台本概要

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タイトル 【学園コメディ】チームめんこい
作者名 ゆる男  (@yuruyurumanno11)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(女5)
時間 60 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 私立可稚位高校(しりつかわちいこうこう)には選ばれた4人組が存在する
それはミスめんこいグランプリで選ばれた4人組。チームめんこい!
チームめんこいのメンバーは学食が半額や授業は受けなくても良い。テストも甘々に採点される
そんなチームめんこいに物申す。しきという少女は今日も怒り散らしながら可愛いとは何かを学んでいく!

※男性が読んでも大丈夫です!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
しき 292 少し怒りっぽい女の子 可愛いとは何かを学んでいく
はる 127 少し辛辣な言葉を言う女の子 それでも可愛いは正義
なつめ 86 クールでかっこいい女の子 口調は男っぽい
あきな 99 おっとり天然な女の子 心の内側に熱いものがある
ふゆき 149 元気な女の子 人の可愛いを引き出すことが生きがい
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
しき:あと5分……もう少しで来るはず… しき:私は、あの4人に会うためにこの高校に来たの しき:7歳の頃、私はあのグループの存在を知った しき:そして、私はそのグループのために何度も調査を繰り返した しき:どうしたらそうなれるのか、どうしたらそんなに輝けるのか しき:夜通しネットで調べて私はようやく辿り着いた! しき:あの人達は……つまり! 0:しきはとある学校に辿り着く しき:わああーー!!来た来たー!! はる:皆さん、本当にありがとう。ここ、通して貰えますか? しき:校門も通れないほど大人気! なつめ:あちぃんだよお前ら!どけ!近寄るな! しき:誰もが触りたくなるようなその素肌! あきな:あ、あの……あの… しき:守りたくなるような表情! ふゆき:ぐがーZZzz朝は苦手なんだぁー しき:何でも許してしまいそうになる! しき:この4人組は、私立可愛稚位高校(しりつかわちいこうこう)の選ばれし4人組! しき:チームめんこい はる:私はあなた達のおかげで毎日充実した学校生活を遅れています。ありがとうございます。 しき:チームめんこいのリーダー的存在!クラスの人気者の2年A組はるさん! なつめ:はいはい、お菓子ね、もらうもらう。早くここ通して。甘いの大好きだからありがと しき:不動の女子人気はこの人しかいない!サバサバ系女子の2年A組なつめさん! あきな:ら、ラインですか?それは新しい果物ですか?交換しようと思っても持ってません しき:誰もが一家に1台欲しいと羨んでしまう!おっとり天然系女子の2年B組あきなさん! ふゆき:おっはよー!え?私が可愛い?あなた達も十分可愛いよー!あ、なんか目が覚めた しき:元気100倍!その声を聞いただけで全ての悩みが吹っ飛ぶ!元気系女子の2年D組ふゆきさん! しき:私はこの4人が! しき:このチームめんこいが! しき:大嫌いなんです!! しき:あの!ちょっと!いいですか! はる:ん? しき:チームめんこいの皆さん。おはようございます。そして一言、言わせてください なつめ:なんだー? しき:調子に乗らないください!! あきな:えぇー!? しき:あなた達チームめんこいはこの学校に悪影響を及ぼしているのよ! ふゆき:あくえーきょー? しき:そう!悪影響!あなた達チームめんこいがこの学校で好き勝手やってるせいで、他の生徒が迷惑してるのよ! なつめ:他の生徒?君たちはどうなんだい? 他の生徒:きゃああああ好きいいいー!! なつめ:らしいぞ? しき:なんか卑怯ですよそれ!なんか腹立つんですよ! はる:私たちがこの学校でどんな悪影響を及ぼしているのですか? しき:まず!チームめんこいのメンバーになれた人はこの学校で特別扱いされるじゃないですか! はる:もちろんです しき:学食も半額、授業も受けなくてもいい、テストも甘く採点されてる! しき:そんな待遇がいい環境で高校生活を送ってたらダメですよ! はる:どの辺がダメなのです? しき:そ、その、ダメな大人になりますよ はる:ダメな大人とはなんですか? しき:ひ、人に甘えながら生きていく大人になるんですよ! はる:そうなんですね(ニコッ) はる:中身が薄っぺらい説教ありがとうございます しき:な、なんですって! はる:私たちチームめんこいは甘える以前に自分を磨いてきたのですよ? はる:あなたのように何もせずにただ指をくわえて生きてきた人と違うんです しき:わ、私だって!いつもばあちゃんに厳しくされて生きてきた! はる:だからそんなにババくさい考え方をしてらっしゃるのですね はる:そこをどきなさい。下衆(げす) しき:……… しき:む、ムカつくー!! 0:〜昼休憩の時間〜 しき:あのチームめんこいの何が嫌いかって? しき:もちろんこういう時! なつめ:おばちゃーん!あたしの分のラーメンと唐揚げと芋プリン残しておいてねー! しき:学食を早めに頼めるし! あきな:あの、ここの席座ってもいいですか? しき:チームめんこいにだけ与えられた椅子に座ることが出来る! しき:全くいいご身分ね! しき:おまけに授業休んでも何も言われないし寝てても何も言われない しき:授業休んで?学食食べて?そのまた授業休んで?帰るだけ? しき:学校はファミレスじゃないんだぞー!! しき:ということなので…私はあの4人のリーダー的存在。はるさんと…… しき:勝負をしようと思ってます!! ふゆき:ご馳走様ー! しき:ん?元気系のふゆきさんが席を外した しき:あの人なら単純だからきっと話が通るはず! はる:チームめんこい!(可愛く) :場面転換 しき:ふ、ふゆきさん! ふゆき:ん?あ!あなたは! ふゆき:誰だっけ? しき:し、しきです!1年C組の! ふゆき:んー?あ!今朝話しかけてくれた子だよね! しき:まあ話しかけましたけど ふゆき:どうかしたの? しき:あ、あの!チームめんこいのはるさんに伝えといてください ふゆき:何を? しき:今日の放課後!私と勝負しろって!! ふゆき:今日の放課後?私と勝負しろ? しき:はい!ちゃんと伝えといてくださいね! ふゆき:んーーわかった!伝えとくね! しき:お願いしますよ! ふゆき:うん! 0:そして ふゆき:放課後、勝負しろ。放課後、勝負しろ ふゆき:あ!おーい!あきなー! あきな:あ、ふゆき、どうしたの? ふゆき:今朝話しかけてくれた、しきちゃんって子がね、はるちゃんに伝えといて欲しいことがあるみたいなんだけどー あきな:何? ふゆき:放課後、私のグローブ白だって あきな:グローブ白?なんのことなの? ふゆき:なんのことだっけ?野球でもやるのかな?よくわかんないや あきな:でも伝えとくね ふゆき:うん!よろしく! 0:そしてそして あきな:放課後、グローブ、白。白。白 なつめ:お?あきなどうしたんだ? あきな:あ、なつめさん。ちょうど良かった なつめ:なんだ? あきな:今朝話しかけてくれた、しきさんって子が、はるさんに伝えて欲しいことがあるみたいで なつめ:ん? あきな:放課後、白旗振って待ってろって なつめ:げっ!思い切り喧嘩売ってるじゃん! あきな:白旗って日本の国旗だっけ? なつめ:んなわけねーだろ!白旗じゃなくて日の丸だ!とにかく!はるにも伝えとく! 0:そしてそしてそして なつめ:はる!大変だ! はる:な、なに? なつめ:今朝話しかけてきた、しきっていう奴からはるに伝言だ はる:ん? なつめ:今日の放課後、日本の意地を掛けた戦いが始まるから首洗って待ってろってさ!! はる:なによそれ!なんか飛躍しすぎてない!? なつめ:なんかよくわからないけどそう言ってたらしいぞ はる:ばかね、そんな戦いするまでもないわ あきな:ふぅーお疲れ様です なつめ:おーあきなか、どうしたんだ?その荷物 あきな:白旗持ってきました〜 なつめ:なんでそんなもん持ってきたんだよ! あきな:あれ?今日白旗振って待つって言ってなかったっけ? なつめ:言ってねーよ!言って……そうだったっけか?誰が言ってた? あきな:ふゆきが なつめ:信用ならんな ふゆき:みんなー!おつかれー! あきな:ふゆき ふゆき:今日野球やるんだよね?野球部からグローブとバットとボール、借りてきたよ なつめ:は?誰がそんなこと言ってたんだ? ふゆき:しきちゃんが なつめ:んー。本人からか。本当はあたし達と野球やりたかったんじゃねーか? はる:んなわけないでしょ!野球は9人のスポーツよ!? ふゆき:とりあえず、ユニフォームだけでも着て待ってようよ はる:もう!意味わかんない! 0:放課後 しき:そ、その格好なんですか? ふゆき:わかるでしょ?野球だよ しき:いや、わかりませんけど!!なんでユニフォーム着てるの!? ふゆき:しきちゃん、私のグローブ白って言ってなかったっけ? しき:言ってませんよ!グローブなんて持ってないし! しき:ちゃんとはるさんには伝わってるんですか? ふゆき:あーそれなら、あきなに頼んどいたよ あきな:私は放課後、白旗降って待ってろって聞いたよ。それをなつめさんに言ったんだけど なつめ:私は放課後、日本の意地を掛けた戦いが始まるから首洗って待ってろって聞いたけど しき:見事な伝言ゲーム!鮮やかすぎてグゥの音も出ないですよ!! はる:だから言ったじゃない!飛躍しすぎてないかって! なつめ:でも!人伝(ひとづて)で話を通すって難しいことなんだぞ! はる:まあ、確かにそうね。、んで?あなたは何を言いたかったのかしら? しき:んぐっ!ぐぬぬぬぬ はる:言いたいことは直接言いなさい しき:じ、じゃあいいですよ。2年A組、はるさん しき:私と勝負しろ!! はる:はあ?なんの勝負 しき:こ、今年の文化祭!私もめんこい祭でミスめんこいグランプリに出場します はる:……それで? しき:私があなたに勝ったら!チームめんこいの特権を全て撤廃し、チームめんこいを解散させます!! なつめ:んなっ! あきな:……… ふゆき:へぇ〜 しき:いいですか!覚悟しててください! しき:私からは以上! はる:ちょっと待ちなさい。 しき:え? なつめ:チームめんこい!(可愛く) :場面転換 しき:な、なんですか?私からは何も言うことないです はる:あなた、それ本気で言ってらっしゃるの? しき:本気ですよ!私を見くびらないでください! はる:その前髪、なに? しき:っ!この前髪はこの間自分で切って失敗しただけです! はる:そんな切り揃えてるだけの前髪が可愛いと思ってるのですか? しき:だ、だって自分で切ったから! はる:言い訳は見苦しいですよ?本当に私にめんこいグランプリで勝つ気なら前髪だけのメンテナンスも美容院に行くべきです。正直ダサい しき:あ、あなただって!そのリボン はる:このリボンは可愛いでしょ? しき:……… はる:チームめんこいも舐められたものですね。姿、格好もババくさい小娘に容姿で喧嘩を売られるのですから はる:まあ、このままあなたがめんこいグランプリに出場して恥を晒すだけなのも面白そうなので見てみたいものですけど はる:あなたみたいな人が可愛くなれるわけがないわ しき:………っ!! なつめ:やめとけ、突っかかってもしょうがないだろ しき:口では何とでも言えますよ!あなただって生まれ持って可愛くなれただけじゃないですか! はる:………… しき:だから元から意識が高かったんですよ!それを可愛くない人に対して上から目線になれるその態度が私は気に食わないんです! はる:一つ教えてあげますね。しき しき:……? はる:可愛いは正義なのです しき:や……や………… しき:……やかましいわあああ!!! なつめ:はいはい!ストップストップ!あきな!お前も手伝え! あきな:えぇ!わ、私!? なつめ:いいから! あきな:は、はい! しき:絶対に!絶対に許さないからなあああ!2年A組!はるぅぅーー!!! しき:はぁ、はぁ、はぁ なつめ:落ち着けよ。正論叩き込まれて感情的になるな しき:どこが!正論ですか!! なつめ:変に強がるな。そのこけしみたいな前髪直してから出直してきな しき:あ、あなたまで! なつめ:じゃなー。1年坊主 しき:くぅぅーー!!! あきな:………… しき:ん!?(睨みつける) あきな:ひぃぃ! しき:ガルルルルルル!! あきな:ひ…ひ… しき:ワン!ワン!ワン!ワン!ワン! あきな:ひゃあああああああ!! しき:(息継ぎ無し)あーー!!!どいつもこいつも私をバカにして、やらなきゃわかんないことを否定して見下してムカつくのよ!この前髪もちょっと気に入ってたのにダサいとか、こけ…… しき:(息継ぎ)はあ〜〜〜こけしとか……なんなのよ あきな:お、落ち着いてください しき:2年C組のあきなさん! あきな:は、はい! しき:あなたはチームめんこいの中でも授業に出席してるし、学食もちゃんと並んでるし塾にだって通ってるらしいですね あきな:は、はい しき:唯一の人格者と言ったところ…… あきな:は…はい しき:気に食わない!! あきな:えええーー!! しき:チームめんこいになれたのにどうしてそんな真面目に生きるんですか!授業なんてサボっちゃえばいいのにあなたは毎回毎回出席して!! あきな:じょ、情緒不安定ですか!? しき:真面目は真面目でなんか鼻につくんですよ!むしろ真面目な方がタチが悪いまである!! しき:2年C組!あきなさん!私と勝負しろ!! あきな:な、なんでぇ〜〜!! ふゆき:こーら、ペケモンじゃないんだからどこでも勝負ふっかけないの しき:あ、あなたは! ふゆき:やほー!しきちゃん しき:伝言ゲームの諸悪の根源!ふゆきさん! ふゆき:そんな風に覚えないでよ。ごめんねってば しき:チームめんこいのメンバーが私に何の用ですか? ふゆき:ああ、私がチームめんこいのメンバーだって認識はしなくてもいいよ? しき:しますよ!あなた1番授業サボってるし! ふゆき:そりゃまあ、特権をフルに活用してるってことだよ しき:気に食わない!!私と勝負しろ!! ふゆき:デコピン! しき:いったぁい! あきな:しきさんはどうしてチームめんこいが嫌いなんですか? しき:色々あったんです。敵に情報は教えません あきな:敵…… ふゆき:にしてもさーしきちゃんはどうやってめんこいグランプリではるちゃんに勝とうと思ってるの? しき:そ、それはい、今からでもオシャレして髪型とかメイクとか勉強して…… ふゆき:うんうん、それで? しき:……でも、大口叩いたけど…私可愛くないし。勝算はないです…… ふゆき:うーん ふゆき:無理だね! しき:そんなきっぱり言わないでくださいよ! ふゆき:しきちゃんめんどくさい性格してるんだね しき:ほっといてください!よく言われるけど ふゆき:でも、はるちゃんに勝つのはやっぱり無理だよ しき:どうして? ふゆき:だってさ、はるちゃんと言い合いになってから今ここで話してる時もずっと、しきちゃんは ふゆき:一言も可愛くなりたいって言ってないんだもん あきな:チームめんこい!(可愛く) : しき:……… ふゆき:ね?考えてみてよ ふゆき:めんこいグランプリは可愛い人が出場するものではないんだよ。本当に可愛くなりたくて自分に自信を付けたくて出場する人がほとんどなの ふゆき:もしくは、可愛い自分を見て欲しいから しき:可愛い…自分を……? ふゆき:あきな、ハサミ持ってる? あきな:う、うん ふゆき:こけしみたいな前髪は言い過ぎだよねー。ここ持ってて? しき:は、はい ふゆき:真横で切ったら前髪重たくなっちゃうから、縦にして切ると軽くなるんだよ しき:な、何を言ってるかさっぱり ふゆき:あきな、鏡持ってる? あきな:うん ふゆき:ほら、どうですか?お嬢様 しき:………わああぁ〜!前髪が…マシになってる! ふゆき:でしょー?ちょっとしたことだけで印象って変わるんだよ ふゆき:ね!あきな。可愛くない? あきな:うん。可愛いです しき:あ、ありがとうございます ふゆき:どう?これでも勝算はないかな? しき:………なんだか、ちょっとだけ希望が見えてきました。 ふゆき:うんうん!それでいいんだよ! ふゆき:希望がある限りは夢は無くならないんだよ。あきなだって昔はこんなに可愛くなかったんだから しき:え!?あきなさんそうだったんですか? あきな:はい!ふゆきにプロデュースしてもらったの しき:えー!ふゆきさんって一体何者? ふゆき:えへへへ、そんな大した人間じゃないよ ふゆき:私はチームめんこいのメンバーだけど、メンバーになったのはなりゆきだったからね しき:どうして? ふゆき:あきなとめんこいグランプリに出たからね しき:そういう事だったんですね ふゆき:そう!だから私はチームめんこいじゃなくてもいいの。誰かの可愛いを引き立たせる人になりたい ふゆき:私の夢はメイクアップアーティストだから しき:メイクアップアーティスト? ふゆき:うん!誰かにメイクをしたり、ヘアセットしたり。この人の魅力を引き出せる魔法使いみたいな?私はそうなりたいんだ しき:………素敵ですね ふゆき:だからね、しきちゃん。自信が無いとか元から可愛くないとかそういう問題じゃないの ふゆき:だってさ!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:……そうですよね ふゆき:しきちゃんが見えた希望は私が実現させたい! しき:お、お願いします! ふゆき:よーし!じゃあ体力作りから!一緒にランニングだー! しき:可愛さに体力いるんですか!? ふゆき:当たり前だよ!まずは体をしぼることから! しき:ふゆきさんの鬼ー! はる:……はあ なつめ:よう、戻ったぞ はる:おかえりなさい なつめ:また雑誌なんか読んで、好きだねーお前も はる:ほっといてよ なつめ:そんなに熱心にならなくてもお前は可愛いよ はる:そういう問題じゃないの なつめ:なに? はる:この世の中には無数の可愛いが溢れてるの。その中からその時代に合った可愛いをチョイスするのが本物のチームめんこいよ なつめ:んな事言ったってねぇ。あたしは別に興味無いよ はる:あなたは元々ご両親がそういうお仕事に就いてるからでしょ?もう可愛くいることが当たり前になってるのよ なつめ:そりゃあそうだけどねー。はるはそこまで気張らなくてもいいと思うんだけど なつめ:まだ気にしてんの?小学校の時のこと はる:……別に気にしてないわ なつめ:そうか はる:それよりもしきはどうだったの? なつめ:さあな。でも。あいつが努力を重ねたらどうなるんだかな はる:今まで努力して来なかった人が急に可愛くなれるなんてありえないわ なつめ:まあそれを言うなら去年のあきなみたいな感じもありえなくはないんだから、あなどれないぞ はる:わかってるわよ あきな:ただいま なつめ:おーあきなか。ふゆきは? あきな:ん?あ、あーどこ行ったんだろ? なつめ:ほんと、あいつは自由でいいよな あきな:昔からあんな感じだからね はる:あきなも今年はめんこいグランプリに出場するのですか? あきな:……もちろんだよ、私だってチームめんこいで居続けたい はる:あなたはいつも真面目で、授業もテストもちゃんと受けていますけど、それでもチームめんこいで居続けたいと? あきな:そうだよ。だってふゆきが私を可愛くしてくれたんだもん あきな:私はみんながチームめんこいで居て欲しいだけだよ はる:そうですね。でも、あの1年のしきがめんこいグランプリに出ることに関しては、去年のあなたと重ねてしまうのです あきな:私もしきさんも同じ人だけど、何を志(こころざ)しているかで人の表情は変わると思う あきな:だから、私もしきさんも。同じのようで同じじゃないよ はる:そうですね。あきなの方が何倍も輝いてますわ あきな:ありがとう なつめ:まあ、あと3ヶ月以上はあるんだ。みんなでまためんこいグランプリに出て、チームめんこいを存続させるぞ はる:そうね。ほんとにしきは邪魔でしょうがないけど、私達の眼中に無いわ しき:チームめんこい!(怒りっぽく) : 0:ある日のこと しき:ん〜〜ん〜〜 しき:私は学校のトイレの鏡の前で何をしてるんだろ しき:鏡見ても1ミリも可愛くならないなー しき:可愛さに必要なのは自己肯定感とふゆきさんから教わったのです しき:人の脳は単純だから自分の顔を鏡で見て可愛いって言うだけで可愛くなれるらしいのです! しき:可愛いよ。しき しき:わあー!可愛く見えてきたー! しき:って!!誰が脳が単純じゃあああーー!! しき:ええ!私はタイムセールって言われたら何でもかんでも買いますよ!それくらい単純ですよ! ふゆき:え、しきちゃん、一人でも怒ってるの? しき:あ、ふゆきさん!私の脳が単純だって思ったらなんかイライラしてきちゃって ふゆき:怒るのって美容に良くないよ? しき:そうなんですか? ふゆき:うん、自律神経が乱れて血流が悪くなって栄養が行き届かなくなったりするの。老けやすくなるってこと しき:誰がババくさいですか!! ふゆき:デコピン! しき:いったぁい! ふゆき:言ったそばから怒らないの しき:だ、だって老けるって言うから! ふゆき:しきちゃん、この世で1番映えるメイクってなんだと思う?わかるよね? しき:わ、わかりますよ!韓国風! ふゆき:違う! しき:え?違う!?じゃあ小悪魔メイク ふゆき:違う! しき:えぇー!じゃあ地雷メイク! ふゆき:終了! しき:えぇーー!! ふゆき:正解は、こ・れ 0:ふゆきはしきの口を上にあげる しき:んぐっ。何を ふゆき:この世で1番映えるメイクは笑顔だよ しき:笑顔? ふゆき:そう!笑顔!これだけで人の心を安心させることが出来るの。万国共通のコミュニケーションってやつだよ しき:笑顔だけですか!? ふゆき:そうだよ、怒ってる顔よりも笑顔でいる人の方が人が集まるの。それは大人も子供もアメリカ人もブラジル人も全部一緒だよ しき:そうなんですね ふゆき:ほら、笑ってみて しき:え、えへっ…えへっ……えへへへへ ふゆき:デコピン! しき:いったぁい! ふゆき:そんな不気味な笑い方引かれるよ? しき:そ、そんな ふゆき:口角を上げて、強ばらない しき:ニッ ふゆき:そうそう、ぎこちないけど慣れてこう しき:難しいな しき:あと3ヶ月か…なんとか頑張るぞー! ふゆき:しきちゃんはどうしてチームめんこいが嫌いなの? しき:ああ、言ってなかったですよね しき:私のお母さんがこの学校の卒業生だったんです ふゆき:うん しき:その頃からチームめんこいの存在があったんですけど、お母さんはチームめんこいからあまりいい目で見られてなくて しき:大人になって仕事を始めた時、その会社の社長がチームめんこいのメンバーだったんですよ しき:それからその会社で目の敵にされちゃってお母さんは仕事も辞めちゃったんです。酷い話ですよね? ふゆき:うん。いくらなんでも可愛いを権力で振り回すのは良くないね しき:だからそんなチーム解散させてやろうって決めたんです! ふゆき:なるほどね しき:笑うなら笑ってくださいよ! ふゆき:笑ってないよ! ふゆき:しきちゃんのその目標は絶対に見失わないでね? しき:当たり前です! ふゆき:うん!何かに向かって頑張り続ける人は綺麗だし輝いて見えるんだから! しき:……ありがとうございます 0:一方では はる:……… なつめ:あ、まーた黄昏(たそがれ)てるよ。どうした? はる:何も無いわ。それにしても、ふゆき最近この教室に来ないわね なつめ:あいつは自由だからな。何考えてるかも分からん はる:もしも、しきの手助けをしてるって考えたらどうかしら? なつめ:……あいつならありえそうな話だな はる:そうなった時が問題ね なつめ:まあ、なんでもいいだろ なつめ:んで?はるは夏休み終わったらどうするんだ? はる:………夏休みが終わったら…お墓参りに行こうと思う なつめ:……行ってきなよ。むしろ、そろそろ命日でしょ? はる:うん。私も去年よりもっと可愛くなるって誓うね なつめ:そのリボンも綺麗なままだな はる:当たり前でしょ?ちゃんとお手入れしてるんだから 0:はるはスマホを取り出し写真を開く はる:約束だよ。お兄ちゃん 0:そして一方では あきな:はあ。久しぶりに学校サボっちゃった あきな:去年の今頃は私もしきさんみたいに自信がなかったはず あきな:それでも、ふゆきと一緒に可愛くなって、一緒に勉強してチームめんこいになれた あきな:しきさんがチームめんこいと何があったのかはわかんないけど、私は譲るつもりはない あきな:ふゆきと一緒に。またチームめんこいになるんだから あきな:……もう私に迷いは無い。チームめんこいは解散させないから… あきな:よーし!頑張るぞー!おー! あきな:……って、誰に影響されたんだか… はる:チームめんこい(儚く) :場面転換 0:夏休みが明けたある日のこと しき:ふゆきさんに言われた本ってこれでいいのかな? しき:え!!表紙が!えっちだ……ふゆきさんこんなの見るんだ。すけべだな しき:おー…おー……おほほほほ はる:……しき? しき:っ!げっ!あ、あなたは! はる:気色の悪い笑みを浮かべてどうしたんですか? しき:あ、あなたの挑発にはもう乗りませんよ! しき:って!!誰が気色悪いじゃあああああ!!! はる:あの、お店の中なので静かにして貰えますか? はる:ほんと、顔も口もやかましい人ね しき:誰が歩くスピーカーじゃあああああ!!! はる:なんか、一周まわって面白い? はる:こんなところで何してるんですか? しき:み、見てわかりませんか?勉強してるんですよ はる:あら、熱心ですわね。無駄な努力にならないことを祈ります しき:ぐぬぬぬぬ!いちいちムカつく一言を! しき:そんな余裕でいられるのも今のうちですよ? はる:どういうことかしら? しき:私には心強い味方がいるんですよ! はる:あら?誰のこと? しき:ふゆきさんです! はる:……ふゆきが? しき:はい。ふゆきさんが私に可愛いを教えてくれるんです はる:……へぇー。それは大層な事ね しき:そうですよ。だからあなた達チームめんこいもこれまでです はる:………ふーん しき:お?余裕無くなりました!?今まで散々私を煽っておいて!余裕なくなったんですか? しき:めんこい祭まであと2週間ですね!せいぜい怯えながら待っててくださいよ! はる:……ふふっ しき:何笑ってるんですか はる:いえ、滑稽(こっけい)だと思いまして しき:……は!? はる:人の手を借りないと成果を出せないなんて未熟者ですね。それで本当の実力って言えるのかしら? しき:……な、なんですって はる:まあ、あなたには自分一人の力で何かを成し遂げるなんて夢のまた夢でしょうね はる:せいぜい。いきがってなさい しき:ちょっ!待ってください! はる:さようなら しき:あ!……もう!相変わらずムカつく! はる:……どういうつもりかしら。ふゆき 0:学校の放課後にて4人が集まる はる:………はあ なつめ:よう、はる、ふゆき見つけてきたけど ふゆき:何か用? あきな:………ふゆき はる:ふゆき、しきとはどういう関係? ふゆき:え?友達だけど? はる:………しきに何か手助けしてる? ふゆき:手助け?まあそうだけどしきちゃんの可愛いを引き出したくて なつめ:な!そんなことしたら! ふゆき:別に私が誰に何をしたっていいでしょ? はる:今すぐやめなさい ふゆき:やめないよ。人の可能性は無限にあるんだもん。 はる:そういう問題じゃないんです。しきはチームめんこいを解散させようとしてる人物なのですよ? ふゆき:それと可愛くなるのに何か関係あるの!?理由はどうあれ、目標に向かって努力するのは、はるちゃんだってそうだったでしょ!? はる:………そうですけど。ふゆきはチームめんこいが無くなってもいいってことなんですか? ふゆき:無くなってもいいよ なつめ:……っ! あきな:……… ふゆき:私は可愛くなりたい人のサポートをするだけ。でも、可愛い人が偉くなって権力を得て振りかざすようなら、無くなってもいいよ あきな:……じゃあ、ふゆきはめんこいグランプリには出ないの? ふゆき:………私は 0: 0: 0: 0: 0:教室の外では しき:今日こそはるさんに物申してやる! しき:毎回言いたい放題言って!許しませんから! しき:あれ?見た感じみんな揃ってるみたい しき:………なんか、雰囲気悪い? ふゆき:私は!めんこいグランプリには出場しないよ! しき:………え? はる:ふゆき あきな:ふゆき!! なつめ:あ、あきな!? ふゆき:い、痛いよ!離して! あきな:目を覚ましてふゆき!何考えてるの! ふゆき:去年も言ったでしょ!私が目立つのは嫌だし、出たくないって あきな:でも!ふゆきがステージに上がってくれないと私は! ふゆき:私が居なくてもあきなならもう大丈夫だよ! あきな:違う!私は!私はふゆきと一緒にチームめんこいで居たいの! ふゆき:……あきな あきな:私にとってチームめんこいはふゆきと頑張った証なの!大事な場所なんだよ! あきな:それをふゆきが無くなってもいいとかめんこいグランプリに出ないとか言わないでよ! なつめ:あ、あきな、落ち着けって 0:教室の扉が開く しき:お、お取り込み中の所申し訳ございません! はる:………? ふゆき:し、しきちゃん? しき:チームめんこい! しき:私と勝負しろ!! なつめ:チームめんこい?(謎そうに) : はる:あ、あなたは毎度毎度なんなんですか? しき:なんなんでしょうね!でも私だって言いたいこと言わせてください! しき:調子に乗らないでください!! なつめ:は、はあ!? はる:また何を言い出すんですか? ふゆき:しきちゃん、今は暴走する時じゃないよ!? しき:暴走じゃないです。話し合いがしたいんです。 はる:話し合い? しき:皆さんの目標はなんですか? ふゆき:……… しき:私、皆さんのこと知らないんです しき:チームめんこいでもあきなさんみたいにちゃんと授業を受けてる人もいるし、ふゆきさんみたいに人助けをする人もいる しき:皆さんが、可愛くなりたい理由って何ですか? ふゆき:……しきちゃん しき:わ、私は!元チームめんこいのメンバーが私のお母さんにパワハラしたことが許せなくて!私が代わりに可愛くなってチームめんこいを解散させようとしただけです! しき:皆さんは? なつめ:そんな話、誰も乗らねーよ あきな:私は! なつめ:あきな!? あきな:ふゆきのおかげで可愛くなれた。ふゆきともっともっと可愛くなりたいと思ってる あきな:自分に似合うメイクをして、自分の変化を楽しんで、人に自分の姿で楽しんでもらう あきな:そうやって自信を持てたのも、ふゆきのおかげだよ ふゆき:……… あきな:だから、チームめんこいで居続けたい なつめ:そ、そんなこと言ったらあたしだってはると一緒に可愛くなりたいと思ってる! なつめ:あたしの両親がモデルだから!あたしが可愛くて当たり前なんだ! なつめ:でもさ、はるがどんどん可愛くなっていく様子も、見てて嬉しいんだ なつめ:はるのお兄さんとの約束、果たそうとしてるんだなーって しき:お兄さん? はる:……ええ、私には血の繋がってない兄が居ました ふゆき:えー。初耳 はる:そうですよね。だってもう、この世には居ないから あきな:こ、この世には居ないって…… はる:亡くなったんですよ しき:……… はる:私が小学生の頃、兄は私に対して毎日可愛いと言ってくれました はる:それが嬉しくて私は毎日楽しくオシャレをしてました はる:そんなある日、本当に突然、兄は事故で亡くなりました はる:兄は最後に私にあるものを買ってきてくれたんです。このリボンを しき:……だからいつもそのリボンを付けてたんですね はる:そう。私はこのリボンが兄の代わりだと思って、可愛くなると決めました。また可愛いって言われるために ふゆき:そんなことがあったなんてね ふゆき:はるちゃんがこんなにも可愛くなろうとしてるのはわかったよ なつめ:んで?ふゆきは? ふゆき:私は変わらないよ。私の可愛いじゃなくて、人の可愛いを見ていたい ふゆき:想像したこともない自分を引き出せた時に人はキラキラ輝いて、思わず笑顔になる瞬間が好きなの ふゆき:だからさ、あきな あきな:………なに? ふゆき:私はやっぱりめんこいグランプリには出ない。しきちゃんとあきなを見守るよ あきな:……そんなの嫌だって ふゆき:ううん。私が居なくてもあきなは一人じゃないよ ふゆき:だって!こんなに可愛い人達がいるんだから! あきな:……… しき:それって!私も含まれてますか!? ふゆき:しきちゃんに関しては愛嬌かなー しき:誰が性格はいいブスだあああ!! なつめ:そうは言ってねーだろ あきな:でも、そうだよね。去年まではふゆきだけだったけど、今は皆も一緒 あきな:チームめんこいは今もここにあるんだから! しき:あ!!チームめんこいは私が解散させます!! はる:ほんとに騒がしいですね はる:しき、わかってますか?めんこい祭まであと1週間。私に何を言ったか覚えてますか? しき:………えぇ!覚えてますよ! しき:2年A組、はるさん しき:私と勝負しろ!! はる:望むところです。ふゆきとどんなことを積み上げてきたかはわかりませんが、受けて立ちます ふゆき:しきちゃんがんばれー! なつめ:ミスめんこいは、はるに決まってんだろ あきな:私だって目指さないと!ミスめんこいを しき:覚悟しててくださいね!最後に笑うのは私ですから はる:笑われるの間違えじゃなきゃいいですけど しき:う、うるさーい!それを証明してやるって言ってるんですよ! しき:私だって可愛くなれる!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:私がミスめんこいになってみせる! ふゆき:よーし!じゃあまたランニングだー! しき:それはいやー!! あきな:チームめんこい(楽しそうに) :場面転換 0:めんこい祭当日 しき:あ…ああ……あああ……… ふゆき:ここに衣装置いとくね?メイクするよ? しき:あ……ああああ! ふゆき:口閉じてよ、緊張するのはわかるけどメイク出来ない しき:あああああああ ふゆき:あきなー!しきちゃんの口抑えててー! あきな:えぇ!わ、私!? しき:ああ!あああ!! あきな:力強すぎるよー! ふゆき:ダメだこりゃ はる:あら、控え室でもうるさいのねあなた達 ふゆき:はるちゃん、見てよこれ、石だよ石! なつめ:カッチカチに固まってるな はる:今こんなに緊張してたらきっと本番はもっと面白いことになりますわね しき:あ? はる:歩けなくなって途中でコケたりしたら見ものですわ しき:ああ!? はる:おもらししないでくださいね しき:誰がするかー!! ふゆき:おお、はるちゃんの煽りがしきちゃんの殻を破った!? しき:さっきから聞いてればなんなんですか!私は緊張なんてしてませんから! はる:そう、じゃあ楽しみにしてますわね ふゆき:よかった。これでメイクができ… しき:ああああああ!! ふゆき:もう一周まわって好きなんじゃないの? 0:ステージ裏に移動する ふゆき:しきちゃーん? しき:あ? ふゆき:生きてる? しき:ああ? ふゆき:おーい!?しきちゃん!? しき:ああああああああああ!!! ふゆき:デコピン! しき:いったぁーい! ふゆき:もう!目覚ましてよ〜。本番なんだからさ しき:そ、そんな事言われてもー! ふゆき:いい?しきちゃん、今までやってきたことをぶつけるんだよ?自信を持つの しき:は、はい! ふゆき:前を向いて、お客さんを見るんだよ? しき:はい! ふゆき:よーし!行ってこーい! しき:ひゃい!! :ここからさきは、ふゆきが兼役で司会 司会:さあ!やって参りましたミスめんこいグランプリー!! 司会:今年も可愛さ溢れる人達が集結!ミスめんこいグランプリに輝くのは誰だ! しき:は、始まった…… はる:しき、よく見てなさい。 しき:え? はる:ランウェイの1歩は大きく力強くすること、そうすれば自信があるように見える しき:な、何を 司会:エントリーナンバー4番!2年A組のはるさん!今回のテーマは家族とお出かけ! 司会:さあ!皆さんお待ちかねのはるさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! はる:お兄ちゃん、サンドウィッチ作ったから一緒に食べよ?ほら、ここに座って?はい、あーん 他の生徒:きゃああああ!!!可愛い!! 他の生徒:好きぃぃぃ!! 他の生徒:こっち向いてー!! しき:……あぁ!可愛い! なつめ:次はあたしの番。あたしなりの表現は自由だ しき:自由? なつめ:そう!体全体で自由を表現する。それだけさ 司会:エントリーナンバー7番!2年A組なつめさん!今回のテーマは浜辺でデート! 司会:なつめさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! なつめ:あっついねー!汗かいてきちゃったよ。あ、そうそう、ここにホクロあるんだー…って見てるとこ違くない? 他の生徒:可愛すぎるぅぅぅぅ!! 他の生徒:推しが尊いぃぃ!! 他の生徒:手振ってーー!! しき:きゅんっ! あきな:しきさん。いつもふゆきに言われた事をしきさんに教えるね しき:何ですか? あきな:笑顔になる事 しき:……あ!それ あきな:笑顔は可愛いの最高のメイクなんだ。楽しむことが大事なの 司会:エントリーナンバー10番!2年C組あきなさん!今回のテーマは初恋 司会:あきなさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! あきな:あの、私、男の人とデートするの初めてなんです…だから…優しくしてくれると嬉しいな 他の生徒:きゃああ!!持って帰りたーーい!! 他の生徒:可愛すぎて息苦しいーーー!! 他の生徒:もっとファンサしてーー!! しき:か、可愛すぎるー!! しき:どうしよ、みんなレベル高いんじゃ… はる:行ってきなさい。しき しき:……え? なつめ:肩の力抜けよー? しき:な、なんで? あきな:ただいま。しきさん。ふゆきも見てるから大丈夫だよ しき:なんで…応援してくれるんですか? なつめ:なんでってなー あきな:当たり前だよ はる:一つ教えてあげますね。しき しき:……? はる:可愛いは正義なのです しき:……っ! なつめ:ほら、出番だぞ あきな:頑張ってね しき:自信を持つ。踏み出す1歩は大きく力強く。自由に。笑顔で! 司会:エントリーナンバー44!1年C組しきさん!今回のテーマはツンデレ 司会:しきさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! しき:勘違いしないで。別にあんたを気にかけた訳じゃないから。……やっぱ嘘。気にかけるわよ!気になるんだもん!あんたのこと! なつめ:お、おお あきな:しきさん可愛い! しき:やった……やりきった! しき:もう悔いは残ってないよ しき:でも、なんでだろ……ドキドキが止まらない しき:緊張?……いや、違う しき:生まれ変わって可愛くなってる事にワクワクしてる! しき:私は可愛い。私は輝いてる! しき:今この瞬間が最高にキラキラしている! ふゆき:チームめんこい!(可愛く) : 司会:さあ!ミスめんこいグランプリ!全ての審査が終了しました! 司会:まずはミスめんこいグランプリにノミネートされた方から発表です! 司会:3年C組あすかさん。3年A組ななせさん。2年D組かりんさん 司会:2年C組あきなさん あきな:っ!はい! 司会:2年A組なつめさん なつめ:よし! 司会:2年Aはるさん はる:はい しき:す、すごい。当たり前のように3人ともノミネートされてる しき:私は……やっぱ無理だったかなー? 司会:1年C組しきさん しき:………え!? ふゆき:やったー!しきちゃーん! しき:……え?え? はる:早く来なさい。しき しき:はい! しき:わ、私が……ミスめんこいグランプリにノミネート!? 司会:ここから発表される方4人はチームめんこいのメンバーになります! 司会:その中からミスめんこいグランプリが決まります! 司会:チームめんこいに選ばれた方は! 司会:2年A組!はるさん! はる:はい 司会:2年A組!なつめさん! なつめ:はい! 司会:2年C組!あきなさん! あきな:はい! しき:……… 司会:そして、1年C組!しきさん! しき:ええー!!! ふゆき:すごい!すごいよしきちゃん! なつめ:あいつがチームめんこいか あきな:賑やかになりそうだね はる:騒がしいの間違いですわ しき:わ、私が……この3人と? 司会:そしてそして!いよいよ!この中からミスめんこいグランプリが発表されます! 司会:皆様、選ばれた方には盛大な拍手でお迎えください 司会:それでは、ミスめんこいグランプリに選ばれたのは はる:……… なつめ:……… あきな:……… しき:……… ふゆき:……… 0: 0: 0:【間】 0: 0: 司会:エントリーナンバー……… 0: 0: 0: 0:いつもの教室にて しき:うっ!ううぅ〜〜!! ふゆき:はいはい泣かないの、しきちゃん、チームめんこいにはなれたんだよ? しき:だって、だってあともう少しだったんですよ〜〜!悔しいじゃないですか! なつめ:まあまあ、今日からお前もチームめんこいなんだから座れって。屋台で沢山食べ物貰ったしな あきな:たこ焼きと焼きそばも買ってきました〜。みんなで食べましょ? しき:私は敵だったんですよ!?それを今更なんなんですか! しき:こんなたこ焼きも焼きそばも食べ物も!ぜーんぶ!いらない……いや、いただきますけど! しき:馴れ合わないでください! しき:私はまだまだ可愛くないし、自信だってあんまりないし、惨めで性格のいいブスですよ なつめ:まーだ言ってる しき:だってそうでしょ!私はミスめんこいグランプリになれなかったんですから! はる:しき、私たちがここに座ってる理由は何ですか? しき:……え? はる:あなたの目標であるチームめんこいを解散させるどころかチームめんこいのメンバーになってしまうなんて生き地獄ですね はる:でももう自覚しなさい。あなたはチームめんこいなんです はる:解散させることは目標のひとつかもしれないですが、あなたはもう… はる:可愛いじゃないですか しき:……… なつめ:そうだ、努力してきた人はみんな可愛い あきな:ステージでのしきさんは輝いてたよ ふゆき:そうだよ、しきちゃん ふゆき:目標は達成できなかったかもしれない ふゆき:結果はどうあれ、自分と向き合ってきた時間は絶対に無駄にはならない ふゆき:しきちゃんは可愛いんだよ しき:……そうですか…ありがとうございます しき:じゃあ…もう一度だけ言わせて言わせてください しき:はるさん、なつめさん、あきなさん、ふゆきさん しき:私と勝負しろー!! はる:……あなたは なつめ:バカだなー あきな:え?……ええ!? ふゆき:おおー!受けて立つよー! しき:じゃあふゆきさん。冬の夜空を見上げながら一言セリフ可愛くどうぞ! ふゆき:こんな綺麗な星をあなたと2人で見れるなんて。あなたが隣にいるだけで暖かくなれるよ しき:きゅんっ!ああ、可愛い。いや、正気を保て私! しき:あきなさん!秋の紅葉を見ながら一言セリフ可愛くどうぞ! あきな:えー!!あ、うん あきな:紅葉ってすぐ散っちゃうけど、この景色をあなたと見てることが、一生分の宝物なんだよ? しき:きゅんっ!持って帰りたい…いや、正気を保て私! なつめ:ったく、しょうがないなー しき:なつめさん!プールデートで一言セリフ可愛くどうぞ! なつめ:ねぇ〜抱っこして? しき:シンプルイズベスト!正気を保ってられない! しき:はるさん!なんでもいいから一言セリフ可愛くどうぞ! はる:可愛いは正義なのです しき:結局可愛いんだよなー!! ふゆき:限界化してますねー。可愛いの虜かな? しき:可愛いを堪能したっていいじゃないですか!私だってほら、ここに居場所がある しき:この場所の名前は! しき:せーの! :全員一斉に しき:チームめんこい! はる:チームめんこい! なつめ:チームめんこい! あきな:チームめんこい! ふゆき:チームめんこい! 0:チームめんこい 0:〜END〜

しき:あと5分……もう少しで来るはず… しき:私は、あの4人に会うためにこの高校に来たの しき:7歳の頃、私はあのグループの存在を知った しき:そして、私はそのグループのために何度も調査を繰り返した しき:どうしたらそうなれるのか、どうしたらそんなに輝けるのか しき:夜通しネットで調べて私はようやく辿り着いた! しき:あの人達は……つまり! 0:しきはとある学校に辿り着く しき:わああーー!!来た来たー!! はる:皆さん、本当にありがとう。ここ、通して貰えますか? しき:校門も通れないほど大人気! なつめ:あちぃんだよお前ら!どけ!近寄るな! しき:誰もが触りたくなるようなその素肌! あきな:あ、あの……あの… しき:守りたくなるような表情! ふゆき:ぐがーZZzz朝は苦手なんだぁー しき:何でも許してしまいそうになる! しき:この4人組は、私立可愛稚位高校(しりつかわちいこうこう)の選ばれし4人組! しき:チームめんこい はる:私はあなた達のおかげで毎日充実した学校生活を遅れています。ありがとうございます。 しき:チームめんこいのリーダー的存在!クラスの人気者の2年A組はるさん! なつめ:はいはい、お菓子ね、もらうもらう。早くここ通して。甘いの大好きだからありがと しき:不動の女子人気はこの人しかいない!サバサバ系女子の2年A組なつめさん! あきな:ら、ラインですか?それは新しい果物ですか?交換しようと思っても持ってません しき:誰もが一家に1台欲しいと羨んでしまう!おっとり天然系女子の2年B組あきなさん! ふゆき:おっはよー!え?私が可愛い?あなた達も十分可愛いよー!あ、なんか目が覚めた しき:元気100倍!その声を聞いただけで全ての悩みが吹っ飛ぶ!元気系女子の2年D組ふゆきさん! しき:私はこの4人が! しき:このチームめんこいが! しき:大嫌いなんです!! しき:あの!ちょっと!いいですか! はる:ん? しき:チームめんこいの皆さん。おはようございます。そして一言、言わせてください なつめ:なんだー? しき:調子に乗らないください!! あきな:えぇー!? しき:あなた達チームめんこいはこの学校に悪影響を及ぼしているのよ! ふゆき:あくえーきょー? しき:そう!悪影響!あなた達チームめんこいがこの学校で好き勝手やってるせいで、他の生徒が迷惑してるのよ! なつめ:他の生徒?君たちはどうなんだい? 他の生徒:きゃああああ好きいいいー!! なつめ:らしいぞ? しき:なんか卑怯ですよそれ!なんか腹立つんですよ! はる:私たちがこの学校でどんな悪影響を及ぼしているのですか? しき:まず!チームめんこいのメンバーになれた人はこの学校で特別扱いされるじゃないですか! はる:もちろんです しき:学食も半額、授業も受けなくてもいい、テストも甘く採点されてる! しき:そんな待遇がいい環境で高校生活を送ってたらダメですよ! はる:どの辺がダメなのです? しき:そ、その、ダメな大人になりますよ はる:ダメな大人とはなんですか? しき:ひ、人に甘えながら生きていく大人になるんですよ! はる:そうなんですね(ニコッ) はる:中身が薄っぺらい説教ありがとうございます しき:な、なんですって! はる:私たちチームめんこいは甘える以前に自分を磨いてきたのですよ? はる:あなたのように何もせずにただ指をくわえて生きてきた人と違うんです しき:わ、私だって!いつもばあちゃんに厳しくされて生きてきた! はる:だからそんなにババくさい考え方をしてらっしゃるのですね はる:そこをどきなさい。下衆(げす) しき:……… しき:む、ムカつくー!! 0:〜昼休憩の時間〜 しき:あのチームめんこいの何が嫌いかって? しき:もちろんこういう時! なつめ:おばちゃーん!あたしの分のラーメンと唐揚げと芋プリン残しておいてねー! しき:学食を早めに頼めるし! あきな:あの、ここの席座ってもいいですか? しき:チームめんこいにだけ与えられた椅子に座ることが出来る! しき:全くいいご身分ね! しき:おまけに授業休んでも何も言われないし寝てても何も言われない しき:授業休んで?学食食べて?そのまた授業休んで?帰るだけ? しき:学校はファミレスじゃないんだぞー!! しき:ということなので…私はあの4人のリーダー的存在。はるさんと…… しき:勝負をしようと思ってます!! ふゆき:ご馳走様ー! しき:ん?元気系のふゆきさんが席を外した しき:あの人なら単純だからきっと話が通るはず! はる:チームめんこい!(可愛く) :場面転換 しき:ふ、ふゆきさん! ふゆき:ん?あ!あなたは! ふゆき:誰だっけ? しき:し、しきです!1年C組の! ふゆき:んー?あ!今朝話しかけてくれた子だよね! しき:まあ話しかけましたけど ふゆき:どうかしたの? しき:あ、あの!チームめんこいのはるさんに伝えといてください ふゆき:何を? しき:今日の放課後!私と勝負しろって!! ふゆき:今日の放課後?私と勝負しろ? しき:はい!ちゃんと伝えといてくださいね! ふゆき:んーーわかった!伝えとくね! しき:お願いしますよ! ふゆき:うん! 0:そして ふゆき:放課後、勝負しろ。放課後、勝負しろ ふゆき:あ!おーい!あきなー! あきな:あ、ふゆき、どうしたの? ふゆき:今朝話しかけてくれた、しきちゃんって子がね、はるちゃんに伝えといて欲しいことがあるみたいなんだけどー あきな:何? ふゆき:放課後、私のグローブ白だって あきな:グローブ白?なんのことなの? ふゆき:なんのことだっけ?野球でもやるのかな?よくわかんないや あきな:でも伝えとくね ふゆき:うん!よろしく! 0:そしてそして あきな:放課後、グローブ、白。白。白 なつめ:お?あきなどうしたんだ? あきな:あ、なつめさん。ちょうど良かった なつめ:なんだ? あきな:今朝話しかけてくれた、しきさんって子が、はるさんに伝えて欲しいことがあるみたいで なつめ:ん? あきな:放課後、白旗振って待ってろって なつめ:げっ!思い切り喧嘩売ってるじゃん! あきな:白旗って日本の国旗だっけ? なつめ:んなわけねーだろ!白旗じゃなくて日の丸だ!とにかく!はるにも伝えとく! 0:そしてそしてそして なつめ:はる!大変だ! はる:な、なに? なつめ:今朝話しかけてきた、しきっていう奴からはるに伝言だ はる:ん? なつめ:今日の放課後、日本の意地を掛けた戦いが始まるから首洗って待ってろってさ!! はる:なによそれ!なんか飛躍しすぎてない!? なつめ:なんかよくわからないけどそう言ってたらしいぞ はる:ばかね、そんな戦いするまでもないわ あきな:ふぅーお疲れ様です なつめ:おーあきなか、どうしたんだ?その荷物 あきな:白旗持ってきました〜 なつめ:なんでそんなもん持ってきたんだよ! あきな:あれ?今日白旗振って待つって言ってなかったっけ? なつめ:言ってねーよ!言って……そうだったっけか?誰が言ってた? あきな:ふゆきが なつめ:信用ならんな ふゆき:みんなー!おつかれー! あきな:ふゆき ふゆき:今日野球やるんだよね?野球部からグローブとバットとボール、借りてきたよ なつめ:は?誰がそんなこと言ってたんだ? ふゆき:しきちゃんが なつめ:んー。本人からか。本当はあたし達と野球やりたかったんじゃねーか? はる:んなわけないでしょ!野球は9人のスポーツよ!? ふゆき:とりあえず、ユニフォームだけでも着て待ってようよ はる:もう!意味わかんない! 0:放課後 しき:そ、その格好なんですか? ふゆき:わかるでしょ?野球だよ しき:いや、わかりませんけど!!なんでユニフォーム着てるの!? ふゆき:しきちゃん、私のグローブ白って言ってなかったっけ? しき:言ってませんよ!グローブなんて持ってないし! しき:ちゃんとはるさんには伝わってるんですか? ふゆき:あーそれなら、あきなに頼んどいたよ あきな:私は放課後、白旗降って待ってろって聞いたよ。それをなつめさんに言ったんだけど なつめ:私は放課後、日本の意地を掛けた戦いが始まるから首洗って待ってろって聞いたけど しき:見事な伝言ゲーム!鮮やかすぎてグゥの音も出ないですよ!! はる:だから言ったじゃない!飛躍しすぎてないかって! なつめ:でも!人伝(ひとづて)で話を通すって難しいことなんだぞ! はる:まあ、確かにそうね。、んで?あなたは何を言いたかったのかしら? しき:んぐっ!ぐぬぬぬぬ はる:言いたいことは直接言いなさい しき:じ、じゃあいいですよ。2年A組、はるさん しき:私と勝負しろ!! はる:はあ?なんの勝負 しき:こ、今年の文化祭!私もめんこい祭でミスめんこいグランプリに出場します はる:……それで? しき:私があなたに勝ったら!チームめんこいの特権を全て撤廃し、チームめんこいを解散させます!! なつめ:んなっ! あきな:……… ふゆき:へぇ〜 しき:いいですか!覚悟しててください! しき:私からは以上! はる:ちょっと待ちなさい。 しき:え? なつめ:チームめんこい!(可愛く) :場面転換 しき:な、なんですか?私からは何も言うことないです はる:あなた、それ本気で言ってらっしゃるの? しき:本気ですよ!私を見くびらないでください! はる:その前髪、なに? しき:っ!この前髪はこの間自分で切って失敗しただけです! はる:そんな切り揃えてるだけの前髪が可愛いと思ってるのですか? しき:だ、だって自分で切ったから! はる:言い訳は見苦しいですよ?本当に私にめんこいグランプリで勝つ気なら前髪だけのメンテナンスも美容院に行くべきです。正直ダサい しき:あ、あなただって!そのリボン はる:このリボンは可愛いでしょ? しき:……… はる:チームめんこいも舐められたものですね。姿、格好もババくさい小娘に容姿で喧嘩を売られるのですから はる:まあ、このままあなたがめんこいグランプリに出場して恥を晒すだけなのも面白そうなので見てみたいものですけど はる:あなたみたいな人が可愛くなれるわけがないわ しき:………っ!! なつめ:やめとけ、突っかかってもしょうがないだろ しき:口では何とでも言えますよ!あなただって生まれ持って可愛くなれただけじゃないですか! はる:………… しき:だから元から意識が高かったんですよ!それを可愛くない人に対して上から目線になれるその態度が私は気に食わないんです! はる:一つ教えてあげますね。しき しき:……? はる:可愛いは正義なのです しき:や……や………… しき:……やかましいわあああ!!! なつめ:はいはい!ストップストップ!あきな!お前も手伝え! あきな:えぇ!わ、私!? なつめ:いいから! あきな:は、はい! しき:絶対に!絶対に許さないからなあああ!2年A組!はるぅぅーー!!! しき:はぁ、はぁ、はぁ なつめ:落ち着けよ。正論叩き込まれて感情的になるな しき:どこが!正論ですか!! なつめ:変に強がるな。そのこけしみたいな前髪直してから出直してきな しき:あ、あなたまで! なつめ:じゃなー。1年坊主 しき:くぅぅーー!!! あきな:………… しき:ん!?(睨みつける) あきな:ひぃぃ! しき:ガルルルルルル!! あきな:ひ…ひ… しき:ワン!ワン!ワン!ワン!ワン! あきな:ひゃあああああああ!! しき:(息継ぎ無し)あーー!!!どいつもこいつも私をバカにして、やらなきゃわかんないことを否定して見下してムカつくのよ!この前髪もちょっと気に入ってたのにダサいとか、こけ…… しき:(息継ぎ)はあ〜〜〜こけしとか……なんなのよ あきな:お、落ち着いてください しき:2年C組のあきなさん! あきな:は、はい! しき:あなたはチームめんこいの中でも授業に出席してるし、学食もちゃんと並んでるし塾にだって通ってるらしいですね あきな:は、はい しき:唯一の人格者と言ったところ…… あきな:は…はい しき:気に食わない!! あきな:えええーー!! しき:チームめんこいになれたのにどうしてそんな真面目に生きるんですか!授業なんてサボっちゃえばいいのにあなたは毎回毎回出席して!! あきな:じょ、情緒不安定ですか!? しき:真面目は真面目でなんか鼻につくんですよ!むしろ真面目な方がタチが悪いまである!! しき:2年C組!あきなさん!私と勝負しろ!! あきな:な、なんでぇ〜〜!! ふゆき:こーら、ペケモンじゃないんだからどこでも勝負ふっかけないの しき:あ、あなたは! ふゆき:やほー!しきちゃん しき:伝言ゲームの諸悪の根源!ふゆきさん! ふゆき:そんな風に覚えないでよ。ごめんねってば しき:チームめんこいのメンバーが私に何の用ですか? ふゆき:ああ、私がチームめんこいのメンバーだって認識はしなくてもいいよ? しき:しますよ!あなた1番授業サボってるし! ふゆき:そりゃまあ、特権をフルに活用してるってことだよ しき:気に食わない!!私と勝負しろ!! ふゆき:デコピン! しき:いったぁい! あきな:しきさんはどうしてチームめんこいが嫌いなんですか? しき:色々あったんです。敵に情報は教えません あきな:敵…… ふゆき:にしてもさーしきちゃんはどうやってめんこいグランプリではるちゃんに勝とうと思ってるの? しき:そ、それはい、今からでもオシャレして髪型とかメイクとか勉強して…… ふゆき:うんうん、それで? しき:……でも、大口叩いたけど…私可愛くないし。勝算はないです…… ふゆき:うーん ふゆき:無理だね! しき:そんなきっぱり言わないでくださいよ! ふゆき:しきちゃんめんどくさい性格してるんだね しき:ほっといてください!よく言われるけど ふゆき:でも、はるちゃんに勝つのはやっぱり無理だよ しき:どうして? ふゆき:だってさ、はるちゃんと言い合いになってから今ここで話してる時もずっと、しきちゃんは ふゆき:一言も可愛くなりたいって言ってないんだもん あきな:チームめんこい!(可愛く) : しき:……… ふゆき:ね?考えてみてよ ふゆき:めんこいグランプリは可愛い人が出場するものではないんだよ。本当に可愛くなりたくて自分に自信を付けたくて出場する人がほとんどなの ふゆき:もしくは、可愛い自分を見て欲しいから しき:可愛い…自分を……? ふゆき:あきな、ハサミ持ってる? あきな:う、うん ふゆき:こけしみたいな前髪は言い過ぎだよねー。ここ持ってて? しき:は、はい ふゆき:真横で切ったら前髪重たくなっちゃうから、縦にして切ると軽くなるんだよ しき:な、何を言ってるかさっぱり ふゆき:あきな、鏡持ってる? あきな:うん ふゆき:ほら、どうですか?お嬢様 しき:………わああぁ〜!前髪が…マシになってる! ふゆき:でしょー?ちょっとしたことだけで印象って変わるんだよ ふゆき:ね!あきな。可愛くない? あきな:うん。可愛いです しき:あ、ありがとうございます ふゆき:どう?これでも勝算はないかな? しき:………なんだか、ちょっとだけ希望が見えてきました。 ふゆき:うんうん!それでいいんだよ! ふゆき:希望がある限りは夢は無くならないんだよ。あきなだって昔はこんなに可愛くなかったんだから しき:え!?あきなさんそうだったんですか? あきな:はい!ふゆきにプロデュースしてもらったの しき:えー!ふゆきさんって一体何者? ふゆき:えへへへ、そんな大した人間じゃないよ ふゆき:私はチームめんこいのメンバーだけど、メンバーになったのはなりゆきだったからね しき:どうして? ふゆき:あきなとめんこいグランプリに出たからね しき:そういう事だったんですね ふゆき:そう!だから私はチームめんこいじゃなくてもいいの。誰かの可愛いを引き立たせる人になりたい ふゆき:私の夢はメイクアップアーティストだから しき:メイクアップアーティスト? ふゆき:うん!誰かにメイクをしたり、ヘアセットしたり。この人の魅力を引き出せる魔法使いみたいな?私はそうなりたいんだ しき:………素敵ですね ふゆき:だからね、しきちゃん。自信が無いとか元から可愛くないとかそういう問題じゃないの ふゆき:だってさ!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:……そうですよね ふゆき:しきちゃんが見えた希望は私が実現させたい! しき:お、お願いします! ふゆき:よーし!じゃあ体力作りから!一緒にランニングだー! しき:可愛さに体力いるんですか!? ふゆき:当たり前だよ!まずは体をしぼることから! しき:ふゆきさんの鬼ー! はる:……はあ なつめ:よう、戻ったぞ はる:おかえりなさい なつめ:また雑誌なんか読んで、好きだねーお前も はる:ほっといてよ なつめ:そんなに熱心にならなくてもお前は可愛いよ はる:そういう問題じゃないの なつめ:なに? はる:この世の中には無数の可愛いが溢れてるの。その中からその時代に合った可愛いをチョイスするのが本物のチームめんこいよ なつめ:んな事言ったってねぇ。あたしは別に興味無いよ はる:あなたは元々ご両親がそういうお仕事に就いてるからでしょ?もう可愛くいることが当たり前になってるのよ なつめ:そりゃあそうだけどねー。はるはそこまで気張らなくてもいいと思うんだけど なつめ:まだ気にしてんの?小学校の時のこと はる:……別に気にしてないわ なつめ:そうか はる:それよりもしきはどうだったの? なつめ:さあな。でも。あいつが努力を重ねたらどうなるんだかな はる:今まで努力して来なかった人が急に可愛くなれるなんてありえないわ なつめ:まあそれを言うなら去年のあきなみたいな感じもありえなくはないんだから、あなどれないぞ はる:わかってるわよ あきな:ただいま なつめ:おーあきなか。ふゆきは? あきな:ん?あ、あーどこ行ったんだろ? なつめ:ほんと、あいつは自由でいいよな あきな:昔からあんな感じだからね はる:あきなも今年はめんこいグランプリに出場するのですか? あきな:……もちろんだよ、私だってチームめんこいで居続けたい はる:あなたはいつも真面目で、授業もテストもちゃんと受けていますけど、それでもチームめんこいで居続けたいと? あきな:そうだよ。だってふゆきが私を可愛くしてくれたんだもん あきな:私はみんながチームめんこいで居て欲しいだけだよ はる:そうですね。でも、あの1年のしきがめんこいグランプリに出ることに関しては、去年のあなたと重ねてしまうのです あきな:私もしきさんも同じ人だけど、何を志(こころざ)しているかで人の表情は変わると思う あきな:だから、私もしきさんも。同じのようで同じじゃないよ はる:そうですね。あきなの方が何倍も輝いてますわ あきな:ありがとう なつめ:まあ、あと3ヶ月以上はあるんだ。みんなでまためんこいグランプリに出て、チームめんこいを存続させるぞ はる:そうね。ほんとにしきは邪魔でしょうがないけど、私達の眼中に無いわ しき:チームめんこい!(怒りっぽく) : 0:ある日のこと しき:ん〜〜ん〜〜 しき:私は学校のトイレの鏡の前で何をしてるんだろ しき:鏡見ても1ミリも可愛くならないなー しき:可愛さに必要なのは自己肯定感とふゆきさんから教わったのです しき:人の脳は単純だから自分の顔を鏡で見て可愛いって言うだけで可愛くなれるらしいのです! しき:可愛いよ。しき しき:わあー!可愛く見えてきたー! しき:って!!誰が脳が単純じゃあああーー!! しき:ええ!私はタイムセールって言われたら何でもかんでも買いますよ!それくらい単純ですよ! ふゆき:え、しきちゃん、一人でも怒ってるの? しき:あ、ふゆきさん!私の脳が単純だって思ったらなんかイライラしてきちゃって ふゆき:怒るのって美容に良くないよ? しき:そうなんですか? ふゆき:うん、自律神経が乱れて血流が悪くなって栄養が行き届かなくなったりするの。老けやすくなるってこと しき:誰がババくさいですか!! ふゆき:デコピン! しき:いったぁい! ふゆき:言ったそばから怒らないの しき:だ、だって老けるって言うから! ふゆき:しきちゃん、この世で1番映えるメイクってなんだと思う?わかるよね? しき:わ、わかりますよ!韓国風! ふゆき:違う! しき:え?違う!?じゃあ小悪魔メイク ふゆき:違う! しき:えぇー!じゃあ地雷メイク! ふゆき:終了! しき:えぇーー!! ふゆき:正解は、こ・れ 0:ふゆきはしきの口を上にあげる しき:んぐっ。何を ふゆき:この世で1番映えるメイクは笑顔だよ しき:笑顔? ふゆき:そう!笑顔!これだけで人の心を安心させることが出来るの。万国共通のコミュニケーションってやつだよ しき:笑顔だけですか!? ふゆき:そうだよ、怒ってる顔よりも笑顔でいる人の方が人が集まるの。それは大人も子供もアメリカ人もブラジル人も全部一緒だよ しき:そうなんですね ふゆき:ほら、笑ってみて しき:え、えへっ…えへっ……えへへへへ ふゆき:デコピン! しき:いったぁい! ふゆき:そんな不気味な笑い方引かれるよ? しき:そ、そんな ふゆき:口角を上げて、強ばらない しき:ニッ ふゆき:そうそう、ぎこちないけど慣れてこう しき:難しいな しき:あと3ヶ月か…なんとか頑張るぞー! ふゆき:しきちゃんはどうしてチームめんこいが嫌いなの? しき:ああ、言ってなかったですよね しき:私のお母さんがこの学校の卒業生だったんです ふゆき:うん しき:その頃からチームめんこいの存在があったんですけど、お母さんはチームめんこいからあまりいい目で見られてなくて しき:大人になって仕事を始めた時、その会社の社長がチームめんこいのメンバーだったんですよ しき:それからその会社で目の敵にされちゃってお母さんは仕事も辞めちゃったんです。酷い話ですよね? ふゆき:うん。いくらなんでも可愛いを権力で振り回すのは良くないね しき:だからそんなチーム解散させてやろうって決めたんです! ふゆき:なるほどね しき:笑うなら笑ってくださいよ! ふゆき:笑ってないよ! ふゆき:しきちゃんのその目標は絶対に見失わないでね? しき:当たり前です! ふゆき:うん!何かに向かって頑張り続ける人は綺麗だし輝いて見えるんだから! しき:……ありがとうございます 0:一方では はる:……… なつめ:あ、まーた黄昏(たそがれ)てるよ。どうした? はる:何も無いわ。それにしても、ふゆき最近この教室に来ないわね なつめ:あいつは自由だからな。何考えてるかも分からん はる:もしも、しきの手助けをしてるって考えたらどうかしら? なつめ:……あいつならありえそうな話だな はる:そうなった時が問題ね なつめ:まあ、なんでもいいだろ なつめ:んで?はるは夏休み終わったらどうするんだ? はる:………夏休みが終わったら…お墓参りに行こうと思う なつめ:……行ってきなよ。むしろ、そろそろ命日でしょ? はる:うん。私も去年よりもっと可愛くなるって誓うね なつめ:そのリボンも綺麗なままだな はる:当たり前でしょ?ちゃんとお手入れしてるんだから 0:はるはスマホを取り出し写真を開く はる:約束だよ。お兄ちゃん 0:そして一方では あきな:はあ。久しぶりに学校サボっちゃった あきな:去年の今頃は私もしきさんみたいに自信がなかったはず あきな:それでも、ふゆきと一緒に可愛くなって、一緒に勉強してチームめんこいになれた あきな:しきさんがチームめんこいと何があったのかはわかんないけど、私は譲るつもりはない あきな:ふゆきと一緒に。またチームめんこいになるんだから あきな:……もう私に迷いは無い。チームめんこいは解散させないから… あきな:よーし!頑張るぞー!おー! あきな:……って、誰に影響されたんだか… はる:チームめんこい(儚く) :場面転換 0:夏休みが明けたある日のこと しき:ふゆきさんに言われた本ってこれでいいのかな? しき:え!!表紙が!えっちだ……ふゆきさんこんなの見るんだ。すけべだな しき:おー…おー……おほほほほ はる:……しき? しき:っ!げっ!あ、あなたは! はる:気色の悪い笑みを浮かべてどうしたんですか? しき:あ、あなたの挑発にはもう乗りませんよ! しき:って!!誰が気色悪いじゃあああああ!!! はる:あの、お店の中なので静かにして貰えますか? はる:ほんと、顔も口もやかましい人ね しき:誰が歩くスピーカーじゃあああああ!!! はる:なんか、一周まわって面白い? はる:こんなところで何してるんですか? しき:み、見てわかりませんか?勉強してるんですよ はる:あら、熱心ですわね。無駄な努力にならないことを祈ります しき:ぐぬぬぬぬ!いちいちムカつく一言を! しき:そんな余裕でいられるのも今のうちですよ? はる:どういうことかしら? しき:私には心強い味方がいるんですよ! はる:あら?誰のこと? しき:ふゆきさんです! はる:……ふゆきが? しき:はい。ふゆきさんが私に可愛いを教えてくれるんです はる:……へぇー。それは大層な事ね しき:そうですよ。だからあなた達チームめんこいもこれまでです はる:………ふーん しき:お?余裕無くなりました!?今まで散々私を煽っておいて!余裕なくなったんですか? しき:めんこい祭まであと2週間ですね!せいぜい怯えながら待っててくださいよ! はる:……ふふっ しき:何笑ってるんですか はる:いえ、滑稽(こっけい)だと思いまして しき:……は!? はる:人の手を借りないと成果を出せないなんて未熟者ですね。それで本当の実力って言えるのかしら? しき:……な、なんですって はる:まあ、あなたには自分一人の力で何かを成し遂げるなんて夢のまた夢でしょうね はる:せいぜい。いきがってなさい しき:ちょっ!待ってください! はる:さようなら しき:あ!……もう!相変わらずムカつく! はる:……どういうつもりかしら。ふゆき 0:学校の放課後にて4人が集まる はる:………はあ なつめ:よう、はる、ふゆき見つけてきたけど ふゆき:何か用? あきな:………ふゆき はる:ふゆき、しきとはどういう関係? ふゆき:え?友達だけど? はる:………しきに何か手助けしてる? ふゆき:手助け?まあそうだけどしきちゃんの可愛いを引き出したくて なつめ:な!そんなことしたら! ふゆき:別に私が誰に何をしたっていいでしょ? はる:今すぐやめなさい ふゆき:やめないよ。人の可能性は無限にあるんだもん。 はる:そういう問題じゃないんです。しきはチームめんこいを解散させようとしてる人物なのですよ? ふゆき:それと可愛くなるのに何か関係あるの!?理由はどうあれ、目標に向かって努力するのは、はるちゃんだってそうだったでしょ!? はる:………そうですけど。ふゆきはチームめんこいが無くなってもいいってことなんですか? ふゆき:無くなってもいいよ なつめ:……っ! あきな:……… ふゆき:私は可愛くなりたい人のサポートをするだけ。でも、可愛い人が偉くなって権力を得て振りかざすようなら、無くなってもいいよ あきな:……じゃあ、ふゆきはめんこいグランプリには出ないの? ふゆき:………私は 0: 0: 0: 0: 0:教室の外では しき:今日こそはるさんに物申してやる! しき:毎回言いたい放題言って!許しませんから! しき:あれ?見た感じみんな揃ってるみたい しき:………なんか、雰囲気悪い? ふゆき:私は!めんこいグランプリには出場しないよ! しき:………え? はる:ふゆき あきな:ふゆき!! なつめ:あ、あきな!? ふゆき:い、痛いよ!離して! あきな:目を覚ましてふゆき!何考えてるの! ふゆき:去年も言ったでしょ!私が目立つのは嫌だし、出たくないって あきな:でも!ふゆきがステージに上がってくれないと私は! ふゆき:私が居なくてもあきなならもう大丈夫だよ! あきな:違う!私は!私はふゆきと一緒にチームめんこいで居たいの! ふゆき:……あきな あきな:私にとってチームめんこいはふゆきと頑張った証なの!大事な場所なんだよ! あきな:それをふゆきが無くなってもいいとかめんこいグランプリに出ないとか言わないでよ! なつめ:あ、あきな、落ち着けって 0:教室の扉が開く しき:お、お取り込み中の所申し訳ございません! はる:………? ふゆき:し、しきちゃん? しき:チームめんこい! しき:私と勝負しろ!! なつめ:チームめんこい?(謎そうに) : はる:あ、あなたは毎度毎度なんなんですか? しき:なんなんでしょうね!でも私だって言いたいこと言わせてください! しき:調子に乗らないでください!! なつめ:は、はあ!? はる:また何を言い出すんですか? ふゆき:しきちゃん、今は暴走する時じゃないよ!? しき:暴走じゃないです。話し合いがしたいんです。 はる:話し合い? しき:皆さんの目標はなんですか? ふゆき:……… しき:私、皆さんのこと知らないんです しき:チームめんこいでもあきなさんみたいにちゃんと授業を受けてる人もいるし、ふゆきさんみたいに人助けをする人もいる しき:皆さんが、可愛くなりたい理由って何ですか? ふゆき:……しきちゃん しき:わ、私は!元チームめんこいのメンバーが私のお母さんにパワハラしたことが許せなくて!私が代わりに可愛くなってチームめんこいを解散させようとしただけです! しき:皆さんは? なつめ:そんな話、誰も乗らねーよ あきな:私は! なつめ:あきな!? あきな:ふゆきのおかげで可愛くなれた。ふゆきともっともっと可愛くなりたいと思ってる あきな:自分に似合うメイクをして、自分の変化を楽しんで、人に自分の姿で楽しんでもらう あきな:そうやって自信を持てたのも、ふゆきのおかげだよ ふゆき:……… あきな:だから、チームめんこいで居続けたい なつめ:そ、そんなこと言ったらあたしだってはると一緒に可愛くなりたいと思ってる! なつめ:あたしの両親がモデルだから!あたしが可愛くて当たり前なんだ! なつめ:でもさ、はるがどんどん可愛くなっていく様子も、見てて嬉しいんだ なつめ:はるのお兄さんとの約束、果たそうとしてるんだなーって しき:お兄さん? はる:……ええ、私には血の繋がってない兄が居ました ふゆき:えー。初耳 はる:そうですよね。だってもう、この世には居ないから あきな:こ、この世には居ないって…… はる:亡くなったんですよ しき:……… はる:私が小学生の頃、兄は私に対して毎日可愛いと言ってくれました はる:それが嬉しくて私は毎日楽しくオシャレをしてました はる:そんなある日、本当に突然、兄は事故で亡くなりました はる:兄は最後に私にあるものを買ってきてくれたんです。このリボンを しき:……だからいつもそのリボンを付けてたんですね はる:そう。私はこのリボンが兄の代わりだと思って、可愛くなると決めました。また可愛いって言われるために ふゆき:そんなことがあったなんてね ふゆき:はるちゃんがこんなにも可愛くなろうとしてるのはわかったよ なつめ:んで?ふゆきは? ふゆき:私は変わらないよ。私の可愛いじゃなくて、人の可愛いを見ていたい ふゆき:想像したこともない自分を引き出せた時に人はキラキラ輝いて、思わず笑顔になる瞬間が好きなの ふゆき:だからさ、あきな あきな:………なに? ふゆき:私はやっぱりめんこいグランプリには出ない。しきちゃんとあきなを見守るよ あきな:……そんなの嫌だって ふゆき:ううん。私が居なくてもあきなは一人じゃないよ ふゆき:だって!こんなに可愛い人達がいるんだから! あきな:……… しき:それって!私も含まれてますか!? ふゆき:しきちゃんに関しては愛嬌かなー しき:誰が性格はいいブスだあああ!! なつめ:そうは言ってねーだろ あきな:でも、そうだよね。去年まではふゆきだけだったけど、今は皆も一緒 あきな:チームめんこいは今もここにあるんだから! しき:あ!!チームめんこいは私が解散させます!! はる:ほんとに騒がしいですね はる:しき、わかってますか?めんこい祭まであと1週間。私に何を言ったか覚えてますか? しき:………えぇ!覚えてますよ! しき:2年A組、はるさん しき:私と勝負しろ!! はる:望むところです。ふゆきとどんなことを積み上げてきたかはわかりませんが、受けて立ちます ふゆき:しきちゃんがんばれー! なつめ:ミスめんこいは、はるに決まってんだろ あきな:私だって目指さないと!ミスめんこいを しき:覚悟しててくださいね!最後に笑うのは私ですから はる:笑われるの間違えじゃなきゃいいですけど しき:う、うるさーい!それを証明してやるって言ってるんですよ! しき:私だって可愛くなれる!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:私がミスめんこいになってみせる! ふゆき:よーし!じゃあまたランニングだー! しき:それはいやー!! あきな:チームめんこい(楽しそうに) :場面転換 0:めんこい祭当日 しき:あ…ああ……あああ……… ふゆき:ここに衣装置いとくね?メイクするよ? しき:あ……ああああ! ふゆき:口閉じてよ、緊張するのはわかるけどメイク出来ない しき:あああああああ ふゆき:あきなー!しきちゃんの口抑えててー! あきな:えぇ!わ、私!? しき:ああ!あああ!! あきな:力強すぎるよー! ふゆき:ダメだこりゃ はる:あら、控え室でもうるさいのねあなた達 ふゆき:はるちゃん、見てよこれ、石だよ石! なつめ:カッチカチに固まってるな はる:今こんなに緊張してたらきっと本番はもっと面白いことになりますわね しき:あ? はる:歩けなくなって途中でコケたりしたら見ものですわ しき:ああ!? はる:おもらししないでくださいね しき:誰がするかー!! ふゆき:おお、はるちゃんの煽りがしきちゃんの殻を破った!? しき:さっきから聞いてればなんなんですか!私は緊張なんてしてませんから! はる:そう、じゃあ楽しみにしてますわね ふゆき:よかった。これでメイクができ… しき:ああああああ!! ふゆき:もう一周まわって好きなんじゃないの? 0:ステージ裏に移動する ふゆき:しきちゃーん? しき:あ? ふゆき:生きてる? しき:ああ? ふゆき:おーい!?しきちゃん!? しき:ああああああああああ!!! ふゆき:デコピン! しき:いったぁーい! ふゆき:もう!目覚ましてよ〜。本番なんだからさ しき:そ、そんな事言われてもー! ふゆき:いい?しきちゃん、今までやってきたことをぶつけるんだよ?自信を持つの しき:は、はい! ふゆき:前を向いて、お客さんを見るんだよ? しき:はい! ふゆき:よーし!行ってこーい! しき:ひゃい!! :ここからさきは、ふゆきが兼役で司会 司会:さあ!やって参りましたミスめんこいグランプリー!! 司会:今年も可愛さ溢れる人達が集結!ミスめんこいグランプリに輝くのは誰だ! しき:は、始まった…… はる:しき、よく見てなさい。 しき:え? はる:ランウェイの1歩は大きく力強くすること、そうすれば自信があるように見える しき:な、何を 司会:エントリーナンバー4番!2年A組のはるさん!今回のテーマは家族とお出かけ! 司会:さあ!皆さんお待ちかねのはるさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! はる:お兄ちゃん、サンドウィッチ作ったから一緒に食べよ?ほら、ここに座って?はい、あーん 他の生徒:きゃああああ!!!可愛い!! 他の生徒:好きぃぃぃ!! 他の生徒:こっち向いてー!! しき:……あぁ!可愛い! なつめ:次はあたしの番。あたしなりの表現は自由だ しき:自由? なつめ:そう!体全体で自由を表現する。それだけさ 司会:エントリーナンバー7番!2年A組なつめさん!今回のテーマは浜辺でデート! 司会:なつめさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! なつめ:あっついねー!汗かいてきちゃったよ。あ、そうそう、ここにホクロあるんだー…って見てるとこ違くない? 他の生徒:可愛すぎるぅぅぅぅ!! 他の生徒:推しが尊いぃぃ!! 他の生徒:手振ってーー!! しき:きゅんっ! あきな:しきさん。いつもふゆきに言われた事をしきさんに教えるね しき:何ですか? あきな:笑顔になる事 しき:……あ!それ あきな:笑顔は可愛いの最高のメイクなんだ。楽しむことが大事なの 司会:エントリーナンバー10番!2年C組あきなさん!今回のテーマは初恋 司会:あきなさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! あきな:あの、私、男の人とデートするの初めてなんです…だから…優しくしてくれると嬉しいな 他の生徒:きゃああ!!持って帰りたーーい!! 他の生徒:可愛すぎて息苦しいーーー!! 他の生徒:もっとファンサしてーー!! しき:か、可愛すぎるー!! しき:どうしよ、みんなレベル高いんじゃ… はる:行ってきなさい。しき しき:……え? なつめ:肩の力抜けよー? しき:な、なんで? あきな:ただいま。しきさん。ふゆきも見てるから大丈夫だよ しき:なんで…応援してくれるんですか? なつめ:なんでってなー あきな:当たり前だよ はる:一つ教えてあげますね。しき しき:……? はる:可愛いは正義なのです しき:……っ! なつめ:ほら、出番だぞ あきな:頑張ってね しき:自信を持つ。踏み出す1歩は大きく力強く。自由に。笑顔で! 司会:エントリーナンバー44!1年C組しきさん!今回のテーマはツンデレ 司会:しきさんの一言セリフです!可愛くどうぞ! しき:勘違いしないで。別にあんたを気にかけた訳じゃないから。……やっぱ嘘。気にかけるわよ!気になるんだもん!あんたのこと! なつめ:お、おお あきな:しきさん可愛い! しき:やった……やりきった! しき:もう悔いは残ってないよ しき:でも、なんでだろ……ドキドキが止まらない しき:緊張?……いや、違う しき:生まれ変わって可愛くなってる事にワクワクしてる! しき:私は可愛い。私は輝いてる! しき:今この瞬間が最高にキラキラしている! ふゆき:チームめんこい!(可愛く) : 司会:さあ!ミスめんこいグランプリ!全ての審査が終了しました! 司会:まずはミスめんこいグランプリにノミネートされた方から発表です! 司会:3年C組あすかさん。3年A組ななせさん。2年D組かりんさん 司会:2年C組あきなさん あきな:っ!はい! 司会:2年A組なつめさん なつめ:よし! 司会:2年Aはるさん はる:はい しき:す、すごい。当たり前のように3人ともノミネートされてる しき:私は……やっぱ無理だったかなー? 司会:1年C組しきさん しき:………え!? ふゆき:やったー!しきちゃーん! しき:……え?え? はる:早く来なさい。しき しき:はい! しき:わ、私が……ミスめんこいグランプリにノミネート!? 司会:ここから発表される方4人はチームめんこいのメンバーになります! 司会:その中からミスめんこいグランプリが決まります! 司会:チームめんこいに選ばれた方は! 司会:2年A組!はるさん! はる:はい 司会:2年A組!なつめさん! なつめ:はい! 司会:2年C組!あきなさん! あきな:はい! しき:……… 司会:そして、1年C組!しきさん! しき:ええー!!! ふゆき:すごい!すごいよしきちゃん! なつめ:あいつがチームめんこいか あきな:賑やかになりそうだね はる:騒がしいの間違いですわ しき:わ、私が……この3人と? 司会:そしてそして!いよいよ!この中からミスめんこいグランプリが発表されます! 司会:皆様、選ばれた方には盛大な拍手でお迎えください 司会:それでは、ミスめんこいグランプリに選ばれたのは はる:……… なつめ:……… あきな:……… しき:……… ふゆき:……… 0: 0: 0:【間】 0: 0: 司会:エントリーナンバー……… 0: 0: 0: 0:いつもの教室にて しき:うっ!ううぅ〜〜!! ふゆき:はいはい泣かないの、しきちゃん、チームめんこいにはなれたんだよ? しき:だって、だってあともう少しだったんですよ〜〜!悔しいじゃないですか! なつめ:まあまあ、今日からお前もチームめんこいなんだから座れって。屋台で沢山食べ物貰ったしな あきな:たこ焼きと焼きそばも買ってきました〜。みんなで食べましょ? しき:私は敵だったんですよ!?それを今更なんなんですか! しき:こんなたこ焼きも焼きそばも食べ物も!ぜーんぶ!いらない……いや、いただきますけど! しき:馴れ合わないでください! しき:私はまだまだ可愛くないし、自信だってあんまりないし、惨めで性格のいいブスですよ なつめ:まーだ言ってる しき:だってそうでしょ!私はミスめんこいグランプリになれなかったんですから! はる:しき、私たちがここに座ってる理由は何ですか? しき:……え? はる:あなたの目標であるチームめんこいを解散させるどころかチームめんこいのメンバーになってしまうなんて生き地獄ですね はる:でももう自覚しなさい。あなたはチームめんこいなんです はる:解散させることは目標のひとつかもしれないですが、あなたはもう… はる:可愛いじゃないですか しき:……… なつめ:そうだ、努力してきた人はみんな可愛い あきな:ステージでのしきさんは輝いてたよ ふゆき:そうだよ、しきちゃん ふゆき:目標は達成できなかったかもしれない ふゆき:結果はどうあれ、自分と向き合ってきた時間は絶対に無駄にはならない ふゆき:しきちゃんは可愛いんだよ しき:……そうですか…ありがとうございます しき:じゃあ…もう一度だけ言わせて言わせてください しき:はるさん、なつめさん、あきなさん、ふゆきさん しき:私と勝負しろー!! はる:……あなたは なつめ:バカだなー あきな:え?……ええ!? ふゆき:おおー!受けて立つよー! しき:じゃあふゆきさん。冬の夜空を見上げながら一言セリフ可愛くどうぞ! ふゆき:こんな綺麗な星をあなたと2人で見れるなんて。あなたが隣にいるだけで暖かくなれるよ しき:きゅんっ!ああ、可愛い。いや、正気を保て私! しき:あきなさん!秋の紅葉を見ながら一言セリフ可愛くどうぞ! あきな:えー!!あ、うん あきな:紅葉ってすぐ散っちゃうけど、この景色をあなたと見てることが、一生分の宝物なんだよ? しき:きゅんっ!持って帰りたい…いや、正気を保て私! なつめ:ったく、しょうがないなー しき:なつめさん!プールデートで一言セリフ可愛くどうぞ! なつめ:ねぇ〜抱っこして? しき:シンプルイズベスト!正気を保ってられない! しき:はるさん!なんでもいいから一言セリフ可愛くどうぞ! はる:可愛いは正義なのです しき:結局可愛いんだよなー!! ふゆき:限界化してますねー。可愛いの虜かな? しき:可愛いを堪能したっていいじゃないですか!私だってほら、ここに居場所がある しき:この場所の名前は! しき:せーの! :全員一斉に しき:チームめんこい! はる:チームめんこい! なつめ:チームめんこい! あきな:チームめんこい! ふゆき:チームめんこい! 0:チームめんこい 0:〜END〜