台本概要

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タイトル 厨二病かるた
作者名 熊野むっち  (@mucchi_0908)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男4、女1)
時間 30 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 【声劇配信時の規約】
・配信時に作者名および作品名を記載
※上記一点のみ必ずご対応くだされば、作者への連絡は不要です。
(投げ銭の有無、有償無償に関わらず)

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
実況 45 日並山ココ造(ひなみやまここぞう) 厨二病かるたの実況担当。
解説 36 宝蔵院凶二(ほうぞういんきょうじ) 厨二病かるたの解説員。
マリ子 63 地獄花マリ子(じごくばなマリこ) 厨二病かるたファイナリスト。
未知彦 50 アンノウン未知彦(あんのうん みちひこ) 厨二病かるたファイナリスト。
つとむ 39 ゴッドデビルつとむ 厨二病かるた伝説のプレーヤー。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: : :タイトル : 【厨二病かるた】作・くまのムッチ : :登場人物 : 実況: 実況:(配役が決まったらここをタップしてください) 実況:日並山ココ造(ひなみやまここぞう) : : 解説: 解説:(配役が決まったらここをタップしてください) 解説:宝蔵院凶二(ほうぞういんきょうじ) : : マリ子: マリ子:(配役が決まったらここをタップしてください) マリ子:地獄花マリ子(じごくばなマリこ) マリ子:兼ね役(母親役)があります。 : 母親: 母親:(マリ子役の方はここをタップしてください) 母親:お母さん : : 未知彦: 未知彦:(配役が決まったらここをタップしてください) 未知彦:アンノウン未知彦(あんのうん みちひこ) : : つとむ: つとむ:(配役が決まったらここをタップしてください) つとむ:ゴッドデビルつとむ つとむ:兼ね役(審判役)があります。 : 審判: 審判:(つとむ役の方はここをタップしてください) 審判:ジャッジメント公平(じゃっじめんとこうへい) : :・ : :・ : :・ : :・ : :・ : : :・ : :・ : :・ : :・ : :・ : 実況:「決して癒える事のない病、だがその病は何故こうも人の心を躍らせるのか」 実況: 実況:古代ギリシャの哲学者、チュニストテレスの言葉です。 実況: 実況:・急に洋楽を聴き始める 実況: 実況:・自転車のハンドルをあり得ない角度にする 実況: 実況:・邪眼の力に目覚める 実況: 実況:これらの思春期特有の言動を、これを提唱したチュニストテレスの名に冠し、人は「厨二病」と呼ぶようになりました。 実況: 実況:そして古代ギリシャ時代から悠久の時を経て、現代!この日本で! 実況:日本文化の象徴とも言える「かるた」と「厨二」が融合した! 実況: 実況:全国1000万人の厨二病かるたファンの皆さん、大変長らくお待たせしました。 実況:真の厨二を決める厨二病かるた決勝戦! 実況:実況は私、「日並山ココ造(ひなみやまここぞう)」がお送りします。 実況: 実況:そして解説には、著書「吸引力の落ちないただひとつのシュタウプザウガー」でお馴染みの「宝蔵院凶二(ほうぞういん・きょうじ)」先生を実況にお迎えしています。 実況: 実況:宝蔵院先生、本日は宜しくお願い致します。 : 解説:間もなく逢魔が時…最凶の名を賭けた戦い、ワルプルギスの聖戦が始まろうとしている… : 実況:(サラッと流して)はい、よろしくお願いしまーす。 実況: 実況:さて、宝蔵院先生、まずはこの厨二病かるたについて解説して頂きたいのですが、 : 解説:凶二で構わん。 解説: 解説:一般的にかるたというと、百人一首の様に、読み札に書かれたものを読み、その札を取る早さを競うというルールを連想すると思うが、厨二病かるたはそれとは全く異なるルールを敷いている。 : 実況:と、言いますと。 : 解説:厨二病かるたは、「あ」から順に厨二っぽい言葉を披露し合い、よりどちらの言葉が厨二っぽかったでその勝敗を決めるのだ。 : 実況:なるほど…かるたと言うよりは「あいうえお作文」みたいな感じですか? : 解説:せめて、フリースタイルのラップバトルとかに例えてもらいたいのだが…。 解説:まあいい。百聞は一見に如かず、彼らの魂の咆哮を見れば、自ずとその解を知る事であろう。 : 実況:(サラッと流して)そうなんですね。わかりました。 実況: 実況:では早速、この死闘をくぐり抜け、決勝戦に駒を進めた2人のファイナリストに登場して頂きたいと思います…。 実況: 実況:亡き兄の悲願を果たすため、若干14歳にして厨二病かるたの世界へ足を踏み入れた、可憐な一輪の花。 実況: 実況:その花は天賦の才を発揮し、たった3年でファイナリストへと登り詰めました。 実況: 実況:頂まであと少し、今夜、可憐な一輪の花は、大輪の花を咲かせる事が出来るのか!? 実況: 実況:厨二病かるた界最強のヒロイン、 実況:【洋紅の七芒星】(カーマイン・ヘプタグラム) 実況:地獄花マリ子選手の!!入場です!!!! 実況:(じごくばなマリ子) : : 0:歓声とともにマリ子、入場。 : : マリ子:(兄の遺影の入ったブローチを握りしめながら) マリ子:兄さん…。兄さんの果たせなかった思い…必ず果たしてみせる、私は女王に、厨二の女王になってみせる! : 実況:すごい!割れんばかりのすごい歓声です! 実況:まるで新女王の誕生の瞬間を祝福するような場内の大歓声に、我々も興奮を隠しきれません! 実況: 実況:宝蔵院先生、地獄花選手は相変わらずの人気ですねー! : 解説:凶二で構わん。 解説: 解説:地獄花マリ子は、その可憐なルックスから男性ファンの支持を一身に集め、今ではチュニッター、チュニスタグラム共に、フォロワー数10万超えのインフルエンサーだ。 解説: 解説:そして最近では、自らの厨二アパレルブランド、【シュトッフ・ヴィンデル】を立ち上げたばかり。 : 実況:…宝蔵院先生、随分と地獄花選手についてお詳しいですね。 : 解説:凶二で構わん。 解説:何故なら俺も地獄花マリ子…いやさ、マリタソのチュニスタグラムをフォローしているからだっ! 解説: 解説:ジャラッ…ニヤリ(これ見よがしに、身に付けたアクセサリーを見せつける) : 実況:宝蔵院先生、それはまさか… : 解説:マリタソのデザインした限定シリアルナンバー入りのシルバーアクセだ。 解説:厨二の原点とも言える、ドクロの徽章と、十字架をあしらってある。俺のお気に入りの逸品だ。 : 実況:なにやら、非常に公平性を欠いた解説者だとは思いますが、気にせずまいりましょう。 実況: 実況:さて、続いての選手の入場です。 実況: 実況:IQ200の超天才が、自らの体を機械化する事で、超人的な身体能力をも手に入れた。 実況:厨二かるたのためだけに魔改造を繰り返した男が生み出す、最強×最凶の狂乱のケミストリー。 実況: 実況:鋼鉄のマスクで覆われたその素顔は、眉目秀麗な美男子とも、醜悪な怪人とも噂される。 実況: 実況:物理学の権威にして、魔界の眷族、 実況: 実況:【百鬼夜行教授】(プロフェッサー・パンデモニウム) 実況: 実況:アンノウン未知彦選手の!!入場です!!!! 実況:(アンノウンみちひこ) : 0:歓声と共に未知彦、入場。 : 未知彦:フガフガフガ… 未知彦:(何か決め台詞を言おうとしている様だが、分厚い金属製のマスクのせいで全く聞き取れない) : 実況:あーっと!アンノウン選手、鋼鉄のマスク越しなので上手く喋れません! : 未知彦:(鋼のマスクを外して、何事もなかったかのように話し始める) 未知彦:全ての未来はラプラスの悪魔によって予測可能である。 未知彦:そして、この僕の勝利も、予測された未来であるという事を最初にあなた方にお伝えしておこう。 : 実況:あーっと!アンノウン未知彦選手、言い直したー!! 実況:お茶目な一面を取り繕うともしない、強心臓の持ち主だー! : 解説:俺だったら、この先1カ月はふいに思い出して絶叫してしまう事だろう。 : 実況:まさに泰然自若!この不動の精神力が厨二病かるたの戦いにどう活かされるのかー!? 実況: 実況:間も無く、試合開始のゴングです!! 実況: 実況:本日決勝戦の主審は、厨二病かるた公式審判のジャッジメント公平氏が務めます。 : 審判:フェアッ! マリ子:私は絶対に負けない。悪いけどあなたには無様にこのリングの床を舐めてもらう事になるわ。 : 未知彦:(唐突に)アンノウン未知彦に、予測できぬ未来などないっ! マリ子:…なに? 未知彦:幾千、幾万の数式から最適解を導き出し貴様を倒す。 未知彦:生まれてきた事を後悔する程の敗北を、味あわせてやる。 : マリ子:フッ、何を言うかと思えば、 : 未知彦:永遠と見まがうような、絶望を抱き果てるがよい! 未知彦:オルケスタ・デ・ラ・ルス!さあ!パーティーの始まりだ!! : マリ子:黙って聞いていれば、ペラペラとおしゃべりな人ね。 マリ子:その雛鳥のような、うるさいさえずりを今すぐ黙らせて(あげるわ) : 審判:有効! : 0:審判の旗が高くあがり、未知彦の得点が加算される。 : マリ子:な!? : 未知彦:クックック… : 実況:あーっと!まだ試合開始のゴングが鳴らされていませんが、アンノウン未知彦選手に先制のポイントがついたー! : マリ子:ちょっと審判どういう事!? : 未知彦:クックック…ハッハッハ…クハハハハハ!惰弱!惰弱!惰弱ぅ! : 解説:厨二病かるたは競技にあらず、真剣での果し合いにゴングなどという甘い考えは通用せぬ! : マリ子:そんな…!? マリ子:だ、だけど、何故あなたに先制のポイントが付くのよ! : 未知彦:分からぬか…。 : マリ子:…えっ? : 審判:あ!「アンノウン未知彦」 審判:い!「幾千、幾万の数式」 審判:う!「生まれてきた事を」 審判:え!「永遠と見まがう」 審判:お!「オルケスタ・デ・ラ・ルス」 審判: 審判:以上、あ行5連続ポイントで、アンノウン未知彦選手の有効! : マリ子:そんな…。試合前の牽制中に既に、あ行5連続ポイントを狙っていただなんて…。 : 未知彦:クックック…もう一度言おう!アンノウン未知彦に、予測できぬ未来など…ない!! : : 0:遅れて試合開始のゴングが会場に鳴り響く。 0:試合前の応酬に湧き上がる観客。大歓声がリングを包む : 未知彦:さあ来い。少しは僕を楽しませてくれ。 : マリ子:やるわね。今のは少し驚かされたけど、もう同じ手は通用しない。 マリ子:私が進むべきは道は王道!王道を進んだ先に、私だけの、この地獄花マリ子のヒロイン道があるのよ! : 未知彦:(マリ子を指差し)よし、まずは【か】からだ! : マリ子:うおおおおお!【カウルクヴァッペ】!!!! マリ子:(未知彦を指で差し返して)【き】! : 未知彦:ふんっ!【キーフェルンツァプフェン】!!!!【く】! : マリ子:いっけえー!【クーゲルシュライバー】!!!!【け】! : 未知彦:そんなものか!【ゲシュヴィンディッヒカイツ・ユーバーシュライトゥング】!!!!【こ】! : マリ子:これで終わりよ!【ゴッテスアンベーテリン】!!!! : 実況:さあ、まずは【か行】の熾烈な応酬だあ! 実況:審判の旗は……あがりません! : 審判:ドロー! : 実況:ドロー!両者ここは痛み分けだー!! : 解説:これはなかなかに良い、か行、だったな。 : 実況:あの、私には何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。 : 解説:今のやり取りは全てドイツ語だ。 : 実況:ドイツ語…ですか? : 解説:そうだ。厨二ワードの基本の型として、最も親しまれているのがドイツ語だ。 解説:ドイツ語は濁音や破裂音を含んだ語句が多く、とにかく語感がカッコいいのに加えて、その単語本来の意味を知る者がいない事から…誤魔化しが利きやすい! : 実況:確かに意味は全然わからないのに、なんだかカッコ良い事言った感だけはありますね。 : 解説:そうだろう。 : 実況:あの、ちなみに「ゲシュヴィンディッヒカイツ・ユーバーシュライトゥング」って日本語だとどういう意味になるんですか? : 解説:ん?聞きたいか? : 実況:はい。 : 解説:スピード違反だ。 : 実況:え… : 解説:言ったろう、ドイツ語は誤魔化しが利きやすいんだ! : : 0:再び対峙する、マリ子と未知彦。 : : 未知彦:ドイツ語では五分と五分と言ったところか。 : マリ子:さあ…どうでしょうね。 : 未知彦:強がりを言うな。貴様のこれまでの対戦データによると、ドイツ語の使用率は全ワードの中で28.2%と極めて高い! : マリ子:(余裕の笑み)しょうがない人ね、そんなデータだけで私の全てを知った気になっているの? : 未知彦:ククク…負け惜しみを言うな。 未知彦:貴様は最も得意とするドイツ語を駆使しても、僕のIQ200の頭脳の前では痛み分けがやっとだっと言う事だ。 : マリ子:素晴らしい自信ですこと。 マリ子:でも残念ね。今からその自信、私が粉々に砕いてみせる! : 未知彦:フハハハ!…何とでも言え。厳然たるデータの前では人は無力である事を貴様もじきに知る事になる。 : マリ子:(呪文を詠唱する) マリ子:千の夜に、万の贄を捧ぐ…。 マリ子:豪雷の将、我のもとへ来たりて、その敵を討ち果たさん…! : 未知彦:な…!?…詠唱、だと!? : マリ子:ソーシャル・ソルフェージュ・ソリューションッッッ!!! : 審判:有効! : 0:審判の旗が高くあがり、マリ子の得点が加算される。 : 未知彦:つっ!? : マリ子:ようやく気付いたようね。私の得意ジャンルであるドイツ語で引き分けたと見せかけて、あなたが油断するのを待っていたのよ! : 審判:さ!「さあ」 審判:し!「しょうがない」 審判:す!「素晴らしい」 審判:せ!「千の夜」 審判:そ!「ソーシャル・ソルフェージュ・ソリューション!!!」 審判: 審判:以上、さ行5連続ポイントおよび「そ」の3段活用で、地獄花マリ子選手に有効がつきます! : 実況:あーっと!なんと!なんと!地獄花マリ子選手、反撃の狼煙をあげたー!! 実況:これで地獄花選手にも有効が付き、アンノウン未知彦選手と得点が並びましたー!! 実況: 実況:あの、ところでさっきの「そ」のくだりですが…。 : 解説:ああ、ソーシャル・ソルフェージュ・ソリューションの事か。 : 実況:あの、これは一体どういう意味なんでしょうか? : 解説:(きっぱりと)知らん! : 実況:え? : 解説:考えるな、感じろ! 解説:ドントシンクフィール!イェア! : 未知彦:あり得ない!僕の解析データからは、このような結果は決して導き出されない筈だ!あり得ない!あり得ない!あり得ないー!!!! : マリ子:データにばかり頼りすぎるからよ!あなたの敵は今目の前にいる! マリ子:私のデータじゃなくて、私自身と向き合う事ね!アンノウン未知彦! : 未知彦:地獄花マリ子…この私をこんなにワクワクさせたのは、あなたで8人目ですよ! : 解説:結構多い! : 未知彦:あなたとのバトルを心行くまで楽しむ為に、私も少し、考えを改めなければいけないようですね。 : 実況:おっと!アンノウン選手がそのトレードマークとも言うべき、特殊金属製のボディスーツを脱ぎ捨てたー! : : 0:かなりの重量物が落下したような、ゴトンという金属音が鳴り響く。 : : 未知彦:全部で40キロある。 : マリ子:な…!? : 未知彦:これでハンディキャップはなしだ。今度は全力で行くぞ! : マリ子:望むところよ!【た】! : 未知彦:戦いの中で成長し続けているのか…その凄まじい戦闘センス…敬服せざるを得ない。【ち】! : マリ子:血がそうさせるのよ、私の身体に流れる兄さんと同じ血が、私をどんどん高みに連れていってくれるの!【つ】! : 未知彦:つまらん情に流されてやるつもりは毛頭ないが、私をここまで本気にさせた事に敬意を表そう。次で決める!いくぞっ!!【て】! : マリ子:テンペスト・10カラット・テンプテーション!!!!【と】! : 未知彦:トリニティ・トロンボーン・トランスポータブルシャイニー! : 実況:あーっと!地獄花選手にアンノウン選手、一進一退の攻防! 実況:どちらも一歩も引かないー!このピリオドの勝者はどちらなのかー!?審判のジャッジに注目が集まるー!! : : 0:会場の全員の視線が審判の旗に集まる。 : : 解説:待て!何かがおかしい! : : 0:その刹那、カランと乾いた音を立てて、審判の手から旗が滑り落ちる。 : : 審判:ガ…ガフッ! : 実況:あー!これは一体どうした事か!? 実況:主審のジャッジメント公平氏が何者かに襲われているー!! : 解説:ヒイッ!…ア、アワワワワワ… : 実況:どうしましたか?宝蔵院先生? : 解説:(怯えながら)凶二で構わん…。 解説:あ、あ、あいつは、あの男は… 解説: 解説:ゴッドデビルつとむ!!!! : マリ子:ゴッドデビルつとむ!? : 未知彦:ゴッドデビルつとむ!?まさか、奴が!? 未知彦:奴が、生きていたとは… : 実況:宝蔵院先生、ゴッドデビルつとむとは一体何者なんですか? : 解説:ゴッドデビルつとむ、神の慈愛と、悪魔の暴虐、その両方を併せ持つと言われるキングオブ厨二。 解説:その圧倒的実力で前人未踏の厨二病カルタ13連覇の偉業を成し遂げたあと、忽然と姿を消してしまった。 解説: 解説:一説では、大会で指定された禁止薬物に手を出して追放になったとも、自分と対等に戦える相手がいない事に絶望し、自ら命を絶ったとも言われていたが…。 : 実況:おーっと!これは!これはとんでもないサプライズーッ!! 実況:厨二病カルタのレジェンド、ゴッドデビルつとむ選手が、突然の乱入ー!! : つとむ:…嘆き、叫び、悶えるがよい、我が漆黒のバーニングフロマージュ…生きては返さない。 : : 0:ゴッドデビルつとむが言葉を発した瞬間、ビリビリと大気が振動し始める。 : : マリ子:キャッ!なにこれ…すごい…圧…。 : 未知彦:グワッ!凄まじい…立っているのがやっとだ…。 : つとむ:…臭う…臭うぞ……絶望の匂いだ!クハハハハハッ!!!! : マリ子:キャアッ!また!…恐ろしいまでの能力(ちから)! : 未知彦:まだだ!次が来るぞっ! : つとむ:ヌシらの児戯、先ほどより見せてもろうておったが、実に退屈であった…。 : マリ子:なんですって!? : つとむ:眠れ…永遠(とわ)に忘却の訪れぬ常闇へ眠るがいい…!!!! : 未知彦:防御態勢を取れ!地獄花!! 未知彦:奴は…次の一撃で決めるつもりだ…! : つとむ:(仰々しく必殺技のように叫ぶ)ノーパンしゃぶしゃぶ!!!! : : 0:言葉が持つ、凄まじいまでの威力で会場に暴風が巻き起きる。 0:吹き飛ばされそうになる、マリ子と未知彦。 : : マリ子:キャアー!!!! : 未知彦:グワー!!!! : 実況:こっ、これは…これは一体どういう事なんでしょう!? : 解説:な!「嘆き」 解説:に!「臭う」 解説:ぬ!「ヌシ」 解説:ね!「眠れ」 解説:の!「ノーパンしゃぶしゃぶ」 解説: 解説:以上、挨拶がわりの、な行5連続ポイントだ…。 : 実況:えっ、でも最後の「の」 実況:あれは厨二ワードなんですか? : 解説:奴にかかれば、何気ない日常の言葉も、凄まじい破壊力の厨二ワードとなる! : 実況:「ノーパンしゃぶしゃぶ」は何気ない日常の言葉なんですか? : 解説:日常とは人それぞれだ。 : 実況:ええっ!?ですが「なにぬねの」の「の」なんて厨二ワードの宝庫、言ってみればボーナスステージですよ! 実況:「ノストラダムス」とか「ノアの箱舟」とか「ノーリッジ大聖堂」とか! 実況:山ほど厨二っぽい言葉があるのに、なんでわざわざあんなワードをチョイスしたんでしょうか!? : 解説:やつはこの戦いを楽しんでいる…敢えて力をセーブして、地獄花マリ子:とアンノウン未知彦、二人をじわじわとなぶり殺すつもりだ…。 : 実況:そ、そんな… : マリ子:ハア…ハア… : 未知彦:クッ…機体損傷率60パーセントか…メディカルモード起動…! : マリ子:アンノウン未知彦、まだ戦える? : 未知彦:見くびるな、地獄花マリ子!これしきの傷、かすり傷に過ぎん… 未知彦:(傷が痛む)っ! : マリ子:フフ…ちゃっかりダメージ受けてるんじゃない。(手を差し伸べて)ほら、立てる? : 未知彦:(差し出された手を払いのけ)手助け無用!奴を倒すのはこの僕だ! : つとむ:脆い!脆いぞ人間よ!脆く、儚く、そして弱い!! つとむ:ヌシらがどれだけ足掻こうとも、我の前では土くれ同然。 つとむ:おとなしく絶望を抱きながら、我が野望の糧となるが良い。 : マリ子:野望…?あなた一体、何を企んでるというの!? : つとむ:冥途の土産に教えてやろう…我が望むもの、それは、真の選ばれし厨二による、この国の統治。 つとむ: つとむ:厨二の、厨二による、厨二のための厨二国家、厨二キングダムの建国だ!!!! : 実況:…え?……ダサ…。 : つとむ:(ギロリと睨みつけ)…何か言ったか? : 実況:…いえ、何も。 : つとむ:地獄花マリ子、そしてアンノウン未知彦よ。今ここで我に生涯の忠誠を誓えば、主らも我が厨二キングダムの臣下として迎えいれてやろうではないか。 : 未知彦:ハッ!厨二病かるたファイナリストの僕たちが、まるで子供扱いだ…。なあ地獄花マリ子。 : マリ子:(呆れて)日々の鍛錬が空しくなっちゃう…。最強という言葉すら陳腐に感じてしまうわね、アンノウン未知彦。 : 未知彦:フフ…全くだ。僕のデータによると、この戦いで僕たちが勝利する確率は…0パーセントだ。 : マリ子:へえー、今度ばかりは私もそのデータを信じざるを得ないようね…。 : つとむ:グォフォフォ…ならば我に忠誠を誓え。さすれば命だけは助けてやろう。 : マリ子:…。 未知彦:…。 : つとむ:どうした?皮一枚のプライドが、命乞いの言葉を躊躇わせるのか? : : 0:マリ子と未知彦、支え合いながらゆっくりと立ち上がる。 : : マリ子:頬を伝う一筋の涙が、 未知彦:星々に射す、一条の光が、 マリ子:矛を持てよと奮い立つ! 未知彦:誇りを掲げよと叫び狂う! : 未知彦:北辰一刀流 鶺鴒(せきれい)の構え!!!! マリ子:ホメオティック遺伝子ー!!!! : つとむ:グヌゥ! : 解説:は!「ハッ」 解説:ひ!「日々の」 解説:ふ!「フフ…」 解説:へ!「へえー」 解説:ほ!「頬!」「星々!」「矛!」「誇り!」「北辰一刀流!」「ホメオティック!」 解説: 解説:以上、ハ行5連続、「ほ」の6段活用だっ!!!! : 実況:おーっと!おおーっと!これは奇跡のコラボレーション! 実況:地獄花マリ子選手とアンノウン未知彦選手のツープラントン攻撃がゴッドデビルつとむにスマッシュヒットォー!!!! : 未知彦:ゴッドデビルつとむ!先ほど貴様に勝つ確率は0パーセントだと言ったな! : マリ子:フフ…。 : 未知彦:それは僕一人であればの話だ! 未知彦:僕私と地獄花マリ子、二人が組む事で、貴様を倒す確率は僅かに上昇する! 未知彦:例え僅かであっても…僕はその僅かな可能性に賭けるっ! : : 0:最強タッグの誕生を祝福するような大歓声が、マリ子と未知彦の二人を包む。 : : 実況:ゴッドデビルつとむの脅威に立ち向かうため、最強と最凶が手を組んだー! 実況:人気実力ともに最高峰のスペシャルタッグの誕生に、会場のボルテージも最高潮だー! : マリ子:さあ、未知彦くん、一気に畳みかけるわよ!「ま」! : つとむ:まさか、我がここまでコケにされるとはな…。正直言って、不愉快だ。「み」! : 未知彦:見くびらないでもらおうか!僕たち二人の力で、この戦況を覆す!「む」! : つとむ:無駄なあがきと知るが良い。行くぞ!「め」! : マリ子:目にもの見せてやるわ!さあ!覚悟しなさい!「も」! : つとむ:もらったあー!!消し炭にしてくれる!!!! つとむ:(必殺技っぽく叫ぶ)蒙古襲来・モストデンジャラス・悶絶斬りー!!!! : 未知彦:いかん!避けろ!地獄花ー!! : マリ子:キャッ! : 未知彦:駄目だ!間に合わない! : つとむ:死ねエエエエエ!!!! : : 0:激しい爆発音と共に、白煙に包まれる会場。 0:暫くして煙が晴れると、そこにはマリ子をかばった未知彦が血まみれで横たわっている。 : : 実況:なんて事でしょう!アンノウン未知彦選手、地獄花選手をかばって、ゴッドデビルつとむの必殺攻撃を全身に被弾したー!! : 未知彦:グ…グフッ! : マリ子:未知彦くん!未知彦くーん! マリ子:どうして!どうして私をかばったりしたの!? : 未知彦:なぜ…?なぜだろう…IQ200の天才のこの僕が、あろう事か女の子をかばってやられるだなんて…(咳き込んで)ゴフゴフ!…最低だ。 : マリ子:未知彦くん!もう喋らないで! : 未知彦:でも…なぜか…悪い気分じゃない…死ぬなよ…地獄花…マリ子…ハウッ!(倒れる) : マリ子:未知彦くーん! : つとむ:フン!虫けらは所詮虫けら…何人束になってかかろうが我の敵にあらず! : マリ子:…。 : つとむ:どうした?怖気づいたか?もうヌシらに降伏という選択肢はない。ここで朽ち果てるのみぞ! : マリ子:…や…めろ… : つとむ:…? : マリ子:許さない…許さない…許さないー!!!! : つとむ:何だ…?この膨れ上がるように増大する邪気は…? つとむ:まさか…ヌシか地獄花マリ子…! : マリ子:(呪文を詠唱する)宵闇の牙、暗闇の黒、常闇の亡者に命ず、この者に黒雷の裁きを! : つとむ:な!?これは古より伝わる古代語魔法…ハイエンシェントマジック!? : マリ子:(必殺技っぽく叫ぶ)ブラーックゥ…サンダーーー!!!! : つとむ:グワアー!! : マリ子:宝蔵院さん! : 解説:ハイ! : マリ子:カウントを取ってちょうだい! : 解説:(ハッと気付いて)あ、ああ。 解説:や!「やめろ」 解説:ゆ!「許さない」 解説:よ!「宵闇の牙」 解説: 解説:以上、や行3連続ポイントで地獄花マリ子選手の有効! : つとむ:バ、バカな…我が、我が、ここまでの深手を…ヌシは一体どうやってこのような能力(ちから)を…。 : マリ子:ゴッドデビルつとむ、オメーの敗因はたったひとつ… マリ子:オメーはアタイを怒らせた!!!!(ドーン!) : 実況:なんだ!?なんだ!?なんなんだー!突如新たな能力(ちから)に目覚めた地獄花選手が、先ほどまで圧倒的実力差を見せつけていたゴッドデビルつとむを!更なる力で圧倒しているー!!!! 解説:強敵(とも)の暴力的な死に直面した事で生まれた絶望と怒り、その二つの感情をトリガーに、彼女は、マリタソは新たなステージ立ったのだ…。 : マリ子:後悔はあの世でするんだね!いくよっ! マリ子: マリ子:「ら」!ライデンフロスト現象!! : つとむ:グハア! : マリ子:「り」リスクホメオスタシス理論!! : つとむ:カハッ! : マリ子:「る」!ルシャトリエの原理!! : つとむ:ギャッ! : マリ子:「れ」!零距離射撃!!(れいきょりしゃげき) : つとむ:ゴフゥ! : マリ子:これは未知彦くんの分っ!「ろ」!労働安全衛生法!!!! : つとむ:ショギャアーーー!!!! : 解説:ら!「ライデンフロスト」 解説:り!「リスクホメオスタシス」 解説:る!「ルシャトリエ」 解説:れ!「零距離」(れいきょり) 解説:れ!「労働安全衛生法」 解説:以上、ら行5連続ポイントで地獄花マリ子選手の有効! : つとむ:ゼエゼエ…。 : 実況:あーっと!ついに!ついに!地獄花マリ子選手が、あの、あのゴッドデビルつとむを追い詰めたー!! : つとむ:わ!わ!我が負けるだと…。このゴッドデビルつとむが、年端もいかぬ小娘なぞに…!認めぬ!認めぬぞー!!!! : マリ子:さあ、オメーの罪を数えな! : つとむ:をををををををををを!こうなったら我の究極の能力(ちから)を解放するしかあるまい! : 実況:待ってください!ゴッドデビルつとむの様子がおかしいです! : 解説:あれは、まさか、魔眼の能力(ちから)か!? : つとむ:んんんんんんん!右眼があああああ!んがあああ!右眼がああぁぁああ!右眼があ!右眼があぁぁあ!!!! : 実況:宝蔵院先生、魔眼の能力(ちから)とは一体!? : つとむ:右眼があああああ!右眼がああぁぁああ!右眼があ!右眼があぁぁあ!!!! : 解説:凶二で構わん。 解説:魔眼の能力(ちから)。俺も古の伝承でしか知らんが、右眼に宿した邪眼の力で、全てを破滅させる恐ろしい魔技であるとだけ聞いた事がある。 つとむ:右眼があああああ!右眼がああぁぁああ!右眼があ!右眼があぁぁあ!!!! : 母親:ちょっと、キヨシ、入るわよ!(ガチャリ) : つとむ:あっ、お母さん! : 母親:もう!さっきから何大きい声で叫んでるの!?ご近所迷惑でしょう!? : つとむ:…ごめん。 : 母親:ご飯もうすぐ出来るから、すぐに降りてきなさーい! 母親:今日はキヨシの好きなハンバーグよー! : つとむ:あ、うん…。 : : 0:しばらくの間。 : : つとむ:もー!!部屋入る時はノックしてっていつも言ってるだろー!!!! : : : 0:終わり

0: : :タイトル : 【厨二病かるた】作・くまのムッチ : :登場人物 : 実況: 実況:(配役が決まったらここをタップしてください) 実況:日並山ココ造(ひなみやまここぞう) : : 解説: 解説:(配役が決まったらここをタップしてください) 解説:宝蔵院凶二(ほうぞういんきょうじ) : : マリ子: マリ子:(配役が決まったらここをタップしてください) マリ子:地獄花マリ子(じごくばなマリこ) マリ子:兼ね役(母親役)があります。 : 母親: 母親:(マリ子役の方はここをタップしてください) 母親:お母さん : : 未知彦: 未知彦:(配役が決まったらここをタップしてください) 未知彦:アンノウン未知彦(あんのうん みちひこ) : : つとむ: つとむ:(配役が決まったらここをタップしてください) つとむ:ゴッドデビルつとむ つとむ:兼ね役(審判役)があります。 : 審判: 審判:(つとむ役の方はここをタップしてください) 審判:ジャッジメント公平(じゃっじめんとこうへい) : :・ : :・ : :・ : :・ : :・ : : :・ : :・ : :・ : :・ : :・ : 実況:「決して癒える事のない病、だがその病は何故こうも人の心を躍らせるのか」 実況: 実況:古代ギリシャの哲学者、チュニストテレスの言葉です。 実況: 実況:・急に洋楽を聴き始める 実況: 実況:・自転車のハンドルをあり得ない角度にする 実況: 実況:・邪眼の力に目覚める 実況: 実況:これらの思春期特有の言動を、これを提唱したチュニストテレスの名に冠し、人は「厨二病」と呼ぶようになりました。 実況: 実況:そして古代ギリシャ時代から悠久の時を経て、現代!この日本で! 実況:日本文化の象徴とも言える「かるた」と「厨二」が融合した! 実況: 実況:全国1000万人の厨二病かるたファンの皆さん、大変長らくお待たせしました。 実況:真の厨二を決める厨二病かるた決勝戦! 実況:実況は私、「日並山ココ造(ひなみやまここぞう)」がお送りします。 実況: 実況:そして解説には、著書「吸引力の落ちないただひとつのシュタウプザウガー」でお馴染みの「宝蔵院凶二(ほうぞういん・きょうじ)」先生を実況にお迎えしています。 実況: 実況:宝蔵院先生、本日は宜しくお願い致します。 : 解説:間もなく逢魔が時…最凶の名を賭けた戦い、ワルプルギスの聖戦が始まろうとしている… : 実況:(サラッと流して)はい、よろしくお願いしまーす。 実況: 実況:さて、宝蔵院先生、まずはこの厨二病かるたについて解説して頂きたいのですが、 : 解説:凶二で構わん。 解説: 解説:一般的にかるたというと、百人一首の様に、読み札に書かれたものを読み、その札を取る早さを競うというルールを連想すると思うが、厨二病かるたはそれとは全く異なるルールを敷いている。 : 実況:と、言いますと。 : 解説:厨二病かるたは、「あ」から順に厨二っぽい言葉を披露し合い、よりどちらの言葉が厨二っぽかったでその勝敗を決めるのだ。 : 実況:なるほど…かるたと言うよりは「あいうえお作文」みたいな感じですか? : 解説:せめて、フリースタイルのラップバトルとかに例えてもらいたいのだが…。 解説:まあいい。百聞は一見に如かず、彼らの魂の咆哮を見れば、自ずとその解を知る事であろう。 : 実況:(サラッと流して)そうなんですね。わかりました。 実況: 実況:では早速、この死闘をくぐり抜け、決勝戦に駒を進めた2人のファイナリストに登場して頂きたいと思います…。 実況: 実況:亡き兄の悲願を果たすため、若干14歳にして厨二病かるたの世界へ足を踏み入れた、可憐な一輪の花。 実況: 実況:その花は天賦の才を発揮し、たった3年でファイナリストへと登り詰めました。 実況: 実況:頂まであと少し、今夜、可憐な一輪の花は、大輪の花を咲かせる事が出来るのか!? 実況: 実況:厨二病かるた界最強のヒロイン、 実況:【洋紅の七芒星】(カーマイン・ヘプタグラム) 実況:地獄花マリ子選手の!!入場です!!!! 実況:(じごくばなマリ子) : : 0:歓声とともにマリ子、入場。 : : マリ子:(兄の遺影の入ったブローチを握りしめながら) マリ子:兄さん…。兄さんの果たせなかった思い…必ず果たしてみせる、私は女王に、厨二の女王になってみせる! : 実況:すごい!割れんばかりのすごい歓声です! 実況:まるで新女王の誕生の瞬間を祝福するような場内の大歓声に、我々も興奮を隠しきれません! 実況: 実況:宝蔵院先生、地獄花選手は相変わらずの人気ですねー! : 解説:凶二で構わん。 解説: 解説:地獄花マリ子は、その可憐なルックスから男性ファンの支持を一身に集め、今ではチュニッター、チュニスタグラム共に、フォロワー数10万超えのインフルエンサーだ。 解説: 解説:そして最近では、自らの厨二アパレルブランド、【シュトッフ・ヴィンデル】を立ち上げたばかり。 : 実況:…宝蔵院先生、随分と地獄花選手についてお詳しいですね。 : 解説:凶二で構わん。 解説:何故なら俺も地獄花マリ子…いやさ、マリタソのチュニスタグラムをフォローしているからだっ! 解説: 解説:ジャラッ…ニヤリ(これ見よがしに、身に付けたアクセサリーを見せつける) : 実況:宝蔵院先生、それはまさか… : 解説:マリタソのデザインした限定シリアルナンバー入りのシルバーアクセだ。 解説:厨二の原点とも言える、ドクロの徽章と、十字架をあしらってある。俺のお気に入りの逸品だ。 : 実況:なにやら、非常に公平性を欠いた解説者だとは思いますが、気にせずまいりましょう。 実況: 実況:さて、続いての選手の入場です。 実況: 実況:IQ200の超天才が、自らの体を機械化する事で、超人的な身体能力をも手に入れた。 実況:厨二かるたのためだけに魔改造を繰り返した男が生み出す、最強×最凶の狂乱のケミストリー。 実況: 実況:鋼鉄のマスクで覆われたその素顔は、眉目秀麗な美男子とも、醜悪な怪人とも噂される。 実況: 実況:物理学の権威にして、魔界の眷族、 実況: 実況:【百鬼夜行教授】(プロフェッサー・パンデモニウム) 実況: 実況:アンノウン未知彦選手の!!入場です!!!! 実況:(アンノウンみちひこ) : 0:歓声と共に未知彦、入場。 : 未知彦:フガフガフガ… 未知彦:(何か決め台詞を言おうとしている様だが、分厚い金属製のマスクのせいで全く聞き取れない) : 実況:あーっと!アンノウン選手、鋼鉄のマスク越しなので上手く喋れません! : 未知彦:(鋼のマスクを外して、何事もなかったかのように話し始める) 未知彦:全ての未来はラプラスの悪魔によって予測可能である。 未知彦:そして、この僕の勝利も、予測された未来であるという事を最初にあなた方にお伝えしておこう。 : 実況:あーっと!アンノウン未知彦選手、言い直したー!! 実況:お茶目な一面を取り繕うともしない、強心臓の持ち主だー! : 解説:俺だったら、この先1カ月はふいに思い出して絶叫してしまう事だろう。 : 実況:まさに泰然自若!この不動の精神力が厨二病かるたの戦いにどう活かされるのかー!? 実況: 実況:間も無く、試合開始のゴングです!! 実況: 実況:本日決勝戦の主審は、厨二病かるた公式審判のジャッジメント公平氏が務めます。 : 審判:フェアッ! マリ子:私は絶対に負けない。悪いけどあなたには無様にこのリングの床を舐めてもらう事になるわ。 : 未知彦:(唐突に)アンノウン未知彦に、予測できぬ未来などないっ! マリ子:…なに? 未知彦:幾千、幾万の数式から最適解を導き出し貴様を倒す。 未知彦:生まれてきた事を後悔する程の敗北を、味あわせてやる。 : マリ子:フッ、何を言うかと思えば、 : 未知彦:永遠と見まがうような、絶望を抱き果てるがよい! 未知彦:オルケスタ・デ・ラ・ルス!さあ!パーティーの始まりだ!! : マリ子:黙って聞いていれば、ペラペラとおしゃべりな人ね。 マリ子:その雛鳥のような、うるさいさえずりを今すぐ黙らせて(あげるわ) : 審判:有効! : 0:審判の旗が高くあがり、未知彦の得点が加算される。 : マリ子:な!? : 未知彦:クックック… : 実況:あーっと!まだ試合開始のゴングが鳴らされていませんが、アンノウン未知彦選手に先制のポイントがついたー! : マリ子:ちょっと審判どういう事!? : 未知彦:クックック…ハッハッハ…クハハハハハ!惰弱!惰弱!惰弱ぅ! : 解説:厨二病かるたは競技にあらず、真剣での果し合いにゴングなどという甘い考えは通用せぬ! : マリ子:そんな…!? マリ子:だ、だけど、何故あなたに先制のポイントが付くのよ! : 未知彦:分からぬか…。 : マリ子:…えっ? : 審判:あ!「アンノウン未知彦」 審判:い!「幾千、幾万の数式」 審判:う!「生まれてきた事を」 審判:え!「永遠と見まがう」 審判:お!「オルケスタ・デ・ラ・ルス」 審判: 審判:以上、あ行5連続ポイントで、アンノウン未知彦選手の有効! : マリ子:そんな…。試合前の牽制中に既に、あ行5連続ポイントを狙っていただなんて…。 : 未知彦:クックック…もう一度言おう!アンノウン未知彦に、予測できぬ未来など…ない!! : : 0:遅れて試合開始のゴングが会場に鳴り響く。 0:試合前の応酬に湧き上がる観客。大歓声がリングを包む : 未知彦:さあ来い。少しは僕を楽しませてくれ。 : マリ子:やるわね。今のは少し驚かされたけど、もう同じ手は通用しない。 マリ子:私が進むべきは道は王道!王道を進んだ先に、私だけの、この地獄花マリ子のヒロイン道があるのよ! : 未知彦:(マリ子を指差し)よし、まずは【か】からだ! : マリ子:うおおおおお!【カウルクヴァッペ】!!!! マリ子:(未知彦を指で差し返して)【き】! : 未知彦:ふんっ!【キーフェルンツァプフェン】!!!!【く】! : マリ子:いっけえー!【クーゲルシュライバー】!!!!【け】! : 未知彦:そんなものか!【ゲシュヴィンディッヒカイツ・ユーバーシュライトゥング】!!!!【こ】! : マリ子:これで終わりよ!【ゴッテスアンベーテリン】!!!! : 実況:さあ、まずは【か行】の熾烈な応酬だあ! 実況:審判の旗は……あがりません! : 審判:ドロー! : 実況:ドロー!両者ここは痛み分けだー!! : 解説:これはなかなかに良い、か行、だったな。 : 実況:あの、私には何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。 : 解説:今のやり取りは全てドイツ語だ。 : 実況:ドイツ語…ですか? : 解説:そうだ。厨二ワードの基本の型として、最も親しまれているのがドイツ語だ。 解説:ドイツ語は濁音や破裂音を含んだ語句が多く、とにかく語感がカッコいいのに加えて、その単語本来の意味を知る者がいない事から…誤魔化しが利きやすい! : 実況:確かに意味は全然わからないのに、なんだかカッコ良い事言った感だけはありますね。 : 解説:そうだろう。 : 実況:あの、ちなみに「ゲシュヴィンディッヒカイツ・ユーバーシュライトゥング」って日本語だとどういう意味になるんですか? : 解説:ん?聞きたいか? : 実況:はい。 : 解説:スピード違反だ。 : 実況:え… : 解説:言ったろう、ドイツ語は誤魔化しが利きやすいんだ! : : 0:再び対峙する、マリ子と未知彦。 : : 未知彦:ドイツ語では五分と五分と言ったところか。 : マリ子:さあ…どうでしょうね。 : 未知彦:強がりを言うな。貴様のこれまでの対戦データによると、ドイツ語の使用率は全ワードの中で28.2%と極めて高い! : マリ子:(余裕の笑み)しょうがない人ね、そんなデータだけで私の全てを知った気になっているの? : 未知彦:ククク…負け惜しみを言うな。 未知彦:貴様は最も得意とするドイツ語を駆使しても、僕のIQ200の頭脳の前では痛み分けがやっとだっと言う事だ。 : マリ子:素晴らしい自信ですこと。 マリ子:でも残念ね。今からその自信、私が粉々に砕いてみせる! : 未知彦:フハハハ!…何とでも言え。厳然たるデータの前では人は無力である事を貴様もじきに知る事になる。 : マリ子:(呪文を詠唱する) マリ子:千の夜に、万の贄を捧ぐ…。 マリ子:豪雷の将、我のもとへ来たりて、その敵を討ち果たさん…! : 未知彦:な…!?…詠唱、だと!? : マリ子:ソーシャル・ソルフェージュ・ソリューションッッッ!!! : 審判:有効! : 0:審判の旗が高くあがり、マリ子の得点が加算される。 : 未知彦:つっ!? : マリ子:ようやく気付いたようね。私の得意ジャンルであるドイツ語で引き分けたと見せかけて、あなたが油断するのを待っていたのよ! : 審判:さ!「さあ」 審判:し!「しょうがない」 審判:す!「素晴らしい」 審判:せ!「千の夜」 審判:そ!「ソーシャル・ソルフェージュ・ソリューション!!!」 審判: 審判:以上、さ行5連続ポイントおよび「そ」の3段活用で、地獄花マリ子選手に有効がつきます! : 実況:あーっと!なんと!なんと!地獄花マリ子選手、反撃の狼煙をあげたー!! 実況:これで地獄花選手にも有効が付き、アンノウン未知彦選手と得点が並びましたー!! 実況: 実況:あの、ところでさっきの「そ」のくだりですが…。 : 解説:ああ、ソーシャル・ソルフェージュ・ソリューションの事か。 : 実況:あの、これは一体どういう意味なんでしょうか? : 解説:(きっぱりと)知らん! : 実況:え? : 解説:考えるな、感じろ! 解説:ドントシンクフィール!イェア! : 未知彦:あり得ない!僕の解析データからは、このような結果は決して導き出されない筈だ!あり得ない!あり得ない!あり得ないー!!!! : マリ子:データにばかり頼りすぎるからよ!あなたの敵は今目の前にいる! マリ子:私のデータじゃなくて、私自身と向き合う事ね!アンノウン未知彦! : 未知彦:地獄花マリ子…この私をこんなにワクワクさせたのは、あなたで8人目ですよ! : 解説:結構多い! : 未知彦:あなたとのバトルを心行くまで楽しむ為に、私も少し、考えを改めなければいけないようですね。 : 実況:おっと!アンノウン選手がそのトレードマークとも言うべき、特殊金属製のボディスーツを脱ぎ捨てたー! : : 0:かなりの重量物が落下したような、ゴトンという金属音が鳴り響く。 : : 未知彦:全部で40キロある。 : マリ子:な…!? : 未知彦:これでハンディキャップはなしだ。今度は全力で行くぞ! : マリ子:望むところよ!【た】! : 未知彦:戦いの中で成長し続けているのか…その凄まじい戦闘センス…敬服せざるを得ない。【ち】! : マリ子:血がそうさせるのよ、私の身体に流れる兄さんと同じ血が、私をどんどん高みに連れていってくれるの!【つ】! : 未知彦:つまらん情に流されてやるつもりは毛頭ないが、私をここまで本気にさせた事に敬意を表そう。次で決める!いくぞっ!!【て】! : マリ子:テンペスト・10カラット・テンプテーション!!!!【と】! : 未知彦:トリニティ・トロンボーン・トランスポータブルシャイニー! : 実況:あーっと!地獄花選手にアンノウン選手、一進一退の攻防! 実況:どちらも一歩も引かないー!このピリオドの勝者はどちらなのかー!?審判のジャッジに注目が集まるー!! : : 0:会場の全員の視線が審判の旗に集まる。 : : 解説:待て!何かがおかしい! : : 0:その刹那、カランと乾いた音を立てて、審判の手から旗が滑り落ちる。 : : 審判:ガ…ガフッ! : 実況:あー!これは一体どうした事か!? 実況:主審のジャッジメント公平氏が何者かに襲われているー!! : 解説:ヒイッ!…ア、アワワワワワ… : 実況:どうしましたか?宝蔵院先生? : 解説:(怯えながら)凶二で構わん…。 解説:あ、あ、あいつは、あの男は… 解説: 解説:ゴッドデビルつとむ!!!! : マリ子:ゴッドデビルつとむ!? : 未知彦:ゴッドデビルつとむ!?まさか、奴が!? 未知彦:奴が、生きていたとは… : 実況:宝蔵院先生、ゴッドデビルつとむとは一体何者なんですか? : 解説:ゴッドデビルつとむ、神の慈愛と、悪魔の暴虐、その両方を併せ持つと言われるキングオブ厨二。 解説:その圧倒的実力で前人未踏の厨二病カルタ13連覇の偉業を成し遂げたあと、忽然と姿を消してしまった。 解説: 解説:一説では、大会で指定された禁止薬物に手を出して追放になったとも、自分と対等に戦える相手がいない事に絶望し、自ら命を絶ったとも言われていたが…。 : 実況:おーっと!これは!これはとんでもないサプライズーッ!! 実況:厨二病カルタのレジェンド、ゴッドデビルつとむ選手が、突然の乱入ー!! : つとむ:…嘆き、叫び、悶えるがよい、我が漆黒のバーニングフロマージュ…生きては返さない。 : : 0:ゴッドデビルつとむが言葉を発した瞬間、ビリビリと大気が振動し始める。 : : マリ子:キャッ!なにこれ…すごい…圧…。 : 未知彦:グワッ!凄まじい…立っているのがやっとだ…。 : つとむ:…臭う…臭うぞ……絶望の匂いだ!クハハハハハッ!!!! : マリ子:キャアッ!また!…恐ろしいまでの能力(ちから)! : 未知彦:まだだ!次が来るぞっ! : つとむ:ヌシらの児戯、先ほどより見せてもろうておったが、実に退屈であった…。 : マリ子:なんですって!? : つとむ:眠れ…永遠(とわ)に忘却の訪れぬ常闇へ眠るがいい…!!!! : 未知彦:防御態勢を取れ!地獄花!! 未知彦:奴は…次の一撃で決めるつもりだ…! : つとむ:(仰々しく必殺技のように叫ぶ)ノーパンしゃぶしゃぶ!!!! : : 0:言葉が持つ、凄まじいまでの威力で会場に暴風が巻き起きる。 0:吹き飛ばされそうになる、マリ子と未知彦。 : : マリ子:キャアー!!!! : 未知彦:グワー!!!! : 実況:こっ、これは…これは一体どういう事なんでしょう!? : 解説:な!「嘆き」 解説:に!「臭う」 解説:ぬ!「ヌシ」 解説:ね!「眠れ」 解説:の!「ノーパンしゃぶしゃぶ」 解説: 解説:以上、挨拶がわりの、な行5連続ポイントだ…。 : 実況:えっ、でも最後の「の」 実況:あれは厨二ワードなんですか? : 解説:奴にかかれば、何気ない日常の言葉も、凄まじい破壊力の厨二ワードとなる! : 実況:「ノーパンしゃぶしゃぶ」は何気ない日常の言葉なんですか? : 解説:日常とは人それぞれだ。 : 実況:ええっ!?ですが「なにぬねの」の「の」なんて厨二ワードの宝庫、言ってみればボーナスステージですよ! 実況:「ノストラダムス」とか「ノアの箱舟」とか「ノーリッジ大聖堂」とか! 実況:山ほど厨二っぽい言葉があるのに、なんでわざわざあんなワードをチョイスしたんでしょうか!? : 解説:やつはこの戦いを楽しんでいる…敢えて力をセーブして、地獄花マリ子:とアンノウン未知彦、二人をじわじわとなぶり殺すつもりだ…。 : 実況:そ、そんな… : マリ子:ハア…ハア… : 未知彦:クッ…機体損傷率60パーセントか…メディカルモード起動…! : マリ子:アンノウン未知彦、まだ戦える? : 未知彦:見くびるな、地獄花マリ子!これしきの傷、かすり傷に過ぎん… 未知彦:(傷が痛む)っ! : マリ子:フフ…ちゃっかりダメージ受けてるんじゃない。(手を差し伸べて)ほら、立てる? : 未知彦:(差し出された手を払いのけ)手助け無用!奴を倒すのはこの僕だ! : つとむ:脆い!脆いぞ人間よ!脆く、儚く、そして弱い!! つとむ:ヌシらがどれだけ足掻こうとも、我の前では土くれ同然。 つとむ:おとなしく絶望を抱きながら、我が野望の糧となるが良い。 : マリ子:野望…?あなた一体、何を企んでるというの!? : つとむ:冥途の土産に教えてやろう…我が望むもの、それは、真の選ばれし厨二による、この国の統治。 つとむ: つとむ:厨二の、厨二による、厨二のための厨二国家、厨二キングダムの建国だ!!!! : 実況:…え?……ダサ…。 : つとむ:(ギロリと睨みつけ)…何か言ったか? : 実況:…いえ、何も。 : つとむ:地獄花マリ子、そしてアンノウン未知彦よ。今ここで我に生涯の忠誠を誓えば、主らも我が厨二キングダムの臣下として迎えいれてやろうではないか。 : 未知彦:ハッ!厨二病かるたファイナリストの僕たちが、まるで子供扱いだ…。なあ地獄花マリ子。 : マリ子:(呆れて)日々の鍛錬が空しくなっちゃう…。最強という言葉すら陳腐に感じてしまうわね、アンノウン未知彦。 : 未知彦:フフ…全くだ。僕のデータによると、この戦いで僕たちが勝利する確率は…0パーセントだ。 : マリ子:へえー、今度ばかりは私もそのデータを信じざるを得ないようね…。 : つとむ:グォフォフォ…ならば我に忠誠を誓え。さすれば命だけは助けてやろう。 : マリ子:…。 未知彦:…。 : つとむ:どうした?皮一枚のプライドが、命乞いの言葉を躊躇わせるのか? : : 0:マリ子と未知彦、支え合いながらゆっくりと立ち上がる。 : : マリ子:頬を伝う一筋の涙が、 未知彦:星々に射す、一条の光が、 マリ子:矛を持てよと奮い立つ! 未知彦:誇りを掲げよと叫び狂う! : 未知彦:北辰一刀流 鶺鴒(せきれい)の構え!!!! マリ子:ホメオティック遺伝子ー!!!! : つとむ:グヌゥ! : 解説:は!「ハッ」 解説:ひ!「日々の」 解説:ふ!「フフ…」 解説:へ!「へえー」 解説:ほ!「頬!」「星々!」「矛!」「誇り!」「北辰一刀流!」「ホメオティック!」 解説: 解説:以上、ハ行5連続、「ほ」の6段活用だっ!!!! : 実況:おーっと!おおーっと!これは奇跡のコラボレーション! 実況:地獄花マリ子選手とアンノウン未知彦選手のツープラントン攻撃がゴッドデビルつとむにスマッシュヒットォー!!!! : 未知彦:ゴッドデビルつとむ!先ほど貴様に勝つ確率は0パーセントだと言ったな! : マリ子:フフ…。 : 未知彦:それは僕一人であればの話だ! 未知彦:僕私と地獄花マリ子、二人が組む事で、貴様を倒す確率は僅かに上昇する! 未知彦:例え僅かであっても…僕はその僅かな可能性に賭けるっ! : : 0:最強タッグの誕生を祝福するような大歓声が、マリ子と未知彦の二人を包む。 : : 実況:ゴッドデビルつとむの脅威に立ち向かうため、最強と最凶が手を組んだー! 実況:人気実力ともに最高峰のスペシャルタッグの誕生に、会場のボルテージも最高潮だー! : マリ子:さあ、未知彦くん、一気に畳みかけるわよ!「ま」! : つとむ:まさか、我がここまでコケにされるとはな…。正直言って、不愉快だ。「み」! : 未知彦:見くびらないでもらおうか!僕たち二人の力で、この戦況を覆す!「む」! : つとむ:無駄なあがきと知るが良い。行くぞ!「め」! : マリ子:目にもの見せてやるわ!さあ!覚悟しなさい!「も」! : つとむ:もらったあー!!消し炭にしてくれる!!!! つとむ:(必殺技っぽく叫ぶ)蒙古襲来・モストデンジャラス・悶絶斬りー!!!! : 未知彦:いかん!避けろ!地獄花ー!! : マリ子:キャッ! : 未知彦:駄目だ!間に合わない! : つとむ:死ねエエエエエ!!!! : : 0:激しい爆発音と共に、白煙に包まれる会場。 0:暫くして煙が晴れると、そこにはマリ子をかばった未知彦が血まみれで横たわっている。 : : 実況:なんて事でしょう!アンノウン未知彦選手、地獄花選手をかばって、ゴッドデビルつとむの必殺攻撃を全身に被弾したー!! : 未知彦:グ…グフッ! : マリ子:未知彦くん!未知彦くーん! マリ子:どうして!どうして私をかばったりしたの!? : 未知彦:なぜ…?なぜだろう…IQ200の天才のこの僕が、あろう事か女の子をかばってやられるだなんて…(咳き込んで)ゴフゴフ!…最低だ。 : マリ子:未知彦くん!もう喋らないで! : 未知彦:でも…なぜか…悪い気分じゃない…死ぬなよ…地獄花…マリ子…ハウッ!(倒れる) : マリ子:未知彦くーん! : つとむ:フン!虫けらは所詮虫けら…何人束になってかかろうが我の敵にあらず! : マリ子:…。 : つとむ:どうした?怖気づいたか?もうヌシらに降伏という選択肢はない。ここで朽ち果てるのみぞ! : マリ子:…や…めろ… : つとむ:…? : マリ子:許さない…許さない…許さないー!!!! : つとむ:何だ…?この膨れ上がるように増大する邪気は…? つとむ:まさか…ヌシか地獄花マリ子…! : マリ子:(呪文を詠唱する)宵闇の牙、暗闇の黒、常闇の亡者に命ず、この者に黒雷の裁きを! : つとむ:な!?これは古より伝わる古代語魔法…ハイエンシェントマジック!? : マリ子:(必殺技っぽく叫ぶ)ブラーックゥ…サンダーーー!!!! : つとむ:グワアー!! : マリ子:宝蔵院さん! : 解説:ハイ! : マリ子:カウントを取ってちょうだい! : 解説:(ハッと気付いて)あ、ああ。 解説:や!「やめろ」 解説:ゆ!「許さない」 解説:よ!「宵闇の牙」 解説: 解説:以上、や行3連続ポイントで地獄花マリ子選手の有効! : つとむ:バ、バカな…我が、我が、ここまでの深手を…ヌシは一体どうやってこのような能力(ちから)を…。 : マリ子:ゴッドデビルつとむ、オメーの敗因はたったひとつ… マリ子:オメーはアタイを怒らせた!!!!(ドーン!) : 実況:なんだ!?なんだ!?なんなんだー!突如新たな能力(ちから)に目覚めた地獄花選手が、先ほどまで圧倒的実力差を見せつけていたゴッドデビルつとむを!更なる力で圧倒しているー!!!! 解説:強敵(とも)の暴力的な死に直面した事で生まれた絶望と怒り、その二つの感情をトリガーに、彼女は、マリタソは新たなステージ立ったのだ…。 : マリ子:後悔はあの世でするんだね!いくよっ! マリ子: マリ子:「ら」!ライデンフロスト現象!! : つとむ:グハア! : マリ子:「り」リスクホメオスタシス理論!! : つとむ:カハッ! : マリ子:「る」!ルシャトリエの原理!! : つとむ:ギャッ! : マリ子:「れ」!零距離射撃!!(れいきょりしゃげき) : つとむ:ゴフゥ! : マリ子:これは未知彦くんの分っ!「ろ」!労働安全衛生法!!!! : つとむ:ショギャアーーー!!!! : 解説:ら!「ライデンフロスト」 解説:り!「リスクホメオスタシス」 解説:る!「ルシャトリエ」 解説:れ!「零距離」(れいきょり) 解説:れ!「労働安全衛生法」 解説:以上、ら行5連続ポイントで地獄花マリ子選手の有効! : つとむ:ゼエゼエ…。 : 実況:あーっと!ついに!ついに!地獄花マリ子選手が、あの、あのゴッドデビルつとむを追い詰めたー!! : つとむ:わ!わ!我が負けるだと…。このゴッドデビルつとむが、年端もいかぬ小娘なぞに…!認めぬ!認めぬぞー!!!! : マリ子:さあ、オメーの罪を数えな! : つとむ:をををををををををを!こうなったら我の究極の能力(ちから)を解放するしかあるまい! : 実況:待ってください!ゴッドデビルつとむの様子がおかしいです! : 解説:あれは、まさか、魔眼の能力(ちから)か!? : つとむ:んんんんんんん!右眼があああああ!んがあああ!右眼がああぁぁああ!右眼があ!右眼があぁぁあ!!!! : 実況:宝蔵院先生、魔眼の能力(ちから)とは一体!? : つとむ:右眼があああああ!右眼がああぁぁああ!右眼があ!右眼があぁぁあ!!!! : 解説:凶二で構わん。 解説:魔眼の能力(ちから)。俺も古の伝承でしか知らんが、右眼に宿した邪眼の力で、全てを破滅させる恐ろしい魔技であるとだけ聞いた事がある。 つとむ:右眼があああああ!右眼がああぁぁああ!右眼があ!右眼があぁぁあ!!!! : 母親:ちょっと、キヨシ、入るわよ!(ガチャリ) : つとむ:あっ、お母さん! : 母親:もう!さっきから何大きい声で叫んでるの!?ご近所迷惑でしょう!? : つとむ:…ごめん。 : 母親:ご飯もうすぐ出来るから、すぐに降りてきなさーい! 母親:今日はキヨシの好きなハンバーグよー! : つとむ:あ、うん…。 : : 0:しばらくの間。 : : つとむ:もー!!部屋入る時はノックしてっていつも言ってるだろー!!!! : : : 0:終わり