台本概要
301 views
タイトル | マリーゴールドの遺書 |
---|---|
作者名 | よぉげるとサマー (@gerutohoukai) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
女性1人台本ですが、お好きに性別は変更してください。 劇の音声が残るようにしてくれる場合は、ご共有下されば幸いです。是非、聴きたいです。 あと、感想もくれると喜びます 301 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
金鞠 | 女 | 1 | たぶん最後の人類 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
金鞠:あー、あー。
金鞠:どうだろ、これで?
金鞠:んー……OK?
金鞠:あぁ……うん、いいね。
金鞠:じゃ、本番ってことで。
金鞠:…………えー、どうも。
金鞠:皆さん……お一人かもしれないけど。
金鞠:とりあえず、私の見た限りだけど……って感じにはなっちゃいますが。
金鞠:たぶん、人類は滅びました。
金鞠:きっと、もう私一人なんだろうなって思うんですけど。
金鞠:…………。
金鞠:やることも無いし、もしかしたら私の他にも人類を探している人が居たとしたら……って思ってね。
金鞠:映像記録に残してみてます、いぇーい、見てるー?
金鞠:見てたからって、なんだって感じですけどねっ。
金鞠:いやー、見切り発車な感じで、喋ること決めて無いから、ぐだぐだと中身の無い情報になるなぁ、これ。
金鞠:この記録を見てる時間は、もしかしたら無駄以外の何物でも無いかもよっ、て……まぁ、自己満足だから、いっか。
金鞠:……んー、ちょっと世間話とかしようか。
金鞠:いやー、まさか人類が滅びるなんて思わなかったよね。
金鞠:まあ、人口は百年以上前から減少傾向にあったらしいけどさ。
金鞠:そこに今回のこれだからね。
金鞠:…………。
金鞠:減ってるとこに、減るようなことされたらねー……終わりだよ、それはさ。
金鞠:ウィルスとか、ゾンビとか、隕石とか。
金鞠:なんか、そういう色々を乗り越えて来た我々がさ。
金鞠:こんな感じで追い詰められて、呆気なく……かと言うと、そうでも無いけど、三十年経たずに絶滅してしまうなんてさ……。
金鞠:すごいなぁ、みたいな。
金鞠:感動に近いものを感じたりするよね。
金鞠:…………はぁ。
金鞠:結構なんか……それなりに盤石に思えてたんだよね、傍観者側からするとさ。
金鞠:偉い立場の人とか、なんとかしようとしてくれてた人の側からしたら、必死だったんだろうなぁ。
金鞠:下手にね、馬鹿正直に公表してたら……もっと早く絶滅してたろうし、私だって今生きて、これ撮れて無かったかもだし。
金鞠:……うん、まあ、結局は結局ね。
金鞠:ダメだったってことですけど。
金鞠:漠然と妄想していた『終わり』ってやつが、ちゃんと現実になったよ、ってね。
金鞠:……ははっ。
金鞠:…………ねぇ、考えたことなかった?
金鞠:人類が滅んだ世界で、自分だけが一人生き残るって。
金鞠:……私は考えたことあるよ、しかも現実になってるけど、たぶんね。
金鞠:あぁ、たぶんって、何回もそんな感じの言葉使うけどさ、許してね。
金鞠:もしかしたらって、まだ思ってたいから。
金鞠:…………うん、でさ、あれよ。
金鞠:……なんだっけ……あ、そうそう……えっと?
金鞠:あー…………そう、自分だけ生き残るって考えたことあるよねってやつ!
金鞠:いやぁ、すぐ話、脱線すると思い出せなくなる。
金鞠:これもあるあるだよね?
金鞠:歳のせいとか……なんかじゃなく、ね?
金鞠:……っと、忘れる前に話戻すか。
金鞠:……はぁ。
金鞠:夢は叶うって言うけど、そんな妄想さ、現実になんなくて良いのにね、実際。
金鞠:誰だって、特殊なシュチュエーションで、特別な存在になりたいって思うじゃない?
金鞠:そんで、なんだかんだ起こっても、自分の思っている以上に、自分は優秀で力強くて、意欲的で、勇気があって、頼れて、カッコ良くて……あはは、この時点で自分じゃ無いのにね。
金鞠:そんな別人になれたらなって……思い描いちゃうことって、あるじゃん?
金鞠:仕方ないよね、自分なんて弱くて、ダサくて、何にもできなくて……ほんと、どうしてまだ生きてんのやら、ってさ。
金鞠:…………思うねぇ……ほんと。
金鞠:……実際のところ、逃げたり、運が良かったりね。
金鞠:何にもできないのが幸いしたりして、上手いこと今に至ってるんだけど。
金鞠:……すんごい自分嫌いになったわ!
金鞠:ほんと、こんな何もできない? ってなるね!
金鞠:自分にすごいイラつくんだけどね、何にも改善しようとしないの自分!
金鞠:なんなの! いや、私自身の話なんだけど、なんなの!
金鞠:次は死ぬ、もうダメだ、早く終わりにして、って思うのに、なーんか生き残ってさ。
金鞠:……なんなの、自分。
金鞠:周りに居た人は、皆死んじゃったのに。
金鞠:……自分なんかが、どうしてって。
金鞠:……思っちゃうよね。
金鞠:……思っちゃうよ……どうしてもさ。
金鞠:もっと、上手くできたと思う。
金鞠:私じゃ無かったら。
金鞠:全然、違ってたはず。
金鞠:……だから、だよね。
金鞠:強い……自分じゃない誰かを……妄想しちゃうのは。
金鞠:…………ごめん。
金鞠:つまんないし、意味ないね、こんなの。
金鞠:結論は、私以外、もう居ない。
金鞠:そんで、できる限りの方法を使って、生き残りを探したけど……見つかんない。
金鞠:そういうことです。
金鞠:……あ、言うてあんま努力してないだろ、って思ってない?
金鞠:それがね……一人になってもう五年経ちました。
金鞠:…………。
金鞠:もう、必死に探してたよ。
金鞠:一年くらい鬱みたいになって全然喋んないでいたら、言葉発せなくなりかけたこともあったし。
金鞠:すごい怪我して、いよいよダメだって思ったことも何度かあったよ。
金鞠:でもねー……なんでかね。
金鞠:……死にたくは、無かったんだろうなぁ。
金鞠:…………弱いんだなぁ、そういう道も選べないくらい。
金鞠:……これ撮ってる間もね、ずーっと、広域に聴こえるスピーカーでさ、リアルタイムに声を発信してたりさ。
金鞠:生きてる電波使って、音声通信も飛ばしてるんだけどね。
金鞠:……っつ。
金鞠:……まぁ……どうだろうね。
金鞠:三年、試してるけど、このざまだから。
金鞠:……うん。
金鞠:……外にいる間、自分の声なんて聴きたく無かったから、やってなかったけど。
金鞠:ここを去るまでには、録音ずっと流してるのに切り替えないとなぁ。
金鞠:めんどくさいんだよね、そういう設定も。
金鞠:……あー、やりたく、なぁい。
金鞠:…………まあ、やるけど。
金鞠:…………いてて……はははっ。
金鞠:…………くそぅ。
金鞠:……ねぇ、誰か居る?
金鞠:……誰か、聴いてる?
金鞠:……聞こえてる?
金鞠:…………これは、遺書になるんだよね、私の。
金鞠:だからって、誰にも、何も残せやしないけどさ。
金鞠:……ここ見つけた誰かが、同じように使えるように、マニュアル作っておかないとなぁ。
金鞠:……世界は広いから、きっと誰かいるよね。
金鞠:……私が、助けてあげられる、誰かが。
金鞠:…………大したこと、できないけどさ。
金鞠:……あのね。
金鞠:…………なんか、抱きしめたい。
金鞠:……それで、抱きしめて欲しい。
金鞠:…………いや、やっぱいいんだ。
金鞠:……最後の人類って……なんかカッコいいし。
金鞠:それで……いいか。
金鞠:…………あ、そうか。
金鞠:まだ、だめか。
金鞠:……そうだそうだ……このままじゃ……そうだ。
金鞠:…………ん。
金鞠:……あぁ……だめだめ。
金鞠:ほら、だめだから。
金鞠:……私、まださ……できてないし。
金鞠:……音が、ね。
金鞠:聞こえなくなるって……誰にも。
金鞠:…………そ、う。
金鞠:…………うん。
金鞠:……だけど、さ。
金鞠:…………そう……ね。
金鞠:……まだ、作って、ないよ?
金鞠:…………なん、にも。
金鞠:…………の、こせない、よ?
金鞠:…………たすけ、られない。
金鞠:………………。
金鞠:…………きっと。
金鞠:…………私。
金鞠:………から。
金鞠:………………。
金鞠:………………。
金鞠:………………。
0:…………すごい。
0:……がんばったね。
0:……えらいよ。
0:…………疲れたね。
0:……ありがとう。
0:すごく、助かったよ。
0:…………おやすみ。
0:
0:おわり
金鞠:あー、あー。
金鞠:どうだろ、これで?
金鞠:んー……OK?
金鞠:あぁ……うん、いいね。
金鞠:じゃ、本番ってことで。
金鞠:…………えー、どうも。
金鞠:皆さん……お一人かもしれないけど。
金鞠:とりあえず、私の見た限りだけど……って感じにはなっちゃいますが。
金鞠:たぶん、人類は滅びました。
金鞠:きっと、もう私一人なんだろうなって思うんですけど。
金鞠:…………。
金鞠:やることも無いし、もしかしたら私の他にも人類を探している人が居たとしたら……って思ってね。
金鞠:映像記録に残してみてます、いぇーい、見てるー?
金鞠:見てたからって、なんだって感じですけどねっ。
金鞠:いやー、見切り発車な感じで、喋ること決めて無いから、ぐだぐだと中身の無い情報になるなぁ、これ。
金鞠:この記録を見てる時間は、もしかしたら無駄以外の何物でも無いかもよっ、て……まぁ、自己満足だから、いっか。
金鞠:……んー、ちょっと世間話とかしようか。
金鞠:いやー、まさか人類が滅びるなんて思わなかったよね。
金鞠:まあ、人口は百年以上前から減少傾向にあったらしいけどさ。
金鞠:そこに今回のこれだからね。
金鞠:…………。
金鞠:減ってるとこに、減るようなことされたらねー……終わりだよ、それはさ。
金鞠:ウィルスとか、ゾンビとか、隕石とか。
金鞠:なんか、そういう色々を乗り越えて来た我々がさ。
金鞠:こんな感じで追い詰められて、呆気なく……かと言うと、そうでも無いけど、三十年経たずに絶滅してしまうなんてさ……。
金鞠:すごいなぁ、みたいな。
金鞠:感動に近いものを感じたりするよね。
金鞠:…………はぁ。
金鞠:結構なんか……それなりに盤石に思えてたんだよね、傍観者側からするとさ。
金鞠:偉い立場の人とか、なんとかしようとしてくれてた人の側からしたら、必死だったんだろうなぁ。
金鞠:下手にね、馬鹿正直に公表してたら……もっと早く絶滅してたろうし、私だって今生きて、これ撮れて無かったかもだし。
金鞠:……うん、まあ、結局は結局ね。
金鞠:ダメだったってことですけど。
金鞠:漠然と妄想していた『終わり』ってやつが、ちゃんと現実になったよ、ってね。
金鞠:……ははっ。
金鞠:…………ねぇ、考えたことなかった?
金鞠:人類が滅んだ世界で、自分だけが一人生き残るって。
金鞠:……私は考えたことあるよ、しかも現実になってるけど、たぶんね。
金鞠:あぁ、たぶんって、何回もそんな感じの言葉使うけどさ、許してね。
金鞠:もしかしたらって、まだ思ってたいから。
金鞠:…………うん、でさ、あれよ。
金鞠:……なんだっけ……あ、そうそう……えっと?
金鞠:あー…………そう、自分だけ生き残るって考えたことあるよねってやつ!
金鞠:いやぁ、すぐ話、脱線すると思い出せなくなる。
金鞠:これもあるあるだよね?
金鞠:歳のせいとか……なんかじゃなく、ね?
金鞠:……っと、忘れる前に話戻すか。
金鞠:……はぁ。
金鞠:夢は叶うって言うけど、そんな妄想さ、現実になんなくて良いのにね、実際。
金鞠:誰だって、特殊なシュチュエーションで、特別な存在になりたいって思うじゃない?
金鞠:そんで、なんだかんだ起こっても、自分の思っている以上に、自分は優秀で力強くて、意欲的で、勇気があって、頼れて、カッコ良くて……あはは、この時点で自分じゃ無いのにね。
金鞠:そんな別人になれたらなって……思い描いちゃうことって、あるじゃん?
金鞠:仕方ないよね、自分なんて弱くて、ダサくて、何にもできなくて……ほんと、どうしてまだ生きてんのやら、ってさ。
金鞠:…………思うねぇ……ほんと。
金鞠:……実際のところ、逃げたり、運が良かったりね。
金鞠:何にもできないのが幸いしたりして、上手いこと今に至ってるんだけど。
金鞠:……すんごい自分嫌いになったわ!
金鞠:ほんと、こんな何もできない? ってなるね!
金鞠:自分にすごいイラつくんだけどね、何にも改善しようとしないの自分!
金鞠:なんなの! いや、私自身の話なんだけど、なんなの!
金鞠:次は死ぬ、もうダメだ、早く終わりにして、って思うのに、なーんか生き残ってさ。
金鞠:……なんなの、自分。
金鞠:周りに居た人は、皆死んじゃったのに。
金鞠:……自分なんかが、どうしてって。
金鞠:……思っちゃうよね。
金鞠:……思っちゃうよ……どうしてもさ。
金鞠:もっと、上手くできたと思う。
金鞠:私じゃ無かったら。
金鞠:全然、違ってたはず。
金鞠:……だから、だよね。
金鞠:強い……自分じゃない誰かを……妄想しちゃうのは。
金鞠:…………ごめん。
金鞠:つまんないし、意味ないね、こんなの。
金鞠:結論は、私以外、もう居ない。
金鞠:そんで、できる限りの方法を使って、生き残りを探したけど……見つかんない。
金鞠:そういうことです。
金鞠:……あ、言うてあんま努力してないだろ、って思ってない?
金鞠:それがね……一人になってもう五年経ちました。
金鞠:…………。
金鞠:もう、必死に探してたよ。
金鞠:一年くらい鬱みたいになって全然喋んないでいたら、言葉発せなくなりかけたこともあったし。
金鞠:すごい怪我して、いよいよダメだって思ったことも何度かあったよ。
金鞠:でもねー……なんでかね。
金鞠:……死にたくは、無かったんだろうなぁ。
金鞠:…………弱いんだなぁ、そういう道も選べないくらい。
金鞠:……これ撮ってる間もね、ずーっと、広域に聴こえるスピーカーでさ、リアルタイムに声を発信してたりさ。
金鞠:生きてる電波使って、音声通信も飛ばしてるんだけどね。
金鞠:……っつ。
金鞠:……まぁ……どうだろうね。
金鞠:三年、試してるけど、このざまだから。
金鞠:……うん。
金鞠:……外にいる間、自分の声なんて聴きたく無かったから、やってなかったけど。
金鞠:ここを去るまでには、録音ずっと流してるのに切り替えないとなぁ。
金鞠:めんどくさいんだよね、そういう設定も。
金鞠:……あー、やりたく、なぁい。
金鞠:…………まあ、やるけど。
金鞠:…………いてて……はははっ。
金鞠:…………くそぅ。
金鞠:……ねぇ、誰か居る?
金鞠:……誰か、聴いてる?
金鞠:……聞こえてる?
金鞠:…………これは、遺書になるんだよね、私の。
金鞠:だからって、誰にも、何も残せやしないけどさ。
金鞠:……ここ見つけた誰かが、同じように使えるように、マニュアル作っておかないとなぁ。
金鞠:……世界は広いから、きっと誰かいるよね。
金鞠:……私が、助けてあげられる、誰かが。
金鞠:…………大したこと、できないけどさ。
金鞠:……あのね。
金鞠:…………なんか、抱きしめたい。
金鞠:……それで、抱きしめて欲しい。
金鞠:…………いや、やっぱいいんだ。
金鞠:……最後の人類って……なんかカッコいいし。
金鞠:それで……いいか。
金鞠:…………あ、そうか。
金鞠:まだ、だめか。
金鞠:……そうだそうだ……このままじゃ……そうだ。
金鞠:…………ん。
金鞠:……あぁ……だめだめ。
金鞠:ほら、だめだから。
金鞠:……私、まださ……できてないし。
金鞠:……音が、ね。
金鞠:聞こえなくなるって……誰にも。
金鞠:…………そ、う。
金鞠:…………うん。
金鞠:……だけど、さ。
金鞠:…………そう……ね。
金鞠:……まだ、作って、ないよ?
金鞠:…………なん、にも。
金鞠:…………の、こせない、よ?
金鞠:…………たすけ、られない。
金鞠:………………。
金鞠:…………きっと。
金鞠:…………私。
金鞠:………から。
金鞠:………………。
金鞠:………………。
金鞠:………………。
0:…………すごい。
0:……がんばったね。
0:……えらいよ。
0:…………疲れたね。
0:……ありがとう。
0:すごく、助かったよ。
0:…………おやすみ。
0:
0:おわり