台本概要
356 views
タイトル | ブラッディ・パーティー |
---|---|
作者名 | のんのん (@DUL99zipD8dj1tL) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ロサンジェルスのフザけた掃除屋と ニューヨークのお固い掃除屋 ふたりの出会いと別れの物語 「あばよ」 二人には名前がありますが 物語の性質上、出てくるのは通称のみで それも最後付近になります ですので本編では、西、東、と表記します ※劇中に出てくるお店や物品の名称については すべて実在しますので変えないでください ※ちなみにGlassとはメガネのことですが マリファナという意味のスラングでもあります ※2024年4月 台本修正 356 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
西 | 男 | 69 | 西の殺し屋 |
東 | 男 | 65 | 東の殺し屋(女性可) |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:■一場■
西:いやぁ今日もロスはいい天気!
西:こんな日にゃ仕事なんてしてないで、アルフレッドでコーヒーと洒落込みますか
西:んー、ピーツのアラビカ豆の粗挽きはサイコーだな
東:相席、構わないか?
西:おう、構わないよ
西:むちむちダイナマイトボディは大歓迎さ!
西:但し、男じゃなければの話だが
0:
東:失礼、他を当たってみる
西:おいおい、ジョークだってば
西:こんな天気のいい日にパッツンスーツを着てるビジネスマンを笑顔にしてやろうと思ったんだよ
東:気が付かなかった
東:それで、相席は構わないか?
西:オーケイ、気にせずやってくれ
東:サンクス
東:ところで、、、一つ訂正したいのだが?
西:おん?なんだ?
東:ここの豆はピーツのものではない
東:ピーツのアラビカ豆の深煎りが飲みたければ直営店に行くと良い
西:ほーん、そうか
西:ありがとよ
東:構わない
西:それにしても、こんな暑い中スーツってことは仕事か?
西:それも、その様子だとニューヨーカーだな?
東:なぜ?
西:早口でせっかち
西:そして間違いを訂正したがる
東:なるほど
東:しかしせっかちはどこから導き出された?
西:そりゃそうさ!
西:料理も来てないのにもうスプーンとフォークを並べてる
東:そうか、気をつけよう
西:いやいや、気にすんなって
東:君、コーヒーとスコーンとチキンを頼む
東:(新聞を広げて読みはじめる)
西:お?NYタイムズか?
西:いかにもニューヨークのビジネスマンって感じだな
東:癖みたいなものだ。こちらにもLAタイムズがあるだろう。
西:こっちの人間が読むのは精々、USAトゥデイかゴシップ誌だよ
西:おたくらみたいにウオールストリートジャーナルやらタイムズは読まない
東:私もWSJは読まないな
西:そうだろうな
西:ミリタリー好きのようだから
東:なに?
西:左脇の下に物騒なもんぶら下げるビジネスマンはいねーからな
東:あぁ、これか
東:これは、、、ライターだ
西:げっ!!!ホントかよ
西:拳銃型のライターなんて爺さんちの暖炉の前でしか見たことねぇや
東:西は治安が悪いと聞いたのでな
東:護身用だ
西:(笑う)違いない!
西:お前さん、ニューヨーカーにしてはジョークがキレてるな!
東:このハッタリは有効だと思うが?
西:あー確かに
西:チンピラならママのケツ舐めに帰るだろ
東:それで十分だ
0:
西:おっ!来た来た!
西:ここの人気メニューのアボカドトースト!
西:んじゃ先に頂くよ
東:気にしないでくれ
西:くはーっ!上手い!
西:プンパーニッケルのほのかな酸味と、スライスしたアボカドとレモンオイルのハーモニー!
西:これを食べない奴はアンジェリーノとは呼べねえな
0:
東:(新聞を読んでいる)
0:
西:へぃ、ニューヨーカー?
西:一枚食べるか?
東:え?
西:せっかく6時間も空の散歩してこっちに来たんだ
西:ロスのソウルフードの味見くらいしていけよ?
東:・・・分かった。では頂く。
西:おー、気にすんな
西:俺の奢りだ
東:なんだ?向こうが騒がしいな
西:あー、よくある引ったくりだろ。可哀想に、婆さんがカバン取られたみてーだな
西:あ、馬鹿がこっちに来やがった
西:しゃーねーな、、、と、あれ?
0:
0:(犯人がコケる。痛みで足を押さえて動けない)
0:
東:Self do self have(やったことは自分に返ってくる)だな
西:ひゅー、かっこいいね!
西:・・・・・。
西:ところでお前さんは何者だ?
東:何がだ?
西:ひったくり犯、太ももにナイフが刺さってるよな?
東:何のことだ?
西:そりゃ、テーブルから消えたナイフが自発的に飛んでいったならオカルトだが、
西:普通の人間には見えない速度でメダリスト以上のナイフの投擲したやつが、
西:今、目の前で優雅にアボカドを食ってる
西:そりゃ「何者だ?」になるだろ?
東:で、それが見えたアンジェリーノこそ何者だ?
西:異常に何の臭いもしない変わり者同士
西:仲良くとは行かないが、揉める理由もないんじゃないか?
0:
東:同意した。プライベートではスマートでありたい
東:あ、ちょうど私の頼んだ食事が来たようだ
東:アボカドの礼に、こちらのスコーンをお返しする
西:おー、ありがとよ
西:これにアボカドをのせて、、、
東:まて
西:ん?
東:それではトーストと同じだ
西:だから?
東:ごちゃまぜになるだろ?
東:別々の味を楽しめなくなる
西:プレーンのスコーンの何を楽しむんだ?
東:小麦の風味と歯応えだ
西:いいか?俺はな、すっぴんバンザイなエコ女より、塗りたくった顔のセクシー・ダイナマイトのが燃えるんだよ
東:なるほど、理解した
東:素材の旨味よりゴテゴテしたものが良いんだな
西:そーだよ。派手に行こうぜ
東:ふっ
西:なんだ?
東:いや、私は仕事が派手だと言われているらしいが
東:プライベートト仕事は別物だなと
西:そうか、俺は逆に仕事はシンプルだな
東:我々は逆のようだな
西:だな。ニューヨークで派手な仕事をする同業者といえば、、、
西:ま、詮索は無しだな
東:ああ。トーストとスコーンが冷めてしまう
西:そーだそーだ
東:ではこれを食べて「ビジネスマン」に戻ろう
西:そうだな、お互い「清掃員」にな
東:では食事に戻ろう
0:
0:■二場■
0:
西:あら?先越されちまったな
西:畜生、依頼主の野郎、保険かけやがったな
西:それにしても何だこりゃ?
西:ここはリアルゾンビのハロウィンパーティー会場か?
0:
西:あーあー、こんなにしちまって
西:仕事の後は派手な死体の山ができる、、、あいつの仕事か、、
西:こりゃ売人も客も全滅だな
0:(東、戻ってくる)
西:おっと!
0:(物陰に身を隠す)
西:(オフの声で)この硝煙とアボカドの匂い…
西:やっこさんで間違いない、何しに戻って来やがった?
0:
西:何だアイツ?
西:死体のメガネを拾って、、、拭いて、、、ポケットへ入れた?
西:ありゃ高そうな眼鏡だな、、、って、、、行っちまった
西:なんだかなぁ、、東海岸トップの掃除屋、、、面白いやつだな
0:
0:■三場■
0:
東:(電話)清掃は完了した。メガネに仕込まれたチップはそちらに送る。
東:では次の依頼の準備にうつる。概要は?
東:理解した。ではパーティーの日時と会場の見取り図は送っておいてくれ
東:依頼内容の変更?問題ない、そのまま話してくれ
東:そうか、西海岸ではターゲットはモテるんだな
東:いや、皮肉だ。朝こっちで会った変なやつの影響を受けたのかもしれない
東:無視していい
東:なるほど、バッティングした同業者も清掃対象ということだな
東:分かった、始末する
東:通信は以上だ
東:、、、ということは向こうにも同じ依頼が来ているということだな
東:仕事の確実性を上げ、ギャラは一人分で済ます・・・か
東:マナーのなっていないクライアントだな
0:
0:■四場■
0:
西:がー!また先を越された!
西:またこりゃグチャグチャだな
西:おいおい、こいつは首が3つでケルベロスみたいになってんじゃねーか
東:仕事はスマートにやれないものでな
西:だろうな
西:って!お前さん、堂々と出てきすぎだろ!
西:ちったぁ警戒しろよ、、ていうか物陰からこっそり撃てよ!
東:それだとロスのカメレオンヘイズは仕留められない
東:こっちの仕事が終わったのを見越して私だけを仕留めて楽をする、、、
東:そんな余裕の作戦を立案したプロを、狙撃で取れるわけはないからな
西:さすが、よくお分かりで
西:東の名探偵平次服部、、、
東:んがっ?
東:誰だそれは?
西:知らねぇのか?ジャパニーズアニメだよ
西:西と東の名探偵がバトルする熱いドラマだ
東:理解した。だが私は探偵ではなく掃除屋だ
西:分かってるってば。ジョークだよジョーク
西:ほんと、頭の固いニューヨーカーだな
西:そもそも彼らはバトルはしない。ライバルだが仲はいい
東:なるほど。この血生臭い業界でもその関係性があると面白いのだがな
東:クライアントのご希望とあればそう容易くはいかない
西:だなぁ。もうチョット話してみたい面白いヤツだからな。腕も超一流、さすが東のロフティックマーダー
東:あぁ、、、その通り名は恥ずかしいのでやめてくれないか
西:そうか?カッコいいぞ?
西:虐殺紳士ってな感じの造語だろ?ピッタリだ
東:細かい証拠を吹き飛ばすために敢えて現場を凄惨に見せる演出だ
西:(笑う)そんな理由で毎回、血のパーティー会場は作られてたのか!
西:でも今回はコンセプトが違うんじゃないか?
東:そうだな。
東:アボカドペーストの中のベーグルを分かりやすくするための演出だ
西:あー、そうだろう
西:ベーグルは素材の旨味だもんな
西:コテコテのアボカドと合わせると消える運命にある
東:そうだ
西:んじゃ、お話はこれくらいにしようか?
西:会えてよかった。あの世で会ったら今度は酒でもやろう
西:しゃあ消えてもらおうか、ロッテマイヤー
東:は?誰だそれは?
西:知らねえのか?ジャパニーズアニメだよ
西:アルプスの少女ハイジに出てくるメガネの嫌味なティーチャーだ
東:、、、、なるほど、理解した。
東:確かに臭いグラス(眼鏡)にはサヨナラしたいものだろうな
西:そゆことそゆこと
西:んじゃガンマンの決闘ごっこでどっちが死ぬかゲームでもしようか?
東:もう少しスマートな言い方は出来ないのか?
西:やることは殺し合いなんだから、少しばかりユーモアを混ぜても良いだろ?
東:ユーモア、、、余裕だな。見ての通り相手はそこそこに手強いぞ?
西:違いない(笑う)
西:んじゃ時間を確認しよう
東:ファイブカウントでいいか?
西:オーケイ
西:えーっと、俺の時計では12時35分だ
東:なるほど、理解した
東:ではカウントを開始する
西:おう、やってくれ
東:5、4、3、2、1、
0:
0:※以下の「あばよ」はカウントの後、二人同時に
西:あばよ(ふたり同時)
東:あばよ(ふたり同時)
0:(銃声)
0:
0:■五場■
0:
西:お前!俺までふっとばす気かよ!
西:なんでマグナムなんだよ!
西:しかもショットガン仕様に魔改造とかありえねーだろ!
東:魔改造?
西:だーっ!もういい!ジャパ、、、
東:ジャパニーズアニメだろ?
西:ああ!そうだそうだっー!
東:そもそも私から見て7時の方向なのだから、カウント終わりにスマートに避ければいいだろう?
西:よけたよ!よーけーた!
西:でも衝撃で頭が焦げそうだったわ!
東:そうか。しかししゃがんだ頭の一部が焦げても、
東:ジャパニーズチョンマゲみたいでスマートなんじゃないか?
西:ぷっ!影響受けすぎだろ(笑い)
西:、、、さてと、このマリファナ臭いクソクライアントも始末できたし、また優雅な日常に戻るかな
東:そうだな。裏のルールを破った者の始末はセオリーだから問題ないとして、
東:今回はタダ働きになったのは残念だ
西:そうか、んじゃお代はこいつのグループに支払わせるか?
西:じゃあ、ギャラ代わりにアボカドトーストを奢るぜ
東:飲みに行くんじゃないのか?
西:ん?ああそうだった!
西:じゃあ人気のブロークンシェーカーでも行くか?観光気分でカクテルをキメるのも悪くない
東:ではジプシーを頂こう
西:なんだかパッとしないな
東:そうか?
東:しばしの別れ、という意味のカクテルだ
西:なるほど、そりゃいい。
西:次は命のやり取りにならないと良いな
東:同意した
東:よろしく頼む、西の名探偵
0:
0: ■ F I N ■
0:■一場■
西:いやぁ今日もロスはいい天気!
西:こんな日にゃ仕事なんてしてないで、アルフレッドでコーヒーと洒落込みますか
西:んー、ピーツのアラビカ豆の粗挽きはサイコーだな
東:相席、構わないか?
西:おう、構わないよ
西:むちむちダイナマイトボディは大歓迎さ!
西:但し、男じゃなければの話だが
0:
東:失礼、他を当たってみる
西:おいおい、ジョークだってば
西:こんな天気のいい日にパッツンスーツを着てるビジネスマンを笑顔にしてやろうと思ったんだよ
東:気が付かなかった
東:それで、相席は構わないか?
西:オーケイ、気にせずやってくれ
東:サンクス
東:ところで、、、一つ訂正したいのだが?
西:おん?なんだ?
東:ここの豆はピーツのものではない
東:ピーツのアラビカ豆の深煎りが飲みたければ直営店に行くと良い
西:ほーん、そうか
西:ありがとよ
東:構わない
西:それにしても、こんな暑い中スーツってことは仕事か?
西:それも、その様子だとニューヨーカーだな?
東:なぜ?
西:早口でせっかち
西:そして間違いを訂正したがる
東:なるほど
東:しかしせっかちはどこから導き出された?
西:そりゃそうさ!
西:料理も来てないのにもうスプーンとフォークを並べてる
東:そうか、気をつけよう
西:いやいや、気にすんなって
東:君、コーヒーとスコーンとチキンを頼む
東:(新聞を広げて読みはじめる)
西:お?NYタイムズか?
西:いかにもニューヨークのビジネスマンって感じだな
東:癖みたいなものだ。こちらにもLAタイムズがあるだろう。
西:こっちの人間が読むのは精々、USAトゥデイかゴシップ誌だよ
西:おたくらみたいにウオールストリートジャーナルやらタイムズは読まない
東:私もWSJは読まないな
西:そうだろうな
西:ミリタリー好きのようだから
東:なに?
西:左脇の下に物騒なもんぶら下げるビジネスマンはいねーからな
東:あぁ、これか
東:これは、、、ライターだ
西:げっ!!!ホントかよ
西:拳銃型のライターなんて爺さんちの暖炉の前でしか見たことねぇや
東:西は治安が悪いと聞いたのでな
東:護身用だ
西:(笑う)違いない!
西:お前さん、ニューヨーカーにしてはジョークがキレてるな!
東:このハッタリは有効だと思うが?
西:あー確かに
西:チンピラならママのケツ舐めに帰るだろ
東:それで十分だ
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西:おっ!来た来た!
西:ここの人気メニューのアボカドトースト!
西:んじゃ先に頂くよ
東:気にしないでくれ
西:くはーっ!上手い!
西:プンパーニッケルのほのかな酸味と、スライスしたアボカドとレモンオイルのハーモニー!
西:これを食べない奴はアンジェリーノとは呼べねえな
0:
東:(新聞を読んでいる)
0:
西:へぃ、ニューヨーカー?
西:一枚食べるか?
東:え?
西:せっかく6時間も空の散歩してこっちに来たんだ
西:ロスのソウルフードの味見くらいしていけよ?
東:・・・分かった。では頂く。
西:おー、気にすんな
西:俺の奢りだ
東:なんだ?向こうが騒がしいな
西:あー、よくある引ったくりだろ。可哀想に、婆さんがカバン取られたみてーだな
西:あ、馬鹿がこっちに来やがった
西:しゃーねーな、、、と、あれ?
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0:(犯人がコケる。痛みで足を押さえて動けない)
0:
東:Self do self have(やったことは自分に返ってくる)だな
西:ひゅー、かっこいいね!
西:・・・・・。
西:ところでお前さんは何者だ?
東:何がだ?
西:ひったくり犯、太ももにナイフが刺さってるよな?
東:何のことだ?
西:そりゃ、テーブルから消えたナイフが自発的に飛んでいったならオカルトだが、
西:普通の人間には見えない速度でメダリスト以上のナイフの投擲したやつが、
西:今、目の前で優雅にアボカドを食ってる
西:そりゃ「何者だ?」になるだろ?
東:で、それが見えたアンジェリーノこそ何者だ?
西:異常に何の臭いもしない変わり者同士
西:仲良くとは行かないが、揉める理由もないんじゃないか?
0:
東:同意した。プライベートではスマートでありたい
東:あ、ちょうど私の頼んだ食事が来たようだ
東:アボカドの礼に、こちらのスコーンをお返しする
西:おー、ありがとよ
西:これにアボカドをのせて、、、
東:まて
西:ん?
東:それではトーストと同じだ
西:だから?
東:ごちゃまぜになるだろ?
東:別々の味を楽しめなくなる
西:プレーンのスコーンの何を楽しむんだ?
東:小麦の風味と歯応えだ
西:いいか?俺はな、すっぴんバンザイなエコ女より、塗りたくった顔のセクシー・ダイナマイトのが燃えるんだよ
東:なるほど、理解した
東:素材の旨味よりゴテゴテしたものが良いんだな
西:そーだよ。派手に行こうぜ
東:ふっ
西:なんだ?
東:いや、私は仕事が派手だと言われているらしいが
東:プライベートト仕事は別物だなと
西:そうか、俺は逆に仕事はシンプルだな
東:我々は逆のようだな
西:だな。ニューヨークで派手な仕事をする同業者といえば、、、
西:ま、詮索は無しだな
東:ああ。トーストとスコーンが冷めてしまう
西:そーだそーだ
東:ではこれを食べて「ビジネスマン」に戻ろう
西:そうだな、お互い「清掃員」にな
東:では食事に戻ろう
0:
0:■二場■
0:
西:あら?先越されちまったな
西:畜生、依頼主の野郎、保険かけやがったな
西:それにしても何だこりゃ?
西:ここはリアルゾンビのハロウィンパーティー会場か?
0:
西:あーあー、こんなにしちまって
西:仕事の後は派手な死体の山ができる、、、あいつの仕事か、、
西:こりゃ売人も客も全滅だな
0:(東、戻ってくる)
西:おっと!
0:(物陰に身を隠す)
西:(オフの声で)この硝煙とアボカドの匂い…
西:やっこさんで間違いない、何しに戻って来やがった?
0:
西:何だアイツ?
西:死体のメガネを拾って、、、拭いて、、、ポケットへ入れた?
西:ありゃ高そうな眼鏡だな、、、って、、、行っちまった
西:なんだかなぁ、、東海岸トップの掃除屋、、、面白いやつだな
0:
0:■三場■
0:
東:(電話)清掃は完了した。メガネに仕込まれたチップはそちらに送る。
東:では次の依頼の準備にうつる。概要は?
東:理解した。ではパーティーの日時と会場の見取り図は送っておいてくれ
東:依頼内容の変更?問題ない、そのまま話してくれ
東:そうか、西海岸ではターゲットはモテるんだな
東:いや、皮肉だ。朝こっちで会った変なやつの影響を受けたのかもしれない
東:無視していい
東:なるほど、バッティングした同業者も清掃対象ということだな
東:分かった、始末する
東:通信は以上だ
東:、、、ということは向こうにも同じ依頼が来ているということだな
東:仕事の確実性を上げ、ギャラは一人分で済ます・・・か
東:マナーのなっていないクライアントだな
0:
0:■四場■
0:
西:がー!また先を越された!
西:またこりゃグチャグチャだな
西:おいおい、こいつは首が3つでケルベロスみたいになってんじゃねーか
東:仕事はスマートにやれないものでな
西:だろうな
西:って!お前さん、堂々と出てきすぎだろ!
西:ちったぁ警戒しろよ、、ていうか物陰からこっそり撃てよ!
東:それだとロスのカメレオンヘイズは仕留められない
東:こっちの仕事が終わったのを見越して私だけを仕留めて楽をする、、、
東:そんな余裕の作戦を立案したプロを、狙撃で取れるわけはないからな
西:さすが、よくお分かりで
西:東の名探偵平次服部、、、
東:んがっ?
東:誰だそれは?
西:知らねぇのか?ジャパニーズアニメだよ
西:西と東の名探偵がバトルする熱いドラマだ
東:理解した。だが私は探偵ではなく掃除屋だ
西:分かってるってば。ジョークだよジョーク
西:ほんと、頭の固いニューヨーカーだな
西:そもそも彼らはバトルはしない。ライバルだが仲はいい
東:なるほど。この血生臭い業界でもその関係性があると面白いのだがな
東:クライアントのご希望とあればそう容易くはいかない
西:だなぁ。もうチョット話してみたい面白いヤツだからな。腕も超一流、さすが東のロフティックマーダー
東:あぁ、、、その通り名は恥ずかしいのでやめてくれないか
西:そうか?カッコいいぞ?
西:虐殺紳士ってな感じの造語だろ?ピッタリだ
東:細かい証拠を吹き飛ばすために敢えて現場を凄惨に見せる演出だ
西:(笑う)そんな理由で毎回、血のパーティー会場は作られてたのか!
西:でも今回はコンセプトが違うんじゃないか?
東:そうだな。
東:アボカドペーストの中のベーグルを分かりやすくするための演出だ
西:あー、そうだろう
西:ベーグルは素材の旨味だもんな
西:コテコテのアボカドと合わせると消える運命にある
東:そうだ
西:んじゃ、お話はこれくらいにしようか?
西:会えてよかった。あの世で会ったら今度は酒でもやろう
西:しゃあ消えてもらおうか、ロッテマイヤー
東:は?誰だそれは?
西:知らねえのか?ジャパニーズアニメだよ
西:アルプスの少女ハイジに出てくるメガネの嫌味なティーチャーだ
東:、、、、なるほど、理解した。
東:確かに臭いグラス(眼鏡)にはサヨナラしたいものだろうな
西:そゆことそゆこと
西:んじゃガンマンの決闘ごっこでどっちが死ぬかゲームでもしようか?
東:もう少しスマートな言い方は出来ないのか?
西:やることは殺し合いなんだから、少しばかりユーモアを混ぜても良いだろ?
東:ユーモア、、、余裕だな。見ての通り相手はそこそこに手強いぞ?
西:違いない(笑う)
西:んじゃ時間を確認しよう
東:ファイブカウントでいいか?
西:オーケイ
西:えーっと、俺の時計では12時35分だ
東:なるほど、理解した
東:ではカウントを開始する
西:おう、やってくれ
東:5、4、3、2、1、
0:
0:※以下の「あばよ」はカウントの後、二人同時に
西:あばよ(ふたり同時)
東:あばよ(ふたり同時)
0:(銃声)
0:
0:■五場■
0:
西:お前!俺までふっとばす気かよ!
西:なんでマグナムなんだよ!
西:しかもショットガン仕様に魔改造とかありえねーだろ!
東:魔改造?
西:だーっ!もういい!ジャパ、、、
東:ジャパニーズアニメだろ?
西:ああ!そうだそうだっー!
東:そもそも私から見て7時の方向なのだから、カウント終わりにスマートに避ければいいだろう?
西:よけたよ!よーけーた!
西:でも衝撃で頭が焦げそうだったわ!
東:そうか。しかししゃがんだ頭の一部が焦げても、
東:ジャパニーズチョンマゲみたいでスマートなんじゃないか?
西:ぷっ!影響受けすぎだろ(笑い)
西:、、、さてと、このマリファナ臭いクソクライアントも始末できたし、また優雅な日常に戻るかな
東:そうだな。裏のルールを破った者の始末はセオリーだから問題ないとして、
東:今回はタダ働きになったのは残念だ
西:そうか、んじゃお代はこいつのグループに支払わせるか?
西:じゃあ、ギャラ代わりにアボカドトーストを奢るぜ
東:飲みに行くんじゃないのか?
西:ん?ああそうだった!
西:じゃあ人気のブロークンシェーカーでも行くか?観光気分でカクテルをキメるのも悪くない
東:ではジプシーを頂こう
西:なんだかパッとしないな
東:そうか?
東:しばしの別れ、という意味のカクテルだ
西:なるほど、そりゃいい。
西:次は命のやり取りにならないと良いな
東:同意した
東:よろしく頼む、西の名探偵
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