禽族ですからね…」 黄鷹:「…で、俺を王にするメリットはなんだ?今の所お前になにも無いじゃないか。」 黒百舌:「メリットはあります、私にとっての弊害…赤鷲さんという邪魔者が居なくなります。」 黄鷹:「それだけか?」 黒百舌:「それだけでいいんです。それさえ居無くなれば…それだけが居無くなれば私の悲願は達成されます。」 黄鷹:「…そうか。分かった。」 黒百舌:「さあ黄鷹さん、これで私の話せる情報は無くなりました。どうします?私を殺しますか?」 黄鷹:「……いいや、使える所まで使って、その後に始末する。」 黒百舌:「それはそれは…後が怖いですが、手を取っていただけるという事ですね。」 黄鷹:「使えないと判断した時点で切り捨てるからな。」 黒百舌:「それはもう、承知致しておりますとも。」 0: 0: 0: 0: 0:青鳶のテリトリーのカフェ 白梟:「それにしても青坊のテリトリーはホント平和そのものだよね、皆幸せそう。」 青鳶:「そうか?白梟の所も落ち着いた雰囲気じゃないか。」 白梟:「まだ、ね。私自身そんなに争いは好きじゃないし、本当に必要な時にしか武力行使はしないって決めてるから。」 青鳶:「ちゃんとメリハリもあって、それが街の雰囲気に出ていると思う。」 白梟:「自分が褒められると疑問を持つのに、人にはそういう風に言うんだね青坊。」 青鳶:「…良く分からないが…すまない。」 白梟:「謝る事じゃないよ。さ、長話もなんだ。今日呼び出した件の話題に入ろうじゃないか。」 青鳶:「ああ。」 白梟:「まずはこの映像を見て。」 0:バッグから取り出したタブレットの画面を見せる 白梟:「この人影、見覚え無いかな?」 青鳶:「こいつは……まさか…」 白梟:「そう、そのまさかだよ。こいつは青坊に頼まれて探していた、あの最強の暴力『赤鷲』だ。」 青鳶:「赤鷲……」 白梟:「近々赤鷲はこの街に戻ってくるみたい。理由までは分からないけどね。戻ってきたら荒れに荒れるだろうね、ギリギリの所で均衡してた勢力が途端に崩壊するわけだからね。」 青鳶:「きっと…赤鷲の狙いは黒百舌だ。」 白梟:「黒百舌?どうして?奴が猛禽族になった時にはもう、赤鷲は消息を絶っていたはずだろう?2人に面識はないはずだけど…」 青鳶:「それ以前に2人は会っていたんだ。その時に因縁がある。」 白梟:「因縁?」 青鳶:「赤鷲の妻は既に亡くなっている。手にかけたのは…黒百舌だ。」 白梟:「なっ!!?」 0:勢いよく椅子から立ち上がる白梟 青鳶:「何があったのか詳しい所まで知っているわけじゃない。これは全て鶚さん……俺の育ての親から聞いた話だ。」 白梟:「鶚さん…昔猛禽族だったっていう人だよね。」 青鳶:「そうだ。」 白梟:「どうして鶚さんはその話を青坊にしたの?青坊が赤鷲を探していた事と関係があるの?」 青鳶:「……。」 白梟:「別に答えたくないなら構わないよ。無理に聞きたい訳じゃないし、聞けなかったからって今後協力しなくなる訳じゃないから。」 青鳶:「…赤鷲は俺の父親なんだ。」 白梟:「…え?父親…?あの赤鷲と青坊が……?」 青鳶:「そうだ。」 白梟:「え、ちょっとまって…それって…つまり……黒百舌は青坊のお母さんを殺したって事になるの?」 青鳶:「そういう事になる。だから俺はどんな手を使ってでも黒百舌を殺す。その為に赤鷲…奴の手も借りる。」 白梟:「だから青坊は赤鷲を探していたのか…同じく復讐に燃えているであろう赤鷲と協力して黒百舌を倒す為に…」 青鳶:「そうだ。復讐の為に力を付けこの街に来た。しかしその時には奴は街を離れて姿をくらましていた……だがようやく、その時が来たんだ…」 0:小さく拳を握る青鳶 白梟:「青坊…」 青鳶:「だが、赤鷲がそうすんなり強力してくれるとも限らないし黒百舌が簡単にやられるとも思えない。」 白梟:「そうだね。」 青鳶:「そして最悪の場合、他の猛禽族が手を出してこないとも限らない。そうなった時、白梟、手を貸してくれるか?」 白梟:「私が裏切るって可能性は考えないのかい?」 青鳶:「お前は大丈夫だ。」 白梟:「即答だね……一体どこから生まれるんだよその信頼は。」 青鳶:「裏切る可能性があるならこうして情報提供もしないし、協力もしないだろ。」 白梟:「青坊が誰かに騙されないか心配だよ。分かった、他の猛禽族が青坊を邪魔しないように抑えてみるよ。 白梟:でも私は戦闘に向いてない、必要以上の期待はしない事!いいね!?」 青鳶:「ああ、分かっている。」 白梟:「…さ、当日に向けての作戦会議をしようじゃないか。」 0: 0: 0: 瑠璃隼:「………街が騒がしいな…嫌な予感がする。この街の秩序の為、警備を強化せねばならないな。 瑠璃隼:何事も無ければいいが…」 0: 0: 0: 0: 0:1週間後 青鳶:「それじゃあ行ってきます。」 桃鶚:「気を付けてね青ちゃん。」 青鳶:「他の猛禽族達がどう動くか分からないから鶚さんも気を付けて。」 桃鶚:「心配してくれるのね、嬉しいわ。でも大丈夫、こう見えてアタシ強いのよ?」 青鳶:「分かってる。だが用心をするに越したことはない。」 桃鶚:「ええ。ありがとう。」 0:青鳶が家を出る 桃鶚:「……赤ちゃんがとうとう動き出す…私もそろそろ動かなきゃいけないみたいね…赤ちゃん、アナタが残したヒナは私が最後まで守り抜くわ。」 0: 0: 0: 黄鷹:「おい百舌。本当に今日鷲のジジイは現れるんだろうな?」 黒百舌:「ええ、私の情報は間違いありません。それに他の皆さんも各々動き始めたようですし……これからこの街は、1つの大きな戦場になるんです。ワクワクしますねぇ…」 黄鷹:「勝算はあるんだろうな?」 黒百舌:「もちろんですとも。手筈通りに行けば私達の…いえ、アナタの勝利は確実ですよ。」 黄鷹:「……ヘマはするんじゃねえぞ、百舌。」 黒百舌:「ええ、お任せください。必ず王にして見せましょう。」 0: 0: 0: 赤鷲:「準備は整った。アイツを殺す為の全ての過程が終わった。ここからは存分に暴れてやろうぜテメエら!! 赤鷲:さあ、長い長い因縁の決着を付けようぜ黒いの……その首を洗って待ってろよお…!!」 0: 0: 0: 0: 0: 0:ビルの屋上 黒百舌:「さあ、決戦の火蓋は切って落とされました……皆さん…私のシナリオ通りにどうぞ動いてくださいね…」 黄鷹:「……んじゃ、俺はそのシナリオ通り梟を潰しに行ってくる。」 黒百舌:「ええ、よろしくお願いしますね。」 黄鷹:「任せとけ。」 黒百舌:「さて、それじゃあ私も動きますかね。」 0:通信端末を手にする黒百舌 0: 0: 0: 白梟:「赤鷲が動き始めた…メンバーの皆、準備は良い?あくまで私達は攻撃してきた赤鷲メンバーを抑えるだけ、青坊が赤鷲との話し合いが出来る時間を稼げればそれでいい。分かったかい?」 0:赤鷲のメンバーが街の中に入ってくる 白梟:「さあ、行くよ皆!無理だけはしないようにね!」 黄鷹:「お前は俺の相手をしてくれよ、梟ちゃん。」 白梟:「っ!?」 黄鷹:「はっはは!言い驚きっぷりじゃねえか、かっわいいなおい。」 白梟:「黄鷹…!?アンタなんでここに…!なにしに来たの!」 黄鷹:「なにしにって…まさか俺らが動かないとは思ってなかったわけじゃねえだろ?」 白梟:「それはもちろん混乱に乗じて何かしらの動きはあると思ったよ、でも私の考えだと赤鷲の方に行くと思ったんだけどね…」 黄鷹:「ああ、普通ならな。」 白梟:「普通なら…?」 黄鷹:「いやあな、梟の魅力的なオーラに誘われてこっちに釣られちまったんだよ。」 白梟:「見え透いた嘘を…」 黄鷹:「まあ、細けえ事は良いんだよ、なんにせよ事実俺は今こうして…お前の目の前に居るんだから……なあああ!!」 0:素早く拳を打ち込む黄鷹 白梟:「ぐっ!?」 黄鷹:「さっすが梟ちゃーん!反応早えなぁあ!」 白梟:「どうしてアンタが私を狙うのか分からないけど……仕掛けて来たからには…分かってるよね黄鷹!」 黄鷹:「はっはは!その目だよその目!イイ目になったじゃねえかぁ!!ゾクゾクしてくるぜえ!」 白梟:「こうして相手にするのは初めてだけど…猛禽族としてアンタを食らってやるよ!」 黄鷹:「やっぱお前、イイ女だな……1回お前とはヤリたかったんだよ!!果てるまで楽しもうぜえええ!!」 白梟:「本当はアンタとだなんてごめんなんだけどね…!!」 0: 0: 0: 赤鷲:「……ほお、まさかお前が1番乗りで俺に会いに来てくれるとはな。青いの。」 青鳶:「意外だったか?お前は俺の唯一の肉親なんだからな。初めに会いに来るのは当然だろ?」 赤鷲:「そうか…そういやそうだったな。こうして顔を突き合わせるのはどれくらいぶりだ?あの日以来だから20年ぶりか…?ずいぶんでかくなったよな。」 青鳶:「お前はずいぶんと老いたな。」 赤鷲:「老いた分味が出てるだろ?男は歳重ねた方が魅力的になるってもんだ。」 青鳶:「そんなもの必要ないな。」 赤鷲:「20年経って味気ない男になったな、それでなんだ?さっそく俺を殺すか?母親を殺したこの俺を。」 青鳶:「殺した…か。もしそうなら真っ先にこの手で殺している所だが、その事実は違っている。お前は俺の母さんを殺してはいないだろ。」 赤鷲:「……何を言っている?お前はあの時その目で見たじゃねえか、俺の全身がお前の母親の血に染まっている所を。」 青鳶:「確かに血に染まっていた。あの時俺は、確かにお前が手にかけたものだと思っていた。しかし実際の所は違う……母さんを手にかけたのは、黒百舌なんだろ?」 赤鷲:「……黒百舌、そういや奴は今そんな名前で呼ばれてんだよな。カラスが偉くなったもんだぜ………で、そんな話誰から聞いたんだ?」 青鳶:「教えてどうする。その人を殺す気か?」 赤鷲:「んなこたぁしねえよ。大体の予想はつく。大方、桃色のが教えたんだろ?アイツは昔からおせっかいだからな。」 青鳶:「……俺がお前を殺す必要も、お前が俺を迎え撃つ必要もこれで無くなった。お互いに目的は一致しているはず、黒百舌を倒すというただ1つの目的が。」 赤鷲:「そうだなぁ…俺の目的は初めから黒いのをぶっ殺す事だけだ。その為にこれだけの戦力を搔き集めた。確かに利害は一致している。んで?一致してるからなんだ?手を組もうってのか?」 青鳶:「ああ。無駄な血を流さないならそれに越したことはない。」 赤鷲:「…青いのよお。お前猛禽族になってどれくらいになった?」 青鳶:「…5年ほど前だ。」 赤鷲:「そうか、お前がこの街に来たって聞いたのが10年前だからそこから5年後か。新米猛禽族のお前に1つイイ事を教えてやる。 赤鷲:この街は力が全てだ。己を守るのは力のみ、力のみが信じられる唯一のモノだ。」 青鳶:「…だからなんだ。」 赤鷲:「すまねえな坊主、テメエとは手を組めねえ。己の力以外は信じるに値しねえんだよ。それが例え実の息子だとしてもな。」 0:銃口を青鳶に向ける 青鳶:「なぜだ赤鷲…お前が予想しているより遥かに奴は強い。俺らが手を組めば効率的に奴を排除できるはずだ。」 赤鷲:「たとえそうだとしても、これは俺の問題だ。俺の手で黒いのをぶっ潰す。テメエのようなひよっこの手を借りるつもりは毛頭ねぇ。それにテメエが裏切らないという保証もねえしな。些細なリスクも負いたくねえんだわ。」 青鳶:「……そうか。奴を殺す理由が同じで、俺が実の息子だとしてもお前は俺が裏切るかもしれないと、そう言うんだな。」 赤鷲:「それが猛禽族だ。」 青鳶:「………分かった。そうなれば仕方がない………赤鷲、俺はお前を殺して先へ進む!」 0:銃を構える青鳶 赤鷲:「ションベンくせえ青二才にやられるほど俺は衰えちゃいねえよ、バカが!!」 0: 0: 0: 0:廃墟の近く 桃鶚:「あの子、こんな所に呼び出して何かしら…ま、答えなんて1つしかないでしょうけど……っ!!?」 0:飛び退いて躱す 瑠璃隼:「ほお、俺に気づいて弾丸を躱したか。まだ身のこなしは健在のようだな。桃鶚。」 桃鶚:「るりりん……いきなりなご挨拶じゃなあい?一体何のマネよ…」 瑠璃隼:「それはこちらのセリフだ。お前は今の街の現状を利用し秩序を乱そうとしているじゃないか。」 桃鶚:「どういう事…?」 瑠璃隼:「白々しい…まさかお前がそこまで愚かだったとは思わなかったぞ。」 桃鶚:「だから一体何の事なのよ!!」 瑠璃隼:「とぼけるのもいい加減にしろ!」 0:弾丸を放つ 桃鶚:「っ!?まって、本当に私は分からないわ!」 瑠璃隼:「どこまで愚かなんだ桃鶚…!失望したぞ!!」 0: 桃鶚:【N】なにこれ、なんなのこの状況…!まずは興奮してる彼を落ち着かせないと話し合いも何もあったもんじゃないわ…! 0: 桃鶚:「今はあまり争いたくないんだけど…仕方ないわね…!」 0:メリケンサックを装着する桃鶚 瑠璃隼:「やはり敵対するか、お前…!」 桃鶚:「先に仕掛けて来たのはアナタの方でしょるりりん!」 瑠璃隼:「何を言う、お前が先に秩序を乱そうとしたのではないか!混乱に乗じて我々を陥れようとするなど…さすがは欲の猛禽族と言った所か。」 桃鶚:「さっきから何を言っているのか分からないけど、とりあえず落ち着きなさい!」 瑠璃隼:「分からないなら思い出させるまでだ!!」 0:銃口を向ける 桃鶚:「もう…!ホント分からず屋ね!!」 瑠璃隼:「お前が回り込んで来る事くらい分かっている!」 0:反対の手で腰からもう一丁の拳銃を抜く 桃鶚:「もう1つ!?キャッ!!?」 0:右肩を撃たれる 瑠璃隼:「お前にしては読みが甘いんじゃないか?」 桃鶚:「っ右肩が……やるじゃないるりりん…忘れていたわ……アナタが2刀流だって事を…」 瑠璃隼:「なんだ、もう降参か?桃鶚。」 桃鶚:「…だれが降参って言った……かしらっ!」 瑠璃隼:「っ!まだそれだけの速さで動けるか!」 桃鶚:「近接戦においては、アタシはアナタより上よ!!」 瑠璃隼:「舐めるなよ!!」 0:右手の拳銃を腰の警棒と持ち替える 桃鶚:「警棒に持ち替えた所で無駄よ!!」 瑠璃隼:「桃鶚!俺がお前の想像しているよりはるか遠くにいる事を思い知らせてやる!!」 0:桃鶚の拳を警棒で受け流し拘束する 桃鶚:「なっ!」 瑠璃隼:「確かにお前は強い、それは認めよう。だが、お前がこの街を離れている間にも俺は鍛錬を続けていた。この状況がその間に開いた実力の差だ。」 桃鶚:「う…動けな……」 瑠璃隼:「さすがのお前でもこう拘束されては身動きはとれまい。それに、万が一にでも抜け出そうものならお前のこめかみに穴が空く事になる。」 桃鶚:「………さすがね、るりりん。元よりアタシはアナタと戦うつもりはないもの。話ができるなら拘束されてようが構わないわ。」 瑠璃隼:「強がりを………では聞かせろ。何故お前はこの街の混乱に乗じて……青鳶を、実の息子のように育ててきたアイツを裏切ってまで王になろうとしたのだ…!」 0: 0: 0: 赤鷲:「うおらぁあ!」 青鳶:「っ!」 赤鷲:「オイオイ、さっきからチマチマ打ちやがってよぉ!俺を倒して先へ進むんじゃなかったのかァ!?青いのよお!」 青鳶:「俺の攻撃に無駄な事は1つもない。これが俺の戦い方だ!」 赤鷲:「そうかそうか、だがなぁ、かすりもしてねえ攻撃で俺を倒せると思ってんのか?俺は絶対王者。暴力で支配するこの街の王だ!力が全てってのを教えてやるよ。テメェら!!」 青鳶:「なっ…!!」 0:赤鷲のメンバーが取り囲む 赤鷲:「俺のメンバー達が居るド真ん中に突っ込んできたんだ、取り囲まれる事くらいは予想着いただろ?」 青鳶:「……まあな。だが、絶対王者だなんて言うくらいだから正々堂々とタイマンするとも思っていたんだがな。」 赤鷲:「甘ちゃんだな、だから青くせえんだよ。王だからこそ兵を動かすんだろうが。兵力も自分の力だ。それをどう動かすかも自分の力だ。それら全てがあるから俺は猛禽族の王になったんだ。」 青鳶:「……。」 赤鷲:「さぁて、どうするよ青いの。ここに居るメンバーは総勢約100人はいる。どう戦うんだ?」 青鳶:「なあに、心配には及ばない。」 赤鷲:「何か策があるってか?」 青鳶:「そろそろだ。」 赤鷲:「……あ?」 0:地面が突然爆発を起こす 赤鷲:「なっ!!?なんだ!!」 青鳶:「タイミング完璧じゃないか。白梟。」 白梟:「はぁ……はぁ…もう少し余裕を持って来たかったんだけどね……ちょっと手こずっちゃったよ。それにしても、やっぱり交渉は上手くいかなかったんだね……仕方ないか……」 青鳶:「すまない、白梟。」 赤鷲:「テメェは……白いのか…予め地面に爆薬をセットしてたのか……」 白梟:「そういう事。頃合を見て起爆するようにって青坊がね。」 赤鷲:「どうやって俺らがここの道を通るって分かった?この街の出入口は無数にある。まさか全通り道に仕掛けてるわけじゃねえだろ?」 白梟:「私は情報力の猛禽族だよ?アンタらがどこの道をどう来ようとお見通し、私の情報網舐めんなよ?」 赤鷲:「…ほお…おもしれぇじゃねえか。」 青鳶:「白梟、黄鷹はどうしたんだ?」 白梟:「寝てもらってるよ。ほんっと、アイツ厄介過ぎたよ。」 青鳶:「そうか、引き付けてもらえて助かった。ありがとう。」 白梟:「いいんだよ、でもいつ目が覚めるかわかんないよ。その間になんとしてでも赤鷲を抑えないとね。」 青鳶:「ああ。」 赤鷲:「作戦会議は終いか?さっさと続きを始めようぜ、俺を楽しませろ!!ひよっこ共!!」 0: 0: 0: 0:少し時が遡り、白梟と黄鷹の戦闘 白梟:「あーもう!絶妙な距離感保つなっての!!」 黄鷹:「この距離感保たれるのイヤなの知ってんだぜ、よっと!」 白梟:「くっ!この……!!」 黄鷹:「女のイイトコを突くのは俺様の特技ってな!!」 白梟:「アンタの自己満足な攻めで喜ぶ女は居ない…よっ!」 黄鷹:「どこ攻撃してんだよ梟ちゃーん!そらぁあ!!」 白梟:「ちっ…!!強すぎるってコイツ……!」 黄鷹:「そらそらそらそらぁああ!!」 白梟:「うっ……!」 黄鷹:「さっきから可愛い呻き声あげながら避けてばっかじゃねえか!猛禽族なんだろ!もっと反撃して来いよ!」 白梟:「ほんっと…相性悪すぎだっての!」 黄鷹:「おっと、足払いなんてそんなの俺には意味ねえ…よっと!!」 0:回し蹴りを白梟に当てる 白梟:「ぐぁっ!!」 黄鷹:「まだまだまだぁああ!!右ストレート!左ジャブ!右アッパー!!」 白梟:「がぁあっはぁ……!!!」 黄鷹:「ふうぅ……おら立てよ梟。おねんねにはまだ早えよ。」 0:白梟の髪を掴んで立たせる黄鷹 白梟:「あっ……ぐっ……」 黄鷹:「潔く降参して俺の女になれば、これ以上何もしねえし見逃してやるよ。どうする?」 白梟:「……はっ………誰がアンタの女になるって…?」 黄鷹:「くっ……くっははははは!!!!そうだよなぁ……そうだよなぁ!!そう来なくっちゃな!!」 白梟:「アンタみたいなゲス男の女になって良いように使われるくらいなら…脳天ぶち抜かれる方を選ぶよ…」 黄鷹:「イイね…その反抗的な目、やっぱ梟お前はイイ女だ!!最後まで殴って嬲って動けなくなるほどヤリたくなるイイ女だ!!」 0:地面に突き飛ばす 白梟:「うっ……!」 黄鷹:「なにか奥の手があんだろ?俺は最強のカリスマ、黄鷹様だ。何をされたって倒れねえ、俺がお前の奥の手で倒れたらそのまま赤鷲の所でもどこでも行きやがれ。」 白梟:「……は…?アンタ何言ってんの……」 黄鷹:「さっさとやりやがれ。俺の気が変わらねえ内にな!」 白梟:「…………後で文句言わないでよね!!!」 0:手を引くと黄鷹の足回りが爆発し落とし穴ができる 黄鷹:「どわぁあ!?なんだこりゃ、落とし穴!?」 白梟:「その中で暫くおねんねしててね。」 0:手首から小さなカプセルボムを出し投げる 黄鷹:「なんだこりゃ、煙幕か!?」 白梟:「じゃあね黄鷹、何か裏があるんだろうけどアンタが急に受け身になってくれて助かったよ。全部終わったら戻ってきてやるからそこで大人しく寝てな。」 黄鷹:「睡眠薬入りの煙か……く、そ…………この俺様が…倒れ、るなん……て………………」 白梟:「……早く青坊の所に行かなきゃね…」 0: 0: 0: 0:廃墟 桃鶚:「裏切る……?どういう事……?」 瑠璃隼:「まだシラを切る気か桃鶚…!お前は我が子のように育ててきた青鳶を裏切ってまでこの街の王になろうとしているんだろ!?かつてお前は、猛禽族に興味は無い、上に行きたいとは思っていないと言っていたではないか!!」 桃鶚:「まって、本当に話が見えないわ!!アタシが青ちゃんを裏切る?何を言って……ぐっっ!?」 0:警棒での拘束を強くする 瑠璃隼:「白状しろ桃鶚、本当は何が目的なんだ。」 桃鶚:「だから……本当に…分からないわよ…………るりりんは、誰からその話を…聞いたの……」 瑠璃隼:「お前に教える義理はない。」 桃鶚:「そこが、重要なんじゃない……!一方の話だけ聞いて、それだけを信じるの……」 瑠璃隼:「……っ」 桃鶚:「お願い…るりりん……教えて…」 瑠璃隼:「…………青鳶本人からだ。」 桃鶚:「えっ……それ、本当に……?」 瑠璃隼:「ああ。そうだ。あの声は確かに青鳶だ。そう名乗っていたしな。」 桃鶚:「…声?電話で伝えられたの……?」 瑠璃隼:「メンバーからボイスメッセージを渡されてな。聴いてみたら中身は青鳶の声が録音されていた。桃鶚が赤鷲帰還の混乱に乗じて、青鳶を含め全員を騙し裏で暗躍をしていると。そのような内容が記録されていた。」 桃鶚:「なにそれ……そんなの知らない…」 瑠璃隼:「まだ言うか…………ではこれを聴け。そうしたらいい加減認めるだろう。」 0:ボイスレコーダーを取り出し再生する 青鳶:『瑠璃隼、青鳶だ。私は近い内に鶚さんに裏切られるだろう。知っているだろうが、赤鷲が数日後に街に戻ってくる。それによってこの街は今以上に荒れ狂うだろう。その混乱に乗っかり鶚さんは裏で暗躍し、私達を陥れようとしている。きっと鶚さんは私達を蹴落とし猛禽族の王になろうとしているんじゃないだろうか。どうか、秩序の猛禽族としてあの人を止めてくれ。』 0:音声が止まる 瑠璃隼:「これを聞いても嘘だと言うのか?」 桃鶚:「確かに……この声は青ちゃんの声…………でもなんでかしら、違和感があるの……」 瑠璃隼:「違和感?」 桃鶚:「…そうよ…そうだわやっぱりそうよ…」 瑠璃隼:「なんだ、なにが分かったんだ!」 桃鶚:「青ちゃんの1人称は『私』じゃない。『俺』よ!今までずっと彼と過ごしてきたけれど、1度も彼が『私』なんて使った事はないわ!」 瑠璃隼:「なに…?し、しかし…1人称なんていくらでも使い分けができるだろう!」 桃鶚:「彼が1度でもアナタの前で他の言い方をした事がある?彼は誰に対してもあのままなのよ?それに、私が青ちゃんの声を聴き間違えるわけがないじゃない!どれだけの時間、彼と一緒に居たと思うの?」 瑠璃隼:「だが…………」 桃鶚:「青ちゃんはこんな事はしない、正々堂々と正面からぶつかる子よ。青ちゃんも、私もね。」 瑠璃隼:「………。」 桃鶚:「これは誰かの手の込んだイタズラよ。本人とほとんど差のない、精巧に寄せた声を作って私達を騙そうとした。」 瑠璃隼:「しかし誰がこんな真似を…」 桃鶚:「こんな事が出来るとしたら…………考えたくないけど電子機器の扱いに長けてる白ちゃんか……もしくは……」 瑠璃隼:「誰だ?」 桃鶚:「黒ちゃん……かしらね。」 瑠璃隼:「烏……いや、黒百舌か……奴の狡猾さならばありえない話では無いな。」 桃鶚:「でしょ?ここは変に遠回しに行くんじゃなく、直接聞いた方が早そうね。アナタとの誤解は解けたわけだし、アタシは黒ちゃんの元へ行くわ。」 瑠璃隼:「まて。」 桃鶚:「何かしら?」 瑠璃隼:「誤解が解けた、と言ったな。俺のお前への容疑はまだ晴れていない。」 桃鶚:「え?どうしてよ…!」 瑠璃隼:「最後にもう1度問う。お前は本当に我々を陥れるつもりは無いのだな?」 桃鶚:「何度も言っているじゃない。アタシはそんな事するつもりは無いわ。アタシはアタシのやりたい事をするだけ。アタシの今やりたい事は、青ちゃんを守る為の行動。ただそれだけよ。」 瑠璃隼:「……そうか。分かった。いずれにしても、お前の虚言は奴に会えばわかる事だ。俺もこの街の秩序の為に、黒百舌の元へ行こう。」 桃鶚:「…んふふ、これはこれは、心強い*騎士《ナイト》様ね。」 0: 0: 0: 黒百舌:「おやおや……こんな所で何をしているんですか?」 黄鷹:「……よお、百舌。来るのが遅かったじゃねえか。」 黒百舌:「そんな所に埋まって寝ている黄鷹さんとは違って私は忙しいので。」 黄鷹:「好きで埋まってんじゃねえよ。おら、さっさと俺を引っ張り出しやがれ。」 0:黄鷹を穴から引っ張る百舌 黒百舌:「…やれやれ。人には散々ヘマするなとか言っておきながらそのザマですか……アナタの言葉を借りるなら、その頭に風穴を空けてあげてもいいんですよ?」 黄鷹:「空けたきゃ空けやがれ、ヘマをしたのは事実だからな。それ相応の覚悟は持ち合わせてる。じゃなきゃこんな街で頭を張ってねえよ。」 黒百舌:「それもそうですね。さすがは黄鷹さん。」 黄鷹:「見え透いた世辞なんか要らねえよ。んで、今度は何させようってんだ?」 黒百舌:「話が早くて助かります。さすが圧倒的カリスマの黄鷹さん!今度アナタにして頂くお仕事はですね…………青鳶さん達と協力をして赤鷲さんを討伐してください。」 黄鷹:「協力をして……だと?」 黒百舌:「ええ。今回の目的は赤鷲さんを排除する事です、しかし彼は強力なメンバーを多数に抱えているだけでなく彼本人も非常に強力です。もちろん、黄鷹さん自身も戦闘面において劣ってるとは思いませんが少しでも勝率を上げるために皆さんで協力して欲しいんです。」 黄鷹:「梟はどうする。さっきヤリあったばかりだぞ。」 黒百舌:「そうですね、協力するにあたって実力を試す為に攻撃を仕掛けた……とか適当に一芝居打ってみてはどうでしょうか?」 黄鷹:「そんなんでアイツが信じるか?」 黒百舌:「純粋な方です、きっと信じますよ。」 黄鷹:「……まあいい、とりあえずアイツらと協力して鷲のジジイをヤりゃあいいんだな?」 黒百舌:「ええ、頼みましたよ。彼さえ倒せばアナタは一気に王へ近づけます。」 黄鷹:「…………はっ。楽しみにしとくぜ、百舌。」 0:赤鷲の元へとかけていく黄鷹 黒百舌:「……ええ……お任せ下さい。この街の王にして見せましょう…………頂点に君臨する神である私の忠実な操り人形の王にね…………」 0: 0: 0: 赤鷲:「おいテメェら!周りのザコ共をしっかり抑えておけよ!この2人は俺が殺る……!」 青鳶:「…さっきよりも目に殺意がこもっている……」 白梟:「空気がピリついてる気がするよ…」 青鳶:「白梟、決して奴から目を離すなよ。」 白梟:「嫌でも分かるよ、少しでもよそ見したら終わりなんだろ。」 赤鷲:「さぁ……覚悟しやがれ……ガキ共ぉおおお!!」 0:駆け出しながら銃を放つ 白梟:「なっ!?早いっ!」 赤鷲:「どうしたどうした!!この俺に喧嘩を売りつけたんだ!!それなりのサービスはしやがれ!!」 白梟:「うっ……!!躱すので精一杯……少しでも射線上に入ったら危ない……!!」 青鳶:「こっちだ赤鷲!」 0:赤鷲へ弾丸を放つ 赤鷲:「当てる気のねえ弾なんかに気を取られるほど俺はバカじゃねぇぞ!銃ってのは制圧する為の武器だ、命を奪う為の武器だ、殺し合いの駆け引きをする為の武器だ!!」 0:白梟に攻撃を続ける 赤鷲:「制圧してぇなら本気で脅せ、奪いてぇなら本気で貫け、駆け引きしてぇなら本気で引き付けろ!!テメェらはそれのどれもが中途半端なんだよ!!これは遊びじゃねえ、鳥と鳥の本気の狩りだ!」 白梟:「ぐっ…!あっぁあ……!!」 青鳶:「白梟!!」 白梟:「だ……大丈夫…肩を少し掠めただけだから……」 赤鷲:「狩りってのは、ほんの少しでも集中が乱れればヤラれるんだ。捕食者が常に捕食者で居られると思うなよ。常に自分の首を狙われてると思え!!!」 0:青鳶に放たれた銃弾が腿を撃ち抜く 青鳶:「ぐぁっ……!!」 白梟:「青坊!」 赤鷲:「仲間の心配をしてるほど余裕があるのか?白いの!」 0:白梟を蹴り飛ばす 白梟:「あぁぁあぁ!!」 青鳶:「ぐっ……くそぉ!!」 赤鷲:「構えるのがおせぇ!」 青鳶:「がっ……!」 赤鷲:「利き腕潰されりゃ、もうまともに戦えねえだろ青いの。いい加減俺に喰われな。」 白梟:「あ、青……坊……」 赤鷲:「せっかく買ってやった喧嘩だってのによ、サービスが悪いぜこりゃ。もう少し楽しませてくれると思ったんだがな。」 0:青鳶に銃口を向ける 赤鷲:「あの世で勉強するんだな、青二才。」 白梟:「あ……あぁ…………だめぇぇぇぇぇ!!!」 黄鷹:「なら…俺が楽しませてやるよ!!!!」 0:空中回し蹴りを放つ 赤鷲:「っ!!」 黄鷹:「流石だなジジイ、今のをガードするなんてよ。」 青鳶:「黄鷹…なぜここに…」 赤鷲:「…黄色いの…………なんだお前、遊んで欲しいのか?」 黄鷹:「楽しそうな匂いがしたんでな。混ぜてくれねえか?」 赤鷲:「ひよこが1羽増えた所で俺はかまやしねえよ。」 黄鷹:「そいつぁありがてえ…!鳶、梟!!このジイさんの首、俺が貰っても文句ねえよな?」 白梟:「黄鷹……どうやって目を覚ましたの…ううん、それよりもアンタなんのつもり…?さっきは邪魔した癖に、なんでここに来たの……」 黄鷹:「戦闘向きじゃねえお前がこのジジイとやり合うって相当な無謀だろ?どんなもんか見たかったのよ。見事に俺はやられちまったがな。」 白梟:「なにそれ……そんな意味不明な事言われて納得すると思うの?」 黄鷹:「ま、そういうこった。こっからは俺もジジイ狩りに参加させてもらうかんな!!文句はコイツを倒してから言え!」 青鳶:「白梟…今は協力をしよう……少しでも勝率を高めるんだ。」 白梟:「ちっ……どうなっても知らないからね……!」 黄鷹:「腹括ったみてえだな…ってな訳だ鷲のジジイ!全力で抵抗しろよ、じゃねえと楽しくないからな!」 赤鷲:「ひよこが偉そうに……デカい口を叩いたんだ、すぐにぶっ倒れんじゃねえぞ!!!全員まとめてかかってこいやぁあ!!」 0: 0: 0: 0:黒百舌のテリトリー、ビルの屋上 黒百舌:「いいですねぇ…いいですねぇ!さすがの赤鷲さんも3対1となれば押し切られてその玉座から転げ落ちるでしょう。どういう展開になるか見物ですね。」 0:後頭部に銃口を突きつけられる 瑠璃隼:「動くな。」 黒百舌:「……あらあら、こんな所へどうしたんですか?ここは私のテリトリーですが?」 瑠璃隼:「最早、この街の現状に秩序も何も無いだろう。ルールなんてあってないようなものだ。」 黒百舌:「秩序の猛禽族さんがそんな事を言ってしまうんですか?それこそ秩序の乱れなのでは?」 瑠璃隼:「この街をこのように仕向けたのはお前だろう、黒百舌。」 黒百舌:「ご冗談を……この街が荒れたのは赤鷲さんが戻って来たからじゃないですか。私は何もしていませんよ。」 瑠璃隼:「それこそ冗談だろ。各猛禽族を焚き付け闘争心を煽った。それだけならまだ良かったが、お前は他の猛禽族を騙り、我々に殺し合いをさせるよう仕向けた。」 黒百舌:「私がそんな卑劣な事を?そんな証拠どこにあるんですか?」 瑠璃隼:「しらばっくれても無駄だ。」 桃鶚:「るりりんが手渡されたボイスレコーダー、その録音された声は青ちゃんのものだった。でも実際は……アナタが録音した偽物の声。青ちゃんは『私』なんて1度も言ったことないもの。それに私は長年彼と過ごして来たのよ?どんなに似せようと間違えるはずが無いわ。」 瑠璃隼:「『百舌』とは良く言ったものだ。百の舌を持ち、他の鳥の鳴き声を真似る擬態の鳥…お前にピッタリじゃないか。偽物の猛禽族め。」 桃鶚:「黒ちゃん…教えて。アナタがやったの?」 黒百舌:「…………ふふ……ふ、ふふふ……」 桃鶚:「……何がおかしいの、黒ちゃん?」 黒百舌:「いやぁ……さすがですね!お2人!!秩序の猛禽族さんと欲望の猛禽族さん!!王たる者、この程度は見破って頂かないと話になりません!!」 瑠璃隼:「貴様……人を陥れておいて……!」 黒百舌:「ふふ……ですがそれが私が王になれた1つの力なんです。」 瑠璃隼:「なに……?」 黒百舌:「私は新参で最弱、しかし私には知恵がある、口がある!少し口が達者で頭が回る程度の鳥でしかない。ですが私はそれで成り上がったのです、この街の王の1人に!!人を欺き、陥れ、憎悪と憎しみを操作する王に!!」 0:振り向きざまに突きつけていた拳銃を跳ね除け瑠璃隼を蹴り飛ばす 瑠璃隼:「ぐあっ!!」 桃鶚:「るりりん!」 黒百舌:「アナタ達がこうしてここに来る事も分かっていました、全て私のシナリオ通りなんです!!全ては私の掌の上で行われているんですよ!!憎悪に燃える赤鷲さんも、復讐に飲まれている青鳶さんも、それを支える白梟さんも、私の駒として動いた黄鷹さんも、全員私が仕向けたまま動いてくれています。複数の王の1人なんて、そんなので満足なんてしません。王達の王に…私はこの街の、この鳥カゴの神になるんです!私がカゴの鳥達を操り支配する!!」 桃鶚:「傲慢にも程があるわね…」 瑠璃隼:「神だなんて*烏滸《おこ》がましい……貴様はこの街の神でも無ければ王ですらもない!ただの卑劣なカラスだ!!」 黒百舌:「卑劣で烏滸がましい……ですか、いいですねその言葉……実に私らしくて…………最悪の言葉だ!!」 0: 0: 0: 青鳶:「ぐっ……!!」 白梟:「がぁ!!」 黄鷹:「ちぃっ……!!!」 赤鷲:「うぉおおあああ!!」 白梟:「はぁ……はぁ…もういい歳だろ赤鷲…なんでこんな動けるんだよ…!」 黄鷹:「聞いてた以上にバケモンだなコイツ……」 青鳶:「正直、もう少し楽に戦えると思ったんだがな……」 赤鷲:「3人がかりでこの程度か?俺はまだまだ動けるぞヒヨっ子共!」 黄鷹:「いきなり全力でやっちまったら楽しめねえだろ…?なぁ!!」 0:ダッシュで勢いをつけ拳を振りかぶる 赤鷲:「重さのある拳だが、隙だらけなんだよ!」 黄鷹:「んならこいつぁどうだ!!」 赤鷲:「見えてんだよガキぃ!」 黄鷹:「ちっ……拳も蹴りも全部防ぎやがるかっ……!」 白梟:「黄鷹離れて!」 0:手首をかえし、糸を張る 赤鷲:「なんだこりゃ……ピアノ線……か?」 白梟:「正解。アンタの周りにピアノ線を仕込んだ。下手に動くと身体が傷だらけになる、大人しくしとくといいよ。」 黄鷹:「やるじゃねえか梟!」 赤鷲:「おいおい、この程度で俺を封じたつもりか?」 青鳶:「逃げろ2人共!」 白梟:「っ!」 黄鷹:「っ!」 赤鷲:「ぐぅおおおおおお!!!!」 0:無理やり張られたピアノ線に身体を押し当て抜け出す 白梟:「な……そんな無理に抜け出そうとしたら身体が……!」 赤鷲:「うおおおおおおお!!!」 黄鷹:「おいおいおい……まじかよ…」 青鳶:「なんて奴だ……」 赤鷲:「俺は絶対王者、暴力の猛禽族だ!!舐めてんじゃねえぞ青二才どもぉぉお!!」 0:拳を白梟の腹に、銃弾を黄鷹の肩に当てる 白梟:「ぐっ……ぐがぁあっ……」 黄鷹:「がぁあっ……!!」 青鳶:「白梟!黄鷹!!ちっ…赤鷲ぃ!」 赤鷲:「はぁ…はぁ……やっとそれらしい目になったじゃねえか青いの……ずっと澄ました顔しやがってよぉ……」 青鳶:「…どこか全力でお前と戦えていない俺が居たのは事実だ。目的を同じにしているはずなのに何故争わなければならないのか……唯一の肉親であるはずなのに何故殺し合わなければならないのか…………この戦いの中でずっと考えていた。」 赤鷲:「…………答えは出たのか。」 青鳶:「ああ。俺らはこの街に居る以上、争わなければならない。何故ならば…俺らは猛禽族なのだから。」 赤鷲:「いい目になったな、青いの……そうだ。理由がなんであれ、俺らは猛禽族である以上争わなければならない。1つの獲物を得る為に、己の力を以て全力で他の敵を制圧しなければならないんだ。それが例え、血を分けた家族だとしても。」 白梟:「………赤鷲…」 青鳶:「息子だとか親だとか関係ない……立ちはだかるのなら猛禽族の青鳶として、その命を刈り取る…!」 赤鷲:「取れるもんなら取ってみやがれ!!青いのぉお!!」 0: 0: 0: 桃鶚:「はぁああ!!!」 瑠璃隼:「でやぁあああ!!!」 黒百舌:「仲が良いだけありますよね、実に素晴らしいコンビネーションです。ですが……」 桃鶚:「なっ……!」 瑠璃隼:「なに!!?」 黒百舌:「実に利用しがいがある攻撃でもあります。」 0:受け流し同士討ちをさせる 桃鶚:「きゃっ…!」 瑠璃隼:「ぐっ……」 黒百舌:「この程度だなんて言わないですよね?それっ!」 瑠璃隼:「ぐぁっ!!」 桃鶚:「黒ちゃん……!!はぁああ!!」 黒百舌:「桃鶚さんは超近接戦闘型で、メリケンサックを用いた強打を得意としている……軽やかな足運びと素早い打ち込みから繰り出される強打は非常に厄介…………ですが、その戦闘スタイルは私に近いものがありますので弱点も分かるんですよ。」 桃鶚:「え?きゃっ!!」 0:足払いを受け転ぶ 黒百舌:「特にアナタの場合は、その弱点であるフットワークを潰されることへの対策があまりされていないと来た。」 瑠璃隼:「この…黒百舌!!!」 0:銃弾を連射する 黒百舌:「おっと、危ないじゃないですか瑠璃隼さん…」 瑠璃隼:「相変わらず反応速度が異様に早い……!」 黒百舌:「スラム育ちですからね…常に周りの気配を気にしながら過ごしてきましたので、人一倍警戒心は強いのですよ。でなければ盗みなんて出来ないですからね。」 瑠璃隼:「盗みか、カラスらしいな。」 黒百舌:「アナタ達のように産まれた時からぬるま湯に浸かって、何も不自由が無い人生ではなかったですからね。産まれた時から頼れる者が誰1人居ない、そんな状況下で他にどうしろと言うんでしょう?裕福な者からおこぼれを頂いて何が悪いのでしょう?そのような格差を産んだのは紛れもない、アナタ達王でしょう?」 瑠璃隼:「っ…………」 桃鶚:「黒ちゃん……」 黒百舌:「だからこそ私はその王になりたかった、絶対的な力を得て周りを見返したかった、見下したかった。そしてこの格差をひっくり返したかった。この鳥カゴの神になってね……」 瑠璃隼:「また神か…………確かに貴様は格差の被害者だ、しかし貴様が格差をひっくり返した所で今度は加害者になる。かつての我々のようにな。それでもいいと言うのか?」 黒百舌:「そんなの知ったことではありませんよ。裕福な方も1度スラムを体験したらいいんです。そうしたら分かるでしょう?どれだけ劣悪な環境なのかをね。お風呂も入れず、食べ物も無く、雨風をしのげる所さえ無い。そんな所に居たら思いつく事が1つしかないじゃないですか、奪うしかないって。」 瑠璃隼:「己でその現状を打開する事もせず、その生活を甘んじて受け入れていた結果がその行動では無いのか?」 黒百舌:「甘んじて受け入れていた?そんな訳ないじゃないですか……その生活から抜け出したくて私は足掻いてもがいて這い上がったんです。空から見下ろしているアナタ方を引きずり下ろす為に。」 瑠璃隼:「…黒百舌、俺は貴様の事を嫌悪している、許す事も無いだろう。だが、自身の力1つでここまで成り上がって来た。その努力は計り知れないものであったに違いない。」 黒百舌:「何が言いたいんですか?」 瑠璃隼:「やり方はいくらでもある、格差をひっくり返すだの神になるだのそんな*痴言《おこごと》を撤回し、身を引いてくれないか。」 黒百舌:「…ふふ……そうですか、そうですよね…アナタ達にとってはそんなの戯言のように思えますよね……残念ですが私は引くつもりなど1ミリもありません。この手で私は更に上へ登ります!」 瑠璃隼:「やはり説得はダメか…!!」 桃鶚:「そんなの最初から分かっていたでしょう、腹括りましょう…!」 黒百舌:「アナタ達も私の傀儡にしてあげますよ…!!!」 瑠璃隼:「今度はもう取り逃がしはしないぞ…黒百舌!」 0: 0: 0: 0:銃が乱射される 青鳶:「そこだ!!!」 赤鷲:「ぐっ…!!やるじゃねぇ、かぁあああっ!!」 青鳶:「がっ!!」 赤鷲:「もういっちょ!!」 青鳶:「させるかっ…!」 赤鷲:「ちぃっ、あぶねえじゃねえか…!」 黄鷹:「どっちも譲らねえな…」 白梟:「お互いに力が均衡してる…」 青鳶:「ぐはぁあっ!!」 白梟:「青坊!!」 赤鷲:「利き腕が動かねえ癖に思った以上に粘りやがる…」 青鳶:「はぁ…はぁ……くそっ!!」 赤鷲:「終いだ。」 黄鷹:「んのやろ…」 赤鷲:「テメェは動くんじゃねぇよ!」 0:黄鷹の足元を撃ち抜く 黄鷹:「ちっ…!」 青鳶:「うおおお!赤鷲ぃいい!」 赤鷲:「がむしゃらに突っ込んだ所でテメェはもう終わりなんだよ!!」 0: 黒百舌:「それはどうでしょうか。」 赤鷲:「っ!!?」 0:赤鷲の銃が弾かれる 青鳶:「…お、お前は……!!」 黄鷹:「とうとう来たか…」 白梟:「……黒百舌…」 赤鷲:「…テメエ………」 黒百舌:「お怪我は大丈夫ですか?青鳶さん?それに、他の皆様も無事……そんなわけないか。」 赤鷲:「…黒いのぉ……だいぶ久しぶりじゃねえか。」 黒百舌:「お久しぶりです、赤鷲さん。ええ、本当にお久しぶりですね。こうしてお会いするのはあの時以来、ですかね?」 赤鷲:「ずっと会いたかったぜ、その腹立つ面によぉ。」 黒百舌:「あらあら、そんな風に言って頂けるとは思わなかったので嬉しいです。感無量ですね。実は私もずっとアナタに会いたかったんですよ。」 赤鷲:「そうかそうか、そいつぁ両思いって奴だなぁ。」 黒百舌:「ええ、お互いにお互いの首へ両思いしているようですね。」 赤鷲:「早いとこその首に噛り付きたくてウズウズしちまうよ。」 青鳶:「黒百舌…お前、良くここへノコノコとやって来れたな…」 黒百舌:「青鳶さん、そんな傷で立ち上がってはお体に触りますよ?大人しくしてた方がいいんじゃないですか?」 青鳶:「お前に心配されなくても平気だ…お前を撃ち殺した後に存分に倒れてやるさ。」 黒百舌:「私を撃ち殺す…なぜですか?」 青鳶:「白々しい…そんなのお前自身が良く分かっている事だろう!」 黒百舌:「ふふふ……そうですね。ですが今のアナタに私を撃ち殺すなんて事出来るんですか?」 青鳶:「ああ、やれるさ。」 黒百舌:「そうですか……黄鷹さん、お願いします。」 黄鷹:「おうよ。悪ぃな鳶…っ!!」 0:青鳶を蹴り飛ばす 青鳶:「がっはぁっ!!」 白梟:「青坊っ!!!黄鷹アンタ……っ!!!!」 黄鷹:「悪ぃな、まぁそういうこった。」 白梟:「アンタ、結局味方なの敵なの!?どっちなんだよ!!」 黄鷹:「俺は面白そうな方に付くだけよ、誰の味方でもねえ。」 黒百舌:「あら、てっきり私の味方で居てくれているものだと思っていたのですが。」 黄鷹:「味方じゃねえ、お前の話に乗っかってるだけだ。その話に効力が無くなった時点で俺はお前をぶち抜く。」 黒百舌:「あらあら、怖いですねぇ…」 赤鷲:「俺を差し置いて他の奴らとベラベラ喋ってるなんて余裕あんな!!黒いのぉお!」 0:銃を放つ 黒百舌:「ふふ、嫉妬ですか?ご安心下さい、先にアナタとの因縁を付けてあげますからね!」 赤鷲:「そうじゃなきゃ困っちまうぜ!!」 青鳶:「う…ぐっ……黒百舌…!」 0:よろめきながら立ち上がる青鳶 黄鷹:「根性見せるじゃねえか鳶。でもお前の相手は俺だ、百舌じゃねえ。」 青鳶:「黄鷹……」 白梟:「黄鷹…1つ聞きたい事があるんだけどいいかい。」 黄鷹:「おう、なんだよ梟。」 白梟:「どうしてさっき、私の攻撃をわざと受けたんだ?いくらアンタでもあの程度の落とし穴避ける事が出来ただろうし、睡眠ガスなんてどうとでもなっただろ。」 黄鷹:「言ったじゃねえか、俺は面白い方に付くってよ。お前は最高に面白い女だ、お前の可能性を見たくなったんだよ。」 白梟:「本当は何か裏があるとか、そういうわけじゃないのかい?」 黄鷹:「んなもんねえよ。」 白梟:「ほんと…よく分からない男だよアンタは!!」 0:銃を放つ 黄鷹:「はっははぁあ!イイネぇえ!ラウンド2と行こうかぁあ!」 桃鶚:「はぁああ!!」 0:横から拳が飛び、咄嗟にガードする黄鷹 黄鷹:「なっっ!!?」 桃鶚:「はぁ…はぁ……良かった…最悪の結果にはまだなってないみたいね…」 青鳶:「鶚さん……どうして…」 白梟:「桃鶚さん…!」 黄鷹:「…お前は…鶚じゃねえか……どうやってここまで……百舌のシナリオじゃお前はぶっ倒れてるはずだろ!」 桃鶚:「そうね、でもアタシ達は猛禽族よ?しかもアナタ達よりもずっと昔からのね。舐めてもらっちゃ困るわよ。」 瑠璃隼:「そういう事だ、黒百舌が何を企んでいようが何度でも打破して見せる。」 黒百舌:「…桃鶚さんに瑠璃隼さん……確実に仕留めたと思ったんですがね…アナタ達のタフさには驚愕と尊敬を覚えますよ……」 赤鷲:「桃色のに瑠璃色の…か……こいつぁ懐かしい面々じゃねえか。面白くなってきやがった。」 瑠璃隼:「久しぶりだな、赤鷲。随分と老いたな。」 赤鷲:「テメェもな。」 桃鶚:「赤ちゃん…」 赤鷲:「感動の再会と言いたいが、俺はテメェらと遊んでる暇はねえんだわ。瑠璃色の、そこをどけ。その黒いのに用があんだよ。」 黒百舌:「赤鷲さん、遊んであげたいのは山々なんですがね…この状況では少々厳しいものがあります。」 赤鷲:「あ?」 黒百舌:「ですので…少し間引きをさせて下さい。」 赤鷲:「間引き…?」 黒百舌:「ええ。」 0:ノールックで桃鶚の腿を撃ち抜く 桃鶚:「がぁあっ!!」 青鳶:「鶚さんっ!!」 瑠璃隼:「黒百舌貴様!!」 黒百舌:「なんでしょうか?」 0:続けて白梟の脇腹を撃つ 白梟:「あぁっ…!!」 黄鷹:「っ!」 青鳶:「白梟!!黒百舌…!」 黒百舌:「桃鶚さんの俊敏さと白梟さんの多彩な攻撃は後に厄介になりますからね。」 桃鶚:「くっ…白ちゃん、大丈夫?」 白梟:「あ…う………私は…なんとか……」 黒百舌:「しぶといですね。赤鷲さんを始末した後にアナタ方も始末してあげますね。黄鷹さん、後のお2人はお任せしても宜しいですか?」 黄鷹:「……ああ、了解した……」 黒百舌:「任せましたよ…」 黄鷹:「お前を真っ先にぶっ潰してやらぁ!!」 0:黒百舌に回し蹴りをする 黒百舌:「………裏切るんですか?黄鷹さん?」 黄鷹:「裏切るも何もねぇ、ハナっから俺は誰の味方でもねえ!」 黒百舌:「この街の王になれなくなりますよ?」 黄鷹:「んなもんにさほど興味はねえよ、俺は面白けりゃなんでもいい!黒百舌、お前は面白くねえ!!」 0:連打を続ける 黒百舌:「そうですか…これだから女性に*現《うつつ》を抜かす方は…残念です…ねぇ!」 0:黄鷹のみぞおちに蹴りをいれ吹き飛ばす 黄鷹:「がっ…はぁっ…!!」 黒百舌:「こうなる可能性はありました、青鳶さん、瑠璃隼さん、黄鷹さん、そして赤鷲さん。どうぞ4人がかりでかかって来てください。アナタ達の全力を、私の培ってきたモノ全てを以て叩き潰してあげますよ。」 0: 0: 0: 瑠璃隼:「うおおおお!!」 黄鷹:「おらぁあああ!!」 黒百舌:「それじゃあ当たりません…よ!」 0:瑠璃隼に足払い、黄鷹に掌底 瑠璃隼:「ぐっ!」 黄鷹:「がぁっ!!」 青鳶:「くそっ!!」 赤鷲:「黒いのおおお!!!」 黒百舌:「4人がかりでコレですか、さっきの威勢はどうしたんですか皆さん?」 赤鷲:「テメェは今もあの時も、*腸《はらわた》が煮えくり返る程に腹が立ちやがる!!」 黒百舌:「そう褒めない下さい、照れちゃうじゃないですか。」 青鳶:「お前が母さんを殺した事を知っている、何故殺したんだ!答えろ黒百舌!」 黒百舌:「知った所で何の意味もありませんよ、何故ならアナタ達はここで死ぬんですから…ね!」 0:青鳶に銃口を向ける 瑠璃隼:「させるかぁあ!!」 0:投げた警棒で弾道をそらす 黒百舌:「あら。」 黄鷹:「うぉあらぁあ!!」 黒百舌:「がっ…!!」 黄鷹:「やっと吹き飛びやがったか百舌!!どうよ、俺様の左フック!!!」 黒百舌:「ふふ…アナタ自身のように軽い拳ですね……拳はこう振るうんですよ!」 黄鷹:「ぐぁあっ…」 赤鷲:「俺に背を向けて余裕だな黒いの!」 黒百舌:「そんなの分かってるに決まってるじゃないですか!」 0:目の前の黄鷹を赤鷲に投げ飛ばす 赤鷲:「なっ!ぐっ…!」 黄鷹:「ぐぁ!!」 瑠璃隼:「青鳶!援護しろ!」 青鳶:「ああ!!」 黒百舌:「挟み撃ちですか、無駄ですよ。」 瑠璃隼:「過去お前にやられた借りを返してやる!!」 黒百舌:「あの夜の事ですね、いやはや私は皆さんから恨みを買われているようですね。罪深いですね。」 瑠璃隼:「その罪の重さをその身で受けろ!」 黒百舌:「なぁっ!?」 0:黒百舌を拘束する瑠璃隼 瑠璃隼:「このままコイツを撃て!青鳶!」 青鳶:「っ…分かった…!!」 黒百舌:「ふふ…これで勝った気で居ないで下さい…ねっ!!」 瑠璃隼:「な、に!!ぐぅ!」 0:身体をねじ込み拘束から開放される 黒百舌:「私の身体が小さいからと侮りすぎですよ、バカな隼さん!」 0:投げ飛ばされる瑠璃隼 瑠璃隼:「がはぁあ!」 黒百舌:「さて、残ったのは青鳶さん。アナタ1人ですね。」 青鳶:「…もう1度聞く。何故お前は母さんを殺した。」 黒百舌:「またその質問ですか。質問に質問で返すようで申し訳ないですが、何故アナタはそれが知りたいのですか?」 青鳶:「答えろ。」 黒百舌:「……まあいいですよ。答えは至極簡単な事です。力が欲しかったからですよ。」 青鳶:「力?」 黒百舌:「私はかつて、猛禽族のテリトリー外の区域…貧困に苦しむ人が集まるスラムで生を受け育ちました。そこでは法も秩序も何もありませんでした、食べる物も無くお金も無く毎日を生きる事で精一杯でした。 黒百舌:私は幼い頃から猛禽族のテリトリーに侵入し盗みを働き生計を立てていたんです。そうしなければ生きていけなかったから。そんな中、そこで転がっている瑠璃隼さんに見つかり命を落としかけたんです…そこからです、力を得ればこんな事にはならないと。力を得れば今まで貧困というだけで蔑んできた奴らを、カラスというだけで見下して来た奴らを見返せると…!!そう思うようになったのは。」 青鳶:「それと母さんが殺される事になんの意味が…!」 黒百舌:「当時最強の猛禽族として君臨していたのは赤鷲さんでした、私はその最強を倒す事で一瞬にしてトップに立てるのではないかと思ったんです。ですが、赤鷲さんを直接倒すのは難しい…そこで考えたのは家族を殺す事で赤鷲さん本人の精神を乱しその隙に殺すのはどうかと……現実はそう甘くなかったですね。アナタのお母様を…赤鷲さんの奥様を殺す事には成功しましたが……見事私は赤鷲さんに負け、傷を作り逃げ帰る事しか出来ませんでした。」 青鳶:「そんな事の為に…お前の私利私欲の為に母さんは殺されたって言うのか!」 黒百舌:「お言葉ですが、それがこの街なんですよ。力が全てのこの街において私利私欲は最も必要なモノですよ。力を得る為に何かが犠牲になるのは必然。アナタのお母様は、私の力の糧になったのです。」 青鳶:「お前の為に母さんが犠牲に…?ふざけるな!!」 黒百舌:「私はこの街のルールに則って行動したに過ぎません。文句を言うのであれば、助けられなかった赤鷲さんに言うべきでは?」 赤鷲:「…さっきからごちゃごちゃと言いやがって……」 0:ゆっくり立ち上がる赤鷲 青鳶:「赤鷲…」 赤鷲:「確かにあの時、俺が帰るのが遅かったが為に妻は殺された。だが、こんな街に住んでいる以上仕方なかった事とも言える。」 青鳶:「赤鷲お前っ!」 赤鷲:「あの時の事は何もかも鮮明に覚えてる…自分への不甲斐なさ、妻への後悔、青いの…お前への申し訳なさ……」 青鳶:「っ…!」 赤鷲:「そして、黒いの。テメエへの憎悪をな……」 黒百舌:「ふふ…」 赤鷲:「ある意味じゃあ感謝はしているんだ。改めてこの街の生き方を認識できた、今のままじゃ何も守れねえってな。」 黒百舌:「そしてアナタは愛を捨て暴君へとなった。」 赤鷲:「そういうこった。けどそれももう終わりにしようぜ、憎しみの連鎖はここで断ち切らせてもらう!!」 0:駆ける赤鷲 黒百舌:「まだそんな力が残っているなんて、さすが絶対王者ですね!」 赤鷲:「まだ衰えちゃいねえよ!おらあ!!」 黒百舌:「くっ!どこからこんなパワーが出るんです…か!!」 赤鷲:「ぐっ…!これがお前の憧れた最強の猛禽族だぜ!」 黒百舌:「っ…バケモノですね……!」 赤鷲:「これだけの人数を1人で相手したテメエの方がバケモノだと思うがな。」 黒百舌:「褒めた所で何も出ませんよ!!」 赤鷲:「あの時みてえにまた逃げ出してもいいんだぜ?」 黒百舌:「ちっ…」 青鳶:「赤鷲、援護する!」 0:銃を構える 赤鷲:「下手な援護したら容赦しねえぞ!」 黒百舌:「厄介ですね…まずは青鳶さんから始末しますか!」 0:黒百舌の頬を弾丸がかすめる 白梟:「青坊は…私が……」 黒百舌:「危ないじゃないですか…死に損ないさん…先に死にたいんですか?」 0:白梟に銃口を向ける 青鳶:「白梟!くそ、間に合わない…!」 赤鷲:「黒いの…!!」 白梟:「……青坊…」 0:弾が放たれる 黄鷹:「っ!!」 黒百舌:「……ほお…」 白梟:「…え……な、なんで……」 青鳶:「黄鷹…お前…」 黄鷹:「が…あ………」 0:胸を貫かれて倒れる黄鷹 白梟:「いやああああああ!!黄鷹ぁああああ!」 瑠璃隼:「くっ…黒百舌貴様ぁあああ!!!」 桃鶚:「るりりんダメ…落ち着いて…!」 瑠璃隼:「うおおおおお!!」 黒百舌:「品性の欠片も無いですね…ただ突っ込んでくるだけとは…」 青鳶:「黒百舌…!!」 赤鷲:「俺らが居る事を忘れたか黒いの!!」 黒百舌:「おっと、そうでしたね。これは捌くのが大変だ。」 白梟:「黄鷹、黄鷹!目を覚まして!黄鷹!!」 黄鷹:「……おいおい…なに、泣いてんだよ……梟…おれぁ…敵なんだぜ…」 白梟:「なんで私を庇ったんだよ!どうして…アンタがそんな事するんだよ!!」 黄鷹:「……なんでかね……分かんねえ…」 白梟:「分かんねえって…」 黄鷹:「もう泣き止め…せっかくのイイ女が……台無しだぜ………俺の惚れた女は、最後まで……イイ女でいろ、よ…」 白梟:「何それ…意味わかんない……カッコつけんなよ…」 黄鷹:「はは…俺の女に…なる気になったか…?」 白梟:「っ……これっぽちもなる気はないね…バカ黄鷹…」 黄鷹:「…やっぱ…お前、は…イイ…女……だ……」 0:力なく黄鷹が崩れる 白梟:「黄鷹?ねえ、黄鷹?ねえってば!!黄鷹ぁああ!!」 桃鶚:「白ちゃん…」 瑠璃隼:「ぐっぁああ!!」 青鳶:「瑠璃隼!大丈夫か!!」 瑠璃隼:「はあ…はあ、無論だ…!」 黒百舌:「ふふふ……いいですねえいいですねえ!黄鷹さんを失い、焦る皆さんの顔が最高ですね!! 黒百舌:彼は最高の駒でした、見事皆さんに手傷を負わせ心までも傷つかせてくれたのですから!!」 白梟:「許せない…黒百舌ううう!!」 赤鷲:「白いのは下がってろ!!桃色の!そいつを抑えとけ!!」 桃鶚:「え、ええ!!」 白梟:「離してください桃鶚さん!」 桃鶚:「ダメよ白ちゃん!ここでアナタまで倒れたら青ちゃんがどうなるか分かってるの!?」 白梟:「でも!」 桃鶚:「悔しいのは皆そう、黒ちゃんを倒す為にもここは落ち着いて、ね?」 白梟:「…ちくしょう……!」 赤鷲:「黒いの、テメエはどこまでも卑劣だな…」 黒百舌:「ええ、そうでしょう?それが私なんです。」 桃鶚:「黒ちゃん、それは違うわ。本当のアナタはもっと優しい子だったんじゃないの?」 黒百舌:「私が?なぜ?」 桃鶚:「私も、赤ちゃんも、皆お母さんから産まれてたくさんの愛情を注がれて育つわ。」 黒百舌:「っ…」 桃鶚:「優しい声、優しい笑顔、沢山の温もりと愛に包まれた人が根っからの悪なんて事はないはずよ。だからきっとアナタも…」 黒百舌:「うるさい!!うるさいんですよ…!!さっきからなんですか、愛とかお母さんとか…そんなくだらないモノがなんですか?私が優しい?根っからの悪じゃない?何を言っているんですか?私は悪でも正義でもなければ優しさも持ち合わせていないです!私は私だ!」 桃鶚:「何を取り乱しているの黒ちゃん?アナタ自身気づいているんじゃないの?この街の権力じゃなく違うモノをアナタ自身が欲している事に。」 黒百舌:「知らない…知らない知らない!そんなモノは知らない!私は取り乱してなんかいない!!違う、違うんだ!!愛がなんだ、そんなモノがなんになるって言うんだ!!」 桃鶚:「アナタは愛情に飢えている!!母親という温もりに!愛情という温もりに!!アナタは飢えているのよ!」 黒百舌:「うるさい!うるさいうるさいうるさい!!黙れぇええ!!!」 0:銃を構える黒百舌を拘束する瑠璃隼 黒百舌:「ぐっ!!?」 瑠璃隼:「ようやく隙を見せてくれたな黒百舌!」 黒百舌:「なっ…!!離せ!」 瑠璃隼:「やっと捕らえたんだ、ここで離すなんて事出来るわけがないだろう!」 黒百舌:「っくそ…!」 瑠璃隼:「白梟、俺ごと爆弾で吹き飛ばせ!!持っているんだろう!」 白梟:「え……で、でも!あるけどこれは…威力が強すぎて……生身で受けたら…」 瑠璃隼:「こいつを倒すにはそれしかない!勝機を逃すな!」 黒百舌:「でもアナタ1人の拘束如き…!!」 0:桃鶚も拘束に加わる 桃鶚:「これで、もう逃げられないでしょ!!」 瑠璃隼:「桃鶚…!」 桃鶚:「るりりんだけカッコつけようなんて許さないわよ。白ちゃん、お願いやって。」 黒百舌:「く…、アナタ達はバカですか、私1人の為にこんな!」 桃鶚:「バカで結構よ。アナタに最後、現実を突きつける事が出来て良かったわ。」 黒百舌:「くそ…大バカ者ですね…」 瑠璃隼:「早くやれ白梟!!!」 白梟:「っ……出来ない、出来ないよ…私にこんな………黄鷹だけじゃなくて、今度は2人を失えって言うの!?」 赤鷲:「またとない勝機と、アイツらの覚悟を無駄にするな白いの!!お前の甘い気持ち1つで全員が死ぬかも知れねえんだぞ!!」 青鳶:「…俺からも頼む、白梟……」 白梟:「……瑠璃隼…桃鶚さん……」 桃鶚:「さあ、お願い!!」 白梟:「………っ分かった、分かったよ…!!ごめんなさい………瑠璃隼、桃鶚さん……!!本当に…本当にありがとう…!!」 0:グレネードのピンを外し投擲する 瑠璃隼:「地獄まで付き合ってもらうぞ、黒百舌。」 桃鶚:「じゃあね、青ちゃん先に行ってくるわね……今まで幸せだったわよ。」 青鳶:「…今までありがとうございました……鶚さん……」 黒百舌:「くっ…!!!」 0:グレネードが起爆する 青鳶:「っ…」 白梟:「…うう…ううう……2人共…」 赤鷲:「アイツらの死を無駄にするな。己の覚悟を決めて行動したんだ。」 白梟:「……分かってる…分かってるけど…」 青鳶:「……鶚さん…アナタには感謝してもしきれません……ありがとうございました………っ!この気配…」 0:砂煙の中、1人立っている 赤鷲:「まて……あれは…」 白梟:「…うそ……でしょ…直撃したはずじゃ……」 青鳶:「……これは想定外だ………黒百舌…!」 黒百舌:「はぁ……はあ……くっうう……やってくれましたね、瑠璃隼さん、桃鶚さん……」 白梟:「どうして…どうしてまだ生きてるんだよ!!!」 赤鷲:「さすがに立ってるだけでやっとって所だろうな。皮膚はただれて全身激痛に襲われているはずだ。」 青鳶:「そこまでして、どうしてお前は立ち上がる黒百舌。」 黒百舌:「はあ…はあ……どうして…?この鳥カゴの神になる為だ!!お前ら全員この手でぶっ殺して私はこの鳥カゴを支配するんだよ!!私は醜くなんかない、私は可哀そうじゃない!私こそが最強なんだと知らしめる為に!!」 0:よろめきながらナイフを持って赤鷲に向かって走る 黒百舌:「うあああああああ!!!私が高貴で崇高な猛禽類!!猛禽の頂点だぁああああああ!!!」 赤鷲:「…黒いの。テメエは強い、強すぎたさ……だが同じく強さを求めた俺だから分かる事がある。貪欲に強さを求めた俺らは、どこまでも醜いんだってな。」 0:黒百舌のナイフが赤鷲の胸を刺す 赤鷲:「ぐっ…!」 白梟:「赤鷲!!」 青鳶:「赤鷲なんで……なんで避けないんだ!」 黒百舌:「あ…あ……!やった、やったぞ!!赤鷲を…!最強の猛禽族を……がっはぁ…!!」 0:赤鷲がナイフで黒百舌の首を切る 赤鷲:「…本当に必要なもんを捨てて手に入れた強さってのは、真の強さなんかじゃねえ……そんな事に気づかねえ内は一生かけたって強くなんかならねえよ。バケモノじみたタフさがあろうと、頭の回転が速かろうと…必ず本当の強さを持った奴らにヤラれる。」 黒百舌:「き…さま………」 赤鷲:「黒いの…俺は時間はかかっちまったがその真意をやっと思い出せたんだ。愛情こそが何よりも強いってな……ずっと知ってた事なのに俺はそれを捨てちまってた。」 黒百舌:「あい…じょう……そんなもの…」 赤鷲:「俺が…思い出せたんだ……テメエにも出来るはずさ………あの世で一緒に…勉強、しなおそうぜ…」 黒百舌:「……一緒に…か………それは…遠慮……する……よ……」 0:黒百舌が倒れる 青鳶:「赤鷲!」 赤鷲:「ぜえ…ぜえ……結局、共闘しちまったな……」 青鳶:「こっちとしては願ったり叶ったりだ。」 白梟:「赤鷲……この出血量…もう……」 赤鷲:「自分の最後くらいわかってらぁ…………おい…青いの。」 青鳶:「なんだ…」 赤鷲:「テメエの手で、俺を終いにしてくれ。」 青鳶:「…なに?」 赤鷲:「俺はあの時からずっと……復讐の為だけに生きてきた……残った息子を捨て、信頼してくれていた民を捨て…ただ、力を求めて……黒いのを殺す為だけに…」 白梟:「赤鷲…」 赤鷲:「どこかで俺は…この人生を終わりにしたかったんだ……だからお前と再会して思った……お前になら、殺されてもいいってな……」 青鳶:「20年ぶりの再会が最悪な思い出になった。」 赤鷲:「…そうだな……すまなかった…ずっと親らしい事が出来なくて……守ってやれなくて…すまなかった……」 青鳶:「…アンタは守ってくれたよ。俺を黒百舌から逃がしてくれた、不器用だけど俺の事を守る為に助けてくれた。」 赤鷲:「……やっぱ桃色の…色々知ってやがったのか……くっ…あっ…」 白梟:「赤鷲、もう……」 青鳶:「鶚さんはあの後、俺を保護して養子にしてくれたんだ。知っている事を俺に教えてくれた。黒百舌の事も、アンタの事も。だから俺はこの街に来て、アンタの代わりに復讐をしようと思ったんだ。」 赤鷲:「はは……テメエも…不器用、じゃねえか……」 青鳶:「お互い様だな。」 赤鷲:「…もう時間がねえ……俺を撃て青いの…」 青鳶:「ああ……終わりにしてやる。この20年の長い戦いを…お前の苦しみを、ここで。」 0:赤鷲の額に銃口を当てる 赤鷲:「……ありがとな。バカ息子。」 青鳶:「……ありがとう。バカ親父。」 0: 0: 0: 0: 0: 0:数週間後、病院の屋上 白梟:「青坊。やっぱり屋上に居た。」 青鳶:「白梟…」 白梟:「ケガはもういいのかい?」 青鳶:「ああ、白梟も大丈夫か?」 白梟:「すっかり完治したよ。」 青鳶:「それは良かった。」 白梟:「…青坊はさ、この後どうするか決めた?」 青鳶:「どうするか?」 白梟:「この間の戦いから、この街のルールは変わって猛禽族も要らなくなった。もうこの街の人達は私達が居なくても生きていけるんだ。」 青鳶:「………そうだな。」 白梟:「私はね、この街に残ろうと思うんだ。黄鷹が残していった仲間たちや私の仲間達が心配だしね。」 青鳶:「良いと思う。きっと黄鷹もそうしていただろう。」 白梟:「でしょ。それにここに居ればお墓参りもできるしね。」 青鳶:「…俺は、母さんの故郷に戻ろうと思う。」 白梟:「お母さんの?」 青鳶:「ああ。とある港町だそうだ、海が凄く綺麗だと昔母さんが教えてくれた。そこに母さんの墓があると鶚さんから聞いたことがある、その墓の隣に赤鷲…親父の墓を建ててやりたいんだ。」 白梟:「そっか…うん、そうしてあげなよ。きっとお母さんも、赤鷲も喜ぶと思うよ。」 青鳶:「ああ。」 白梟:「私ね……青坊……」 青鳶:「なんだ白梟。」 白梟:「私……ずっと青坊の事………ううん、なんでもない。またこの街に寄る事があったら顔くらい見せてね。」 青鳶:「…ああ、黄鷹と鶚さん、瑠璃隼にもよろしく伝えておいてくれ。」 白梟:「うん、分かった。任せといて。」 青鳶:「…じゃあな、白梟。」 白梟:「またね、青坊。」 0: 0: 0: 0: 0: 0:数年後、とある港町 青鳶:「相変わらずここの海は綺麗だな。あの鳥カゴから飛び立ってもう数年……あのままあそこに居たらこの景色は2度と見れなかっただろうな。ここを教えてくれた鶚さん、ここで産まれた母さん、そしてそんな母さんと一緒になった親父には感謝しないとな。 青鳶:………母さん、親父。俺は全てを終わらせる為に、2度と2人のような犠牲者を生み出さない為にもう1度あの街に戻る。 青鳶:猛禽族という存在が居なくなってもあの街の現状は*芳《かんば》しくない。この状態が続けば黒百舌のような存在が再び現れかねない、俺はそれを阻止したい。 青鳶:この数年、ずっとそれを考えてきた。街から離れた事で見えた事もある。俺はもう1度あの街の空の支配者になる。 青鳶:今日はその報告に来た、恐らくここへはもう来ない。次会う時は、きっと地獄だろうな……最後に挨拶が出来て良かった。じゃあな…2人共。」 0: 0: 0: 0: 0: 青鳶:【N】この街は力が全てだ 0: 赤鷲:【N】愛する妻を守れなかった鷲は、愛を捨て復讐の炎をその身に宿し絶対的な暴力を得た 0: 黄鷹:【N】高みを目指した鷹は、自由に羽ばたくその翼で*他《た》を魅了し圧倒的なカリスマ性を得た 0: 白梟:【N】純白を纏う梟は、慕う者を守る為に全てを知り尽くす情報力を得た 0: 瑠璃隼:【N】規律と秩序を重んじた隼は、歪んだ悪を嫌悪し行き過ぎた正義を得た 0: 桃鶚:【N】欲を求めた鶚は、己の信念を曲げず忠実であろうと何物にも曲げられない欲望を得た 0: 黒百舌:【N】そして蔑まれてきた百舌は、鳥カゴを支配する為に愛を忘れ爪を研ぎ、巧みに惑わす力を得た 0: 青鳶:【N】この街において、それらの力を以て他の者を圧倒し頂点に君臨する者には、力と畏怖の象徴である猛禽類の名と、その者を現す色を与えられこう呼ばれていた 青鳶:……『猛禽族』…と 0: 0: 0: 青鳶:【N】そして鳶は、街を畏怖の青へと染めていく…