台本概要
88 views
タイトル | わたし、めりーさん 10 |
---|---|
作者名 | 荒屋 猫音(あらやねお) (@Araya_Neo) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
メリーさんと老人の話 コメディだけどほのぼの 性別不問2人劇 語尾、一人称変更○ 過度な改変× 楽しむこと◎ 88 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
メリー | 不問 | 45 | 多分メリーさん。 |
老 | 不問 | 39 | 老人 メリーさんを知っている様子 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
めり10
老:メリーさん……懐かしいねぇ。都市伝説のお化けでそりゃ有名だった…みんな夜中の電話に震えたもんだ……。昔は相手の電話番号が見えなかったからホイホイ電話に出たもんだけど、今は違う……
老:怪しい電話は出ないってのが今の電話のあり方…
老:だからかねぇ……好奇心ってのは、恐ろしいもんだ…
0:夜、一人暮らしの老人の家に1本の電話が鳴り響く
老:こんな時間に誰だろうねぇ、非通知…怪しいけど、出てみようか
老:もしもし?
メリー:わたし、メリーさん。
老:はぁ、メリーさん。どうもこんばんわ、こんな時間になんの御用ですか?
メリー:わたし、メリーさん…今、タバコ屋さんの角にいるの
老:ふふふ、懐かしいねぇ。あの電話のお化けかい?
メリー:わたし、メリーさん…今、郵便局の前にいるの
老:昔は夜の電話はメリーさんからで、家に来ると連れていかれるなんて言ってたけれど…とうとう、お迎えかい?
メリー:わたし、メリーさん……今、小学校の前にいるの
老:それとも、今流行りのメリーさん詐欺かい?生憎だけど、うちにお金はないよ?
メリー:わたし、メリーさん……
メリー:まって!?メリーさん詐欺まだ撲滅出来てなかったの!?
老:残念だけど、この間回覧板が回ってきたよ。メリーさんを名乗る怪しい電話が頻発していますってね
メリー:嘘でしょ?あんなに頑張って詐欺グループを潰したのに、まだ生き残りがいたの!?
老:おやおや、ダメじゃないか、ちゃんと卵まで仕留めとかないと…
メリー:卵はまでしっかり駆除したはずなのにっ……手を替え品を替え場所を変え…果ては環境に適応してからにっっっ許せない!
老:はっはっは、元気な子だねぇ
老:こんな元気なお化けのお迎えなら、ホイホイ着いて行っても未練はないねぇ
老:ところでメリーさん、今どこにいるんだい?
メリー:わたし、メリーさん…今、あなたの家の前にいるの
老:そうかい、なら、上がって行きなさい。
メリー:お邪魔します
:
老:あれまぁ、可愛いお人形さんだねぇ
メリー:前の持ち主が色々やってくれたのよ…
老:そうかい、大事にされてたんだねぇ
メリー:そうね、出会った時は扉に押され潰され…メリーさん危機一髪だったわ
老:でも、良い持ち主だったんだねぇ
メリー:そうね…仕事が片付いたからサヨナラしたのだけれど…まさか、まだメリーさん詐欺が続いているなんて思わなかったわ。
老:そうそう、そのメリーさん詐欺の事だけどね、
老:なんでも、メリーさんを名乗って現金を送れだとか、息子を人質に取ったからお金を寄越せとか…ここらで引っかかった人はいないようだけど、なんだか騒ぎになっているよ?
メリー:あの時は裏から少しずつ詐欺グループを潰して行ったのよ…その時一緒に動いていたのが元の持ち主。
老:ご苦労さんなこったァ。
メリー:メリーさんを名乗って詐欺だなんてとんでもない事よ!都市伝説の怪異として見過ごす訳にはいかないわ!
老:そりゃあ、悔しいねぇ…。それで?今度はどうするんだい?
メリー:さすがにまたあの子に頼る訳にはいかないし…
メリー:まぁ、大半はただのイタズラ電話だと思って相手にされないでしょうけど、このまま放置する訳にはいかないわ
老:こんな老人にも、何か出来ることはあるかねぇ?
メリー:メリーさんの通信網を使って、詐欺グループの下っ端こら落とす…でも、さすがに本物が出たって相手にされないでしょうし…
老:ふむ……なら、別のお化けの振りをするのはどうだい?
メリー:別のお化け?例えば?
老:子供の頃は沢山のお化けや妖怪の話で恐怖したものさ
だから、それを使おう
メリー:…どういうこと?
老:ふふふ、それはね…
:
0:老人がねてください
0:メリーさんは可能なら声を変えてください
メリー:ねぇ、私きれい?あぁ、電話じゃ顔が分からないわね、待っててね、すぐそっちに行くから…
詐:おいどーなってんだ!さっきから変な電話が鳴りっぱなしだぞ!何とかしろよ!
メリー:わたしの脚、そんな所にあったのね…動かないでね、今取りに行くからね…
詐:冗談じゃねぇぞ、なんだよさっきから…気味わりいっっ
メリー:ねぇ、わたし、キレイ?
詐:またかよ!!!
メリー:あなた、私が見えていないの……?こんなに近くにいるのに……
詐:もう勘弁してくれよ!!誰なんだよっっ!!!
メリー:わたし、メリーさん
詐:ひっっ
メリー:いま、お友達を連れて…あなたの家の前にいるの……
詐:す…すみませんでしたぁぁぁあああああああ
:
メリー:あははははははっっっ傑作だわ!!これで暫くは詐欺電話なんてかかってこないわね!!
老:なんだか他のお化けに悪い事をしたねぇ…
メリー:いいのよ、乱用した訳じゃないんだし、アイツらも大目に見てくれるわ!
老:ふふっ、そうかい。
メリー:そうよっ!
老:ところで、メリーさんはどうしてうちに電話をかけてきたんだい?
メリー:あぁ……この家に住んでいた子供がどうなったか確認したくてね。もう随分昔に遊んでもらったのだけれど、年頃の子供は色んなものに興味が出るとそれまで好きだったものから離れてしまうでしょう?だからこっそり家を抜け出して宛のない旅をしていたの。
メリー:たまたま近くに来たから、どうしているかな?って
老:そうかい、その子は幸せだねぇ、ふとした時に思い出してもらえるなんて、いい事じゃないか…
メリー:そうかもしれない…でも、何十年も前のことだし、きっとメリーさんのことなんか、忘れているわ
老:どうしてそう思うんだい?
メリー:忘れた方が良いことだってあるのよ。
老:メリーさんは忘れていなかったんじゃないのかい?
メリー:わ…忘れるわけ、ないじゃない!!あんなに沢山遊んでもらったのに!なのに急にメリーさんで遊ばなくなって!!テレビや他のおもちゃに夢中になって!メリーさん寂しかった!!
老:メリーさん……
メリー:だから、家を抜け出して、忘れてやろうと思った…なのに、忘れられなかった…!ずっとずっと気になってた!あの子は今どうしているだろう、元気だろうかって!!
老:こんなに思われていたなんて…酷いことを、してしまったね…
メリー:……え?
老:メリーさん、あの時の子供は、わたしだよ
老:服が変わっていて驚いた…メリーさんは昔と変わらない、かわいいお人形さんだった…なのにわたしは、そんなことも忘れていたよ…あの回覧が来るまではね…
メリー:あなた、本当に、あの時の子供なの…?
老:そうだよ、一緒にお風呂に入ってずぶ濡れにしたことを、まさか忘れたのかい?
メリー:う…ぅ、うぁぁぁあああんっ(泣き出す)
老:辛い思いをさせて悪かった…わたしは老い先短い…だから、わたしに本当のお迎えが来るまで、一緒に居ておくれよ
メリー:いる…一緒にいるぅぅっっ!
老:はっはっは、メリーさんは泣き虫だねぇ。
0:
メリー:M/その後程なくして、老人はあの世へと旅立った…
メリー:M/最後にあの人は、グズグズになるわたしに「ありがとう」と言って静かに息を引き取った。
メリー:M/迎えに来た死神に、丁重に運ばないとタダじゃ置かないと言ったが、魂になった老人は、メリーさんのそんな姿を見て1番の笑顔で手を振っていた
メリー:M/忘れてしまったとしても、やはりどこかで覚えている。忘れ去ることなんて出来ない。
メリー:M/これまでメリーさんと出会った人間たちは、いつまでメリーさんを覚えていてくれるかしら…
0:こぼれる涙を拭い、メリーさんは当てどなく電話をかける
メリー:わたし、メリーさん。
めり10
老:メリーさん……懐かしいねぇ。都市伝説のお化けでそりゃ有名だった…みんな夜中の電話に震えたもんだ……。昔は相手の電話番号が見えなかったからホイホイ電話に出たもんだけど、今は違う……
老:怪しい電話は出ないってのが今の電話のあり方…
老:だからかねぇ……好奇心ってのは、恐ろしいもんだ…
0:夜、一人暮らしの老人の家に1本の電話が鳴り響く
老:こんな時間に誰だろうねぇ、非通知…怪しいけど、出てみようか
老:もしもし?
メリー:わたし、メリーさん。
老:はぁ、メリーさん。どうもこんばんわ、こんな時間になんの御用ですか?
メリー:わたし、メリーさん…今、タバコ屋さんの角にいるの
老:ふふふ、懐かしいねぇ。あの電話のお化けかい?
メリー:わたし、メリーさん…今、郵便局の前にいるの
老:昔は夜の電話はメリーさんからで、家に来ると連れていかれるなんて言ってたけれど…とうとう、お迎えかい?
メリー:わたし、メリーさん……今、小学校の前にいるの
老:それとも、今流行りのメリーさん詐欺かい?生憎だけど、うちにお金はないよ?
メリー:わたし、メリーさん……
メリー:まって!?メリーさん詐欺まだ撲滅出来てなかったの!?
老:残念だけど、この間回覧板が回ってきたよ。メリーさんを名乗る怪しい電話が頻発していますってね
メリー:嘘でしょ?あんなに頑張って詐欺グループを潰したのに、まだ生き残りがいたの!?
老:おやおや、ダメじゃないか、ちゃんと卵まで仕留めとかないと…
メリー:卵はまでしっかり駆除したはずなのにっ……手を替え品を替え場所を変え…果ては環境に適応してからにっっっ許せない!
老:はっはっは、元気な子だねぇ
老:こんな元気なお化けのお迎えなら、ホイホイ着いて行っても未練はないねぇ
老:ところでメリーさん、今どこにいるんだい?
メリー:わたし、メリーさん…今、あなたの家の前にいるの
老:そうかい、なら、上がって行きなさい。
メリー:お邪魔します
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老:あれまぁ、可愛いお人形さんだねぇ
メリー:前の持ち主が色々やってくれたのよ…
老:そうかい、大事にされてたんだねぇ
メリー:そうね、出会った時は扉に押され潰され…メリーさん危機一髪だったわ
老:でも、良い持ち主だったんだねぇ
メリー:そうね…仕事が片付いたからサヨナラしたのだけれど…まさか、まだメリーさん詐欺が続いているなんて思わなかったわ。
老:そうそう、そのメリーさん詐欺の事だけどね、
老:なんでも、メリーさんを名乗って現金を送れだとか、息子を人質に取ったからお金を寄越せとか…ここらで引っかかった人はいないようだけど、なんだか騒ぎになっているよ?
メリー:あの時は裏から少しずつ詐欺グループを潰して行ったのよ…その時一緒に動いていたのが元の持ち主。
老:ご苦労さんなこったァ。
メリー:メリーさんを名乗って詐欺だなんてとんでもない事よ!都市伝説の怪異として見過ごす訳にはいかないわ!
老:そりゃあ、悔しいねぇ…。それで?今度はどうするんだい?
メリー:さすがにまたあの子に頼る訳にはいかないし…
メリー:まぁ、大半はただのイタズラ電話だと思って相手にされないでしょうけど、このまま放置する訳にはいかないわ
老:こんな老人にも、何か出来ることはあるかねぇ?
メリー:メリーさんの通信網を使って、詐欺グループの下っ端こら落とす…でも、さすがに本物が出たって相手にされないでしょうし…
老:ふむ……なら、別のお化けの振りをするのはどうだい?
メリー:別のお化け?例えば?
老:子供の頃は沢山のお化けや妖怪の話で恐怖したものさ
だから、それを使おう
メリー:…どういうこと?
老:ふふふ、それはね…
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0:老人がねてください
0:メリーさんは可能なら声を変えてください
メリー:ねぇ、私きれい?あぁ、電話じゃ顔が分からないわね、待っててね、すぐそっちに行くから…
詐:おいどーなってんだ!さっきから変な電話が鳴りっぱなしだぞ!何とかしろよ!
メリー:わたしの脚、そんな所にあったのね…動かないでね、今取りに行くからね…
詐:冗談じゃねぇぞ、なんだよさっきから…気味わりいっっ
メリー:ねぇ、わたし、キレイ?
詐:またかよ!!!
メリー:あなた、私が見えていないの……?こんなに近くにいるのに……
詐:もう勘弁してくれよ!!誰なんだよっっ!!!
メリー:わたし、メリーさん
詐:ひっっ
メリー:いま、お友達を連れて…あなたの家の前にいるの……
詐:す…すみませんでしたぁぁぁあああああああ
:
メリー:あははははははっっっ傑作だわ!!これで暫くは詐欺電話なんてかかってこないわね!!
老:なんだか他のお化けに悪い事をしたねぇ…
メリー:いいのよ、乱用した訳じゃないんだし、アイツらも大目に見てくれるわ!
老:ふふっ、そうかい。
メリー:そうよっ!
老:ところで、メリーさんはどうしてうちに電話をかけてきたんだい?
メリー:あぁ……この家に住んでいた子供がどうなったか確認したくてね。もう随分昔に遊んでもらったのだけれど、年頃の子供は色んなものに興味が出るとそれまで好きだったものから離れてしまうでしょう?だからこっそり家を抜け出して宛のない旅をしていたの。
メリー:たまたま近くに来たから、どうしているかな?って
老:そうかい、その子は幸せだねぇ、ふとした時に思い出してもらえるなんて、いい事じゃないか…
メリー:そうかもしれない…でも、何十年も前のことだし、きっとメリーさんのことなんか、忘れているわ
老:どうしてそう思うんだい?
メリー:忘れた方が良いことだってあるのよ。
老:メリーさんは忘れていなかったんじゃないのかい?
メリー:わ…忘れるわけ、ないじゃない!!あんなに沢山遊んでもらったのに!なのに急にメリーさんで遊ばなくなって!!テレビや他のおもちゃに夢中になって!メリーさん寂しかった!!
老:メリーさん……
メリー:だから、家を抜け出して、忘れてやろうと思った…なのに、忘れられなかった…!ずっとずっと気になってた!あの子は今どうしているだろう、元気だろうかって!!
老:こんなに思われていたなんて…酷いことを、してしまったね…
メリー:……え?
老:メリーさん、あの時の子供は、わたしだよ
老:服が変わっていて驚いた…メリーさんは昔と変わらない、かわいいお人形さんだった…なのにわたしは、そんなことも忘れていたよ…あの回覧が来るまではね…
メリー:あなた、本当に、あの時の子供なの…?
老:そうだよ、一緒にお風呂に入ってずぶ濡れにしたことを、まさか忘れたのかい?
メリー:う…ぅ、うぁぁぁあああんっ(泣き出す)
老:辛い思いをさせて悪かった…わたしは老い先短い…だから、わたしに本当のお迎えが来るまで、一緒に居ておくれよ
メリー:いる…一緒にいるぅぅっっ!
老:はっはっは、メリーさんは泣き虫だねぇ。
0:
メリー:M/その後程なくして、老人はあの世へと旅立った…
メリー:M/最後にあの人は、グズグズになるわたしに「ありがとう」と言って静かに息を引き取った。
メリー:M/迎えに来た死神に、丁重に運ばないとタダじゃ置かないと言ったが、魂になった老人は、メリーさんのそんな姿を見て1番の笑顔で手を振っていた
メリー:M/忘れてしまったとしても、やはりどこかで覚えている。忘れ去ることなんて出来ない。
メリー:M/これまでメリーさんと出会った人間たちは、いつまでメリーさんを覚えていてくれるかしら…
0:こぼれる涙を拭い、メリーさんは当てどなく電話をかける
メリー:わたし、メリーさん。