台本概要
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タイトル | Stranger Of Chaos(章分け)第三部。 |
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作者名 | すばら (@kou0204hei) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 8人用台本(男5、女3) |
時間 | 50 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
モブ→若きローレンス。セリフ量27 無尽君45式。セリフ量10 0:ナレーション。セリフ量32 上級者向けになりますm(__)m出来ない方は無理しないで下さいね。 197 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
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ルベド | 男 | 61 | |
サレナ | 女 | 41 | |
グリーヴァ | 男 | 28 | |
ニグレド | 男 | 48 | |
ローレンス | 男 | 57 | |
ゼフ | 男 | 41 | |
シーパー | 女 | 39 | |
フェルマー | 女 | 13 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
Stranger Of Chaos⚔️(ストレンジャーオブケイオス)
第三部。
*0の表記はト書き(N)を含む*
0:登場人物〜
ルベド18歳♂:ギルド商会ブラッドヴェルにその身を置く、純朴な青年。愛用武器は父から受け継いだハーフデュランダル、母からは魔甲(属性によって得られる術、技が変わる)サレナに尻を敷かれている。幼きルベドを兼ね役
サレナ20歳♀:特にルベドに対しては面倒見が良く、武道の道を極めた女性。すぐに拳や脚が出るのが玉に瑕。愛用武器はすーぱーなっこぉ(メリケン、三節棍等)体術主体の技を繰り出す。幼きサレナ、イレスを兼ね役。
フェルマー15歳?♀(のじゃロリ):翼人(つばさびと)背に翼を生やした異なる種族。自国の豪傑な武人で鬼人族のグリーヴァとは旧知の仲。口調にやや特徴はあるが変な奴ではない。大鎌を自由自在に扱う。愛用武器はソウルスレイヤー。潜在能力を引き出すと吸収を習得する。シーパーを兼ね役
グリーヴァ43歳♂:鬼人(おにびと)フェルマーと同様に異なる種族で、自国の総大将。鍛え上げた肉体で豪快に二刀を振るう。
愛用武器は修羅一文字&無双返り咲き。若干、俺様気質だが情には熱い。愛妻イレスを狂愛している。ゼフを兼ね役お願いします!
ニグレド24歳♂:異族と人族とのハーフ。温厚な性格で、滅多に牙を剥かない。ひょんな事から、ルベド達と旅を共にする。愛用武器は巨大な2つの盾、アイギスとイージス。生まれながら、簡易的な治癒術が使える。
主に状態異常を起こし、妨害する技を使う。サポート的な存在。無尽君45式を兼ねる。
アルベド22歳♂全てが謎に包まれている。とある事がキッカケで二面性を持つ。
愛用武器は魔爪(まそう)→魔を封じ込めた籠手、不遇戴天。
???、???(主)、アルベド?、創造神ミハイルを兼役。
???♂宇宙に災厄を降らした創造神。過去、英雄ローレンスの活躍により、その肉体は封じられたが…どういう訳か残留思念だけが残り、三つの脅威を従える主に君臨した。器(肉体)となる者を探している。
異形なる者(力)46歳♂名はジーフリード。
戦闘狂。三つの脅威の1人で動きは鈍いが、その一振りは天地を揺るがす程の破壊力。
愛用武器は理の狂剣(ことわりのきょうけん)
特殊技能、バーサーカー(狂人化)モードと言う切り札がある。???(力)、側近、ローレンス、執行者ザファゲイルを兼役推奨。
異形なる者(技)28歳♂名はヴァシュロン。
主(???)に絶対なる忠誠を誓う、寡黙な青年。ジーフリード、ジェスに並ぶ、三つの脅威の1人。時折、毒を吐く。ジェスとは馬が合わないらしい。愛用武器は理の大槍(ことわりのおおやり)
亜空間を形成させる特殊技能を持つ。
???(技)、翼人兵、断罪者ミトスを兼ねて下さい。
ローレンス76歳♂:悪を特殊な棺に封じ込める使命を背負った、ファーストキー(原初の鍵)の末裔。王號暦194年、邪教徒(???)を封じ込めた勇敢な英雄。然し、歳を重ねたせいか、そのチカラは使用する事が出来なくなってしまう。復活してしまった脅威に立ち向かう為、智学に生涯を捧げ、老賢者となる。ニグレドの事を孫のように接する。若きローレンスを兼ね役
若きローレンス20歳♂:活発な青年。愛銃カオスレイ。
無尽君45式(不問):ヘレティックフェザー艦内の操縦、雑用等を行っている、人工知能。
ゼフ20歳♂:星を観測する事に命をかけている。困った人を放って置けない気の優しい人柄にシーパーは惚れ込んでいる。
シーパー20歳♀:ゼフ自慢の彼女!我儘な部分が目立つが、憎めないのは彼女の魅力。操縦は慣れてないが、基礎は身に付いてる。ターニアを兼ね役
ターニア22歳♀ 研究員。とある研究で命を散らす。アルベドの事を密かに想っていた。
アデス35歳♂所長。マッドサイエンティスト。ターニアを実験台にした下衆。
心を司る者(不問)試練の間、一階層のボス。
力を司る者(不問)試練の間、二階層のボス。
愛を司る者♀試練の間、最下層のボス?
ライネル30歳♂ルベドの父親?
プリシラ28歳♀ルベドの母親?
創造神ミハイル♂肉体を得た姿。
執行者ザファゲイル27歳♂ミハイルに仕える番犬。スラム育ちの為、粗暴。
断罪者ミトス29歳♂ミハイルに仕える番犬。口調は柔らかいが毒舌で論理的思考。
0:ナレーション(不問)
0:******************
♪:荒野を行く
0:ルミナス軍用基地跡。
サレナ:やっと、星の方舟とやらとご対面ね。
ルベド:ああ、後手後手に回ってしまったからな。
ニグレド:うん、アクシデント続きだったし
グリーヴァ:ガッハハハ!その話から察するに…お前達が数々の修羅場を潜り抜けて来ているのが手に取って分かるぞ!
サレナ:修羅場?言い得て妙ね。
ルベド:おい、サレナー!感心してないで、とっとと乗り込むぞっ!
ニグレド:着いたよ!僕の船、ヘレティックフェザーだよ!
0:超合金の二つの翼が目に留まる。
グリーヴァ:ほうーー!!これは、見事なものだな!
ルベド:グリーヴァもいつまで外にいるんだー?早く、中に入って来いって!
グリーヴァ:む?あ〜すまん!つい見惚れてしまった…今参るぞっ!!ルベド。
ルベド:やれやれ…。
0:ヘレティックフェザー内。
♪:天翔ける船
ニグレド:さぁ〜て、ブリッジに行こう!僕に着いて来て!…入り口から、北に進むと連絡通路が見えてくる。その通路を進んだ先の黒翼(こくよく)が描かれた扉が目印だよ!
ルベド:へぇ、造りが随分と凝ってるなあ!
サレナ:うわぁあーー圧巻ね。…誰が造ったのかしら?
ニグレド:それは僕にも分からないけど、ローレンスさんなら知ってるかも。あ…以前話した恩師の事だよ。
ルベド:恩師ローレンスか。ふぅん、どんな人なんだ?ニグレド。
サレナ:あたしも気になるわね。
グリーヴァ:ほうー、恩師か!良い響きだ!俺にも昔、恩師と言うか、師が居た事があってな…
サレナ:はいはい!グリーヴァ…あんたの話はまた今度ね〜!
グリーヴァ:な、何故だ!?
ルベド:今は空気を読めって事だろ。
グリーヴァ:むぐぐ…。
ニグレド:あはは…ごめんね、グリーヴァ。……続けていいかな?
グリーヴァ:ああ。話の腰を折ってしまい、申し訳ない!
ニグレド:大丈夫だよ!それじゃ、話すね!
ニグレド:まず僕はサレナのように人族じゃないんだ。正確には人族と異族のハーフなんだけど。
サレナ:え…ちょっと!どう言う事?!
ルベド:ニグレド、詳しく聞かせてくれ。
グリーヴァ:…っ。
ニグレド:僕の生まれ育った故郷は異界にあるんだ。治癒能力がその証だよ。
ニグレド:薄々分かってはいると思うけど、ルベド…君も人族ではない。…僕と同じ人族と異族のハーフなんだよ。
サレナ:そ、そんな…ルベドが?!
ルベド:おいおい、ニグレド!…冗談キツいぞ??
グリーヴァ:ルベド、俺は口下手だから、こんな時、どう助言したら良いか分からんが……気をしっかり持つんだぞ!
ルベド:は?…う、嘘だよな!?…だって俺はジョンソンとミランダの一人息子で…。父さんと母さんは人族だし。
ニグレド:困惑している中、拍車を掛けるようで悪いけど…君は孤児なんだ。
サレナ:…嘘……
グリーヴァ:…
ルベド:ニグレド、お前はどこまで知っている?
ローレンス:その件に関しては儂が話そう!ゴホッゴホッ…!
0:歳を召したスーツ姿の男性が現れる。
ニグレド:ローレンス様!何故、こちらに?
グリーヴァ:む?先程、会話の中に出て来た人物か?
サレナ:恩師のローレンス?
ルベド:…
ローレンス:うむ…ニグレド、すまん!言い忘れていた事があるんじゃが…
ニグレド:はい?
ローレンス:おぬしに渡した、その通信機には居場所が分かるようになっておるのじゃ。無論、音声もキャッチ出来るぞい!
ローレンス:つまりは、、ニグレドと同行している、おぬしらの行動や話声も全て筒抜けと言う訳じゃな。
サレナ:はぁーー?最低…
ニグレド:サレナ?…何で僕を睨むんだい?
グリーヴァ:ガッハハハ!ローレンス殿はニグレドの事が余程、心配だったのだろうな!
ルベド:な、何だって?!…もう訳がわからねぇーてのっ!!
ローレンス:すまんなぁ、ニグレド。ゴホッゴホッ!
ニグレド:それは構わないんですが、態々それを言いに来たのですか?
ローレンス:否、その話とは別じゃ。ブリッジに着いてから、順を追って話すとしよう!
ニグレド:分かりました!
グリーヴァ:ふむ。
サレナ:(ルベド、大丈夫?)
ルベド:(正直、頭の中ぐちゃぐちゃだよ…)
サレナ:…
0:暫く進むと、真っ黒な翼が描かれた扉が目に入る。
ニグレド:着いたよ!この扉を抜けた先がブリッジだよ。
ルベド:さぁ、行こうぜ!
サレナ:ルベド…
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
♪:Control Station
ニグレド:人数分くらいの椅子があるから、自由に腰を掛けて!
グリーヴァ:ぬ?…操縦は誰が行うんだ?
ルベド:あー言っとくけど…俺にそんな知識は無いからな?
サレナ:あたしも無理よ!
ローレンス:ニグレド、彼等の疑問に答えて上げなさい!
ニグレド:はい、ローレンス様!…操縦に関しては問題ないよ。AIが自動的に操縦してくれるからね!
ルベド:えーあいってなんだ??
ローレンス:AIとは人工知能の事じゃ。言わば人族を模した機械の人形って言えば理解が出来るかの?
サレナ:その機械の人形はどこにいるのよ?
無尽君45式:はい、お呼びしましたか?
ルベド:うおお!?…何だ、このヘンテコな玩具は。
サレナ:誰が造ったのか知らないけど、センスの欠片も無いわね…
ニグレド:あはは…酷い言われようだね。僕の手造りなんだけど…
グリーヴァ:ほう、素晴らしい才能だな!
ルベド:そうかぁ?俺でも造れるレベルだぞ?
無尽君45式:失礼な奴ですね、成敗します!…(背中からビームを発射)
ルベド:あちちちぃ!?…や、やめろ!わ、悪かったって!!
無尽君45式:成敗!(ビームを発射)
サレナ:え!?…きゃあああ!…な、何すんのよ!!このポンコツー!おりゃぁ!(殴る)
無尽君45式:とても理不尽です…!
ニグレド:ちょっと、サレナー!壊さないでよ?
サレナ:大丈夫よ、頑丈そうだしね?
ルベド:いや、そう言う問題じゃねーだろ!
ニグレド:あはは…
ニグレド:無尽君、操縦桿とリンク出来るかな?
無尽君45式:はい、自動操縦モードに移行します!
0:その瞬間、無尽君は腕から細いケーブルを取り出し、操縦桿に結び付けた。
ルベド:ん?これは何をしているんだ?ニグレド。光る物が同時に出てるが?
ニグレド:こうする事によって、動き出すんだ!……揺れるからベルトを閉めて、飛ばされないよう気を付けて!
0:突如、ヘレティックフェザー全体が激しく揺れる。
無尽君45式:接続完了…出発します!目的地はどちらになりますか?
ローレンス:異界、理の狭間まで頼む!ゴホッ、ゴホッ…
無尽君45式:畏まりました!算出したところ、大凡2時間45分で目的地、理の狭間に到着します。
ニグレド:有難う!無尽君。……ローレンス様、理の狭間とは?
ローレンス:まぁ、そう急くな。ニグレド。…先ずはルベド、おぬしの件から語るとしよう。
ルベド:…
サレナ:ルベド…
ローレンス:ルベド、おぬしは宇宙に脱出ポッドと一緒に棄てられておったのじゃよ。調べたところ、両親は既に他界しておった。どういった経緯は分からんがな。ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:…っ!
ルベド:まさか、俺はあんたに拾われたのか?ローレンス。
ローレンス:否。儂の古くからの友人がな、宇宙を飛び回っている際、偶然見つけたのじゃよ。
0:another story 6 星の観測者。
♪:revival
ゼフ:おーい!もっと高度を上げてくれぇい!シーパー!
シーパー:無茶を言わないで!貴方に「素敵な星を君に見せて上げる!僕からの最高のプレゼントさ!」って言われたから、楽しみで着いてきたけど…まさか操縦を任せられる羽目になるなんて想定外だったわ。
ゼフ:悪気は無いんだよ。最近、腰痛が酷くて…いざ操縦したら他の小惑星に追突してしまうからね。
シーパー:はぁあ…そんなに酷いなら、初めからカッコつけてキザな台詞を吐かないで頂戴!
ゼフ:ははは、ごめんよシーパー!…そんな事より、もうちょっと左に寄ってくれないかな?
シーパー:もぅう…知らないっ!!
ゼフ:うわぁああああ!!きゅ、急にスピード上げたら、危ないって!!
シーパー:ふんっ。
ゼフ:機嫌を直してくれよ!……ほらっ!君の好きなリザードクッキーをあげるからさ!
シーパー:え?本当に!?…こんなに!?全部いいの?
ゼフ:勿論だとも!…だから安全に頼むよ!
シーパー:はぁーい!
ゼフ:(単純な子で助かった…)
シーパー:ゼフぅ?何か言ったぁ?…モグモグ。
ゼフ:な、何も言ってないよ?
0:シーパーがクッキーを食べ終えた頃。
ゼフ:シーパー、お腹いっぱいになったかい?
シーパー:うん、足りないけど我慢する!
ゼフ:シーパーは本当にリザードクッキーとなると、胃袋が底無し沼になるね…
シーパー:な、なによ!悪い…って……え!
ゼフ:ん?シーパー、眉間に皺なんか寄せてどうしたんだい?
シーパー:ゼフ!脱出ポッドが!
ゼフ:脱出ポッド?どう言う意味だい?
シーパー:ほら、あそこ!3時の方向見て!
ゼフ:え?…あの桃色の脱出ポッドの事?
シーパー:うん、近付いて見ていい?
ゼフ:良いけど、危険だと思ったら逃げるんだよ?
シーパー:分かってるよー!…うわぁあ!
0:脱出ポッドの中を覗き込む。
ゼフ:あれは…子供?!
シーパー:どうするの?ゼフ。
ゼフ:こんな辺境な宙域に子供…取り敢えず、降りて、開けて見よう!シーパー!
シーパー:ふふ、貴方のそういう所好きよ!ゼフ
ゼフ:放って置けないからね。それにしても…誰がこんな事を…酷い。
ルベド:…
0:中には5歳くらいの赤子が眠っていた。
シーパー:このまま、ここに放置してても可哀想だし私達の星に連れていく?
ゼフ:ああ、その方が良さそうだ!ローレンスにもコンタクトを取ろう!
シーパー:ええ!
ゼフ:星の件は……
シーパー:大丈夫よ、また来ましょう!勿論、今度は貴方が操縦してね?
ゼフ:はは、、シーパーには敵わないな。
シーパー:当然ですぅ!
0:現代。
♪:なし
ルベド:……っ。
ローレンス:これ以上は止めておくか?
ルベド:いや、大丈夫だ。全て話してくれ!俺が納得するまで。
ニグレド:ルベド…
サレナ:…
ローレンス:うむ。その後、ゼフから連絡を受けた儂は…
0:異族と人族のハーフ。
♪:Nervous Breakdown
ゼフ:ローレンス!ローレンスは居るかぁ?
若きローレンス:なんだ、何だ?何事だぁ?
シーパー:これを見て欲しいの!
若きローレンス:なんだよ、シーパーも居るのかよ!ラブラブで羨ましいこったなぁ!
若きローレンス:まさか、見て欲しいモノがあるって、お前らのラブラブっぷりを俺に見せに来たんじゃ無いだろうな…?
ゼフ:あほかっ!…先日、彼女に振られたからって、僕等にあたるなよ。
若きローレンス:くそぅ…マナァ!!
シーパー:馬鹿みたいに叫んでないで、この子を見て欲しいんだけど!
若きローレンス:この子ぉー!?子供って、、お前ら…やっぱり…俺に自慢しに…!
ゼフ:ち、違うって!最後まで話を聞けっての!
シーパー:あ〜私達の子供もそろそろ、考えないとね?ゼフぅ?
ゼフ:ば、ば、ば、馬鹿やろ!な、何言ってんだよ!シーパー。…それよりその子をローレンスに!
シーパー:ふふ、はいはい!…ローレンス!この子、宇宙に棄てられてたんだけど。
若きローレンス:あん?…何だ、この餓鬼は。眠っているのか?
ゼフ:ああ、暗示を掛けられているように眠ってるんだ。…どう思う?ローレンス
若きローレンス:ふむ、なるほどな!よし、お前らも何かと大変だろうから、俺がこの餓鬼を預かるわ!
シーパー:大丈夫なの?
若きローレンス:ああ、個人的に気になるんだよな。
ゼフ:ありがとう、ローレンス!…何か分かったら教えてよ!
若きローレンス:あいよー!
シーパー:じゃあ、その子を宜しくね!
若きローレンス:お前らぁ!…偶には遊びに来いよ?
ゼフ:勿論だよ!
シーパー:ええ。
0:現代。
♪:なし
ローレンス:それから儂は何日も何日も夜通しで調べた!
ルベド:今だに信じられないな。
サレナ:いきなり、お前は人族と異族のハーフなんて言われたら、誰だって自分を見失うわよ。
グリーヴァ:現実とは時に残酷なものだな。
ニグレド:ルベド、辛いなら逃げてもいいんだよ?
ルベド:はあ?逃げるだと?冗談じゃねぇ!俺は俺自身を知りたい!…だから、続きを話してくれ!ローレンス。
ローレンス:強い男じゃのー!続きを…話すぞい!
0:苦悩のローレンス。
♪:ココニココロ
0:聞き込みを済ませたローレンスが自宅に戻る。
若きローレンス:まず、餓鬼の名前はルベド。異族と人族のハーフで、両親は既にこの世を去っているか…。
若きローレンス:…民間用の脱出ポッドにこの餓鬼が乗っていた理由としては戦争に巻き込まれる可能性があると危惧した両親は我が子を守る為に何も無い辺境な宙域に棄てる形で置き去りにした。
若きローレンス:まとめるとこんな感じか?…根も葉もない話だが、、事実だとしたら…めちゃくちゃ、不憫だな。。
♪:blue sky
ゼフ:ローレンスー!!約束通り遊びにきたよー!
シーパー:あれぇ?留守かなぁ?
0:2人は呼び掛けるが反応はない。
ゼフ:明かり付いてるし中に居るとは思うけど、何かに没頭してたら気付かないくらいには生真面目だからなあ!
シーパー:ふぅん、あの性格からして想像が湧かないなぁ…
ゼフ:おいおいーシーパー、そんな風に言ってたら飛び出てくるぞー?
シーパー:まさかぁ?
若きローレンス:あ?俺が何だってー?
シーパー:わぁああー!?本当に飛び出してきたぁ…
ゼフ:ローレンスは意外に地獄耳だからなあ。
若きローレンス:地獄耳だと!お前らぁー言わせておけば…好き放題言いやがっ…
ゼフ:まぁ、まぁ!…聞き流してくれよ、ローレンス。…そんな事より差し入れがあるんだよ♪
シーパー:うんうん、ローレンスの好物だろうって、ゼフがね!
若きローレンス:ほう?俺の好物か、気になるじゃねえか!…物によっちゃ、さっきの件は水に流すわ!
若きローレンス:ま、取り敢えず中に入れよ?
ゼフ&シーパー:はぁーい!お邪魔しまーす♪
0:家の中に入って数分後。
ゼフ:…じゃじゃーん!…バーニィのカステラだぞ!しかも等身大サイズだ!どうだ?怒りは鎮まったかい?
若きローレンス:おおー!良いのかよ?気が利くじゃねぇか!!ゼフ。
シーパー:私も甘党よ?でも、ローレンスには負けるけどねぇ?きゃははは〜♪
ゼフ:ああ、ぜーんぶ食って良いよ!…甘い物摂らないとキツいだろ?
若きローレンス:お前らぁ…(涙)……良い奴らだなぁ!ありがとうな!…あむあむ、あむ!うめぇえ!!生き返るぜーー♪
ゼフ:ははは!大袈裟なんだよー!…それで何か分かったのー?
シーパー:あの子の調子はどうなのぉ?
♪:ice caves
若きローレンス:ああ、その事なんだが…これを見てくれよ!今しがた、俺がまとめたメモなんだが。
ゼフ:ふむふむ、どれどれー?……なるほど…え!?嘘だろ…。
シーパー:ゼフぅ?どうしたのぉ?…私にも見せて…って!?……ぇえ?!
若きローレンス:ああ、この餓鬼はとんでもない財産に成り代わるかも知れねぇー!
0:驚愕している2人を他所に繋ぎ合わせるように口を開く。
ゼフ:ローレンス、この子は君が育てるのかい?
若きローレンス:んな訳ねぇだろー!俺の餓鬼ならまだしもよ…
シーパー:じゃあどうすんのぉ?
若きローレンス:うーん………
0:長考するローレンス。
ゼフ:ローレンスー!僕に良い考えがあるんだけど…まぁ、採用するかどうかは君が決めてよ?
シーパー:ゼフ、何か思い付いたのぉ?
若きローレンス:ほう?一応聞いてやる、何だ?
ゼフ:この子さぁ、人族と異族のハーフなんでしょ?ならさ、人族としての道を歩ませてはどうかな?見た目も僕等みたいな異族ぽくはないしさ!どっちかて言うと…人族の血の方が濃いみたいだし。
シーパー:ゼフ、それは余りにも無責任じゃな…
若きローレンス:いや、シーパー!ゼフの考えは正しいぞ!
シーパー:ぇえ!?
ゼフ:と言うと?
若きローレンス:ああ、この餓鬼を地上に降ろすわ!…ちゃんと人目が付く場所にな。この餓鬼からしたら、二度も棄てられる運命を辿る事になるが…異界に居るよりは何倍も平和だろ。
ゼフ:うんうん、名案でしょ?ローレンス。
若きローレンス:ああ!流石は俺の親友だぜ!ゼフ。
0:現代。
♪:憂鬱
ルベド:…
ローレンス:それでおぬしをグランディア大陸に棄てたのじゃ。
ローレンス:数日後、おぬしの義父、ジョンソンに拾われて…人族としての道を歩み始めたのじゃよ。ゴホッ…ゴホッ!ゴホッ…ゴホッ!
ニグレド:ローレンス様!お身体が?
ローレンス:ニグレド…儂はどの道、もう助からん。…僅かな生をぬしらに費やそう!…それがせめてもの…罪滅ぼしじゃ。
ニグレド:ローレンス様…
サレナ:酷い…
グリーヴァ:確かに形としては゛棄てた゛のかも知れぬ…然し、俺の目にはローレンス殿はルベドの事を救ったように映ったがな?
ルベド:ローレンス、俺は…俺は…俺はぁー!!…うわぁあん!!(号泣)
ニグレド:ルベド…
サレナ:ルベド、好きなだけ泣きなよ…あたしも辛い……ぐすん(涙)
ローレンス:次はファーストキーについてだが……ゴホッゴホッ!………ゴホッ!ゴホッ!
ローレンス:ファーストキーとは所謂、原初の鍵の事を指す。原初の鍵とは古来より邪を封印する為に生まれたとされている、異質な存在の組織じゃ…ゴホッ!ゴホッ!…儂もその末裔の一人。ぬしらと同じ、じゃが…人族と異族のハーフでは無い。儂の血は異族のみ…ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ……!
ニグレド:ローレンス様!これ以上は…お身体に触ります!…ここからは僕が!
ローレンス:すまぬのう…ニグレド。ゴホッ…ゴホッゴホッ!
ニグレド:いいえ、初めから僕が話す予定だったので。
ローレンス:ふぉふぉふぉっ!ゴホッゴホッ…!
ルベド:…
グリーヴァ:原初の鍵…
サレナ:それで、その鍵とルベドと何の関係があるのよ?
ニグレド:これは僕の推測でしか無いけど、ルベドと僕は世界の災厄を封じる為に生まれて来たんだと思う。
ルベド:俺とニグレドは兄弟だったりするのか?
ニグレド:そこまでは分からないけど、2人で一つの鍵の役割をしているらしい。
ニグレド:当然、リスクも存在する。…片方は必ず死を迎える事になる。
サレナ:つまり両方揃わなければ、世界は救われないって事?
グリーヴァ:常軌を逸した話だな…
ルベド:ローレンスの時は1人で封じれたんだよな?何故、この時代は2人必要なんだ?
ローレンス:それだけ゛奴゛が時代を跨ぐ度に強大になってると言う訳じゃ…ゴホッゴホッ!
サレナ:だからってルベドが犠牲になるなんて…おかしいわ!!
ルベド:サレナ…ありがとうな!…俺さ、昔っから自分の存在意義が分からなかったんだ。…足引っ張って…迷惑かけて…何をするにも中途半端で…俺は何の為に生きてんだろって…
ニグレド:…
サレナ:ルベド…
ルベド:けどな、皆と出会ってローレンスから真実を聞いて明確な生きる意味を見つけた!…例え、この身を賭そうが俺の生きた証を刻めるのなら本望だ!
ニグレド:ルベド、、無茶してないかい?
グリーヴァ:ルベド、俺は最期の瞬間までお前に付き合おう!
サレナ:ルベド…何か別の方法だって…(涙)
ローレンス:サレナ嬢、水を差すようで悪いんじゃが…奴を再び封じるにはルベド、ニグレドが持つキーが無ければ不可能じゃ!ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:そ…そんな…(涙)
ルベド:サレナ、俺は自分の使命を全するよ!…怖くないって言えば、嘘になるけどな。
サレナ:ぅうぅぅう…ルベド…(涙)
ローレンス:うむ。英雄の血を受け継ぐ者、ルベドよ、おぬしの心は強い!然し、技術は点でダメじゃ!暫し、鍛錬を積む必要があるだろう!…理の狭間で試練に打ち勝つんじゃ!!
ニグレド:ルベドー!僕達も支援する…
ローレンス:…ならんっ!これはルベド1人で臨まなければならない、試練じゃ!皆の者、暖かく見守るのもまた、友情じゃよ!ふぉふぉふぉっ!…ゴホッ!ゴホッ!
グリーヴァ:ルベド、真の漢になって帰って来い!ガッハハハ!
サレナ:ぐす…ぐすん…あ、あんた1人で大丈夫?
ルベド:皆…ありがとう!俺は…俺自身の殻をブチ破るっ!
0:其々の葛藤が交錯する中で絆が深まる。
♪:eternal melody
0:冷静さを取り戻した彼等は、各々自由に過ごしていた。
フェルマー:……んん?!…妾は気を失って…?
0:フェルマーが目を覚ます。
ルベド:お?…グリーヴァー!フェルマーが目を覚ましたぞ!
グリーヴァ:何だと!?…おおーフェルマー殿!
フェルマー:此処は何処じゃ?!グリーヴァー!無事であったか!
グリーヴァ:ああ、一時はどうなるかと思ったが何とか生き永らえたぞ!フェルマー殿のお陰でな!ガッハハハ!
フェルマー:ふっふっふっ!気にするでない!グリーヴァよ。…妾の力だけでは無く、ルベド達のお陰でもあるからのぅ!
ルベド:ふ…お互い様ってヤツだ!
サレナ:なぁに、カッコつけてんのよ!
ニグレド:あはは…相変わらず仲が良いね♪
フェルマー:そう言えば、此処は何処なのじゃ?!何か、動いてるように思えるがの?
グリーヴァ:フェルマー殿、此処はヘレティックフェザー!…星の方舟の中よ!ガッハハハ!
フェルマー:な、なんじゃとー!?妾が眠っている間に何があったのじゃ?!
ニグレド:それは僕が簡潔に説明するよ。
0:ニグレドはフェルマーに事の顛末を告げる。
ニグレド:…と言う訳なんだけど。
グリーヴァ:フェルマー殿、だいぶ苦悩されている様子が見て取れるが?
フェルマー:うーむ…正直、脳内の整理が追いつかぬ!
フェルマー:要約すると…世界が危機に瀕しているから、ルベドとニグレドが持つ鍵で災厄を封じ込めると言う事じゃな??
ルベド:ああ、その為には試練を突破しないとならないけどな!
サレナ:ルベド、生きて戻って来なさいよ?…あんたが死んだら世界を救える術が無くなるんだからね…
ニグレド:サレナ…
ルベド:サレナ、お前いつからそんなに過保護になったんだ?…大丈夫だ!中途半端に野垂れ死ぬのはごめんだからな!
無尽君45式:ご歓談中、失礼致します!…間も無く、サイド263宙域、理の狭間に到着します。
グリーヴァ:いよいよか。せめて、入り口まで見送ろうぞ!!
ルベド:ありがとな、グリーヴァ。
ニグレド:ルベド、挫けないでね?
ルベド:ああ!ニグレド、留守中は頼んだぞ!
ニグレド:うん、任せといてよ。
ローレンス:ゴホッゴホッ!…ルベド、これを持っていくのじゃ!
0:銀色の腕輪を受け取る。
ルベド:これは何に使うんだ?ローレンス。
ローレンス:その腕輪はおぬしを正解に導いてくれるじゃろう!
ルベド:正解?よく分からないが、必要になったら使わせて貰うよ!ありがとう!
ローレンス:うむ、達者でな!ゴホッゴホッゴホッ!
フェルマー:ルベド、無事に帰って来たら妾と一戦交えてくれんかのぅ?
ルベド:一戦交えるって…勿論、手加減は…
フェルマー:無論、せぬぞ?ふっふっふっ!
ルベド:いや、勘弁してくれ!!
フェルマー:大丈夫じゃ、戻って来る頃には見違える程、強くなっておるのじゃからなあ♪
ルベド:ははは…完全に一本取られたな。
フェルマー:ふっふっふっ♪
サレナ:……ルベド、ちょっと自室に来て。
ルベド:サレナ?
0:サレナに連れられ、自室に入る。
♪:ある春の日に
サレナ:ルベド…あたし……アンタが…
ルベド:サレナ…!(接吻)
サレナ:ルべ…ド……?!…んん(接吻)
0:2人は濃厚な時を過ごした。
♪:eternal melody
ルベド:サレナ!
サレナ:ルベド?
ルベド:行ってくるっ!!
サレナ:ええ、行ってらっしゃい!
0:サレナは涙を堪えながら、笑顔でルベドを見送った。
無尽君45式:ルベドさん、準備の方は宜しいでしょうか?
ルベド:ああ、バッチリだ!
無尽君45式:了解致しました。それでは、理の狭間に着陸します。
0:異界•理の狭間前。
♪:後悔、雨に滲み
ルベド:…ぅう!寒っ!!…異界ってこんなに冷えるのか!
ニグレド:理の狭間が特別、寒いだけだよ。零下20°の極寒の地だからね!
ルベド:はぁ?!…おい、その情報は先に教えろよ!…お前と違って軽装なんだから、凍死するだろうが!!
ニグレド:あはは…ごめん、ごめん!
グリーヴァ:確かにこれは…ヘックション!……堪えるな!ガッハハハ!
フェルマー:この程度の寒さで根を上げるとは情けないじゃのぅ!
ルベド:うるせぇ、寒いもんは寒いんだよっ!
サレナ:ルベド〜あたしの技で暖めてあげよっか?
ルベド:あほかっ!暖まると同時に死が待ってるわ!!
サレナ:ふふ!さぁ、行って来なさい!
フェルマー:行って来るのじゃ!
グリーヴァ:俺を超える熱い漢になって来い!
ニグレド:気を付けてね!
ルベド:ニグレド、ローレンスは?
ニグレド:ローレンス様は体調が優れないから、自室で休んでいるよ。
ルベド:そうか…ちゃんと看病してやれよ?ニグレド。
ニグレド:うん、分かってるよ!
ルベド:皆、ありがとう!…行ってくるっ!!
0:斯くして、ルベドは未開の地に足を踏み入れた。
Stranger Of Chaos⚔️(ストレンジャーオブケイオス)
第三部。
*0の表記はト書き(N)を含む*
0:登場人物〜
ルベド18歳♂:ギルド商会ブラッドヴェルにその身を置く、純朴な青年。愛用武器は父から受け継いだハーフデュランダル、母からは魔甲(属性によって得られる術、技が変わる)サレナに尻を敷かれている。幼きルベドを兼ね役
サレナ20歳♀:特にルベドに対しては面倒見が良く、武道の道を極めた女性。すぐに拳や脚が出るのが玉に瑕。愛用武器はすーぱーなっこぉ(メリケン、三節棍等)体術主体の技を繰り出す。幼きサレナ、イレスを兼ね役。
フェルマー15歳?♀(のじゃロリ):翼人(つばさびと)背に翼を生やした異なる種族。自国の豪傑な武人で鬼人族のグリーヴァとは旧知の仲。口調にやや特徴はあるが変な奴ではない。大鎌を自由自在に扱う。愛用武器はソウルスレイヤー。潜在能力を引き出すと吸収を習得する。シーパーを兼ね役
グリーヴァ43歳♂:鬼人(おにびと)フェルマーと同様に異なる種族で、自国の総大将。鍛え上げた肉体で豪快に二刀を振るう。
愛用武器は修羅一文字&無双返り咲き。若干、俺様気質だが情には熱い。愛妻イレスを狂愛している。ゼフを兼ね役お願いします!
ニグレド24歳♂:異族と人族とのハーフ。温厚な性格で、滅多に牙を剥かない。ひょんな事から、ルベド達と旅を共にする。愛用武器は巨大な2つの盾、アイギスとイージス。生まれながら、簡易的な治癒術が使える。
主に状態異常を起こし、妨害する技を使う。サポート的な存在。無尽君45式を兼ねる。
アルベド22歳♂全てが謎に包まれている。とある事がキッカケで二面性を持つ。
愛用武器は魔爪(まそう)→魔を封じ込めた籠手、不遇戴天。
???、???(主)、アルベド?、創造神ミハイルを兼役。
???♂宇宙に災厄を降らした創造神。過去、英雄ローレンスの活躍により、その肉体は封じられたが…どういう訳か残留思念だけが残り、三つの脅威を従える主に君臨した。器(肉体)となる者を探している。
異形なる者(力)46歳♂名はジーフリード。
戦闘狂。三つの脅威の1人で動きは鈍いが、その一振りは天地を揺るがす程の破壊力。
愛用武器は理の狂剣(ことわりのきょうけん)
特殊技能、バーサーカー(狂人化)モードと言う切り札がある。???(力)、側近、ローレンス、執行者ザファゲイルを兼役推奨。
異形なる者(技)28歳♂名はヴァシュロン。
主(???)に絶対なる忠誠を誓う、寡黙な青年。ジーフリード、ジェスに並ぶ、三つの脅威の1人。時折、毒を吐く。ジェスとは馬が合わないらしい。愛用武器は理の大槍(ことわりのおおやり)
亜空間を形成させる特殊技能を持つ。
???(技)、翼人兵、断罪者ミトスを兼ねて下さい。
ローレンス76歳♂:悪を特殊な棺に封じ込める使命を背負った、ファーストキー(原初の鍵)の末裔。王號暦194年、邪教徒(???)を封じ込めた勇敢な英雄。然し、歳を重ねたせいか、そのチカラは使用する事が出来なくなってしまう。復活してしまった脅威に立ち向かう為、智学に生涯を捧げ、老賢者となる。ニグレドの事を孫のように接する。若きローレンスを兼ね役
若きローレンス20歳♂:活発な青年。愛銃カオスレイ。
無尽君45式(不問):ヘレティックフェザー艦内の操縦、雑用等を行っている、人工知能。
ゼフ20歳♂:星を観測する事に命をかけている。困った人を放って置けない気の優しい人柄にシーパーは惚れ込んでいる。
シーパー20歳♀:ゼフ自慢の彼女!我儘な部分が目立つが、憎めないのは彼女の魅力。操縦は慣れてないが、基礎は身に付いてる。ターニアを兼ね役
ターニア22歳♀ 研究員。とある研究で命を散らす。アルベドの事を密かに想っていた。
アデス35歳♂所長。マッドサイエンティスト。ターニアを実験台にした下衆。
心を司る者(不問)試練の間、一階層のボス。
力を司る者(不問)試練の間、二階層のボス。
愛を司る者♀試練の間、最下層のボス?
ライネル30歳♂ルベドの父親?
プリシラ28歳♀ルベドの母親?
創造神ミハイル♂肉体を得た姿。
執行者ザファゲイル27歳♂ミハイルに仕える番犬。スラム育ちの為、粗暴。
断罪者ミトス29歳♂ミハイルに仕える番犬。口調は柔らかいが毒舌で論理的思考。
0:ナレーション(不問)
0:******************
♪:荒野を行く
0:ルミナス軍用基地跡。
サレナ:やっと、星の方舟とやらとご対面ね。
ルベド:ああ、後手後手に回ってしまったからな。
ニグレド:うん、アクシデント続きだったし
グリーヴァ:ガッハハハ!その話から察するに…お前達が数々の修羅場を潜り抜けて来ているのが手に取って分かるぞ!
サレナ:修羅場?言い得て妙ね。
ルベド:おい、サレナー!感心してないで、とっとと乗り込むぞっ!
ニグレド:着いたよ!僕の船、ヘレティックフェザーだよ!
0:超合金の二つの翼が目に留まる。
グリーヴァ:ほうーー!!これは、見事なものだな!
ルベド:グリーヴァもいつまで外にいるんだー?早く、中に入って来いって!
グリーヴァ:む?あ〜すまん!つい見惚れてしまった…今参るぞっ!!ルベド。
ルベド:やれやれ…。
0:ヘレティックフェザー内。
♪:天翔ける船
ニグレド:さぁ〜て、ブリッジに行こう!僕に着いて来て!…入り口から、北に進むと連絡通路が見えてくる。その通路を進んだ先の黒翼(こくよく)が描かれた扉が目印だよ!
ルベド:へぇ、造りが随分と凝ってるなあ!
サレナ:うわぁあーー圧巻ね。…誰が造ったのかしら?
ニグレド:それは僕にも分からないけど、ローレンスさんなら知ってるかも。あ…以前話した恩師の事だよ。
ルベド:恩師ローレンスか。ふぅん、どんな人なんだ?ニグレド。
サレナ:あたしも気になるわね。
グリーヴァ:ほうー、恩師か!良い響きだ!俺にも昔、恩師と言うか、師が居た事があってな…
サレナ:はいはい!グリーヴァ…あんたの話はまた今度ね〜!
グリーヴァ:な、何故だ!?
ルベド:今は空気を読めって事だろ。
グリーヴァ:むぐぐ…。
ニグレド:あはは…ごめんね、グリーヴァ。……続けていいかな?
グリーヴァ:ああ。話の腰を折ってしまい、申し訳ない!
ニグレド:大丈夫だよ!それじゃ、話すね!
ニグレド:まず僕はサレナのように人族じゃないんだ。正確には人族と異族のハーフなんだけど。
サレナ:え…ちょっと!どう言う事?!
ルベド:ニグレド、詳しく聞かせてくれ。
グリーヴァ:…っ。
ニグレド:僕の生まれ育った故郷は異界にあるんだ。治癒能力がその証だよ。
ニグレド:薄々分かってはいると思うけど、ルベド…君も人族ではない。…僕と同じ人族と異族のハーフなんだよ。
サレナ:そ、そんな…ルベドが?!
ルベド:おいおい、ニグレド!…冗談キツいぞ??
グリーヴァ:ルベド、俺は口下手だから、こんな時、どう助言したら良いか分からんが……気をしっかり持つんだぞ!
ルベド:は?…う、嘘だよな!?…だって俺はジョンソンとミランダの一人息子で…。父さんと母さんは人族だし。
ニグレド:困惑している中、拍車を掛けるようで悪いけど…君は孤児なんだ。
サレナ:…嘘……
グリーヴァ:…
ルベド:ニグレド、お前はどこまで知っている?
ローレンス:その件に関しては儂が話そう!ゴホッゴホッ…!
0:歳を召したスーツ姿の男性が現れる。
ニグレド:ローレンス様!何故、こちらに?
グリーヴァ:む?先程、会話の中に出て来た人物か?
サレナ:恩師のローレンス?
ルベド:…
ローレンス:うむ…ニグレド、すまん!言い忘れていた事があるんじゃが…
ニグレド:はい?
ローレンス:おぬしに渡した、その通信機には居場所が分かるようになっておるのじゃ。無論、音声もキャッチ出来るぞい!
ローレンス:つまりは、、ニグレドと同行している、おぬしらの行動や話声も全て筒抜けと言う訳じゃな。
サレナ:はぁーー?最低…
ニグレド:サレナ?…何で僕を睨むんだい?
グリーヴァ:ガッハハハ!ローレンス殿はニグレドの事が余程、心配だったのだろうな!
ルベド:な、何だって?!…もう訳がわからねぇーてのっ!!
ローレンス:すまんなぁ、ニグレド。ゴホッゴホッ!
ニグレド:それは構わないんですが、態々それを言いに来たのですか?
ローレンス:否、その話とは別じゃ。ブリッジに着いてから、順を追って話すとしよう!
ニグレド:分かりました!
グリーヴァ:ふむ。
サレナ:(ルベド、大丈夫?)
ルベド:(正直、頭の中ぐちゃぐちゃだよ…)
サレナ:…
0:暫く進むと、真っ黒な翼が描かれた扉が目に入る。
ニグレド:着いたよ!この扉を抜けた先がブリッジだよ。
ルベド:さぁ、行こうぜ!
サレナ:ルベド…
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
♪:Control Station
ニグレド:人数分くらいの椅子があるから、自由に腰を掛けて!
グリーヴァ:ぬ?…操縦は誰が行うんだ?
ルベド:あー言っとくけど…俺にそんな知識は無いからな?
サレナ:あたしも無理よ!
ローレンス:ニグレド、彼等の疑問に答えて上げなさい!
ニグレド:はい、ローレンス様!…操縦に関しては問題ないよ。AIが自動的に操縦してくれるからね!
ルベド:えーあいってなんだ??
ローレンス:AIとは人工知能の事じゃ。言わば人族を模した機械の人形って言えば理解が出来るかの?
サレナ:その機械の人形はどこにいるのよ?
無尽君45式:はい、お呼びしましたか?
ルベド:うおお!?…何だ、このヘンテコな玩具は。
サレナ:誰が造ったのか知らないけど、センスの欠片も無いわね…
ニグレド:あはは…酷い言われようだね。僕の手造りなんだけど…
グリーヴァ:ほう、素晴らしい才能だな!
ルベド:そうかぁ?俺でも造れるレベルだぞ?
無尽君45式:失礼な奴ですね、成敗します!…(背中からビームを発射)
ルベド:あちちちぃ!?…や、やめろ!わ、悪かったって!!
無尽君45式:成敗!(ビームを発射)
サレナ:え!?…きゃあああ!…な、何すんのよ!!このポンコツー!おりゃぁ!(殴る)
無尽君45式:とても理不尽です…!
ニグレド:ちょっと、サレナー!壊さないでよ?
サレナ:大丈夫よ、頑丈そうだしね?
ルベド:いや、そう言う問題じゃねーだろ!
ニグレド:あはは…
ニグレド:無尽君、操縦桿とリンク出来るかな?
無尽君45式:はい、自動操縦モードに移行します!
0:その瞬間、無尽君は腕から細いケーブルを取り出し、操縦桿に結び付けた。
ルベド:ん?これは何をしているんだ?ニグレド。光る物が同時に出てるが?
ニグレド:こうする事によって、動き出すんだ!……揺れるからベルトを閉めて、飛ばされないよう気を付けて!
0:突如、ヘレティックフェザー全体が激しく揺れる。
無尽君45式:接続完了…出発します!目的地はどちらになりますか?
ローレンス:異界、理の狭間まで頼む!ゴホッ、ゴホッ…
無尽君45式:畏まりました!算出したところ、大凡2時間45分で目的地、理の狭間に到着します。
ニグレド:有難う!無尽君。……ローレンス様、理の狭間とは?
ローレンス:まぁ、そう急くな。ニグレド。…先ずはルベド、おぬしの件から語るとしよう。
ルベド:…
サレナ:ルベド…
ローレンス:ルベド、おぬしは宇宙に脱出ポッドと一緒に棄てられておったのじゃよ。調べたところ、両親は既に他界しておった。どういった経緯は分からんがな。ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:…っ!
ルベド:まさか、俺はあんたに拾われたのか?ローレンス。
ローレンス:否。儂の古くからの友人がな、宇宙を飛び回っている際、偶然見つけたのじゃよ。
0:another story 6 星の観測者。
♪:revival
ゼフ:おーい!もっと高度を上げてくれぇい!シーパー!
シーパー:無茶を言わないで!貴方に「素敵な星を君に見せて上げる!僕からの最高のプレゼントさ!」って言われたから、楽しみで着いてきたけど…まさか操縦を任せられる羽目になるなんて想定外だったわ。
ゼフ:悪気は無いんだよ。最近、腰痛が酷くて…いざ操縦したら他の小惑星に追突してしまうからね。
シーパー:はぁあ…そんなに酷いなら、初めからカッコつけてキザな台詞を吐かないで頂戴!
ゼフ:ははは、ごめんよシーパー!…そんな事より、もうちょっと左に寄ってくれないかな?
シーパー:もぅう…知らないっ!!
ゼフ:うわぁああああ!!きゅ、急にスピード上げたら、危ないって!!
シーパー:ふんっ。
ゼフ:機嫌を直してくれよ!……ほらっ!君の好きなリザードクッキーをあげるからさ!
シーパー:え?本当に!?…こんなに!?全部いいの?
ゼフ:勿論だとも!…だから安全に頼むよ!
シーパー:はぁーい!
ゼフ:(単純な子で助かった…)
シーパー:ゼフぅ?何か言ったぁ?…モグモグ。
ゼフ:な、何も言ってないよ?
0:シーパーがクッキーを食べ終えた頃。
ゼフ:シーパー、お腹いっぱいになったかい?
シーパー:うん、足りないけど我慢する!
ゼフ:シーパーは本当にリザードクッキーとなると、胃袋が底無し沼になるね…
シーパー:な、なによ!悪い…って……え!
ゼフ:ん?シーパー、眉間に皺なんか寄せてどうしたんだい?
シーパー:ゼフ!脱出ポッドが!
ゼフ:脱出ポッド?どう言う意味だい?
シーパー:ほら、あそこ!3時の方向見て!
ゼフ:え?…あの桃色の脱出ポッドの事?
シーパー:うん、近付いて見ていい?
ゼフ:良いけど、危険だと思ったら逃げるんだよ?
シーパー:分かってるよー!…うわぁあ!
0:脱出ポッドの中を覗き込む。
ゼフ:あれは…子供?!
シーパー:どうするの?ゼフ。
ゼフ:こんな辺境な宙域に子供…取り敢えず、降りて、開けて見よう!シーパー!
シーパー:ふふ、貴方のそういう所好きよ!ゼフ
ゼフ:放って置けないからね。それにしても…誰がこんな事を…酷い。
ルベド:…
0:中には5歳くらいの赤子が眠っていた。
シーパー:このまま、ここに放置してても可哀想だし私達の星に連れていく?
ゼフ:ああ、その方が良さそうだ!ローレンスにもコンタクトを取ろう!
シーパー:ええ!
ゼフ:星の件は……
シーパー:大丈夫よ、また来ましょう!勿論、今度は貴方が操縦してね?
ゼフ:はは、、シーパーには敵わないな。
シーパー:当然ですぅ!
0:現代。
♪:なし
ルベド:……っ。
ローレンス:これ以上は止めておくか?
ルベド:いや、大丈夫だ。全て話してくれ!俺が納得するまで。
ニグレド:ルベド…
サレナ:…
ローレンス:うむ。その後、ゼフから連絡を受けた儂は…
0:異族と人族のハーフ。
♪:Nervous Breakdown
ゼフ:ローレンス!ローレンスは居るかぁ?
若きローレンス:なんだ、何だ?何事だぁ?
シーパー:これを見て欲しいの!
若きローレンス:なんだよ、シーパーも居るのかよ!ラブラブで羨ましいこったなぁ!
若きローレンス:まさか、見て欲しいモノがあるって、お前らのラブラブっぷりを俺に見せに来たんじゃ無いだろうな…?
ゼフ:あほかっ!…先日、彼女に振られたからって、僕等にあたるなよ。
若きローレンス:くそぅ…マナァ!!
シーパー:馬鹿みたいに叫んでないで、この子を見て欲しいんだけど!
若きローレンス:この子ぉー!?子供って、、お前ら…やっぱり…俺に自慢しに…!
ゼフ:ち、違うって!最後まで話を聞けっての!
シーパー:あ〜私達の子供もそろそろ、考えないとね?ゼフぅ?
ゼフ:ば、ば、ば、馬鹿やろ!な、何言ってんだよ!シーパー。…それよりその子をローレンスに!
シーパー:ふふ、はいはい!…ローレンス!この子、宇宙に棄てられてたんだけど。
若きローレンス:あん?…何だ、この餓鬼は。眠っているのか?
ゼフ:ああ、暗示を掛けられているように眠ってるんだ。…どう思う?ローレンス
若きローレンス:ふむ、なるほどな!よし、お前らも何かと大変だろうから、俺がこの餓鬼を預かるわ!
シーパー:大丈夫なの?
若きローレンス:ああ、個人的に気になるんだよな。
ゼフ:ありがとう、ローレンス!…何か分かったら教えてよ!
若きローレンス:あいよー!
シーパー:じゃあ、その子を宜しくね!
若きローレンス:お前らぁ!…偶には遊びに来いよ?
ゼフ:勿論だよ!
シーパー:ええ。
0:現代。
♪:なし
ローレンス:それから儂は何日も何日も夜通しで調べた!
ルベド:今だに信じられないな。
サレナ:いきなり、お前は人族と異族のハーフなんて言われたら、誰だって自分を見失うわよ。
グリーヴァ:現実とは時に残酷なものだな。
ニグレド:ルベド、辛いなら逃げてもいいんだよ?
ルベド:はあ?逃げるだと?冗談じゃねぇ!俺は俺自身を知りたい!…だから、続きを話してくれ!ローレンス。
ローレンス:強い男じゃのー!続きを…話すぞい!
0:苦悩のローレンス。
♪:ココニココロ
0:聞き込みを済ませたローレンスが自宅に戻る。
若きローレンス:まず、餓鬼の名前はルベド。異族と人族のハーフで、両親は既にこの世を去っているか…。
若きローレンス:…民間用の脱出ポッドにこの餓鬼が乗っていた理由としては戦争に巻き込まれる可能性があると危惧した両親は我が子を守る為に何も無い辺境な宙域に棄てる形で置き去りにした。
若きローレンス:まとめるとこんな感じか?…根も葉もない話だが、、事実だとしたら…めちゃくちゃ、不憫だな。。
♪:blue sky
ゼフ:ローレンスー!!約束通り遊びにきたよー!
シーパー:あれぇ?留守かなぁ?
0:2人は呼び掛けるが反応はない。
ゼフ:明かり付いてるし中に居るとは思うけど、何かに没頭してたら気付かないくらいには生真面目だからなあ!
シーパー:ふぅん、あの性格からして想像が湧かないなぁ…
ゼフ:おいおいーシーパー、そんな風に言ってたら飛び出てくるぞー?
シーパー:まさかぁ?
若きローレンス:あ?俺が何だってー?
シーパー:わぁああー!?本当に飛び出してきたぁ…
ゼフ:ローレンスは意外に地獄耳だからなあ。
若きローレンス:地獄耳だと!お前らぁー言わせておけば…好き放題言いやがっ…
ゼフ:まぁ、まぁ!…聞き流してくれよ、ローレンス。…そんな事より差し入れがあるんだよ♪
シーパー:うんうん、ローレンスの好物だろうって、ゼフがね!
若きローレンス:ほう?俺の好物か、気になるじゃねえか!…物によっちゃ、さっきの件は水に流すわ!
若きローレンス:ま、取り敢えず中に入れよ?
ゼフ&シーパー:はぁーい!お邪魔しまーす♪
0:家の中に入って数分後。
ゼフ:…じゃじゃーん!…バーニィのカステラだぞ!しかも等身大サイズだ!どうだ?怒りは鎮まったかい?
若きローレンス:おおー!良いのかよ?気が利くじゃねぇか!!ゼフ。
シーパー:私も甘党よ?でも、ローレンスには負けるけどねぇ?きゃははは〜♪
ゼフ:ああ、ぜーんぶ食って良いよ!…甘い物摂らないとキツいだろ?
若きローレンス:お前らぁ…(涙)……良い奴らだなぁ!ありがとうな!…あむあむ、あむ!うめぇえ!!生き返るぜーー♪
ゼフ:ははは!大袈裟なんだよー!…それで何か分かったのー?
シーパー:あの子の調子はどうなのぉ?
♪:ice caves
若きローレンス:ああ、その事なんだが…これを見てくれよ!今しがた、俺がまとめたメモなんだが。
ゼフ:ふむふむ、どれどれー?……なるほど…え!?嘘だろ…。
シーパー:ゼフぅ?どうしたのぉ?…私にも見せて…って!?……ぇえ?!
若きローレンス:ああ、この餓鬼はとんでもない財産に成り代わるかも知れねぇー!
0:驚愕している2人を他所に繋ぎ合わせるように口を開く。
ゼフ:ローレンス、この子は君が育てるのかい?
若きローレンス:んな訳ねぇだろー!俺の餓鬼ならまだしもよ…
シーパー:じゃあどうすんのぉ?
若きローレンス:うーん………
0:長考するローレンス。
ゼフ:ローレンスー!僕に良い考えがあるんだけど…まぁ、採用するかどうかは君が決めてよ?
シーパー:ゼフ、何か思い付いたのぉ?
若きローレンス:ほう?一応聞いてやる、何だ?
ゼフ:この子さぁ、人族と異族のハーフなんでしょ?ならさ、人族としての道を歩ませてはどうかな?見た目も僕等みたいな異族ぽくはないしさ!どっちかて言うと…人族の血の方が濃いみたいだし。
シーパー:ゼフ、それは余りにも無責任じゃな…
若きローレンス:いや、シーパー!ゼフの考えは正しいぞ!
シーパー:ぇえ!?
ゼフ:と言うと?
若きローレンス:ああ、この餓鬼を地上に降ろすわ!…ちゃんと人目が付く場所にな。この餓鬼からしたら、二度も棄てられる運命を辿る事になるが…異界に居るよりは何倍も平和だろ。
ゼフ:うんうん、名案でしょ?ローレンス。
若きローレンス:ああ!流石は俺の親友だぜ!ゼフ。
0:現代。
♪:憂鬱
ルベド:…
ローレンス:それでおぬしをグランディア大陸に棄てたのじゃ。
ローレンス:数日後、おぬしの義父、ジョンソンに拾われて…人族としての道を歩み始めたのじゃよ。ゴホッ…ゴホッ!ゴホッ…ゴホッ!
ニグレド:ローレンス様!お身体が?
ローレンス:ニグレド…儂はどの道、もう助からん。…僅かな生をぬしらに費やそう!…それがせめてもの…罪滅ぼしじゃ。
ニグレド:ローレンス様…
サレナ:酷い…
グリーヴァ:確かに形としては゛棄てた゛のかも知れぬ…然し、俺の目にはローレンス殿はルベドの事を救ったように映ったがな?
ルベド:ローレンス、俺は…俺は…俺はぁー!!…うわぁあん!!(号泣)
ニグレド:ルベド…
サレナ:ルベド、好きなだけ泣きなよ…あたしも辛い……ぐすん(涙)
ローレンス:次はファーストキーについてだが……ゴホッゴホッ!………ゴホッ!ゴホッ!
ローレンス:ファーストキーとは所謂、原初の鍵の事を指す。原初の鍵とは古来より邪を封印する為に生まれたとされている、異質な存在の組織じゃ…ゴホッ!ゴホッ!…儂もその末裔の一人。ぬしらと同じ、じゃが…人族と異族のハーフでは無い。儂の血は異族のみ…ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ……!
ニグレド:ローレンス様!これ以上は…お身体に触ります!…ここからは僕が!
ローレンス:すまぬのう…ニグレド。ゴホッ…ゴホッゴホッ!
ニグレド:いいえ、初めから僕が話す予定だったので。
ローレンス:ふぉふぉふぉっ!ゴホッゴホッ…!
ルベド:…
グリーヴァ:原初の鍵…
サレナ:それで、その鍵とルベドと何の関係があるのよ?
ニグレド:これは僕の推測でしか無いけど、ルベドと僕は世界の災厄を封じる為に生まれて来たんだと思う。
ルベド:俺とニグレドは兄弟だったりするのか?
ニグレド:そこまでは分からないけど、2人で一つの鍵の役割をしているらしい。
ニグレド:当然、リスクも存在する。…片方は必ず死を迎える事になる。
サレナ:つまり両方揃わなければ、世界は救われないって事?
グリーヴァ:常軌を逸した話だな…
ルベド:ローレンスの時は1人で封じれたんだよな?何故、この時代は2人必要なんだ?
ローレンス:それだけ゛奴゛が時代を跨ぐ度に強大になってると言う訳じゃ…ゴホッゴホッ!
サレナ:だからってルベドが犠牲になるなんて…おかしいわ!!
ルベド:サレナ…ありがとうな!…俺さ、昔っから自分の存在意義が分からなかったんだ。…足引っ張って…迷惑かけて…何をするにも中途半端で…俺は何の為に生きてんだろって…
ニグレド:…
サレナ:ルベド…
ルベド:けどな、皆と出会ってローレンスから真実を聞いて明確な生きる意味を見つけた!…例え、この身を賭そうが俺の生きた証を刻めるのなら本望だ!
ニグレド:ルベド、、無茶してないかい?
グリーヴァ:ルベド、俺は最期の瞬間までお前に付き合おう!
サレナ:ルベド…何か別の方法だって…(涙)
ローレンス:サレナ嬢、水を差すようで悪いんじゃが…奴を再び封じるにはルベド、ニグレドが持つキーが無ければ不可能じゃ!ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:そ…そんな…(涙)
ルベド:サレナ、俺は自分の使命を全するよ!…怖くないって言えば、嘘になるけどな。
サレナ:ぅうぅぅう…ルベド…(涙)
ローレンス:うむ。英雄の血を受け継ぐ者、ルベドよ、おぬしの心は強い!然し、技術は点でダメじゃ!暫し、鍛錬を積む必要があるだろう!…理の狭間で試練に打ち勝つんじゃ!!
ニグレド:ルベドー!僕達も支援する…
ローレンス:…ならんっ!これはルベド1人で臨まなければならない、試練じゃ!皆の者、暖かく見守るのもまた、友情じゃよ!ふぉふぉふぉっ!…ゴホッ!ゴホッ!
グリーヴァ:ルベド、真の漢になって帰って来い!ガッハハハ!
サレナ:ぐす…ぐすん…あ、あんた1人で大丈夫?
ルベド:皆…ありがとう!俺は…俺自身の殻をブチ破るっ!
0:其々の葛藤が交錯する中で絆が深まる。
♪:eternal melody
0:冷静さを取り戻した彼等は、各々自由に過ごしていた。
フェルマー:……んん?!…妾は気を失って…?
0:フェルマーが目を覚ます。
ルベド:お?…グリーヴァー!フェルマーが目を覚ましたぞ!
グリーヴァ:何だと!?…おおーフェルマー殿!
フェルマー:此処は何処じゃ?!グリーヴァー!無事であったか!
グリーヴァ:ああ、一時はどうなるかと思ったが何とか生き永らえたぞ!フェルマー殿のお陰でな!ガッハハハ!
フェルマー:ふっふっふっ!気にするでない!グリーヴァよ。…妾の力だけでは無く、ルベド達のお陰でもあるからのぅ!
ルベド:ふ…お互い様ってヤツだ!
サレナ:なぁに、カッコつけてんのよ!
ニグレド:あはは…相変わらず仲が良いね♪
フェルマー:そう言えば、此処は何処なのじゃ?!何か、動いてるように思えるがの?
グリーヴァ:フェルマー殿、此処はヘレティックフェザー!…星の方舟の中よ!ガッハハハ!
フェルマー:な、なんじゃとー!?妾が眠っている間に何があったのじゃ?!
ニグレド:それは僕が簡潔に説明するよ。
0:ニグレドはフェルマーに事の顛末を告げる。
ニグレド:…と言う訳なんだけど。
グリーヴァ:フェルマー殿、だいぶ苦悩されている様子が見て取れるが?
フェルマー:うーむ…正直、脳内の整理が追いつかぬ!
フェルマー:要約すると…世界が危機に瀕しているから、ルベドとニグレドが持つ鍵で災厄を封じ込めると言う事じゃな??
ルベド:ああ、その為には試練を突破しないとならないけどな!
サレナ:ルベド、生きて戻って来なさいよ?…あんたが死んだら世界を救える術が無くなるんだからね…
ニグレド:サレナ…
ルベド:サレナ、お前いつからそんなに過保護になったんだ?…大丈夫だ!中途半端に野垂れ死ぬのはごめんだからな!
無尽君45式:ご歓談中、失礼致します!…間も無く、サイド263宙域、理の狭間に到着します。
グリーヴァ:いよいよか。せめて、入り口まで見送ろうぞ!!
ルベド:ありがとな、グリーヴァ。
ニグレド:ルベド、挫けないでね?
ルベド:ああ!ニグレド、留守中は頼んだぞ!
ニグレド:うん、任せといてよ。
ローレンス:ゴホッゴホッ!…ルベド、これを持っていくのじゃ!
0:銀色の腕輪を受け取る。
ルベド:これは何に使うんだ?ローレンス。
ローレンス:その腕輪はおぬしを正解に導いてくれるじゃろう!
ルベド:正解?よく分からないが、必要になったら使わせて貰うよ!ありがとう!
ローレンス:うむ、達者でな!ゴホッゴホッゴホッ!
フェルマー:ルベド、無事に帰って来たら妾と一戦交えてくれんかのぅ?
ルベド:一戦交えるって…勿論、手加減は…
フェルマー:無論、せぬぞ?ふっふっふっ!
ルベド:いや、勘弁してくれ!!
フェルマー:大丈夫じゃ、戻って来る頃には見違える程、強くなっておるのじゃからなあ♪
ルベド:ははは…完全に一本取られたな。
フェルマー:ふっふっふっ♪
サレナ:……ルベド、ちょっと自室に来て。
ルベド:サレナ?
0:サレナに連れられ、自室に入る。
♪:ある春の日に
サレナ:ルベド…あたし……アンタが…
ルベド:サレナ…!(接吻)
サレナ:ルべ…ド……?!…んん(接吻)
0:2人は濃厚な時を過ごした。
♪:eternal melody
ルベド:サレナ!
サレナ:ルベド?
ルベド:行ってくるっ!!
サレナ:ええ、行ってらっしゃい!
0:サレナは涙を堪えながら、笑顔でルベドを見送った。
無尽君45式:ルベドさん、準備の方は宜しいでしょうか?
ルベド:ああ、バッチリだ!
無尽君45式:了解致しました。それでは、理の狭間に着陸します。
0:異界•理の狭間前。
♪:後悔、雨に滲み
ルベド:…ぅう!寒っ!!…異界ってこんなに冷えるのか!
ニグレド:理の狭間が特別、寒いだけだよ。零下20°の極寒の地だからね!
ルベド:はぁ?!…おい、その情報は先に教えろよ!…お前と違って軽装なんだから、凍死するだろうが!!
ニグレド:あはは…ごめん、ごめん!
グリーヴァ:確かにこれは…ヘックション!……堪えるな!ガッハハハ!
フェルマー:この程度の寒さで根を上げるとは情けないじゃのぅ!
ルベド:うるせぇ、寒いもんは寒いんだよっ!
サレナ:ルベド〜あたしの技で暖めてあげよっか?
ルベド:あほかっ!暖まると同時に死が待ってるわ!!
サレナ:ふふ!さぁ、行って来なさい!
フェルマー:行って来るのじゃ!
グリーヴァ:俺を超える熱い漢になって来い!
ニグレド:気を付けてね!
ルベド:ニグレド、ローレンスは?
ニグレド:ローレンス様は体調が優れないから、自室で休んでいるよ。
ルベド:そうか…ちゃんと看病してやれよ?ニグレド。
ニグレド:うん、分かってるよ!
ルベド:皆、ありがとう!…行ってくるっ!!
0:斯くして、ルベドは未開の地に足を踏み入れた。