台本概要

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タイトル 約束の華園《The Promised Flower Garden》⭐︎
作者名 すばら  (@kou0204hei)
ジャンル ファンタジー
演者人数 6人用台本(男4、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 続き。以下省略。話も演じ方も難易度が高い方かと思います。詳しくは前の台本を参照。生半可な覚悟で挑むと火傷を負います。前の同様、出来る方のみで。無理だと思った方はそっと閉じて下さいね。次回作から、人外も多数登場するので更に難易度が跳ね上がります。

愚のサキュラ、辱のタバサ、ナレ有り。今回、クリスが訳あって少ないので。構成例→クリス、レジル兼ね役→出来ればアルムも。
サキュラはレジル役か、もしくは出来る方ならクリスに全役振り分ける。
アリサにはダーナ、タバサ。出来なければ分離しても。分離せずに出来るなら、実質三人か、四人。四人の場合、レジルは後半しか出てこないのでレジル→サキュラ、ナレが妥当。

※零章〜二章までの台本、追加、訂正等を加えました。本筋も変わっているので、ストーリー追いたい方は戻る事を強くお薦めします。※

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
クリストファー 34 今作の主人公。邪葬霊を体内に飼っている。すぐ自己嫌悪する。ネガティブだが、芯は強い。クール。邪葬霊に憑依されると口調がガラッと変わる。武器は鎌。
ネメス 60 直情型でお節介。とにかく熱い漢。40歳。戦闘では腕に刻んだ邪龍の力を解放して戦う。主人公より厨二感強い。アリサとは恋仲。武器は己の拳!byネメス。
アリサ 51 温室育ちの天然お嬢様。38歳。歳は喰ってるが、見た目は20代。黒髪の清楚美人。誰よりも恋人のネメスを気遣う。唯一、ネックな点、料理下手。武器はロッド。主にサポート役の水の霊術使い。
レジル 24 魔煌研究所の所長。難病さえもいとも簡単に治してしまう、天才ドクターの異名を持つ。年齢、69歳。グラビア好きなスケベな一面も。
ダーナ 6 魔煌研究所でエリア長を務める、ベテラン研究員。21歳。毒舌で可愛い物(人)には目が無い。豊満なボディで人々を悩殺してしまう事も。アルムとは仲が良いが、アルムに対する坊や呼びに本人は納得がいっていない。戦闘では自身開発のペット?で戦う。武器は鞭。
アルム 7 魔煌研究所で人体実験のサンプル採取を担っている好青年。21歳。若くしてその才は研究所外でも轟いている。戦闘は不得意だが、知識は豊富。ダーナとは同期。光の霊術を心得ている。武器はお手製の小剣。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:第三章。悲愴【浮かない表情のクリスとネメス、気付けばすっかり夜は更け。】 クリストファー:「ネメス。捜索の件だが、その辺を闇雲に捜す訳ではないよな?」 ネメス:「クリスお前ぇ!痛いところを突くな!ふぅ…どうしたものか。」 クリストファー:「お…おい!…手がかりになるヒントすらも無いのか?」 ネメス:「ああ、残念ながらな…はははっ!」 クリストファー:「お前なぁ…何も手掛かりが無いのにどう捜すんだ?途方もない話だ。」 ネメス:「大丈夫だ!その内、見付か……んぅー!?お、お前はぁああ!?(女性と思しき人影を発見する)」 クリストファー:「どうした、ネメス?子供みたいにはしゃいで。」 0:《間》 アリサ:「ね、ネメス!?貴方はネメスなのですね?良かった。ずっと捜しておりましたの…」 ネメス:「いや、それは俺の台詞だ、馬鹿野郎…アリサ!お前、どこで油売ってたんだよ?」 クリストファー:「この女がお前の云ってた捜し人か?これで俺の任務は完了だな。」 0:《間》 アリサ:「ちょっと、お散歩をしていたのですが…迷子になってしまって……気付いたら、この薄暗い森の中に……」 ネメス:「………お前が方向音痴なのは今に始まった事じゃねえが、ひと月も行方知らずになっちまうのは想定外だ…(苦笑)」 クリストファー:「ひと月だと?!俺も方向音痴だが、上には上がいるもんだな。」 0:《間》 アリサ:「…この奇妙な森の中を彷徨い続けていたら…怖くて心細くなり…【ネメス!どちらにいらっしゃいますの?】と叫びながら…捜しておりましたの。」 ネメス:「やれやれ……こんな人気の無い森で叫んだところで意味ねえって!(苦笑)」 クリストファー:「…(この女は天然なのか??絶対そうだよな。)」 0:《間》 アリサ:「…ぇぇええ??私(わたくし)凄く怖くて…無我夢中で走っていたら余計に迷ってしまって……ご、ごめんなさい…(猛省)」 ネメス:「なるほどな。まぁ、お前が無事で本当に良かったぜ!」 クリストファー:「(これは感動の再会って云うヤツなのか?)」 0:《間》 アリサ:「所でネメス、こちらの御仁さんは?」 ネメス:「あ~!お前が鈍臭ぇから、紹介するのが遅れたぜ!こいつはクリストファーだ。」 ネメス:「お前を捜してたら、たまたま【約束の華園】で出会(でくわ)してな。そこでオカマ野郎とドンパチしててよ、ピンチみてぇだったから俺が助けてやったんだよっ!(ドヤ顔)」 アリサ:「オカマ野郎ぅ?…あらあら~その様な事がありましたの。…2人ともご無事でなによりですわ。」 クリストファー:「おい待て。自慢げに云ってるが俺は助けろなんて一言も頼んでないからな?」 ネメス:「素直じゃねえな小僧!…まぁいい。……報酬代わりにアリサも見つかった事だしな!」 ネメス:「あーそれでな…アリサ!…落ち着いて良く訊けよ?お前の兄に遭遇したんだが、さっきの戦闘で死んだのを確認した。…すまねぇ!」 アリサ:「え…お兄様が……」 クリストファー:「ネメス……あれはお前のせいじゃない。…お前が気に病むことは無い。アリサ、すまない…ファズは俺が……殺した(動揺)」 0:《間》 アリサ:「な、なんですって?!……お、お兄様の事を…貴方が殺しましたの!あ、貴方が……私のお兄様を……?あぁぁ…何て事を……。…うっ…うぅっ……うわぁぁぁあああん!!(号泣)」 0:《間》 アリサ:「…うぅぅ…。お兄様を…よくも……か、覚悟なさいっ!!(髪を留めていた簪で刺そうとする)」 0:【困惑するクリスを余所に錯乱したアリサが突如、襲い掛かる。】 クリストファー:「…っ!」 ネメス:「アリサ、よせっ!!…先に仕掛けて来たのはお前の兄、ファズだ!正当防衛でこいつは悪くねえよ。頼むから、落ち着いてくれ…な?」 0:【ネメスが必死にアリサを制すと、アリサの手から簪が滑り落ちる。】 アリサ:「…ぅう…ぅう…しくしく…ぅう…しくしく……ぅうううう…!泣き止んだ後(ネメスに凭れ掛かる)」 クリストファー:「くっ……クソッ!(その場を去る)」 ネメス:「クリスッ!…おいっ!待て!!チッ……!」 0:《間》 クリストファー:「はぁぁ…(嘆息)」 クリストファー:「俺の能力(ちから)は人を不幸にする…だが!それでも知らないといけない。俺が何者なのかを!この身体がいつまで持つかはわからないが……ぐふぉ!(吐血)」 クリストファー:「はぁはぁ…どんなに蔑まされようと…受け入れなくては…これが俺の宿命なんだか…ごふっ…!(吐血し過ぎて気絶)」 0:《間》 【N】:【神螺(しんら)の森で出逢った女性はファズの妹だった。クリスはファズの無念を悟り、己を強く嫌悪してしまう。チカラを解き放ち徐々に蝕まれ始める身体。生前、ブライアンが警告していた言葉が脳裏に過ぎる。フォルスリングを使用し過ぎると生命を削られる。謂わば、諸刃の剣だと云うことを。】 クリストファー:「この指輪、一度着けると外れないのか。クソッ!……とりあえず一旦戻るか…」 ネメス:「クリス、戻ってきたか。ん…お前、口に付着した血は…吐血したのか?大丈夫かよ?」 クリストファー:「ああ、問題ない。さっきの戦闘で体力を消耗し過ぎたせいだろう。」 アリサ:「……クリスさん、先程は取り乱してしまい申し訳ございません…」 アリサ:「兄は…ファズは5年前に突然、私の前から消えてしまったのです。まさか…敵側に居たなんて…(涙)」 クリストファー:「そんな事があったのか…理由はどうであれ、俺がアリサのお兄さんを殺してしまったのは事実だからな。君の判断は正しい。もし、君と同じ立場に置かれていたら、先程のアリサみたいに怒り狂っていた事だろう。」 ネメス:「クリス…」 アリサ:「クリスさん……もう自分を責めないで下さい。私(わたくし)はクリスさんの事を誤解していましたの…でも、貴方と向き合って、解りました!貴方はとても芯の強い、真っ直ぐなお方だと云う事を!」 ネメス:「アリサ、お前……」 アリサ:「あっ!そう云えば…昨日、夜通しで作りましたの!クリスさんのお口に合うかは解りませんが、宜しければどうぞ。(握り飯を渡す)」 クリストファー:「ありがとう。頂きます!…………ん?!うぐぁ!?(気絶)」 ネメス:「あ~喰っちまった!アリサは滅法、料理が下手くそなんだよな…(苦笑)」 アリサ:「く、クリスさん…!?だ、大丈夫ですか?一体…どうしたのでしょうか?急に眠ってしまわれましたわ……」 クリストファー:「………」 ネメス:「やれやれ……(呆)」 【N】:【アリサと分かり合えたクリスだったが、握り飯の破壊力により気絶してしまう。この時の彼等はこの後、想像を絶する未来が待ち受けている事は知る由も無かった。】 0:第四章。不穏な影 クリストファー:「…(う~ん。はっ!…お、俺は?!ここは……ネメスの背中!?…確か、握り飯を喰ったら急に眠くなって……)」 クリストファー:「ネメス。俺は…?」 ネメス:「…やっと起きやがったかー!俺の背中で綺麗に鼻ちょうちん垂らしやがって…まぁ、寝顔は可愛いかったぞ!…はははっ!」 アリサ:「おはようございます、クリスさん!その…大丈夫ですか?先程は急に眠ってしまわれたので…お気分の方は如何でしょうか?」 クリストファー:「ん?ああ…!大丈夫だ。少々、疲労が溜まってたのだろう。(相変わらず天然だな…)」 ネメス:「おい…お前らー!悠長にお喋りしている暇は無いみたいだぜ?」 アリサ:「ネメス?ど、どうかされましたの?眉間に皺を寄せたりして…?…え?!」 クリストファー:「敵か。地面が揺れている…下か?!ち、地中を移動しているだと?」 ネメス:「…空の次は地か!…忙しいこったな。お前ら、武器を構えろ!来るぞっ!!」 タバサ「こやつら…妾の気配に気付いたか!?中々やるではないか!だが、遅いぞよ!隙だらけだ!!…裂破千烈棍!(れっぱせんれつこん)」 アリサ:「…!や、やらせません!…水霊様、変幻自在にお姿をお変えになり、彼の者達を守護する盾となって下さいませ。アクア•バリア!」 タバサ:「水の霊術か!ぐぬぬ…おのれぇ!」 ネメス:「アリサ、恩に着るぜ!いくぜぇ、土竜野郎!《詠唱》腕に刻まれし邪竜よ、俺の呼び掛けに応やがれ!…地面ごと爆発させてやるよ!グラン•トリガー!!」 タバサ「ぐぅっ…!こやつら、噂以上にやりおるわ。なれば、妾も本気を出そうぞ!この辱のタバサ!貴様ら等に遅れは取らぬ!!」 タバサ:「古より生まれし、強大なる破壊神アレスよ!…こやつらに鉄槌を!!……ジャッジメント•ディザスター!!」 ネメス:「ぐはっ……!」 アリサ:「きゃああ!」 クリストファー:「…頭がぁ、痛い、割れる………グォォオ!!貴様の怒りが我への糧になる。助けが必要ならば、手を貸してやろう。」 タバサ:「小僧の雰囲気が変わったじゃと?!これが報告にあった邪葬霊の姿か?」 クリストファー:「ふん、鬱陶しい土竜だ。我が地中から引き摺り出してやろう!」 タバサ:「なに!?」 クリストファー:「……明滅破断光!(めいめつはだんこう)」 タバサ:「……ぬわ!?わ、妾の目が!!……視界がどんどん狭まり、地面の中だと何も見えぬ!くっ……おのれぇ!!(地上に上がる)」 タバサ:「ぐっ…止むを得まい。とくと見よ!これが妾の底力ぞ!…《詠唱》辱となるは汝の顔、絶望の表情(かお)で断末魔を叫べっ!」 タバサ:「血凶想辱!!…(ちきょうそうじょく)」 クリストファー:「……ぐふっ!!この我に掠り傷を負わせるとはな。見事だ、だが!我は絶対なる王、跪(ひさまず)くは貴様の脚よ!虚空(こくう)より…」 【N】:【その刹那、いつかのオカマが不気味な笑みを浮かべながら強襲してくる。】 サキュラ:「…あらあらあ~いつぞやの坊や達じゃないのお~!?この前の借りを返しにきたわぁん!って!何よ、タバサ婆!情けないわねえ?ズタボロじゃないの。うふふ~ん!」 サキュラ:「アタイも~混ぜてくれるわよねえ~??格段に上がったアタイの実力ぅ~その目に焼き付けなさいよお~!!…ギルティー•ダストォオ!」 【N】:【サキュラの強襲で優勢だった戦況は一気に覆された。】 クリストファー:「ぐは……貴様ァ!!」 ネメス:「お前は、いつぞやの醜男(ぶおとこ)野郎!今度こそ、完膚無きまでに叩きのめしてやるよ!!」 アリサ:「貴方が噂のオカマさん?私(わたくし)は貴方に恨みはありませんがお命…頂戴いたしますわぁ!!」 サキュラ:「あらあらあ~威勢だけは一丁前なのねえ~!んー?アンタは確か、ネメスとか云ったわねえ?…アタイの綺麗な額に傷を負わせた事、忘れたとは云わさないわよー?後悔させてあげるう~!絶•餓刃滅閃!(ぜつがじんめっせん)」 ネメス:「何?!前より速くなってやが……ぐはぁ!」 ネメス:「くっ…!はぁ…はぁ…はぁ…パワーアップしたって云うのは、强(あながち)ハッタリじゃないみたいだな。」 アリサ:「ね、ネメス!今、傷を癒しますわ!水霊様、彼(か)の者をその優しき息吹で包み込んであげて下さいませ!…ブレス•キュア!」 サキュラ:「うふふん~♪いい加減に観念したらどうかしらん?さぁさぁ、これでお終いよお~!(空からナイフを無数に降らせる)」 タバサ:「サキュラめ…調子に乗りおって!妾も遅れをとる訳にはいかぬな!…慚雫懺死戟(はだんざんしげき)」 アリサ&ネメス:「ぐはぁ……!はぁはぁ…」 サキュラ:「うふふ~ぅ!あらん?この程度なのお??この間の威勢はぁ、どこにいったのかしら?(嗤)」 タバサ:「…おっほほほ~!!汝らが幾ら、束になって来ようと結果は変わらないと云う事じゃ!」 クリストファー:「全く以て…頭が高い!…虫けら共がまとめて葬り去ってくれるっ!!」 クリストファー:「虚空より出し、万物の神よ、我が命(めい)に応え仇(あだ)なす者に断罪の刄を!!」 クリストファー:「……アルケーディカス•ティース!!」 ネメス:「何だ!?クリスの足元にある六芒星は(ろくぼうせい)今まで、こんなモノは無かった筈だ。まさか、暴走の類か!!」 アリサ:「あ、あれは禁唱(きんしょう)!…い、いけません!クリスさん!これ以上、能力(ちから)を酷使しては貴方の身が!!」 タバサ&サキュラ:「ぁあああ…!」 サキュラ:「…な、な、何あれぇ?!な、何なのよお~!!そんなの反則よぉ……ぐぎゃあああああ!!(戦闘不能)」 タバサ:「さ、砂塵(さじん)の盾よ!妾を…守護するのじゃ!!………発動しない?!な、何故じゃ!?あぁぁ…わ、わ、妾の盾が文字通り、砂の様に溶けてぇぇえええ!!(戦闘不能)」 クリストファー:「フッハハ!!小物にしては中々楽しめ………ぐうあっ!…どうやら、此奴の身体も限界に達してる様だな…スウッ(元に戻り気絶)」 ネメス:「く、クリス!おい…大丈夫か?しっかりしやがれ!!」 アリサ:「ネメスッ!!そのように身体を揺らしては余計に悪化してしまいますわ。クリスさんの身体から異国紋様が消えません…ここから先は私の知人のレジル博士に診せては如何でしょうか?」 ネメス:「す…すまないっ!レジル博士?ああ、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)の偏屈じいさんか!」 アリサ:「ええ。レジル博士に連絡してみますわね。」 ネメス:「ああ。しかしコイツ重ぇな……!(苦笑)」 【N】:【サキュラとタバサからの猛攻撃を受けたものの、クリス(邪葬霊)の活躍により、難局を打開した。】 【N】:【しかし、極限まで能力(ちから)を酷使したせいでクリスは気絶してしまう。アリサは魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)の所長、レジル博士に目通りする為、通信機を片手にコンタクトを取る。】 アリサ:「もしもし、レジル博士ですか?少々、お時間宜しいでしょうか?」 レジル:「アリサ久しいのう。して、要件は?」 アリサ:「レジル博士に診て頂きたい人物がいますの。これから、魔煌研究所に伺っても大丈夫でしょうか?」 レジル:「…ふーむ。他でもない、アリサの頼みじゃ、良かろう。気を付けて来なさい!中年反抗期…ネメスも一緒か?」 アリサ:「まぁ〜!レジル博士、感謝致しますわ!ええ、中年反抗期ネメスも一緒です。ふふ!」 ネメス:「中年反抗期だと?!おい、アリサそれって俺の事…」 アリサ:「ほらほら、急ぎますわよ!ネメス。」 ネメス:「ちっ…!あの糞ジジイ…!」 レジル:「へ、へ、へっくしゅん!!…ふぅーー今日は一層冷えるわい。」 ネメス:「アリサ。確か、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)は神螺(しんら)の森を抜けて、北の方角だったな?」 アリサ:「ええ、そうですわあ!」 アリサ:「ぐぅぅー!(お腹鳴る)あら…やだ!私ったら、はしたない…」 ネメス:「だははは…!腹空かしてるところ悪いが飯は後だ。あの偏屈じいさんは、いけ好かねえが…クリスが心配だからな。」 クリストファー:「……」 【N】:【クリスをネメスの背におぶさりながら、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)に急ぎ足で向かう!】 【N】:【漸く、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)のエントランスを抜け、右奥に進んだ一室に1人の不気味な老人が紅に染まった椅子に腰を掛けていた。】 レジル:「アリサ、待っておったぞ。それに…中年反抗期…ネメスもな。」 アリサ:「レジルさん!お久しぶりですね!ご健勝そうで何よりですわぁ!」 レジル:「アリサの頼みだから引き受けたが。前みたいに中年反抗期の態度が悪けれ…」 ネメス:「相変わらずだな、偏屈じじい!未だくたばって無かったのかっ?(嘲笑)」 レジル:「黙れ…!!毎度、毎度と貴様は…厄介事ばかり押し付けおって!(怒)」 レジル:「…ん?!貴様の背で居眠りこいてる男は何者じゃ?…ここいらじゃ、見掛けん顔だが…」 アリサ:「レジル博士、先程の診て欲しい人物ですわ。」 レジル:「ふむ、其奴がか。」 0:第五章。危篤 ネメス:「じいさん、こいつはクリスと言ってな。愚のサキュラ、辱のタバサと戦ってる最中にもう一人のこいつ?みたいな奴が全力を出した途端にぶっ倒れちまったんだ。」 レジル:「む?もう一人の姿じゃと!ネメス、それは悪魔のような形をしていたか?」 ネメス:「ああ、ありゃ正真正銘の悪魔だったな。じいさん、何か心当たりでもあんのか?」 レジル:「恐らく、邪葬霊じゃな。」 アリサ:「…」 ネメス:「邪葬霊?」 レジル:「うむ。遥か昔、魔刻と呼ばれた流行り病が人々を地獄の底に突き堕としたんじゃ。散っていった魂達は報われず負の感情を増幅させ、邪神…否、邪葬霊を生み落とした。」 ネメス:「なんだ、そりゃ!?つまりは邪葬霊ってのがクリスの中にいるって事か??」 アリサ:「ネメス、レジル博士の仰ってる話は一語一句として誤りはありませんわ。」 ネメス:「アリサ?その口振り…お前、何か知ってるのか?」 アリサ:「はい。触り程度ですが、私の母上から邪葬霊の話と戦闘の際に垣間見た【禁唱】については学びましたの。」 レジル:「ごほん…!続きを宜しいか?」 ネメス:「ああ、話の腰を折って悪かったな!」 アリサ:「申し訳ありません。お願い致します!レジル博士。」 レジル:「邪葬霊が何故、小僧の身体に棲みついたかはワシにも解せん話だが余程、居心地が良いのだろうな。」 ネメス:「要はその邪葬霊とか云うヤツのせいでクリスはダウンしちまったって訳か?」 レジル:「うむ、小僧に浮き出た異国紋様にアリサが云ってた【禁唱】…十中八九そうじゃろうな。」 ネメス:「さっきから盛んに出てくる、その【禁唱】とやらは何なんだ?」 アリサ:「禁唱とは禁じられた詠唱の事ですの。【虚空より出し、万物の神よ、我が命に応え、仇なす者に断罪の刄を】こちらが禁唱ですわ。」 ネメス:「アリサ、禁唱を唱えるとどうなるんだ?」 アリサ:「唱える度に負の感情が体内へ蓄積されていきますわ。最悪の場合、死に至ります。」 ネメス:「何だと?!…クリスは大丈夫なのかよ!」 アリサ:「クリスさんの場合は一度しか取り込んでいませんので、大事に至る可能性は極めて低いと思いますが。」 ネメス:「そうか。」 レジル:「ふむ…小僧が身に付けている指輪はフォルスリング【魔封じの壺】か。」 レジル:「…アリサ、ネメス、心して訊くんじゃ。完治の保障は出来ない。」 アリサ:「そんな…レジル博士でも治せない病なのでしょうか?」 レジル:「すまぬ…邪葬霊は病と括れるものじゃないからの。100%治るとは云い難いかもしれん。」 ネメス:「は?ふざけんな!天才博士の異名は飾りか?あ?」 レジル:「き、貴様!それが人様に頼む態度か?気が変わった、他を当たれ。」 アリサ:「ちょっと、ネメス!事態は急を要するんですわよ?荒々しい言動は弁えて下さい!」 ネメス:「チッ…悪かった!じいさん、改めて、頼む。」 レジル:「ふん…二度とワシに楯突かないと誓うのであれば、小僧を診てやろう。」 アリサ:「レジル博士、私からもどうかお願いしますわ!ほら、ネメスも!」 ネメス:「レジル博士…お、お願いし…ます。」 レジル:「誠意が微塵も感じられんが…貴様にしては頑張った方じゃな。」 ネメス:「くっ…」 アリサ:「レジル博士、如何されるのです?」 レジル:「うむ、完治は難しいが症状の進行を抑えられる事は出来る。煌石、ゲミニートイコスでな。」 ネメス:「ゲミニートイコスとやらはどこで手に入るんだ?」 レジル:「そう急(せ)くな。」 レジル:「一旦、エントランスまで戻れ。エントランスに着いたら、左にあるエレベーターで5階に上がった先、実験エリアに敏腕研究職員、アルムとダーナがいるはずじゃ。主らの事はワシから話しておこう。」 アリサ:「?レジル博士は来られないのですの?」 レジル:「案ずるな、ワシは後から向かう。」 ネメス:「…急ぐぞ!アリサ。」 アリサ:「ありがとうございます!レジル博士。ええ、行きましょう!」 【N】:【アリサのお陰で何とかレジルを説得する事に成功した。レジルの云う、アルム、ダーナが待つ奥の部屋へと向かう。】 ネメス:「実験エリアというのは此処の事か?随分と頑丈な扉だな。」 アリサ:「一体、この中で何が行われているのでしょう?」 ネメス:「さぁな。入るぞ。」 アリサ:「…これは……!」 アルム:「被験体469番のサンプルが未だ採取出来ていません。」 ダーナ:「坊や、焦ってていても何も始まらないわよ?落ち着い…あら?貴方達は。」 アルム:「ダーナ、坊や呼びはやめてって!…ん?」 ネメス:「ジイ…レジル博士から話が通ってると思うんだが。」 アリサ:「御二方がアルムさんとダーナさんですの?」 アルム:「君達はレジル博士の紹介で来たのかい?」 ダーナ:「博士が云ってた、金髪の可愛い坊やとは貴方の背に乗っている子ね?」 ネメス:「ああ、こいつはクリストファー•ハロルド。略して、クリスだ。」 アリサ:「お忙しい中、申し訳ありません。」 ダーナ:「大丈夫よ。この魔煌研究所には50人以上の技術者がいるからねえ。」 ダーナ:「ごめんあそばせ、紹介の方が遅れたわね。あたしは魔煌研究所のエリア長、ダーナよ。宜しくねえ!それから、こっちの坊やが…」 アルム:「ダーナ!坊やは、やめてくれ。失礼!僕は魔煌研究所で主に被験者のサンプルを採っているアルムだよ。戦闘に関してはダーナの方が秀でているけど、知識なら任せて!」 ネメス:「俺はネメスだ。」 アリサ:「私はアリサと申します。以後、お見知り置きをお願いしますわ!」 ダーナ:「むさ苦しいおっさんはさて置き、早くその可愛い坊やをベッドに寝かせてあげないとねえ!」 アルム:「ダーナ!悪い癖が出てるよ。ごめんね、悪気は無いんだ。ちょっとだけ普通の人よりズレていてね。」 ネメス:「は?むさ苦しいおっさんとは俺の事か?!偏屈じいさんが紹介する職員はマトモな奴がいねぇな!」 アリサ:「ネメス!」 ダーナ:「何よ、このおっさん。横柄な態度が気に食わないわ。」 アルム:「ダーナ!」 アルム:「時間が無い、早くクリスくんをベッドに寝かせてあげて。」 ネメス:「ああ。クリス、今は耐えてくれ!必ず、何とかしてやる!」 【N】:【ダーナと一悶着あった後、ネメスはクリスを背から降ろし、アルムの指示通りに大型ベッドへ寝かせた。】

0:第三章。悲愴【浮かない表情のクリスとネメス、気付けばすっかり夜は更け。】 クリストファー:「ネメス。捜索の件だが、その辺を闇雲に捜す訳ではないよな?」 ネメス:「クリスお前ぇ!痛いところを突くな!ふぅ…どうしたものか。」 クリストファー:「お…おい!…手がかりになるヒントすらも無いのか?」 ネメス:「ああ、残念ながらな…はははっ!」 クリストファー:「お前なぁ…何も手掛かりが無いのにどう捜すんだ?途方もない話だ。」 ネメス:「大丈夫だ!その内、見付か……んぅー!?お、お前はぁああ!?(女性と思しき人影を発見する)」 クリストファー:「どうした、ネメス?子供みたいにはしゃいで。」 0:《間》 アリサ:「ね、ネメス!?貴方はネメスなのですね?良かった。ずっと捜しておりましたの…」 ネメス:「いや、それは俺の台詞だ、馬鹿野郎…アリサ!お前、どこで油売ってたんだよ?」 クリストファー:「この女がお前の云ってた捜し人か?これで俺の任務は完了だな。」 0:《間》 アリサ:「ちょっと、お散歩をしていたのですが…迷子になってしまって……気付いたら、この薄暗い森の中に……」 ネメス:「………お前が方向音痴なのは今に始まった事じゃねえが、ひと月も行方知らずになっちまうのは想定外だ…(苦笑)」 クリストファー:「ひと月だと?!俺も方向音痴だが、上には上がいるもんだな。」 0:《間》 アリサ:「…この奇妙な森の中を彷徨い続けていたら…怖くて心細くなり…【ネメス!どちらにいらっしゃいますの?】と叫びながら…捜しておりましたの。」 ネメス:「やれやれ……こんな人気の無い森で叫んだところで意味ねえって!(苦笑)」 クリストファー:「…(この女は天然なのか??絶対そうだよな。)」 0:《間》 アリサ:「…ぇぇええ??私(わたくし)凄く怖くて…無我夢中で走っていたら余計に迷ってしまって……ご、ごめんなさい…(猛省)」 ネメス:「なるほどな。まぁ、お前が無事で本当に良かったぜ!」 クリストファー:「(これは感動の再会って云うヤツなのか?)」 0:《間》 アリサ:「所でネメス、こちらの御仁さんは?」 ネメス:「あ~!お前が鈍臭ぇから、紹介するのが遅れたぜ!こいつはクリストファーだ。」 ネメス:「お前を捜してたら、たまたま【約束の華園】で出会(でくわ)してな。そこでオカマ野郎とドンパチしててよ、ピンチみてぇだったから俺が助けてやったんだよっ!(ドヤ顔)」 アリサ:「オカマ野郎ぅ?…あらあら~その様な事がありましたの。…2人ともご無事でなによりですわ。」 クリストファー:「おい待て。自慢げに云ってるが俺は助けろなんて一言も頼んでないからな?」 ネメス:「素直じゃねえな小僧!…まぁいい。……報酬代わりにアリサも見つかった事だしな!」 ネメス:「あーそれでな…アリサ!…落ち着いて良く訊けよ?お前の兄に遭遇したんだが、さっきの戦闘で死んだのを確認した。…すまねぇ!」 アリサ:「え…お兄様が……」 クリストファー:「ネメス……あれはお前のせいじゃない。…お前が気に病むことは無い。アリサ、すまない…ファズは俺が……殺した(動揺)」 0:《間》 アリサ:「な、なんですって?!……お、お兄様の事を…貴方が殺しましたの!あ、貴方が……私のお兄様を……?あぁぁ…何て事を……。…うっ…うぅっ……うわぁぁぁあああん!!(号泣)」 0:《間》 アリサ:「…うぅぅ…。お兄様を…よくも……か、覚悟なさいっ!!(髪を留めていた簪で刺そうとする)」 0:【困惑するクリスを余所に錯乱したアリサが突如、襲い掛かる。】 クリストファー:「…っ!」 ネメス:「アリサ、よせっ!!…先に仕掛けて来たのはお前の兄、ファズだ!正当防衛でこいつは悪くねえよ。頼むから、落ち着いてくれ…な?」 0:【ネメスが必死にアリサを制すと、アリサの手から簪が滑り落ちる。】 アリサ:「…ぅう…ぅう…しくしく…ぅう…しくしく……ぅうううう…!泣き止んだ後(ネメスに凭れ掛かる)」 クリストファー:「くっ……クソッ!(その場を去る)」 ネメス:「クリスッ!…おいっ!待て!!チッ……!」 0:《間》 クリストファー:「はぁぁ…(嘆息)」 クリストファー:「俺の能力(ちから)は人を不幸にする…だが!それでも知らないといけない。俺が何者なのかを!この身体がいつまで持つかはわからないが……ぐふぉ!(吐血)」 クリストファー:「はぁはぁ…どんなに蔑まされようと…受け入れなくては…これが俺の宿命なんだか…ごふっ…!(吐血し過ぎて気絶)」 0:《間》 【N】:【神螺(しんら)の森で出逢った女性はファズの妹だった。クリスはファズの無念を悟り、己を強く嫌悪してしまう。チカラを解き放ち徐々に蝕まれ始める身体。生前、ブライアンが警告していた言葉が脳裏に過ぎる。フォルスリングを使用し過ぎると生命を削られる。謂わば、諸刃の剣だと云うことを。】 クリストファー:「この指輪、一度着けると外れないのか。クソッ!……とりあえず一旦戻るか…」 ネメス:「クリス、戻ってきたか。ん…お前、口に付着した血は…吐血したのか?大丈夫かよ?」 クリストファー:「ああ、問題ない。さっきの戦闘で体力を消耗し過ぎたせいだろう。」 アリサ:「……クリスさん、先程は取り乱してしまい申し訳ございません…」 アリサ:「兄は…ファズは5年前に突然、私の前から消えてしまったのです。まさか…敵側に居たなんて…(涙)」 クリストファー:「そんな事があったのか…理由はどうであれ、俺がアリサのお兄さんを殺してしまったのは事実だからな。君の判断は正しい。もし、君と同じ立場に置かれていたら、先程のアリサみたいに怒り狂っていた事だろう。」 ネメス:「クリス…」 アリサ:「クリスさん……もう自分を責めないで下さい。私(わたくし)はクリスさんの事を誤解していましたの…でも、貴方と向き合って、解りました!貴方はとても芯の強い、真っ直ぐなお方だと云う事を!」 ネメス:「アリサ、お前……」 アリサ:「あっ!そう云えば…昨日、夜通しで作りましたの!クリスさんのお口に合うかは解りませんが、宜しければどうぞ。(握り飯を渡す)」 クリストファー:「ありがとう。頂きます!…………ん?!うぐぁ!?(気絶)」 ネメス:「あ~喰っちまった!アリサは滅法、料理が下手くそなんだよな…(苦笑)」 アリサ:「く、クリスさん…!?だ、大丈夫ですか?一体…どうしたのでしょうか?急に眠ってしまわれましたわ……」 クリストファー:「………」 ネメス:「やれやれ……(呆)」 【N】:【アリサと分かり合えたクリスだったが、握り飯の破壊力により気絶してしまう。この時の彼等はこの後、想像を絶する未来が待ち受けている事は知る由も無かった。】 0:第四章。不穏な影 クリストファー:「…(う~ん。はっ!…お、俺は?!ここは……ネメスの背中!?…確か、握り飯を喰ったら急に眠くなって……)」 クリストファー:「ネメス。俺は…?」 ネメス:「…やっと起きやがったかー!俺の背中で綺麗に鼻ちょうちん垂らしやがって…まぁ、寝顔は可愛いかったぞ!…はははっ!」 アリサ:「おはようございます、クリスさん!その…大丈夫ですか?先程は急に眠ってしまわれたので…お気分の方は如何でしょうか?」 クリストファー:「ん?ああ…!大丈夫だ。少々、疲労が溜まってたのだろう。(相変わらず天然だな…)」 ネメス:「おい…お前らー!悠長にお喋りしている暇は無いみたいだぜ?」 アリサ:「ネメス?ど、どうかされましたの?眉間に皺を寄せたりして…?…え?!」 クリストファー:「敵か。地面が揺れている…下か?!ち、地中を移動しているだと?」 ネメス:「…空の次は地か!…忙しいこったな。お前ら、武器を構えろ!来るぞっ!!」 タバサ「こやつら…妾の気配に気付いたか!?中々やるではないか!だが、遅いぞよ!隙だらけだ!!…裂破千烈棍!(れっぱせんれつこん)」 アリサ:「…!や、やらせません!…水霊様、変幻自在にお姿をお変えになり、彼の者達を守護する盾となって下さいませ。アクア•バリア!」 タバサ:「水の霊術か!ぐぬぬ…おのれぇ!」 ネメス:「アリサ、恩に着るぜ!いくぜぇ、土竜野郎!《詠唱》腕に刻まれし邪竜よ、俺の呼び掛けに応やがれ!…地面ごと爆発させてやるよ!グラン•トリガー!!」 タバサ「ぐぅっ…!こやつら、噂以上にやりおるわ。なれば、妾も本気を出そうぞ!この辱のタバサ!貴様ら等に遅れは取らぬ!!」 タバサ:「古より生まれし、強大なる破壊神アレスよ!…こやつらに鉄槌を!!……ジャッジメント•ディザスター!!」 ネメス:「ぐはっ……!」 アリサ:「きゃああ!」 クリストファー:「…頭がぁ、痛い、割れる………グォォオ!!貴様の怒りが我への糧になる。助けが必要ならば、手を貸してやろう。」 タバサ:「小僧の雰囲気が変わったじゃと?!これが報告にあった邪葬霊の姿か?」 クリストファー:「ふん、鬱陶しい土竜だ。我が地中から引き摺り出してやろう!」 タバサ:「なに!?」 クリストファー:「……明滅破断光!(めいめつはだんこう)」 タバサ:「……ぬわ!?わ、妾の目が!!……視界がどんどん狭まり、地面の中だと何も見えぬ!くっ……おのれぇ!!(地上に上がる)」 タバサ:「ぐっ…止むを得まい。とくと見よ!これが妾の底力ぞ!…《詠唱》辱となるは汝の顔、絶望の表情(かお)で断末魔を叫べっ!」 タバサ:「血凶想辱!!…(ちきょうそうじょく)」 クリストファー:「……ぐふっ!!この我に掠り傷を負わせるとはな。見事だ、だが!我は絶対なる王、跪(ひさまず)くは貴様の脚よ!虚空(こくう)より…」 【N】:【その刹那、いつかのオカマが不気味な笑みを浮かべながら強襲してくる。】 サキュラ:「…あらあらあ~いつぞやの坊や達じゃないのお~!?この前の借りを返しにきたわぁん!って!何よ、タバサ婆!情けないわねえ?ズタボロじゃないの。うふふ~ん!」 サキュラ:「アタイも~混ぜてくれるわよねえ~??格段に上がったアタイの実力ぅ~その目に焼き付けなさいよお~!!…ギルティー•ダストォオ!」 【N】:【サキュラの強襲で優勢だった戦況は一気に覆された。】 クリストファー:「ぐは……貴様ァ!!」 ネメス:「お前は、いつぞやの醜男(ぶおとこ)野郎!今度こそ、完膚無きまでに叩きのめしてやるよ!!」 アリサ:「貴方が噂のオカマさん?私(わたくし)は貴方に恨みはありませんがお命…頂戴いたしますわぁ!!」 サキュラ:「あらあらあ~威勢だけは一丁前なのねえ~!んー?アンタは確か、ネメスとか云ったわねえ?…アタイの綺麗な額に傷を負わせた事、忘れたとは云わさないわよー?後悔させてあげるう~!絶•餓刃滅閃!(ぜつがじんめっせん)」 ネメス:「何?!前より速くなってやが……ぐはぁ!」 ネメス:「くっ…!はぁ…はぁ…はぁ…パワーアップしたって云うのは、强(あながち)ハッタリじゃないみたいだな。」 アリサ:「ね、ネメス!今、傷を癒しますわ!水霊様、彼(か)の者をその優しき息吹で包み込んであげて下さいませ!…ブレス•キュア!」 サキュラ:「うふふん~♪いい加減に観念したらどうかしらん?さぁさぁ、これでお終いよお~!(空からナイフを無数に降らせる)」 タバサ:「サキュラめ…調子に乗りおって!妾も遅れをとる訳にはいかぬな!…慚雫懺死戟(はだんざんしげき)」 アリサ&ネメス:「ぐはぁ……!はぁはぁ…」 サキュラ:「うふふ~ぅ!あらん?この程度なのお??この間の威勢はぁ、どこにいったのかしら?(嗤)」 タバサ:「…おっほほほ~!!汝らが幾ら、束になって来ようと結果は変わらないと云う事じゃ!」 クリストファー:「全く以て…頭が高い!…虫けら共がまとめて葬り去ってくれるっ!!」 クリストファー:「虚空より出し、万物の神よ、我が命(めい)に応え仇(あだ)なす者に断罪の刄を!!」 クリストファー:「……アルケーディカス•ティース!!」 ネメス:「何だ!?クリスの足元にある六芒星は(ろくぼうせい)今まで、こんなモノは無かった筈だ。まさか、暴走の類か!!」 アリサ:「あ、あれは禁唱(きんしょう)!…い、いけません!クリスさん!これ以上、能力(ちから)を酷使しては貴方の身が!!」 タバサ&サキュラ:「ぁあああ…!」 サキュラ:「…な、な、何あれぇ?!な、何なのよお~!!そんなの反則よぉ……ぐぎゃあああああ!!(戦闘不能)」 タバサ:「さ、砂塵(さじん)の盾よ!妾を…守護するのじゃ!!………発動しない?!な、何故じゃ!?あぁぁ…わ、わ、妾の盾が文字通り、砂の様に溶けてぇぇえええ!!(戦闘不能)」 クリストファー:「フッハハ!!小物にしては中々楽しめ………ぐうあっ!…どうやら、此奴の身体も限界に達してる様だな…スウッ(元に戻り気絶)」 ネメス:「く、クリス!おい…大丈夫か?しっかりしやがれ!!」 アリサ:「ネメスッ!!そのように身体を揺らしては余計に悪化してしまいますわ。クリスさんの身体から異国紋様が消えません…ここから先は私の知人のレジル博士に診せては如何でしょうか?」 ネメス:「す…すまないっ!レジル博士?ああ、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)の偏屈じいさんか!」 アリサ:「ええ。レジル博士に連絡してみますわね。」 ネメス:「ああ。しかしコイツ重ぇな……!(苦笑)」 【N】:【サキュラとタバサからの猛攻撃を受けたものの、クリス(邪葬霊)の活躍により、難局を打開した。】 【N】:【しかし、極限まで能力(ちから)を酷使したせいでクリスは気絶してしまう。アリサは魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)の所長、レジル博士に目通りする為、通信機を片手にコンタクトを取る。】 アリサ:「もしもし、レジル博士ですか?少々、お時間宜しいでしょうか?」 レジル:「アリサ久しいのう。して、要件は?」 アリサ:「レジル博士に診て頂きたい人物がいますの。これから、魔煌研究所に伺っても大丈夫でしょうか?」 レジル:「…ふーむ。他でもない、アリサの頼みじゃ、良かろう。気を付けて来なさい!中年反抗期…ネメスも一緒か?」 アリサ:「まぁ〜!レジル博士、感謝致しますわ!ええ、中年反抗期ネメスも一緒です。ふふ!」 ネメス:「中年反抗期だと?!おい、アリサそれって俺の事…」 アリサ:「ほらほら、急ぎますわよ!ネメス。」 ネメス:「ちっ…!あの糞ジジイ…!」 レジル:「へ、へ、へっくしゅん!!…ふぅーー今日は一層冷えるわい。」 ネメス:「アリサ。確か、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)は神螺(しんら)の森を抜けて、北の方角だったな?」 アリサ:「ええ、そうですわあ!」 アリサ:「ぐぅぅー!(お腹鳴る)あら…やだ!私ったら、はしたない…」 ネメス:「だははは…!腹空かしてるところ悪いが飯は後だ。あの偏屈じいさんは、いけ好かねえが…クリスが心配だからな。」 クリストファー:「……」 【N】:【クリスをネメスの背におぶさりながら、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)に急ぎ足で向かう!】 【N】:【漸く、魔煌研究所(まこうけんきゅうじょ)のエントランスを抜け、右奥に進んだ一室に1人の不気味な老人が紅に染まった椅子に腰を掛けていた。】 レジル:「アリサ、待っておったぞ。それに…中年反抗期…ネメスもな。」 アリサ:「レジルさん!お久しぶりですね!ご健勝そうで何よりですわぁ!」 レジル:「アリサの頼みだから引き受けたが。前みたいに中年反抗期の態度が悪けれ…」 ネメス:「相変わらずだな、偏屈じじい!未だくたばって無かったのかっ?(嘲笑)」 レジル:「黙れ…!!毎度、毎度と貴様は…厄介事ばかり押し付けおって!(怒)」 レジル:「…ん?!貴様の背で居眠りこいてる男は何者じゃ?…ここいらじゃ、見掛けん顔だが…」 アリサ:「レジル博士、先程の診て欲しい人物ですわ。」 レジル:「ふむ、其奴がか。」 0:第五章。危篤 ネメス:「じいさん、こいつはクリスと言ってな。愚のサキュラ、辱のタバサと戦ってる最中にもう一人のこいつ?みたいな奴が全力を出した途端にぶっ倒れちまったんだ。」 レジル:「む?もう一人の姿じゃと!ネメス、それは悪魔のような形をしていたか?」 ネメス:「ああ、ありゃ正真正銘の悪魔だったな。じいさん、何か心当たりでもあんのか?」 レジル:「恐らく、邪葬霊じゃな。」 アリサ:「…」 ネメス:「邪葬霊?」 レジル:「うむ。遥か昔、魔刻と呼ばれた流行り病が人々を地獄の底に突き堕としたんじゃ。散っていった魂達は報われず負の感情を増幅させ、邪神…否、邪葬霊を生み落とした。」 ネメス:「なんだ、そりゃ!?つまりは邪葬霊ってのがクリスの中にいるって事か??」 アリサ:「ネメス、レジル博士の仰ってる話は一語一句として誤りはありませんわ。」 ネメス:「アリサ?その口振り…お前、何か知ってるのか?」 アリサ:「はい。触り程度ですが、私の母上から邪葬霊の話と戦闘の際に垣間見た【禁唱】については学びましたの。」 レジル:「ごほん…!続きを宜しいか?」 ネメス:「ああ、話の腰を折って悪かったな!」 アリサ:「申し訳ありません。お願い致します!レジル博士。」 レジル:「邪葬霊が何故、小僧の身体に棲みついたかはワシにも解せん話だが余程、居心地が良いのだろうな。」 ネメス:「要はその邪葬霊とか云うヤツのせいでクリスはダウンしちまったって訳か?」 レジル:「うむ、小僧に浮き出た異国紋様にアリサが云ってた【禁唱】…十中八九そうじゃろうな。」 ネメス:「さっきから盛んに出てくる、その【禁唱】とやらは何なんだ?」 アリサ:「禁唱とは禁じられた詠唱の事ですの。【虚空より出し、万物の神よ、我が命に応え、仇なす者に断罪の刄を】こちらが禁唱ですわ。」 ネメス:「アリサ、禁唱を唱えるとどうなるんだ?」 アリサ:「唱える度に負の感情が体内へ蓄積されていきますわ。最悪の場合、死に至ります。」 ネメス:「何だと?!…クリスは大丈夫なのかよ!」 アリサ:「クリスさんの場合は一度しか取り込んでいませんので、大事に至る可能性は極めて低いと思いますが。」 ネメス:「そうか。」 レジル:「ふむ…小僧が身に付けている指輪はフォルスリング【魔封じの壺】か。」 レジル:「…アリサ、ネメス、心して訊くんじゃ。完治の保障は出来ない。」 アリサ:「そんな…レジル博士でも治せない病なのでしょうか?」 レジル:「すまぬ…邪葬霊は病と括れるものじゃないからの。100%治るとは云い難いかもしれん。」 ネメス:「は?ふざけんな!天才博士の異名は飾りか?あ?」 レジル:「き、貴様!それが人様に頼む態度か?気が変わった、他を当たれ。」 アリサ:「ちょっと、ネメス!事態は急を要するんですわよ?荒々しい言動は弁えて下さい!」 ネメス:「チッ…悪かった!じいさん、改めて、頼む。」 レジル:「ふん…二度とワシに楯突かないと誓うのであれば、小僧を診てやろう。」 アリサ:「レジル博士、私からもどうかお願いしますわ!ほら、ネメスも!」 ネメス:「レジル博士…お、お願いし…ます。」 レジル:「誠意が微塵も感じられんが…貴様にしては頑張った方じゃな。」 ネメス:「くっ…」 アリサ:「レジル博士、如何されるのです?」 レジル:「うむ、完治は難しいが症状の進行を抑えられる事は出来る。煌石、ゲミニートイコスでな。」 ネメス:「ゲミニートイコスとやらはどこで手に入るんだ?」 レジル:「そう急(せ)くな。」 レジル:「一旦、エントランスまで戻れ。エントランスに着いたら、左にあるエレベーターで5階に上がった先、実験エリアに敏腕研究職員、アルムとダーナがいるはずじゃ。主らの事はワシから話しておこう。」 アリサ:「?レジル博士は来られないのですの?」 レジル:「案ずるな、ワシは後から向かう。」 ネメス:「…急ぐぞ!アリサ。」 アリサ:「ありがとうございます!レジル博士。ええ、行きましょう!」 【N】:【アリサのお陰で何とかレジルを説得する事に成功した。レジルの云う、アルム、ダーナが待つ奥の部屋へと向かう。】 ネメス:「実験エリアというのは此処の事か?随分と頑丈な扉だな。」 アリサ:「一体、この中で何が行われているのでしょう?」 ネメス:「さぁな。入るぞ。」 アリサ:「…これは……!」 アルム:「被験体469番のサンプルが未だ採取出来ていません。」 ダーナ:「坊や、焦ってていても何も始まらないわよ?落ち着い…あら?貴方達は。」 アルム:「ダーナ、坊や呼びはやめてって!…ん?」 ネメス:「ジイ…レジル博士から話が通ってると思うんだが。」 アリサ:「御二方がアルムさんとダーナさんですの?」 アルム:「君達はレジル博士の紹介で来たのかい?」 ダーナ:「博士が云ってた、金髪の可愛い坊やとは貴方の背に乗っている子ね?」 ネメス:「ああ、こいつはクリストファー•ハロルド。略して、クリスだ。」 アリサ:「お忙しい中、申し訳ありません。」 ダーナ:「大丈夫よ。この魔煌研究所には50人以上の技術者がいるからねえ。」 ダーナ:「ごめんあそばせ、紹介の方が遅れたわね。あたしは魔煌研究所のエリア長、ダーナよ。宜しくねえ!それから、こっちの坊やが…」 アルム:「ダーナ!坊やは、やめてくれ。失礼!僕は魔煌研究所で主に被験者のサンプルを採っているアルムだよ。戦闘に関してはダーナの方が秀でているけど、知識なら任せて!」 ネメス:「俺はネメスだ。」 アリサ:「私はアリサと申します。以後、お見知り置きをお願いしますわ!」 ダーナ:「むさ苦しいおっさんはさて置き、早くその可愛い坊やをベッドに寝かせてあげないとねえ!」 アルム:「ダーナ!悪い癖が出てるよ。ごめんね、悪気は無いんだ。ちょっとだけ普通の人よりズレていてね。」 ネメス:「は?むさ苦しいおっさんとは俺の事か?!偏屈じいさんが紹介する職員はマトモな奴がいねぇな!」 アリサ:「ネメス!」 ダーナ:「何よ、このおっさん。横柄な態度が気に食わないわ。」 アルム:「ダーナ!」 アルム:「時間が無い、早くクリスくんをベッドに寝かせてあげて。」 ネメス:「ああ。クリス、今は耐えてくれ!必ず、何とかしてやる!」 【N】:【ダーナと一悶着あった後、ネメスはクリスを背から降ろし、アルムの指示通りに大型ベッドへ寝かせた。】